2018年12月27日放送 プレバト!! 俳句冬麗戦予選結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
冬の季節に行われる第2回冬麗戦・予選で特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
上位4人のみが名人が参戦する
冬麗戦・決勝に進出できます。
●お題:年末の満員電車(順位クリックでリンク内移動します)
1位 | 中田喜子 | 1級 | 連覇のさきぶれ沸き立つ初電車 | れんぱのさきぶれわきたつはつでんしゃ |
2位 | ミッツ・マングローブ | 2級 | 吊り革の師走遠心力に耐へ | つりかわのしわすえんしんりょくにたえ |
3位 | 千原ジュニア | 3級 | ヘビメタの担ぐギターと破魔矢かな | へびめたのかつぐぎたーとはまやかな |
4位 | 千賀健永(Kis-My-Ft2) | 1級 | 犬ひとり霞が関は大晦日 | いぬひとりかすみがせきはおおみそか |
5位 | 立川志らく | 2級 | 働くと書くだけの為日記買う | はたらくとかくだけのためにっきかう |
6位 | 岩永徹也 | 5級 | 雪明かり辿り夜汽車は寝床へと | ゆきあかりたどりよぎしゃはねどこへと |
7位 | 松岡充 | 4級 | 地下鉄を這い出吸いたる冬銀河 | ちかてつをはいですいたるふゆぎんが |
最下位 | 石田明(NON STYLE) | 2級 | 電車吐きたる人人人人人年の果 | でんしゃはきたるととととととしのはて |
[順位発表順] 4位→7位→6位→2位→1位→最下位→5位→3位※今回は過去最多13名の名人特待生が参加するため、予選と決勝の2回に分かれて行われる。
予選では特待生1~5級の参加者8名が同じお題で俳句を詠み、上位4名のみが決勝に進出。
決勝では名人5人と予選通過者4名の合計9名が予選とは異なるお題で俳句を詠み、タイトルを争う。★名人の予選通過予想藤本 | 梅沢 | 村上 | 東国原 | 横尾 |
ジュニア | 志らく 千賀 | ? | 石田 志らく ジュニア | 千賀 ジュニア |
梅沢名人 志らくさんは勢いがある。千賀君には上がってきてほしいね。
ジャニーズの先輩として(?)。
東国原名人 ジュニアが
ナナハン(750cc)の俳句を詠んでたら恐らく上がってくる。
藤本名人 ジュニアは
発想が豊か。
横尾名人 千賀とは本戦で戦って俺の方が上だぞと。
あれ(肖像画)外したいですね。
* * * 残り4人中2人進出という段階で・・
東国原名人 ジュニアと立川ボーイズにBET。
横尾名人 ジュニアさんですね、
独自の発想をもっているので。
ジュニア あのね、すごい今日
やってしまったかも。
東国原名人 ナナハンは出るの?
ジュニア 出ないんですよ。東国原名人 じゃあ
ダメだわ!
浜田 いや、ナナハン出ないからダメっていうのは・・。
梅沢名人 ナナハン出ないと。
藤本名人 じゃあ
帰るわ。ジュニアのナナハン見られないなら帰りますわ~。
浜田 えっ、
どんだけ楽しみにしてんの?ナナハンを。★過去の予選通過データと俳句作りの苦労話タイトル戦で一度も予選通過なし | ミッツ 松岡 岩永 |
タイトル戦で一度も予選落ちなし | 中田 石田 志らく |
石田 何でそれ今言うんすか?めちゃくちゃ怪しいじゃないですか。俺に
負けフラグ立てたでしょ!今!
豊崎アナ そんなことないです。
浜田 ちゃうちゃう。
振り返ったんや。
石田 ほんまですか?こっち座るとほんま
ネガティブになるんですよ。
松岡 わかる。
豊崎アナ 今回の予選会、いつにも増して
俳句作りに悩んだそうです。
中田 なかなか発想が決まらなくて、ある晩
夢を見た。
すごく良い句ができた。夢だから覚えておかなきゃ!と思って朝起きたら…
忘れてました。
千賀 夢ってそういうもんですよね。
石田 ちょっと!今のエピソード
僕が言ったらめっちゃ(浜田に)怒られてますよ!松岡 僕は悩みすぎて、誰とも喋りたくなくなって、舞台中だったが、
舞台の台詞と俳句しか口から喋ってません。友達が
ガンガン減るんです。
誰からも連絡来なくなりました。
豊崎アナ 浜田さんにご報告するか迷ったんですけど、岩永さんが夏井先生に
賄賂らしきプレゼントを贈って…
浜田 なんやねん、お前。
→2019年の干支イノシシの絵が描いてある
金箔がのったカステラの写真が紹介される
岩永 勢いがあるものをお贈りしたいなと思いまして。
東国原名人 刑事告訴していいですか?
度が過ぎますよ、毎回毎回。
梅沢名人 ほんとに。
豊崎アナ 志らくさんも、夏井先生に個別にメッセージを送っていることがわかりましたので、ここで紹介します。
夏井先生の期待を裏切らずに詠みます。 私は夏井チルドレンです。 |
浜田 志らくはん、いい加減にしなはれや!
藤本名人 夏井おじさんでしょ。
志らく 立川談志にもね、偉い師匠にも一度も
ヨイショをせずにここまで来たんです。でも俳句の世界はちょっと
姑息な手段に出た。
★夏井先生から見た特待生の見解石田→
頭の良い人だと思う。客観的に自分のことをしっかりと見ることができた時はバーンと上の方へ行く。
なんかやってくれたら嬉しいなという期待は持っている。
志らく→
ハイアベレージ。この点は東国原さんのタイプと一緒でボロい句がない。
名人の人達を脅かすと思う。
ジュニア→ちょっとずつ手が増えてきて
幅が出てきた。期待値高い。「
私を楽しませて!」と思う。
○順位別に見ていきます◆
1位「
連覇のさきぶれ 沸き立つ初電車」
中田喜子(決勝進出)豊崎アナ 中田さんは夏・秋に続いて
3大会連続で予選通過ということになります。
【本人談】正月に秩父宮ラグビー場で準決勝がある。「ひょっとしたら勝てるかも」と思っている一団に地下鉄で会ったことがある。それを俳句にした。
梅沢名人 オシャレ!
ラグビーを詠んだってところが(わざわざ)書いてないから。これはオシャレだな。
東国原名人 マラソンファンなので、僕は
駅伝だと思った。青山学院大の
連覇だと。
梅沢名人 それも良いと思います。発想させるところが、
ニクたらしいね!
夏井先生中田さんなんだ、これ~。
上手いです、本当に。
「
連覇」から始まる
言葉の力が見事ですよ。何かのスポーツで、去年勝ってるのだとわかる。
「さきぶれ」で良い状況にある
期待・ワクワクを演出する。そういう予感がある。ここまで映像はない。
ここから
後の展開が巧い。「沸き立つ」の後に季語「
初電車」が来て一気に映像が立ち上がる。
何のスポーツ?どういう集団?というのが、読み手の経験から掴みだされる。
これらの
勢いのある言葉が、8音・9音という破調に合っている。
新年の季語は「初」の字がつくものが多く、「初電車」は新年最初に乗る電車、「初鏡」は新年最初に見る鏡。
「初」の字の効果も見事。
気持ちの良い句。直しはもちろんいりません。
添削なし
◆
2位「
吊り革の師走 遠心力に耐へ」
ミッツ・マングローブ(決勝進出)本人 (予選通過)初めて。来ましたよ。
【本人談】帰りの満員電車で座れず、吊革に掴まってぎゅうぎゅう詰めで、電車のカーブのたびに人の波もぎゅうって来るが、歯向かいながら吊り革の手だけでその遠心力に抗ってるという光景を詠んだ。
東国原名人 イキが良い。この「
遠心力」という俳句になりにくい言葉を見事に使ってる。
夏井先生頭の「吊り革」でちゃんと電車やバスという乗り物だとわかる。
その後の
展開が良い。思い切って季語「
師走」をここに持ってきた。前半の言葉だけで兼題写真の様子をシンプルに言えている。
そこから後の展開も上手い。「遠心力に耐へ」ていることだけで、
今電車は大きなカーブに差し掛かって乗客は吊り革を握り直しているに違いない。読み手も
一緒に握り直して遠心力に傾けている。それをありありと追体験する。
言葉並べるだけで
追体験させる力があるのは、大したもん。
前半は8音、後半は9音という
破調も内容に似合っている。腕を上げました。
直しはいりません。
添削なし
◆
3位「
ヘビメタの 担ぐギターと 破魔矢かな」
千原ジュニア(決勝進出)浜田 ホラ、みなさん。
ナナハン詠まなくても通るんですよ。
梅沢名人 決勝が怖い。
【本人談】お正月に色んな人がいる中で、金髪で革ジャン着たゴリゴリのヘビメタの兄ちゃんがギターと片手に破魔矢(はまや)を持ってる。「そこは日本の古来の風習に乗っかるのか」と微笑ましいなと感じるお正月がみんなに来ているという感じを詠んだ。
藤本名人 ナナハンからヘビメタに行きますか。やられましたね、これね。
本人 ヘビメタが
ナナハンに乗ることもあるからな。
浜田 何の言い合いやねん。
梅沢名人 ジュニアらしいよね。
藤本名人 光景も面白い。ヘビメタの兄ちゃんが破魔矢持っているっていう。面白い俳句ですね。
夏井先生年末の次、新年明けたらどうなっているか?という風に発想してみるのも1つ。
何より「ヘビメタ」という人物に「担ぐ」という動作、「ギター」という物、そして季語「
破魔矢」が出てくる。ここら辺の
言葉の選び方が問題なく紡がれている。
さらに、対比が良い。「ヘビメタ」と「ギター」は予想の範囲内だが
、「破魔矢」が出てくる対比が良い。
また、「
担ぐ」という動詞で「ギター」はかなり大きなものだと想像でき、「破魔矢」と「ギター」の
大きさの対比も出てくる。
意外性という名の対比を仕込みながら
、「かな」で季語をクローズアップする押さえになる。
飄々とした楽しい新年の光景。楽しませてもらった。直しはいりません。
添削なし
◆
4位「
犬ひとり 霞が関は 大晦日」
千賀健永(Kis-My-Ft2)(決勝進出)本人 初予選通過~。(拳を上げながら)
ディフェンディングチャンピオン~!
藤本名人 1位のテンションやんか。
本人 初めての予選通過なんで。いつも
三振三振って言うじゃないですか。
藤本名人 タイトル戦なると
いつも三振でしょ。
【本人談】霞が関は普段ビジネスマンの方が沢山いて、すごく人が多い。今日は大晦日なので人が誰もいない。そこに犬がひとり。「ひとり」と擬人化をして、犬が「俺だけひとりで歩いてるぞ」と
強気なイメージを入れたいと思って「ひとり」という使い方をした。
横尾名人 擬人化が上手くいってる。4位というのはすごい。ただ霞が関
「は」の助詞の使い方が気になる。
本人 普通は「
の」なんですよ。「
は」にしたのは、
実況中継をしているイメージ。今日は犬がひとりしかいない、「大晦日なんだ」という俯瞰で見てるイメージ。
浜田 東さん、うなづいてますけど。
東国原名人 今聞いて、
限定しているんだな。限定の助詞なのでまあまあOKかなと。
夏井先生これは「
犬ひとり」と「
は」。これがまさに議論すべき点。それがわかっているのがさすが。
普通なら「犬一匹」とするかもしれないが、そうすると「ただ犬がいるな」という内容で終わる。
「犬ひとり」としたところに
飄々とした味わいが出る。いつもはビジネスマンで一杯だが、
犬だけがポツンと官公庁・人のような顔してそこにいる。表情が面白い。
「霞が関」という場所、「
大晦日」という季語を選ぶ。言葉選びも重なっている所はない。
助詞「
は」は「
の」との二択。助詞「の」だと単純な事実になる。
「
は」なら、霞が関はいつもは大賑わいだが、今日
は大晦日だからと強調する働きがなる。
どちらが良いというより、作者の意図で選びべきだが、
意図通りの展開を自分で選んでいる。
ちゃんと考えるようになったね~、エライエライ!これは直さない方がいい。
本人 早くも泣きそうです。
添削なし
◆
5位「
働くと 書くだけの為 日記買う」
立川志らく
【本人談】満員電車に乗る忙しいサラリーマンが日記を買っても他に書くことがない。私も「何の仕事か」しか書いてない。それを俳句にして詠んでみた。
東国原名人 「
日記買う」という
季語の本質をどう見るか。「日記買う」は
ポジティブ・夢・希望を表す季語で、
あえてネガティブな方向に逆張りした。それをどう判断されたか。
発想は面白いと思う。
梅沢名人 うん、発想は好きですよ。
語順が失敗したのかな。自分たちのリズムでこういう言葉を使ってしまう。それの間違いが出たのかな
?→○正解夏井先生これも良い句。
小さなミスは語順。おっちゃんの言うとおり。ただ、どこが語順のミスか言ってないよね。
浜田 言ってないです。
藤本名人 核心突かない。
夏井先生 わかんないんだもんね?梅沢名人 はい。
急に言われても。
夏井先生この句は、
生活者の実感があるのが良い。毎年のように「
日記買う」。これが季語だが、
毎年「働く」だけ書いている。それでも今年も買うんだという。しみじみといい。
「働く」「書く」という2つの動詞もそれらを全部受け止めて最後の
「日記買う」に着地していくのも良い。変えればいいって言うのは「為」だけ。
梅沢名人 ね!浜田 なんなん、「ね」って。
梅沢名人 東さんが証人ですよ。つぶやいてましたもん。
東国原名人 御大はね、
つぶやきます。つぶやくんですけど、
自信のない時はつぶやきますね。
色んなことを散りばめといて後で音声で再録音する(ようにしている)。
藤本名人 合ってたら声を大にして言うみたいな?
夏井先生中七の
語順が散文的。「書くだけの為」
に買いました、のようなニュアンス。「~為に買う」という事実を述べたことになる。
「
書く為だけの」とするだけ。そうすると、
日記が季語「日記買う」に真っ直ぐ意味がいく。「為だけの」ものがちゃんと出る。
これ変えてたら4位の
犬(の句)
には完全に勝ってた。
本人 実はこの句を頭の中で詠んでて、
トイレで繰り返したときに「そうだ!」と気が付いた。散文的にならないと気が付いたけど、手遅れだった。「
犬(の句)」に負けました。
藤本名人 犬-My-Ft。
千賀 犬-My-Ftじゃねえよ。みんな犬になっちゃうじゃん。
添削後
「
働くと 書く為だけの 日記買う」
◆6位「
雪明かり 辿り夜汽車は 寝床へと」
岩永徹也浜田 カステラ効いてないやん。
【本人談】「雪明かり」で広い雪原に小さな明かりが灯って、夜の電車が近づきもうすぐ終点に行くんだなという句。
東国原名人 もうちょっと
柔らかくわかるように表現するのか…
浜田 例えばどういう?
東国原名人 それは
ちょっとわからないんすけど。
藤本名人 名人だって、
急に言われたら出てこないですよね。
村上名人 足りないなぁ。何ですかね、何かが足りない。梅沢名人 それを言うのが
名人だろ。お前、何も言えないから。
浜田 バーンと、言ってやって下さいよ。何が足りないか。
梅沢名人 ストレートに書けばいい。「
眠りつく」とか。その方がわかりやすい。
浜田 「眠りつく」って言わんで、
そこは「急に言われても」と言わないと(梅沢のおでこを叩く)。
梅沢名人 …はい、名人が出ちゃって。
笑いを取るべきでしたね。
夏井先生美しい光景を描こうとしている。
雪明かりを辿って夜汽車が現れる。綺麗な光景。
「寝床」がやっぱり引っかかる。話を聞くと「寝床」は車庫のイメージだったよう。
そうなると問題点は2つ。「夜汽車は寝床へ」という
比喩が詩として鮮度が落ちる。
寝床=車庫というイメージまで17音に入れ込むのは、
分量として多少無理がある。
下五の
言葉の選択だけが問題。おっちゃんがサラっと言った
「眠りつく」くらいが季語が綺麗になる。
→梅沢がおでこを叩く動作をして、さっきの行動の正当性を浜田にアピールする。
浜田 合ってるんでしょうけど、(笑いの)
正解は違うやんか。「急に言われても」って言ってくれた方が…。
梅沢名人 あぁそうですか。
夏井先生「寝床」に詩が感じられにくいので直す。夜汽車が走りながら次第に眠りについていくという表現に止めた方が綺麗。
「
眠りへと」でも綺麗。
夜汽車も夜汽車の中の乗客も眠っていく感じが出る。とてももったいなかった。
本人 「眠り」に変えてたら
「犬さん」(千賀)は超えられましたかね?
夏井先生 こうしてたら、「犬ひとり」の方が
負けてたかもしれない。
藤本名人 (千賀は)夏井先生の
犬やもんね。
千賀 違うんですよ。夏井先生の
犬ではないんですよ、尊敬はしてますけどね。
添削後
「
雪明かり 辿り夜汽車は 眠りへと」◆
7位「
地下鉄を 這い出吸いたる 冬銀河」
松岡充本人 こっから全然上がれない。
【本人談】視線が一気に下の地下鉄で満員電車の息苦しさや熱気で早く出たいと思う気持ちから、地上に出た時に冬の大きな星座が広がっていてそれを全部吸い込んだという。気持ちのいい句だった。
梅沢名人 理解に苦しむよね。
詠み手も困るんじゃない。
村上名人 …
困りますよね~。
石田 出た!
ミスター小判鮫。
本人 具体的にお願いします。
村上名人 「
這(は)い出(で)吸いたる」ってくっついてるのが、「
這い出る」が「
地下鉄を」に「
吸いたる」が「
冬銀河」にかかってるというのが微妙に
破綻しちゃってる。
→○正解夏井先生まさにその通り。
「地下鉄を」の後に
「這い出る」という複合動詞は良い。多分、
満員電車の人熱れ・熱気から長い階段を上がって這うように出てくる。
そこを出て「冬銀河」を吸うというちょっと大袈裟な表現ではあるが、全体を読んだ時に
肺の膨らみ・冷たさが流れ込んでくる。
発想はとても良い。
問題は
「吸いたる」の位置。上から読むと
、「タバコでも吸う?」と誤読する人がいるので、語順を変えるだけ。
「這い出
て」と「て」を入れて、「冬銀河」を吸う。「吸いたる」は吸いました、という完了の意味になる。
ここから3通り。
「
吸いぬ」→今 吸いました、という文語。
「
吸わん」→吸いましょう、という意思の意味。
「
吸い込む」と字余りで口語にしても良い。実感に合うのを選ぶだけ。どれが良い?
本人 「
吸い込む」
夏井先生そう言うと思った。あなた的には正解だと思う。
これなら順位ガーンと上に来る。
本人 どの辺りまで?
夏井先生 「犬(の句)」(千賀)といい勝負。
千賀 僕
犬じゃないですけどね。
[ここがポイント]動詞は的確な位置に
添削後
「
地下鉄を 這い出て冬銀河吸い込む」
◆
最下位「
電車吐きたる 人人人人人 年の果」
石田明(NON STYLE)本人 結構頑張ったけどな~。めちゃくちゃ努力したのにな~。
藤本名人 予選頑張って
本戦でいつも力が出ない。
東国原名人 最下位の気持ちよーくわかる。まだまだ。
【本人談】「電車吐きたる」で嫌なイメージを出し、満員電車でパンパンに人が入りすぎて、ドアが開いた瞬間に人が吐き出るように出てくる。「人人人人人(ととととと)」でよりコミカルにしていつもと違う満員電車であり、この人達をみて年末に気付いたっていうのを詠みたかった。
藤本名人 ちょっと、
全然わかんないっす。何を言うたらいいのか?何この「ととととと」って。
東国原名人 僕はでも
面白いチャレンジだと思っている。この
「人」の漢字が「人」の形になっている。
藤本名人 絵として考えてるってこと?
東国原名人 そう。だからチャレンジとしては面白い。
本人 絵と響きと、実際に沢山いるのを表現した。
夏井先生チャレンジとしては認めたいと思う。中七のように字面を並べて表現する方法も俳句ではある。
問題点は2つ。この字面を並べた時に、
読む人は「ひとひとひと…」と読んでしまう。かと言って「ととととと」とルビを打つのも野暮。
「
年の果(はて)」は割とどっしりとした時候の季語で
映像を持たない季語。それが最後に来る語順が得か損かという判断。
「年の果」から始めて電車の映像を持ってきた方が印象が深くなる。
上五で
「吐く」を並べても面白さを演出することができる。
「
電車は人を」とし「
吐く」を3つ並べて「動き」の方に並べる効果が移る。
添削後
「
年の果 電車は人を 吐く吐く吐く」
★夏井先生が紅白歌合戦の審査員に決定浜田 先生。
夏井先生 はい、何でしょう?
浜田 年末に
大きいお仕事が入ったみたいですよ。夏井先生が
紅白歌合戦の審査員に選ばれました。
一同 (拍手)
梅沢名人 すごいじゃない。
夏井先生 なんで、そんなに揃って来るの?そっちに驚いて。
浜田 いやいや。そうそうたるメンツが座ると思います。
志らく 今年の1年の顔ですからね。羨ましいです。私なんか
M-1の審査員よりそっちやりたいです。叩かれず済むから。
梅沢名人 あ~、そういえば、紅白でしょ。
浜田 戦うことになります。
→浜田は日テレ系「絶対に笑ってはいけない」シリーズで、夏井先生はNHK紅白と裏番組対決になる。志らく どっち観ていいかわからない。
梅沢名人 いえいえ、私ハッキリ言いますけど、
TBSしか観ませんから(浜田から肩にビンタ)。悔しいじゃないですか。
夏井先生 ありがとうございます、ほんとに。
→浜田からお祝いの花束を贈呈。梅沢名人 厳しい審査を期待してますんで。
夏井先生 なんか分かんないけど、行ってきます。
編集後記待ちに待ったタイトル戦予選会の兼題写真は「年末の満員電車」。京王線がVTRで使われていましたが、季語を探しに行く必要のあるお題で発想力や表現力が試されるものでした。
1位は、夏に続いて予選トップの中田さん。その時も破調でしたが、読み手の想像を膨らませるのは上手いです。発想の仕方が堅実ながら女性的で目の付け所がとても良いですね。中々発表では最後まで残ることが少ないため、夏井先生の特待生見解VTRが中田さんに関しては出ないので、そこも聞きたいところです。
2位は、夏も調子良かったミッツさん。最近は定型崩しが好調です。これまた破調でしたが、「遠心力」という物理の言葉を上手く使いこなし、リアリティのある俳句でした。
3位は、最後に発表されたジュニアさん。通常査定は苦しみながらも、ジュニアさんらしい発想で、年始に着目し「破魔矢」と取り合わせをしました。名人の期待値はいつも高く、前回の秋にも詠んだ「ナナハン」で随分といじられていましたね。
4位は、昨年の冬の覇者でもある千賀さん。擬人化の使い方とオフィス街の大晦日のイメージを上手く描写していました。決勝で大胆な発想ができれば、優勝して「冬の千賀」と呼ばれる可能性はあると感じます。
今回は半分の4人が決勝に進出となりましたが、いずれも添削なしとハイレベルでしたね。
5位は、前回の秋も上位に入った志らくさん。自分の句の失敗の原因に気付いていただけあって、実力はやはり侮れないです。句も実感がこもっていましたが、夏井先生へのメッセージ通りにはいかなかったですね。
6位は、夜汽車の光景へとロマンチックに発想を飛ばした岩永さん。物語を描くという意味ではなかなか面白いのですが、「寝床」が少々陳腐だったのが残念。円楽師匠と同様に賄賂だといじられますが、先生へ贈り物を渡す礼儀は若いのに大したものです。
7位は、タイトル戦に弱い松岡さん。中七で動詞がごちゃごちゃ入って意味が通じにくいのが残念でした。なかなか通常査定にも出ないので沢山出演してほしい所。友達をなくしたというエピソードも実感がこもっていて、そういう視点で俳句を詠むのもアリですね。
最下位は、毎回振れ幅の大きい石田さん。去年の春も最下位で、まさに"負けフラグ"が的中しましたが、中七のチャレンジは面白いですね。ただ、リスクを伴う挑戦だけに伝える力を磨いてほしい所。
敗退者はみな4位の「犬」の句を超えられるかというのが添削の基準になりました。千賀さんはよくいじられてしまいますが、果たして決勝はどうなるのでしょうか。
名人の指摘でしたが、かなりバラエティー的な振る舞いが目立ち、体力を温存していた様子。梅沢、東国原名人の通常運転は勿論ですが、村上、横尾名人も随所で活躍が見られました。
夏井先生が紅白審査員に決まったことが後半に紹介されましたが、この番組(というよりMBSさん)は、他局の情報をフランクに紹介する姿勢が心地よいですね。通常回の出演者の紹介でもそうなのですが、視聴者寄りな感じが良いと思いました。
さて、年明けは決勝と番組対抗戦です。番組対抗戦でプレバト!!チームに対抗できるレベルの人が出てくるかも楽しみですね。
冬麗戦・決勝はこちら。
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