「プレバト!!」で披露された女優 柴田理恵の全俳句一覧です。
特待生3級 柴田理恵(しばたりえ) 合計16句
成績(2020年5月28日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ7回、
凡人3回
<特待生時代>
2ランク昇格1回、
1ランク昇格1回、
現状維持2回、
1ランク降格1回
第2回金秋戦予選8位(最下位)査定とは別に2018年度月間MVH受賞(19年3月)
●昇格率 40.0%(2/5)→50音別一覧ページへ →ページ下へジャンプ→
人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 凡人 | 鬼の面とっても子供泣き止まず |
2 | 才能アリ | 春の風バスを待とうか歩こうか |
3 | 才能アリ | 梅雨明けはいつかと猫も空あおぐ |
4 | 才能アリ | 決断の我を見守れ冬の富士 |
5 | 才能アリ | 父病みて逸る心に夏の雲 |
6 | 凡人 | 定年に花の錦の門出かな |
7 | 才能アリ | もてなしの豆腐ぶら下げ風の盆 |
8 | 才能アリ | 老犬の寝息愛しき夜半の冬 |
9 | 凡人 | 校庭に葉桜ぽつんとたたずめり |
10 | 才能アリ | 降り立ちて夜のしじまにあいの風 |
11 | 金秋②予選8位 | 主人なき庭に満天星紅葉燃ゆ |
12 | 現状維持 | 頬ゆるめ仰ぐ鈍空鰤起し |
13 | 2ランク昇格 | 「犯人逮捕」干鱈を毟る母の黙 |
14 | 1ランク昇格 | 若葉風部下にあわせてタコライス |
15 | 現状維持 | 高僧も無明の吾もまた紅葉愛で |
16 | 1ランク降格 | 「百円でケンカしたよね」笑う君の歯若葉風 |
▼人物紹介「プレバト!!」では俳句コーナーに集中的に出演する女優。才能アリ獲得回数が7回と女性最多である(男性は梅沢の9回)。俳句への意気込みが強く、ここぞという時に結果を出せないためか特待生に中々認められなかったが、遂に通算17人目、中田喜子に続く女性2人目の特待生に認定された。
句の特徴は五感を活用した場面描写力と言葉の選択力。自身の心情を的確に表現した句もあり、発想や着眼力も豊かである。また、地域性に特化した季語を用いた句が多いのも特徴的。その一方で、言葉の無駄も指摘されがちで低評価に沈む傾向もある。
特待生となってから、自宅を改装して俳句部屋をつくるなど意欲は十分。
初参加のタイトル戦は最下位に沈んでしまい、初回査定では得意の地域性の句に挑戦するも、無駄な言葉が多く現状維持。堅実に学習しているが、先はまだ長い印象であった。
一斉昇格査定SPで披露した句も地域性に特化した句で勝負。渾身の一句が夏井先生に認められ、見事にフルポン村上以来の2ランクアップを決めて勢いづいていたが、久々の一斉査定では24音の大幅な字余りで、俳句の17音の器を壊してしまい、降格の屈辱を味わう結果に。
●[1]お題:節分祭
『鬼の面とっても子供泣き止まず』凡人6位50点
添削後
『豆撒きのお面取っても泣き止まず』●[2]お題:葉の花とバス停
『春の風バスを待とうか歩こうか』才能アリ1位78点
添削なし
季語「春の風」。才能アリ197句中、当時夏井先生が選ぶベスト4に選出した句。気持ちよさを感じる書き方で、読み手への効果を考えて作ってあると先生は称賛した。菜の花に焦点を当てず、つぶやきが人物の状況をも映像化させ、読後感の想像を膨らませるところに才能を感じさせた一句。
●[3]お題:梅雨のある日と猫
『梅雨明けはいつかと猫も空あおぐ』才能アリ3位70点
添削後
『梅雨明けはいつかと空をあおぐ猫』●[4]お題:富士見坂のある風景
『決断の我を見守れ冬の富士』才能アリ1位70点
添削なし
●[5]お題:夏の海とバス
『父病みて逸(はや)る心に夏の雲』才能アリ2位70点
添削後
『病む父へ逸る心や夏の雲』●[6]お題:江ノ電と桜
『定年に花の錦の門出かな』凡人4位40点
添削後
『乗務日誌閉ず定年の日の桜』●[7]お題:夕暮れの商店街
『もてなしの豆腐ぶら下げ風の盆』才能アリ1位75点
添削なし
出身地である富山県を代表する秋の祭り「おわら風の盆」を表現。「この豆腐で酒が飲みたい」と夏井先生が絶賛した一句。
●[8]お題:犬と雪
『老犬の寝息愛しき夜半の冬』才能アリ2位70点
添削後
『夜半の冬しんしん老犬の寝息』
●[9]お題:
学校のこいのぼり『校庭に葉桜ぽつんとたたずめり』凡人3位63点
添削後
『廃校の風に葉桜たたずめり』●[10]お題:
帰省ラッシュ[新幹線の空席案内板]『降り立ちて夜のしじまにあいの風』才能アリ1位72点
添削なし
「あいの風」という地方性を持った季語の使い方が上手く遂に特待生に昇格した一句。
[ここから特待生として査定]●[11]お題:
紅葉の絶景『主人(あるじ)なき庭に満天星(どうだん)紅葉燃ゆ』第2回 金秋戦予選8位(最下位)添削後
『荒れ兆す庭の満天星紅葉かな』「主人なき」「紅葉燃ゆ」の発想がありきたりであると評されて初めてのタイトル戦は最下位に。
●[12]お題:
冬のバス停『頬ゆるめ仰ぐ鈍空鰤起し』5級で
現状維持添削後
『鈍色の空やいよいよ鰤起し』
季語「鰤起(ぶりおこ)し」は北陸地方で雷が鳴ると日本海で鰤が獲れる頃合いだという意味を含む。自身の故郷である富山県の冬に発想を飛ばし、鈍色の空を鰤の季節が来て嬉しい顔で仰ぐイメージを詠んだ句。先生は「鰤起し」という渋い季語で地域性や空の感じ・冷たさが一気に立ち上がるのは良いが、「頬ゆるめ」を含め「要らない言葉が多い」と評した。「仰ぐ」は不要とする考え方もあり、「鈍空(にびぞら)」という造語も「鈍色の空」と丁寧に書いた方が季語の映像の印象が強く出て得だと忠告する。「頬ゆるめ」の人の表情で期待感を表現する意図はわかるも、上の方向を向くフレーズに人物のアップの光景を取り合わせるのは損だと評し、期待感をより強調するよう添削した。
●[13]お題:
春の号外(特待生一斉昇格査定SP)
『「犯人逮捕」干鱈を毟る母の黙』3級へ
2ランク昇格添削なし
2019年3月月間MVH受賞句
季語「干鱈(ひだら)」は北陸・東北地方の郷土料理に使用される鱈の干物を指す春の季語。春の号外の記事に載っている「犯人逮捕」に発想を展開し、被害者の母親が硬い干鱈を金づちで叩いて毟(むし)る仕草に母の悔しさの想いが詰まった一句。中田名人は「熱意を感じる」と絶賛するも、藤本名人から「黙」の多用を指摘され、現状維持を予告。しかし、結果は2ランク昇格とスタジオは仰天する。「季語が伝える動作と心情」と評す先生は、力のある句と高評価。季語「干鱈」の地域性と「毟る」という動作に「母」の悔しい感情が伝わってくる。押さえの「黙(もだ)」は、過去に先生が添削に使用したことをきっかけに全国の俳句大会で山のように投句がきて、食傷気味だと告白するも、この句の場合は上五の喧騒、中七の動作の微かな音が聞こえてくるため「黙」が機能していると絶賛。村上名人以来の番組2度目となる2ランク昇格で本人は涙ぐむことに。
●[14]お題:
5月の昼休み[新緑のキッチンカー]『若葉風部下にあわせてタコライス』2級へ
1ランク昇格添削後
『若葉風部下にあわせるタコライス』
季語は「若葉風」。5月を過ぎて新入社員と仲良くなった上司が昼食のため外へ出向き、若者にあやかる様にタコライスを一緒に食べる心境を詠んだ。梅沢名人は中七を褒め「部下と一緒に」でも良いと添削例を語り、句のバランスが最高だと称賛する。査定ポイントは「タコライス」となるが、連続昇格に歓喜する本人。先生は、"5音の季語+12音のフレーズ"の手堅い型で勝負したが、部下と上司の楽しい様子が伝わる後半の叙述が上手く、事実だけを意味する「一緒に」を例示した梅沢名人を「バカな事を考えてはダメ。冗談じゃない」と真っ向から否定。「普段は食べないのに」という上司の心情が「あわせて」で表現されると解説した。下五のメニューも実際は何でもよいが、タコの入ったご飯だと勘違いする上司もいると、その「世代感覚を表現」した言葉選びも絶賛して総括した。下五に意味が自然に続く様に一字だけ添削されたが、査定3回で2級昇格と調子が出てきた。
●[15]お題:
京都叡山電鉄と紅葉/電車から見える紅葉の絶景『高僧も無明の吾(あ)もまた紅葉愛で』2級で
現状維持添削後
『高僧も無明の吾(われ)も紅葉に座す』
季語は「紅葉」。眼前の紅葉は古来からあり、最澄が開いた比叡山で修行する僧侶も見ているはずだが、悟りを開いていない凡夫の私も同じ紅葉を愛でているという一句。「超イイです」と絶賛する藤本名人は「"もまた"が説明的過ぎる」と指摘を入れる。査定ポイントは「愛(め)で」の是非となり、「"愛づ"かな?」と不安な本人。先生は、徳の高い僧も無明(むみょう)で無知な私も紅葉を愛でる心を持ち、同じ時間と空間にいる点を表現する意図を称賛する。しかし、先生評の「言い過ぎ」の問題点を2箇所挙げる。1点目は2つの「も」があれば「また」は不要という名人の指摘だが、それ以上に問題となる2点目「愛で」が大きく障るとし、自分の心の状態を直接表現したのがマイナスだと指摘。二者を描写すれば「愛でている」「悲しんでいる」「無の境地にいる」などの状況を読み手が想像できると解説。自分を指す「吾(あ)」を"われ"と詠ませ、下五を字余りで「座(ざ)す」と2人が座る光景へと展開する添削に、本人も「あ~!」と悔しがる。最後にゆっくりと時間が動いて静けさが広がり、肝心の季語がゆっくりと空間を満たす句なら昇格という結果に「残念」と本人は対応した。
●[16]お題:
100円玉『「百円でケンカしたよね」笑う君の歯若葉風』3級へ
1ランク降格添削後
『百円でケンカしたよね若葉風』
『百円でケンカした日の若葉風』
季語は「若葉風」。約40年前に親友の久本雅美と「100円を貸した」「返した」とお金の貸し借りで大喧嘩をした。そのことをお互いにいまだに覚えていて、お酒を飲みかわすと「小さい人間だったよな」と笑いながら飲む様子を詠んだと語った。梅沢名人は「俳句じゃないわ。字が多すぎる。これは五七五にまとめないと」と指摘し、具体的に問われて「急に言われても」と常套句で返す。査定ポイントは会話部分の「」(カギカッコ)の是非だが、自身初の降格査定に。先生は、エピソードは非常に面白く、季語の選択も良いと褒めるが、12音の会話で上五を作るのは書きすぎだと大幅な字余りを指摘する。100円で過去にケンカしたが、今は仲直り出来ているのが季語のイメージで伝わるため、季語を信じるべきだと忠告する先生。「笑う」は不要となり、ケンカは複数人のため「君の」も不要で、人物が不要なら「歯」も不要と中七を全て消す。そうなると、会話のカギカッコを取っ払っても俳句になると解説し、年月を表現する添削例も示す。若葉風を見るたびにケンカをした若き日を思い出す感じになり、季語が現在と過去の日をつないでくれるという解説に本人も納得した。
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