fc2ブログ

記事一覧

【ふるさと戦5】20230126 プレバト!!俳句紹介【千葉県】

2023年1月26日放送 プレバト!!
47都道府県の観光公認ポスターへの俳句掲載を懸けて挑む「ふるさと戦」第2弾
特別企画「写真俳句」で出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※4日に全て更新しました。大変お待たせいたしました。

→記事ジャンプ【千葉/京都】➡以前の放送はカテゴリー
→プレバト!! 公式ツイッター/公式インスタグラム

挑戦者:<名人4段>皆藤愛子[33],○3△4×2 小倉優子[10],○2×1 田辺智加(ぼる塾)[4],山口航輝(千葉ロッテマリーンズ)[初],
<永世名人>村上健志(フルーツポンチ)[81],<名人6段>立川志らく[60] ※○△×は過去の成績,[数字]は挑戦回数
リアクター:千原ジュニア、藤本敏史(FUJIWARA)

●お題:小湊鉄道(千葉県)
小湊鉄道
※番号クリックでリンク内移動します。
1
東京都出身
<名人6段>
立川志らく
忘れ物を探しに菜の花を行くわすれものをさがしになのはなをゆく
2茨城県出身
<永世名人>
村上健志
(フルーツポンチ)
てふてふの過るトロッコ列車かなちょうちょうのよぎるとろっこれっしゃかな
3★千葉県代表
<名人4段>
皆藤愛子
春日和チャー弁膝に水平にはるびよりちゃーべんひざにすいへいに
4★千葉県代表小倉優子
春風の房総地磁気逆転の跡しゅんぷうのぼうそうちじきぎゃくてんのあと
5★千葉県代表田辺智加
(ぼる塾)
春日傘少女のような祖母の顔はるひがさしょうじょのようなそぼのかお
6★千葉ロッテマリーンズ代表山口航輝
(千葉ロッテマリーンズ)
風光る五分着まであの子待つかぜひかるごふんちゃくまであのこまつ
順位発表順:4位→2位→最下位→5位→3位→1位






●それでは順位別に見ていきます

1位◆『忘れ物を 探しに 菜の花を行く 立川志らく

藤本名人 うん。
千原永世名人 かぁ~。

【本人談】
大切なものを忘れてしまっている現代人が、なんかこれを見た時に「何か大切な忘れ物を探しに」という幻想的なイメージが湧いてきた。それをこんな風に詠んでみた。

千原永世名人 これはホントこの、志らく節ですね。「菜の花」って写真在りますけど、これでもう季語って凄い季語を立たせてるって感じで素晴らしいです。
藤本名人 このノスタルジックな感じが何かジーンと来ますね。凄い良いです。

夏井先生 
足すと17音になる破調が志らくさんらしい韻律。
写真俳句として一つやり方を教えて貰っている、お手本の一句。
後半が一見写真とベタつきに思うかもしれない。
「菜の花を行く」としか書いてないため、字面では自分が菜の花の真っ只中を歩く意味合いになる。
この中に「列車」の「れ」の字もない。
その中にいて、「忘れ物を探しに」の前半のフレーズで写真との距離を少し取る。
この距離の取り方が絶妙だった。
人間、大なり小なり「何かを喪失した」想いを持っている。
トロッコの旅は人生の忘れ物を探しに行く旅なんだと。
そうすれば「この列車に乗りたい」と思う人がその場所に行きたくなる。
直しは要らない。

浜田 お見事でございました。
清水アナ 立川志らくさんには、千葉県ふるさと俳人の証として黄金のタスキが贈呈されます。
藤本名人 あ、チーバくん。可愛い。
浜田 いや~志らくはんが獲るか~。

●解説のポイント
足すと17音の破調はこの人らしい韻律
写真俳句としてお手本の一句
後半は一見写真とベタつきに思う
菜の花の真っ只中を歩く意味
写真との距離の獲り方が絶妙
誰しも何かを喪失した想いがある
トロッコの旅は人生の忘れ物を探す旅
列車に乗りたい人が行きたくなる

添削なし


2位◆『てふてふの過る トロッコ列車かな 村上健志(フルーツポンチ)

藤本名人 うん。

【本人談】
まさにこの写真に写っている電車は、展望車で窓のない車両がある。(一同 へぇ~) この蝶々が入って来て通り過ぎていく長閑さが、これだけで伝わるのではないかなと。

藤本名人 菜の花畑の写真で蝶々がちょっとベタなんじゃないのかなというのがありますね。

夏井先生 
写真には一面の菜の花が写っている。
「菜の花」に対して「蝶」を持ってくる。
俳句ではベタかもしれないが、季語の探し方は決して悪くない。
ただ写真俳句のジャンルの作品となった時、後半の方が写真とベタになっていくということ。
それは、あの写真のど真ん中に主役としてトロッコ列車が写っている。
写真の情報とダブってしまう。
こういう時のテクニックの1つとして、さっき本人が「展望車がある」と解説した時、誰かが「へぇ~」と言った。
それを書いた方が写真俳句としてずっと面白いものになる。
「てふてふ」を使いたいのも分かるがひとまず「蝶」と書く。
藤本名人 「蝶」の方が良いですよね。
夏井先生 「蝶よぎりゆく」。
「トロッコ列車」ではなく、語ったことそのまま書けばよいと思った。
「吹き抜けの」の後に「展望車」と書く。
あの写真のトロッコ列車は展望車で吹き抜け。
そうすれば、自分が展望車に乗って「あ、蝶が入って来たわ」と体験することが出来る。
そうすることで、写真と俳句とが何倍もの効果を発揮する。
こう書いて置けば、今日はこれが1位だったと思う。

●解説のポイント
「菜の花」に対する「蝶」の探し方は良い
写真俳句の作品として後半が写真とベタ
写真の情報「トロッコ」とダブる
語った「展望車」を入れれば写真俳句に
自分が展望車に乗車体験するように
写真と俳句が何倍もの効果を発揮する
これなら今日はこれが1位だった

添削後
 


3位◆『春日和 チャー弁膝に 水平に 皆藤愛子

藤本名人 「チャー弁」?

【本人談】
「チャー弁」は千葉の名物になりつつあるチャーシュー弁当があり、小湊鉄道の沿線上にもお店がある。それを膝に大事に載せて電車に乗っている様子を書いた。

村上永世名人 いや、チャー弁は食べてみたいですね。
浜田 え?
藤本名人 浜田さんも誰に聞いてんねん!(笑)
浜田 いやいや、名人やから。
村上永世名人 最高段位なんで、ごめんなさい。なんかこの「春日和」とか結構ムズイんですよ。これには合ってる気はするけど。

夏井先生 
これは「チャー弁」の知名度の問題はあるが、押し出したいわけでここは良しとしたい。
それ以外に考えるべき点が2つある。
1つは、季語「春日和」がいかようにも動く。
「春の昼」「風光る」でも色々やれてしまう。
そして、こっちの方が重要かもしれない。
「膝に水平に」。なぜ「水平に」する必要があるか。
写真見ていれば列車だと分かるかと。
写真に甘えてはいけない所はある。
下五「水平に」は無駄なことになる。
「チャー弁」を売り出したいなら上五で「それ何?」と思わせた方が良い。
「チャー弁は膝に」で4音分余る。
「車窓の」なら列車の中だと分かる。
「二人の」なら二人で乗っている状況に。
こうすれば、写真俳句としては寄り添う物にはなっていく。

●解説のポイント
「チャー(シュー)弁(当)」の知名度の問題
考えるべき点が2つ
季語「春日和」がいかようにも動く
「春の昼」「風光る」でも良い
なぜ「水平に」する必要があるか
列車の写真に甘えてはいけない
「チャー弁」を売り出すなら語順を工夫
写真俳句として寄り添う物になる

添削後
チャー弁 膝に 春日和』
『チャー弁 膝に 春日和




4位◆『春風の房総 地磁気逆転の跡 小倉優子
※小湊鉄道の近くには世界に誇る地層がある。77万年前を境に地球の磁場が逆転した貴重な証で、この時代のことは世界共通語として「チバニアン」と命名された。 

藤本名人 「地磁気逆転」?

【本人談】
小湊鉄道の近くに貴重な地層がある。小湊鉄道に何回も乗っていると、景色以外のことを伝えたいと思った。

千原永世名人 これ写真なかったら、ちょっとええ感じと思うよ。俳句だけ。
藤本名人 だから、これ小湊鉄道写ってるってことは、「房総」ってこれ分かってるから、「房総」は要らんかったんちゃうかなと逆に思うけどね。写真俳句やから。

夏井先生 
俳句そのものは頑張って作っている印象がある。
ただ、韻律がガタガタして、内容を詰め込もうとした苦心作ではある。
ご指摘もあったが、写真関係ないとしても「地磁気逆転」という言葉が出てくれば、日本なら"チバニアン"だと分かる。
藤本名人 え?
夏井先生 「房総」はなくて良いと思う。
「春風や」といったん詠嘆をする。
「跡」が何かを少し親切に書くだけで良い。
「せし」なら"~した"の意味。
「せし地層」なら、分からない人も"地磁気が逆転した地層"と理解してもらえる。
そして、この俳句が写真と取り合わされて"写真俳句"になった時。
"写真俳句"(※俳句の表現方法として全国に多くの愛好家がいる)は一ジャンルとして確立されている。
よって、俳句だけの評価とは少し軸が変わってくる。
そうなると、この句は写真と俳句が離れすぎている。
写真と俳句も「つかず離れず」が写真俳句の基本になる。
そこが少し勿体なかった。

本人 そうですね。
もう、パッとみた写真の俳句の方が良かったっていうことなんですよね?
夏井先生 はっ?(笑)
浜田 ゆうこりん、シーッ!

●解説のポイント
韻律がガタガタして内容が多い苦心作
「地磁気逆転」ならチバニアンと分かる
「房総」は不要
季語を「や」で詠嘆
後半を親切に書くだけ
"写真俳句"は俳句の表現方法の一ジャンル
写真と俳句が離れすぎている
写真と俳句もつかず離れずが写真俳句の基本

添削後
春風 地磁気逆転 



5位◆『春日傘 少女のような 祖母の顔 田辺智加(ぼる塾)

藤本名人 うん。

【本人談】
私の祖母も千葉出身。オシャレで花が好きだったが、この景色を見ると「あ~、お花とファッションが好きだったおばあちゃんを思い出すな~」という句。

千原永世名人 これ「少女のような祖母」で「顔」も含まれてるんじゃないかなと思います。
浜田 山口、この句どう思う?
山口 いや自分よりは…。
千原永世名人 誰に聞いてんねん(笑)。なんか言うてええのか分かれへんな。
藤本名人 「誰に聞いてんねん」もおかしいよ。そんなもん、2人とも失礼やない。
千原永世名人 芸人やったら言えるけど(笑)。
浜田 ジュニアいつもより(タイミングが)ちょっと遅いなと思った(笑)。ちょっと躊躇したなと。
藤本名人 でも聞いてみたいですね。
山口 やっぱりあの、自分のよりかはうまくて繋がってるなっていう風には思います。
千原永世名人 誰が言うてんねん!(笑)
村上永世名人 良いこと言ってましたよ。
浜田 誰が言うとんねん、ホンマ。

夏井先生 
この句も取り合わせの基本型はしっかりとマスターしている。
本人 あら、やった。
夏井先生 俳句としての問題点は、今ジュニアさんが指摘した後半の一点に尽きる。
「少女のような祖母」で表情・性格は全てひっくるめて言えている。
「顔」だけに限定すると大変損。
「の顔」の3音で俳句を写真に寄せる工夫ができる。
それによって、写真俳句として俄然評価が高くなる。
おばあちゃんの動作を書く。「春日傘振って」はどうか。
お孫さんが列車に乗って近づいて、(ホームの)祖母が「ここよ」と手を振っている感じ。
動作を入れるだけで、写真と俳句の接点が出来る。
小さな接点を作るというのも、写真俳句の大事なポイント。
それが分かるようになれば、写真俳句も出来る。

本人 今回やってみて、またさらに一段階レベルアップしたいなと思いました。

●解説のポイント
取り合わせの基本はマスターした
俳句の問題点は後半「の顔」の限定
「少女のような祖母」で表情・性格は言える
俳句を写真に寄せる工夫を
おばあちゃんの動作「振って」を季語に続ける
写真と俳句の接点が出来る
小さな接点を作るのも写真俳句のポイント

添削後
春日傘 少女のような 祖母



6位◆『風光る 五分着まで あの子待つ 山口航輝(千葉ロッテマリーンズ)

【本人談】
これは学生時代に好きな女の子と(待ち合わせになる電車をホームで)1本待って「一緒の電車にならないかな?」という淡い恋心を一句にした。

千原永世名人 「五分着まで」ってどういう意味なんですか?
本人 「5分」に着く電車。
藤本名人 あ、何時5分みたいな。
本人 そうです。それに合わせるっていう意味で。はい。
千原永世名人 ショートフライですね(笑)。

夏井先生 
これも取り合わせの基本型は勉強しているのが分かる。
俳句としての問題は中七だけ。
何時五分着とはこの書き方では伝わらない。
今、本人が「あと1本電車を待って」と言った。
その言葉を使えば良い。
真ん中から。「あと一本」にしておく。
藤本名人 あ、野球だけにね。
夏井先生 電車だけにしたかったら、「あと一便(ひとびん)」という言い方でも良い。
「あの子を待てば」。
敢えて「ば」にして季語「風光る」に繋げる。
最後の「風光る」という季語がサーッと広がって気持ちが良い。
写真俳句としてトロッコ列車の写真と組み合わせた時、もう一つ問題が出てくる。
俳句の方は、日常の通勤・通学の列車になるが、兼題写真が非日常の観光の写真になる。
そこで、場面のずれが出るのが勿体なかった。
でも、これが出来るなら、普通の回の時なら結構勝負できると思う。

浜田 あら。何、それ~。いや、だから試合のない日来いよ(笑)。
本人 休みの日に。
浜田 移動日に来いよ。
本人 移動の前に。

●解説のポイント
取り合わせの基本は勉強した
中七「何時五分着」とは伝わらない
語った「あと1本電車を待って」を使う
「待てば」から季語に繋げる
季語の広がりで気持ちが良い句に
俳句は日常の通勤・通学の列車
兼題写真が非日常の観光の写真
場面のずれが出たのが勿体ない
普通の回なら結構勝負できる

添削後
 あの子 風光る』
便 あの子 風光る



※編集後記は「ふるさと戦6」の記事に掲載します。
関連記事
スポンサーサイト



コメント

志らく名人がダントツですね

今回は一回の放送で11句も紹介されるので、ざっくりと。

志らく名人の句、破調なので一見すると、俳句というより小湊鐡道へ人を誘致する狙いのキャッチコピーにも見えます。けれども、ポスターには合っているなぁと感じます。

村上永世名人の句はやっぱり「トロッコ列車」が写真にベタベタなのが損。添削句では2字しか元の句が残っていないという結末でした。

3,4位の句は、「小湊鉄道沿いでチャー弁を売っている」「チバニアンがある」と地元の方なら知っている知識を具体的に書き過ぎて損した感じ。

例えば、1位の句を載せたパンフレットがあって、それを開くと小湊鉄道の路線図が載っていて、番号が振られている。番号に応じたガイドが載っていて、「⑤上総牛久駅:地元で好評のチャーシュー弁当(チャー弁)を買える「としまや」の牛久店があります。里山トロッコ列車の待ち時間にご購入ください:チャー弁は膝に二人の春日和(皆藤愛子)」と、こんな感じでの掲載だろうか。

5位の句は添削句だといい感じになりますが、どっちかというと菜の花畑より駅での写真が合いそう。6位の句、やはり「五分着まで」が致命的で、通常回なら50点前後の凡人句として沈みそうです。けど、取り合わせそのものは良いという講評を受けてる点、通常回での活躍をちょっと期待しました。

昨日のプレバト

3位から最下位まで千葉県代表(皆藤さん、ゆうこりん、ぼる塾田辺、山口選手)が並ぶといい、他県出身者(志らくさん、村上さん)がワンツーフィニッシュするといい、大波乱の連発でしたね。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です