プレバト!!で紹介された2018年度の月間最優秀俳句を紹介します。
俳人夏井いつき先生が月ごとに選出した特待生12句、才能アリ5句の優秀句が発表されました。
⇒候補一覧 ⇒放送詳細 ⇒編集後記●月間最優秀俳句年月 | 名人・特待生部門 | 才能アリ芸能人部門 |
年間最優秀 | 「鰯雲仰臥の子規の無重力」東国原英夫 |
2018年4月 | 「花震ふ富士山火山性微動」東国原英夫 | 該当なし |
2018年5月 | 「石段を帰る石竜子や星一つ」松岡充 | 「夏ひかげ無音の波に足とまる」藤井隆 |
2018年6月 | 「歩行量調査戻り梅雨の無言」藤本敏史 | 「夕立晴れ二時間待ちの帰郷シーン」吉本実憂 |
2018年7月 | 「給茶機の上の軋めく扇風機」村上健志 | 「決戦の熱冷めやらぬ氷水」土屋太鳳 |
2018年8月 | 「旱星ラジオは余震しらせおり」梅沢富美男 | 該当なし |
2018年9月 | 「鰯雲仰臥の子規の無重力」東国原英夫 | 「初恋と秋の陽香る古書百円」相田翔子 |
2018年10月 | 「段雷に靴紐きつく秋の朝」三遊亭円楽 | 該当なし |
2018年11月 | 「タイカレーのラムは骨付き銀杏散る」藤本敏史 | 該当なし |
2018年12月 | 「連覇のさきぶれ沸き立つ初電車」中田喜子 | 該当なし |
2019年1月 | 「賽銭の音や初鳩青空へ」鈴木光 | 該当なし |
2019年2月 | 「紙雛のにぎやか島の駐在所」梅沢富美男 | 「雛の間となりて迎えし朝の声」星野真里 |
2019年3月 | 「『犯人逮捕』干鱈を毟る母の黙」柴田理恵 | 該当なし |
特待生投票 | 「廃村のポストに小鳥来て夜明け」梅沢富美男(得票5名で最多) |
●俳句集計データ(月によりかなり秀句数に落差があります!)※上記データは
俳句甲子園対外試合の芸能人俳句(高校生除く)を含め、紹介された句を全て集計しています。
※上記合計は
340句ですが、番組では1年間で詠まれた芸能人俳句が「
339句」という公式アナウンスがあります。夏のタイトル戦(炎帝戦)で番外編として紹介された千賀の句、または盗作疑惑となった東国原名人の句が
候補から除外されている可能性があります。
◆上記表での
秀句(青字)を月別に掲載します。
:名人・特待生部門
:才能アリ芸能人部門
:年間最優秀句
:特待生アンケート
:二択紹介句◆2018年4月◆ |
★4/12 桜と富士山 |  | 花震ふ富士山火山性微動 | 東国原英夫 | 俳桜戦②1位 |
| 空のあお富士の蒼へと飛花落花 | 梅沢富美男 | 俳桜戦②2位 |
★4/26 春の動物園 | | 象の歩に見えては隠る雀の子 | 桜雪 | 才能アリ1位70点 |
| 象の糞豊かに崩れ穀雨かな | 村上健志 | 名人4段へ1ランク昇格 |
| 春深し象舎の壁の罅長く | 東国原英夫 | 名人7段へ1ランク昇格 |
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★5/3 学校の鯉幟 | | 窓の枠狭しとうねる鯉のぼり | 石田たくみ | 才能アリ1位70点 |
★5/10 新緑の鎌倉 |  | 夏ひかげ無音の波に足とまる | 藤井隆 | 才能アリ1位71点 |
| 鎌倉宮新緑すくう柄杓かな | 髙田万由子 | 才能アリ2位70点 |
| 段葛きやらぶき弁当かかへゆく | 中田喜子 | 1級へ1ランク昇格 |
| 青嵐黄綬受章の父の眉 | 東国原英夫 | 名人8段へ1ランク昇格 |
★5/17 公園の自転車 | | 原爆忌あいつと青く飛んだ日々 | 北山宏光 | 才能アリ1位72点 |
★5/24 新緑の高尾山 | | 男坂追い抜かれ行く夏帽子 | 森公美子 | 才能アリ1位71点 |
| 石段を200数えて夏の空 | 岩永徹也 | 才能アリ2位70点 |
 | 石段を帰る石竜子や星一つ | 松岡充 | 4級へ1ランク昇格 |
★5/31 更衣 |  | 白南風に揺れ干すシャツのバニラの香 | 向井慧 | 才能アリ1位71点 |
| 更衣シャツに空色そっと添へ | 立川志らく | 才能アリ2位70点 |
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★6/7 梅雨の駅 | | 田植終え北の大地も日ざし待つ | 登坂淳一 | 才能アリ1位71点 |
| 五月雨や床の間の花匂い立つ | 馬場典子 | 才能アリ2位70点 |
 | おもひではぽろぽろ遠い二重虹 | 横尾渉 | 名人3段へ1ランク昇格 |
| 梅雨明や指名手配の顔に× | 東国原英夫 | 名人9段へ1ランク昇格 |
★6/14 雨の路面 | | 追憶やつま先濡らす走り梅雨 | 別所哲也 | 才能アリ1位73点 |
| 傘閉じて路面に沈む梅雨夕焼 | 横澤夏子 | 才能アリ2位70点 |
★6/21 紫陽花と バス停 |  | 夕立晴れ二時間待ちの帰郷シーン | 吉本実憂 | 才能アリ1位72点 |
| 雪国の青き紫陽花バスを待つ | 森公美子 | 才能アリ2位70点 |
★6/28 梅雨明け | | Yシャツ眩し白南風の丸の内 | 伍代夏子 | 才能アリ1位72点 |
| 道ばたの花束ひとつ虹立てり | 梅沢富美男 | 名人9段へ1ランク昇格 |
 | 歩行量調査戻り梅雨の無言 | 藤本敏史 | 名人9段へ1ランク昇格 |
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★7/5 かき氷 |  | 路地裏の記憶をたどるかき氷 | 徳光和夫 | 才能アリ2位70点 |
| かき氷思ひ出に色加えたり | 岩永徹也 | 才能アリ1位→5級72点 |
★7/12 夏の食堂 |  | 決戦の熱冷めやらぬ氷水 | 土屋太鳳 | 才能アリ1位70点 |
 | 給茶機の上の軋めく扇風機 | 村上健志 | 名人5段へ1ランク昇格 |
★7/19 砂浜 | | 堂々と熱砂蹴散らすオスプレイ | ISSA | 才能アリ2位70点 |
| ガンジーのような足が出る砂日傘 | 立川志らく | 才能アリ1位→5級72点 |
| 嬰児の寝息の熱し砂日傘 | 梅沢富美男 | 名人10段へ1ランク昇格 |
★7/26 離婚届 | | 区役所で秋の声聴くソファ席 | 河中あい | 才能アリ1位72点 |
| 調停の席着く妻のサングラス | 東国原英夫 | 名人10段へ1ランク昇格 |
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★8/2 夏の太陽 | | 光束ねるごと日焼子ら走る | 中田喜子 | 炎帝戦②予選1位 |
| 油照り毛糸のような犬拾う | 立川志らく | 炎帝戦②予選2位 |
| 満タンの声炎天の肩まくり | ミッツ・マングローブ | 炎帝戦②予選3位 |
★8/9 ラジカセ |  | 旱星ラジオは余震しらせおり | 梅沢富美男 | 炎帝戦②決勝1位 |
| 村祭ラジカセが笛担当す | 村上健志 | 炎帝戦②決勝2位 |
| 短夜や付録ラジオの半田付け | 藤本敏史 | 炎帝戦②決勝3位 |
| ベイエリアから届く短波や処暑の風 | 千賀健永 | 炎帝戦②決勝番外 |
★8/16 帰省ラッシュ | | カナブンに撃たれて起きる郷の駅 | 光浦靖子 | 才能アリ2位70点 |
| 降り立ちて夜のしじまにあいの風 | 柴田理恵 | 才能アリ1位→5級72点 |
| 啄木の顔して帰る盆休み | 立川志らく | 4級へ1ランク昇格 |
★8/30 夏休みの 終わり | | 生きる人も死んだ人も宿題かかえ走る江ノ電 | 渡辺えり | 才能アリ1位71点 |
| 発車ベル秋風めくる参考書 | 白鳥久美子 | 才能アリ2位70点 |
| 夏逝くや離郷の尾灯連なりて | 武井壮 | 才能アリ3位70点 |
| 八月の海を置き去るバイクかな | 村上健志 | 名人6段へ1ランク昇格 |
 | 草茂る洞窟のこと他言せず | 東国原英夫 | 名人10段★1へ1つ前進 |
◆2018年9月◆ |
★9/6 秋の味覚 |  | 朝の陽や父と煮詰めた柿のジャム | 小倉優子 | 才能アリ1位71点 |
| 秋の宵独身女とサンマ缶 | 篠田麻里子 | 才能アリ2位70点 |
| 舌先に鰡子の粒現れる | 千原ジュニア | 3級へ1ランク昇格 |
★9/13 古書店街 |  | 初恋と秋の陽香る古書百円 | 相田翔子 | 才能アリ1位72点 |
| 魂祭父の香を追う書斎かな | 岡江久美子 | 才能アリ2位70点 |
| 作家別に揃え直して夜は長し | 村上健志 | 名人7段へ1ランク昇格 |
★9/20 駅の花屋 | | 晴天に雲描く筆花すすき | 白鳥久美子 | 才能アリ1位70点 |
| 真夜中の花屋の灯り秋澄めり | 村上健志 | 名人8段へ1ランク昇格 |
★9/20 俳都 | | マッチ箱の汽車眩し夕虹の街 | 藤本敏史 | 俳句甲子園②1回戦 |
| 西日へと坊っちゃん列車転回す | 村上健志 | 俳句甲子園②2回戦 |
 | 鰯雲仰臥の子規の無重力 | 東国原英夫 | 俳句甲子園②3回戦 |
★9/27 紅葉の絶景 | | 紅葉ふるコントラバスを弾くはやさ | 石田明 | 金秋戦②予選1位 |
★9/27 郵便ポスト |  | 廃村のポストに小鳥来て夜明け | 梅沢富美男 | 金秋戦②決勝1位 |
| 無月なり紙ナプキンの置き手紙 | 村上健志 | 金秋戦②決勝2位 |
| 御出席の葉書投函秋日和 | 千原ジュニア | 金秋戦②決勝3位 |
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★10/18 運動会 | | 爽やかに早まる鼓動待つバトン | 潮田玲子 | 才能アリ1位70点 |
 | 段雷に靴紐きつく秋の朝 | 三遊亭円楽 | 1級へ1ランク昇格 |
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★11/1 晩秋の レストラン | | 温め酒あとは巴水の木版画 | 片岡鶴太郎 | 才能アリ1位72点 |
| 星月夜オペラ幕間のティータイム | 髙田万由子 | 才能アリ2位70点 |
| 晩秋や乱歩を読みて窓に蟲 | 立川志らく | 3級へ1ランク昇格 |
 | タイカレーのラムは骨付き銀杏散る | 藤本敏史 | 名人10段へ1ランク昇格 |
★11/8 紅葉と渋滞 | | 渋滞の窓コツリ京のどんぐりか | 的場浩司 | 才能アリ1位70点 |
★11/15 朝食の風景 | | 炊き出しや並べば遠き秋の雲 | 東国原英夫 | 名人10段★1へ1つ前進 |
| 息白し熱いココアとミシガン湖 | 厚切りジェイソン | 才能アリ1位71点 |
| 新米で普段の朝がひかりだす | 磯野貴理子 | 才能アリ2位70点 |
★11/22 結婚式 | | きゝ慣れし聲のあたらし秋の婚 | 筒井真理子 | 才能アリ1位70点 |
★11/29 冬のスーパー | | 手袋を外して撫でる猫の喉 | 北山宏光 | 才能アリ1位→5級73点 |
◆2018年12月◆ |
★12/6 銀座の イルミネーション | | 不夜城の孤独にまとう毛皮なり | 相田翔子 | 才能アリ1位71点 |
| オリオンよ俺にシャウトをさせてくれ | ダイアモンド☆ユカイ | 才能アリ2位70点 |
★12/13 冬の スーパー銭湯 | | 師走の夜ゆ屋の湯気見え途中下車 | 津田寛治 | 才能アリ1位70点 |
| 打たせ湯の肩夜をしのぶ雪女郎 | ミッツ・マングローブ | 2級へ1ランク昇格 |
★12/20 炬燵と蜜柑 | | 夕空をドクターヘリや落葉焚 | 坂下千里子 | 才能アリ1位73点 |
 | 婆やは蜜柑食べ続ける妖怪 | 立川志らく | 2級へ1ランク昇格 |
★12/27 年末の 満員電車 |  | 連覇のさきぶれ沸き立つ初電車 | 中田喜子 | 冬麗戦②予選1位 |
| 吊り革の師走遠心力に耐へ | ミッツ・マングローブ | 冬麗戦②予選2位 |
| ヘビメタの担ぐギターと破魔矢かな | 千原ジュニア | 冬麗戦②予選3位 |
| 犬ひとり霞が関は大晦日 | 千賀健永 | 冬麗戦②予選4位 |
◆2019年1月◆ |
★1/3 結露 | | 凍蠅よ生産性の我にあるや | 東国原英夫 | 冬麗戦②決勝1位 |
| 皹に窓の結露を吸わせけり | 千原ジュニア | 冬麗戦②決勝2位 |
| まだ白い明日が並ぶ初日記 | 村上健志 | 冬麗戦②決勝3位 |
| 雪晴れやエース区間の九人抜き | 横尾渉 | 冬麗戦②決勝4位 |
★1/3 初詣のお賽銭 |  | 賽銭の音や初鳩青空へ | 鈴木光 | 才能アリ1位75点 |
★1/10 書初 | | 筆始祖父の遺した硯箱 | 山口もえ | 才能アリ1位70点 |
★1/17 冬のバス停 | | 遅延証明書の列や雪の朝 | 内田恭子 | 才能アリ1位72点 |
| 雪濡らすバス待つ我の単語帳 | 向井慧 | 才能アリ2位70点 |
★1/24 冬の 自動販売機 | | 牢名主のごと自販機のおでん缶 | 梅沢富美男 | 名人10段★1へ1つ前進 |
| 冬空や商談前の缶コーヒー | 松尾駿 | 才能アリ1位70点 |
| 飲み干す光雪晴れの缶ジュース | 松岡充 | 3級へ1ランク昇格 |
★1/31 コンビニの おでん | | 着ぶくれて慰安婦像の銅の髪 | 東国原英夫 | 名人10段★1へ1つ前進 |
| 空っぽのコンビニおでん冬銀河 | 河合郁人 | 才能アリ2位70点 |
| 旅芝居はねて今宵は加賀おでん | 大和田獏 | 才能アリ1位→5級73点 |
| 煮大根や円周率の崩る音 | 岩永徹也 | 4級へ1ランク昇格 |
◆2019年2月◆ |
★2/7 梅と公衆電話 | | 大槌の風の電話や梅一輪 | 馬場典子 | 才能アリ1位73点 |
| 戦陣の交はるごとき梅二色 | 武井壮 | 才能アリ2位70点 |
 | 梅東風や受話器の底に母国あり | 中田喜子 | 名人初段へ1ランク昇格 |
★2/14 東京から見る 富士山 | | 風邪ふたり新居の窓の富士はるか | 高橋真麻 | 才能アリ2位70点 |
| 教室のわたしを富士へ白き梅 | 鈴木光 | 才能アリ1位→5級72点 |
★2/21 春のベランダ | | 水やりはシジミ蝶起こさぬように | 梅沢富美男 | 名人10段★2へ1つ前進 |
| 真っ白な手縫い雑巾チューリップ | 河合郁人 | 才能アリ1位73点 |
| 北窓開き水やりのスクワット | 田山涼成 | 才能アリ2位71点 |
| 蝋梅や米寿の鼻腔蕩かさん | 篠田麻里子 | 才能アリ3位70点 |
★2/28 雛祭り |  | 紙雛のにぎやか島の駐在所 | 梅沢富美男 | 名人10段★3へ1つ前進 |
 | 雛の間となりて迎えし朝の声 | 星野真里 | 才能アリ1位73点 |
| ハイパーインフレボリバル札の紙雛 | パックン | 才能アリ2位70点 |
◆2019年3月◆ |
★3/7 春の号外 | | 春疾風号外の紐ほどきたる | 石田明 | 1級へ1ランク昇格 |
| 号外を放つ手取る手春疾風 | 松岡充 | 2級へ1ランク昇格 |
| 冴え返るA.I.棋士の白き腕 | 岩永徹也 | 3級へ1ランク昇格 |
 | 「犯人逮捕」干鱈を毟る母の黙 | 柴田理恵 | 3級へ2ランク昇格 |
★3/14 春の引越し | | 実家から持ち出すタオル選ぶ春 | 藤井隆 | 才能アリ1位72点 |
| ダンボールつまれし新居うららかに | 手塚理美 | 才能アリ2位71点 |
| 引越が町で三件夏近し | みちょぱ | 才能アリ3位70点 |
★3/21 春の旅行計画 | | 影消えて旅になりけり春の道 | 歌広場淳 | 才能アリ1位71点 |
| 山笑うバンカー越えのアプローチ | 三浦翔平 | 才能アリ2位70点 |
● | 道化師のギャロップのごと牧開 | 鈴木光 | 4級へ1ランク昇格 |
【放送概要】番組は2018年4月~2019年3月までの月間最優秀句をVTRを挟みながら順に発表し、受賞者にトロフィーを渡すシーンが流れ、ときおり二択クイズ形式でどちらが最優秀句または才能アリNo.1句に夏井先生が選出したか、スタジオの梅沢10段・立川志らくが答える形で進行されました。
●各回VTRは省略します。
●早速、4月の月間賞が発表され、東国原名人が受賞。
[受賞者コメント]え?(仰天した素振りを見せ) あ、そうですか。ありがとうございます。
夏井先生 「富士山火山性微動」なんてこんな言葉がいきなり出てくるなんて。さすがでしたね、これは。Q1.どちらが5月の才能アリ1位?A | 夏ひかげ無音の波に足とまる | 藤井隆 | 梅沢・志らく |
B | 白南風に揺れ干すシャツのバニラの香 | 向井慧 | |
梅沢名人 これ私一緒にいたんじゃないかなあ(→いませんでした※)。
藤井君が珍しく良い句を詠んだとなっちゃんが褒めてたのは分かります。
浜田 じゃあ記憶ってこと?
梅沢名人 そうです。
浜田 これは志らくはんいなかったんで。
志らく 無音という音がないところと、音・聴覚、波という視覚、それから足が止まるという動作、いろんなものが入っているから俳句としてはAの方が良い。
※確認後訂正しました
→正解は
Aで両者正解
[受賞者コメント]藤井 わぁ嬉しい。難産のものって全然ピンと来なかったりするが、
ハッと写真を見て思ったものとか、そういうのが夏井先生に褒めていただけるとホントに嬉しい。
夏井先生 この句は季語の「
夏ひかげ」。この光と影を、「
無音の波」この
陰影が印象的に描いている。静かな光景が上手い。
Q2.どちらが6月の最優秀俳句?
A | おもひではぽろぽろ遠い二重虹 | 横尾渉 | 梅沢 |
B | 歩行量調査戻り梅雨の無言 | 藤本敏史 | 志らく |
玉巻アナ 意見が割れました。
梅沢名人 これは
プレバトジュニアでしょ。五七五じゃない句をこの子が詠んだ時に私
感動した。
志らく これはBの方が
衝撃的じゃないですか。最後「無言」という風に
見事にポンと決めてるから。
→正解は
Bで志らく正解
浜田 (外した梅沢名人が何も言わないので)
おとなし。
夏井先生 「
歩行量調査」というおおよそ
詩になりにくい言葉を使って、「
戻り梅雨」という
季語をリアルに表現している。最後の「
無言」。ここが
語っているものが大きい。
Q3.どちらが7月の才能アリ1位?
A | 路地裏の記憶をたどるかき氷 | 徳光和夫 | 志らく |
B | 決戦の熱冷めやらぬ氷水 | 土屋太鳳 | 梅沢 |
梅沢名人 やっぱりなんか部活だったんでしょう。バレーかサッカーかわかりませんよ。
勝ったのか負けたのかわかりませんけど、「今日は頑張ったね」「負けて悔しい」っていう「熱冷めやらぬ氷水」を飲んでいるんです。この
世界観素晴らしいと思います。
→ちなみに梅沢名人は札を挙げた土屋の回で共演し、その時も同じく上五を指摘しています。
志らく やっぱり「路地裏の記憶」をたどっていくという、俳句は情景を詠むのに、
記憶をたどるという所に目を付けた徳光さんは凄い。
→正解は
Bで梅沢正解
[受賞者コメント]土屋 びっくりです。
素直にそのまま書いた俳句なのですごくびっくりしてます、嬉しいです。
(映画「バンブルビー」の吹き替え収録スタジオでトロフィーを受け取っていました)
夏井先生 これは
勢いと臨場感がありますよね。季語「
氷水」の場面を
ストレートに表現している。
若い力っていうのはこういうんだね、うらやましいね。
Q4.どちらが8月の最優秀俳句?
A | 旱星ラジオは余震しらせおり | 梅沢富美男 | 梅沢 |
B | 草茂る洞窟のこと他言せず | 東国原英夫 | 志らく |
梅沢名人 (自分の句に)すばらしい、寒気がするね。
→大方の予想通り、梅沢は自分の句に、志らくはその逆に札を挙げる展開に
志らく 私は梅沢さんの句はとても好き。これ(A)なんかも本当に素晴らしい俳句だけれども、こう2つ並べると「洞窟のこと他言せず」って、それだけで
情景と子どもの雰囲気も浮かんでくる。
梅沢名人 いやいや。あなたは最近
東君のことを尊敬しているから、伸び悩んでいるんですよ。
私を参考にしないと、これから名人にはなれないと思いますよ。→2級から降格続きで現在4級の志らくへきついダメだし。
→正解は
Aで梅沢正解
梅沢名人 それはそうでしょ、
格が違うもの。
夏井先生 季語「
旱星(ひでりぼし)」に熱くて赤い星のイメージがある。
季語が余震の不安を掻き立てていく。この取り合わせが上手い。おっちゃん、やる時はやるわ。
→スタジオで浜田からトロフィーを贈呈
梅沢名人 私を参考にしないと。数いる中で339句も詠んでいる中で
トップなんだから。ほら!
(トロフィーを掲げ、カメラ目線になる梅沢名人)
梅沢名人 アップで撮れよ、早く!→カメラに向かって文句を言う名人
ここで特別企画。
名人・特待生が選ぶ最優秀俳句を発表。18人の名人・特待生にこれまで名人・特待生が詠んだ全ての句からそれぞれが思う「最優秀俳句」をアンケート。その中で、
村上・石田・円楽・志らく・大和田の5人に選ばれた句がこちら。
●これは
秋の金秋戦(9月)で優勝したときの句でしたね。
そして、その9月に放送された俳句甲子園の対外試合で詠まれた東国原名人の句が月間最優秀俳句に。
Q5.どちらが9月の才能アリ1位?
A | 朝の陽や父と煮詰めた柿のジャム | 小倉優子 | 梅沢 |
B | 初恋と秋の陽香る古書百円 | 相田翔子 | 志らく |
浜田 また分かれた。
志らく やっぱり「古書百円」がすごく効いてる。それが「初恋」
とうまい具合に掛かっている感じがして。私はBの方が・・・。
梅沢名人 私は
「初恋」っていうのがどうも気に入りませんよ。普通っぽいじゃない。
→正解は
Bで志らく正解
[受賞者コメント]相田 もっともっと上を目指すなら、技術とか
色んな技が必要で奥深いと感じているので、自分らしく素敵な句を詠めたら良いなと思ってます。
夏井先生 季語「秋の陽」をはじめ、結構いろんな言葉を詠みこんでいるので
言葉のバランスが難しいが、綺麗に入れ込んできた。特に最後の
「百円」のリアリティーが良い。
●放送が1回しかなかった10月は唯一昇格した円楽師匠が順当に受賞
[受賞者コメント]
円楽 いらない言葉を全部削いでそれを想像させるかってのが一番苦労した。でもそれが選ばれたのが嬉しい。
夏井先生 中七
にその日のやる気が滲み出ている。季語「
秋の朝」はさりげなく心に入ってきた。
●放送が5回あるなど激戦区の1つである11月は藤本名人が受賞
[受賞者コメント]
藤本 ま、ね。1つはトロフィーもらえるかもしれませんけど2つですもんね。前もありましたよね。2017年も俺3つぐらい取った(そうでしたね。詳しくは全俳句一覧へ)。俺一番これ持ってるんじゃない?今?(そうですけどね)最優秀トロフィーコレクターと言っても過言ではない。
夏井先生 「
タイカレーのラム」がきてさらに「
骨付き」。メニューを説明するだけかと思ったら最後に季語「
銀杏散る」が出てくる。
形が同じ、色が同じ、その相似形。
似たところをすくい取るのが取り合わせのコツですね。
Q6.どちらが12月の最優秀俳句?
A | 婆やは蜜柑食べ続ける妖怪 | 立川志らく | 志らく |
B | 連覇のさきぶれ沸き立つ初電車 | 中田喜子 | 梅沢 |
浜田 (Aの句は)覚えてるわ。
梅沢名人 (Aはこれ)テレビで観てました私。
→Q4の逆バージョン。志らくは自分の句に、梅沢はその逆に札を挙げる展開に
浜田 やらしいでしょ。なんでですの?
梅沢名人 なんでですか?
浜田 観てたんでしょ、Aやってたん、観てたんでしょ。
梅沢名人 いや~、Aも良い句ですよ。
志らく これは
私が勝ってると思います。梅沢さんの時に(自身が)勝っていて、私の時に勝っていなかったらすんごい
スタッフは意地が悪い。
梅沢名人 まあね、それは言えるわね。
→正解は
Bで梅沢正解
浜田 アハハハハ。
志らく ひどくないですか、ちょっと。
[受賞者コメント]
中田 実は(受賞句の)冬麗戦の収録前にカリブ海のお仕事があった。でも「カリブ海に行ってる場合じゃない」って言って、事務所の方に理由を説明してカリブ海をキャンセルさせていただいて、それでもう「プレバト!!」に懸けてましたので。予選1位獲ってホントにほっとしました。
夏井先生 志らくさんの妖怪の句も非常に愉快だったが、
応援に行く人達の心の高ぶりを「
初電車」という季語に託す。中田さんの句
はやっぱり上手い。「初」の字の
勢い・めでたさ・華やぎ。全部入ってきました、さすがです。
●1月は今話題の東大生、鈴木光(ひかる)のデビュー句が受賞
[受賞者コメント]鈴木 初めて私がきちんと作った俳句。今回「プレバト!!」で
本格的に俳句を始めるきっかけとなった句なんですけど、本当に記念すべき良い思い出になった。ありがとうございます。
夏井先生 賽銭で音といったら大体同じような音を思い浮かべる
。「音や」で切った後に、初鳩が飛び上がる音が重なってくる。その音を描いているのが青空
「へ」という助詞。
上手いね~、フレッシュだね。光ちゃん。
Q7.どちらが2月の最優秀俳句?
A | 梅東風や受話器の底に母国あり | 中田喜子 | 志らく |
B | 紙雛のにぎやか島の駐在所 | 梅沢富美男 | 梅沢 |
梅沢名人 (Bの自分の句は)素晴らしい。
流れがたまらない。
→Q4と同じバージョン。再び梅沢は自分の句に、志らくはその逆に札を挙げる展開に
浜田 (志らくは)意地でもA。
志らく これで梅沢さんだったら、よっぽどスタッフは梅沢さんに気を遣いすぎ。
梅沢名人 そんなことないでしょ。この流れの素晴らしい。
お芝居の台詞にもなりますよ。「紙雛のにぎやか島の駐在所」。
浜田 言うてるだけやん。
→正解は
Bで梅沢正解(正解数は
梅沢5-
3志らくとなる)
夏井先生 俳句で「
にぎやか」という表現は大雑把で難しい。それが
物凄くうまく使えている。「紙雛」に焦点を当ててるんですけど、「島の駐在所」という
光景・場面が見事に広がってくる。
おっちゃん、上手い時はうまいのよ。
●3月は一斉昇格試験で2ランクアップを決めた柴田が受賞
[受賞者コメント]柴田 嬉しい~。嬉しい~。ありがとうございます。嬉しいです!
夏井先生 かぎかっこ「」で犯人逮捕。これだけでも
新聞の見出しが浮かんでくる。カットが変わって干鱈をむしっている母が出てくる。最後の「黙(もだ)」が
単純な沈黙ではなく、母の心情を語る。柴田さん、
本物になってきました。
●最後に、
2018年度の年間最優秀俳句が発表されました。9月の月間No.1に選ばれたこの句でした。
【編集後記】(お待たせしました)今回は過去1年間に詠まれた俳句から月間賞(前回はMVHでした)を選出する総集編でした。
名人部門からは、名人10段の3人がそれぞれ2つずつ月間賞を獲得しました。
東国原名人は前回同様に4月のタイトル戦と9月の通常回での受賞でした。春のタイトル戦優勝句は富士山の活火山としての側面を打ち出した句でしたが、大変インパクトがありました。そして、年間最優秀句にも選ばれた俳句甲子園の対外試合で詠まれた晩年の正岡子規の一句。会場がどよめいたと夏井先生が語ってましたが、これも納得の選出でした。
藤本名人は自身が語っていたように通算5回の受賞と月間賞は最多となりました。6月の「無言」の句、11月の「タイカレー」の句ともに面白い視点ですが、夏井先生はこのような発想の句を大変高く評価されますね。添削されてはいけない永世名人査定は苦戦しているので、2019年度こそ星を獲得できるか注目です。
梅沢名人は貫録のある形での2句受賞。夏のタイトル戦優勝を決めた「旱星」の句、最近の「紙雛」の句と、味わいが全く違う2句ですが、ともに背景を想像できる余韻が残る句でした。現在昇格レースはトップに立っていますが、このまま永世名人に突き抜けられるかが今後の見ものです。
村上名人は「給茶機」の句で受賞。ドラマのワンシーンのような想像を膨らませる句でした。最近は出演が少ないですが、早く10段に登りつめて欲しいですね。
名人なり立ての中田さんは年末のタイトル戦予選の一席で受賞。破調の明るい俳句に先生も実力がついていることを高く評価してましたし、別の仕事を断ってまで「プレバト!!」に専念するとは凄い度胸でしたね。
ここまで昇格率100%の松岡さんは「トカゲ」の句で受賞。最後の「星一つ」も効いていました。最近も絶好調なのでどんどん挑戦してほしいです。
円楽さんは運動会の「段雷」の句で受賞。人物をまっすぐ詠むのが得意な円楽さんですが、ストーリー性のある背景が映像として見えてくる句でした。
柴田さんは村上さん以来の2ランクアップの「干鱈」の句でしたが、号外からニュースへの発想の展開と、「母の黙」が大変効果的でした。
期待の東大生である鈴木さんは初登場の「初鳩」の句で受賞。志らくさんに打ち勝ったのは番組としても衝撃的な展開となり、話題性もありました。早くもその志らくさんと4級で並んでいます。期待が先行している分、実力的に不明な部分も残りますが、出演直後の全俳句の閲覧数もダントツということもあり、番組的に新しい風が吹いたのは間違いありません。
通常回の才能アリ俳句も5句受賞しましたが、男性は1句のみでした。その藤井さんも2019年度には特待生に上がってくるかもしれません。
さて、記事中でも述べましたが月によって放送回数や秀句数にかなり差があるため、激戦となった月も多くありました。10月は放送が1回のみでしたが、5月・11月・1月は放送が5回あります。特に名人・特待生にとって最激戦となった9月は通常査定3回にタイトル戦2回に加えて俳句甲子園も重なるという厳しい戦いになりましたが、最優秀句や特待生投票句もそこから選ばれました。また、通常挑戦者に限るとここ最近は才能アリの挑戦者も多くてハイレベルですが、下半期からは星野さんの1句しか選出されませんでしたね。番組的にも後半は二択クイズも少なく駆け足気味に編集していたのが気になりました。さらに、選ばれた句全体を見ると、聴覚に訴える句が多い印象でした。五感で詠むというのが今後もキーポイントになりそうです。
さて、次回は春のタイトル戦。今回は「春光戦」と名前を改めて予選・決勝の二部構成です。過去最多となる14名でタイトルを争う形ですが、どんな句が飛び出すか楽しみですね。決勝記事は即日更新の臨戦態勢の予定です(新年度も大変です)。
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