「プレバト!!」で披露されたタレント 武井壮の全俳句一覧です。
通常挑戦者 武井壮(たけいそう) 合計13句
成績(2023年5月25日時点) <通常挑戦者時代>
才能アリ 7回、
凡人 6回
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人物紹介 ◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 凡人 北斎の眺めた赤い富士を踏む 2 才能アリ 仏心や深雪に奈良を羨みて 3 凡人 空絣桜の帯を黄で締める 4 凡人 富む山に撮り鉄誘うチューリップ 5 才能アリ 若葉揺れ晴れリフト揺れ高尾山 6 凡人 あじしゃいと孫が指差す線路沿い 7 凡人 次は金銀杏黄金に舞う街で 8 凡人 隅田川寄り添い眺むラムネ瓶 9 才能アリ 子らの引く綱の雄々しく匂ひけり 10 才能アリ 夏逝くや離郷の尾灯連なりて 11 才能アリ 戦陣の交はるごとき梅二色 12 才能アリ 後毛の柔く撓ひて梅雨に入る 13 才能アリ 鯖喰ふや係船柱の錆硬し
▼人物紹介 「プレバト!!」では俳句コーナーにコンスタントに出演する自称「百獣の王」タレント。NHKの俳句番組のMCを経験し、4週目の「俳句さく咲く!」では番組内で特選を何度もとるなど最近はメキメキと上達している。
句の特徴は五感を誘う情景描写力と言葉の選択力。季語や語彙も多く吸収しているが、無難で手堅い表現の句が多い。また、無季ながら秋の運動会の様子を的確に表現した句もあり、努力の成果も見られる。
発想のオリジナリティが良いものの、より鮮明な映像にするよう添削されることが多い。才能アリを7回獲得し、特待生候補の一角だが、夏井先生から「実力は認めたい。1回攻め込んだ作品を見せて欲しい。百獣の王なんでしょ。攻めてきて」と2019年時点では認定見送りとなっている。
2023年5月、およそ4年ぶりとなり査定に挑戦し、当時年間最高点となる75点を獲得する圧巻の俳句を披露。先生から「同じレベルの句をもう一度見せて。"4級から挑戦しても良い"と言うかもしれない」と飛び級昇格を示唆されるも、今回も特待生認定は見送りとなった。
● [1] @14/08/07◆お題:夏の富士登山
『北斎の眺めた赤い富士を踏む 』 凡人3位 58点
添削後
『北斎の赤富士を踏む 土を 踏む 』 ● [2] @14/12/18◆お題:雪の鎌倉大仏
『仏心や深雪に奈良を羨みて 』 才能アリ3位 71点
添削後
『鎌倉大雪仏は 奈良を羨 まん 』● [3] @15/03/05◆お題:河津桜と菜の花
『空絣桜の帯を黄で締める 』 凡人6位 51点
添削後
『空は 絣 さくら並木を帯として 』 ● [4] @15/05/07◆お題:富山のチューリップ畑
『富む山に撮り鉄誘うチューリップ 』 凡人3位 60点
添削後
『富山いま 撮り鉄誘うチューリップ 』 ● [5] @16/04/28◆お題:新緑と高尾山
『若葉揺れ晴れリフト揺れ高尾山 』 才能アリ2位 70点
添削後
『高尾山晴れ若葉ゆれリフト揺れ 』 ● [6] @16/06/16◆お題:江ノ電とあじさい
『あじしゃいと孫が指差す線路沿い 』 凡人4位 45点
添削後
『あじしゃいと 指差す紫陽花の 線路 』 ● [7] @16/11/17◆お題:11月 イチョウ並木の公園
『次は金銀杏黄金に舞う街で 』 凡人4位 50点
添削後
『次は金銀杏のひかり降る 街で 』 「金」は競技大会でのメダルの比喩。
● [8] @17/07/20◆お題:夏祭り
『隅田川寄り添い眺むラムネ瓶 』 凡人2位 55点
添削後
『隅田川寄り添う ラムネ瓶 二本 』 季語は「ラムネ」。浅草祭りの帰り道に彼女にフラれてしまい、その後に一人で隅田川を歩くとベンチに空のラムネ瓶が2本置かれているのを見て、自分も今はこうしてるはずなのにと思いながらも隅田川をラムネ瓶が眺めている様子を詠った。ミッツは「この句は隅田川のほとりで2人で寄り添ってラムネ瓶を眺める奇妙なカップルに読める」と語り、先生は特待生の正しさに拍手を送る。中七の動詞の畳みかけは、人物の動作だと誤解を招くと指摘。「ラムネ瓶が寄り添う」という擬人化の意図も強烈だと評すが、「カップルが寄り添う」読みを誘発する「眺む」を消し、「二本」と念押しする言い方に添削。フラれた男の想像を読み手へ誘う添削に本人も大声で納得。フラれたことを浜田からいじられ、『Hot Dog Press』(2004年休刊)を見て凄い頑張ったと反論するも、先生からも確認されてしまった。
● [9] @17/10/19◆お題:綱引き
『子らの引く綱の雄々しく匂ひけり 』 才能アリ1位 75点
添削なし
無季(「綱引き」とすれば正月の神事の季語となる)ながら運動会の綱引きを連想させ、土埃の触覚を刺激する巧みな表現力で初の添削なし。
● [10] @18/08/30◆お題:
夏休みの終わり 『夏逝くや離郷の尾灯連なりて 』 才能アリ3位 70点
添削後
『行く夏 や離郷の テールランプの列 』● [11] @19/02/07◆お題:
梅と公衆電話 『戦陣の交はるごとき梅二色 』 才能アリ2位 70点
添削後
『戦陣のごとし白梅追い紅 梅 』 季語は「梅」。公衆電話の中の人の気持ちに立ち、白梅と紅梅が混じり始める様子が、昔の戦陣の紅白の旗が混じり戦うかのような景色と重なったと語った句。先生は、梅の花の遅速を「戦陣」の比喩で表現するオリジナリティ・意外性と語順を評価。季語の「梅二色(にしき)」を「白梅」「紅梅」と色を示した方が読者の脳裏により強く残るとアドバイスし、比喩の言葉を消してより映像が鮮明になるよう添削した。
● [12] @19/06/20◆お題:
コンビニの傘 『後毛の柔く撓ひて梅雨に入る 』 才能アリ2位 70点
添削後
『後毛の撓ひて梅雨に入る 街角 』 季語は「梅雨に入る」。女性が後ろ髪を束ねる仕草に、後(おくれ)毛が撓(しな)いて回るのを見て「梅雨に入るな」と感じた一句。特待生皆藤は「女性的で綺麗な句。乙女な一面が見える」と称賛。先生は「丁寧に綺麗にまとめた」と評し、俳句の根本である"観察"が出来ていると褒める一方、時候の季語の後半にも映像を入れて、季語を主役にすべきだと指摘。着地は「コンビニ」でも良いと例示し、「街角」という広がりを持つ言葉で映像を確保する添削を行う。「コンビニにダッシュで行ったため、街角が見えなかった」と反省する本人。4回連続の才能アリとなるが、無難な句が多いため特待生認定見送りとなり、「夏井先生の胸をえぐり取るかのような」と本人はリベンジを誓った。
● [13] @23/05/25◆お題:
鯖の弁当 『鯖喰ふや係船柱の錆硬し 』 才能アリ1位 75点
添削なし
季語は「鯖(さば)」。「係船柱(けいせんちゅう)」は船をワイヤーなどで繋ぎ留めるため桟橋や埠頭に設けた杭。日本海の方にお仕事で行った際、宿の方から鯖の弁当を持たされたことが実際にあり、埠頭に立っている係船柱の金属の柱に硬い錆がつくほど荒い夏の海に揉まれているが、その中で鯖の弁当を食べて少し安らぎを感じたという句だと語った。梅沢・森口両名人がこぞって絶賛。先生は「とてもしっかりとした句」と評す。「係船柱」で港であることと、その周りで働く人がいる背景も全て伝わると述べる。港ではなく「係船柱」に着目し、「錆」のアップに近寄るカメラワークが上手いと称賛。最後の納めも「硬き錆」など錆に軸足を寄せず、「錆硬し」で手触りの方に軸足を向けたことで、その手触りを感じている人が鯖を食う港で働いている人々にリンクされて結ばれていくと解説し、「これはとても巧い句だった」と太鼓判を押す。5回連続才能アリで今年最高点・75点での特待生認定の進言に対し、先生は「4年前の出演は何一つ覚えていない。もう1回これぐらいの句を持ってきてくれたら"4級からいけ"ぐらいのこと言うかもしれない」と飛び級昇格を示唆するも、今回の特待生認定はまたもお預けとなった。
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