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20230223 プレバト!!俳句紹介【富士山】

2023年2月23日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※26日未明に全て更新しました。
→プレバト!! 公式ツイッター/公式インスタグラム

挑戦者→山本千尋[初],寺田心[初],きむ[初],新浜レオン[初],藤本敏史[88],村上健志[83],梅沢富美男[187] ※数字は挑戦回数

●お題:富士山
富士山
※2月23日は語呂合わせで「2(ふ)・2(じ)・3(さん)」の日。横浜の街並みが近景の写真。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点山本千尋
中華街の少女の旋子風光るちゅうかがいのしょうじょのしゅえんずかぜひかる
2凡人2位65点寺田心
山笑う白髪の父と観覧車やまわらうしらがのちちとかんらんしゃ
3凡人3位60点きむ
(インディアンス)
風光る車掌誘なう窓の富士かぜひかるしゃしょういざなうまどのふじ
4凡人4位50点新浜レオン
春一番富士のいただき捕まえてはるいちばんふじのいただきつかまえて
5永世名人へ1つ前進
※本人談で査定判断
藤本敏史
(FUJIWARA)
春の山ひつじに空の名を与へはるのやまひつじにそらのなをあたえ
6永世名人28句で掲載ボツ村上健志
(フルーツポンチ)
富士山の胴へふらここ漕ぐ少女ふじさんのどうへふらこここぐしょうじょ
7永世名人49句で掲載ボツ梅沢富美男
沸点の富士に近づく暮れの春ふってんのふじにちかづくくれのはる
順位発表順:3位→最下位→2位→1位
→編集後記

寺田心初挑戦※デビュー当時3歳の天才子役は現在中学2年の14歳。「明日、ママがいない」「おんな城主直虎」などに出演。百人一首が得意。
梅沢永世名人「本当に大きくなったね。おじさんも天才子役だったから~(笑)」
「あ~ほんとに、お世話になります。」
→浜田がペッと唾を吐く
「自信はちょっとあります」
山本千尋初挑戦※2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で刺客トウ役を熱演した女優で26歳。次回予告に出るたびにSNSでは「誰かが殺される」と話題に。元武術太極拳の選手で、世界ジュニア武術選手権で2度優勝している。
藤本名人「何人殺したんですか?」
結構殺しました(笑)」
きむ「言い方良くない」
→この後、挨拶代わりに自慢の剣術を披露。剣を持った浜田も真似するがよろけてしまう。
「ちょっと賭けに出てしまった所があるので、それが先生にどう評価していただけるか…」
***
→ランキングシートに座る際に階段を上りながら下位出演者に詰め寄る仕草をし、フジモンらに「可愛い」と言われる。
きむ初挑戦※吉本興業の芸人・インディアンスのツッコミ担当。村上の俳句YouTubeを見て勉強した。相方はストーンアートに挑戦した田渕章裕。
新浜レオン初挑戦※演歌の第七世代。以前消しゴムハンコに挑戦している。
★ランキングシートの分布は明かさず発表。才能アリ1名、凡人3名才能ナシ0名

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 山本千尋
中華街の 少女の旋子 風光る

藤本名人 何?うん?
梅沢永世名人 シュエンズ? 

【本人談】
私の横浜のイメージだと、幼少期に中華街で初めて中国武術の演舞を披露した。そこで旋子(シュエンズ)という技があり、少女が中華街で旋子(シュエンズ)を披露して、富士山のような日本一を目指して頑張っていく姿を想像しながら作った。

梅沢永世名人 素晴らしいですね。
本人 え~。
梅沢永世名人 もう「旋子」ときたら、もうこれ中国って感じがしますもんね。

夏井先生 
素材にとにかくオリジナリティーがあるのは言うまでもない。
ちょっとだけ惜しい点がある。
さきほどこの句が読み上げられた時、出演者の皆さんが「旋子」と呟いていた。
ほとんどの人が「旋子」何かわからないままこの句の前に立っている。
浜田 確かにね~。
夏井先生 俳句は短いため、読み手に対してちょっとだけ親切に小さな情報を入れるだけで作品を理解してくれる人の割合が増える。
例えばどうするか。上五を少し変える。
浜田 「技」や。
夏井先生 その通り。今誰か言いましたね。
藤本名人 浜田さんです!(笑)
浜田 うるさいな。うるさい。
藤本名人 もっと褒めてあげて下さい。浜田さん、褒められると凄い喜ぶんですよ~!
浜田 アハハ。
夏井先生 浜田さんの仰る通りです。
浜田 いやいやいやいや。
藤本名人 すごい喜んでるでしょ。
夏井先生 上五に「技の名は」として「旋子」に。
梅沢永世名人 なるほど。
夏井先生 親切にやろうと思ったら「シュエンズ」とルビをふる。
そうしたらこういう読み方をするのかと。
後半は「風光る少女」と着地する。
藤本名人 あら~。いいね。
本人 凄い。
夏井先生 「風光る」は季語としての力を発揮しつつ、風光るかのような少女だというのも一緒に表現してくれる。
あなたは勉強なさるとこういうことも出来るようになりそう。
そして、あなたひょっとして。
本人 はい。
夏井先生 (大河「鎌倉殿の13人」の)善児の後の殺し屋のお嬢さん?
本人 (ニッコリして)そうです。私です。
夏井先生 うわ~。こんな可愛い人だったんだ(笑)。ビックリしました。
本人 嬉しい。
梅沢永世名人 なっちゃん。去年俺が出てたドラマ(→「ファーストペンギン」)観てくれた?
夏井先生 知らん(笑)。

きむ 知らん。
田渕 知らんかった。

●解説のポイント
素材にオリジナリティー
「旋子」が読者に分からないのが惜しい
小さな情報を補足して理解しやすく
「技」を入れる(浜田指摘)
技名に「シュエンズ」とルビを
語順も「風光る少女」に
季語が少女の様子も一緒に表現する

添削後
旋子 風光る少女


◆2位 凡人65点 寺田心
山笑う 白髪の父と 観覧車

梅沢永世名人 あ~いい。
村上永世名人 うん。良いけどね。

【本人談】
久しぶりにお父さんと観覧客に乗って、お父さんも凄く白髪が増えたなと思うけど、今も昔も春の山は楽しげだなと感じる様子で。

夏井先生 
父との光景をほのぼのと詠んでいるのが良い。
ただ少々減点した。「白髪の父」はかなりのご年配だと思う。一緒に観覧客に乗る。
そうなると「山笑う」という明るい季語だけで、この光景を表現できているのかどうか。
少しそこに不安が残る。
今わかってみると作者がこんなに若い。
「白髪の父」というのはそんなにご年配おじいちゃんではないということが今わかった。
「白髪の父」に何らかの言葉を足さないといけないため、やはり「山笑う」の季語では少々無理が出てくる。
語順は「観覧車」から。「観覧車の春よ」と軽く詠嘆する。
「白髪の増えた父」とここで止める。
梅沢永世名人 なるほどね。
夏井先生 こうなると、まだまだ若いけど気が付いたら父の白髪が増えている。
これで年齢がある程度絞られる。
中学2年生でここまで出来たら大したもん。はい、楽しみにしている。

田渕 めっちゃ評価高い。
本人 良かった。

●解説のポイント
父との光景をほのぼのと詠んだ
白髪の父は年配のはずだが作者が若い
明るい「山笑う」の選び方に無理がある
「観覧車の春よ」と軽く詠嘆
「増えた」と明確に
父の年齢がある程度絞られる
中2でこの出来なら大したもん

添削後
観覧車の 白髪の 


◆3位 凡人60点 きむ(インディアンス)
風光る 車掌誘なう 窓の富士

梅沢永世名人 なるほどね。

【本人談】
新幹線に乗っていた。(車掌が)「今日は天気が良いので富士山が見えます」とアナウンスしてくれた。その車掌の声が嬉しそうだった。その温かくなった気持ちを詠んだ。

梅沢永世名人 まあ良い俳句は良い俳句ですよ。ただね、あの「誘う」あたりが凡人なんだよ。
本人 「誘う」の所が凡人ですか?
村上永世名人 「車掌」とくれば「窓」が要らないとか。
本人 あ、要らないんすね。
村上永世名人 「アナウンス」とかの方が良いんじゃないかな。
藤本名人 「なう」がTwitter🕊してるのかな?みたいな感じが(笑)。
本人 違います、違います。

夏井先生 
基本の型はちゃんと勉強しているのがよく分かる。
やっぱり永世名人は偉い。
問題点はこの「誘なう」という動詞。これが説明になってしまった。
俳句は映像を書くことを1番に考えてほしい。
「風光る」の後、(「車掌」「窓」を)「車窓」の方にもっていく。
藤本名人 あ、そうか。
夏井先生 「車窓よ」と軽く詠嘆する。
この後は村上さんの言う通り。「アナウンス」と書くだけ。
山本 すご~い。
本人 「車窓の」か。
夏井先生 そうそう。
こうすると、「車窓」の窓の光景に目を持って行って、車掌の人物がアナウンスの声として出てくる。
初挑戦でここまで出来たら、望みはいっぱいある。

本人 うお~。やった!やったやん。

●解説のポイント
基本型は勉強している
動詞「誘なう」が説明的(御大指摘)
「車窓よ」として軽く詠嘆
「アナウンス」と書く(村上指摘)
車窓の光景と車掌の声が出てくる
初挑戦でこの出来なら望みが一杯ある

添削後
風光る 車窓富士の 


◆4位 凡人50点 新浜レオン
春一番 富士のいただき 捕まえて

藤本名人 うん?

【本人談】
小中高と野球をやってきた。野球は冬のトレーニングを越えて春一番の砂嵐を浴びてシーズンが始まる。それが歌い手になった今も変わらない気持ちでいる。

夏井先生 
これも基本型を勉強しているに違いない。
ただフワッとしているイメージ。
しかも話を聞いてみると「いただき」は富士の頂ではなく、自分の志や夢のようなものを象徴していると。
となると、ますますイメージになってしまう。
いっそ富士を諦めて、ご自身の何かの頂を掴もうとしているような意味に書くしかないと思う。
富士はいつかどこかで自分で勝手にやって下さい(笑)。
「頂」と漢字で書く。
「掴まん」と持っていく。何かの頂を掴もうとしている感じになる。
「春一番よ吹け」と命令してみる。
本人 うわ~、凄い。
夏井先生 私に吹けと持ってくる。
こうすると、頂を掴もうとしているこの私に「春一番の強い風よ吹いてくれ」と後押ししてくれている。

本人 もうホントに次の曲のタイトルは「春一番」でいこうかなと(笑)。
浜田 なんでやねん!
きむ 影響されやすい。

●解説のポイント
これも基本型を勉強している
フワッとしているイメージ
「いただき」は自分の夢を象徴した意図
富士を諦めて何かの頂を掴む意味に
「春一番よ吹け」と命令する
頂点を目指す自分に春一番よ吹けと後押し

添削後
 春一番


★永世名人への道★

→<名人10段>・藤本敏史(FUJIWARA)は星4つで永世名人に王手。
藤本名人 色々ね、後退して前進して後退してやっとここまで来ました。

◆『春の山 ひつじに空の 名を与へ 藤本敏史(FUJIWARA)

梅沢永世名人 ふふっ。フジモンらしいな。

【本人談】
春の山にある牧場で羊の赤ちゃんが生まれ、パッと空を見たら凄く綺麗だったため、"空"の名前をつけたと。

梅沢永世名人 いやこれフジモンらしいわな。可愛らしくてほのぼのとして。
本人 可愛いでしょ?
梅沢永世名人 この「ひつじに空の」と…じゃあ「空ちゃん」とかいう名前を与えたんだ。
本人 いや、空っていうのも色々あるじゃないですか、名前が。オスやったら「快晴くん」とか。
梅沢永世名人 ああ~。

★評価ポイント
「空の名を与へ」の表現の是非→Aを渡す

夏井先生 …なんですが、清水さん。
清水アナ はい。
夏井先生 A渡して。
田渕 Aを渡す。
清水アナ 今回は藤本さんの解説次第で結果が変わります。
一同 え~!
本人 え~、ちょっと。マジっすか?
浜田 今の喋りも重要やったんですよ、だから。
本人 もう一回やらせてもらっていいですか?(笑)
田渕 ちょっとね、もう一回聞きたい。
浜田 アカンよ、そんなん。A貸して。
本人 え、何?俺なんか言うた?

■査定結果
永世名人へ1つ前進

理由:いろんな空が想像できる

本人 やった!やった~!
梅沢永世名人 良かったじゃん。
浜田 というわけでフジモン、永世名人!
藤本名人 よっしゃ!やっとや。
清水アナ 藤本さんは史上5人目の永世名人となりました。
本人 長かった~。
(査定評後)
本人 ほら、言ったもん。

夏井先生 
この中七・下五のフレーズに対して「春の山」を置いたのがまず良かった。ほのぼのとした広がりがある。
そして今日の一番大事なところ。
おっちゃんも指摘したが、生まれた羊に「空ちゃん」という名前を付けたということであれば、「名を与へ」という言い方はしないと思う。
春の山ひつじに[を]空と名付けたり」ともう少し軽い言い方になる。
ただ、そうではなくこういう言い方をしている。
春の空が水色なら「水色ちゃん」でも良いし、霞がかっていたら「かすみちゃん」でも良いと。
そしたらおっちゃんの「空ちゃんかい?」に対して見事に作者は(「快晴君」と返答し)この句の良い所を語られた。
そして、ジュニアさんもそうだがこのお2人が思いのほか早く永世名人になったのは、(先行する3永世名人の)梅沢さん、東さん、村上さんの色んな失敗や成功したデータをジュニアさん・フジモンさんがちゃんと見て学んでいる。
ですから、前の2人にも一応お礼くらい言っても良いのかなと思う(笑)。

本人 じゃあ、すいません。ありがとうございますー。ありがとうございますー。
梅沢永世名人 もうちょっと言い方ないのか?お前(笑)何なんだ、それ。「ございまちゅー」と言葉が上がるのは上から目線だってことだぞ。「実るほど頭(こうべ)を垂れる稲穂かな」(→作者不明の故事成語)。
一同 ……。
浜田 …さあ、続いてまいりましょう(笑)。
きむ 決まらず、決まらずです。今の決まらず。
本人 決まらんかったな~。

●解説のポイント
後半の措辞に対する季語が良い
ほのぼのとした広がりがある
生まれた羊に「空ちゃん」と名付けた↓
「春の山ひつじに空と名付けたり」と軽めに
空が水色なら「水色ちゃん」
霞がかっていたら「かすみちゃん」
「空ちゃん」(御大)に対して「快晴君」の返答が◎

添削なし


★永世名人 村上のお手本★

→<永世名人>・村上健志(フルーツポンチ)は3回連続で掲載決定中。

◆『富士山の 胴へふらここ 漕ぐ少女 村上健志(フルーツポンチ)

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
「ふらここ」はブランコのことで春の季語。富士山が大きく見えるような公園や校庭がある。そこでブランコを漕いでいる少女、それがまさに富士山の胴体へ向かっていっているようだと。

梅沢永世名人 やっぱ読んだときに「あれっ?」って感じるんですよ。何してるんだろ?って。いやこれが掲載決定だったら手ついて謝りますよ。
田渕 え、マジっすか?

■査定結果
永世名人28句で掲載ボツ

理由:胴と少女どっちが優先?

本人 あ~。
田渕 ボツなんや~。
本人 ボツだ~。
藤本名人 梅沢さんは…。
浜田 嬉しそうな顔して…。
藤本名人 人のボツを。
村上永世名人 人のボツを笑うの良くないっすよ。
(査定評後)
本人 まあ~そうよね~。
梅沢永世名人 分かんないだよ。
本人 「少女」は要らないかなと思ったんすよね~。
藤本名人 え~、そうなの~?

夏井先生 
最近、富士山とブランコという句を折々見る。
本人 え?
藤本名人 ベタなんすね。
夏井先生 ただ、「胴へ向かって」と言われたときに、どういう距離で漕いでいるんだろう?と。
そして元気に強く漕いでいるのかな?と思うと、ブランコの中では優しい「ふらここ」という言い方で、しかもそれが「少女」だとなると途中からテイストが変わってしまう。
富士山の「胴」を活かすなら胴を「蹴る」など強い動詞にした方が良い。
藤本名人 なるほど~。
夏井先生 「蹴る」だとアレだが、「蹴らんと」なら"蹴ろうとして"という意味になる。
「漕ぐぶらんこ」ぐらいの着地にしたい。
そうすると、「胴」が明確に見えて、蹴るかのように勢いよくと。
それやりたかったんじゃないの?そのへらへら笑い(笑)。

田渕 バレてますよ。

●解説のポイント
富士山とブランコの句は折々見る
「胴へ」はどういう距離で漕いでいる?
「胴」は元気に強いイメージ
「ふらここ・少女」の優しいテイストに変化
「胴」を活かすなら「蹴る」など強い動詞を
「蹴らんと」で"蹴ろうとして"
蹴るかのように勢いよく

添削後
富士山の 胴 漕ぐらんこ


浜田 すいません。これはもう世に出せないので。
梅沢永世名人 出せない出せない。
村上永世名人 これもう出せないです。
浜田 はい、すみません。せぇ~の。
(シュレッダー演出)
田渕 これ悲しい。
きむ 舞うなぁ。
山本 あ、悲しい。
藤本名人 (「エレクトリカルパレード」の4拍子目で音頭を取り)♪は~い!はは~い!(笑)
浜田 あいつ、自分も(今後)やられるで。
清水アナ 村上さん、残り22句のままです。

★永世名人 富美男のお手本★

→<永世名人>・梅沢富美男は句集完成まであと1句から3回連続ボツ。
梅沢永世名人 今日こそビシっと決めさせていただきます。
浜田 もう、2回も3回も足踏みしている場合じゃないですよ。
梅沢永世名人 それは私も思ってます。今回は自分のために俳句を詠みました。
藤本名人 いつもはそうじゃないんですか?
梅沢永世名人 いつもは色んなことを考えながら作りますけど、今回は私の自分のために。
***
浜田 自信のほどはいかがでしょう。
梅沢永世名人 勿論あります。今回は自分のために俳句を詠みました。

◆『沸点の 富士に近づく 暮れの春 梅沢富美男

村上永世名人 うん。

【本人談】
「沸点」は富士山でお湯を沸かすとすぐに沸いてしまう(→標高が高いと気圧が低いため水の沸点が下がる)。下(→地上)でやるより沸きが早い。歳を取ってくると我慢がきかなくてすぐにキレる。私みたいにブツブツとキレる。それを思い出して「あ、歳を取ったんだから、そんなことではダメだぞ」と詠ませていただいた。

村上永世名人 自分が怒りやすくなったことをこの「沸点」に重ねること分かんないけどなぁ。
本人 なんでだよ、お前。これを読んだ人は「あ、これは梅沢富美男さんの俳句だな」とすぐ分かるんだよ。
村上永世名人 いやこれがもしも最後の一句になるんだったらさっきの(山本千尋の)剣で刺されます。
山本 うふ。
田渕 あれ?
梅沢永世名人 お願いします。
山本 はい、任せて下さい(笑)。

■査定結果
永世名人49句で掲載ボツ

理由:詰め込みすぎ!

田渕 ボツや。
藤本名人 ボツ…。
(査定評後)
本人 ごめんなさいね(笑)。
田渕 暗いな。

夏井先生 
字面は一見カッコよく見える。
藤本名人 そうなんすよ。
夏井先生 結局何が言いたのかじっと聞いていた。
要は(「富士に近づく」は)富士山のような大らかな私になりたいという意図。
本人 そうなんです。
夏井先生 おっちゃんとしては「沸点」が気に入ってるんですもんね。
本人 そう、すぐ頭にくるから私は!
夏井先生 そうね。そしたらそれを書いた方が良いと思う。
「沸点の」の後、すぐ怒るなら「低き怒りや」と書く。
藤本名人 あ~。
村上永世名人 あ~。
そして「暮れの春」と気取っている場合ではない。
ここも正直に「老いの春」って書けばよい。
本人 「老いの春」!?(笑)
村上永世名人 いや、そうでしょ。
夏井先生 「沸点の低き怒りや老いの春」といえば、おっちゃんそのまんまがボ~ンと出る。
浜田 なるほど。
本人 書きにくいわ。自分じゃ「老いの春」なんて。
夏井先生 自分をまっすぐ見つめる勇気が大事。
ジジイはジジイなんです。

村上永世名人 そらそう。
藤本名人 そらそうですよね。
本人 このババアいい加減にしろよ!
田渕 まあまあ…。
村上永世名人 富士山目指すんでしょ。
藤本名人 沸点低いな。

●解説のポイント
字面は一見カッコよく見える
我慢が効く大らかな富士になりたい意図
すぐ怒る意図の「沸点」は作者お気に入り
「低き怒りや」とストレートに
「暮れ」と気取らず「老い」に
添削例はおっちゃんそのまんま
自分をまっすぐ見つめる勇気が大事

添削後
沸点の  の春


浜田 さあこれも世に出せないので、せぇ~の、ドン!
(シュレッダー演出)
藤本名人・田渕 (手拍子に合わせて)♪は~い!
浜田 お前絶対やられる。
藤本名人田渕 はは~い!
清水アナ 梅沢さん残り1句のままです。
浜田 そういうことですね。

★次回は春光戦予選Aブロック。兼題は「卒業」です。


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コメント

白髪の父だと白髪である「父」で、父の白髪だと父親の「白髪」
これは形容句とその形容句が修飾する名詞の差で、形容句は名詞を修飾するためのものだから名詞の方が主要な物として表現されると思う
前者は父が主なので白髪をした父親の像がイメージされる一方で、後者は白髪が主なので父親から生えている白髪や抜け落ちた白髪という白髪の部分に焦点が当たっていると思う
量的には白髪の父は髪が全体的に白髪になっているイメージだからこちらの方が多いと思う
個人的な意見ですが

心君の俳句

白髪の父と

父の白髪と

した場合、白髪の量に違いって出ますか?
後者だと、父に白髪が出始めたのではないか、と詠めないかな、と思ったので。
ご意見ください。

ヨットさん

無知だと言うつもりはないですが、「パクリ」などと強い言葉を使うのならもう少し慎重になるべきです。
試しに一回検索してみることをおすすめします。これはただの引用です。

No title

こんにちは。
フジモンが昇格して梅沢・村上にお礼を言ったシーンで梅沢が詠んだ『実るほど頭を垂れる稲穂かな』ですが、2014年ごろ紺野美沙子さんが詠んで才能なし15点『実るほど頭垂れたらさかさ吊り』 を先生が添削した『実りきて 稲架に垂穂の さかさ吊り』思い出しました。
梅沢さん即興で詠んだ句でしたがパクリ疑惑。

No title

選挙終わったから久しぶりに東さんの名前が出てちょっと嬉しかったな
いつか戻ってくるのかなー

昨日のプレバト

番組史上5人目の永世名人が誕生したことにより、俳句の四天王の全員(梅沢さん、東さん、村上さん、フジモン)がその称号を手にしたことになりましたね。

追記①
フジモンの今後の挑戦が楽しみですね。(デフォルメイラストも)
(何句掲載されるかは、当日までのお楽しみ)

追記②
昇格試験で仮にBの査定結果が出ていたらどうなっていたでしょうか。

フジモンさんが永世名人になったのにデフォルメイラストがなかったので実感がイマイチ湧かないです…

それとインディアンスのストーンアートの方は「田渕」さんです。

藤本永世名人、爆誕。

フジモンさん、ようやっとここまで来られました。
「春の山」の長閑で雄大な風景に「ひつじ」と「空」は気持ちがいいですね。「名を与へ」なので生まれたての羊…春という生命の誕生の季節にも似合ってます。穏やかさが得意のフジモン句力がきっちり出たといえるでしょう。
あと触れられていませんでしたが「ひつじ」とひらがなで書いたことで優しさが加えられただけでなく「春の山羊(やぎ)?」と読まれない配慮がちゃんと出来るようになったのも良かったですね。

フルポン永世名人、ここでシュレッダー止まり。勢いのある前半と穏やかな「ふらここ」との噛み合わせが悪いということに。
以前「額の花」「いぼむしり」の句でダメ出しを食らったように、俳句独特の言い回しな季語を使うと失敗するのでしょうか。
添削後も個人的には「蹴らんと漕ぐぶらんこ」と動詞が連なるのは窮屈な印象。

富美男永世名人、正直パッと見では何を言いたいのか全然わからなかったです。
「沸点」が自分の沸点とは掴めないし、「近づく」と言われても分からない。そんな危ないことするなよって感じ。
添削後の「老いの春」ですが、テレビ的エンターテイメントを重視しておりあまり季語として印象に残りませんでした。もっと填まる季語はありそうです。
「沸点の低い怒りや百千鳥」(怒りと鳥の鳴き声が一気に沸くイメージで…)

総じて今回は俳句も添削もレベルが平均的に低かった印象。まあ先週が凄すぎたのもあるでしょかね。

山本千尋
「旋子」というのが響きが良く「風光る」とも合っていたが、拳法とわかるだめ押しが必要だったか。もしかすると「旋子(つむじこ)」ちゃんという少女の名前かと読む人もいるかもしれないし。

寺田心
加藤清史郎や鈴木福の失敗からどうなるかと不安だったが、自分なら才能アリでもおかしくないと感じる出来。ただ「白髪の父」では詠む年齢が高過ぎたか。

インディアンスきむ
描こうとしてる場面は類想っぽさも否めないが、基本は抑えている。「誘なう」が説明的なのだけ惜しい。ストーンアートの相方と合わせて今後に期待。

新浜レオン
言いたいことが漠然としている、ある意味採点の難しい句。「いただき」というのが自らの頂だと分からないのが最大の問題。春一番が富士の頂を吹き抜けていく句なのかと思ってたら……添削後も具体的なワードに欠けており、ちょっといただけない。
新浜レオンらしくするなら
「新人賞獲らん春一番よ吹け」
とかどうだろう?

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