fc2ブログ

記事一覧

20231109 プレバト!!俳句紹介【メガネ】

2023年11月9日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※20日に全て更新しました。大変お待たせしました。
【番組公式】X(旧Twitter)/インスタグラム/TVer(ティーバー)
夏井いつき俳句チャンネル/⇒YouTubeまとめ記事

挑戦者→八嶋智人[4],矢柴俊博[初],山﨑ケイ[4],飯尾和樹[2],村上[5],横尾渉[80],梅沢富美男[209] ※数字は挑戦回数

●お題:めがね
眼鏡の兼題

清水アナの俳句査定(プレバト!!公式Xより) ※清水アナもメガネをかけて参加
清水麻椰アナの俳句夏井先生評
木枯の窓際母の老眼鏡
才能アリ。お母さんへの思いがちゃんと見える。
(本人「母の句は得意かもしれない」)母以外ネタがないんだよ。
<通算成績>:○2△6×0

🔷挑戦者語録 ※兼題「メガネ」がトレードマークの芸能人が集結
八嶋智人△3※中学2年でメガネデビュー。
「あまりにも近すぎて恥ずかしい。エピソードもいっぱいあるし」
飯尾和樹△1※ロケのカンペが見えなくなったことを機に、37歳でメガネデビュー。
「前回は添削で真っ赤に染まった。夏井先生の後ろ姿しか見えていない」
➡結果発表で眼鏡を吊り下げて「握力ゼロ」のギャグを披露し、キスマイ横尾にハマる。
「あとで事務所からバームクーヘン贈るから」(笑)
矢柴俊博初挑戦※中学1年でメガネデビュー。早稲田大学出身。
村上○2△1×1※大学4年でメガネデビュー。
「眼がヤダって言われる。綺麗な二重なのに体に合ってない」
山﨑ケイ○1△2※早稲田大学出身の高学歴芸人。
★ランキングシートの分布は才能アリ1名、凡人2名、才能ナシ2名。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点八嶋智人
眼鏡落つ押しくら饅頭空を見るめがねおつおしくらまんじゅうそらをみる
2凡人2位67点矢柴俊博
荒星を映すメガネや死体役あらぼしをうつすめがねやしたいやく
3凡人3位40点山﨑ケイ
(相席スタート)
ねんねこや視力は似るなと同じ顔ねんねこやしりょくはにるなとおなじかお
4才能ナシ4位38点飯尾和樹
(ずん)
指ワイパー払うメガネの冬景色ゆびわいぱーはらうめがねのふゆげしき
5才能ナシ5位35点村上
(マヂカルラブリー)
家の妻の眼鏡も白くあんこう鍋いえのつまのめがねもしろくあんこうなべ
6永世名人22句目に掲載決定横尾渉
(Kis-My-Ft2)
年の瀬の終電網棚に眼鏡としのせのしゅうでんあみだなにめがね
7特別永世名人9句目のお見事!梅沢富美男
鼈甲のフレームにある小春かなべっこうのふれーむにあるこはるかな
順位発表順:3位→2位→4位→最下位→1位
→編集後記

夏井先生 どの句も実体験をしっかり書いてましたね。

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 八嶋智人
眼鏡落つ 押しくら饅頭 空を見る

【本人談】
中学生にもなって、冬の寒い時に押しくら饅頭しようぜって友達が言ってきて、嫌な予感がした。でもわぁ~ってやったら、案の定ガ~ンとかなって、眼鏡が落ちて「言うたやん」みたいなことで、裸眼で空を見た経験がホントにあった。

梅沢永世名人 洒落た俳句を作りましたね。
本人 いや~ホントですか。
梅沢永世名人 「眼鏡落つ」は(目線が)下ですよね。それから「空を見る」、上を見る。下と上と両方に。素晴らしい。これは上手いこと考えましたね~。

夏井先生 
調べが少したどたどしいと思う人もいると思うが、内容に合うためマイナスには全くなってない。
「眼鏡落つ」で一回意味が切れる。
当然下を向く流れになるが、「落つ」の後にいきなり「押しくら饅頭」という季語の現場がドンと出てくる。
中にいると書かなくても、これは踏まれて眼鏡をぐちゃぐちゃにされるが、この状態で俺は何もできずに空を見る。
最後の「空を見る」の着地の実感が良い。
冬の空が広がって諦めが出てくる。
もう作者が分かって、凄い進歩じゃないか。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 素晴らしいです。直しは要らない。

本人 よっしゃー!

●解説のポイント
調べにたどたどしい面がある
内容に合うためマイナスではない
下を向く流れから上を向く
何もできずに空を見る実感が良い
冬の空が広がって諦めを感じる
作者を見て凄い進歩だと

添削なし



◆2位 凡人67点 矢柴俊博
荒星を 映すメガネや 死体役
※季語は「荒星(あらぼし)」。

梅沢永世名人 うん、なかなかいいじゃん。
山﨑 凄い良い。

【本人談】
この1年間、4度ほどやられる役をやった。路上で寝そべっていると違った感覚になるというか、スタッフさんが気忙しく動いている中で一人だけ星空の美しさを感じたり、風の音を聞いたり、地面の冷たさを感じたり、別世界の感じがあって、うまく伝えられたらと思った。

夏井先生 
実体験ならではの目の付け所をまず褒めたい。
とても良い素材を捕まえてきたと思う。
問題点はどこかとなるが、この「映す」。
第三者が別の所から見ているから、眼鏡に荒星が映っている情景になる。
スタッフが「あぁ、眼鏡に荒星が映っているな。死体役の人、寒いだろうな」と語る。
自分が死体役ということなら、もう少し手を入れた方が良い。
「映す」はやめた方が良い。「荒星に」とする。
メガネが鼻の所に冷たくある感じなら「メガネ冷えゆく」。
「荒星にメガネ冷えゆく死体役」。
梅沢永世名人 あ~良い。
夏井先生 こうすると、最初は眼鏡がそんなに冷たい訳ではないが、次第に眼鏡がだんだん冷たくなっていく。
でも、この句を作った方はすぐ上手になると思う。

飯尾 えっ!
浜田 どうですか、矢柴さん直されて。
本人 僕ら脇役の気持ちを表してます、あの句は(笑)。

●解説のポイント
実体験ならではの目の付け所が○
問題点は「映す」で第三者視点
スタッフ「死体役は寒いな」と語る
自分が死体役の意図なら眼鏡が冷える景に
この句の作者はすぐ上手になる

添削後
荒星 メガネ 死体役



◆3位 凡人40点 山﨑ケイ(相席スタート)
ねんねこや 視力は似るなと 同じ顔
※「ねんねこ」が秋(→冬)の季語。 

飯尾 ええ~。

【本人談】
今年出産した。私は視力が悪いため、そこだけは(子に)似ないで貰いたいなという気持ちを乗せた。

梅沢永世名人 まあ着眼点は良いんでしょうけどね、「ねんねこや」としたらもうお子さんのことかなって、すぐ読み手は気がつきますよね。そうなると「同じ顔」ってのがもうこれ無駄な言葉ですね。
本人 えっ!そうなの?
梅沢永世名人 じゃあ、どうなのか?っていったら普通の文章になってる。
本人 そうなんですよね。
梅沢永世名人 俳句じゃないんだ。

夏井先生 
俳句というより願い事を書いたという。
これがおっちゃんの言った「普通の文章みたいになってる」ということになる。
これが1点。
もう一つ、最後の「同じ顔」が結果的には書かないで良いダメ押しになっている。
この句の中で一番言いたいのは中七の部分。
そのため結果的に書かないで良くなる。
のっけから「同じ顔」はさっさと消しておく。
八嶋 あ~出た。うわうわうわ。
夏井先生 そして、「視力」からいく。
「視力」がどうなってほしいかを書く。「似るな」は不要。
視力のいい子になってほしいと。
村上 だいぶ消された…、「視力」しか残ってない。
夏井先生 「視力良き子」、視力の良い子になってほしい。
「であれ」で"あってほしい"という意味。
「ねんねこの」の後に、ジュニアの好きな「吾子よ」と持ってくる。
そうすれば、ねんねこの赤ちゃん。
自分の子どもへ振り向く仕草が見えてくる。
こうすれば、「同じ顔」と説明しなくても、視力良い子であってほしいと思っているということは、ねんねこの子もお顔が似ているに違いないと読み手がちゃんと想像してくれる。

浜田 なるほどね。
村上 あ、いいな。

●解説のポイント
俳句というより願い事
「同じ顔」が不要なダメ押し
「視力」がどうなってほしいかを書く
ジュニアの好きな「吾子」を
自分の子どもへ振り向く仕草を出す

添削後
視力 ねんねこ



◆4位 才能ナシ38点 飯尾和樹(ずん)
指ワイパー 払うメガネの 冬景色

梅沢永世名人 
ふざけろよ。

【本人談】
暖かい所で「ふぁ~」っと眼鏡が曇る。すると指でワイパーをし、白くなったレンズを拭くというメガネあるある。よくロケのオープニングでやる。「指ワイパー、きゅっきゅっきゅ。どうも~ずんの飯尾です~」ってやるんですよ。

浜田 (飯尾のギャグがにハマっていた横尾が)あれ、これはウケへんかった。
本人 横尾君、バームクーヘン返してくれる?(笑)着払いでいいから。
横尾永世名人 着払いで。

夏井先生 
まさにこの「指ワイパー」問題。
本人 そんなに重大な?
夏井先生 指でこう拭くから「ワイパー」というのは、子どもも恥ずかしくて言えない比喩ではないかと思う(笑)。
本人 俺じゃあ、恥ずかしいことしてるんですか、日頃。
夏井先生 はい、何でこれは普通に書かないのか?というのが一番の疑問。
梅沢永世名人 ホントですよ。
夏井先生 指で拭くんでしょ?
本人 そうです、きゅきゅっと。こうやってね。
夏井先生 「きゅきゅっ」は良い言葉。
なんでそれを書かないのか。
本人 えっ!?
夏井先生 「ワイパー」というつまらない工夫を捨てる。
本人 ちょっと待って下さい(笑)。
夏井先生 「指で拭く」と書くだけ。「払う」も要らない。
「メガネ」の後、今良い言葉言った。
本人 なんですか?
夏井先生 もう忘れてんのかよ。
本人 記憶がない。
夏井先生 「きゅきゅっと」と言った。
本人 きゅきゅっ、はい。
夏井先生 「メガネきゅきゅっと冬景色」。
メガネがきゅきゅっと綺麗になってから季語「冬景色」がバント出てくる。
こうなると、冬景色という季語にとっても良い展開になる。
とにかくつまらない事をするのをやめましょう(笑)。

本人 (後ろを向いて)誰かいますかー?
山崎 いません。

●解説のポイント
「指ワイパー」問題
「ワイパー」は子も恥ずかしくて言えない
「指で拭く」と普通に書くべき
「きゅきゅっと」と言った言葉を用いる
とにかくつまらない事をするな

添削後
 メガネ 冬景色



◆最下位 才能ナシ35点 村上(マヂカルラブリー)
家の妻の 眼鏡も白く あんこう鍋

【本人談】
普段は眼鏡をかけてない妻が家の食卓で眼鏡をかけ、私も眼鏡をかけていて、2人も眼鏡が(鍋の湯気で)白くなって「あ~は~、結婚したよね~」というフワッと穏やかな食卓を詠んだ。

横尾永世名人 一見良さそうに思うんですけど、「眼鏡も」の「も」が何に対しての「も」なのかっていう…。
本人 私です、私。
横尾永世名人 自分の眼鏡だったらそれも書かないと分からないかなっていう。

本人 ダメですか、先生。
夏井先生 普通に読んで。
「家の妻の眼鏡も」なら、この「も」で家以外の場所に妻がもう一人いて、"家以外の妻の眼鏡もそういえば昨日曇っていたなあ"と(笑)。
飯尾 おい、村上!
本人 それはそういうことやったことある人じゃないですか、思うのは。
夏井先生 これなら鮟鱇鍋の方から行くべきだと思う。
「あんこう」と平仮名で書いた理由はあるんですか?(笑)
本人 穏やかな景色ということで。
夏井先生 鮟鱇鍋らしさというのは漢字でちゃんと書いた方が良い。
本人 先生、堅くないですか?
夏井先生 いや、アンタが書けなかっただけだろと思う(笑)。
「鮟鱇鍋」とこうくる。
そして、「妻の眼鏡も」で鍋と妻が出てきたら、食卓を囲む光景と分かる。
「白く」も曇っているわけだから白ではない。
「曇る」と書くしかない。「曇りたり」と。
今話を聞いていたら、幸せ感を出したいと。
本人 そうです。
夏井先生 そんな感じ。それなら「曇る」と説明せずに「ほのぼのと」はどうか。
梅沢永世名人 あ、いいじゃないですか。そっち好き。
夏井先生 そうすれば、幸せの感じも湯気の感じも出てくる。ほのぼのと曇ってくる。
小さな所をちゃんと気を付けましょうね(笑)。

本人 
いやだから、やっぱりこれを思いつけないっていうところが、やっぱり…下手っていう…。
山﨑 ほんとに反省してる(笑)。
飯尾 ほんとに反省してますよ。

●解説のポイント
「も」で家以外の妻がもう一人いる意味に
「あんこう」と平仮名で書く理由は?
メガネは「白く」ではなく「曇り」
幸せ感を出すなら「ほのぼのと」
小さな所をちゃんと気を付けましょう

添削後
鍋 妻の眼鏡も 
鍋 妻の眼鏡も のぼの




★永世名人 横尾のお手本★

→<永世名人>・横尾渉(Kis-My-Fy2)は句集完成まで残り29句。横尾が初めて眼鏡で出演したのは2019年7月11日放送分。
横尾永世名人 まだ僕シュレッダーかかってないんで。
浜田 あ、そうか。凄い。
横尾永世名人 なしで句集作りたいなと思ってます。
浜田 あと何句なの?
清水アナ あと29句です。
横尾永世名人 長いですね(笑)。

◆『年の瀬の終電 網棚に眼鏡 横尾渉(Kis-My-Ft2)

村上 凄いな。

【本人談】
あるあるだと思っている。終電は網棚に色んな物が載っている。なんでこれ載ってるの?というそれを眼鏡に変えて言ってみたという句。

■査定結果
永世名人22句目に掲載決定

理由:年末らしいリアリティー

村上 いいの?
本人 ありがとうございます。

夏井先生 
終電の網棚にとんでもない物が置かれているのは眼鏡あるあるというより、忘れ物あるあるという感じ。
この句の構成が五七五ではなく、別の型を使っている。
平場の皆さんもさっきから指を折っている人もいるよう。
「年の瀬の」で上五。そこから意味が中七に入り、「終電の」の4音で意味が切れ、残りの音数で合わせて17音になる。
これは「句またがり」という型で、名人ともなるとこういう特殊な型も使いこなせるようになる。
内容を見ると「年の瀬」で時候の季語が出る。
「終電」は場所だけでなく時間も言える。
更に映像が網棚に絞られていく。
さらに、絞られた先に眼鏡という物に寄っていく。
「俳句は映像」だといつも言っているが、まさに映像を描きながら最後に眼鏡。
"この人はどうやって家に帰ったんだろう?"という可笑しみがある。
浜田 なるほど。
夏井先生 眼鏡という物によって、年の瀬の慌ただしさを表現している。
平場の皆さんはこういうのも一つの参考にしてほしい。

浜田 というわけでお見事でございました。掲載決定でございます。
梅沢永世名人 おめでとう。

●解説のポイント
年の瀬の終電の忘れ物あるある
定型ではなく句またがりの17音
映像が網棚に絞られる
この人はどう家に帰った?という可笑しみ
眼鏡で年の瀬の慌ただしさを表現している

添削なし



★特別永世名人 梅沢富美男の締めの一句★

→<特別永世名人>・梅沢富美男は2回連続シュレッダー。
清水アナ 梅沢さんのメガネデビューは小学3年生です。
飯尾 (写真を見て)白黒。疎開先ですよね。
梅沢永世名人 「眼鏡パン」というあだ名があった(笑)。
***
浜田 ちょっと足踏み状態。
梅沢永世名人 あの、番組のことも考えながら私もお仕事をやるタイプですから。
浜田 いや、考えなくていいんですよ。
梅沢永世名人 たまにああいうこと(→シュレッダー)もある方が番組的にも良いと、みんなが言ってるので…。
浜田 誰が言ってんねん(笑)。

◆『鼈甲の フレームにある 小春かな 梅沢富美男

【本人談】
私の実体験。座長だった長男(で兄)の梅沢武生が癌を4回患った。入院している時によく行っていた。その時、兄貴が鼈甲のフレームの眼鏡をかけていて、その時にふと彼の顔や風景を思い出した。よく小春日和という言い方があるが、ああいう光ではなく滲んだような春の光を感じた。それを詠ませて頂いた。

本人 私言っときますよ。今日(73歳の)誕生日ですよ(笑)。
浜田 知らんがな。
本人 この300年に1人出るか出ないかの役者が生まれた日ですから(笑)。先生、よろしくお願いいたします。
八嶋 頼んじゃった。
村上 もう決まってますから。

■査定結果
特別永世名人9句目のお見事!

理由:おっちゃんにしては工夫している比喩表現

本人 よっしゃー!壁超えました。

夏井先生 
まずは季語を押さえる。
陰暦の10月を指す「小春」。雨風が少なくなり暖かい日が続き始める感じ。
「小春」は時候で映像を持たない季語。
その季語を表現するため、「鼈甲のフレーム」という物を取り合わせてきた。
鼈甲の色合いや、フレームの形や丸みというものも、小春をイメージさせる眼鏡かもしれない。
そして、「かな」はおっちゃんが苦手としてきた切れ字。
ニュアンスは、「私はそう思っているが、皆さんはどうですか?」と読み手に呼びかけるような詠嘆。
鼈甲のフレームにあるかのような小春だと私は思うが、皆さんはどうですか?という感じになる。
まさにちゃんと使えている。長かったよね、ここまでくるのに(笑)。

本人 先生、それからもう1つ褒めて。「鼈甲」という字が分からなくて、調べましたよ。
夏井先生 (拍手しながら)えらい~!
本人 調べて調べて。
浜田 いやいや、年寄りが2人で喋ってるや(笑)。
村上 年寄りって言い方ないでしょ。
飯尾 浜田さん、年寄りって。

●解説のポイント
陰暦の10月「小春」は冬の暖かい日が続く
時候に「鼈甲のフレーム」を取り合わせ
鼈甲の色+フレームの形や色合い
読み手に呼びかけるような詠嘆
「かな」がちゃんと使えている

添削なし


★次回は11/23(祝)、お題は「コロコロ」(便利アイテム)です。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

5位
上句をなんでわざわざ字余りにしたのか。3音で「妻の」で済むし、字足らずなので「我が妻」としても、点数は上がったことだろう。字余りにしてまで「家の」としたのが致命傷となった句。この上で「眼鏡も」と、「も」と来れば番組通り「家以外の妻(不倫相手)」が存在する読みが成立する。
詠み手は何で「家の」としてしまったのか?番組ではここの理由を聞いてはくれなかったが、実に気になる点。
また、原句の語順(下五に季語)だと、すきやきだろうが猪鍋だろうが寄せ鍋だろうが、音数無視すりゃ読み手にとっては何でも良くなる。
初めに鮟鱇鍋と示す、これだけでも、季語も思い出も活きる句となるかと。
添削句は、日常のメモリアル句としたい句。類想句、凡人句の範疇かもしれませんが、そこら辺のおっさんの自費出版した句集にさりげなく置いてあっても文句はないかな。

4位
指ワイパーという喩え。これに「払う」と続くと、例えば、指ワイパー「を」払う(レンズ部分を指で触るのを極度に嫌がる人が指ワイパーを止める)とも読めるし、「払う眼鏡」と眼鏡にかかると、指ワイパーで眼鏡そのものを爪弾いて、とも読める。「払う」は色々意味があるので良く分からん読みをされかねない上五中七。

3位
北原白秋の揺籃のうた辺りの影響か、あるいはもっと前の時代からか、「ねんねこ」には、ねんねこ半纏の意味以外にも「(寝ている)赤ん坊」の意味があるようだ。
季語としては、ねんねこ半纏(現代的なところでは赤さんをおんぶや抱っこするときの防寒ケープ)を指すが、ここに抱っこやおんぶをされてる赤ん坊、している側の親の姿も合わせて浮かびやすい季語だと思う。
添削句「ねんねこの吾子」で、第三者目線でなく、赤ん坊を背負っている親の視点へぐっと寄る。抱っこなりおんぶなりをしているとき、吾子の顔を見つめる。色んなことを親は思う。共感性の高くなる添削句だった。

2位
死体役という言葉のインパクトもさることながら、初挑戦で「冬の星」の傍題「荒星」を選択したのは凄い。季語とフレーズの関係、「冬の星」だと死体役の方が勝ってしまう感がある。
あとは視点の置き方で、番組通りの指摘となる。

1位
三段切れ。調べの辿々しさについては番組の指摘通り。
眼鏡落ちる(一人称視点)→押しくら饅頭(三人称になって押しくら饅頭を遠くとらえることもできる)→空を見る(一人称)とバタつきがある感じ。ただ、押しくら饅頭眼鏡落として空を見る、だと「すぐ拾え」「諦めるのハヤッ!」となる。
調べの辿々しさが眼鏡を落として一瞬三人称視点(引きのカメラワーク)→眼鏡が次々踏まれグシャグシャになる(一人称視点)→空を見上げる、という、漫画だったらコマ数が増える効果になっている。

横尾永世名人
身近な電車、地下鉄に乗るときに、網棚の有無、あったとして形状が昔ながらの網棚か、パイプ棚か、ガラス棚か、といったところで「網棚に眼鏡なんか置けるか、置いてもすぐ落ちてくるぞ」という突っ込みも出てきそうな句。少なくとも番組の映像ではすぐ落ちそう。
私だと昔ながらの網棚を思い浮かべて網棚に眼鏡が引っ掛かってる光景を浮かべた。実際に眼鏡が引っ掛かっているのは見たことはないけど、網棚でなくとも電車になんでこんなものが?というものを見たことあれば、「あららら」と眼鏡の持ち主のことを少しは思える(私はボックス席の窓辺に化粧ポーチが忘れられてる、網棚に風呂敷包みの菓子折りらしきものを見たことがある)
ただ、ちょっと年の瀬は番組的に早いね。

御大
鼈甲と小春のイメージが良い。また、「ある」が眼鏡のフレーム越しに見える小春の風景、または、小春とは鼈甲のフレームにも感じられるものですよ、といい感じで読み手に風景を委ねてくる。そして「かな」。「私はこう思いましたが、どう?」という投げ掛けがやっと成功した感じでしょうか。
さすが、日常の中の視覚的気付きから季節を感じた句は強いですね(緑青のカラン石けんネット揺れて夏、暮れて行く秋の飴色セロテープ)


昨日のプレバト

八嶋さんが初の才能アリを獲得し、横尾くんが2回連続の掲載決定を果たし、おっちゃん(梅沢さん)がおよそ2ヶ月ぶり通算9句目のお見事を決める(3年半前のリベンジを果たし、そして苦手な「かな」の使い方を克服した)といい、素晴らしい内容でしたね。(11/16は「キセキの動画大集合!“神”映像グランプリ」のため放送なし)
そして、梅沢さん、誕生日おめでとうございます。(この回の放送日が梅沢さんの誕生日だったため)

横尾永世名人
一目見たときに思い出したのは平場時代の「夏帽子夜行列車の網棚に」。
……帽子ならまだしも眼鏡という小さいものを網棚に置く光景がイメージしづらいし(本人も「眼鏡にしてみた」と言っていたため実体験では無いと思われる)、季語を先取りし過ぎてるし、句跨がりにする意図もあまり感じられないし、自分は掲載決定にちょっと納得できない。
そろそろビシッと五七五で掲載決定を決めてくれという私論もあるが。

梅沢富美男
久しぶりに「おっ!」となった句。
金属より暖かみのある質感と色の鼈甲(ここはやはり漢字だな)フレームだからこそ暖かな冬を取り合わせた感覚が見事だし、最後「かな」で余韻を残すのも良い。ついに音数合わせ以外での切れ字の使い方を学んだことに涙を禁じ得ない。

今回は久しぶりの平場五人体制。

八嶋
「眼鏡が落ちる」→「押しくら饅頭」
ここで「あっ(察し)」となってからの、「空を見る」で完全にオワタとなる。
三つの動作を一気に入れ込んだのにそれが全て機能しているのは中々凄い技術。自分は「空を見る」まで入れる勇気は無かったろう。

矢柴
「寒々しい夜の死体役」のエピソードが素晴らしかっただけに、なぜ「や」で切ってしまった(死体役を第三者視点にしてしまった)のか悔やまれる。「荒星」を知っていた知識も含め、リベンジが待たれる人。

ケイ
自分の思いが強すぎると俳句としては駄作になるという典型例。俳句はあくまで文学であることを忘れてはならない。
あと「ねんねこ」を単に寝ている赤ん坊と解説しているっぽいのが気になった(実際は赤ん坊を抱くための冬服)。

飯尾
「指ワイパー」は明らかに寸詰まりだし幼稚な言葉。冬景色が最後に鮮明に見えるという語順は分かっていただけに勿体無い……

村上
「鍋(温かい料理)で眼鏡が曇る」の時点でド類想なことを抜きにしても、「家の」が完全に余計だったり下五が平仮名で締まりが悪かったりと杜撰さの目立つ句。
あと、村上に対して夏井先生がやたら当たりが強いのに少し嫌悪感を覚えた(まあ「行く秋と行かぬ駅の赤」とかいう自由律と名乗るのも烏滸がましい何かを詠んでいる前科もあるから致し方なしか)。

これまで家族の句と「かな」を使った句でことごとく惨敗していた御大がようやく壁を越えたのすごい

個人的に今回は所々テロップにミスがあったのが気になった
飯尾さんのところで最下位って出たり
消しゴムはんこで望月取締役が才能ナシって出てるのに画面右上には 凡人?才能ナシ? って出てたり

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です