「プレバト!!」で披露されたジャニーズ 河合郁人(A.B.C-Z)の全俳句一覧です。
特待生4級 河合郁人(かわいふみと) 合計19句
成績(2021年10月21日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ6回、
凡人3回、
才能ナシ2回
<特待生時代>
1ランク昇格2回、
現状維持3回、
1ランク降格1回
第4回炎帝戦予選B4位(最下位)、第4回金秋戦予選D4位(最下位)●昇格率 33.3%(2/6)→50音別一覧ページへ →ページ下へジャンプ→
人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 才能アリ | 冬景色湯けむり景色母景色 |
2 | 才能アリ | 水しぶき伸ばす手に夏感じる子 |
3 | 才能ナシ | 純粋地に咲く花は乙女色 |
4 | 凡人 | 春近し鬼を遠ざけ福来る |
5 | 凡人 | 春晴れを見る富士を見る筆の花 |
6 | 才能アリ | 福島の軒の氷柱に透ける空 |
7 | 凡人 | 風ふわり雨止み新樹つややかに |
8 | 才能ナシ | 秋日和三尾冷やされ夜七輪 |
9 | 才能アリ | 空っぽのコンビニおでん冬銀河 |
10 | 才能アリ | 真っ白な手縫い雑巾チューリップ |
11 | 才能アリ | 百本ノック蛇口に映る夏の空 |
12 | 現状維持 | 渋滞時ぬるいソーダと焼けた腕 |
13 | 1ランク昇格 | 補助輪を外し三周麦茶の香 |
14 | 炎帝④予選B4位 | 縁側の寛ぐ父や初鰹 |
15 | 現状維持 | 夜更かしの林檎や祖母と七並べ |
16 | 金秋④予選D4位 | 秋風の終電マイバッグの梨 |
17 | 1ランク降格 | 制服のキスの余韻や揚花火 |
18 | 現状維持 | 初MCのエゴサ車窓は秋夕焼 |
19 | 1ランク昇格 | デビュー曲一位行きつけの新蕎麦 |
▼人物紹介「プレバト!!」ではジャニーズの苦労人として番組初期からコンスタントに出演。いきなり2回連続の才能アリを獲得するも、A.B.C-Zは5人全員が才能ナシ最下位を獲得してしまい、「グロス(全体)でダメ」と浜田からも低迷ジャニーズとして厳しい扱いを受けてきた。
しかし、成長の成果はグループ内でも一人抜きんでており、才能アリを合計6回獲得。A.B.C-Z初となる念願の俳句特待生に認定された。才能ナシ経験者としてはジュニア、岩永、キスマイ北山に次ぐ4人目の特待生で、通算21人目である。
句の特徴は、平易な単語で描写できる表現力。韻を踏んだ句も見られ、言葉選びも工夫しているが、花言葉を季語だと勘違いしたり、昼と夜の光景を一緒に詠んだりと大失敗も犯しており、夏井先生からも厳しい指導を受けている。
順位発表後のリアクションやポーズが個性的なため、浜田を始めフジモンや千原ジュニアからもいじられているが、その対応力は芸人顔負けと言ってよい。
査定の方は満を持して特待生として挑戦するも言葉の詰めが甘く現状維持。昇級には時間がかかりそうな印象だったが、姪っ子の描写に挑んだ句で初昇格を果たした。
タイトル戦は炎帝戦が初参加。満を持して臨むも番狂わせは起きずに最下位に終わり、続く金秋戦でも最下位。タイトル戦初の「添削放棄」をされ、2句分割の宿題まで出されるという屈辱を受けた。
そして久々の一斉査定でベタな発想と指摘されて初めて降格を経験。巻き返しに期待したい。
2023年9月21日、自身が所属するグループA.B.C-Zから12月21日付で脱退することを発表。ジャニーズ事務所に残ることも表明している。
●[1]お題:草津の湯もみ
『冬景色湯けむり景色母景色』才能アリ1位70点
添削なし
季語は「冬景色」。俳句のタブーである三段切れを、3つの「景色」で韻を踏むテクニックで上手く使いこなした。季節と冷たさを指す「冬」、光景と温かさを指す「湯けむり」、人物の「母」という3つの単語もお互いを殺し合わずに引き立てあっていると高評価を受けた。
●[2]お題:五月 日光・華厳の滝
『水しぶき伸ばす手に夏感じる子』才能アリ1位70点
添削後
『水しぶきへ伸ばす手に夏感じる子』
季語は「夏」。特待生フジモンに「1位の喜びを身体で表現して」と言われ、ダチョウ倶楽部の「ヤー!」と両手を前に出す物まねを披露。子どもが展望台から滝へ向かって手を伸ばしても届かないが、水しぶきを受けて夏の強さを感じると語った句。映像の確保と「滝」から「夏」への発想の転換を称賛された。方向を示す助詞「へ」を字余りでも足すべきだと指南された。
●[3]お題:コスモス畑
『純粋地に咲く花は乙女色』才能ナシ5位(最下位)20点
添削後
『花言葉「純粋」コスモス乙女色』
コスモスの花言葉「純粋」「乙女」を季語と思い込んで用いた一句。「乙女色」は幼くて汚れのない男女が手を繋いで野原を歩く様子をイメージした。先生から「花言葉書けば季語になるなんてあるわけないだろ」と滅多打ちにされ、季語もなく定型も裏切る形で、中七も「大方の花は地に咲きまっせ」と指摘される。中七が比喩的象徴の表現かと読み手に無駄な思考を巡らせ、実物のコスモスから離れた挙句、最後に「純粋」だけが残る寂しい句で、世界の果てで歌っている一人カラオケの句だと酷評され、名詞を連ねる添削を受けた。前回まで好成績だったため、他の出演者に俳句のアドバイスをしたが、散々な結果に本人は冷や汗が止まらなくなる羽目に。
●[4]お題:節分 豆まき
『春近し鬼を遠ざけ福来る』凡人4位40点
添削後
『春近し邪気遠ざけてうたた寝す』『春近し邪気遠ざけて父の黙』
節分が終わり、鬼を遠ざけ福が来る季節ということを季語「春近し」で詠んだ句。発表後の観客が無反応なため、鬼も客も遠ざけてしまったと語った。梅沢名人から「春が来るから豆撒くというのは大きな間違い。"御厄払いましょう厄落とし"という歌舞伎の台詞がある。季語を変えるべき」と指摘されるが、「問題点はそんなところではない」と先生は全否定。一番つまらない所は日本人全員が知る節分行事を説明した点にあり、中七=下五という構造で、どうでも良いと句の大半を消してしまう。節分の気分から少し離れた「邪気」を用いて、下五を風情ある光景に添削した。「特待生狙おうなんて一から考え直せ」と痛烈に酷評された。
●[5]お題:つくしと富士山
『春晴れを見る富士を見る筆の花』凡人2位50点
添削後
『つくしんぼ青空を見る富士を見る』
季語「春晴れ」「筆の花(つくし)」とあえて季重なりにした。藤本名人は「季語2つとわかっているなら何で1つにしないのか」と指摘する。先生は「見る」でリフレインをする表現意図は褒めるが、つくしの傍題「筆の花」と気取る言い方にする必要がどこにあるかと指摘。「実力がないとカッコいい言葉でごまかそうとするのが凡人の心根だ」と厳しく問い正す。季語を「つくしんぼ」と平易な表現で語順を整えた。本人は「背伸びしてしまう」と反省した。
●[6]お題:つらら
『福島の軒の氷柱に透ける空』才能アリ2位70点
添削後
『福島の空よ氷柱に透ける空』
季語は「氷柱(つらら)」。「誰に考えてもらった」と疑う浜田から伺われるが、福島にある祖父の実家で見たつららと青空のコントラストが寒い中にも温かさがあると語った一句。「福島」の固有名詞で復興に立ち向かうことを思わせ、「氷柱」「空」との取り合わせだけで十二分に俳句になる材料が揃っていると先生は称賛。「軒の」で光景を小さくせず、「空よ」と詠嘆して空で韻を踏むことで、本人の想いを超えた様々な読みができる句に添削した。
●[7]お題:
新緑の鎌倉『風ふわり雨止み新樹つややかに』凡人3位60点
添削後
『つややかに新樹の香立つ雨あがり』
季語は「新樹」で新緑だけを描写した。兼題写真が雨上がりの新緑に見えて、葉に水滴が残り風が吹いて香るともう少しで夏が来る様子を「香り」と書かずに「風ふわり」で表現したと語った一句。東国原名人は「ジャニーズさんの作風はロマンチック。ジャニーズさんの思想なのか」と意味深にいじる。描きたい光景が綺麗で読み手に伝わるのは良いが、「風」「雨」と2つの気象の言葉で焦点がぶれるのが勿体ないため、例えば「雨」に絞るべきと指南する先生は、「香り」と書かなかったことに触れて「アホかいなと思った。その言葉を書きなさいな。その判断が付かないから凡人」と厳しくダメだしし、語順を変える添削をした。
●[8]お題:
秋の味覚[店先のサンマ]『秋日和三尾冷やされ夜七輪』才能ナシ5位20点
添削後
『店先に並ぶ三尾や秋日和』
季語は「秋日和」。順位発表前の「1位のような気がする」という自信ありげな台詞を浜田からいじられる。秋の穏やかに晴れた日に買い物すると、魚が三尾冷やされてるが、夜には七輪に載せて熱くなるぞという想いを詠んだ句が、梅沢名人から「わかれって方が無理」、千原ジュニアから「どこにいるのか、時間軸もわからない」と指摘される。先生も特待生・名人に同調し、17音しかない俳句で昼の市場に並ぶ場面から夜に焼くところまでの時間軸を語れると思い込むのが堂々たる才能ナシだと酷評。光景を細かく切るべきと語る先生は、店に並ぶ昼間の光景を切り取る添削をし、「もう無理」とお手上げ状態に。
●[9]お題:
コンビニのおでん『空っぽのコンビニおでん冬銀河』才能アリ2位70点
添削なし
季語は「冬銀河」。コンビニで買うおでんは深夜には売り切れていたり、掃除していたりで空っぽのことがある。買えずにガッカリする帰り道に冬の夜空を見てホッとすると語った。特待生岩永は「"空っぽ"と星が一杯ある様子の"冬銀河"の対比が巧い」、東国原名人は「最後の季語でシンプルな気持ちが余韻として伝わる」と称賛する。先生も二人の意見に同調し、気持ちがコンパクトに語れており、中七が違和感なく書かれている点も褒めた。「おでん」も季語だが、この句では「空っぽ」の状態のため、季語としての力はなく強弱を押さえている点も評価し、「とても上手にまとめた」と4回目の才能アリを祝福した。本人はダサい両手のピストルポーズで喜びを表現した。
●[10]お題:
春のベランダ『真っ白な手縫い雑巾チューリップ』才能アリ1位73点
添削なし
季語「チューリップ」との取り合わせ。小学校の新学期や入学式で新調するため、母親が縫ってくれた雑巾を学校に持っていく光景を詠んだ一句。東国原名人は「取り合わせの季語との距離感が絶妙。センスが凄い」と絶賛する。実感があり場面も見える良い句と解説する先生は、真っ白い様々な物から「手縫い雑巾」に焦点を当て、「チューリップ」により学級園の場面が想像できる上に、色の対比もされており、背景にいる人物が想像できると終始褒めた。5回目の才能アリで本人も手ごたえを感じていた。
●[11]お題:
学校の蛇口『百本ノック蛇口に映る夏の空』才能アリ1位▸5級73点
添削なし
季語は「夏の空」。自身の少年野球の体験から、休憩中に蛇口で水を飲むと金属部に反射する夏の青空を見て疲れが取れる心情を描写した。ジュニアは「メチャクチャ良い。蛇口に空を映すかね」と発想を褒め、梅沢名人は「憎たらしい」、村上名人は「今後、蛇口を見るの楽しくなる」とニヤケながら語る。先生は「読んだだけで映像が次々に浮かぶ句」と評し、シンプルな言葉の使い方だが、確かな映像が再生されると褒めた。上五で野球部の厳しい練習だとわかり、「映る」は説明的で不要という考え方もあるが、蛇口にかなり顔を近づけた人物が体験した描写だとありありとわかると評し、季語のゆがんだ映像が蛇口に反射する映像が再生されると解説し、その判断を褒めた。特待生昇格に信じられない浜田から「ナンボ使った?」とゴースト疑惑を尋ねられるが、「夢でハゲた甲斐があった」と返し、浜田を笑わせた。
[ここから特待生として査定]●[12]お題:
お盆のサービスエリア『渋滞時ぬるいソーダと焼けた腕』5級で
現状維持添削後
『渋滞やぬるいソーダと焼ける腕』『渋滞のぬるいソーダと焼ける腕』
季語は「ソーダ」。本人の実体験を素直に書いたと語る句は、車の渋滞でフロントガラスからの日差しによりドリンクホルダーのソーダ水が段々ぬるくなる様子と、運転をする腕だけが日に焼けていく様子を描写した。東国原名人は「ジャニーズ君たちの句はファンタジー・ロマンチックだが、この句は大衆的で生活感がある。さすがMCを狙ってる」と皮肉を述べる。査定ポイントは上五「時」と下五「た」の2音。「詰めが甘い」の先生評に「ヤバイ」と厳しい顔になる本人だが、発想は良く意図も悪くないと評す先生。しかし、「時」は説明的で情緒がなく、「や」で強調するか、「の」で続けるかの2択だと解説する。中七の助詞「と」で並立により一場面を描く意図は成功したとするも、「た」は完了ともとれ、既に焼けた腕があると解説し、本人は「る」だと正解を答え、悔しそうな反応を見せる。"今、焼けてヒリヒリして渋滞はいつまで続くのか"という読みになり、「細かいところに心を使わないと特待生は一歩も上がれない」と忠告する先生。「詰め甘いですね」と念押しする本人に「はい!」と今日一番の返事で応対した。
●[13]お題:
サンダル『補助輪を外し三周麦茶の香』4級へ
1ランク昇格添削なし
季語は「麦茶」。姪っ子の自転車練習に付き添う光景を発想。補助輪を外して自転車に乗る練習をする姪っ子が、休憩中に麦茶をガブっと飲み、また始めるという実体験の句を詠んだ。梅沢名人は「素晴らしい。『補助輪』で小さい子どもなんだなと分かりますよ」と昇格を予想。査定ポイントは下五「麦茶の香」。「大人が見てるとちゃんとわかる」と評す先生は、上五・中七が非常にコンパクトに上手く書け、状況・人物・様子が分かると映像描写できた点を認める。下五は「夏の風」とすると子どもの視線のみになるが、「麦茶の香」で励ます大人の気持ちが表れる感じで見守る視線が伝わる表現を称賛。「こういう句を作ってくれると姪御さんは嬉しい」と終始褒め称えた。
●[14]お題:
封筒『縁側の寛(くつろ)ぐ父や初鰹』第4回炎帝戦予選B4位(最下位)
添削後
『縁側の父よ初鰹の頃か』
季語は「初鰹」。日曜日に実家から来た手紙を読み、両親の動作を想像したという一句。今頃は母は家事で料理などをし、父はビールを飲みながらおつまみの初鰹を食べてくつろいでるのではないかと思って詠んだ。藤本名人は「兼題の"手紙"が入ってない」、梅沢名人は「縁側で"寛ぐ"のは当然。言葉の無駄」と指摘し、両名人の意見に先生も同意する。季語が出る段階で、父のいる故郷は海辺の街ではないかと伝わるため、季語の選択は悪くないと褒める。手紙では「や」の強調も強いため、「よ」と柔らかくして、ほのぼのと思う距離感を出すと添削。指摘された問題点の要素を薄めるため、「寛ぐ」を消し、余った音数で故郷を思い出す味わいを出せば、何とかタイトル戦でも戦えると解説した。残念ながら初回のタイトル戦は「登竜門」としての屈辱を味わった。
●[15]お題:
トランプ『夜更かしの林檎や祖母と七並べ』4級で
現状維持添削後
『おばあちゃんとトランプ夜更かしの林檎』
季語は「林檎」。昔、よくおばあちゃんが林檎を持って家に遊びに来たが、特別に夜遅くまで起きて、林檎を食べて七並べをして遊んだ思い出を詠んだと語った。査定ポイントは下五「七並べ」を選んだ是非。「季語を主役に!」と評す先生は、「夜更かしの林檎」でただの林檎ではなく、何かの理由で夜更かしして夜食に出てきた赤の印象が良く、「や」で季語を強調するのも勉強していると褒める。しかし、最後に七並べが目立つ語順を問題視し、語順を逆にすべきと指南。「七並べ」を先に出し、最後に「林檎」を出した方が季語が主役になると忠告する。さらに、「七並べ」のカードの赤・黒の色が最後に鮮明に出る語順では勿体ないとダメ押しし、語ったように「おばあちゃん」と素直に書き、「トランプ」と変えて、最後に季語を置いて、名詞で止まる添削をした。連続昇格とはならなかった。
●[16]お題:
ポンプのノズル『秋風の終電マイバッグの梨』第4回金秋戦予選D4位(最下位)添削されず
季語は「秋風」「梨」。兼題から発想を膨らませ、コロナ禍で叫ばれる換気と、レジ袋有料化によるエコバッグの2つの光景を詠んだ一句。今年はマイバッグなどを皆使っており、終電の窓を開けて換気をし、良い風が当たっている中で、先ほど買ったマイバッグに入っている梨を帰ってから贅沢のために食べる楽しむ時の気持ちをこめて詠んだと語った。「季語が重なっているのが駄目だったのかな?」と最下位の理由を予想する本人に、「その通りだよ。タイトル戦よ。予選に季語2つもつけて、よく出てこられたもんだ。まだ10年早い!」と手厳しい梅沢名人。予選補欠の岩永は「季重なりが凄く気になりまして。1位の千賀さんの句を見た後なので、どういう思いで作られたのか?」と疑惑を指摘。先生は「季重なりは凄く難しい」と前置きし、兼題から「秋風の終電」の発想までは悪くはなかったと語る。消毒・電車の窓が空いており、秋風が来るのは換気のためだと理解できるが、なぜ、そこに焦点を絞らなかったのかと指摘。「梨」まで書くと一句がバラバラになり、前半と後半の一塊が別々に存在している感じになり、一句を分断してしまった感触を語る。「それぞれを2句に切り分けてやり直してきなさい」と宿題を出される形となり、タイトル戦初の「添削されず」という厳しい評価に終わった。
●[17]お題:
打ち揚げ花火『制服のキスの余韻や揚花火』5級へ
1ランク降格添削後
『制服のキス揚花火いまひらく』
季語は「揚花火」。花火大会に来た制服の男子生徒が、一緒に来た好きな子にキスができないでいる。花火が終わった余韻で勇気を振り絞ってキスをした場面を想像して詠んだと語った。梅沢名人は「季語が立ってない」と指摘。査定ポイントは中七「余韻や」の詠嘆の是非。降格査定でショックの本人は「だって学生の時にキスしたかった」とポロリと吐く。「展開がベタ!」と評す先生は、今「俺はキスしたかった」と叫んだが、世の中の高校生男子はみんなそうで、その発想自体がベタだと指摘。一番良くないのが「の余韻や」と無駄に詠嘆していることで、場面を一度切るよう提案。「制服のキス」で場面を明確に出し、季語を主役に立てるため、「揚花火」の描写として「いまひらく」と添削した。制服の男女の背後に揚花火が今さ~っと開いていくニュアンスとなり、本人は「先生が直した俳句の方がオシャレですね。俺はただなんか欲求が溜まっている男みたい」と反省した。
●[18]お題:
秋の夕日『初MCのエゴサ車窓は秋夕焼』5級で
現状維持添削後
『初MC終えて車窓は秋夕焼』『エゴサーチやさし車窓は秋夕焼』『エゴサーチ苦し車窓は秋夕焼』
季語は「秋夕焼」。CBC系列の情報番組「ゴゴスマ」のコメンテーターでもある本人。初めて1週間代理でMC(※番組進行役)を務めたが、帰りの新幹線でエゴサーチ(※インターネット上での自分の評価を確認すること)をして、ファンの皆さんが優しい言葉で応援していたのを見て、嬉しい気持ちになって帰った体験を書いたと語った。査定ポイントは「エゴサ」の是非。「詰め込みすぎ!」と評す先生は、実体験を書こうとした姿勢を褒める。「初MC」「エゴサーチ」の2つの情報を入れようとしたのが欲張り過ぎて、主役になるべき「秋夕焼」に比重が乗らない問題点を指摘し、「初MC」と「エゴサーチ」のどちらを残すかで添削例を複数案挙げる。いずれの添削例でも季語につなげるまでの3音の描写例を示した先生は、「この3音を色々やる練習をしましょう」とアドバイス。5級崖っぷちで踏みとどまった点に危機感を感じる本人は「ちょっと勉強しておきます」と反省した。
●[19]お題:
プレバトのランキング席『デビュー曲一位行きつけの新蕎麦』4級へ
1ランク昇格添削なし
季語は「新蕎麦」。自身のグループ・A.B.C-ZはDVDデビュー後にCDを出したが、そのCDが売り上げ1位になった朗報を聞き、嬉しくて蕎麦を食べに行った光景を詠んだと語った八五四の破調の一句。志らく名人は、上五と季語の取り合わせを褒めるが、5級の段階で破調に挑戦する姿勢を疑問視する。査定ポイントは足して17音の破調の是非。「実感が一番!」と評す先生は、定型で詠む重要性を最初に述べ、破調が成功したと褒める。「デビュー曲一位」で状況が分かって勢いがある上、「いちい」「いきつけ」とイの韻を踏みながら進む展開を解説。「デビュー曲一位」のため、派手に終わるかと思うと「蕎麦」と着地するため、苦労しながらやっとデビュー曲を出したと伝わり、落ち着きの部分が、案外味になっていたと称賛した。最後に「常に自分の実感を詠んで欲しい」と忠告。崖っぷち特待生から脱し、4級に見事返り咲いた。
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