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20230525 プレバト!!俳句紹介【鯖の弁当】

2023年5月25日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※6月5日に全て更新しました。大変お待たせ致しました。
※5/11放送のタイトル戦記事は更新済みです。編集後記に関してコメントも是非お寄せ下さい。
→プレバト!! 公式ツイッター/公式インスタグラム

挑戦者→武井壮[13],小籔千豊[6],YOU[5],新内眞衣[初],森口瑤子[37],村上健志[88],梅沢富美男[196] ※数字は挑戦回数

●お題:鯖の弁当
鯖の弁当

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位75点武井壮
鯖喰ふや係船柱の錆硬しさばくうやけいせんちゅうのさびかたし
2才能アリ2位70点小籔千豊
汗水漬く大工かきこむ鯖弁当あせみずくだいくかきこむさばべんとう
3凡人3位60点YOU
焼き鯖の香り漂う夕涼みやきさばのかおりただようゆうすずみ
4才能ナシ4位20点新内眞衣
(元乃木坂46)
鯖食いて青葉感じる箱の中さばくいてあおばかんじるはこのなか
5名人5段で現状維持森口瑤子
肴手土産に来る父の日の父さかなてみやげにくるちちのひのちち
6永世名人29句目に掲載決定村上健志
(フルーツポンチ)
薄暑のシンク鯖缶の蓋の反りはくしょのしんくさばかんのふたのそり
7特別永世名人4句目のお見事!梅沢富美男
朝まだき半夏生鯖匂ふ市あさまだきはんげしょうさばにおういち
順位発表順:2位→最下位→3位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録
YOU○2△1×1※「俳句はよく分からない」と頭を抱える。
武井壮○6△6※4年ぶりの挑戦。4回連続才能アリと特待生候補。NHKで俳句番組に出演していたため緊張が隠せない。
新内眞衣初挑戦※元乃木坂46。現在は同じ事務所(セントフォース)の皆藤愛子に追いつきたいと燃える様子。
小籔千豊○1△1×3※「今までで一番勉強した」と意気込む。
★ランキングシートの分布は才能アリ2名、凡人1名才能ナシ1名

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ75点 武井壮
鯖喰ふや 係船柱の 錆硬し
※「係船柱」は船をワイヤーなどで繋ぎ留めるため桟橋や埠頭に設けた杭。

【本人談】
日本海にお仕事で行ったことがある。宿の方から鯖の弁当を持たされたことが本当にあり、(埠頭に)立っている係船柱という金属の柱が硬い錆がつくほど荒い夏の海に揉まれている。その中で鯖の弁当を食べて少し安らぎを感じたという句。

梅沢永世名人 良い句だね、75点貰う句ですよ。さすがお勉強なさっている。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 素晴らしいと思います。
本人 いや嬉しい。
森口名人 「錆硬し」でちょっと痺れました。
本人 うわ、嬉しい。
森口名人 こうやって言えばいいんだってちょっと私勉強させていただいたという。
本人 うわ、嬉しいな。

夏井先生 
とてもしっかりとした句だった。
「係船柱」の言葉だけで港であること、その周りで働いている人がいることも全部わかる。
港ではなく「係船柱」に着目し、さらに「錆」のアップに近寄るカメラワークが上手い。
最後の納めをよく考えてある。
「硬き錆」としても映像としてはそれほど変わらないが、「錆」という物の方に軸足がいく。
「錆硬し」で終わると手触りの方に軸足がちゃんといく。
ここで手触りにいくと、その手触りを感じている人というのは鯖を食っている港で働いている人々だと。
ちゃんとここで結ばれていく。リンクされていく。
これはとても巧い句だった、お見事。

浜田 先生、直しは?
夏井先生 要らないよ。
本人 (ガッツポーズで)やった~!嬉しい。
小籔 凄い。
浜田 先生、これ75点ですから特待生ってのはどうなんでしょうか。
夏井先生 4年前に出てらっしゃったんですか?
本人 はい、そうなんです。
夏井先生 4年前のこと何一つ覚えてないんで(笑)。ちょっともう1回これぐらいの句を持ってきてくれない?
浜田 なるほど。
本人 了解です。
夏井先生 そしたらもう「特待生4級からいけ」ぐらいのこと言うかもしれませんよ、私。
本人 おぉ~、ホントっすか。
浜田 次の句によってはということですね。
本人 次、ちょっとね。

●解説のポイント
とてもしっかりとした句で巧い
「係船柱」で港や職人の様子もわかる
港ではなく係船柱の錆に寄るカメラワークが◎
納めをよく考えてある
「硬し」で終わると手触りに軸足がいく
手触りで鯖を食う港で働く人に結ばれる
次回も佳句なら特待生4級からでも良い

添削なし



◆2位 才能アリ70点 小籔千豊
汗水漬く 大工かきこむ 鯖弁当
※季語は「汗」。「汗水漬く」で体中が汗びっしょりになることを表す。

YOU あ、素敵。

【本人談】
「鯖弁当」で僕が一番美味しそうと思ったのが、炎天下の道を歩いているとき、外で働いている方々がバ~ッとかき込んでる鯖弁当を見たら「食べたいな」と思ったので、こういう風に書いた。

梅沢永世名人 良い俳句ですね。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 綺麗にまとめてある。素晴らしい俳句ですよ。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 大したもんだ。
村上永世名人 いや、良いですよね。やっぱり「大工」さんという職業を入れることによって、ここに書かれてない映像まで浮かんでくる。外で作業されてたんだなとか。そういうのが見えてくるので。

夏井先生 
まず、季語の問題から押さえたい。
「鯖」も夏の季語にはなっているが、この句の場合は「汗」が主たる季語で「鯖」が脇役になっている。
ここはハッキリと分けているのが良い点。
そして「大工」。
中七のこの位置に来ることによって、職種がわかるだけでなく、その現場がハッキリと見えてくるのも良いと思う。
表現の上で勿体ないのは、「かきこむ」をキチンと漢字で書いた方が勢いが出る感じはした。
逆に「水漬く」を平仮名にし、「かきこむ」を漢字にした方が「汗」が際立ってくる。
「汗みずく」と平仮名にし、「かきこむ」でも良いが「掻っ込む」と。
梅沢永世名人 なるほどね。大工さんらしい。
YOU 粋だね。
夏井先生 勢いが出ると季語「汗」が際立ってくる。
小さな配慮が出来るようになると、特待生も見えてきますよ。

本人 先生!待っててください!(笑)

●解説のポイント
「汗」が主役で「鯖」が脇役と分けている
中七「大工」で職種・現場が見える
「かきこむ」を漢字で書いて勢いを
「汗」を際立たせるため「みずく」は仮名に
小さな配慮が出来ると特待生も

添削後
 大工 鯖弁当



◆3位 凡人60点 YOU
焼き鯖の 香り漂う 夕涼み

新内 綺麗。

【本人談】
休日に自炊をしようと思い、鯖を焼いたりする。「充実してるな、お休みだし」という夕方に1人で普段の疲れを癒すイメージ。

村上永世名人 これも「鯖」と「夕涼み」が季語なんですが、でもこれは「夕涼み」が恐らく主役。だけど「香り」なんで「漂う」はいらないかなという感じはしますね。
梅沢永世名人 その通り。

夏井先生 
これも季重なりとの指摘があった。ただこれはクリアしている。
「焼き鯖」は匂いだけで実体のない。
「夕涼み」が夏の主たる季語としてしっかり置かれている。
ここはクリアしている。
そして2つ目。「漂う」が不要との指摘。
まさにこの句の問題はこれだけ。
「香り」は漂ってくるから分かるもの。
そうなると、「焼き鯖の香や」で詠嘆すれば「夕涼み」との間に5音分のゆとりができる。
ここに新しい情報を入れる余裕が生まれる。
本人のイメージとして、お休みの日にゆったりとした気分でということだった。
だったらその情報は悠々と入る。
「休日の夕涼み」とやると、ただの夕涼みではなく今日一日がお休みだったという満ち足りた感じが出る。

本人 うわ、上手(笑)。
浜田 上手ちゃうねん。

●解説のポイント
「香り」で実体のない「焼き鯖」が脇役
「夕涼み」が主役の季語になっている
香りなら「漂う」が不要
「香や」で5音分の余裕
お休みの満ち足りた感じを出す

添削後
焼き鯖の 香 夕涼み



◆4位 才能ナシ20点 新内眞衣(元乃木坂46)
鯖食いて 青葉感じる 箱の中

梅沢永世名人 なんだ?

【本人談】
鯖の弁当は小さい時に食べたイメージがなく、大人になってから食べるとその(弁当)箱の中に入っている他の(付け合わせの)青葉とかに気づけるようになるし、外で食べていると変わりゆく景色を感じられるようになるかなと思って詠んだ。

村上永世名人 (怪訝そうな顔で説明を聞く)
森口名人 これ「鯖」と「青葉」も夏の季語ですか。これは両方がちょっと重なっちゃったって気がしました。
浜田 これは梅沢さんも同じ意見?
梅沢永世名人 同じですよ。娘!よく聞きなさいよ(笑)。
本人 はい。
梅沢永世名人 「青葉感じる箱の中」って、なんか俳句作ったような気持ちになってるでしょうけど、意味が良く分からない(笑)。
YOU 厳ぃ。
梅沢永世名人 何が箱の中なんだか、ちょっとそれは分からない。

夏井先生 
この句に関しては今指摘があった通り。
まず「鯖」と「青葉」はどちらも季語。
季重なりが絶対ダメというわけではないが、どちらかに強弱をつけるなどの配慮が少しほしいのが1点目。
それから「箱の中」は分からない。
(段ボールの)箱の中に入れられて、外の青葉を感じるって(笑)。それは何?みたいな。
頭に「弁当」と書くだけ。
「箱」と書くから訳わからなくなる。
「弁当の鯖よ」と軽く詠嘆する。
ここから後、「鯖」「青葉」を同じバランス・比重に一句の中に置く季重なりをやってみる。
やったところでわからないかもしれないが、やってみますね(笑)。
本人 まだ未熟者で…。
夏井先生 「弁当の鯖よ」、青葉は感じなくて良い。
「青葉よ」。これで「よ」のリズムができた。
最後また「○○○○よ」と詠嘆したい。
この4音に何を入れるか、色々と出来る。
「ふるさとよ」とやっても良い。ふるさとを思い出す。
若いお嬢さんだから「失恋よ」とやっても物語が動き出す。
この4音に自分なりの言葉を入れて、少し勉強してみましょう。

本人 はい。

●解説のポイント
季重なりは強弱などの配慮が欲しい
「箱の中」が意味不明(弁当の青菜とは伝わらず)
頭に「弁当」と書くべき
季語2つを同じ比重で一句に置く方法も
「よ」のリフレインで物語が動き出す
4音に自分なりの言葉を入れて

添削後
の鯖 青葉 
の鯖 青葉 




★特待生昇格試験★

→<名人5段>・森口瑤子は3回連続昇格中。最近意外な方から応援があるとのこと。
森口名人 いま、(日曜劇場)「ラストマン」というドラマの収録中なんですけど、大泉洋さん、上川隆也さん、寺尾聰さんまでが「プレバト!!」のファンで凄い見て下さってるってことで、現場で凄い「プレバト!!」のことばっかり聞かれるんです(笑)。なので、頑張ります。
浜田 分かりました。

◆『肴手土産に来る 父の日の父 森口瑤子

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
父親は「プレバト!!」ファンだが、凄い寂しがり屋。父の日は普通子どもたちが何かを持って出かけるもの。ところが、寂しいため酒の肴を自分で「お土産だよ」って持ってきちゃうところがある。それを詠んだ。

梅沢永世名人 これね、私の個人的な意見で誠に申し訳ありませんがね。
本人 いえ、とんでもない。
梅沢永世名人 「父の日の父」が最後にくると、ちょっと「父」が余分だったかなと思っちゃうんです。
本人 あ、そうですか。
浜田 語順か。
梅沢永世名人 これが頭だったら何とか自然に読めたんですけど。
浜田 なるほど。これ、村上さんどう思われますか?
村上永世名人 僕は「父の日の父」がいいかなと思ったんですけどね。
梅沢永世名人 あっそう。
浜田 なるほど。
YOU なんで(笑)。

★評価ポイント
「肴」「手土産」「父の日」「父」の語順の是非

梅沢永世名人 (村上名人に)お前と俺の違いはこういう所に出るんだ。

■査定結果
名人5段で現状維持

理由:(未発表)

新内 厳しい。
本人 そうですかね。

夏井先生 
ほのぼのとした光景でこの句自体やろうとしていることは良い。
これは語順が悪い。
おっちゃんの言う通り「父の日の父」から始めるべきだと私も思う。
「父の日の父」の後、「来る」にくる。
小さなことだが「来」で"く"と読ませる。
「父来」で"父が来る"という意味になる。
ここから逆転、「肴を手土産に」と。
そうすると、手土産に持ってくる父の手元や父の表情がちゃんと余韻として入ってくる。
こうした方が絶対に得だったねという話。

本人 そっか~。(頷きながら棒読みで)非常に勉強になりました~。
浜田 キレてんの、自分ちょっと(笑)。
本人 いやいやいや…。

●解説のポイント
ほのぼのとした光景で良い
語順が悪い
「父の日の父」から始めるべき
「来」で"く"と読ませる
手土産を持つ父の手元や表情が余韻になる
語順を変えた方が得だった

添削後
父の日の父来 肴手土産に



★永世名人 村上のお手本★

→<永世名人>・村上健志(フルーツポンチ)は3回連続でボツ。句集完成まで残り22句。
梅沢永世名人 アハハ、10年かかるね~。
村上永世名人 ちょっと3回ダメだったんで、この前の浜田杯。あれでかなり良い成績(→2位)を収めたので、ちょっと見えてきてます。また。
梅沢永世名人 浜田杯は私が優勝ですからね。
清水アナ はい、1位2位ですね。
村上永世名人 いいじゃないですか。俺がいい成績だって(言って)~(笑)。

◆『薄暑のシンク 鯖缶の 蓋の反り 村上健志(フルーツポンチ)

【本人談】
「薄暑」(※少し汗ばむくらいの初夏の頃の暑さのこと)は夏の初めの"ちょっと汗ばむな"って感じてきた暑さの頃をいう。その頃の台所のシンク。鯖缶を開けると缶の蓋が反れて曲がる。それが置いてあるだけの光景。なんかそれだけで~、どうですか?

小籔 いやいや。問われても分からん、俺らは。
本人 夏の初めに、少し気だるさがあるのか、少し節約しているのかとか。色んな物語を、ここに書かれていない余白を埋めたくなるような旅を皆さんにしてほしいなという(笑)。
梅沢永世名人 いや、夏井先生がこの間、「本来の村上の俳句を詠んで下さい」と言っておりましたけど、今回やったんじゃないですか?
本人 え、ホントですか?え、梅沢さんから?
梅沢永世名人 いや、良いね。よーく観察して素晴らしい。村上らしい俳句です。
本人 なんか、イヤ。え、なんかイヤなんですけど逆に(笑)。なんか、イヤなこと起きそう。
梅沢永世名人 何が?

■査定結果
永世名人29句目に掲載決定

理由:さすが村上節

本人 (人差し指で前を指すポーズを決める)
森口名人 凄~い。
(査定評後)
本人 これです。
梅沢永世名人 ほら~。

夏井先生 
ちゃんと元の村上さんに戻ってくれたなとホントに思った。
本人 ただいま。
夏井先生 おかえり(笑)。
「薄暑のシンク」で台所だと分かる。
そして「鯖缶」という小さな物が出て、さらに「蓋の反り」と描写をしていく。
こういうものをずっと積み上げることで、台所にある温度・空気の匂い・手触りがありありと見えてくる。
さらに、七五五のリズムになっている。
「七五五」や足して17音の破調の句は少し鬱屈な寂し気な調べを作る。
この七五五の調べがどこか憂鬱な憂いを含んだ「薄暑」であると。
調べと自分の言いたいことをちゃんと連動させている。
ポンチ村上がやっと帰ってきたと、今日は嬉しい。
直しはいらない。

本人 ありがとうございます。
浜田 もうさっきからずっと小籔は「へ~」って。
小籔 解説聞くと「ホント、そうだな」と思うんですけど、最初僕みたいな素人がパッと見たとき、「その缶早よ捨てろや」って思いましたね(笑)。
本人 だから小籔さんが2位獲った時にこう(指をさすポーズを)やってましたけど、これくらいやってやっとこう(→人差し指を前に出す)です(笑)。
小籔 恥ずい(笑)。行きたいわ~、もう。特待生。イヤや~。
YOU 頑張って。

●解説のポイント
元の村上さんに戻ってくれた
台所にある小さな鯖缶の反りの描写
温度・空気の匂い・手触りが見えてくる
七五五のリズムは鬱屈な寂し気な調べ
憂鬱な憂いを含んだ「薄暑」
自分の言いたいことと型を連動させた

添削なし



★特別永世名人 梅沢富美男の締めの一句★

→<永世名人>・梅沢富美男は句集完成後、お見事を3回決めている。
清水アナ 梅沢さんには名人たちよりもハイレベルな俳句で番組を美しく締めて貰いたいと思います。
浜田 皆さんの分もひっくるめて最後の締めです。
梅沢永世名人 勿論です。私の俳句をよく見てね、お勉強なさい(笑)。
小籔 ありがとうございます。
梅沢永世名人 娘も、よーく見てお勉強なさい(笑)。
新内 お勉強します。
***
浜田 特別永世名人・締めのお手本~!!
武井 凄いな、凄いな。
清水アナ 最初の2回は「ガッカリ」でしたが、それから3回連続で「お見事」と特別永世名人の名に恥じない実力を披露してくれています。
梅沢永世名人 2冊目の句集を目指して。
浜田 2冊目…(笑)。2冊目出すつもりですか。
梅沢永世名人 勿論ですとも(笑)。

◆『朝まだき 半夏生鯖 匂ふ市 梅沢富美男
※「朝まだき」は夜の明けきらない頃のこと。「半夏生鯖」は福井県に伝わる夏至から数えて11日目の「半夏生」に食べる丸焼きの鯖のこと。

【本人談】
私はお仕事で福井の方に行った。そのことをスッと思い出した。これご覧になった方は「半夏生」も「鯖」も季語だと思われる。とんでも8分、歩いて16分(笑)(→浜田:なんやねん、それ)。福井の方では「半夏生鯖」と1つの言葉になっている。半夏生の時には他の地方だとタコを食べたりするが、福井の方では鯖を食べる。朝早くから鯖を市場で焼いている。それを皆さんが買いに来て、そして食べる。「あ~、何と素晴らしい一日だな」と思うようなことを思い出した。それを俳句にさせて頂いた。

■査定結果
特別永世名人4句目のお見事!

理由:こんな事も出来るんや

本人 よっしゃ~!アハハ。
小籔 凄ぇ。
森口名人 ホントに凄い。
(査定評後)
本人 ありがとうございます。

夏井先生 
まず「半夏生」。
「これ季語だよね」と思って「鯖」がくっつく。
「え、これどういうこと?」と思い始めたら作者の思うツボ。
「半夏生鯖っていったい何だろう?」と。
知らない人は調べ始めるだろうし、知ってる人は「あ~あれだな」と頷く。
福井というご当地をこのような言い方で表現してしまう。
少し勇気はいるが、やってしまえば結構カッコいい。
さらに「匂ふ」で焼いていることも伝わる。
そして最後の「市」で人の賑わいが全部出る。
季語はご当地では「はげっしょさば」と発音するらしい。
そのため、中七に「はげっしょさば」とルビを打って、助詞「の」を入れる可能性もないことはない。
でも、今日はこれをやれただけでもひとまず偉いと褒めた方が良いと思う。
浜田 もうこれじゃあ、直しはなしで。
夏井先生 直しません。

浜田 はい、直しはなしでございます。
小籔 凄い。
武井 さすが。

●解説のポイント
「半夏生鯖」を調べさせるのが作者の思う壺
福井というご当地を表現
勇気はいるがやってしまえばカッコいい
「匂ふ」で焼いていることも伝わる
「市」で賑わいが出る
季語はご当地で「はげっしょさば」と発音する
ルビで「の」を入れる可能性もある
今日はこれをやれただけでも偉いと褒める

添削なし



梅沢永世名人 もう、来年の夏頃にはまた句集が出るんじゃないか。
浜田 いやいやいやいや。

★次回6/1の俳句の兼題は「雨の日のカフェ」です。


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2位の句
汗びっしょりの大工がかきこんでいる鯖弁当
鯖弁当が他の弁当になっても句は成立するし、汗びっしょりの大工さんが主役とわかる句だった。

4位の句
季重なり。箱の具体性がないので、段ボールに入っている箱男とか、ブタ箱にでも入っている人物と読めてしまう。

3位の句
動詞「漂う」がやはりいらない。何かの香りがするなら漂っていそう。季重なりは「鯖の香」と姿がないことと、季語「夕涼み」が下五にピタッと収まっているのでメリハリがついていたと思う。

1位の句
鯖を食ったのだ、係船柱の錆が硬い
番組で指摘は無かったが、どうも「錆」が焼鯖の焦げ目、「硬し」が鯖の硬さにも繋がっている感じがした。

森口名人
父の日の父をはじめに持ってくることでのメリットは、父に主軸が置かれることと、韻律が破調から5,3,4,5(句またがり)に整えられることだと感じた。

村上永世名人
シンクに反り返った鯖缶の蓋があるだけだからこそ、季語の力がいかんなく発揮されたかとおもった。久々の「らしい句」であったと思う。

御大
三段切れかと思ったら、やはりそうではあったようで、「はげっしょさば」というルビをつけて助詞「の」をつける案を夏井先生が提案していた。
でも、半夏生「鯖」匂うと来れば、鯖が匂っているとしか読めないだろうから、三段切れとはいえ意味は通じる。
むしろ、半夏生鯖をどんと中句に据えたときの効果の方が大きかったと思う。

「半夏生鯖」は、そのうち郷土季語になりそうですね。
読み方の違いで、詠み人が、旅行者、ご当地出身者や思い入れの強さなどが表現出来そうですね

昨日のプレバト

武井さんが7回目の才能アリ(75点、1位)を獲得するといい、村上さんが久しぶりの掲載決定を決めるといい、おっちゃん(梅沢さん)が4回連続お見事といい、とにかく素晴らしい内容でしたね。

森口五段
本人が重要視していたのは「父の持ってきた(鯖寿司の)手土産」だったのに対し、句では父が来たこと自体を強調する語順となっている。その乖離が敗因だったのだろう。「父の日の父」を詠むという、父の日の句として余りにありきたりな発想へ敢えて挑戦した精神は認めたい。

フルポン永世名人
節分の句以来実に約3ヶ月ぶりに、半径1m以内の天才が復活した一句。
七五五のけだるさと「薄暑」のマッチングや、「蓋の反り」というアップの映像にて締めるやり手の技法。変に感情や動詞を加えずとも、これだけで俳句は十分と思い直してくれた事に感謝。

梅沢富美男特別永世名人
「半夏生鯖」という福井ローカライズな食品と向き合った誠実さが伝わってくる。早朝の市場の清々しさに感じる、鯖のいい香り。やはり料理は旨そうに詠んでこそだ。
この句を皮切りに「半夏生鯖」も季語として認められるのではないか…そんなことも思ってしまった(もうすっかり「花追風」は俳人の中で広まってるイメージだし)。

1位 武井壮
NHK俳句で修業してきた成果がきちんと現れていた。係船柱と鯖の近すぎない距離感、錆に「硬し」と言い切る表現力、サバとサビの目立たない音韻と逐一素晴らしい句。平場の中でも頭五つほど抜けていた。
きっとこの方の事だし、大海へ出たときの実話なんだろう。次回早いとこ再出演して、本物の力を見せてほしいものだ。

2位 小籔千豊
今回は才能アリ。この人は「ラス苺」とかふざけた表現に走らなければきちんと描写力はある方なんだと思わされる。
季重なりについても、弁当に重きを置かない(この書き方なら鮭弁当や海苔弁当でもよくなる)やり方で上手く回避していた。

3位 YOU
この人も安定しないが、今回は言いたいことはわかる。まあ一目で「漂うはいらんやろ」となったが。個人的にはやっぱり季重なりにするほどじゃあないと思うので「夕涼み」を消して…
・有給の夕を焼鯖香りけり

最下位 新内眞衣
見事なまでの初心者丸出しな才能ナシという印象。何の箱かちゃんと書け。
単なる季重なりかと思いきや、ただの弁当の青菜を「青葉」と言い張る物知らずっぷりに驚愕した。一から出直していただきたい。

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