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20230921 プレバト!!俳句紹介【お蕎麦屋さん】

2023年9月21日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※3日に全て更新しました。大変お待たせ致しました。
→プレバト!! 公式X(旧Twitter)/公式インスタグラム

挑戦者→ゆうちゃみ[4],浅野ゆう子[3],酒井美紀[4],二階堂高嗣[38],皆藤愛子[39],村上健志[92],梅沢富美男[205] ※数字は挑戦回数

●お題:お蕎麦屋さん
お蕎麦屋さん

清水アナの俳句査定(プレバト!!公式Xより)
清水アナの俳句夏井先生評
満月や蕎麦屋が父の秘密基地「秘密基地」が凡人ワード。下五やり直し。

🔷挑戦者語録
浅野ゆう子○1△1※凡人から返り咲きに燃える。今回は自信あり。
「だって夫が褒めてくれましたもん」
ゆうちゃみ○1△1※前回は才能アリ。"令和の俳句ギャル"として実力を発揮できるか。
(8月9日結婚発表の村上に)「村上さんってお嫁さんに何て呼ばれてるんですか」
村上永世名人 「僕ですか?"健志さん"です」
「シンプル」
「通りすがりのおばちゃんに『意外と頭いいんやね』と言われるのが気持ちいい。(二階堂は)絶対抜く!」
酒井美紀△2×1※超低空飛行の成績。初めての才能アリを狙う。
二階堂高嗣○7△15×14※直近4回中3回が才能アリと絶好調。
「調子いいです。37回出てますから」
★ランキングシートの分布は分布を明かさずに発表。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位71点ゆうちゃみ
秋風の駅や立ち食い鴨南蛮あきかぜのえきやたちぐいかもなんばん
2凡人2位67点浅野ゆう子
CMのオファー来老舗の新蕎麦をしーえむのおふぁーくしにせのしんそばを
3凡人3位66点酒井美紀
望月や蕎麦と肴の箸休めもちづきやそばとさかなのはしやすめ
4凡人4位65点二階堂高嗣
(Kis-My-Ft2)
台本見ながら4人で新蕎麦だいほんみながらよにんでしんそば
5名人5段で現状維持皆藤愛子
七味の蓋差し直し初蕎麦待つしちみのふたさしなおしはつそばまつ
6永世名人32句目に掲載決定村上健志
(フルーツポンチ)
蕎麦猪口の藍に濃淡水の秋そばちょこのあいにのうたんみずのあき
7特別永世名人8句目のお見事!梅沢富美男
梁太き山家色濃き走り蕎麦はりふときやまがいろこきはしりそば
順位発表順:3位→2位→最下位→1位
→編集後記

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ71点 ゆうちゃみ
秋風の駅や 立ち食い鴨南蛮

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
秋になると風が少しずつ冷たくなり、駅のホームにあるお蕎麦屋さんを見つけた時、大好きな鴨南蛮を食べたいと思って恋しくなるという情景を書いた。

皆藤名人 この「秋風」のちょっと爽やかな感じと「鴨南蛮」の美味しそうな匂いもしてくるようで、凄くいいなと思います。
本人 やった~。

夏井先生 
これは「や」の使い方が上手だった。
これは「秋風や」で切って「秋風や駅の立ち食い鴨南蛮」にしても意味自体はそんなに変わらない。
ただ効果は全然違ってくる。
「秋風の駅」で風が吹いている場所、駅という大きさ・立方体が分かる。
それを「や」と詠嘆することで、この秋風の吹き渡っていくものが(「秋風や」より)映像として立ち上がってくる。
「や」でカットが切れて「立ち食い」で駅の中の光景にカットがポンと切り替わる。
そして「鴨南蛮」を手元に持っているアップに寄っていく。
このカメラワークが上手い。
しかも「立ち食い」で慌ただしい短い時間にということ。
それから、「秋風」という季語があるため、湯気の立っているそろそろ温かいものが食べたいという季節の気分、これを語ることで再度「秋風」という季語が主役として認識される。
もう立派なもん。直しは要らない。

本人 やった~!うわ~、嬉しい。めっちゃセンスあんじゃん、ウチ。特待生いけるかも。

●解説のポイント
「や」の使い方が上手い
「秋風や駅の~」でも意味は変わらない
効果は全く異なる
「秋風の駅」で場所・大きさが分かる
秋風の吹きあがる場所が映像として立ち上がる
駅の中の光景にカットが切り替わる
鴨南蛮を手元に持つアップに寄る
カメラワークが上手い
慌ただしい短い時間
「秋風」で湯気の立つものが食べたい季節の気分
季語が主役として認識される
立派なもん

添削なし



◆2位 凡人67点 浅野ゆう子
CMのオファー来 老舗の新蕎麦を

村上永世名人 あ~面白い。

【本人談】
ちょうど新蕎麦の季節に大きいCMのお仕事のお声をかけていただき、新蕎麦を頂きながら頑張るぞという気合を入れる気持ちを込めた句。

夏井先生 
これはとても惜しい句だった。
「老舗」という情報は、この一句の中での必要度が大変低い。
今あなたの話を一生懸命に聞いていたが、CMのオファー・お蕎麦の話は出てきたが老舗の方は出てこない。
そうなると、やはり最後の音数を合わせる方法として出てきたのかもしれないと。
そこは話を聞きながら納得した。
そうなると「老舗」をやめれば、季語「新蕎麦」のことを少し表現出来る。
「来」を消して「新蕎麦」の後に「かぐわしき」という言葉も良い。
新蕎麦の匂いや香りがいかにも新蕎麦だとなる。
こうなると「し」の音も思わぬところで響いてくる。
こうやったら今日はこれが(1位だった)ということに。

●解説のポイント
とても惜しい句
「老舗」は一句の中での必要度が低い
話を聞くと最後の音数合わせに用いられた
「老舗」をやめて季語を表現
匂いや香りがいかにも新蕎麦
「し」の音も響いてくる
これなら今日は1位だった

添削後
CMのオファー 新蕎麦



◆3位 凡人66点 酒井美紀
望月や 蕎麦と肴の 箸休め

【本人談】
お酒を呑みながらつまんだり、お蕎麦を食べている時にふと見上げたら凄く美しい満月があった。それでお箸も止まってしまい、箸休めのように美しい月を見たという気持ちで書いた。

梅沢永世名人 これ今のお話を聞くと「望月」というのが季語が主役じゃないんですよ。
本人 主役じゃない?
梅沢永世名人 主役に立たないんですよ。
本人 う~ん。
梅沢永世名人 ですから66点頂いてるんだけど、3位だと思う。
本人 あ、そうなんですね。

夏井先生 
パッと見た時、上五の季語と12音でフレーズで構成する基本の型を勉強しているように見える。
何を迷うか。"蕎麦の箸休めとして何かの肴がある"とも読める。
本人 あ~。
夏井先生 もう一つ、あなたの目指している"蕎麦と肴の箸休めに何か別の物がある"と。
そういうことも想像できなくはないが、「望月や」と詠嘆しているため主役の季語としてあると思う。
しかし、今のお話を聞くと全然季語が主役になってないと。
別の季語を主役に立てて作り直していくのがいいと思った。
「肴」と「箸休め」のどちらを残したいか。
本人 「箸休め」を残したいです。
夏井先生 オッケー。
「肴」はかぶるということでやめておく。
そうなると「新蕎麦」という季語に変えて、「新蕎麦」から始める。
「新蕎麦や」とこちらで詠嘆する。
申し訳ないが「望」「や」は遠慮してもらう。
今、月が出てきたなら「出(い)でくる月」とする。「出でくる月が箸休め」と。
梅沢永世名人 あ~いい。
本人 はい。
夏井先生 あなたの言いたいことに言葉がぐっと寄ってくる。
本人 寄りました。
夏井先生 こういうことなんです。

本人 なるほど~、はい。

●解説のポイント
季語+12音の基本型
蕎麦の箸休めとして何かの肴がある?
蕎麦と肴の箸休めに何か別の物?
「望月や」の詠嘆で主役の季語の意図?
季語が主役に立ってない
「肴」「箸休め」のどちらを残すか
「新蕎麦」という季語に変える
「月」を脇の季語として本人の意図に寄せる

添削後
蕎麦や  箸休め



◆4位 凡人65点 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)
台本見ながら 4人で 新蕎麦

【本人談】
舞祭組[ぶさいく]の4人でドラマを撮っていた時期があった。その撮影場所の隣がお蕎麦屋さんだった。4人で実際にお蕎麦屋さんで台本を読みながらお蕎麦を食べていたというのをストレートに詠んだ。

梅沢永世名人 この俳句を詠むんだったら五七五で詠んでくれないと~。
本人 あ~。
梅沢永世名人 16(音)ですよ。中途半端ですよ~。俳句は基本を守らないと。
本人 ムカつくわ~(笑)。
梅沢永世名人 17音で詠んだつもりでいるんだろうけども。
本人 ムカつくわ。
梅沢永世名人 気をつけなさい。
本人 はい。

夏井先生 
素材はとても面白いと思う。
「台本」という言葉だけで演劇・映画・ドラマに関わっている人物が想像できる。
「4人」という数詞も具体的。
一つ、これは何回も出てきたと思うが…。
浜田 アハハッ「4」。
夏井先生 漢数字で書いて。
浜田 これ何回も言うてるけどね。
夏井先生 もう何回も言ってる。
本当、何回も言ってる。
本人 そうか(笑)。
夏井先生 覚えてくれと思う。
ここから「台本"を"見つつ」で上五が整う。
「四人で」の後にわざと「食う」で一呼吸させれば「新蕎麦」が少し主役として傾き始める。
「見ながら」食べているから季語が主役として弱くなる。
「台本を」「置いて」ぐらいにする。
台本を今まで見ていたが、新蕎麦が来たぞ。
さあまずはこれを食べようという感じになる。
こうすると2~3点は上がるという話になる。

浜田 でもまあまあ、だいぶだから良くなった。点数も高くなってるし。
本人 点数も高いですしね。俄然やる気出ますね(笑)。

●解説のポイント
(梅沢「575で詠め。16音は中途半端」)
素材はとても面白い
「台本」で演劇・映画・ドラマに関わる
「4人」も具体的だが漢数字で
「台本を見つつ」で整える
「食う」で一呼吸させて季語を主役に傾ける
「見ながら」だと季語が弱くなる
「置いて」ぐらいにする
注文した新蕎麦を台本を置いて食う
2~3点は上がる

添削後
台本 見人で 新蕎麦』
『台本 人で 新蕎麦




★特待生昇格試験★

→<名人5段>・皆藤愛子は2週間前に昇格を決めたばかり。名人以降現状維持は1度のみと好調である。
皆藤名人 お蕎麦屋さんよく行くので、かなり自信があります。
浜田 分かりました。

◆『七味の蓋 差し直し 初蕎麦待つ 皆藤愛子

【本人談】
お蕎麦を注文して待っている間に目の前にある七味(唐辛子の瓶)の蓋をいじったりしながらワクワクと待っている様子。

梅沢永世名人 いいと思いますけどね。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 いいと思いますけども…どうなんですかね(笑)。
村上永世名人 それを聞いてるんですよ。
本人 え~!
村上永世名人 そこを聞いてるんです。
浜田 QをQで返されても(笑)。

★評価ポイント
「七味」から始まり「待つ」で終わる語順の是非

梅沢永世名人 語順だよやっぱり。引っかかってたんだ。
本人 あ~!

■査定結果
名人5段で現状維持

理由:もったいない

本人 あ~。
梅沢永世名人 そうなんだよ。
(査定評後)
本人 え~。
梅沢永世名人 語順ですよ。

夏井先生 
とても勿体ない。
目の付け所がとても良い。
これを活かすために、どういう状況かを先に出した方が動作の意味がスッと入る。
「七味の蓋」から入るから、なぜそんな蓋を差したりしているのかと。
「初蕎麦」も敢えて選んだとは思ったが、消しはしないが「新蕎麦」でも構わないという感じはする。
「新蕎麦待つ/七味の蓋を差し直し」という風にくる。
本人 あ~!
梅沢永世名人 そうだよね。
夏井先生 おっちゃんが何か納得できないと感じていた理由。
この内容は五七五の調べにグッと近づけた方が味わいが発揮できるタイプの句。
これは本当に勿体なかった。

浜田 梅沢さんは今語順のことも分かってはったんですか?
梅沢永世名人 なんか引っかかってたんですよ。だから調べがあんまり良くないので、引っかかってたんです。
浜田 あ~なるほど。
梅沢永世名人 先生褒めて。
夏井先生 偉かった。偉かった、はい。
梅沢永世名人 「はい」。なんでもっと情のある言い方がないんだい!(笑)
夏井先生 偉かったよ。
浜田 分かりました。

●解説のポイント
目の付け所がとても良い
状況を先に出した方が良い
語順を変えた方が動作の意味がスッと入る
「新蕎麦」でも構わないという印象
おっちゃんが納得できない理由
この内容は五七五の方が味わいが発揮できる
本当に勿体なかった

添削後
蕎麦待つ 七味の蓋 差し直し



★永世名人 村上のお手本★

→<永世名人>・村上健志(フルーツポンチ)は3連続で掲載決定中で、句集完成まで19句。
浜田 今日はどうでしょう。
村上永世名人 いやもう、今日もこの地球[ほし]の魅力をたっぷーり詰め込んで…。
浜田 「たっぷーり」、アハハッ。「たっぷーり」ってなんや。
村上永世名人 どうやら調子悪いです(笑)。

◆『蕎麦猪口の 藍に濃淡 水の秋 村上健志(フルーツポンチ)

二階堂 綺麗。

【本人談】
蕎麦猪口[そばちょこ]には色んな柄のものがある。よく藍色に染められた猪口があり、その藍色が一色ではなく濃淡がある。それに気づいているということと、この秋の澄んだ水を表す「秋の水」という季語があるが、「水の秋」とすると更にこの秋の季節のほうをよりクローズアップした季語となる。

■査定結果
永世名人32句目に掲載決定

理由:

本人 やった~!
二階堂 凄い。
本人 きてる、調子良いぞ。
ゆうちゃみ 凄い。

夏井先生 
まず、蕎麦猪口。蕎麦つゆを入れる容器のアップから始まる。
そのアップをさらに「藍」の色のアップの方にグッと寄る。
単に蕎麦猪口の藍色が美しいとか、そういう言い方では普通に終わる。
更にその藍色に「濃淡」があると丁寧に書いて、蕎麦猪口の藍色にぐっと寄せて見せている。
ここでカットが切り替わって大きな光景がスッと広がる。
「水の秋」は「秋の水」の傍題となり、どっちにするかがこの句の成否を分ける選択になる。
仮に「秋の水」だと水の方に軸足が少し重心がかかり、水の表情が藍色・濃淡と少し近くなってしまう。
本人 そうです。
夏井先生 ちょっと近くなるのが決して悪いわけではないが、この句の言いたいことは敢えて「蕎麦猪口」があるため、こことも寄り添わせる必要がある。
そうすると「水の秋」と秋という季節に軸足が傾くと、秋の水の美しさを言いつつ新蕎麦の季節の味わいも一緒に補強していくと。
これを選んだのはそういう配慮があってなのです。
本人 (自己陶酔したポーズ)
夏井先生 さすがですね、これは"健志さん"(笑)。

本人 ありがとうございます、いつきさん。
浜田 さあ、掲載決定ということですからお見事でございました~。

●解説のポイント
蕎麦つゆを入れる容器のアップから始まる
「藍」の色のアップに寄る
「美しい」とかだと普通に終わる
「濃淡」と丁寧に書いて寄せている
最後に季語で大きな光景が広がる
「秋の水」の傍題とどっちにするかが成否を分ける
「秋の水」だと水に軸足がかかる
藍色・濃淡と少し近くなってしまう
蕎麦猪口とも寄り添わせる必要がある
「水の秋」と秋の季節に軸足が傾く
秋の水の美しさと新蕎麦の季節の味わいを補強
さすがですねこれは「健志さん」

添削なし



★特別永世名人 梅沢富美男の締めの一句★

→<特別永世名人>・梅沢富美男は3連続でガッカリ査定となっている。
浜田 特別永世名人なるとちょっと気抜いているという部分は…。
梅沢永世名人 いや、気抜いてるというかそういうことはないですけど。
村上永世名人 5回連続シュレッダーなったら降格あるんじゃない(笑)。
***
梅沢永世名人 今日は美しく締めますよ。そりゃそうです、みんなのお手本になるように…。
浜田 今日は基本点数が高いんで、みんな。お手本になるような締めの句が欲しいんですよ。
ゆうちゃみ 見せてほしい。
梅沢永世名人 ……頑張ります。
浜田 アハハ。
ゆうちゃみ 頑張って。

◆『梁太き山家 色濃き走り蕎麦 梅沢富美男

村上永世名人 なるほど。

【本人談】
山小屋風に作ってある田舎のお蕎麦屋さんがある。非常に柱が太く、天井を見ても中を見ても。少し色が濃いお蕎麦で、江戸前蕎麦みたいなもの。白い蕎麦も美しいが、色の濃い蕎麦もオツなもの。いい味をしていることを詠ませて頂いた。

皆藤名人 色の濃い蕎麦と梁の太さで、なんか凄い美味しそうだなという感じがします。

■査定結果
特別永世名人8句目のお見事!

理由:普通だけどお見事

本人 よっしゃ!
二階堂 すげえ。
皆藤名人 凄い。
(査定評後)
浜田 「普通だけどお見事」。
本人 普通だけどお見事?
浜田 普通だけどね、お見事。
二階堂 普通なんだ。
浜田 まあまあ普通だけどお見事。もうすんごい普通だけどお見事。
本人 いやいや、三回聞きました(笑)。何が普通なの?

夏井先生 
こういう光景を書いた句がないとはいわない。
自分が書きたい光景が、言葉の過不足がなく光景が書けている。
技術がしっかりしているところを「お見事」として褒めている。
まず「梁太き」から出てくると誰でも見上げる視線を共有する。
意味は「山家」で切れる。
山の中にある家という意味。
その家は古くて大きい家に違いないと思う。
ここでカットが切り替わって、「色濃き」にいく。
この段階では何の色か分からないが、最後に「走り蕎麦」が出てくる。
その途端、色の黒い田舎蕎麦を誰もが思い出す。
「走り」を選んだのは音数の問題ではなく、「走り」という言葉に"先取りをする食べ物の粋のようなものや勢いのようなもの"を表現する意図がある。
そこら辺も計算して、自分の思い通りのところに読者を誘導・引っ張っていく。
この技術はおっちゃん、全部身に着けていると思う。
普通にお見事。

浜田 はい、お見事でございました。
清水アナ おめでとうございます。

●解説のポイント
こういう光景を書いた句がないわけではない
言葉の過不足がなく光景が書けている
技術がしっかりしているのがお見事
「梁太き」で見上げる視線
山の中にある家は古くて大きい家のはず
句またがりでカットが切れる
後半で色の黒い田舎蕎麦を誰もが思う
「走り」は音数の問題ではない
先取りをする食べ物の粋や勢い
そこも計算して自分の思い通りに読者を誘導
技術は全部身に着けている
普通にお見事

添削なし


★9/28はアジア大会・中国杭州のため休止。次回10/5は金秋戦の予選。兼題は「母の背中」です。



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コメント

プロキオン様

返信ありがとうございます。

決勝のシード権の件は了解です。
なら勝ち上がりで進出した藤本永世名人や皆藤名人を頭書きして欲しいところですが…

ところで、永世名人の予選参加を検討するという話がありましたが、
「永世名人ら6名の決勝進出が確定」ということは結局その話は流れたということなんでしょう

つづき

皆藤名人
語順が悪い。後ろに蕎麦を持ってきてしまうと、蓋を差し直す行為の後出て来る料理が、七味に合うものなら何でも良くなる(こういうミスを何度か私もやった)。
あと、美味いものは極力575に乗せて詠んだ方が良いと思う。

村上永世名人
蕎麦猪口の藍に濃淡、でまずやられた。そうだ、確かにそうだ、と。
ここに「水」と、蕎麦とちょっと近そうな単語が来て、蕎麦の美味そうな瑞々しさが出て、「秋」が全体をくるむ。
このような、手に届く範囲の句材から季節感を得られ、村上ワールドが繰り広げられる句集なら、私は買う。
(ジュニア永世名人の句の方が全体的に好きであるが)

御大
すごいなぁ、と思うのは蕎麦の色が色濃きとあるせいで、山家の梁も壁も年を経て色が濃いだろうと思わせるところと、ここに(古い家屋とか歴史がそこにある、だからこそ「走り」を大事にしているだろう)と思わせるところ。
番組そのものは見てないけど、これのどこが普通なのかと思うし、もしかすると、大賛辞な句なのかもしれない。

録画したものは明日以降見れるはずで、追記があれば書きます。

二階堂さんの句

 梅沢さんは、今回も「575で詠め」と申されました。
しかしながら、今、二階堂さんは「5音の季語+12音のフレーズ」以外の型に取り組むように、と夏井先生から宿題が出ています。「句またがり」の句です。
 今回の句も、二階堂さんとしては、句またがりになるよう工夫したのではないか、というのが見て取れます。
 
 原 句:台本見ながら 4人で 新蕎麦
 添削句:台本を 見つつ四人で 食う新蕎麦
     台本を 置いて四人で 食う新蕎麦

 でも、夏井先生は、この句なら575に整えた方がよい、と判断したのでしょう。(二階堂さんの句と分からず採点してますから)
 一方で、夏井先生は「俳句の型」は、「内容で決まる」とも話しています。

 二階堂さんは、「句またがり」を習得するよう宿題を出された後は、題材は良いが作句で失敗している、というのが続いています。
 本人も以前言っておられましたが、「句またがり」の型を習得するより、「5音+12音」を磨いていった方がいいのではないか、そんな風に感じます。

昨日のプレバト

ゆうちゃみが2度目の才能アリを獲得し、村上さんが4回連続の掲載決定を果たし、おっちゃん(梅沢さん)が約1ヶ月ぶり8句目の「お見事!」を達成するといい、素晴らしい内容でしたね。(9/28はアジア大会のため放送なし)

1位 ゆうちゃみ
ふるさと俳句といい、俳句のカメラワークを理解しているお方という印象。「立ち食い鴨南蛮」が非常に旨そうに思える。特待生もあと少しというところか。

2位 浅野
「来」が字余りにもなるし余計な説明をしてしまったほか、「蕎麦」と「老舗」の言葉の近さもあり才能アリをほかしてしまった勿体ない句。芸能生活以外の句にも期待したい。

3位
「や」で切れるため、「箸休め」というのが蕎麦と肴の付け合わせという風に読めてしまう。そして月が箸休めというのはちょっと季語に失礼。添削ではそれを利用して上手く季重なりをまとめていた。

最下位 三十七階堂
字足らずはやるわ算用数字使うわ散文臭いわ…あんたはこれまで何を学んで来たんだと突っ込まずにいられない。

(昇格試験)
皆藤愛子
六五六という非常に難しい型は今回は合わず。先に「新蕎麦」を出して「蕎麦屋にいるのか」と読み手に想像させるべきであった。

フルポン
流石は半径1mの俳人。器の色の濃淡(しかも藍だから不規則な色調とわかる)に視点を向けるだけでなく「水の秋」と綺麗な水の季語と合わせることで蕎麦猪口と蕎麦猪口に注がれる汁がより綺麗に見えてくる。今週は句跨がりや破調の多いなか、ビシッと五七五で決めてくれた。

梅沢富美男
対句を用いるのは梅沢としては珍しい。(ハシビロコウの句とか)
「簗太き」と「老舗」と説明せずともわかる店の出で立ちと走り蕎麦。「普通」によく出来ていた句だった。季語と自然の美しさをありありと書く「普通」に感じる句こそ梅沢の真骨頂といえるだろう。
「色濃き」が必要か?とも思ったが、走り蕎麦を知らない読者への配慮と思えばいいか。

こちらのブログを見てから番組を見ることとします

子どもが試験期間間近+リビングで勉強する派なので、プレバトとはいえTVを見るのが憚られます。そこで、録画したものは後日見るとして、久々に、こちらのブログから句だけ見てコメントして、録画を見て追記があれば加筆するという体裁をとらせていただきます(この方が本気の鑑賞ができるとも思っています)

4位
一読して、破調を通り越してこれは俳句なのかと。
例えば、「(あの地震があったとき)台本見ながら4人で新蕎麦(食っていたんだ)」というように、会話文の一部を切り抜きしたようにも見える。
ただ、句だけ読んだ時に、新蕎麦=どこか青臭い風味が残るものと思うと、若手俳優たちが台本を確認しつつ新蕎麦を食べる光景が浮かぶ。ここは良いと思った。
添削句、「食う」を敢えて使って字余りとしているが、自分ならば「新蕎麦を」と助詞を使って下五を五音にまとめたと思う。

3位
この句は、惜しい。
句で使われた季語、「望月」が、単に陰暦8月15日の月、「名月」の異称であり同義のものかと言えば違う。沈みゆく夕日と満月とが向かい合い、相望むゆえに「望月」。
その光景が美しいのだから、思わず詠嘆をしたくなるのも分かる。でも、この句では、「や」の詠嘆だけで済まない力のせいで光景がとっ散らかってしまった。いわゆる、「切れ」だ。
もし、「なんと美しい望月だろう。(その光景が)蕎麦と肴の箸休めとなる」と読ませたいなら、「望月『が』」とすべきだったろう。
「や」で切ることで、「望月が大変美しいではないか。(そんな望月の美しさのせいで)蕎麦と肴の箸休めとしてもう一品提供された」(漫画、美味しんぼの一コマを思い出すような感じ)になってしまった感がある。
惜しかったと思う。

2位
自分は「来」のせいで台無しになったと思った句。
解釈の時点で「CMのオファー(が)来(たので)老舗の新蕎麦を(食べました)」という、作文レベルのものとなる。「来」のせいで、句の前半と後半の因果関係が結ばれている。
添削句は、オファーに対しての「新蕎麦」というプラスの季語選びであり、「かぐわしき」で、心情も描けている。どこか夏井先生らしい添削だと思いつつ、やはりすごいなと。

1位
この句、結構すごい。句跨りで詠嘆し、かつ、その後は名詞を置いているだけ。
まず前半。季語+単語(秋風の駅)+「や」。例えば「秋風や」で切り、「○○駅の鴨南蛮」とすると、秋風の吹くころであるよ、〇〇駅の鴨南蛮(を食べたくなってくるころだ)くらいになる。「秋風の駅や」とすることで、やはり、秋風の中建っている駅そのものに感動を覚えた、となる。

この「や」、詠嘆であり切れの効果。そして、後半に鴨南蛮とだけおかれ、読み手は自由を得る。

別にこの駅の鴨南蛮でなく、別な場所で鴨南蛮を食ってもいい。
鴨南蛮を食うたびにこの駅のことを思い出すとか。
秋風に包まれる某駅を見ると、鴨南蛮を食いたくなるとか。
某駅が秋風が包まれたころに、自分は上京してきて、ここで鴨南蛮を食べたとか。
二物衝撃とか取り合わせといったものが成功している句だと感じられた。

特待生以上の方の句へのコメントは後日書きたいと思います。

9/21拙評

一般査定

1位
駅→立ち食い→鴨南蛮、という素直に大→小と流れていくカメラワークがよろしい。「や」の使い方によって3カットにする(「駅の立ち食い」とひとかたまりにしない、「秋風」を孤立させぼんやりさせない)判断により秋風が吹き渡る光景が明快に。細やかな気遣いがかっちり決まった佳作。

2位
「老舗の新蕎麦」だと新蕎麦がうれしいのか、奮発して老舗のお高めのを食べたのがうれしいのか、と季語に関わる読みのブレが出てきてしまうのが惜しいところか。「オファー」(依頼)は来るか出すか受けるか、なので、立場や感情を示せれば動詞は不要、というのも含め納得の添削。

3位
堂々たる季語である望月を箸休めレベルに押し込んでしまうと、俳句としてはちょっと歪なものに。ストーリー的にも蕎麦の側が主役になるのだから、それを季語に据えてしまえばよいわけで。

4位
こちらも、台本読みの片手間に食ってしまうとせっかくの新蕎麦がもったいない。37回目にして「数字は漢字」「季語は主役」などという基本中の基本を改めて示されては、まだまだ時間がかかりそうな予感。 

凡と才能アリを分けたのは明確に「季語の立ち位置」でありました。

上位査定

皆藤さん
やや読者への寄り添いが足りない句に。「七味」だけだと映像・場面が確定しないため、「蓋差し直し」の意味もぼんやりしたまま句の大半が流れていく。皆藤さんがたまに陥る「同じ場面が読者に見えにくい句」のパターン。良い題材だからこそ、正確に「見せる」一手間を惜しまない姿勢が求められている段階なのでは。

健志さん
半径10センチの詩人、真骨頂ではないか。ただただ蕎麦猪口を観察し、そこに(そして、横にあるであろう蕎麦に)秋を写しとる。季語の解釈、押さえの細かい気遣いも見事。

御大
余計なことを考えず、着実堅実に作られた一句。「普通」はこの場合「見本として皆に勧められる、手本として皆に見てほしい」という賞賛と考えるべきであろう。(テレビ的なところで弄っていたところはあるが、そんなに引っかからんでも、と)

Re: タイトルなし

双葉さま

コメントありがとうございます。
「永世名人"ら"6名の決勝進出」の内訳のうち、シード権を獲得している1人に春光戦2位の皆藤さんが含まれます。
優勝の藤本名人のほか、梅沢・村上・ジュニア・横尾名人が出場するものと思われます。

次回の予告に「永世名人ら6人の決勝進出が確定している」とありますが、
ついに東国原永世名人が復活するんでしょうか?

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プロキオン

Author:プロキオン
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