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【炎帝戦15傑】20230803 プレバト!!俳句紹介【行きつけの店】

2023年8月3日放送 プレバト!! 俳句炎帝戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし精鋭のみが参加を許される俳句タイトル戦。
夏の季節に行われる第7回炎帝戦で名人・特待生ら参加者の面々が詠んだ俳句を紹介します。
※12日に全て更新しました。大変お待たせ致しました。

→トーク集 →俳句詳細 →編集後記

※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。
◆炎帝戦2023のルール◆
①参加資格は過去に1度でも才能アリを獲得した人物(才能アリ経験者・254名該当)
→エントリーしたのは計??名(未発表)
②俳句の募集は春光戦放送(3/30)から2か月間優秀句上位15名がスタジオ収録
兼題:行きつけのお店

行きつけのお店3
※番組内で俳句が詠まれ、先生の解説を受けるのは上位10名のみ。
※俳句ポスト365のように投句して上位10句によるタイトル戦です。



◆本戦出場者の結果
1位梅沢富美男特別永世名人水貝のさくりと清くまず一献みずがいのさくりときよくまずいっこん
2位中田喜子名人8段呼び鈴のはんなり抜けて湯びき鱧よびりんのはんなりぬけてゆびきはも
3位かたせ梨乃通常挑戦者鱧の皮あの娘再婚したらしいはものかわあのこさいこんしたらしい
4位横尾渉(Kis-My-Ft2)名人10段★4古都眩し夜は酒場の氷店ことまぶしよるはさかばのこおりみせ
5位伊集院光通常挑戦者土用鰻大将すまん小ジョッキどよううなぎたいしょうすまんしょうじょっき
6位藤本敏史(FUJIWARA)永世名人土地区画整理末伏のタッカンマリとちくかくせいりまっぷくのたっかんまり
7位村上健志(フルーツポンチ)永世名人じゃあそれとガツ刺し夕涼の酒場じゃあそれとがつさしゆうすずのさかば
8位千原ジュニア永世名人焼酎やけふは店主に辞儀深うしょうちゅうやきょうはてんしゅにじぎふこう
9位立川志らく名人7段西日溜める店影だけが呑んでるにしびためるみせかげだけがのんでる
10位春風亭昇吉4級キープボトル墓碑銘となる夏のBARきーぷぼとるぼひめいとなるなつのば―
11位以下は番組内で俳句未発表(※番組終了後1週間TVerで公開済) ※俳句は現在白文字としています
11位森口瑤子名人6段命日を集う紫陽花のレストランめいにちをつどうあじさいのれすとらん
12位千賀健永(Kis-My-Ft2)名人9段鰻待つ今日は台本家に置きうなぎまつきょうはだいほんいえにおき
13位森迫永依3級風青しカンロ杓子の三拍子かぜあおしかんろしゃくしのさんびょうし
14位星野真里通常挑戦者混濁のスープ青山椒の蒼こんだくのすーぷあおざんしょうのあお
15位嶋佐和也(ニューヨーク)通常挑戦者夏惜しむキープボトルを一人呑むなつおしむきーぷぼとるをひとりのむ
順位発表順:3位→4位→5位→9位→2位→10位→6位→7位→8位→1位→(11位~15位)







●それでは順位別にみていきます

1位◆『水貝の さくりと清く まず一献 梅沢富美男
※「水貝」は生のアワビと野菜を水に浮かべる涼し気な料亭メニューで夏の季語。

【本人談】
夏になるとアワビが水の中に浮かんでる料理が出てくる。それを食べながら一杯飲むと「あぁいい仕事してきたな」と自分にご褒美をくれるような。夏のアワビなので、口の中に入れるとサクッとするようなそんな感じがした。

浜田 梅沢さんがずっとこういう句だと言ってるのに、(吉本の)6・7・8位が全く聞いてないんです。ずっと喋ってました。
藤本永世名人 いやいや、行きつけ感あります?
本人 なんか文句あるんだったら…。
藤本永世名人 だから、行きつけ感がない(笑)。
千原永世名人 行きつけ感がね。
本人 読む人が「まず一献」。これでもう「あぁそこに行ってるんだな」って。
藤本永世名人 「まず」なんて別にね。行きつけじゃない店でも言いますからね。
本人 まぁまぁまぁ。
藤本永世名人 これは…順位下げましょか(笑)。行きつけ感がないので。

夏井先生 
季語をとても気持ちよく描くことが出来ていると思う。
さらに、一番良いのはこの「清く」だった。
「さくりと清く」で水貝だけでなく、お店の清潔感・上品さが全て「清く」という言葉に入ってくる。
これ「清し」で切ってしまうと水貝のことだけで終わってしまうが、「清く」で続いていく。
最後の「まず一献」。
この時期のこの店のこの水貝を毎年必ず食べにくると。
小手先の行きつけ感ではなく、季語を活かしてそのお店の雰囲気・味を表現する。
これが1位・2位の技だったと思う。

浜田 6・7・8位聞いてるか!
藤本永世名人 いや…。
本人 先生!6・7・8位は店感がないとか、バカなこと言ってるんですよ、怒ってやって下さい!
夏井先生 …はい。
一同 (笑)。
千原永世名人 「はい」。
藤本永世名人 「はい」。
浜田 さあ、というわけで。
清水アナ 2023年炎帝戦を制した梅沢富美男さんには賞金30万円とトロフィーが贈呈されます。
浜田 はーい。
藤本永世名人 良かったね。
浜田 2023年炎帝戦優勝は梅沢富美男さんでございました!
本人 (満面の笑みで)やったよ~!

●解説のポイント
季語を気持ちよく描いた
一番良いのは「清く」
水貝・店の清潔感・上品さ
「清し」だと水貝だけで終わるが続く型
「まず一献」で毎年必ず食べにくる
小手先ではなく季語を活かして店の雰囲気・味を表現
これが1位・2位の技だった

添削なし



2位◆『呼び鈴の はんなり抜けて 湯びき鱧 中田喜子

【本人談】
京都で懐石料理をいつもの店で食べている。呼び鈴を鳴らすと優しい音が帳場に届いて、湯引き鱧が運ばれてくる。

千原永世名人 「はんなり抜けて」ってだいぶ勇気要りますね。
梅沢永世名人 うん、ホントだね。
千原永世名人 素晴らしいと思います。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 いや、「はんなり」なんていう言葉をこの中に入れたってことはこれは相当勇気がいるし、これが成功して…。
浜田 それ、さっき聞きましたよ(笑)。
梅沢永世名人 …分かってます。その後をちょっと言いたかった。
浜田 ああどうぞ。
梅沢永世名人 「はんなり抜けて」という言葉が非常にはまっているから、京都に行ったことない人でも「あ、そうなのか」って感じがするという。
浜田 よう分からん(笑)。
嶋佐 厳しい。
梅沢永世名人 はんなりは…。
浜田 せんせーい。

夏井先生 
この季語を活かして美味しそうにちゃんと描くことで、その店への思いを表現したタイプの句。
「呼び鈴」に対して「はんなり」という言葉の力で京都かもしれないと連想する。
奥行きのある京都の素敵な料理屋ではないか。
特に「抜けて」という言葉によって空間が出来ると「呼び鈴」が何とも涼しげに響いてくる。
ここら辺が見えないように技が使えている。
全部読み終わったとき、夏になると必ずこの人はこの店に来て、このお座敷でこの鱧を楽しむに違いないと。
露骨なお馴染み感の出し方ではなく、言葉の外に滲ませる。
これが上手い粋な一句。直しはいらない。

本人 はっはっはっ。
浜田 おめでとうございます。

●解説のポイント
季語を美味しそうに描く
その店への思いを表現した
「はんなり」が京都の料理屋を連想する
「抜けて」で空間が出来る
「呼び鈴」が涼しげに響く
見えないような技が使えている
夏に必ず店に来てお座敷で鱧を楽しむ
露骨なお馴染み感の出し方ではない
言葉の外に滲ませるのが上手い
粋な一句

添削なし



3位◆『鱧の皮 あの娘再婚 したらしい かたせ梨乃
梅沢永世名人 なるほどね。

【本人談】
私は東京の人間なので、鱧(はも)は関西で覚えた。行きつけの店で夏は鱧。そこでお目にかかった時、「あれ?今年来てないね、彼女」「いや、再婚したらしいよ」「え、私1回もしてない。2度目!?」とか。そういう色々…(笑)。

梅沢永世名人 そういう会話が出てるってのがありありと浮かんできますね。素晴らしい俳句だな、これは。
本人 ありがとうございます。
千原永世名人 「あの娘再婚したらしい」が非常にスッと入ってきますし、この「鱧の皮」って年に一回という季語がめちゃくちゃ立ってて、素晴らしいですね。

夏井先生 
この句の特徴は、お客さんの台詞を入れることで行きつけの店感を出そうという狙いがある。
上品な店で味わう高価な鱧もあれば、酢の物にして庶民の味方みたいなのが鱧の皮。
季語がしっかりこの句の場合は効いていた。
ちょっと下世話な話をしているところに鱧の皮が出てくる。
また、結婚ではなく「再婚」というのが皮っぽい感じがして丁度良い具合だった(笑)。
こんなの作るのはどなたかと思ったら、あなたでしたか。素晴らしい。

本人 ありがとうございます。
夏井先生 直しは要らない。
浜田 お見事でございました。
本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
後半の客の台詞で行きつけの店感を出す狙い
上品な店で味わう高価な鱧
酢の物にして庶民の味方
季語がしっかり効いていた
下世話な話をしている
「再婚」が皮っぽくて丁度良い
あなたでしたか

添削なし



4位◆『古都眩し 夜は酒場の 氷店 横尾渉(Kis-My-Ft2)

【本人談】
夜はBARだが、この時期になると昼はかき氷屋になって客層が変わる。色んな人が来て子どもも来る。子どもから見ると店内はBARでお酒の瓶とかがあって「実際どういうお店なの?」と考えを馳せるような句にした。

千賀名人 「氷店」っていうのを季語にするのはよくあるんですけど、夜は酒場で昼が氷店っていう風に書くのは珍しいし、めちゃくちゃいいと思いました。さすがメンバー。

夏井先生 
ここに「眩し」をポンと置いたのも上手かった。
日中の強い日差しを思っていきなり「夜」になるため「あら?」っと思った瞬間に、「夜の酒場の」と繋いでいく。
助詞の「は」によって、自分は色んな事を知っている。
昼の様子も夜の様子を知っているという行きつけ感を「は」で出そうとしている感じ。
少し勿体ないと思ったのは、「古都眩し」からこの展開になると、ひょっとしたら行きつけというより観光パンフレットの情報として…。
梅沢永世名人 なるほど。
夏井先生 「このお店そうなんだって」という読み方も出来はする。
そういうところで、順位をつけないといけないからさ(笑)。
しょうがないなという感じで、作品としては良いと思う。直しはなし。

浜田 お見事。
本人 ありがとうございます。
伊集院 やべえ。
千賀名人 レベル高いなあ。

●解説のポイント
「眩し」を置いたのが上手い
強い日差しを思う
中七「は」が昼夜の様子を知る行きつけ感
観光パンフレットの情報の読み方にも
順位をつける上での問題点に
作品としては良く直す必要はない

添削なし



5位◆『土用鰻 大将すまん 小ジョッキ 伊集院光
※行きつけの店は東京・江東区木場「うなよし」で、名物・うなぎのひれ焼きは三遊亭円楽さんの大好物。

【本人談】
暑い最中、まして土用だと鰻屋さんが凄い混んでいる。次から次へとあの炭の前で(鰻を)焼かないといけない。「食べてるお前らはいいけど、焼いてるこっちは大変だよ」なんてのを聞かされてる。だけど暑いからビールいきたい。せめて小にするから勘弁してねという感じ。

志らく名人 店側からいったら大ジョッキ頼んでもらった方がよいと(笑)。
村上永世名人 それはいいじゃないですか。
藤本永世名人 そうなんすか。

夏井先生 
一年の中でお店が一番忙しい土用丑の日である。
朝から大将は一日中焼き続けているという姿が季語の力で見える。
「大将すまん」というだけで、なぜ「すまん」と言っているかが分かる。
ささやかな謎が「小」だった。
なぜ「小ジョッキ」を頼むのだろうかと。
最終的に、土用鰻の弁当を注文しておいて、焼けて支度が出来るまでの短い時間、「ちょっと汗かいたし大将、今飲む時じゃないけど小ジョッキ一杯」とそういう感じの場面かなと納得し、順位が少し上がった。
これも直さないでいい。

本人 ありがとうございます。
浜田 素晴らしい。
藤本永世名人 5位で?

●解説のポイント
一年で一番忙しい土用丑の日
大将は一日中焼く姿が季語の力で見える
なぜ「すまん」と言っているかが分かる
なぜ「小」なのかが小さな疑問
鰻の弁当を注文して待つ時の一杯を思う
納得して順位が少し上がった
直さないで良い

添削なし



6位◆『土地区画整理 末伏の タッカンマリ 藤本敏史(FUJIWARA)
※行きつけの店は東京・港区白金の韓国料理屋「はな」で、結婚前から離婚後まで10年通っている店(*現在、タッカンマリはメニューにない)。
※季語「末伏」は立秋後の真夏のような酷暑日。

【本人談】
日本の風習で土用の丑の日に鰻を食べるように、韓国にも三伏(初伏・中伏・末伏)に精がつくものを食べる風習がある。結婚前から離婚後も通っているこの「はな」という店が前の道路を拡張するため、区画整理で無くなると聞いた。移転するかもしれないが、なくなると聞いてショックを受けたことを句にした。

千原永世名人 これいいんですけどね、これどうせならそういう意味も込めて「末伏のタッピオカ」の方が(笑)。
本人 (立ち上がって)おい、ええ加減にせえよ!
千原永世名人 そっちのが分かるなって。
本人 お前だけやぞ、いまだにイジってるの(笑)。最後やお前、最後の人。

夏井先生 
「末伏のタッカンマリ」というリズムが楽しい。
この韻の楽しさは良い。
本人 なぜ6位?
夏井先生 「土地区画整理」をどっちに解釈するかという話になる。
梅沢永世名人 そう。
夏井先生 土地区画整理を受ける側なのか、こういうお仕事に携わる側なのか。
ここのエリアが少し広い。
例えば、意味は変わってしまうが「地上げの噂」と。
本人 あ~、そっか~。
夏井先生 間違いなく、困っている側にこの人の位置がある。
そういう風に読める。
これ小さなヒントとしてひとまず御収め下さい。

本人 そっか~。そっちですわ。
浜田 あ~そうですか。
本人 先生、でもあのね。今(先生が)全国で句会ライブやってはるんですよ。超満員ですよ、凄いんですよ、もう。大人気で、はい。
→媚びを売って順位を上げるため立ち上がって1位の席に行こうとする
浜田 おいおいおい!何を言うてんねん、お前。
伊集院 告知したからって。
本人 凄い人気あるなって。

●解説のポイント
中七・下五のリズムが楽しい
「土地区画整理」をどう解釈するか?
区画整理を受ける側?携わる側?
意味は変わるが違う言葉に
土地区画整理で無くなる店の意図に
小さなヒントとして納めて

添削後
地上げの 末伏の タッカンマリ



7位◆『じゃあそれと ガツ刺し 夕涼の酒場 村上健志(フルーツポンチ)

【本人談】
焼きトンが好きでよく行くお店がある。行くとお店の方が「今日どこどこ美味しい部位入ってるよ」と教えてくれる。「じゃあ、それとガツ刺し」と毎回好きなガツ刺しも一緒に頼んでいるという行きつけのお店の風景。

森迫 ガツ刺しを食べる時って、涼しいのかなって。ガツ刺しを食べることによって涼しくなるっていうのと、「夕涼」っていう単語が凄く合ってるなと思いました。
浜田 そうじゃないぞ!っという人?
梅沢永世名人 はい。
藤本永世名人 あら、いた。
浜田 違うぞって。
梅沢永世名人 はい、こんなことやってたらな、お前一生タイトルなんか獲れないぞ。
本人 いや、いいでしょ。
梅沢永世名人 「酒場」取ってしまってもいいだろ、「屋台」だっていいんじゃないのか?
本人 外で飲めるような酒場だってありますよ。普通に。
梅沢永世名人 いやあるけど、「酒場」と書いたら「夕涼」と繋がらないから。「屋台」の方がいいんじゃないのかって俺が言ってんだ!(笑)
本人 実際外の空気が入ってくるお店なんで。
梅沢永世名人 タイトルは獲れない。優勝は俺だ!(笑)
藤本永世名人 関係あらへんやん。

夏井先生 
客の台詞を入れて行きつけ感を出すというタイプの句。
ただ、私はおっちゃんに賛成する。
「酒場」は勿論外で飲めるところもあるが、屋内・室内のイメージがどちらかといえば強いと思う。
それなら「夕涼」という季語を活かすには「屋台」と素直にやるべきだと思う。
もう一つの方法は、仮に「中洲」などと地名を入れる方法もある。
梅沢永世名人 なるほどね。
夏井先生 そうすれば「屋台」と書かなくても、屋台・夕涼の中洲に違いないと広がってくる。
こういう風にやると作品の点が俄然上がって、この順位がボンとひっくり返っていた。

梅沢永世名人 先生コイツね、外でも飲める酒場があるとか、能書き言ったんですよ俺に!怒ってやってください。
夏井先生 …はい。
一同 (笑)。
藤本永世名人 「はい」。

●解説のポイント
客の台詞で行きつけ感を出す
「酒場」は屋内のイメージが多い
「夕涼」を活かすには「屋台」に
「中洲」と地名を入れる方法も
こうすると作品の点が上がり順位が変わる

添削後
じゃあそれと ガツ刺し 夕涼の
『じゃあそれと ガツ刺し 夕涼の




8位◆『焼酎や けふは店主に 辞儀深う 千原ジュニア
※行きつけのお店は大阪・日本橋の居酒屋「たこしげ」。大阪の芸人に愛されていて本人の一押しメニューはだし巻き卵。
※「焼酎」は夏の季語。その昔、夏の疲れをとる暑気払いとして飲まれていた。

【本人談】
我々の芸歴以下はみなお世話になっている居酒屋。そこに僕らが行きだしてみんな行くようになった。みんな若いから「あいつより俺の方が」とか、色んなことを言い合っている中にいつもは楽しく飲んでいるが、ここのマスターが「お前のことえらい言うてる若い奴らがおるぞ」と。「もっとお前絶対的な笑いでそんなこと言わすな!」みたいな𠮟咤激励をしてくれた日があった。ほんで「今日はありがとう」って言って(お辞儀して)帰った。それを詠んだつもりだった。

浜田 嶋佐どうですか?
本人 誰に聞いてんねん!(笑)めちゃめちゃやん。
藤本永世名人 1位かもしれんやん。
本人 (立ち上がって)誰に聞いて…。まだおったんか!(笑)
藤本永世名人 1位かもしれんやろ。1位ちゃう、もしかして。
伊集院 1位なんじゃない?
村上永世名人 凄い奴に見えてきた。
藤本永世名人 どうなの?
嶋佐 ちょっと「焼酎」っていうのがちょっと安直っていうか…(笑)。
藤本永世名人 なんでやねん。
本人 でも、本当にそうかも…かも分からん。

夏井先生 
助詞「は」を使って行きつけ感を出すタイプに分類される。
いつもはそうではないが、今日「は」お店の店主に何かの理由で深々と頭を下げてお礼を言って帰ると。
なぜお辞儀をするのかという読みの幅が広すぎるのが少し損をしたかもしれない。
隣の席の客に絡んで迷惑かけて謝っているのか、転勤するためこの店とお別れするのかもしれない。
ただ、読んだ時に作者にとって凄く心に残る一夜のことだったという手触りはする。
自分の人生の中の一句として、これはこれで書き留めて作品として置いてよいと思う。

本人 (立ち上がって深々とお辞儀して)ありがとうございます。
藤本永世名人 うわ、辞儀深ぁ~。
村上永世名人 辞儀深ぁ~(笑)。

●解説のポイント
助詞「は」で行きつけ感を出す
いつもはそうではない
何かの理由で店主にお礼を言う
お辞儀をする理由の読みの幅が広い
隣の席に絡んで迷惑かけたのか
転勤でお別れするのかもしれない
作者にとって心に残る一夜の手触り
人生の中の一句として書き留めてよい

添削なし



9位◆『西日溜める店 影だけが 呑んでる 立川志らく
※「西日」が夏の季語。

【本人談】
もう店はなくなってしまったが、盛岡の店。西日がとにかく暑く、気が付くと客がホントに(逆光で)影だけで飲んでいるみたいな。お客さんの姿も見えない印象があったので、それで詠んだ。

昇吉 破調できたなっていうので。
浜田 なるほど。
昇吉 ええ………。
一同 (笑)。
藤本永世名人 それだけ。
浜田 昇吉。お前、志らくさんいじってるやん。
昇吉 いや、だからこれより(自分が)上いってるのかって思って。凄い不安です。
浜田 あぁなるほどね。
森口名人 私も、これより上にいるのかな?って今一生懸命ちょっと…。
藤本永世名人 なんか意見言うてあげて。
浜田 この俳句に対して…。
伊集院 いや、もう僕は余裕で褒められるんで、この位置なんで(笑)。でも何かその、今は無いってエピソードを聞くとより良くなるというか、何かいいノスタルジックな感じがして、志らく"君"もそこそこやるなと(笑)。

夏井先生 
この句だけは志らくさんじゃないかと(作者が)分かったような気がする。
あとは全然わからない。
西日に関して、実は「溜める」という表現があるのかもしれないと不安なところが一つ。
さらに、もう少し行きつけ感を入れてほしい。
例えば「西日の店」ぐらいにし、「いつも」を入れるだけで今回の順位はポンポンと上に上がれたと思う。

浜田 なるほど。
本人 気がつかなかった。
浜田 まあでも志らくさんが9位。入ったからいいじゃないかという、こっち入ってないじゃないということになりますから。
藤本永世名人 うわ~、しんど~。

●解説のポイント
この句だけは作者が分かった
西日を「溜める」表現が類想で不安
もう少し行きつけ感を
「いつも」を入れれば順位はポンと上に

添削後
西日店 影だけが 呑んでる



10位◆『キープボトル 墓碑銘となる 夏のBAR 春風亭昇吉

【本人談】
居酒屋あるある。お馴染みの行きつけのおじさんが亡くなったが、店主もそのことを知らないで、「あの親父亡くなったらしいよ」と言ってキープボトルだけが残されていて、語りかけているような感じがするという句。

夏井先生 
この「キープボトル」と「BAR」の2つが本当に要るのかという話。
「キープ」なくても良いのではないか。
「墓碑銘」と「ボトル」で連動している。
季語から始める。
「夏」のではなく「墓碑銘」の気分を連動させるため、もう少し季語を明確にしたい。
夏の終わり「晩夏」で「晩夏なるBAR/墓碑銘となるボトル」と攻めていく。
「なる」で韻が踏める。
ここの季語をもう少し丁寧にやっていたら嬉しかった。

本人 何かまた…ぐちゃぐちゃ直されて、家で確認します(笑)。
浜田 でも志らくはんは唯一こっちに居るから。
志らく名人 だって、先生の講評聞けば9位と10位には相当な差がありますよね(笑)。
藤本永世名人 そ…そうですか?
伊集院 いや、志らく君が生き返ったなという(笑)。ずっとオドオドしてましたから、この辺の席を見ながら。

●解説のポイント
「キープボトル」「BAR」が重複
「ボトル」「墓碑銘」で連動
「墓碑銘」の気分を連動させたい
季語を「晩夏」と明確に
語順も逆とし「なる」で韻を踏む
季語をもう少し丁寧に

添削後
夏なるBAR 墓碑銘となるボトル



[11位以下はTVerで8/10放送前まで公開] ※現在は終了

11位◆『命日を集う 紫陽花のレストラン 森口瑤子
※行きつけの店は東京・飯田橋「CANAL CAFÉ」。毎年友人の命日に集まる様子を詠んだ。

夏井先生
「命日」とあるため「紫陽花」は作者の中で動かしがたい季語。
惜しかったのは「レストラン」という必要があるのか。
「店」で上手く音数調整すると、もう少し馴染み感も季語を主役にすることも出来たのではないか。

添削されず



12位◆『鰻待つ 今日は台本 家に置き 千賀健永(Kis-My-Ft2)
※鰻を食べる特別な日の開放感を詠んだ一句。

夏井先生
季語が動いてしまうのが問題。
後半の展開は上手い。
中七「は」によって行きつけ感を出そうとする配慮は良い。
「鰻」でなくても「鱧(はも)」でも良く、別の食べ物の季語が入りそう。
ここが勿体ない。

添削されず



13位◆『風青し カンロ杓子の 三拍子 森迫永依
※行きつけの店は東京・三軒茶屋「和Kitchenかんな」。かき氷を作る音を切り取った一句。

夏井先生
「風青し」(※青葉や海の空気など清々しいイメージの季語)は載っている歳時記が少ないが、新しい季語として気持ちが良い。
「青」で背景に青葉や海が見えるイメージの季語になる。
「三拍子」や「杓子」に注いだ時のシロップの色も取り合わせとして良い。
ただ"行きつけ感"と言われると、「ちょっとどうだろう…」と思う。

添削されず



14位◆『混濁のスープ 青山椒の蒼 星野真里
※坦々麺の青山椒の辛さを「蒼」と詠んだ一句。

夏井先生
「混濁のスープ」でスープが濁っているのは分かるが、どういうメニューなのかをきっちり書いた方が良かった。
「混濁のスープ」だけではまだ見えてこないものがあるという感じ。

添削されず



15位◆『夏惜しむ キープボトルを 一人呑む 嶋佐和也(ニューヨーク)
※行きつけのバーで1人、夏の終わりを感じた一句。

夏井先生
「キープボトルを一人呑む」はフレーズ・場面としては無いことはない。
「夏惜しむ」をストレートに持ってきたのは良かった。
とにかく下手なことをしないで、自分の思いを素直に書いたのが良かった。
ただ、(作者が)この男だということにひたすら驚いている。

添削されず


★次回8/10は通常放送。兼題は「吊り橋」です。


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コメント

演出だとは思うが

今回は、フジモンの御大に対する態度がいただけなかった。
演出だとしても、あれはない。
フルポンとジュニアが巻き込まれていて、可哀想な感じがした。
ああいう態度とられると、俳句まで好きになれなくなる。

短く行きます

行きつけの飲食店においては、何かを飲み食いする行為が伴うわけです。

動植物の季語には、それだけで味覚の情報を含むものもあります。季語の持つ味の補強をし、読み手の舌の記憶を蘇らせる、いわば季語に踏み込んで美味しそうだと思わせたのは御大の句だけだったと思います。

この点、自分としては御大の圧勝だったと思いました。

上位の感想

優勝 梅沢富美男
とうとう優勝…!芸人随一のグルメに相応しい結果といえよう。水貝という夏の高級料理をここまで美味しそうに、そして親近感を感じさせるように書けるのは流石の一言。「清し」で切らない勇気の結実。

2位 中田
正直こちらが1位でもおかしくはなかったが「はんなり」に若干評価が分かれて1位を逃した感じだろうか。自分は「湯引き鱧」との京都っぽい共鳴を感じられてアリだと思った。厨房へと呼び鈴が広がる空間を作れている。

3位 かたせ
頭角をめきめき表した平場。下世話な台詞と鱧の相性が良く、まさにマダムの一句という印象。

4位 横尾
「夜は酒場」という発見の素晴らしさもさることながら、「古都眩し」という措辞も悪目立ちしておらず非常に涼やかな一句。

5位 伊集院
土用の丑の日の気忙しさと、「小ジョッキ」というささやかな贅沢が良い塩梅の取り合わせ。伊集院らしい。ちなみに自分は真っ昼間に営業マンが「ちょっとだけ飲みたいんだよ」とせがんでいる光景が思い浮かんだ。

上位5人は(字余りが少しあるとはいえ)きっちり五七五の型でまとめてきたのも実力者らしいという感じだった。
今回は大満足のタイトル戦。

6位以降の感想

6位 フジモン
吉本その1。タッピオカ…もといタッカンマリを本来の暑い時期にいただくのは季節感あって良いゆえに、取り合わせが曖昧になって厳しい位置になったのが惜しい。「区画整理来て」「区画整理通知」などにすれば、まだ整理を受ける側というのが分かりやすくなっただろうか。

7位 フルポン
吉本その2。「夕涼」が野外っぽさを持つ季語であり、少し相性が悪かった。
個人的には「屋台」よりは地名にする派かも。
「新橋」にすれば放送で使われた映像っぽくガード下の飲み屋が浮かぶし、「難波」にすればガヤガヤした大阪弁が浮かんでくる。「酒場」にしたのは攻めの姿勢の足り無さの現れか。

8位 ジュニア
吉本その3。句の質は6位7位より良いとは思うが、読みがやっぱり分からないことで順位を落としたのか(自分も「世話になった飲み屋に最後の礼を言う」光景が浮かんだ)。
とはいえジュニアさんらしさもきちんと出ており、添削はやはり必要無いかも。
あとは嶋佐の言う「焼酎が安直」というのも強ち間違いではないだろうか。飲み屋だという説明に使っている感じが否めない(冬麗戦の「焼鳥」の句の感覚と似ている)。

9位 志らく
また懲りずにリズムのギクシャクした破調にしたなぁという印象。「西日に対して溜めるという表現がありがち」という夏井評だったが、自分は寧ろ初めて聞いたので大袈裟臭いと読んだ。添削で破調でも比較的リズムが良くなり安心。

10位 昇吉
初見では意味が全く掴めなかった句。急に「墓碑銘」が出てくると面食らう。
意味が分かっても「キープボトル」と「BAR(なんでアルファベット表記?)」の距離感も近く、この順位で妥当と思う。
あと「なる」を重ねる添削が気に食わないので自分なりの添削をば。
→夏の果て墓碑銘はこのキープボトル

ランク外の感想

11位 森口
正直パッと見で意味が掴めない10位とは順位を入れ換えても良いかと思った。字余りなリズムの悪さと「命日」が誰のか分からないのが敗因だったか。
→友の命日よ四葩のレストラン

12位 千賀
「今日は台本家に置き」の説明臭さでこの順位という印象。ドラマを詰め込みがちなジャニーズの悪い癖がここにも出たか。
(フルポンから拝借して)
→劇の台詞ふたつ忘れて鰻待つ

13位 森迫
「カンロ杓子」への配慮の足りなさが敗因と思われる。確かにかき氷のシロップに使う器具だが、うどんやラーメンのタレなどにも使う器具。
素直に「かき氷」と書くべきだったと思う(「風青し」だと「夕涼」みたいに外のかき氷売り場って印象もついてしまうし)。
→かき氷へカンロ杓子の三拍子

14位 星野
「混濁」では美味しそうな料理とはとても思えない。素直に「白湯(パイタン)」とか「坦々麺」とか素直にラーメンとわかる言葉を選ぶべきかと。
→青山椒蒼し担々麺の真中

15位 嶋佐
極めて普通の句。「キープボトル」と「呑む」の距離感が近いし「夏惜しむ」も安牌な季語選び。総じて目だたない。
目だたない分大チョンボをしでかした(かもしれない)犬山紙子や北山よりは上になったということか?
→夏惜しむキープボトルはあと少し

昨日のプレバト

おっちゃん(梅沢さん)が4年10ヶ月ぶりに夏の王者に輝き(実質上浜田杯に続いての連覇)、永世名人・吉本勢(フジモン、村上さん、ジュニアさん)が6位から8位まで並ぶなどと大波乱になりながらも、とても素晴らしい内容でしたね。(おっちゃんの優勝予言的中、恐るべし!)

圏外の句ですが

句そのものは5位以内のものと遜色はないように思えます。

森口名人

紫陽花の傍題「よひら(自分のスマホだと変換できないのでひらがなで)」なら音数調整はできたかなと

命日につどうよひらのあのお店


千賀名人

自分は夏井先生の「季語が動く」という言葉に賛同しかねます。「今日は」とあるのですから、必然的に昨日や明日が存在するわけです。そこには「台本」に向かう作者もいるわけです。

ただ単純に行きつけのお店のメニューを楽しむだけではなく、昨日までのご褒美や明日からの英気を養うという意味ではスタミナをつける「鰻」がふさわしいと思います。

森迫さん

句そのものであるならば、全然ベスト10に入れたと思います。惜しむらくは兼題に沿っているかどうかですかね。前回の木漏れ日のときにも感じましたが、素直になったほうがいいかもしれません。

嶋佐さん

よかったと思います。あえてやるなら
語順ですかね。

キープボトル一人飲み終え夏終わる

とかなら順位あがったと思います

最後に拙句を
行きつけの出前半裸で支払いぬ

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