「プレバト!!」で披露された女優 本上まなみの全俳句一覧です。
特待生4級 本上まなみ(ほんじょうまなみ) 合計6句
成績(2023年3月16日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ3回、
凡人0回、
才能ナシ0回
第6回冬麗戦2位<特待生時代>
1ランク昇格1回、
現状維持0回、
1ランク降格0回
第7回春光戦予選B3位●昇格率 100%(1/1)→50音別一覧ページへ →ページ下へジャンプ→
人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 才能アリ | ちびリュック中身はおむつ山笑う |
2 | 才能アリ | もの言わぬ従弟にサイダー渡す駅 |
3 | 冬麗⑥2位 | 雪虫の第一発見者は次男 |
4 | 才能アリ | あの崖の上がわらびの萌える野と |
5 | 春光⑦予選B3位 | 新しき庭あたらしき泥の春 |
6 | 1ランク昇格 | パフェ二塔はさむ二人の夏終わる |
▼人物紹介「プレバト!!」では2021年4月に俳句査定に初挑戦。20歳頃から実力派女優として数々の人気ドラマに出演した女優である。読書好きでもあり、近年はエッセイストとしても活躍している。
句の特徴は、人物の背景にある心情を描写する表現力。幼少期の体験や、自身の子どもの動作や仕草を句材とする句が多く、さり気ない場面から詩を見つける着眼点や言語化能力に優れている印象が強い。才能アリを獲得した3句のうち、初回は下五に季語を置く基本形だが、それ以外の2句は中七に季語を置く型で、応用にも果敢に挑戦するほど学習意欲が高いといえる。また、特待生認定後は他人の俳句に対するコメントも上手く、句会慣れしている印象がある。
初挑戦で浜田から「本上さんみたいな人が最初は才能ナシでも僕は良いと思う」と期待されないコメントに「頑張ります!上手になりたいです」と負けじと応戦。宣言通りにいきなりの才能アリを獲得。
また、2度目の挑戦では72点と高得点。千原ジュニア名人から「最近の俳句で一番良い」と太鼓判を押され、一気に特待生候補となる。さらに、その際の句が2022年の年間優秀句15句に選出され、冬麗戦に平場ながら出場を果たした。
その第6回冬麗戦で満を持して登場し、いきなり2位で名前を呼ばれるという健闘ぶり。優勝した森迫永依と共に全ての有段者を倒す活躍を見せた。
2023年2月の候補者査定では、自身が「プレバト!!」に出演することを小学生の息子が大変喜んでくれるとも語っており、期待に応えたいとの姿勢で臨んだ。その努力が実を結び、才能アリ72点を連続で獲得し、3回連続で1位となった。「もうこの人の感覚というものの中に詩がちゃんとある。特待生でどんな作品見せてくるか楽しみ」と先生から大絶賛される形で通算37人目の特待生に認定された。なお、初登場から4回連続で添削がないのは横尾渉以来2人目である。
特待生として挑む最初のタイトル戦は、第7回春光戦の予選Bブロックとなり、永世名人の期待も大きかったがあえなく予選敗退となった。
特待生認定から5か月後に昇格試験に初挑戦。中学時のデートの思い出を詠み、見事に昇格を決めた。
●[1] @21/04/15◆お題:
リュック『ちびリュック中身はおむつ山笑う』才能アリ1位70点
添削なし
季語は「山笑う」。娘が2歳の頃、何でも母の真似をしたがっていたという本人。リュックも真似して背負いたがるため、子どものリュックにオムツを入れ、一緒にハイキングした楽しい春の日を思い出して詠んだと語った。森口瑤子は「自分も同じ体験をしていてクスッと笑える」、梅沢名人は「同じような俳句を作ろうとしたが"ちびリュック"が浮かばなかった」とコメント。先生は「実体験はオリジナリティーとリアリティーがある」と評す。作者の身のまわりに「ちびリュック」が実際にあり、「中身はおむつ」で、オムツが必要な小さな子である点が伝わると述べる。親や兄姉と同じように「私もリュックを背負いたい」と言ったに違いない家族の様子まで全て伝わると解説。最後の季語「山笑う」の選択が良く、春の山が笑っているかのような明るい感じで、家族みんなでハイキングにでも出かけてる様子まで伝わると述べ、「これが俳句ですよ!」と称賛した。浜田の心配をよそに初挑戦で才能アリを獲得した。
●[2] @22/08/25◆お題:
駅の売店『もの言わぬ従弟にサイダー渡す駅』才能アリ1位72点
添削なし
季語は「サイダー」。帰省で久しぶりに会った従弟と別れる場面、駅へ行ってサイダーを買ってあげたが、彼は黙って何も言わずに受け取った光景を詠んだ一句。元々従弟は照れ屋だったが、一人で帰ることに対して緊張しているように思ったと語った。中田名人は「"もの言わぬ従弟"が凄く良く、従弟のイメージが膨らむ」、ジュニア名人は「最近読んだ俳句の中でかなり良い。季語が"サイダー"じゃないと成立しない」と両者絶賛する。先生は「これはとても良い句」と前置きし、中七に季語が入った型に挑戦した点を高評価。「サイダー」が中七にあり、「従弟」という人物・「もの言わぬ」心情・「渡す」動作・「駅」という場所と必要な情報がキッチリと入り、従弟はひょっとしたら思春期の照れたり素直になれない年齢にある従弟で、渡す人物が従弟の年上の姉だと想像できると評す。従弟の淡い恋心・憧れみたいなものが「サイダー」という季語の向こう側にほんのりと見え、駅という場所で今日バイバイする1つの物語が17音に入っており、「俳句はここまで出来る」と解説した。なお、この句が年間優秀句に認められ、冬麗戦に出場することとなった。
●[3] @23/01/12◆お題:
ラッキー『雪虫の第一発見者は次男』第6回冬麗戦2位(15名中)添削なし
「雪虫(綿虫)」はアブラムシの一種を指す冬の季語。降雪の前触れとも言われる雪虫をこの冬最初に発見したのが次男で、小さい子の自然を見分ける力に優れていることを思ったと語った。村上名人は「『第一発見者』と難しく言っているのが可愛らしい」と褒め、自分が優勝だと自負する梅沢名人は「惜しかったが素直で素晴らしい」と述べる。先生は「次男」にリアリティーがあって良いと述べる。長男に普段は適わないが、ちょっと得意げな顔してこの日だけは嬉しそうに報告をする場面が見えると褒める。「第一発見者」という硬い言葉の使い方も良く、こう呼ばれることで次男のプライドが嬉しくなる効果があり、親の優しい視線もあると解説。兼題「ラッキー」との関連性では、たかが雪虫を見つけたことを家族みんなで「よかったね、ラッキーだったね」と喜び合える家族の感性が素敵で、幸せを形にしたようなご一家だと評した。初めてのタイトル戦でいきなり名前を呼ばれ、結果的に全ての有段者を倒す活躍となった。
●[4] @23/02/16◆お題:
つまずく『あの崖の上がわらびの萌える野と』才能アリ1位▸5級72点
添削なし
季語は「蕨」。小学生の頃、母と初めてわらび採りに行った際の台詞を取り合わせた一句。母親が横に立ち、凄い急斜面を指差して「あそこらへんにわらびがあるよ」と教わったが、「この急斜面を登るのか」と衝撃を受け、必死に登ってわらびを探しに行った記憶があり、母のフレーズが強烈に印象に残っていたと語った。梅沢名人は中七を褒める。先生は、最後の「と」の一音だけで、誰かが誰かに向かって教えている様子を表現できた点を称賛。この句の難しい点は、実際にわらびは見えておらず、見えない季語を主役にして描く挑戦をした点だと述べる。「あの」と指差す表現で「崖」を最初に見せ、その崖の上の映像を叙述し、見えないわらびの萌える野原があることを最後の「と」が効果的に機能して一句が成立したと解説する。兼題「つまずく」も、句の余白に"この人はつまずきながら登って行ったに違いない"と匂わすのが上手く、中七に季語を入れる技も高度だと評した。3回連続才能アリとなるが、「この人の感覚の中に詩がちゃんとある。特待生でどんな作品見せてくるかが楽しみ」と述べ、通算37人目の特待生認定となった。
[ここから特待生として査定]●[5] @23/03/16◆お題:
引越し[トラックの荷台]『新しき庭あたらしき泥の春』第7回春光戦予選B3位(予選敗退)添削後
『新しき庭赴任地は泥の春』
『新しき庭脱サラの泥の春』
季語は「春の泥」。引っ越し経験が15回ほどあると述べる本人。新しい家の庭を見ると、春の日差しに照らされて地面が温もっている様子に、色んなものがこれから芽吹いて豊かに茂っていくワクワク感を込めたと語った。先生は、作品としてはそつなくできており、心遣いも効いていると評す。「新しき」「あたらしき」はリフレインを活かして表記にも気を遣い、「春の泥」ではなく「泥の春」で春の季節に軸足を移す意図が分かると解説する。順位をつける際に具体性・独自性を出せる余白がある点が勿体ないと指摘。「新しき庭」だけで、「泥の春」は新しい季節だと意味の上でわかるため、中七に具体性を出す添削例を「赴任地は」「脱サラの」と二例示した。作者の状況をもう少し入れられる余地がある点があるとの解説に、本人は「勉強になりました。確かにその通りだなという風に改めて感じました」と素直にコメントした。
●[6] @23/07/13◆お題:
パフェ『パフェ二塔はさむ二人の夏終わる』4級へ
1ランク昇格添削なし
季語は「夏終る」。中学3年生の初デートで、無言のまま店のテーブル上のパフェを挟んで2人が座り、緊張しすぎて味が分からないさまを詠んだと語った。志らく名人は「"はさむ"の距離感が良いが、"二塔"が大袈裟で"二つ"で良い」とコメント。査定ポイントは「パフェ二塔」と表現した比喩の是非。「心情も表現できている」と評す先生は、「パフェ二塔」が大袈裟な比喩だが、楽しい比喩という見方もでき、「はさむ」で打ち解け方が分からない心情が映像化されていると称賛。「二」を二つ持ってきた意図も良く、「終わる」で結局何も進展しなかった若い頃の恋だったという心情の企みが表現されたと解説。「こういうことを企めるのが詩人の心」だとも評した。昇格試験は幸先よいスタートを切った。
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