2019年1月3日放送 プレバト!! 俳句冬麗戦決勝結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
冬の季節に行われる第2回冬麗戦決勝で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
冬麗戦予選の詳細はこちら。▼過去大会は以下のページから。
第2回 俳桜戦 / 炎帝戦予選・炎帝戦決勝 / 金秋戦予選・金秋戦決勝●お題:結露(順位クリックでリンク内移動します)
1位 | 東国原英夫 | 名人10段 | 凍蠅よ生産性の我にあるや | いてばえよせいさんせいのわれにあるや |
2位 | 千原ジュニア | 3級 | 皹に窓の結露を吸わせけり | あかぎれにまどのけつろをすわせけり |
3位 | 村上健志(フルーツポンチ) | 名人8段 | まだ白い明日が並ぶ初日記 | まだしろいあしたがならぶはつにっき |
4位 | 横尾渉(Kis-My-Ft2) | 名人3段 | 雪晴れやエース区間の九人抜き | ゆきばれやえーすくかんのくにんぬき |
5位 | 梅沢富美男 | 名人10段 | 万華鏡めける結露や初明かり | まんげきょうめけるけつろやはつあかり |
6位 | 藤本敏史(FUJIWARA) | 名人10段 | ごんぎつね聴きいて寝落つ雪模様 | ごんぎつねききいてねおつゆきもよう |
7位 | 中田喜子 | 1級 | 節の香のひかる結露や甘きこと | せちのかのひかるけつろやあまきこと |
8位 | ミッツ・マングローブ | 2級 | 冱つる窓見知らぬ名前浮き上がり | いつるまどみしらぬなまえうきあがり |
最下位 | 千賀健永(Kis-My-Ft2) | 1級 | 椰子の実に露照る花瑠瑠冬の虹 | やしのみにつゆてるほのるるふゆのにじ |
[順位発表順] 4位→8位→7位→2位→3位→6位→5位→最下位→1位★挑戦者語録梅沢名人(炎帝戦・金秋戦覇者) プレッシャーはありますよ。やっぱり
3連覇しなきゃいけない。
金メダル獲る人は
金メダル獲らなきゃいけない。
浜田さんも望んでると思いますけど、(タイトル戦覇者の)
肖像画を全部私の顔にしないと納得できません。自信はありますよ。
3連覇は当然のことだと思ってますから。
視聴者が何を観たいのかっていうのを冷静に考えれば、私が
4冠を獲って初めてプレバト!!と。他の連中は私の人気にぶら下がってるだけ。
東国原名人(俳桜戦覇者)(夏・秋の)最下位のあの
屈辱感。下がるところがないよね、最下位だから。
あとは攻めるだけですよね。この辺はどうだってところで。
俳句は体に
あまり良くない。
2回最下位獲った後に医者に言われた。「何か
ショックなことでもありましたか?」と。
ポリープができた。
俳句ポリープですよ、これは。
藤本名人梅沢さんの
連覇を止めることだけに。
ストップザ富美男ですよ。絶対止めます。
村上名人夏・秋と
ほぼ1位(実際は2位)。今回は絶対獲りたい。
千賀(前回冬麗戦覇者)タイトルホルダーですから。まず、この椅子とっても気持ちがいい。
今回も優勝したい。今回優勝したらあの写真を新しくしてほしい。ジャニーズ的に
ブサイクだなっていう。
3日4日は
俳句のことしか考えてなかった。他の仕事はうまくいかなかった。仕事にならなかった。
今回の俳句は
本当に自信がある。
冬と言う季節は大好きで、
季語も沢山知っている。
絶対優勝したい。
中田村上さんに負けたくない。村上さんが上位に行くと
あの顔(にやけた顔)がイヤらしいでしょ。
ミッツここに来たからには、この肖像画の写真に
色がない。
彩りを添えたい。
ジュニアまさか、
ナナハンが皆さん待ってくれてるとしは知らなかった。今回も
ナナハンを置いてきた。
→東国原名人に「えぇ~、ないの」と突っ込まれ、観覧席も「えぇ~」とブーイング。
★敗退者の優勝者予想
石田 | 志らく | 松岡 | 岩永 |
ジュニア | 梅沢名人 | 中田・ミッツ | 千賀 |
石田 予選から戦った人に優勝してほしいですよね。ジュニアには頑張ってほしい。「ナナハン」「ヘビメタ」と来てますから、次あたり「
ヘソピアス」とか出てくると思う。
ジュニア いいね、いいね。いただきます。
志らく やっぱり梅沢さんが行くんじゃないか。今回、壁にぶつかりましたけども何とか名人に追いつきたい。その時に
梅沢さんが王者でいてくれないと。
梅沢名人 やっぱり、見るとこ違いますよね。私がトップじゃなかったら
この番組どうなるの。
浜田 いや、
普通に続きますよ。松岡 やっぱ、
女性が優勝者にいらっしゃらないので、中田さんとミッツさんには頑張ってほしい。
ミッツ (女性に)いれていただいたわ。
岩永 僕は
千賀さんのチャンピオンが見たいです。かっこいいと思いますよ。
千賀 頑張りまーす。
浜田 あーそう。
なかなかそんな人いないですよ。
***(残り5人となって)***
石田 千賀君に攻めてほしいですね。グッと行ってほしいです。
松岡 千賀君にひっくり返してほしいですね。
岩永 村上さんを応援しています。ほぼ1位なんで今回は1位なんじゃないか。
志らく 由緒ある戦いなんで御大のようにドンと座ってるのがかっこよくて前のお二方(フジモン・村上)はよく
正月にコンビニで見かけるチンピラみたい。
★お題「結露」と先生の講評藤本名人 結露が
季語じゃないんですよね。だからどう使うか、発想を飛ばすしかなかった。
村上名人 結露から思いつきそうなことはあるけど、
みんなとかぶりそう。
ミッツ 発想が似通っちゃうところがね。
夏井先生皆さんが
本物になってきたなと思う。ホントにうまくなってきた。
俳句の型の力がわかってきて、季語だけじゃなくて型をどう使うかがわかってきた。
それがレベルを上げてきた一番の要因。
★夏井先生から見た特待生・名人の見解梅沢名人 王道がちゃんと形になってきた。美しいものや格調の高いものを詠んだ時、
自分が気持ち良い気分になれる人。
東国原名人 ものの考え方とか
目の付け所が本当にシャープ。2回連続
コケたのは私は意味が分からない。何してたんだと思ったぐらい。
藤本名人 身に付けて
得するものをちゃんと選んできた。そんな
崩れるはずはないと思う。
千賀(前回王者) 何かやるかもしれないし、自分で穴掘って落ちるかもしれない。
爆発してくれよと祈るばかり。
○順位別に見ていきます1位◆「
凍蠅よ 生産性の 我にあるや」
東国原英夫※結露から窓に止まる「凍蠅(いてばえ)」(寒さで身動きしない冬のハエ)に発想を飛ばした一句。
【本人談】2018年(昨年)一番心に引っ掛かった納得できなかった言葉が、ある女性の国会議員が言った「
LGBTに生産性はない」。この言葉にはどうしても納得できない。それに対する気持ちを
俳句に残しておこう、問いかけようと思って。後はないですから開き直って自分の思いの丈をぶつけた。暖かい部屋に凍蠅がいて、冬のハエは動かない。凍蠅、君に生産性はあるのか。同時に自分にあるのか?というのを問いかけた。
浜田 なるほど~。村上、どうですか。
村上名人 ムリムリムリムリ。分かるじゃないですか、俺じゃ無理だって。
浜田 え?何?
村上名人 俺じゃ無理ですよ。
梅沢名人 恐れ入りました。
どんな句詠んでもこれには勝てない。
私には詠めませんから。どんなに努力したって無理。ただこれ、
読者が意図通りに読めるかっていうのも疑問。そのくらい、難しくていい俳句なんでしょ。これは敵わない。
私はごめんなさい、この番組出て。
藤本名人 話が長いな。
夏井先生兼題写真のあの窓の隅に凍蠅を見つけるだけでもこの
リアリティーを強く褒めないといけないが、それだけではない。
2018年のこの
時事をちゃんと詩にしてしまう力技だと思う。
「冬の蠅」という季語もあるが、それよりもっと動かない。凍ったように動かないのが「
凍蠅」という冬の季語。
「
生産性」。2018年だからアッと思う人達は沢山いる。この言葉を出せばいいかという問題ではない。ここから
後の展開が見事。
凍蠅に向かって問い詰めるのかと思ったら違う。「
我にあるや」と自問自答をしてくる。見事だと思う。
「よ」という呼びかけ。「や」という自問自答。
言葉の選び方にも作者の思いが細やかにのっている。
こういうタイプの句は、「生産性」。この言葉を含むあの発言が、人々の記憶から薄れるにしたがって、この句の
意味と意義がちょっとずつ変質していく。だからこそ2018年に詠んでおくべきだった。
やられた、さすがでした。素晴らしいと思いました。
添削なし
2位◆「
皹に 窓の結露を 吸わせけり」
千原ジュニア※「皹(あかぎれ)」は冬の季語。
東国原名人 「ナナハン」を使わずに2位でしょ。
何ハンを使った?
村上名人 「
甘からハン」?
本人 「甘からハン」って何?
【本人談】皹でかゆいし、水につけたら痛いけど、結露を触るちょっとの刺激でかゆみを止めるみたいな感じで、窓の向こうはどうなっているのかという。
石田 「痛い」と言わずに「吸わせる」という、ちょっと結露が
癒しに見せているのが憎い。
東国原名人 こういうのも詠めるんだ。驚きました。これは
強敵だな。
夏井先生もうびっくりした。
何気なく指ですっと結露を拭く。向こう見ようと思って。その瞬間に「あっ痛い」と思うけれども。
それを淡々と書いてるだけ。
ほとんどの人は最後を「痛い」のなんのと書きたがるが、「
吸わせけり」と持ってくる。
必要以上のことをくだくだ述べる必要はないと。
俳句はこれでいいんだということがわかってないと書けない。
俳人の視線で、
俳人の語り口であり、それをあなたがやっているという事実に驚いているとしか言えない、
「
けり」も
吸わせるという行為を印象深くしている。
いつの間にこんな上手くなったのかとびっくりしている。
本人 ありがとうございます(ナナハンのメットを取る動作)。
浜田 メットを取るな。メットを脱ぐな。
添削なし
3位◆「
まだ白い 明日が並ぶ 初日記」
村上健志(フルーツポンチ)※水滴が並ぶ様子からまっさらな日記に発想を飛ばした一句。
【本人談】水滴が並んでいるのを見たら連想した。まだ何も書いてない日記は白いページ、つまり明日が並んでいるわけじゃないですか。で、そこには何でもできそうな…(ナルシストのごとく にやけ顔に)。
浜田 その顔を嫌がられているんやで、中田さんに。
(静かに同調しうなずく動作の中田さん)
本人 いや、でも自分の大好きな物語をこの…。
藤本名人 日記好きやな。
浜田 御大どうでしょう。
梅沢名人 まあまあ、こんなもんでしょう。
ジュニアの句より、上に行くことはまずないわ。こんな程度だったら。やっぱり夏井先生は凄い。こんなもんですよ、村上。
本人 そんな言われ方する俳句じゃない。
東国原名人 いやあ、もう
ポンチ節ですよね。
村上ポンチ君のワールド世界。
藤本名人 ワールド世界って。
世界世界ですやん。言うてることが…。
東国原名人 最下位が気になって。
こんなの正直どうでもいいんだよ。最下位じゃなければ。
夏井先生この句は17音全部を使って「
初日記」という季語を表現しようとしたタイプの句。
「初」の字がつくことで新年の季語になる。
「
まだ」という言葉に
期待や未来が感じられる。
「
白い明日」という
比喩が良い。
何も書かれていない白いページがまさに白い明日であるという。
「
が並ぶ」でイメージと映像を伝えている。
「
初日記」を描くという意味では本当に
ポエム、ポエム男子。
好き嫌いはあるが、
作者がわかった段階でこの作家の持ち味を大事にしてあげるべきだと改めて思う。
添削なし
4位◆「
雪晴れや エース区間の 九人抜き」
横尾渉(Kis-My-Ft2)※結露の写真から、温かい家族の団らんに発想を飛ばした一句。
【本人談】お正月の過ごし方を書いた。箱根駅伝を観戦してエース区間はすごい選手ばかりで9人抜きするような毎年すごい選手が現れる。今年も頑張っていかなきゃと決意を決める。
石田 みんなが
想像できる光景。家庭の和気あいあいとした雰囲気も見えるし、すごく良い。
梅沢名人 この句は実に良い。読んだだけで光景が全部わかります。こういう句を作んなかったらなかなかその位置には行けない。
夏井先生型の力をきちんと信じて、とても丁寧に句にしている。そこが良い。
季語「
雪晴れ」は兼題写真の向こう側が雪晴れなのかと思った。
中七で駅伝かなと思うと、写真のこっち側でひょっとしたら
お正月に家族で箱根駅伝を観ている。そんな光景も浮かぶ。
最後の押さえがいい。
「九人」という数詞でこの一句が引き立つ。
「
雪晴れや」で映像をしっかり作って季語を強調。「
エース区間」は大変な区間をそれぞれのチームの代表が担っているとわかる。
そんなところを「九人抜き」の快走をした選手がいる。全部の光景が一句の中にしっかり入る。
快走したなら「エース区間を快走す」とやってもよいが、「
九人」という数詞の力を発揮している。
こういう句は
言葉がきっちり入っているから、どこを直すかではない。
浜田 いい位置つけましたよ。
本人 もうちょっと上行きたかったですね。
[ここがポイント]俳句は型
※横尾の句のような
5音の季語+
12音のフレーズが俳句の基本中の基本の型。初心者の場合は最初に季語とは関係のない12音のフレーズを作りましょう。5音の季語を最初に決めてしまうと、季語の説明になりがちです。
添削なし
5位◆「
万華鏡めける結露や 初明かり」
梅沢富美男→順位発表後、浜田が全カメラに順に指を指すポーズをし、タップダンスをする。
本人 間違いじゃないの?浜田 間違いではございません。
本人 え?
こんな中途半端に私がいるの?浜田 (笑)
本人 この番組は私で持っている番組よ。
浜田 あんなに言ってて。これで3枚(肖像画が)並ぶことはなくなりました。
ジュニア ちなみに今日、御着物はおいくらでいらっしゃる?
本人 京都の有名な方が私のために織ってくれたんです。
ジュニア おいくら?
→本人は袖をめくって腕時計を見せる。
本人 プラチナのROLEX。
ダイヤ入りですよ。約900万。
(スタジオから悲鳴があがる)
ジュニア 視聴者にプレゼントせい。
本人 こんだけ
番組に金かけて5位?
【本人談】読めばわかる。結露があまりにも綺麗で、初明かりがパアッと上がった時、万華鏡のように綺麗。表はいい天気で良いお正月を迎えてるんだなっていうのを詠んだ。
浜田 村上がずっと
笑ってる。
本人 説明してみろ。
村上名人 いや、
その通りだな、と思うんですけど。
ジュニア 出た瞬間、5位だ(と言ってた)。
村上名人 いや、何も間違ってはいないと思うんですけど
。「光る水滴」を見て万華鏡のようだというのは5位かな。
本人 万華鏡のように綺麗だったんだよ。結露が!
藤本名人 そんなことあります?
本人 あるの!
石田 いや、いや。綺麗だとは思いますけど。
村上が全て言ってくれたんで。
志らく うん、こんな
梅沢さんを見たくなかった。
東国原名人 だから、御大にしては
発想が平凡だった。星屑だとかそういう物は誰でも例えるので。
夏井先生この句はまさに
発想がありがちかな、という句。
あの結露見て万華鏡みたいだなという句は俳句の世界では結構ある。
ただ、最後の「
初明かり」が良い。新年最初の暁の光ですよ。それが
万華鏡のようにほのかに美しく。これでそこそこいってるなという感触はあった。
ただ、このままだと初明かりの
映像が少し弱い。ちょっと
語順変えたら印象が変わる。不思議な顔してるけど、やるよおっちゃん。
梅沢名人 名人に対して語順変えるか?
夏井先生変える、
断固変える。「
万華鏡めく」というのを先に「
や」で強調する。「や」はすぐ上を強調するので、「
万華鏡みたいだ」となる。
後半で映像を作る。「
結露の初明かり」という風に。
後半でしっかりと美しい光が出てくる。こうしたら少しは上に行った。少しは。
本人 今テレビ観てる人が
ガッカリするぞ!(梅沢を低順位にさせたのが夏井先生からの冒涜だと訴えようとする)
浜田 いや、
お前にや!(しかし、3連覇がかかっていた梅沢が低順位になったのは本人の実力不足であることをMCは見逃さない)
一同 (笑い)
浜田 誰に向かって。
添削後
「
万華鏡めくや 結露の初明かり」
6位◆「
ごんぎつね 聴きいて寝落つ 雪模様」
藤本敏史(FUJIWARA)※結露から家族の寝室に発想を飛ばした一句。
本人 良かった。
浜田 良かったんかい。
本人 最下位じゃなかったから。
【本人談】
娘を寝かしつける時に絵本を読む。娘の好きな「ごんぎつね」を読んでいたら、読み終える前に娘が寝てしまった。娘の寝顔を見て今日はすごく寒かったなと、窓の外を見たら雪が降りそうな空模様だったという句。
石田 藤本さんが言ってることまでは分からなかったが、優しい句ですよね。
本人 いや、説明したやろ。
石田 までは、読み取れなったですけど。
梅沢名人 まあ、好感度狙って句を詠んだんでしょうけど、私はどうせ嫌われてるからハッキリ言わせてもらいますよ。読んでいくとね、子どもは寝るために父に絵本を読んでもらってるんでしょ。
本人 そうですよ。
梅沢名人 聴いてるうちに奥さんが隣で寝ちゃったんじゃない。
本人 ん?
梅沢名人 奥さんが、絵本を読んで寝ちゃったと。そう読んじゃう。
本人 「ごんぎつね」という絵本ですから、読者は子に読んでいるんじゃないかと思う。
梅沢名人 だからなんで「寝落つ」のよ。ここの名人(特待生)うなづいてるじゃん、2人(東国原名人・千賀)とも。分からないから上に来れない。
本人 どっちか、最下位になったら滅茶苦茶言うたる!
夏井先生
今のお話を聞いて、絵本か何かを読んでもらいながら子どもが眠っていくという親子の場面を詠んだんだろうなと推測はした。
ただ違和感は持った。まさにおっちゃんがさっきから意味分からないようにしゃべっている「寝落つ」。わからないようにしゃべってるが、違和感を感じる場所は正しい。
「寝落つ」という言い方では、自分自身が寝落つとか大人のイメージみたいなのが出てしまう。そういうことでしょ、おっちゃん。
梅沢名人 そうですよ。
夏井先生 言えやいいじゃない、ちゃんと。
梅沢名人 いやだから大人でしょ、本人も大人だし、隣にいる母ちゃんも大人だから。
夏井先生
いや、もういい。もう1つ。「聴きいて」でも意味としては間違いないが、「聴きながら静かに眠り始め気が付いたら眠っている」というそんな時間。だとしたら、「て」を使わないで、「聴きつつ」とすれば、「聴きながら」という意味になる。
「寝落つ」も優しく「眠る」にすればいい。下手なことをせずに。
こうすればここの違和感はなくなる。「寝落つ」はちょっと無神経だったんじゃないか。
本人 先生ね、この前山形県の方にロケに行きまして。ロケの合間にオジサンが近寄ってきていつも「プレバト!!観てます」と。「夏井先生のこと聞きたいんやけど。テレビでは怖いイメージがあるんやけど、裏ではどうなんですか」と聞かれたんです。僕は「全然怖くない。むちゃくちゃ優しいですよ!」と言うときました。
→スッと立って1位の席へ移動する動作
浜田 おいおい。下がらんか。どういうことやねん。
本人 言うといたから、ホンマに。
→5位の席に座る動作
浜田 違うやろ。
[ここがポイント]伝わる言葉を選ぶ
添削後
「
ごんぎつね 聴きつつ眠る 雪模様」
7位◆「
節の香の ひかる結露や 甘きこと」
中田喜子【本人談】「節(せち)」はおせち(お節)のこと。お正月のお客様が来るので、台所で一生懸命煮ていて、その結露がおせちのように甘い。そんな雰囲気の台所を詠んだ。
松岡 何が7位なのか、
素晴らしいと思う。
東国原名人 そうなんですよね。
お節の香りが甘いのか、ひかる結露が甘いのか。「こと」をどう見るか。
(ここで右手の親指を立てて前に突き出す姿勢の村上名人)
浜田 村上さんは?
藤本名人 あのね、今見えてませんでした?
コメント振らないで下さいという札を上げてた。見てあげてください。
浜田 札やった?ごめーん。
ジュニア でも
1番組1回やから、もう次ぎ出されへんよ。
村上名人 じゃあこれ、言っときます。
俳句だな~。
浜田 (無視して)せんせーい。
夏井先生あの写真からよく
こういう発想に来たなと思った。
あれは台所の窓で、お節料理を作っている。しかもその先がいい。
お節の香りで結露が甘い。そうそう思いつかない。
素晴らしいこと思いついてるのに何でこんなことを。凄いもったいない。
浜田 中田さん、いつも言われる。
夏井先生東国原名人の指摘がとてもよく当たっている。
上五「の」で「節の香のひかる結露」という文脈になる。
中七「や」で切るのが得か損か。「
お節の香りによって結露が甘くなる」と本人は言いたかった。ここが一番大事なところ。
「の」「や」で外してしまっている。
助詞の問題。
下五「こと」で終わる語順も損。何でもったいないことをするのか。
「
節の香に」にする。「に」は「~によって」という意味。「結露が甘い」なら「や」で切らず「
結露の」と続ける。
「甘きこと」だとあなたが舐めていることになる。「
甘からん」で「甘いに違いない」という意味になる。
これをやっていたら、今日は
1位・2位を争っていた。
浜田 中田さん、いつもそう。これやっとけば1位になってたよっていう。
本人 「甘からん」は
なかなか詠めません。
添削後
「
節の香に ひかる結露の 甘からん」
8位◆「
冱つる窓 見知らぬ名前 浮き上がり」
ミッツ・マングローブ※「冱(い)つる」は凍ったものなどを意味する冬の季語。
ジュニア (予選)と2つ作るの大変やもん、わかる。
梅沢名人 ミッツまだまだ。
出る杭は波に打たれる。
本人 (素で)
何言ってんの?藤本名人 ひっくい声でミッツさん「
何言ってんの?」
ジュニア 今年推していくらしいから。
【本人談】あえて結露というものに向き合った。借家に住んでおり、ふと見ると窓に見たことも書いたこともない模様や文字が浮かび上がることがある。前の住人が書いた指の跡が残っている。冬の夜の時間に妄想を巡らませて過ごしているっていうさまを詠んだ。
志らく 映画のワンシーンのような、いろいろなドラマを想像できるので良いと思った。
藤本名人 結露に文字を書くのが
ベタすぎる。みんな思いつくのではないか。
夏井先生結露の窓に字を書くという
発想がありがちなのはどうしようもない。
季語「
冱つる」と「窓」が出てきて、
「見知らぬ名前」という展開はなかなか面白い。
相合傘書くなら「アホか」と思うが、これはいい。
浜田 口悪いな。
夏井先生悩ましいのは「浮き上がり」と
言い切らないで流しているのは損。「
浮き上がる」と終止形にする。
結構ミステリアスな感じがある。
自分の家で見知らぬ名前が浮き上がるって何と読者は思う。
語順を変えて五・七・五じゃない型にしてもっとミステリアスな感じを出すべき。
フジモン もっとミステリアスに?
本人 ミステリアス得意よ。
夏井先生「
浮き上がる見知らぬ名前」とする。最後に「見知らぬ名前」がクローズアップされる。
「冱つる窓」がある。何かがボンヤリ浮かび上がってくる。字がわかりだしたら「見知らぬ名前」ではないか。
こっちの方が映像としてはミステリアス。
語順変えるだけで順位は結構変わった。
本人 カメラワークとか映像のカットを番組で先生から学んできた。気を付けているつもりだったが、確かに。
[ここがポイント]語順でさらにミステリアス
添削後
「
冱つる窓 浮き上がる 見知らぬ名前」
最下位◆「
椰子の実に 露照る花瑠瑠 冬の虹」
千賀健永(Kis-My-Ft2)浜田 めっちゃふてくされてる。
【本人談】ハワイの冬をイメージして書いた。ハワイも冬は12度くらいまで気温が下がる。椰子(やし)の実に結露が付く花瑠瑠(ホノルル)の情景を書いた。冬の虹はハワイの冬は暖かい冬のイメージなので虹と言う言葉を付け、「冬の虹」ということでやってみまし…た。
岩永 期待していたが、
もう少し面白いのを期待していた。
本人 面白い俳句って何なの?
藤本名人 イライラしない。
松岡 花瑠瑠(ホノルル)って漢字
がああいう漢字なんやということだけ勉強になりました。
梅沢名人 季語を間違えちゃったね、彼はね。
「露」は秋の季語だから。
横尾名人 2個入ってる。「
冬の虹」も冬の季語だし。
本人 そっか!あ、
夏の季語か。
梅沢名人 いや、
秋。
横尾名人 もう、無理なんです。ここで無理なんだから。
夏井先生ちょっと無理ね、これはね。
「
椰子の実」が出てくるからね。南国かな?と思う。
「
露」でえっ?
秋なんだと思う。これで、
椰子の実が日本に植えられて秋を迎えているのかなと処理をする。
「
花瑠瑠」で日本かと思ったら違うとわかる。椰子の実はホノルルで、なぜか秋の季語があって…
「
冬の虹」で
冬だったの!?と分かる。
読み進めていけばいくほど、
読者を混乱の迷路に押し込んでいくような…。
藤本名人 そういった意味では、
面白い句。
夏井先生そう。どうするかは考え方色々ある。「冬の虹」が出てくると、雨上がりなのかなと最後自分を納得させるしかない。
だとしたら、「露照る」も
雨上がりとわかるようにしても良い。
中八も問題の一つ。「
雫(しずく)」と入れても良い。名詞を畳み掛ける。
これなら、さっき先輩方がひどい事言いましたけど、そう言われないものにはなる。
本人 それだったら何位くらい行きました?
夏井先生 このまんま。
藤本名人 思いっきり下なんや。
添削後
「
椰子の実に 雫花瑠瑠 冬の虹」
編集後記正月特番として番組対抗戦の後に、冬麗戦の決勝が行われました。お題は「結露」。説明にもありましたが、1年中起こる事象のため季語ではないことに注意が必要でした。
タイトル戦覇者となったのはV4を達成した東国原名人でした。最初、杉田水脈議員の発言のことだとは分かりませんでしたが、話を聞いて理解しました。前回の九条議論の句もそうですが、政治家目線の句が最近目立つ印象です。動かない冬の「凍蠅」にも生産性があるのかと自分を重ね合わすことができる深い内容の句。人生観をうかつに詠もうと思ったら大体17音の器を壊しそうですから、見事な句ですね。
2位となったのは最近のタイトル戦は好調なジュニアさん。1年前「尿」の句で最下位だったとは思えない急成長ぶり。カラスミの句辺りから視点が急に俳人になってきました。実体験を詠むのが得意ですが、今回は「あかぎれ」が季語でしたが、どこかに募る負い目の感情を俳句で表現する感性に優れているんでしょうね。頭の切れもいいので、今後の活躍も期待大です。
3位は村上名人。今回は「初日記」という季語でしたが、2年前の昇級昇段試験で詠んだ「とめはね」の句を思い出した方も多いのではないでしょうか。句は素晴らしいのですが、発想という点ではもうちょっと勝負してほしかったです。
4位は横尾名人。箱根駅伝を彷彿とさせる描写にすぐれていました。横尾さんは暖かい家族をイメージさせる句が多い印象ですが、普段の査定にももう少し出て欲しいですね。
5位は三連覇を狙った梅沢名人。発想がありきたりという事で順位はど真ん中に収まりました。綺麗な光景ではあったのですが、残念な結果に。着物や腕時計を豪華にするのも当然ですが、最近は俳句にキレがないのでこちらもハングリー精神で頑張ってほしいですね。
6位は藤本名人でした。予告VTRで添削されていた「ごんぎつね」の句はフジモンだったのかと納得。個人的には絵本ではなくお話を聞かせてあげているのかと感じ取りました。仮に絵本の題名(新見南吉は有名ですね)であるならカッコをつけた方がいいのでは?
7位は中田さんでした。いつも彼女は惜しいんです。発想のセンスが大変いいので上手くいけば上位に入るのですが、今回は助詞のミスで文脈が読み取れない句ということでした。ただ、言葉が大変綺麗ですね。修飾関係を良く考えないといけないとまで中々頭が回りません。
8位はミッツさん。借家ならではの発想で結露のミステリアスなドラマを詠みました。「雪女郎」の句でもそうですが、妖しい雰囲気を醸し出すのは得意なので、いかに表現力を磨くかにかかってきそうですね。
最下位はディフェンディングチャンピオンの千賀さん。今回は中八に季重なりとしょうがない結果でした。空に発想を飛ばすのが好きなのですが、光景だけでなく人物描写に焦点を絞った俳句も見たいところです。
敗退者の中では、石田さんと志らくさんは鋭いコメントでしたが、松岡さんと岩永さんはあまり指摘できていなかったので通常回でもっと鍛えてと期待したいところ。
さて、来週からアシスタントが産休となる豊崎アナから玉巻アナに変更となります。豊崎さん、お疲れ様でした。そして、玉巻アナと浜ちゃんとのコンビがどんな感じなのか、そちらも期待したいですね。
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