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【㊗還暦】20230511 プレバト!!俳句紹介【浜田雅功】

2023年5月11日放送 プレバト!! 俳句タイトル戦「浜田杯」結果まとめ
名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
放送当日が60歳の誕生日(1963年5月11日生)。浜田雅功氏の還暦を祝う最初で最後の特別企画で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
※25日に全て更新しました。大変お待たせいたしました。

→結果一覧 →トーク集 →お祝い五七五 →俳句詳細 →編集後記

●お題:浜田雅功
浜田雅功

■評価基準■
俳句のクオリティー
季語が主役か?
季語が浜田にふさわしいか?


1位梅沢富美男特別永世名人夏シャツのコロッケ百個下げて来るなつしゃつのころっけひゃっこさげてくる
2位村上健志
(フルーツポンチ)
永世名人扇風機衣装脱ぎつつ出前表せんぷうきいしょうぬぎつつでまえひょう
3位皆藤愛子名人4段夏期講座の帰路「WOW WAR TONIGHT」聴くかきこうざのきろうぉーうぉーとぅないときく
4位千賀健永
(Kis-My-Ft2)
名人8段嗚呼幾度目のピンマイク還暦の初夏ああいくどめのぴんまいくかんれきのしょか
5位的場浩司5級猛る友抱くや白雨のアスファルトたけるともだくやはくうのあすふぁると
6位森口瑤子名人5段ほんたうは優しいくせに青山椒ほんとうはやさしいくせにあおさんしょう
7位勝村政信5級青梅雨やビンタを愛に昇格すあおつゆやびんたをあいにしょうかくす
8位横尾渉
(Kis-My-Ft2)
名人10段★3浜田雅功さん還暦
66穿くレジェンド薫風の温泉へ
(はまだまさとしさんかんれき)
ろくろくはくれじぇんどくんぷうのおんせんへ
9位千原ジュニア永世名人タイトルコール飛び立つ初夏の鳩よたいとるこーるとびたつしょかのはとよ
10位藤本敏史
(FUJIWARA)
永世名人短夜や秒でやり取りするLINEみじかよやびょうでやりとりするらいん
11位立川志らく名人6段浜ちゃんの笑い声慈雨の風鈴はまちゃんのわらいごえじうのふうりん
12位中田喜子名人7段還暦の朝大幟投げ上げよかんれきのあさおおのぼりなげあげよ
13位犬山紙子4級辞表書きダウンタウンを見る五月じひょうかきだうんたうんをみるごがつ
14位馬場典子2級МCのちゃん付け憎しアイスティーえむしーのちゃんづけにくしあいすてぃー
15位春風亭昇吉4級お前しかおらん改札若葉風おまえしかおらんかいさつわかばかぜ
16位武田鉄矢5級摘まるるな棘あればこそ野薔薇ぞつまるるなとげあればこそのいばらぞ
17位こがけん
(おいでやすこが)
5級伝説がどかんどかんと夏に入るでんせつがどかんどかんとなつにいる
18位森迫永依4級不屈の漫才師客知らぬ背汗ふくつのまんざいしきゃくしらぬはいかん
19位北山宏光
(Kis-My-Ft2)
2級汗光る結果発表の声の鞭あせひかるけっかはっぴょうのこえのむち
20位パックン
(パックンマックン)
2級風死す初ライブツッコミただ痛しかぜしすはつらいぶつっこみただいたし
順位発表順:11位→12位→13位→14位→15位→5位→10位→6位→7位→8位→4位→3位→2位→(16~20位)→9位→1位

❏トーク集(クリックで展開)





■お祝い五七五
※浜田と親交のある芸能人がエピソードと共に還暦を祝う五七五を詠み、縦型の色紙に書いて紹介。
※複数披露したものは太字が最後に銀河万丈氏のナレーションで読み上げられたもの。夏井先生の査定はなし。
1濱家隆一(かまいたち)良かったね芸人じゃなきゃおわってた
※キングオブコント優勝時、ネタを浜田に褒められたのが初めての会話。『オオカミ少年』でコンビでの喧嘩に制止に入る浜田から頭皮を剥がされそうな仕草をされた経験からのメッセージ。
2ノブ(千鳥)家ロケで土足であがる優しさよ
※自宅への突撃お宅ロケで、浜田の訪問に緊張していた本人。浜田が土足で上がる仕草を見せて、緊張がほぐれたエピソードから。
3博多大吉(博多華丸大吉)またいつか聴かせて下さいエピソード
※浜田らとMCを務めた正月番組での収録の移動中、車内で語られた浜田の話がすべらない話だったエピソードから。
4ムロツヨシムロドラマけっこう観てる浜田さん
これからもひゃっひゃっひゃ笑ってて
蹴り入れるそんな浜田がムロは好き
※バラエティー番組での共演をきっかけに、浜田から連絡先を交換するまでの親しい仲に。プライベートでのエピソードを3句に分けた。
5中山美穂とら兄ちゃんまだ人前で放屁する?
※大人気ドラマで共演し、浜田を「とら兄(にい)」と呼ぶ間柄。収録の際の放屁が相当臭く、しょっちゅうやってたという思い出から。
6GACKTえェんやでフレンチクルラ買わんでも
※浜田を「恐怖」と呼ぶ本人。体調不良となった昨年、浜田から掛けられた言葉「ええんやで無理をせんでもええんやで」をもとに、浜田のパパ活不倫騒動にちなんだお返し五七五。
7今田耕司お遣いを間違えた夜に頬桜
※浜田の高校の後輩。駆け出し時代に風邪気味だった浜田から滋養強壮剤「キヨーレオピン」のお遣いを頼まれるも、ただの風邪薬を渡してしまい、鬼の形相の浜田にビンタされたエピソードから。
8東野幸治俺の服川に投げたら肉離れ
※18歳からの付き合い。『ごぶごぶ』共演時、浜田の提案で別の服に着替えた際、脱いだ私服を浜田がはしゃいで鴨川に2度も投げたが、水没した服を投げた2度目が重く、肉離れを起こして病院に搬送されたエピソードから。
9ほんこん(130R)叩くより讃えましょう同い年
※同い年だが芸歴は3年後輩で、2人で『桃鉄』をやる仲。関節が逆になるくらい色んな番組で叩かれたことを詠んだ。
10板尾創路(130R)ハリセンに画びょうを仕込むドSです
※40年ほどの付き合い。浜田が女と東京に逃げた際、2丁目劇場での稽古がなかった。ハリセンで叩くMC浜田だが、先端部に画鋲を仕込むほど所作がキツいという妄想句。
11木村祐一雅功を師とし人とし慕いたし
豪邸のどこに蔵(しま)いし日本刀
※5年後輩で30年以上の付き合い。1句目は相方「人志」も入れ込んだ。東京泊でお金を借りる際、財布を取り出す浜田の仕草を見て「撃たれる」と勘違いしたが、浜田自身も当時は苦しかった。2句目は本人の疑問。


★それでは順位別に見ていきます

1位◆『夏シャツの コロッケ百個 下げて来る 梅沢富美男

【本人談】
私が大阪の新歌舞伎座で公演していた時、突然浜田さんが楽屋にいらっしゃった。浜田さんが「急に来たんで、おどかしてやろうと思って来たんや」と言ってた。浜田さんがお帰りになった時、「お前ら知ってたのか?」と後で劇場関係者・マネージャーに聞いたら、ちゃんと浜田さんがお電話をして「今から行くけどナイショにしといてや。梅ちゃんおどかしたいんや」と言ってたと。「夏シャツ」は浜田さんのTシャツのイメージだったので、これを書いた。

藤本永世名人 なんですか?う~ん、いいんじゃないですかあ(笑)。
本人 優勝してんだよ。
藤本永世名人 これも、浜田さんの要素入ってます?
本人 入ってますよ。
藤本永世名人 この句を見ただけで、見た時に。
千原永世名人 コロッケさんかと思った(笑)。
藤本永世名人 そうそうそう。
本人 お前、このコロッケは行ったら完売するコロッケなのよ(笑)。

夏井先生 
「夏シャツ」の季語でどこまで浜田さんを、との議論がされているが、ひとまずどのような句かを押さえていきたい。
「夏シャツ」(※夏の簡易なシャツ)で「夏シャツの」の言い方はそれを着ている人物ということになる。
その人物が「コロッケ」を「下げてくる」と。
コロッケを下げるくらいのことはどうってことはないが、問題はこの数詞。
「百個」という数詞が半端ではない。
どういう場所に持って行っているのだろう?と考えれば、楽屋見舞い・合宿所かもしれないと分かる。
最後の「下げて来る」がホントにふらっとやって来た感覚。
それぞれの言葉で、ある1人の人物がある程度くっきりと見えてくる。
皆さんがおっしゃるように、完全にイコール浜田さんと紐づけられるわけではないが、どういう人物像かが、かなりありありと見えてくる。
しかも「百個」というのが浜田さんの心遣いと財力、いっぺんに百個も買えるというそういうこともをさり気なく書いていて、ご挨拶の気持ちも入っている。
しつこく言っているが、エピソードを17音にまとめるのは本当に難しい。
1位と2位はエピソードをちゃんと17音にまとめ、季語を主役に立てて、しかも季語を浜田さんに寄り添わせることがちゃんとできている。
さすがだと1位・2位に関しては思った。
[評価のポイント①季語が生きているか・②季語が浜田さんらしいか]。
なぜ差をつけたか。
1位の句の方に、3つ目のポイントとなる挨拶の心がちゃんと入っている。
[評価のポイント③挨拶の心が入っている]
それが「百個」の数字であったり「下げて来る」というさりげなさ、そういうことになる。
直しは不要。

本人 ありがとうございます。皆さん、お勉強なさいよ。え?これから「梅沢さん」なんて気安く呼ぶんじゃないよ、"先生"と呼びなさい(笑)。
千原永世名人 わかった(笑)。

●解説のポイント
夏の簡易シャツを着ている人物が見える
「百個」の数詞が半端ない
楽屋見舞い・合宿所を思う
下五がフラッとやって来た感覚
浜田そのものではないが人物像が明確
数詞に浜田の心遣いと財力
ご挨拶の気持ちも入っている
季語と兼題を活かした上に挨拶の心が2位より上

添削なし




2位◆『扇風機 衣装脱ぎつつ 出前表 村上健志(フルーツポンチ)

【本人談】
吉本の劇場で大阪にある「なんばグランド花月」(通称:NGK)。あの近くに「信濃そば」という芸人がみんな行くそば・うどんの店がある。僕らもNGKに出るときはそこで食べたし、噂で浜田さんがあそこの食べ物をむちゃくちゃ好きだと聞いていたので、自分もそうだし浜田さんも若い頃にあの劇場に立っていた風景をこれで表現した。

千原永世名人 これは素晴らしいですね。ホントに匂いまで感じ取れますし、村上のいつものイヤな感じが一切ない(笑)。
本人 俺いつも嫌な感じあった…。
千原永世名人 はい。素晴らしい。

夏井先生 
人物がありありと見えてくる、それが良い。やっぱり上手い。
作者が分かってのことだが、村上さんの嫌なとこが一切ない(笑)。私もその意見に同意する。
夏の季語「扇風機」から始まり、「衣装」で舞台かドラマの関係者と連想させるこの一手が上手い。
しかもそれを脱ぎながら「出前表」を見ているため、せっかちな人物に違いないとちゃんと伝わる。
「腹減った」と言いながら見ているにちがいないのも伝わる。
今日の季語がちゃんと立ってるか、このテーマ「出前表」で上手いとこを持ってきた。
さすが村上さん。いつもこう肩の力をスッと抜いてくれるとうれしいなと思う。直しはいらない。

本人 うわ~ありがとうございます。

●解説のポイント
人物がありありと見えるのが上手い
「衣装」で舞台かドラマを連想させる
脱ぎながら出前表を見ている
せっかちな人物に違いない
季語「扇風機」が活きている
テーマと「出前表」も似合う
肩の力をすっと抜けた句

添削なし



3位◆『夏期講座の帰路 「WOW WAR TONIGHT」聴く 皆藤愛子

一同 いいな~。

【本人談】
H Jungle with tのこの曲(「WOW WAR TONIGHT」)が大好きで、大流行した中学生の時、学校の帰りにみんなで歌いながら帰ったりもしたし、カラオケでも歌ったりしたし、聴いて帰ったりもした思い出の曲。

夏井先生 
浜田さんと自分の接点がどこにあるんだろう。
そういう風に考えるタイプの句だった。
事実を淡々と書いてるだけだが、「夏期講座」が季語として立っている。
あまり企まないことでうまくいったケースだと思う。
しかも読んだ時に、作者自身が学生の頃に流行った曲に違いないと。
そこまで読み手として読み取れる。
このままの韻律でもかまわないが、言いたい事の音数が沢山掛かるため、「夏期講座の帰路"や"」「夏期講座の帰路"よ"」と軽く詠嘆する方法もある。
添削でも原句でも良く、あなた自身で選択してほしい。
軽やかだった。

本人 ありがとうございます。
浜田 皆藤さん、ありがとうございました。

●解説のポイント
浜田と自分との接点から発想
事実を淡々と書いている
「夏期講座」が季語として立っている
あまり企まないことが成功した
作者が学生時代に流行った曲だと読み取れる
軽く詠嘆する方法もある
軽やかな一句

添削後
夏期講座の帰路「WOW WAR TONIGHT」聴く』
『夏期講座の帰路「WOW WAR TONIGHT」聴く




4位◆『嗚呼幾度目の ピンマイク 還暦の初夏 千賀健永(Kis-My-Ft2)

【本人談】
浜田さんの還暦がどんなものかを考えたときに「テレビスター」「ピンマイク」を思いついた。「嗚呼」をつけたのは還暦感を出すために、長く年を重ねられた感じが「嗚呼」に入っている。

夏井先生 
これは2つのキーワードをうまく入れた句。
まず「還暦」を入れることによって、還暦のご挨拶の句であるのは、ちゃんと伝わってくる。
さらに、「ピンマイク」である程度の職業を想像させることができる。
この2つを入れて「初夏」の季語を入れて、ちゃんと破綻しない形で成立している点は褒めないといけない。
「幾度目のピンマイク」が「還暦」という言葉で吸収される仕組みになっている。
惜しいのはたった1点。
「嗚呼」なんてつぶやく必要はない。
本人 なんかいいじゃないですか。
夏井先生 「幾度目のピンマイク還暦の初夏」の方がよっぽどすっきりしている。
千賀さんは「嗚呼」つけた理由として「還暦という歳を重ねて」と仰ったが、作者が思っているほど還暦はまだ大して歳を重ねてない。
添削のようにしたらベスト3は間違いなかった。

本人 マジっすか?うーわ。「嗚呼」をこだわりとして書いたんですけどもね(笑)。
浜田 千賀君、ありがとうございました。
本人 悔しい。

●解説のポイント
還暦のご挨拶句
「ピンマイク」で職業を想像させる
「幾度目のピンマイク」が「還暦」に吸収される構造
惜しいのは「嗚呼」の1点
呟かない方がスッキリする
還暦は本人が思うほど年を重ねてない
添削例ならベスト3入り確実

添削後
幾度目の ピンマイク 還暦の初夏



5位◆『猛る友 抱くや白雨の アスファルト 的場浩司

【本人談】
浜田さんはよく覚えていると思う。『ADブギ』(※1991年のドラマ、浜田・的場・森口瑤子が共演)のロケをして、ドラマ撮影が終わり、ギャラリーの人たちが沢山集まっていて、自分らが移動するときに、プロレスラーの入場時のように体をバシバシ叩かれた。あの時、浜田さんは肩ではなく腹殴られてブチぎれて「お前かー!」となって飛びかかろうとしたのを俺が後ろから抱きかかえて「ダメダメダメ」と制止した時の…。

浜田 え、逆じゃなかった?
本人 いつもそのエピソード俺にしてますけど、あの時は俺が止めてます(笑)。
梅沢永世名人 これはエピソードとして最高じゃないですか。これで5位!?

夏井先生 
エピソードを書いているが、ちゃんと成立しているところは褒めなければならないと思う。
前半「猛る友抱くや」で2人の人物の描写になる。
ここから「白雨のアスファルト」で場面に行く。
「白雨」の夕立なら「降る」「打つ」と後に入れたくなるが、「白雨のアスファルト」だけで激しく降る夕立がアスファルトにバーッと落ちる後半も映像がしっかりできている。
しかも作者は見て知らないうちに上手になってるとビックリした(笑)。
直さないほうが良いと思う。

本人 いや嬉しい。ありがとうございます。

●解説のポイント
エピソードとして成立しているのが◎
前半で2名の人物の描写
後半で激しく降る夕立の場面の映像を確保
知らないうちに上手になったと仰天

添削なし



6位◆『ほんたうは 優しいくせに 青山椒 森口瑤子
※夏の季語「青山椒」で誕生日の浜田に送る挨拶句。

【本人談】
お祝いメッセージで皆さん仰っておられるように、浜田さんは実は優しい人。昇格できなかった時にも「惜しかったな」とか陰で仰って下さったり、本当は優しいんだよなと思いながら書いた。青山椒はけっこうピリ辛で清涼感があるが、他の食材と合わせると寄り添ってまろやかにしたり食材を引き立たせるため、浜田さんに合っているかなと思って使わさせていただいた。

浜田 フジモンはさっきから何なの?この句に対して。
藤本永世名人 ホントは優しいのかな?っというのが疑問ですね(笑)。だって、後輩の買ったばかりの車のボディー思い切り蹴ったりしますからね(笑)。ホントに優しいのかなって。

夏井先生 
この「ほんたうは優しいくせに」という呟きは、皆さんが浜田さんに対して多かれ少なかれ持っている気持ちだなと思う。
そういう意味で上五中七の台詞時代があると言えばある。
作者の一番の工夫は季語「青山椒」を取り合わせたこと。
前半でご挨拶を送る相手へのメッセージを書き、季語を選ぶタイプの句の時は、作者のイメージをそのまま表現すると考えるべき。
そうなると、「青山椒」の選択がとても良かったと思う。
このストレートな取り合わせがご挨拶の気持ちとして真っすぐ差し出されている。
ご挨拶句の1つの見本としてちゃんと出来ている。直しはいらない。

●解説のポイント
前半が皆が多かれ少なかれ浜田に思う気持ち
この台詞が俳句であると言えばある
季語が作者のイメージをそのまま表現する
季語の選択が大変良い
ご挨拶句の見本のような一句

添削なし



7位◆『青梅雨や ビンタを愛に 昇格す 勝村政信
※浜田と芸能人たちの親しい間柄を敢えて「ビンタ」という過激な言葉に込めた一句。

【本人談】
思った通りのリアクションが来て嬉しい(笑)。浜田さんが最初に出てきた時、僕らの大先輩でも頭パンパン叩いていて、"なんちゅう人が出てきたんだ"と思って驚いていた。結局、その方たちもその場も明るく楽しくなって、誰も浜ちゃんを怒らなくなって、(アントニオ)猪木さんと同じように皆喜んで(ビンタを)受けたがる(笑)。

夏井先生 
面白い切り口だった。
「青梅雨や」と季語を詠嘆し、「ビンタを愛に」と展開する。
こういう攻め方もあったかと愉快に読ませていただいた。
問題は下五の「昇格す」のこれ自体が説明になっているため、これさえ変えればかなり良い所までいった句。
俳句で詩を作る時の1つのテクニックとして"断定する"、言い切ってしまうというやり方がある。
「ビンタは愛である」と言ってしまう。
それで音数に少しゆとりができるため、季語を描写する。
青梅雨は青葉を育てていく美しい梅雨でもある。
「青梅雨は"豊か"ビンタは愛である」とする。
一同 凄い。
夏井先生 「ビンタ」はいかがなものかという今の時代(の風潮)はあるが、それはさておき、「ビンタを愛である」と断言するところに詩が生まれたりする。

本人 ついお祭りみたいな感じだから「昇格」と入れたくなっちゃて、この番組の。なるほど、勉強になります。
浜田 かっちゃん、ありがとうございました。
本人 こちらこそ。

●解説のポイント
面白い切り口で愉快な攻め方
下五「昇格す」が説明的
断定で言い切る方法を使い季語を描写
青梅雨は青葉を育てる美しい梅雨
"ビンタ"を愛だと思う社会的問題は一旦目を瞑る
ビンタを愛と断言するところに詩が生まれる

添削後
青梅雨 ビンタ



8位◆『(浜田雅功さん還暦)66穿く レジェンド 薫風の温泉へ 横尾渉(Kis-My-Ft2)

【本人談】
「浜田さん」とわかりやすく前書きで浜田さんの名前を出した。浜田さんのイメージは、ヴィンテージジーンズ(Levis 501 66)を履いているイメージで、リーバイス66と上五で何となくわかってくれるかなと。浜田さんの歌(H jungle with Tの)「WOW WAR TONIGHT」(※1995年)の歌詞でも"温泉でも行こうなんていつも話してる 落ちついたら仲間で行こうなんてでも"とあり、還暦でみんなで行けたらなという句にした。

浜田 なるほど~。
梅沢永世名人 これね、横尾君いい句なんだけど、ちょっと詰めすぎかな。あまりにも、詰めすぎちゃったなっていう句になっちゃいましたね。

夏井先生 
ご挨拶にエピソードと色んなものを入れようとすると、前書きに頼ろうとするこの判断は決して悪くはなかったと思う。
話を聞くと言いたい事がいっぱいあるようで、ここは良しとする。
「66穿くレジェンド」で「リーバイス」とどれくらいの人が理解できるか一種の賭けのところはあるかもしれない。
それぐらいが内容として入っているのかと思ったが、さらに「本歌取り」(※有名な歌を取り入れて自作する技法)までしていたと。
「温泉へ」の部分。
だとしたら、せめて「行こう」まで書かないと作者の意図は読み取りにくい。
前半と後半のどちらに重点を置くかで迷うが、前半は一旦置いておき、本歌取りをきちんとやってみる。
本歌取りの歌詞をもう少し入れる必要がある。
藤本永世名人 「時には起こせよムーブメント」かな?(笑)
夏井先生 そこまで入らないな。
浜田 そこまで入れんでええやん。
夏井先生 (前書きに)「浜田さん」とあって「温泉へ行こう」とあれば、あの歌だと気付く人の割合は増えるはず。
「温泉へ行こう薫風の」の後「66」とは書けないため、せめて「リーバイス」とすれば、前書きが効いてきて"66かもね"と思いやすい。
頑張った意欲作ではあった。

浜田 横尾君ありがとうございました。
本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
ご挨拶に加えてエピソードを入れた
材料過多で前書きを入れる判断は○
Levis 501 66を理解できるか一種の賭け
後半が浜田の曲「Wow war…」の本歌取り
「行こう」まで書かないと作者の意図が伝わらず
本歌取りをキチンとやる
「リーバイス」と前書きで66を思わせる
頑張った意欲作

添削後
(浜田雅功さん還暦)温泉へ 薫風の



9位◆『タイトルコール 飛び立つ 初夏の鳩よ 千原ジュニア
※「タイトルコール」とは番組のタイトルを大声で張り上げること。

【本人談】
浜田さんと共演したロケ番組のオープニングで、浜田さんがタイトル(コール)をどなる。ロケ地は公園だったが、大きい声のため浜田さんがタイトルコールを言ったら鳩が飛び立ったという句。これからもっと飛びはるやろうなとか。

志らく名人 とてもキレイな句ですね。だから、何がいけないのかなという。ちょっとクセがないというとこですね、何か凄く美し過ぎて。
浜田 パックンは?
本人 誰に聞いてんねん!(笑)
パックン いいじゃないですか。

夏井先生 
この句は気持ちよく成立していることを先に言っておく。
「タイトルコール」で場面もわかり、そして「飛び立つ」と。
【評価のポイント①:季語が生きているか、②季語が浜田らしいか】
今回の評価のポイントで、季語が活きているか、テーマ「浜田さん」にどこまで沿っているか。
それが評価軸になっている。
これを読んだ時に「初夏」という清々しい季語と「鳩」という生き物が、浜田さんのイメージをどこまで背負ってるか・抱えていくか。
句としてはそういう読みになっていく。
これが現実の現場だとしたら、それこそ前書きで「○○の現場にて」と情報があれば、また評価が変わったかもしれない。
今回、10位のフジモンさんと9位のジュニアさんは、句としてちゃんとできているので何を直さないといけないということはない。
ただ、浜田さんらしさをもうちょっと入れて欲しかったところになる。

浜田 ジュニアさんありがとうございました。
本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
気持ちよく成立していて場面もわかる
①季語が活きているか
②季語が浜田らしいか
初夏・鳩が浜田のイメージを背負っているか
前書き「~の現場にて」とあれば評価が変わった
句としては出来ているので添削はない
浜田らしさをもっと入れてほしかった

添削なし



10位◆『短夜や 秒でやり取りする LINE 藤本敏史(FUJIWARA)

【本人談】
浜田さんはせっかち。後輩とのLINE(アプリ)のやり取りで、後輩が何か送ったとすれば一言で"なんやねん"みたいなのをパッと送ったらすぐ返って来るイメージがあって、煩わしいことを嫌いそうやから、そういうLINEのやり取りしてるのかなと想像した。

夏井先生 
句としては十二分に成立している。
上五「短夜や」が夏の夜は明けやすい季語で、中七下五でワンフレーズ。
何かは分からないが、誰かと誰かまたはグループ同士で激しくやりとりしている夜であると。
ちゃんと成立はしている。
そうなった時に季語は生きており、今回のテーマ「浜田さん」に対してせっかちな感じの表現意図に寄り添うことはできる。
ただ、何か緊急の出来事、対応しないといけない事があってみんなでやりとりしてるというそういう句かもしれないという読みがもう一方にある。
浜田さんらしさがもうちょっとあったら良いなとの結論になった。
句としては直す必要はないが、テーマ「浜田さん」にもうちょっと沿って欲しい、そういうこと。

村上永世名人 10位で直しなしか。
本人 え~!
浜田 「え~!」ってしゃあない。
本人 直しないのにー、先生ちょっと。
夏井先生 はあ?
本人 先生、インスタやってらっしゃるじゃないですか。
夏井先生 だから何!?(笑)。
本人 僕もちろん…10位やからフォロー外したんねん(笑)。

●解説のポイント
基本形の句として成立して季語も活かした
グループのラインを激しくやり取り
せっかちな浜田のイメージに寄り添える
緊急対応の意味合いの読みもある
浜田らしさをもっと出すべきだった

添削なし



11位◆『浜ちゃんの 笑い声 慈雨の風鈴 立川志らく
※季語は「慈雨」と「風鈴」。「慈雨」は日照り続きの時に降る雨。

【本人談】
浜田さんの笑い声はどんなひどい場面でも楽しくしてしまう力があるのを聞いたことがある。恵みの雨の時ですら風鈴が鳴ると暑い風情の感じになると。それが私のなかでイメージが浮かんできたので、こんな風に詠んでみた。

梅沢永世名人 これが11位ですか?良い句ですよ。確かに季語は2つ入ってますよ。これは分かってお付けになったんでしょうね。
本人 ええ、敢えて。
梅沢永世名人 それなのに、嗚呼それなのに(笑)。11位ってのはちょっと…。

夏井先生 
これは良く考えている句で、ちゃんと「慈雨の風鈴」で伝わっている。
やっと降ってくれた恵みの雨、それに鳴る風鈴。
ただ「笑い声」の5音が勿体ない。
浜田さんらしい笑い声で2音で表現できる。
「呵々大笑(かかたいしょう)」という言葉を知らないだろうか。
「浜ちゃんの呵々」とすれば、これで大笑いのことになる。
藤本永世名人 へぇ~、知らんなあ。
夏井先生 いかにも浜田さんの笑い声にちょっといい感じになる。
「浜ちゃんの呵々慈雨に鳴る」とダメ押しで書く。
「慈雨に鳴る風鈴よ」とする。
こうすれば一躍10位以内でもかなりの上に行く。

本人 呵々は出てこないです(笑)。
北山 そうなんですよね。

●解説のポイント
良く考えている
「笑い声」の5音が惜しい
「呵々大笑」の「呵々」で2音に
10位以内でも上位にいけた

添削後
浜ちゃんの 慈雨風鈴



12位◆『還暦の朝 大幟 投げ上げよ 中田喜子
※「幟(のぼり)」は夏の季語で、還暦・開店・結婚などの贈り物の定番。おめでたい場の贈り物、幟に発想を飛ばした一句。

【本人談】
還暦の誕生日に浜田さんのファンの方・後輩の方が、幟に浜田さんの名前を書いて大空に揚げている光景を詠んだ。

藤本永世名人 すごく良い句やと思うんですけど、これ全ての還暦の方に当てはまるんじゃないのかなと。志らくさんでも勝村さんでも。当てはまるのではないのかなと、ちょっと引っ掛かりますね。

夏井先生 
【句の形態① 還暦の祝い・挨拶の句】
これはストレートに「還暦」という言葉を入れて、お祝いの気持ちを出そうとしている。
「朝」の時間帯を選んだのも良い。
ただ問題は「投げ上げよ」で、元気に表現しようとしたと思うのは分かるが、幟に対して投げ上げるという表現が良いのかどうか、少し迷うところ。
もう一つ、藤本さんが指摘した""還暦の人ならある程度当てはまる""という問題。
志らくさんに捧げる幟と読んでも、そんなに違和感はないという、ここの問題点かもしれない。
「投げ上げよ」の誇張表現は分かるが、もう少し穏やかにやっても良い。
「還暦の朝を掲げん」で""掲げよう""と言う感じに。
最後に「大幟」とすれば、調べが落ち着いて、志らくさんの落語の時に揚げてもいいのではないか(笑)。

千賀名人 話がすり替わっている。
藤本永世名人 志らくさんに対するね。
本人 決して志らくさんを意識したつもりはないんですけど(笑)。
藤本永世名人 そうなってしまうのよね。

●解説のポイント
前半が還暦祝いの挨拶句
「幟」に対して「投げ上げよ」に迷う
還暦なら誰でも当てはまる
誇張せずに穏やかに書く
調べが落ち着いて志らくさんの落語に掲げれば
(本人「決して志らくさんを意識してない」)

添削後
還暦の朝 大幟



13位◆『辞表書き ダウンタウンを 見る五月 犬山紙子

【本人談】
浜田さんとご一緒してる時よりも、お茶の間(のテレビ)で観ていた印象が強い。5月に母の介護のことがあり、退職しなきゃいけなくなったタイミングで、辞表を書きながらも傷心の気持ちをダウンタウンさんの漫才・番組で癒されたみたいな気持ちを詠んだ。

村上永世名人 良いですけどね。ダウンタウンでなかったら、みんながなるほどとならない。ダウンタウンってすごいなと思います(笑)。
藤本永世名人 そらそやな~。
浜田 なんか、いじられてる感じがするけどホントですか?(笑)
村上永世名人 他の何かコンビだったら、その人が好きなだけかなってなるんですけど、ダウンタウンって聞くとあ~なるほどっていう。
藤本永世名人 ひょっこりはんじゃダメですもんね(笑)。
浜田 ひょっこりはんでもええやんか(笑)。

夏井先生 
【句の形態② 浜田を題材にした実体験の句】
こちらは自分にグッと引き寄せた句。
(11位の)志らくさん、(12位の)中田さんの句はご挨拶の心を前に出した句だが、こちらは自分に引き付けて詠んだタイプ。
やろうとしてることも悪くない。
あと、ブラッシュアップするとすれば、この句は語順が逆だと思う。
ダウンタウンで笑っているとやって、落差を作る。
「見る」が勿体ない。
ここは「笑う」とダメ押しする。
「ダウンタウンに笑う五月の辞表を書く」と言い切る。
ケラケラ笑ってるところからシリアスなところにすっとくる。
こうした方が絶対に季語も生きる。
藤本永世名人 それええわ。
夏井先生 ただ、この13位までは技術がしっかり、ちゃんと意図も分かる(笑)。

北山 うわ、怖い怖い怖い怖い。
藤本永世名人 先生、それ言ったらアカン。
夏井先生 ここで一旦、14位から下は線引きです(※14位以下は団栗の背比べ)。
藤本永世名人 14位可哀そうやん。

●解説のポイント
浜田を題材に実体験を詠んだ句
挨拶句ではなく自分に引き付けた
語順を変えて落差をつける
「見る」は不要なケース
「書く」で言い切る
笑っている場面からシリアスな展開に
13位までは技術がしっかりしていた

添削後
ダウンタウン 五月辞表書



14位МCの ちゃん付け憎し アイスティー 馬場典子

【本人談】
「プレバト!!」に出させていただいた初めの頃は「馬場’さん’」と浜田さんに呼ばれていたが、数回参加してるうちに「馬場’ちゃん’」とちゃん付けに変わっていて、私としては居場所をいただいたような嬉しい気持ちになった。浜田さんの優しさが身に染みて、そんなことを思い出しながら飲む(アイスティー)。

浜田 (急にウソ泣きし始める)
藤本永世名人 いや、噓でしょ(笑)。
本人 そんなにダメですか?14位(笑)。
千原永世名人 気持ちは非常に分かるんですけど「憎し」がどうかな~という。
本人 そうなんですよ。

夏井先生 
【句の形態③ 浜田のエピソードの句】
浜田に寄せたエピソードを一句にしたタイプ。
たった17音でエピソードを書くのは本当に難しいこと。
ジュニアさんが指摘した、この「憎し」が悩ましい。
「憎し」は意味が2つある。
(「憎し」:①許しがたい・②感心する)。
本人の意図は②「憎いことをしてくれた」で後者だが、この書き方だとわかりにくい。
これはエピソードも書いて自分の思いも書くとすれば、こここそ""前書き""が必要なタイプの句かもしれない。
(※前書き:句の前に付け加える言葉で、作られた場所や月日などを記す)。
こういう人に対して贈りたい気持ちの一句だと句の前に添える。
このMCが誰かというのを前書きにする。
(MC浜田さんへ)ぐらい。
「ちゃん付けで初めて呼ばれしアイスティー」とする。
浜田さんへの嬉しさがもっとストレートに通じる。
本人 はい、はい。
夏井先生 そういうことなんです。

本人 そうか。

●解説のポイント
浜田のエピソードを詠むタイプの句
17音でエピソードを詠むのは難しい
「憎し」は①許しがたい・②感心する
エピソード+自分の思いを入れるなら奥の手
(MC浜田さんへ)と前書きを
嬉しさを中七でストレートに表現する

添削後
(MC)ちゃん付け  アイスティー



15位◆『お前しかおらん 改札若葉風 春風亭昇吉

【本人談】
凄く本を読んで調べたが、浜田さんは高校が嫌で一旦(地元に)帰ってきて、中学の友達と遊んで近鉄線に乗って折り返して松本さんに電話していた(*1)。松本さんに「電車賃持って鶴橋で待っていてくれ」と言った。 "お願いできるのはお前しかおらん、改札で待っていてくれるお前しかおらん、相方になるのはお前しかおらん" という俳句の意味。

浜田 えらいエピソード言うな~。
***
志らく名人 やっぱりあの~、本を読んで俳句を作ってるっていう東大の悪いところが出ましたね(笑)。言われないと分かんないもん。何だかこれ。

夏井先生 
浜田さんご本人であれば、この句を読んだ時には「あの時のことかな」と思い当たるかもしれない。
ただ、俳句の17音で事情を察してくれはなかなか難しいと思う。
ただ、1か所語順を変えると季語は気持ちよく吹くようにはなる。それだけやる。
「お前しかおらん若葉風の改札」と持ってくる。
改札という所が見えてくると、風がざぁ~っと吹き抜けていく。
そういう構造を作ることはできる。

本人 まあ、おっしゃる通りです(笑)。
藤本永世名人 あっさり。

●解説のポイント
(相方の松本に電車賃をねだった過去)
本人しかエピソードが分からない
17音で事情を察するのは難しい
語順を変えれば季語が活きる
風が吹き抜ける構造を作れる

添削後
お前しかおらん 若葉風改札



※16~20位は放送終了後、TVerにて夏井先生が解説(現在は公開終了)。

16位◆『摘まるるな 棘あればこそ 野薔薇ぞ 武田鉄矢

※浜田を還暦のシンボルカラー「赤いバラ」に見立て、いつまでも鋭いツッコミ芸人であれと詠んだ一句。

夏井先生 
まず、「棘あればこそ野薔薇(のいばら)ぞ」というご挨拶の気持ちはわかるが、俳句というよりは格言みたいな感じになったかもしれない。
ご挨拶の気持ちが少し損をした。

●解説のポイント
俳句というよりは格言みたい
ご挨拶の気持ちはわかるが少し損

添削されず



17位◆『伝説が どかんどかんと 夏に入る こがけん(おいでやすこが)

※2022年、なんばグランド花月でダウンタウンが披露した漫才を見たその衝撃を詠んだ一句。

夏井先生 
「どかんどかんと夏に入る」というフレーズは個人的には好き。
面白いとは思う。
ただ「伝説」というのがどういう伝説なのか、そこが分かりにくい。
これこそ長い前書きが必要だったのかもしれない。

●解説のポイント
中七下五のフレーズは面白くて好き
「伝説」が分かりにくく前書きが必要

添削されず



18位◆『不屈の漫才師 客知らぬ背汗 森迫永依

※バラエティー(番組)で見た漫才で、観客には汗一つ見せず、ただ背中に滝汗が流れていた。そんな芸人の姿を詠んだ一句。

夏井先生 
「不屈」というのに尊敬の意味を込めたのは凄く良くわかる。
漫才師の皆さんは、ある程度みんな不屈の精神でやってるし、みんな背中に汗かいているだろうと。
そこの差別化が少し足りなかった。

●解説のポイント
「不屈」に漫才師への尊敬の意味を込めた
漫才師はみな不屈の精神で差別化が弱い

添削されず



19位◆『汗光る 結果発表の 声の鞭 北山宏光(Kis-My-Ft2)

※バラエティー(番組)で見せる浜田の大声を詠んだ一句。

夏井先生 
(18位と)同じことがこの句にも言える。
「結果発表」は私たちは「プレバト!!」と馴染んでいるので、(浜田氏の)「あ!あの声!」と分かるが、世の中には様々なコンテスト・競技会がいっぱいある。
もう少し浜田さんを思わせる要素が欲しかった。

●解説のポイント
世の中には様々な競技会がある
「結果発表」だけでは浜田の要素が弱い

添削されず



20位◆『風死す初ライブ ツッコミただ痛し パックン(パックンマックン)

※相方・マックンが浜田の真似をして鋭いツッコミをしてみるも、力み過ぎて滑ってしまったという体験を詠んだ一句。

夏井先生 
読んだ時、ひょっとして浜田さんの初ライブのことを書いたのかと思った。
テーマが「浜田雅功」のため誤解を生みやすい。
自分の初ライブだというところまで少し読み取りにくいという、そんな感じであった。

●解説のポイント
自分と浜田のどちらの初ライブか不明瞭
テーマが「浜田雅功」のため誤解を生む

添削されず



清水アナ ということで、浜田さんを詠んだ20の俳句でしたが、いかがでしたか。
浜田 いやもそれは恥ずかしいのもあるし、ありがたいのもあるし、ホントすみません番組使ってわざわざ私の句を詠んでいただいて、みなさんありがとうございました、すいません。
一同 (拍手)
清水アナ そして、みなさんの作品は記念として一冊の本にまとめました(※イラスト:田口奈津子先生・背景:野村重存先生、合作の表紙)。これ今日のために作りました。
浜田 え、どうすんの?
清水アナ これを浜田さんに差し上げます。
浜田 え、俺に?ありがとうございます。
一同 (拍手)
藤本永世名人 一冊だけ。
清水アナ 中是非見ていただいて。
浜田 ちゃんとこうやって皆さんの俳句と写真が…(右ページに写真と人名、左ページに俳句が掲載されている)。ちゃんと載ってますよ。
清水アナ 還暦祝いの品として。
浜田 ありがとうございます。
清水アナ おめでとうございます。俳句浜田杯を制した梅沢さんにはトロフィーが贈呈されます。
浜田 これは後にも先にもこれ1本。優勝は梅沢富美男さん!おめでとうございます!
梅沢永世名人 ありがとうございます。






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コメント

Re: 編集後記について

そのまんま名無し様

「編集後記」及び「編集後記の後記」に掲載した内容に関しまして、返信コメントありがとうございます。
また、拙句の細かい鑑賞及び添削例まで頂き、誠に感謝申し上げます。
拙句への批判に関しては想定しておりましたが、それ以上に非常に丁重に分析して頂き大変有り難い次第です。

今回は拙句の査定と添削を担当しました着流きるお氏が拙句及び添削例に対する当ブログへの反応に関心を示しており、また私自身も複数の方に批評して頂いて今後の俳句作りに役立てたい思いから、コメントの募集をさせていただきました。この度はご協力いただきまして、誠にありがとうございました。

コメントの引用を行いながら意見を述べさせていただきます。

> 生徒指導
> ・最近の生徒指導の方針は、「自分らしく生きられるように、児童や生徒が自発的・主体的に成長や発達していくのを支える教育活動」と定義づけられ、「自殺防止」「いじめ対策」といったものも謳われている(2022年、文科省による生徒指導提要を参照した)

⇒「生徒指導」そのものに関しては各学校の任意に任せる部分が最近は大きいようです。特に昔はいわゆる「体罰」に近い言動を行っていた学校も多く、現代的な風潮を考えても「体罰」「殴る」などの表現はなかなか拙句に入れ込めなかった現状があります。きるお氏からは直接「殴られ」と強い動詞を入れるべきと添削指導を頂きましたが、この判断が難しく、1人称で読まれると作者自身の体罰の体験談と誤読される点、また教育委員会や学校関係者から事実確認の追及を受ける可能性もあり、回想句として解釈せざるを得ない状況があるのです。その点「体罰」「殴る」など強い表現を俳句に入れる際は真に細心の注意を払うべきだと身をもって感じています。


> 厳しき初夏の
> ・初夏については、大歳時記や新歳時記などを見ていくと、立夏から梅雨入り前あたりの期間で、爽やかで青葉などが生い茂る生命力にあふれる期間。
> ・ここに上五の生徒指導が重なると、本来爽やかで過ごしやすい季節なのだが、そんな中での猛暑や冷え込みを感じさせられるような生徒指導があったのだな、と捉えられる。

⇒まさしく仰る通りです。「初夏」は暑さ寒さを持たない時候の季語で、溌溂さや生命力の宿った時期であること。そして生徒指導の厳しさが年度初めを過ぎてより強く表れている意味合いを重ね合わせたことになります。


> 松葉杖
> ・つまり、私はこのエピソードを知らなかった。だから、浜田雅功さんが松葉杖を使わないといけないようなケガを負わされるような生徒指導を受けたのか、それとも、教師が松葉杖をついていたか、あるいは、生徒指導中に浜田さんにボコボコにされて松葉杖を使わないといけなくなったのか、などと良く分からなくなった。
> ・エピソードに寄り掛かった句だったかもしれない。

⇒そこが拙句の最大の問題点です。「松葉杖」の主体が不明であり、「厳しき」と入れたことで1人称か3人称かも不明なので、場面展開を読み手に投げてしまったことになります。松葉杖がどのように使われたか、動作も不明のため、非常に不鮮明な映像となってしまいました。このくらいのことは読み手が想像してくれると慢心したのが仇となったのです。


> 厳しき初夏や生徒指導の松葉杖
> (厳しい初夏である。生徒指導の松葉杖)→これだと、「生徒指導」が「生徒指導主任教諭」等の役職を略したものと読まれる可能性が高くなり、松葉杖を持つ者の主体が誰にあるか少しでも分かるのではないか?と考えました。

⇒自身の考えに寄り添った添削例を頂きありがとうございます。上五字余りは考え付きませんでした。「厳しき初夏」とすることで、生徒指導の輝きがより増してくるように思います。ちなみに自身が考えていた添削は以下の通りです。

① 初夏(はつなつ)や生徒指導の松葉杖
② 松葉杖の教師や初夏の生徒指導   ※「教師」は「顧問」「教諭」なども可

①は基本型に沿った形で、①②ともに3人称目線がほぼ明確です(「厳しき」と入れることで当事者目線の可能性が強くなり、人称が曖昧になりやすくなります)。ただ、①は松葉杖の主体はやはり抽象的なのが難しい部分です。本来「松葉杖」は歩行用補助機器として用いるため、足が不自由になっている人物が想定されます。浜田氏が殴られた当時の恩師がなぜ松葉杖だったのかは明確に存じ上げませんが、当事者の先生も足を骨折するほど厳しい指導状況にあったか激しい運動部の顧問だった可能性があり、松葉杖の状態でも生徒指導を行えるほどタフな人格であることが伺えます。その点は句またがりの②で人物を明確に出す方が得策となる可能性があるのではないかと分析をしています。

「編集後記」の分析表に関してお褒めのお言葉ありがとうございます。毎回は多分できませんが、人称の違いで句意が大きく変わる場合など積極的に利用していきたいと考えています。

また、そのまんま名無し様におかれましては、毎週非常に高度な分析・鑑賞のコメントを頂いており、自身の講評を執筆する際に大いに役立たせて頂いております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

最後になりますが、今後とも当ブログをよろしくお願いいたします。

編集後記について

白プロキオン様におかれましては、鯖の弁当会において、浜田杯の回の編集後記についてコメントを募っておりました。

毎週の書き起こし、各句へのコメントと、大変な労力を費やしていると考えられます。そんな中、コメントを募ってらっしゃるのを見ると、それに応えるのが毎週へのお礼だと考えられました。

まずは、編集後記について。
句材、季語とその季語の分類、句の人称、句の持つ性格を分類している表が大変興味深かったです。
これを特別回だけでなく通常回でもやっていくと、出演者の句の傾向や、兼題写真によってどんなタイプの季語が使われやすいのかなど、データが蓄積されるかと思いました。
個人的にもやってみたいとは思いましたが、なかなかそこまで気力も体力も続かないだろうな……やれたら今後の作句に役立ちそうなのですけども。

編集後記の後記について。
「句に関して、ご意見を頂けますと幸い」とありましたので、「生徒指導厳しき初夏の松葉杖」について、解釈と鑑賞をするのがお礼代わりとなるかもしれません。ただ、句に対して真摯に向き合っていきたいと思うので、もしかすると白プロキオン様を不快にさせてしまうかもしれません。

生徒指導
・この語句の良い点は、指導される生徒とする側の教師、立場の違う者が二人以上は句に登場させられること。
・一方、生徒指導担当の教員、という一人の人物にも捉えることもできる。
・浜田杯なので、浜田雅功さんが学生だった頃の生徒指導、例えば、素行不良な生徒を強面の教師が追っかけまわしていたり、怒鳴りつけたり体罰を喰らわせている光景が浮かぶ。しかし、浜田杯という冠を取っ払って句だけ残ると、最近の生徒指導との齟齬が生まれる。
・最近の生徒指導の方針は、「自分らしく生きられるように、児童や生徒が自発的・主体的に成長や発達していくのを支える教育活動」と定義づけられ、「自殺防止」「いじめ対策」といったものも謳われている(2022年、文科省による生徒指導提要を参照した)

厳しき初夏の
・初夏については、大歳時記や新歳時記などを見ていくと、立夏から梅雨入り前あたりの期間で、爽やかで青葉などが生い茂る生命力にあふれる期間。
・この期間中に敢えて「厳しき」を合わせると、梅雨に入る前でも真夏日になる昨今の気候を思い出しもする。
・「寒」ほどでなくとも、急激に冷えることもある厳しさもある(実際、北海道では暦上の立夏を過ぎても雪が降ることもあるし、東北あたりでもヒーターや炬燵を片付けていない場合が多い)。
・つまり、「厳しき」により、初夏の時期に似合わない暑さや寒さがあるのだな、と捉えられる。
・ここに上五の生徒指導が重なると、本来爽やかで過ごしやすい季節なのだが、そんな中での猛暑や冷え込みを感じさせられるような生徒指導があったのだな、と捉えられる。

→ここまでで、生徒指導があった、それは初夏だった。初夏とは言え、変に暑かったり寒かったりと、季節の厳しさを感じられる日だった。と。

松葉杖
・私はここで「ん?」と思った。先に、生徒指導によって教師と生徒の二人以上が句に現れると記したが、この松葉杖は誰が持っているの?と。
・句の詠み手は、教師が松葉杖を使っている状況と、その杖で浜田さんが殴られたというエピソードをご存じであるが、このエピソードを知らないと、読みを誤る語句だと思った。
・つまり、私はこのエピソードを知らなかった。だから、浜田雅功さんが松葉杖を使わないといけないようなケガを負わされるような生徒指導を受けたのか、それとも、教師が松葉杖をついていたか、あるいは、生徒指導中に浜田さんにボコボコにされて松葉杖を使わないといけなくなったのか、などと良く分からなくなった。
・エピソードに寄り掛かった句だったかもしれない。

句全体としての自分の解釈は、こうでした。
生徒指導(があった)。(気候的には爽やかなはずの)初夏にありました。(その日は初夏とはいえ、暑かったり寒かったり)厳しさを感じる日でした。(生徒指導も厳しく、体罰を受けて)松葉杖(を使わないといけなくなりました)

原句の語句をなるべく変えないで、かつ、少しでも誤読を防ぐ(松葉杖を持つ主体が誰か示す)には、例えば、字余りを恐れず語順を入れ替えて、

厳しき初夏や生徒指導の松葉杖

(厳しい初夏である。生徒指導の松葉杖)→これだと、「生徒指導」が「生徒指導主任教諭」等の役職を略したものと読まれる可能性が高くなり、松葉杖を持つ者の主体が誰にあるか少しでも分かるのではないか?と考えました。

句を誉める形になれなくて申し訳ありませんが、今回のコメントは以上です。

なにはともあれ、毎回の更新を楽しみにしているのは確かですので、今後ともよろしくお願いします!!

浜ちゃんとコロッケ

 日本で一番長い天神橋筋商店街の中に、浜ちゃんの大好きなコロッケ屋さんがあり、それをしばしば楽屋見舞いに持っていくことは、関西では有名な話です。梅沢さんも多分、このコロッケを差し入れてもらったことがあるんじゃないかな。

 プロキオンさま
 更新お疲れさまです。そしてありがとうございます。一読者として、毎回、楽しみに拝読しています。

御大の句だけ

6月頭くらいまで仕事が忙しいので未だ映像を部分だけしか見てないので、御大の句だけ感想を申し上げます。

浜田雅功さんの還暦を祝うという、一回きりで二度とないタイトル戦でしたが、番組の黎明期からご活躍されてきた御大が1位なのは感慨深い結末でした。
番組として、しんみりと終わらないのが、また良かった。

「夏シャツがコロッケ百個下げてくる」。
Yシャツの形はしているけれど、木綿とか麻とかの素材でできたやつが、いかにも涼しげな人、そんな人が、コロッケという庶民的な食べ物を、しかも豪快に百個、自分で両腕に下げてくる。
句を見ると、藤本永世名人の指摘通り、どこにも直球的な「浜ちゃん」はいない。
しかし、夏シャツ、コロッケ、百個、下げて来る、と、なんとなく浜田雅功さんに当たらずとも遠からずというワードが並べられる。
連想ゲームのようなワードの選択。そして、ここに今回の兼題が提示されると、確かに「浜ちゃん?」と思える仕掛けです。
修正するなら、「コロッケ」を「くら寿司」とするくらいでしょうか。

良い句だと思いましたし、好きな句でした。

今回は

心に残った方のみ

千賀名人

若い方が詠む還暦の方への俳句として解釈するなら「嗚呼」はあってもいいような気がします。

小さなころに想像する大人と実際に大人になってからのギャップを
若い世代と還暦に置き換えたらわかりやすいかなと。


横尾名人

前置きで浜田さんの名前を書くなら「レジェンド」は不要でしたね。その4音を季語の描写に使ってほしかったです。

犬山紙子さん

五月病にかかった新社員の句だと感じてしまいました。

梅沢名人

この句は季語が鍵を握ってましたね。


最後に拙句を詠ませていただきます。

アイスティーも悪口も敬語もうまし

毎度、

ブログ投稿、お疲れ様です!
そして、ありがとうございます!

感謝の一句。

プロキオン 見守る子規や 初夏の空

昨日のプレバト

おっちゃん(梅沢さん)が約5年ぶりの優勝を果たすといい、13位以下が全員特待生(犬山さん、馬場さん、昇吉さん、武田さん、こがけん、森迫さん、北山くん、パックン)といい、名人が8人も10位以内にランクインするといい、個人的には素晴らしい内容でしたね。
改めまして、浜田さん、還暦おめでとうございます。

追記
今回は色々とテロップミスが目立ちましたね。(特に、千賀くんの段位が「8段」から「4段」になっていたり、段位表のシーンで、パックンが特待生5級の位置にいたり、皆藤さんが名人3段の位置にいたりなどと違和感の連発)

更新お疲れ様です。

御大4年8ヶ月ぶりの優勝、おめでとうございます。
俳句の方も良い意味で肩の力が抜け、夏井先生がおっしゃったように浜ちゃんが一目で出てくるわけではないけど、皆んなに慕われる気さくな人物がありありと想像でき、浜ちゃんのイメージにぴったりと寄り添う秀句だと思いました。文句なしの優勝です。

他の方の句ですと犬山さんの句が(技術がしっかりしてると言われた13位以内の中ではビリだったけど)好みでした。
非常に共感性の高い内容で、個人的には原句でも良いと思いました。

浜田さん、還暦おめでとうございます。

更新大変お疲れ様です

最後1位と9位が残った所で「ああ、今回も御大9位かなぁ」と思ってたところで最後御大の顔が出て「うおおおおお」と思わず声を上げてしまいました。

他の方が浜田さんを象徴する物・言葉を具体的に入れて失敗してしまったのに対し、一見すると浜田さんの事を書いていないのに何故か浜田さんが見えてくる。楽屋に笑顔でコロッケを持ってくる画がありありと見える。御大に対してはきつめのツッコミをしながらも、優しくて礼儀を弁えていて人の為にお金を使うことを惜しまない気風の良さも伺える。そんな浜田さんの良い所を凝縮したような句でした。

タイトル戦は4年8ヶ月ぶり。もちろん贅沢を言えば季節のタイトル戦を取ってもらいたいのはやまやまですが、それでも才能査定ランキングの前、番組最初期の「代理対決時代」から出演していた御大が長年公私に渡り親交の深い浜田さんの句で優勝するのがとても感慨深くじーんとしてました。やはり番組を引っ張るのはこの2人でないと。

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