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20230119 プレバト!!俳句紹介【おでん】

2023年1月19日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※30日に全て更新いたしました。大変お待たせして申し訳ございません。
→プレバト!! 公式ツイッター/公式インスタグラム

挑戦者→津田寛治[4],安藤美姫[3],大久保佳代子[6],西村真二[初],横尾渉[69],千原ジュニア[85],梅沢富美男[184], ※数字は挑戦回数

●お題:おでん
おでん

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点津田寛治
バクダンと叫ぶ屋台の年男ばくだんとさけぶやたいのとしおとこ
2凡人2位60点安藤美姫
湯気越しに父の面影冬の蝶ゆげごしにちちのおもかげふゆのちょう
3凡人3位50点大久保佳代子
日向ぼこ面取り眺めるシロの鼻ひなたぼこめんとりながめるしろのはな
4才能ナシ4位38点西村真二
(コットン)
おでん取り浮かぶ顔見て肩揺らすおでんとりうかぶかおみてかたゆらす
5名人10段★3へ1つ前進横尾渉
(Kis-My-Ft2)
ガード下シメのおでんはクミンの香がーどしたしめのおでんはくみんのか
6永世名人へ1つ前進
※本人談で査定判断
千原ジュニア
おでん屋の一皿は先ず神棚へおでんやのひとさらはまずかみだなへ
7永世名人49句で掲載ボツ梅沢富美男
練り物の蓋持ち上げておでん鍋ねりもののふたもちあげておでんなべ
順位発表順:2位→3位→最下位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録

大久保佳代子○1△4×0※前回は「夏の果母のキャラメル旅行鞄」で凡人。♬「夢芝居」のBGMで紹介。
浜田「毎回あそこ(→ランキングシート)座ってても、『あぁなるほど、あぁなるほど』(笑)」
「凄い吸収してるんですよ。前回、母親を詠めば得点上がるんじゃないかと詠んだらダメだったんですよ。何か、自分の汚さも嫌だし(笑)、凄い今ちょっと落ちてるんですが、今回見つけました。これを詠んだら、点数が上がるってやつ見つけました
浜田「ホンマかいな」
「大丈夫です、今回。今回獲れなかったらもう分からないです、更に」
西村真二初挑戦※お笑いコンビ「コットン」のツッコミ。12年前まで広島ホームテレビのアナウンサー。相方・きょんと出演。
「僕、(元)アナウンサーやってて、(現)芸人と言う。言葉を扱う職業のハイブリッド。はじめまして、超新星でございます。期待の超新星」
梅沢永世名人「お前ね、アナウンサーやってるから俳句ができると思ったら"冗談ポパイのほうれん草"だから」
浜田「もうええから」
「何でダジャレオチなんですか?」
***
「僕シンプルなんで、かなり。それでも可能性あるんですか?」
浜田「うん」
「自信あります(笑)」
津田寛治○2△0×1※前回「日替わりのボタンに踊る鰤の影」で才能ナシ。
「言うても、もう後がないかなと思って、今回は気合を入れて。実はね、6句詠んだんです。その6句から選んだので、めちゃくちゃ自信ありますね」
➡発表時に嬉しさのあまりジャンプする。
安藤美姫○0△1×1※前回「線路ゆき決する心余寒かな」で凡人50点。
★ランキングシートの分布は才能アリ1名、凡人2名才能ナシ1名

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 津田寛治
バクダンと 叫ぶ屋台の 年男

【本人談】
僕が鳴かず飛ばずで俳優として食えてない時、バイトしながらの冬に屋台で酒飲んでたら酔っぱらってしまった。「今年は年男だから、日本映画界にニトログリセリン背負って爪痕残しに行くからな」と凄い大ぼらを吹いていた。その勢いで「おやっさん!バクダン!」って、叫んだ記憶がある実体験。懐かしい思い出。

ジュニア名人 めちゃくちゃ良いですね。
本人 ホントですか?
ジュニア名人 なんか、エネルギッシュな24歳の青年なんかなっていう風に僕も読めたんで。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 いや、良い俳句です。「叫ぶ屋台」でおでんもあるだろうなって読者は読みますから。これは良い句ですよ。
本人 ありがとうございます。

夏井先生 
しっかり修正してきている。
いきなりカタカナで「バクダン」。
中七に「屋台」と出てくるため、玉子のことだと理解できる
「叫ぶ」が動詞として活きてくる。
酔っている・議論・喧嘩の状況。
問題の季語「年男」が新年の季語。
今は干支の人を「年男」という風に言っているが、季語としての本来の意味は異なる。
一家の中で、新年の儀式(門松を立てる・神棚の掃除をして清める)をするのが季語の「年男」。
そのため、新年の用意をしているか不明な年男が、屋台で酔っ払って「バクダン」と叫んでいる感じの新年の句としての面白みもある。
直しは要らない。
本人 涙出てきちゃうな、これ。
浜田 あんだけ跳ぶわな、そりゃ。アハハ、バ~ンって(笑)。
西村 爆弾みたい。

●解説のポイント
「バクダン」「屋台」で玉子と理解できる
動詞「叫ぶ」が効果的
泥酔・議論・喧嘩という状況
新年の儀式を行うのが本来の"年男"
"年男"が新年に「バクダン」と叫ぶ面白みもある

添削なし



◆2位 凡人60点 安藤美姫
湯気越しに 父の面影 冬の蝶

【本人談】
小さい頃に父を亡くしている。うちは大家族で、冬はおでんをみんなで囲んで食べて、湯気越しに父の影が見えるイメージ。季語をどうしようと思い、その当時から黒い蝶・黒揚羽だと思うが、父が亡くなってから季節問わずに家に来るようになった。なので、その感じをシンプルに蝶で表してみた。

梅沢永世名人 うん、とっても気持ちは分かるんですよ。難点があるのは「湯気越しに」とくると、僕らは写真見てるから「あ~おでんだ」と思うけど、お風呂かもしれない。
本人 そうなんです。
浜田 アハハ、写真見てない人はね。
梅沢永世名人 そうそう。惜しかった。勿体ないな。

夏井先生 
今、話を聞いて「なるほど。そういうことか」と納得した。
おっちゃんも言ったけど、字面だけ読むとお風呂・温泉の湯気だと思う人が多くなる。
「おでん」なら「おでん」と書くしかないが、「おでん」と書くと季語のため「冬の蝶」が使えなくなる。
「おでん」「冬の蝶」のどちらを残すかで道が2つに分かれる。
語った蝶のエピソードの方に詩が沢山ある。
そうなると「湯気越し」を諦めるしかない。
「面影」から
行く。
「面影の父」と詠嘆すれば、面影の父のイメージが出てくる。
ここから「冬蝶くる家」でもう一回詠嘆を重ねる。
梅沢永世名人 あ~いい。
夏井先生 「よ」の呼びかけが優しく、父を想う気持ちに応えるようにこの冬蝶が来るのではないか。
おでんの句はまた別で詠んでみて下さいね。
ただ、相当いい感じになって来た。
本人 わぁ~、嬉しい!ありがとうございます。

夏井先生 いえいえ。びっくりしました。

●解説のポイント
字面では風呂・温泉の湯気の意味に
季語は「おでん」「冬の蝶」の二択に
語った蝶のエピソードに詩が沢山ある
「よ」の詠嘆を重ねて優しく呼びかける
父を想う気持ちに応えるように冬蝶が来る
おでんの句は別で詠んでみて
相当いい感じになって来た

添削後
面影の父 冬蝶



◆3位 凡人50点 大久保佳代子
日向ぼこ 面取り眺める シロの鼻

【本人談】
冬寒いが、昼間の午後の暖かいお日様が当たる時、寒い夜に向けておでんの仕込みをする。その時に大根の面取りをするが、そこに「シロ」という白い犬が寄ってきて、クンクン匂いを嗅いでいるという一風景を、暖かいもので包んでお送りした。

梅沢永世名人 これもまた情報を詰めすぎなんですよ。
本人 ええ~!
梅沢永世名人 なんでも書きゃいいってもんでもねえんだよ!(笑)
本人 きつめ、きつめの言葉。でもこれホントはうちにいた犬は茶色の黒い鼻の犬(→パコ美)なんです。
梅沢永世名人 知らねえよ!そんなこと(笑)。
本人 でも大根が白いからあえて城をぶつけた方がいいかなっていう(➡大久保流点数の上げ方:大根が白いから白い犬にする)工夫もここに私入れたんですけど。
ジュニア名人 大根が白いから…。
本人 白い犬を…ここに白と白でダブルホワイトにした方が…(笑)。
ジュニア名人 ダブルホワイト?

夏井先生 
表現したいことの中心が何かを整理できてない。
そのため、材料がゴチャゴチャ多くなる。

「日向ぼこ」が季語で「面取り」「シロ」「鼻」があってとゴチャゴチャ入っている。
あなたは「大根」と何回も言っているが、この中に「大根」という情報がないから、「シロ」とのダブルホワイトと言われても誰も分からない(笑)。
津田 確かに。
夏井先生 「日向ぼこ」とのんびりやっている場合ではない。
「大根」と書くだけ。
「大根の面取り」で映像として思ってくれる。
ここでカットが切れる。
「鼻」はどうでも良い。
「シロ」が「来て」くれれば良い。

眺む」で"眺める"意味になる。
季語「大根」と「シロ」の取り合わせということになる。
本人 ダブルホワイト。
夏井先生 ただ、あなたが今回上五に季語を置いて、後半の12音でフレーズを作るという基本の型を勉強したことだけは分かった。
本人 おっしゃる通りで、もう季語を最初に持ってくるのは基本だと思うんですけど…。
夏井先生 いや、その作り方の時は12音を先に作っておいて、後から季語を持ってくる。
ホントに勉強してないのが今分かりました(笑)。
津田 厳しい。

●解説のポイント
表現したい要点が整理できてない
材料がゴチャゴチャ多すぎる
本人の語る「大根」が一切入ってない
「大根の面取り」で映像が描ける
季語「大根」と「シロ」の取り合わせでWホワイト
型を勉強してないのが今分かった

添削後
の面取り シロの



◆4位 才能ナシ38点 西村真二(コットン)
おでん取り 浮かぶ顔見て 肩揺らす

梅沢永世名人 何~?(笑)

【本人談】
お皿におでんのタネ色々取っていったら、こんにゃくと玉子(の盛り付け)が顔に見えて、「顔みたいじゃん!」と言って笑い合う様子を詠ったいい句。

横尾名人 内容的にあまり面白くない(笑)。

夏井先生 
一読何を言いたいのか全くわからない。
理由はちゃんとある。
これは普通に読むと「おでん取り」で次の言葉に繋がっていく。
おでんを鍋から取る光景を思うため、おでんの鍋の中に何かが浮かぶと思ってしまう。
「浮かぶ」の動詞がこの位置にあるのも大きな問題。
しかも、おでんの鍋の中に浮かぶのが何?と思ったら「顔」。
おでんの池の中に顔が浮かんでいるという、恐ろしい感じになる。
これで何か表現した気になっているのに驚いている(笑)。
「皿」からいかないといけない。
皿に取る」なら読者は皿から思う。
きょん はぁ~。
夏井先生 こんなところで感心されても困ります。
「皿に取るおでん」でカットが切れる。
「浮かぶ」「見て」る場合ではない。
誰かの顔に似て」とする。
「肩揺らす」場合でもない。
せいぜい、こうすれば日本語として通じる。
ホントにアナウンサー辞めて良かったと思う(笑)。

本人 あ…ありがとうございます。
浜田 直されてもこれぐらいしか無理ですよっていうこと。
本人 まあでも進路は間違ってなかったってことですもんね。アナウンサー辞めて良かったと。
浜田 あ、そういうこと、そういうこと。
本人 良かった、ホント夏井先生。吉本(興業)入って良かったです、すいません。

●解説のポイント
言いたいことが全くわからない
おでんの鍋の中に"顔"が浮かぶホラー句
「浮かぶ」の動詞の位置が大問題
これで表現した気になっているのに驚く
「皿に取る」から始める
動詞4つを1つにする
「誰かの顔に似て」とまとめる
アナウンサー辞めて良かった

添削後
おでん 



★永世名人への道★

→<名人10段>・横尾渉(Kis-My-Ft2)は前回後退して星2つ。
浜田 取られたんやな。
横尾名人 取られたんですよ。
浜田 やっぱ取られるってきついんやろ。
ジュニア名人 ホンマにきついよな~。
横尾名人 その月動けないんですもん(笑)。
浜田 さあ、今回どうなるんでしょう。

◆『ガード下 シメのおでんは クミンの香 横尾渉(Kis-My-Ft2)

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
おでんと聞いて、ガード下を思い浮かべた。そこから、今色んな料理が色んな国同士でコラボする。それで「クミンの香」といえば(シメのおでん鍋が)カレーの味かなっていうのを分かってもらいたいなと。

ジュニア名人 これは良いですね、ミュージシャンらしいリズム。「ガード・下・シメの・おでんは・クミンの・香」というこのリズムがめちゃくちゃ良いのと、横尾君は「香」好きやな(笑)。
本人 「香」好きです(→「香」の句は今回5句目)。
ジュニア名人 結構「香」好きやわ。

★評価ポイント
下五「クミンの香」を選択した是非

■査定結果
名人10段★3へ1つ前進

理由:新しい型へのチャレンジ


本人 やった~!ありがとうございます。
大久保 凄~い。

夏井先生 
型の問題から。
二階堂さんがやっと学んでくれた5音の季語+12音の型。
あれは上五か下五かに季語が入るという型。
この句は中七に季語「おでん」を入れ、全体のバランスを取って成立させた。
これは新しい型を横尾さんがマスターなさった証拠になる。
「ガード下」で場所、「シメ」で状況、「おでん」が季語。
ここまでで、ほとんどの人が中年の男性がうだうだ飲み交わす光景を思い浮かべる。
最後「クミンの香」で空気が変わる。
従来のおでんのイメージと違うものをポンと持ってくる。
楽しみですね、ここからもね。

浜田 直しもないので星1つ増えました、おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 3つになりました。

●解説のポイント
基本の型では上五か下五に季語が入る
この句は中七に季語「おでん」がある
全体のバランスを取って成立させた
中七までで中年の男性が飲み交わす光景
下五で空気が変化した
従来と異なるおでんのイメージに
ここからが楽しみ

添削なし




→<名人10段>・千原ジュニアは星4つで永世名人に王手。
浜田 ここ大事やで、ジュニア。
ジュニア名人 うわっ、ここはホンマにいきたい!
浜田 アハハ。
ジュニア名人 (上を向いて)あぁ~!嫌やな~!
梅沢永世名人 ここ大事よ。
浜田 これはもう行くしかないな。
ジュニア名人 はい。

◆『おでん屋の 一皿は先ず 神棚へ 千原ジュニア

【本人談】
どうしようかなぁと思って、おでんで"温かい"とかそういうのではない何かがないかとふと思い出した。開店と同時に入ったおでん屋が、おでん三品くらいをまず神棚に置いていた。ここからおでん屋が始まるっていうのを見たのをハッと思い出して、この状況を何とか詠みたいと思った。

梅沢永世名人 これは間違いなくいくんじゃないですか?
浜田 そうですか。
梅沢永世名人 これを詠めるんだったら永世名人になれますよ。大したもんだ。状況がハッキリしてるもの。

★評価ポイント
「の」「は」「へ」の3つの助詞の是非→Bを渡す

本人 (思わず前に出る)
津田 どうしたんですか?(笑)
夏井先生 そして、清水さん。Bの方を渡してください。
清水アナ Bですね。
きょん どういうこと?
清水アナ これはABで結果が違います。
浜田 ジュニアの説明を聞いて判断するという…。
本人 ええ~!
大久保 あ~そうなんだ。どっちに転んだんだろう?


■査定結果
永世名人へ1つ前進

理由:助詞オタクの集大成


本人 (立ち上がって)やった~!
梅沢永世名人 そうだよね。
本人 うわ~!めちゃくちゃ嬉しい。
浜田 というわけで、千原ジュニア「永世名人」!
本人 うわ~、ありがとうございます。
一同 凄い。
清水アナ 史上4人目の永世名人になりました。

夏井先生 
しっかり(説明を)聞いていた。
問題は「一皿」。
「一皿""」でも意味は通じる。
あえて「は」にしている。
「一皿""」なら対象となり、おでん屋自身が持っている皿のニュアンスを思う人の割合が多くなる。
」といったら、「その一皿はどうするんだろう?」と第三者として皿を指差すようなニュアンスになる。
そうなると、作者が店にスッと入って見たという第三者の視線を表現できている。
「先ず」でその日の最初の一皿だとここで保証される。
最後、神棚「へ」で供える方向と動きが一緒に出てくる。
これが「助詞オタクの集大成」の意味になる。
しかも、芸人さんは言葉を使って一歩一歩色んなことを覚えていく。
ジュニアさんはその力の上で俳句を勉強して、こういう細やかなニュアンスまで使えるようになっている。
素晴らしい。
さっきの(最下位の元広島アナウンサー・西村)方にお伝えしたい。
あなたも俳句を真面目にやんなさい(笑)。そしたらジュニアさんみたいになれますからね。

浜田 ジュニアさん真面目やからね(笑)。
本人 違います。真面目じゃないんです。コンディショナーやってからシャンプーやりますから(笑)。
西村 不真面目。

●解説のポイント
「を」でも通じるがおでん屋の目線に
「は」は客観的に皿を指差す視線
第三者の視線を表現できている
「先ず」でその日の最初の一皿
神棚「へ」で供える方向と動きが出る
芸人は言葉を使って一歩一歩覚えていく
作者は細やかなニュアンスまで使えるように

添削なし



★永世名人 富美男のお手本★

→<永世名人>・梅沢富美男は句集完成まで残り1句。
梅沢永世名人 良いリズムですね、ポンポンときてますよ。
浜田 きてますよ。
梅沢永世名人 まあ、私の後はこの2人(→ジュニア・横尾)が継いでくれますから、心置きなく去っていきますよ。
***
ジュニア名人 今日載れば句集完成なんですよね。
浜田 今日決まる可能性ありますよ。
梅沢永世名人 決めますよ、当たり前じゃないですか(笑)。
浜田 サヨナラ!ありがとうございました、今まで。
ジュニア名人 メガネ置いて去ってください(笑)。

◆『練り物の 蓋持ち上げて おでん鍋 梅沢富美男

【本人談】
皆さん経験ございませんか? 蓋をしておでんを煮ていると、練り物のはんぺんなんかこんなに大きくなる。それがいつの間にか蓋を持ち上げるくらいにウワっとして。ポンと開けた時、ビックリ仰天。楽しいじゃないですか。それを詠ませて頂いた。

ジュニア名人 「練り物」と「おでん鍋」が(語順が)離れてるじゃないですか。
本人 何が?
ジュニア名人 いやこれね。「練り物の蓋」?何か、持つとこ竹輪とかですか?
浜田 ア~ハハ。
横尾名人 あ、確かに。なるほど。
本人 (しまった顔になる)
清水アナ あ~、何の蓋か分からない。
浜田 いや「蓋」からじゃないの、これはじゃあ。「練り物」からいくからおかしいになってるんじゃないの?
ジュニア名人 はい。いや、分からないですけど。
浜田 まあ、聞いてみましょう。
本人 また、来週来ますかね(笑)。
ジュニア名人 まだ分かりませんから。

■査定結果
永世名人49句で掲載ボツ

理由:また語順


大久保 あら、あらまあ。
横尾名人 ボツ。
西村 あら?
(査定評後)
横尾名人 語順。その通りだ。

夏井先生 
光景は分かるが、「練り物」から始まる語順が完全に失敗だと思う。
本人 今気が付きました。
夏井先生 今気が付いた?ちょっと遅かった。
読者の脳にありありと映像が浮かぶ語順にするべき。
ジュニアさんの指摘が当たっているのが、「練り物」と「おでん」の位置が離れているから分かりにくくなっている。
これは語順が「蓋」から。目の前にまず「蓋」がある。
上五余るが「蓋持ち上げ」とし、「おでんの練り物は」の後、「膨(ふく)る」で"膨れる"意味になる。
こうすれば、蓋を持ち上げていたのがおでんの練り物だと分かる。
分かった所で普通の句(笑)。

浜田 永世名人の句じゃないってことですね。
夏井先生 はい。
本人 なっちゃん、最後の一言は余分じゃねえか(笑)。
夏井先生 でも、こういう俳句はよく見るんだもん。
浜田 なるほど。
夏井先生 普通です(笑)。
本人 2回言ったな、おめえ。来週も来ますよ!(笑)。

●解説のポイント
語順は完全に失敗
(練り物でできた蓋に誤読される)
「練り物」「おでん」が離れているのも原因
目の前にある「蓋」から始めるべき
「膨(ふく)る」で着地する
分かった所でよく見る普通の句

添削後
蓋持ち上げ おでんの練り物



浜田 さ、というわけで、申し訳ございませんがこれはボツにさせて頂きます。せぇ~のドン!
(シュレッダー演出)
一同 あ~。
浜田 もうこれ要らないんですよ、もう完成してるから人形が。
梅沢永世名人 そういうことを言われても(笑)。

★来週は47都道府県「ふるさと戦」第2弾。千葉・京都編です。



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コメント

No title

割とマジで句集完成後どうするかスタッフも決めあぐねててバーターの東さんもいなくて困ってる説
それでしばらく凡句で流すことに決めたんじゃないかってぐらい今回の御大の句は平凡だった気がするなぁ

まぁ冗談はさておいてジュニアさんおめでとうございます! 本人の解説を聞いて判断するパターンで昇格を勝ち取るのは非常に珍しいですね!
今後もそのトーク力と圧倒的な芸術センスで番組を盛り上げてくれることを期待してます!

ブログ主さま

お大事に…

つづきです

査定句は助詞により明暗が分かれたように思えます。

横尾名人
上、中、下句と句ごとのラスト1音があ行で終わっていて、韻が良い句。中七の助詞「は」は「の」、「に」があり得るけど、「の」だと意図してクミンの香をさせているのか間違ってクミンをいれたのか分からなくなります。「に」だと、クミンをおでんに入れたとも取れ、店主の視点の句にもなりますね。

ジュニア名人
この句も助詞により詠み手が客なのか店主なのか分かれるところでした。自解が句と一致してることで見事昇格。
句集完成までトントン行くのでしょうか。

御大
語順のせいもあり、上句の格助詞「の」はジュニア名人の指摘通り、連体修飾語(練り物製の蓋)と取れてしまう。
「の」は、主語を示すか連体修飾語を示すかなど、文脈から判断されるから、句の始めに「練り物の蓋」と置いたことが誤読の一因になった様子。
これから何週か、出演者として名が発表されてない御大。最後の一句が遠いようです。

今回は

横尾名人

別の方のコメントにもあるとおり、中七の助詞は「に」の方がよかったのでは?と思いましたが、

「に」だと、おでんにクミンがこぼれたようの印象があります。
「は」だと限定的な意味合いがあるから、ご本人の解説どおりに、他の国の料理とコラボする意味合いも含めるなら、

「は」が正解かなと。

また千原ジュニア名人も仰っていたように、母音「A」の発音での韻もポンポンと踏まれており、17音にラップとしての魅力も含まれてると思います。


千原ジュニア名人
永世名人、おめでとうございます。わずか6回、10段に昇格されてから一年足らずでのスピード昇格お見事です。
SNS上の発表でもいいので、句集掲載に値する句がどれくらいあるかを知りたいです。

句の感想にはいります。

夏井先生の評価のABのポイントは作者がどの立ち位置なのかを正確に表現できているか?だと思います。

下五の助詞「へ」だと今まさに「神棚へ」供える瞬間を正確に描写してます。もし「に」だとすでに供えているものかどうかの解釈に迷いますから、やはり助詞オタクの真骨頂でしょう。

助詞の選択というのは千原ジュニア名人の強みですので、村上名人や一度離れた東国原名人もウカウカしてられませんね。

梅沢名人

上五の助詞の使い方は梅沢名人の弱点ですね。解説きくまでは全くわかりませんでした。

比喩であれば直喩の「ごと」を使ってほしかったなと

練り物が蓋持ち上げるごとおでん


最後に拙句を詠ませていただきます。

レジの列は壁に春節のコンビニ

4位の句
おでんを取ったら鍋に顔が浮かんできたので肩を揺らした。

個人的に、勝俣州和さんの「あと五人呻く幼き牛蛙」を彷彿とさせられた。個人的には、詠み手の言いたいことが読み手に伝わらずシュールな方に向かう番組の展開は好きですし、バラエティ番組さが出て良いかと。

3位の句
日向ぼっこ中、面を取ってシロの鼻を眺めた。

テーマがおでんだからギリ大根かなんかの面取りかなあと思えたが、テーマがなければ剣道の面をとって犬の鼻を眺めると言う光景を思い浮かべた。剣道経験者ならそう誘導されやすいと思う。「眺める」の位置が不味くて、この句の動詞の位置では、詠み手の視点かシロ視点か読み手は迷う。

2位の句
この句の凄い点は、季語「冬の蝶」を持ってきたところ。おでんからこの季語が出てきたら、なんでこの季語なんですか?と聞きたくなる。これは実体験が無いと詠めない句だと思った。

句そのものは

湯気越しに何かがいて、それを認知したときに心の中に浮かぶ父を思い出した。湯気越しにいたのは冬の蝶であった。

そんな風に読めてしまった。おでんの湯気が立つ室内に冬の蝶がいては不自然だから、露天風呂だろうか、いいや、湿気の激しく羽が重くなる露天風呂に蝶は来るだろうか?

こうなると、湯気は無視して、兼題写真から得られた冬の蝶、そして父親に焦点を合わせた方が良いかと、確かに思えました。

なお、3位と2位の句には共通点があり、いずれも兼題写真に影響を受けすぎてるかと感じました。

3位の句は写真に頼らないと「面取り」が大根の面取りと分からない(写真に依存)、2位の句はおでんから得た発想から実家や父を思い出したが、写真に縛られてしまった。安藤さんはきっと根が真面目で、写真やテーマを詠みこまないと、と思ったのかも。

1位の句
バクダンと屋台で叫ぶ男が入るが、こいつは年男である。

屋台とバクダンの取り合わせから、戦後間もない頃の光景かそれをテーマにしたドラマを思い起こしました。というのも、「バクダン」が卵だと知らなく、戦後なにが材料になってるかも分からないような粗悪な酒と思ったからです。

しかし、私の誤解のまま突き進んでも、卵でも酒でも良いから屋台で叫ぶほどベロンベロンな年男の光景は浮かびます。

夏井先生が指摘した通り、歳時記には各家庭において年末年始ならではのことをするのが年男とあります。

思えば、年末に神棚掃除や飾り物を準備するのは親父でした。そんなのが屋台でバクダンと叫ぶ。

面白い句だといただきました。

特待生について

横尾10段、最近流行りの対句表現ではなく、定型の句で見事星を奪還。
カレー風味のおでんを詠むことに先ずセンスがあるが、率直に「カレーの香」ではなく「クミンの香」というよりピンポイントなスパイスにしたことで、読み手に意外性を与えることに成功していたと思う。「ガード下」という効果的な聴覚情報も相俟って、非常に完成した句の世界だった。

ジュニア10段、圧巻の句で見事永世名人の座を手にする。助詞「は」と「へ」がもたらす効果というのを学ぶのにぴったりの句だろう。
おでんであるかはともかく、「神棚に料理を供える」という発想の句は割とありそうな印象だったため、写実に徹底するジュニアさんお得意の書き方との相乗作用も含めての認定ということか。
次回以降のシュレッダー争いに期待。

梅沢富美男は…平場査定でも凡人くらいの発想と表現力なのでノーコメント。
来週からしばらく出ないでください。

津田寛二、「年男」へのアプローチはなかなか面白く、勢いのある型である。問題は「バクダン」と「屋台」でどれだけの読者がわかってくれるのか?ということ。
夏井先生は「玉子のことだと分かる」と解釈していたが、そんな都合良い発想ができるんだろうか?爆破予告だと思う人もいるんじゃないか?せめて屋台の商品名だとわかるほうがいいんじゃないか。
・「バクダン」を頼む年男と屋台

安藤美姫、詰め込みすぎの失敗に陥る。この間のうどん屋の句で「たゆたう湯気」もあったが「湯気」だけでは風呂なのか鍋なのか、全く情景が絞れない。所謂「兼題写真に頼りすぎ」だろう。あと、夏井先生って添削に困ったらちょくちょくリフレイン使うなって。

オアシズ大久保、スランプをまたしても脱却できず。大根と犬で白色を重ねるというフェイクを交える発想は面白かったのだが……
ところで「面取り」というのは大根のイメージも大きいが、元は金属や木材を削る行為なのでやはり「大根」という情報は必要だったろう。

コットン、動詞を四つも入れて句を成立させるのは初めてではあまりに無理がある。結果、ホラーにしか読めなくなってしまった。元アナウンサーとして、言葉を精査する力を磨いていただきたい。

昨日のプレバト

横尾くんが★3に一発で返り咲くといい、ジュニアさんが番組史上4人目の永世名人に昇格するといい、2023年初の昇格試験は幸先いいスタートになりましたね。(自分的にはフジモンが先に4人目の永世名人になれるかなと思っていた)

追記
ジュニアさんの昇格試験の際にAの査定結果が出たら、どうなっていたでしょうか。

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