2023年1月12日放送 プレバト!! 俳句冬麗戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
冬の季節に行われる
第6回冬麗戦で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
※毎度コメント頂きありがとうございます。返信できず申し訳ございません。 ※「森迫永依の全俳句一覧」記事は作成済です。 ※23日に詳細更新致しました。大変お待たせ致しました。 |
→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細 →編集後記※過去のタイトル戦結果などは
こちらまたはブログカテゴリからどうぞ。
◇冬麗戦2023のルール ※予選は実施なし ・2022年に詠まれた全330句から最も優秀な15句を詠んだ15人(特待生以上10名・通常挑戦者5名)が選出 ・前回金秋戦のシード権は適用なし ・出場の合否は事前に番組側が本人にカードを渡して通達 ・通常挑戦者5名は特待生以上着席後、順番にお披露目 ・ランキングシートへ着席でき、俳句が発表された上に解説・添削を受けられるのは上位10名のみ。 ・下位5名は1位発表の段階で順位のみ発表(TVerでのみ俳句公開)。 【特典】 ・優勝者に賞金30万円+トロフィー🏆。 ・上位10句は品川駅(東京都)中央コンコースのビジョンに順位順に掲載(放送後3日間・1月13日~15日限定) |
※兼題クリックで各回記事に飛びます。氏名欄の下の段位は冬麗戦時点での段位です。
●お題:ラッキー
※幸運がテーマ。写真左上から黄身が2つ入った卵、「7」のゾロ目のレシート、偶然脚でキャッチしたドッジボール、ダブルレインボー。他にもボウリングのガターからのストライク、2002年ソルトレーク五輪のスピードスケートで上位転倒による最下位からの逆転金メダル、ブーケトスのキャッチも紹介。
※順位クリックでリンク内移動します。
順位発表順:2位→10位→9位→8位→7位→6位→5位→4位→3位→(11位~15位)→1位梅沢富美男 <永世名人> | 出場! | (両手を挙げておちゃらけて)やった~! (態度を急変させ)わざとらしいわ! やったよ。当たり前だろ。俺の出ないプレバ…[→カット]。 |
村上健志 (フルーツポンチ) <永世名人> | 出場! | よし! そりゃそうですって~。 (選出句を聞いて)正直3月くらいの段階で「出られるな」と思ってました。 |
千賀健永 (Kis-My-Ft2) <名人8段> | 出場! | やった~! [横尾名人] 俺か~。俺が出れないのか。 俺ね、もう半分諦めてた。 |
横尾渉 (Kis-My-Ft2) <名人10段> | 出場! | 良かった。 最近タイトル戦獲れてませんので。 Kis-My-Ft2のメンバーも(肖像画が)なくなっちゃったじゃないですか。 誰かが獲りたいですね。 |
北山宏光 (Kis-My-Ft2) <2級> | 落選! | わ~はっは。落選~。 うわ~マジか。そんな甘くない。 |
宮田俊哉 (Kis-My-Ft2) [段位なし] | 落選! | 落選~。そっか~残念だな。 ※昨年は才能アリ0回 |
二階堂高嗣 (Kis-My-Ft2) [段位なし] | 出場! | 一番手応えあります。うわ、緊張する。 (ゆっくり結果を見て)うわ~!マジ!?出場! え、マジっすか?特待生がいる中で。え、スゲー!めっちゃ嬉しい! |
藤本敏史 (FUJIWARA) <名人10段>🍁 | 出場! | はい、出場。 連覇しちゃいましょうかね。連覇いっちゃいます? |
中田喜子 <名人7段>🔥 | 出場! | あ~ハハハハハ。出場。ありがとうございます。 ブラボーブラボーブラボー!ハハハハハ。 中田喜子頑張ります。ウフフフフフ。 もう、今日は笑いが止まらない。ウフフフフフ。 |
立川志らく <名人6段>🌸 | 出場! | あっ、出場。当然でございますよ。 あの、スタッフが首傾げるから、もしかしたら無いのかなと。 |
千原ジュニア <名人10段> | 出場! | はっ、ありがとうございます。凄いね~。 もし俺が1位獲ったら、肖像画は自分で消しゴムはんこでやるから(笑)。 |
犬山紙子 <4級> | 出場! | あ!やった!やった!嬉しい嬉しい嬉しい! 今回も永世名人に下克上したいです! |
森口瑤子 <名人2段> | 出場! | せぇ~の…はぁ~。うわ~、はぁ~。 毎回泣きそうになりますよね~これね。あ~良かった~。 |
高橋 克実 [段位なし] | 出場! | ハハハ!ハハハハハ。 マジで?って感じですよね。 |
本上まなみ [段位なし] | 出場! | フフッ!良かった!出場です。 ※ジュニア名人が「最近の俳句の中でかなり良いです」と褒めていた。 |
伊集院光 [段位なし] | 出場! | ※円楽一番の愛弟子として紹介。 |
森迫永依 [段位なし] | 出場! | はぁ!出場?えぇ~! え?戦うってことですか?(笑) 浜田 そうです(笑)。 |
★特待生以上10名の参加者がスタジオ中央3列に着席。前列左から藤本・ジュニア・横尾・千賀名人、中列左から中田・志らく・森口名人、犬山紙子と段位順。後列は梅沢・村上両永世名人が座る。
浜田 冬の俳句タイトル戦、冬麗戦~!
清水アナ 冬のタイトル戦は去年詠まれた全330句の中から厳選した優秀句を詠んだ皆さんによるグランドチャンピオン大会です。
浜田 永世名人のお二人はやはり選ばれるという。
梅沢永世名人 はい。まぁ、当然だっちゃ当然。
浜田 これはまあ当然だと。
梅沢永世名人 はい。落ちるはずがありませんから(笑)。
浜田 キスマイからは2人来ているということで。素晴らしい。
千賀名人 はい、お願いします。
浜田 あれ、北山はおらへんで。
千賀名人 北山は今回選ばれなかった。
横尾名人 まあ、実力が…まぁしょうがないっすよね(笑)。
千賀名人 1回獲ってはりますよ。載ってましたから。
ジュニア名人 こっからでもまだあれなんですよね。
浜田 そうなんですよ。
ジュニア名人 あそこ(左側)に5席ありますから。
浜田 そういうことです。
清水アナ 5人来るんですけども、名人・特待生ではない人たちが来ます。
藤本名人 怖いねんな。もう、それもな。
浜田 さあ、それでは登場して頂きましょう。
藤本名人 誰?
***
浜田 (11人目は)【高橋克実】さん!
高橋 よろしくお願いします。
一同 え~!
ジュニア名人 克実さん。
※昨年の出演1回で冬麗戦への切符を勝ち取った。
***
浜田 (12人目は)【本上まなみ】さん!
ジュニア名人 あれや。
本上 よろしくお願いします。
ジュニア名人 ラムネ(の句)や。
藤本名人 何?
***
浜田 (13人目は)【伊集院光】さん!
伊集院 お願いします。
円楽(VTR) 今まで十何人も弟子が来た中で一番の弟子です。
伊集院(VTR) 何だろ、このアプローチ(笑)。
ジュニア名人 負けられへんな。
***
浜田 (14人目は)【森迫永依】さん!
森迫 よろしくお願いします。
梅沢永世名人 この子凄いのよ。
梅沢(VTR) 俳句の申し子かもしれない。
藤本名人 (選出句が)めっちゃええやん。
※まる子「心の俳句」で頂点なるか。
***
浜田 (15人目は)【キスマイ二階堂】!
横尾名人 ハハッ!
千賀名人 おっ、高嗣。
二階堂 荒らしに来ましたよ!(笑)お願いします。
藤本名人 久しぶり。
ジュニア名人 来た。
※出演回数35回で昨年4度の才能アリ。番組きっての問題児が初出場。
***
浜田 さあ、というわけで。どうですか、皆さん。この顔ぶれでございます。
一同 凄いなあ。
浜田 もう一番はやっぱり、二階堂が出た時みんながワ~ッなって。
藤本名人 そうなんですね。
二階堂 皆さん、驚かれてるじゃないですか。僕が一番驚いているんです(笑)。
浜田 梅沢永世名人、どうでしょうか。このメンツ。
梅沢永世名人 いや、あの娘(→森迫)がちょっと強敵ですよ。
浜田 あ、彼女が。
梅沢永世名人 はい。私が褒めましたのはね、この子は"俳句の申し子"です。
浜田 森迫さん、どうですか。
森迫 いや、こんなペーペーなのにタイトル戦に…。
浜田 うん、そうやな(笑)。
森迫 いやもう、ペーペーです、ペーペーです。どうにか、あの10位までの席には入りたいっていう気持ちでいっぱいです。
浜田 そうなんです。そう、ここの人たちが何席か押さえてくれたらもう(特待生以上が)どっと落ちていきますから(笑)。もう気持ちがドンドンドンドンこう(下がって)なっていくんで。
藤本名人 やめて下さい。
犬山 ホントに怖い。
伊集院 (円楽)師匠が「志らくが出しゃばってきた」ってずっと言ってましたので(笑)、あの席は我が一門の席なんです。もともとは。
浜田 なるほど。志らくはん、言うてますけど、どうですか。
志らく名人 今回、昇吉も出てこないから、ホッとしてたらすごいのが出てきちゃった(笑)。
藤本名人 そうなんですよ。
***
清水アナ 今回10位までに入った作品は、品川駅の中央コンコースにあるお馴染みのビジョンで明日から3日間、順位順に掲出されます。
藤本名人 え、こんなのありました?
清水アナ ちなみに、前回(昨年10月の番組10周年時に)犬山さんがわざわざ写真を撮ってSNS上にアップしていました。
藤本名人 これ嬉しいよね。
犬山 これは嬉しいんで、もうすぐ行って撮って自慢しましたね。
浜田 いいですね。
夏井先生 誰がどうなるか分からない。
***
清水アナ さあ、それでは査定結果届いております。
浜田 はい、頂きます。
清水アナ お願いします。
浜田 さあ、じゃあ早速冬麗戦参りますか。
ジュニア名人 始まっちゃったよ。
藤本名人 とりあえずこっちからね、1人ね。まずね。
清水アナ では何位から見ましょうか。
浜田 あ~10位までやろ、これ。2位。
一同 えぇ~!
梅沢永世名人 もう2位?
浜田 いきましょう。
藤本名人 早すぎません?
ジュニア名人 2位?
浜田 冬麗戦第2位はこの人!
▼2位は本上まなみ [大健闘]
伊集院 すげぇ!
藤本名人 出た!出たよ。
浜田 素晴らしい。はい、(特待生席に)一人落ちた~。
藤本名人 ほら~そういうことするでしょ。
横尾名人 意地悪なんだ~もう。
浜田 ハハハハハ。
***
浜田 (段位なしの)こっちからもういきなり来ました。こちらの皆さん。
清水アナ はい、1人は脱落決定ですね。
浜田 さあ(兼題が)「ラッキー」ということですが、ジュニアさん。
ジュニア名人 めちゃくちゃ難しいです。エピソードトークですもん(笑)。「最近あったラッキーは?」。
浜田 確かに確かに。
ジュニア名人 それ17音って、めちゃくちゃなこと言うてますよ(笑)。
梅沢永世名人 いや~難しかったですね。はい、私はラッキーで出てきた芸能人じゃないので。実力で上がってきてる(笑)。
ジュニア名人 そういう意味じゃないでしょ。
梅沢永世名人 一つもラッキーなことはないんで。
浜田 はいはい。
梅沢永世名人 自分の力で。
浜田 はいはいはいはい!
清水アナ 永世名人の梅沢さんと村上さんはお2人ともしばらく優勝できていません。
藤本名人 そうなのよ~。
清水アナ 村上さんの最後の優勝は3年半前の2019年夏、梅沢さんに至っては4年以上前の2018年秋となっています。
浜田 いやホンマにタイトル戦が弱すぎるんよ。
梅沢永世名人 そう自分でも弱いなと思います。ただ私、仕事が忙しいんで…。
浜田 いや、みんな一緒ですって。
梅沢永世名人 特に私は舞台もやってますから。
村上永世名人 梅沢さん、以前から「俳句はプレバト!!でしか詠まない」って。
梅沢永世名人 そうよ。お前たちと違うから。
村上永世名人 で、僕が他の所で俳句とかやってると「お前は本当にダメだ」とか凄い言ってたのに。
浜田 はいはい。
村上永世名人 ドラマ(→2022年放送のファーストペンギン)で何かスゲー詠んでるから。
浜田 マジで?
→梅沢が演じる漁港の組合長が辞世の句として詠んだのが「ペンギンの一羽遅れてすまきかな」。
梅沢永世名人 それ俳句だと思ってるのか、お前。これは辞世の句だ。
村上永世名人 "句"じゃないですか。
梅沢永世名人 辞世の句、これは(ドラマの)脚本を書いた森下先生がどうしても梅沢さんに辞世の句を詠んでほしい。"俳句"を詠んでほしいと頼まれた。
藤本名人 俳句言うてますやん(笑)。
浜田 言うてもうたやん。
***
清水アナ ここで、出場者を知らない状態で聞いた観覧の皆さんの優勝予想の結果をお伝えします。
浜田 前もやったね。
■観覧の優勝予想■
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 |
村上 | 梅沢 | 中田 | 藤本 | 森口 |
8票 | 7票 | 4票 | 3票 | 2票 |
浜田 なるほど。これが皆さんの予想ということですね。
***
浜田 続いては何位を見ましょうかということですが。10位。
森口名人 複雑。
藤本名人 急に?
横尾名人 ここは入りたくない。ここはダメ。
ジュニア名人 これはアカン。
浜田 これはダメですか?
藤本名人 何かきそう。こっちにきそう。
ジュニア名人 10位はアカンわ。
藤本名人 アカンし、こっちに1人きそう。
浜田 いきましょう。冬麗戦第10位はこの人!
一同 うわ~。
浜田 でもこっち(→段位なし)来られてもヤバない?
藤本名人 そうなんですよ。せめてこっち。
ジュニア名人 お客さんの誰か。
藤本名人 あるか(笑)。
▼10位は村上健志(フルーツポンチ) [永世名人脱落!]
→藤本・ジュニア・横尾名人が立ち上がって本人の方を向く
ジュニア名人 え~!
村上永世名人 入ったけどな~。
清水アナ 永世名人が第10位。
村上永世名人 いや~。
藤本名人 票1番じゃなかった?そうよね。
清水アナ はい、優勝予想では1位でしたが、結果は10位となりました。
藤本名人 予想裏切る。
村上永世名人 悪くないはずなんですけどね。
ジュニア名人 吉本。
藤本名人 おい吉本。
村上永世名人 いや、悪くないはずです。「これ直してたら1位」のパターンです。
***
浜田 二階堂どうなの?今日はお前(10位以内の)1席獲ってみ?
二階堂 獲ります。35回出た底力。
浜田 35回も出てまだそこ。
二階堂 はい35回、はい…獲ります。
浜田 まぁ、(タイトルホルダーが)春は志らくさん、夏は中田さんですから。どうでしょう。
志らく名人 中田さんとは大体ね、段位の上がり方も同じような感じで来ている。春私が獲って(中田さんが)夏でしょ。
浜田 はい。
志らく名人 だからここ勝負ですね。
浜田 もう1枚自分のが入ったら。
志らく名人 そう、ただ横にいると凄い怖いんですよ(笑)。
浜田 中田さんどうですか?
中田名人 そうですね。このお隣に立川さんが、志らくさんが横にいらっしゃるだけで、ちょっとイラっとするかな(笑)。
ジュニア名人 そんな仲悪いんや。
中田名人 イラっとする。
藤本名人 そんな仲悪かったですか。
***
清水アナ 続いては何位を見ましょうか。
浜田 これはね、村上の上9位。
ジュニア名人 うわ~。
犬山 微妙。
横尾名人 ここもヤダな。
梅沢永世名人 まあ、残ってればいいんじゃないの。
ジュニア名人 これもしんどいよ。9位しんどいよ。
浜田 いきましょう、冬麗戦第9位はこの人!
▼9位は梅沢富美男 [永世名人全滅!]
一同 えっ!
浜田 ハハ~ハハッ。
永世名人がお二人9位・10位になりました。
藤本名人 何2人。
浜田 これは中々ですよ。
横尾名人 何したの~。
浜田 いや、本上さん。よくあなた、そこ入ったよ、だから。
本上 何が起きてるんでしょう。何を見ているんだろう。
浜田 (梅沢名人が)なんにも喋れへんやろ。
ジュニア名人 え、どうしたんですか。
藤本名人 予想順位も良かったですよね。
浜田 そうね。
清水アナ はい、予想順位では2位でした。
浜田 そうやね。
藤本名人 うわ、1位と2位が。
浜田 (予想)1位と2位が9位と10位になってるから。
藤本名人 逆や。
***
浜田 さあ、皆さん。2位、9位、10位。
伊集院 僕らは9位・10位でも入りたいんです。
浜田 そうよね。
二階堂 どこでもいい。
伊集院 どこでもいいんですよ。
浜田 せやんな。
伊集院 だからホントはああいう人たちにあの席とられちゃマズいんですよ。
浜田 そうやねん、本来あそこ座ってるのおかしいから。
伊集院 そうなんですよ。
浜田 何をしてるの?永世名人2人が(笑)。
藤本名人 弱いな、タイトル戦。
浜田 タイトル戦ホントに。
犬山 怖いよ~。
藤本名人 (永世名人が)何にも喋らへん(笑)。
***
清水アナ 続いては何位を見ましょうか。
浜田 これはね、梅沢さんの上8位。
中田名人 えぇ~。
千賀名人 ここは抜けたい。
伊集院 俺らはね、もう十分光栄ですよ。
浜田 そらそうですよ。冬麗戦第8位はこの人! さあ、どっちから来るんでしょうか。
▼8位は横尾渉(Kis-My-Ft2) [名人10段撃沈!]
ジュニア名人 えっ?
藤本名人 え~、名人。
ジュニア名人 どうしたん?
清水アナ 名人10段が。
藤本名人 どうしちゃったの?
横尾名人 僕っすか?
浜田 お前や。
ジュニア名人 この順凄いね。
***
清水アナ 続いては何位を発表しましょうか。
浜田 これはねもう、横尾くんの上7位。
藤本名人 またもう…。
浜田 この辺はこっち(段位なし)が入ってくる可能性が十分あるとこですから。
二階堂 入りたい。
伊集院 入りたい。
浜田 いきましょう、冬麗戦第7位はこの人!
藤本名人 また来るよ、絶対。
千賀名人 来るな!
ジュニア名人 あっちいけ!
浜田 あっちいってええんかな?
▼7位は犬山紙子犬山 でも良かった。入った、入りました。
藤本名人 いやまぁまぁ。全然いい。永世名人の9・10位よりマシやね。
浜田 そらせや。
***
浜田 克実さん、どうですか?ここまでくると。
高橋 レベルが高すぎるし、こういうタイトル戦はウチで観るものですからね。
浜田 ハハハハハ。でも選ばれたんやから。
高橋 今日はだいぶ近距離で観れて良かったです(笑)。
藤本名人 「近距離」。
浜田 二階堂は自信的にはどうなんでしょう?
二階堂 1位ですね(笑)。
ジュニア名人 ええな。
浜田 いい!いいよ!
ジュニア名人 ええな。三十五階堂くん。
二階堂 35回も出てますから(笑)。
浜田 伊集院さん、どうですか?
伊集院 ホントにね、どこでも良いんです。
浜田 せやんな。
伊集院 ええ。志らく師匠より上にいきたいんです(笑)。
浜田 そらそうな。
伊集院 あの、志らく師匠は僕より年上なんですけど、実は落語の入門は僕の方が早いんです(→志らくは22歳で入門)。
一同 え~!
伊集院 だから、何なら僕の方が偉いんですよ(笑)。
浜田 ハハハハ。
伊集院 (志らくが)「プレバト!!」出だしてから、僕のこと「くん」づけで呼ぶようになったでしょ(笑)。
ジュニア名人 えっ?
志らく名人 あちらの方が本来は「兄(あに)さん」と呼ばなくちゃいけない。
浜田 あ、なるほど。
志らく名人 だけども、もうこれだけ長くやってると、もう「くん」でいいかな(笑)。
浜田 ハハハハ。
伊集院 今日、
僕(順位が)上だったら、また「さん」に戻してください。浜田 あ、なるほどね。
志らく名人 「さん」ではなく「兄さん」と呼ぶ。
伊集院 「兄さん」でいい。
浜田 なるほどなるほど。
志らく名人 約束すると、いつもね(笑)。
浜田 そう、絶対。前回もやらはったもんな。
→昨年の金秋戦では春風亭昇吉に負けて独演会の前座に出演した
藤本名人 ええ。大丈夫ですか?
志らく名人 (首を縦に振る)
***
清水アナ さあ、それでは何位を見ましょうか。
浜田 これはねもう、犬山さんの上6位見ましょう。
ジュニア名人 うわ~、あるなここ。
千賀名人 ここは抜けたい。
浜田 いきましょう、冬麗戦第6位はこの人!
中田名人 (小声で)志らくさん、志らくさん。
藤本名人 どっちや?
▼6位は千原ジュニア [名人10段脱落!]
藤本名人 ジュニアや、はいジュニア。
千賀名人 優秀候補。
藤本名人 中途半端な順位いきやがって。
ジュニア名人 やり過ぎたかな~。
藤本名人 やり過ぎる癖ある、お前は。
浜田 「やり過ぎたかな」ということで。
藤本名人 こいつ、やり過ぎるのよ、ホントにね、もう~。
ジュニア名人 いや~これ、やっぱり芸人のアカンとこ出たな~(笑)。
***
浜田 2位以下見てくださいよ。みんなもう、顔ぶれちゃんとわかってて(笑)。
おめぇら何やってんだよ!藤本名人 ホンマやで~。ちょっと~。
浜田 ホンマに。さあ、じゃあ続きいきましょう。これはもうジュニアの上、5位。
中田名人 こい!
浜田 さあ、こちらから出るのか。こちらから出るのか。
▼5位は藤本敏史(FUJIWARA) [名人10段全滅!]
藤本名人 うわ~また。
ジュニア名人 何してんねん。
村上永世名人 10段。
藤本名人 ゴーです!(笑)
ジュニア名人 違うやん。
中田名人 うまい。
藤本名人 ゴーです!
浜田 お前、郷ちゃうやないか。
***
浜田 うわ、(5位~10位に永世名人・10段が全員入る)凄いメンツみて!(2位の)本上さん以下、
何をしてるの!?マジで!毎週毎週。藤本名人 (小声で)ちょっと待って。
浜田 (舌打ちして)こっちもヤバイですよ。あと3つしか席ないから。
千賀名人 二階堂とか入ってそうだなと思うんですよね。
浜田 ホント?
藤本名人 マジで?
千賀名人 グループでいうと、結構奇跡を起こすタイプなので。
浜田 なるほど。ふんぞり返ってますけど、大丈夫?
二階堂 絶対1位(笑)。絶対獲る。
浜田 (首を傾げる)
藤本名人 届くかな?思い。
清水アナ 続いては何位を見ましょうか?
浜田 これはもう、フジモンの上4位。
千賀名人 もうここでいいわ。
浜田 いきましょう。
伊集院 もう入れてお願い。
浜田 冬麗戦第4位はこの人!
▼4位は森口瑤子森口名人 まあまあ。
***
浜田 冬麗戦あと2席ということになりました。恐ろしいですね。
藤本名人 あらららら。
浜田 1位と3位ということになります。とりあえず3位を開けます。こっち(→段位なし)からきますか、フジモン。
藤本名人 え、こっちも?1位も3位も?
村上永世名人 こっちは絶対ないですよね。
浜田 はっ?(笑)
村上永世名人 「ごめん、やっぱり!」って先生が言わないですかね。
ジュニア名人 あるかもね。「やっぱり郷ひろみ!」って(笑)。
藤本名人 ある?
浜田 さあ、いきましょう。冬麗戦第3位はこの人!さあ、一体誰?
▼3位は千賀健永(Kis-My-Ft2)千賀名人 よっしゃ~!やった~!
中田名人 素晴らしい。
藤本名人 入った。
二階堂 凄いな。
ジュニア名人 ナイス!
千賀名人 ありがとうございます。
***
浜田 さあ、というわけで。いよいよ…。
藤本名人 きた~。
一同 誰だ?
清水アナ 残るは1位のみですが、名前を呼ばれていない方が6人います。
ジュニア名人 これこっち(中田・志らくのタイトルホルダー)なら(肖像画が)ダブルですよね。
浜田 そういうことです。村上さん、ちなみにどう思われますか。
村上永世名人 いや~まぁ、お二人は獲る力は当然あるんですけど。
浜田 ねっ。
村上永世名人 希望としては…、もうこっち(段位なし)からきて欲しいですね。
浜田 こうなると。
村上永世名人 こうなると。
浜田 でも
全員1位2位獲られたら全滅やないか!こっち!村上永世名人 いやもう…僕10位なんで。変にこっちから入るよりも、誰も入れない方が良いというか。
浜田 いやらしいわ(笑)。
藤本名人 気持ちいいね、そっちの方がね。
***
浜田 じゃあ、いよいよ1位を発表しましょう。今年の冬麗戦を制した第1位はこの人!
▼1位は森迫永依二階堂 えっ、すげえ!
中田名人 ああ~!
一同 すごっ!
→ランキングシートの全員が総立ちになって拍手する
森迫 え?え?どうしよう!どうしよう!
千賀名人 おめでとう!
森迫 無理無理…。
浜田 全員立ってる。スタンディングオベーション。
藤本名人 凄いわ!
浜田 どうぞどうぞ、第1位。
一同 凄い。
森迫 え~、どうしよう、どうしよう、どうしよう…。
藤本名人 泣いちゃってる。凄い、何を詠んだの?
横尾名人 素晴らしい。
ジュニア名人 凄いわ。
浜田 これはすごい。1位です。
森迫 (泣きながら)嬉しいです。え、どうしよう。こんな有難い席に座らせちゃっても。ごめんなさい…、いいんですか?ウフ。パニックパニック。
浜田 いや、全然いいですよ。まだ4回目くらい?
清水アナ はい。
浜田 4回目ですよ。
観客 え~!
清水アナ 冬麗戦を制しました。
藤本名人 才能!
浜田 ただ、呼ばれなかった5人の方はランク外ということになります。
***
→11位以下は番組内で俳句の発表はせずに順位のみ紹介。
浜田 第11位はこの人!
▼11位は中田喜子中田名人 あ~。
藤本名人 惜しい。
浜田 続いて、第12位は!
▼12位は高橋克実浜田 克実さん、案外健闘したんですよ。
浜田 第13位は!
▼13位は伊集院光伊集院 お~!
ジュニア名人 兄さん!(笑)
藤本名人 勝った。
ジュニア名人 兄さん。
伊集院 先輩…。志らくちゃん?志らくちゃん?
志らく名人 (頭を下げて)
兄さん、これからよろしくお願いします(笑)。
伊集院 低レベルなとこ。
藤本名人 凄い下の方の争いやったんですね。
伊集院 すっげぇ低レベルなとこで。
浜田 さあ、第14位は!
▼14位は二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)、最下位は立川志らく一同 え?
志らく名人 さっきのさっきまで1位だと思ってた(笑)。最下位って。
浜田 これはもう無条件で勝ちました。
伊集院 はい、だけどすっげぇレベルの低い戦いしてたね(笑)。
●それでは順位別に見ていきます1位
◆『初富士は青し ケサランパサラン来』 森迫永依【本人談】私にとっての「ラッキー」が何かを考えて真っ先に頭に浮かんだのが、ケサランパサラン(※タンポポの綿毛のような毛玉、民間伝承上で謎の生物とされる)っていう綿毛みたいなもので、結構空中でたまに浮いている。それを小さい頃から見つけて「あ、ラッキー」っていう風に思っていた。後ろに有難いものがあると綺麗に映えるのではないかと思った。
梅沢永世名人 私がオープニングで何と言ったか覚えてますか、皆さん(笑)。
藤本名人 忘れた!
梅沢永世名人 忘れてるでしょ、ねっ。俳句の申し子です、この子は。
浜田 あら。
梅沢永世名人 この「ケサランパサラン」をよく出してきた。大したもんだ。もう、私の後はこの娘(こ)ですよ(笑)。
本人 そんなそんな。
夏井先生 これは新年の感慨のようなものを「青」という色に託した。
初富士の後ろの空の青さ、雪自体の青白さ、新年の空気の青さ。
色んな青のイメージの濃淡みたいなものを前半に描いている。
そして、この長い「ケサランパサラン」が出てくる。
作品としてみた時、この「ケサランパサラン」に「初富士」を取り合わせる勇気というか、個性というか。
これは中々出来ない。
一体(作者は)誰だろう?とホントに期待していた。
あなただったのねと私も驚いている。直しは要らない。
浜田 直しなしでございます。
本人 嬉しい~。ありがとうございます。
浜田 さぁ、というわけで。
清水アナ 賞金30万円とトロフィーが贈呈されます。
浜田 はい、おめでとうございます。2023年冬麗戦優勝は森迫永依さ~ん!
本人 ありがとうございます。
藤本名人 凄い!
村上永世名人 凄すぎ~。
中田名人 素晴らしい。
●解説のポイント |
新年の感慨を「青」色に託した 「初富士」「ケサランパサラン」を取り合わせる勇気 作者にただ驚いている |
添削なし
新年・地理「初富士」と「ケサランパサラン」を取り合わせた句またがりの意欲作。等身大の目線で詠まれた大変清々しい光景句です。幸運を呼ぶケセランパセランはスペイン語「ケセラセラ」を語源とする説もあり、マルチリンガルらしい言葉の見つけ方が大成功。「初富士は青し」の言い切りも冠雪を青と言い切る発見と大胆な描写。ポイントは初富士との対比です。遠近・大小に加えて「青し」で青白の色の対比、「来」で静動の対比も描いています。初富士の冠雪・背景の空も含めて「青し」と表現し、ケサランパサランの柔らかで覚束ない感じにもどことなく儚い夢を感じるようなラッキー感のさりげなさを演出しました。若々しく瑞々しい感性が見事に発揮され、タイトル戦初制覇を果たしました。
2位◆『雪虫の 第一発見者は 次男』 本上まなみ【本人談】雪虫を見かけてしばらくすると雪が降るということを以前友達から聞いたことがある。この冬、雪虫を発見したのが息子だった。小さい子の方が自然を見分ける力に優れているというか。
村上永世名人 いや~良いですよね~。「第一発見者」っていう難しく言っているのがよりまた可愛らしさを増すと言うか。
梅沢永世名人 いや、素直ですよ。素晴らしいですよ。よくこれ優勝しなかったんだと思って。
本人 ありがとうございます。
浜田 2位ですからね、上にいますから。
梅沢永世名人 私でしょ(笑)。私がいなけりゃね。
夏井先生 この「次男」が良い。リアリティーがここにもある。
ちょっと得意げな顔して、いつもはお兄ちゃんに適わないが、この日だけは凄く嬉しそうに報告をする。
真ん中の「第一発見者」という硬い言葉の使い方も良い。
こういう風に呼ばれることで、次男のプライドが嬉しくなるみたいな。
そこに、親の優しい視線もあると思う。
テーマ「ラッキー」との関連性について。
たかが雪虫を見つけたことを家族みんなで「よかったね、ラッキーだったね」と喜び合える家族の感性が素敵だと思う。
幸せを形にしたようなご一家だなと思った。直しはいらない。
浜田 本上さん、おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 第2位でございます。
●解説のポイント |
得意げな顔の「次男」にリアリティー 「第一発見者」に次男のプライドが嬉しくなる効果 雪虫を見つけた家族で喜び合える感性が素敵 |
添削なし
冬の動物「雪虫」を見つけた人物を表現した字余りの一句。「雪虫」は歳時記を開くと2種類ありますが、この句は「綿虫」とも呼ばれるトドノネオオワタムシなどの白腺を持つアブラムシの一種。地域によって呼び名が異なり「しろばんば」「ゆきんこ」「雪蛍」などと呼ばれ、成虫の寿命は数日と観察が困難な昆虫です。一方、同じく「雪虫」のセッケイカワゲラは春の季語です。何と言っても「第一発見者」の仰々しい表現が効いており、「次男」も家族ぐるみで探すような微笑ましい家族像を表現しています。些細な事でも俳句のタネに出来る本上さんの観察力が発揮された一句であり、定型を外した型にも大胆さがありました。
3位◆『冬ぬくし 粘板岩に 貝の跡』 千賀健永(Kis-My-Ft2)【本人談】「冬ぬくし」が季語で冬の中で暖かい日。ほんのりしたラッキーがここにもある。「粘板岩」(※堆積岩の一種、薄く剥がれやすい)は、化石発掘体験でハンマーで叩いて粘板岩の中の化石を発掘するという。名古屋のロケのVTRで見て。これはラッキーだなと思って。
二階堂 これ、テレビで観てたら凄いなと思うんですけど、改めてここに来て説明を聞いて全くワケが分からないです(笑)。
ジュニア名人 分かるやろ!めちゃくちゃ分かりやすいやん。
二階堂 分からなさすぎ。
藤本名人 説明もちゃんとしてくれたで。
本人 今したよ。化石発掘隊、ハンマーって。
二階堂 説明もワケが分からない(笑)。
ジュニア名人 分かるやん。
夏井先生 これは作品としてはキチンと出来ている。
後半の「粘板岩に貝の跡」に対し、季語が動く(※他の季語でも成立すること)のではないかと考える人も何割かはいるかと思う。
この季語を選んだことがテーマ「ラッキー」とも重なってくる。
冬の暖かい日に化石探しを楽しむ日だと繋がってくる。
そこで、化石を見つけることが出来て「ラッキー」という風になる。
「岩」とか「貝」とかに引き寄せるともう少し冷たい感じの季語の方が良いと思う人もいるかもしれないが、今回のテーマ「ラッキー」に寄り添わす効果もある季語の選び方になっている。良いと思う。
直しは要らない。
本人 嬉しい、よっしゃー!
二階堂 いや、凄いなあ。
浜田 でも君は?
二階堂 1位!(笑)
浜田 はい。
●解説のポイント |
作品として完成度が高い 季語が動くと思う人も一定数いる 兼題に寄り添わす効果のある季語選び |
添削なし
時候「冬ぬくし」と化石採掘の光景を取り合わせた一句。「粘板岩」が随分とレアな単語で、泥岩などが変成作用を受けた堆積岩の一種。硬く加工し易いため、瓦や塀などの建築材料や硯などに用いられています。へき開が細かいため植物の葉などが混入することは多いようですが、貝の跡を見つけた生痕化石のラッキー感をさり気なく演出しました。季語「冬ぬくし」も措辞との取り合わせで大変雰囲気が似合っている基本の型です。兼題に準えた季語選びでしたが、この句は「粘板岩」が一般的でないだけに「粘板岩割れば冬日の貝の跡」のように季語や語順を変えて化石採掘を表現する手法もありそうです。
4位◆『マフラーにきら 失くしたはずの ピアス』 森口瑤子【本人談】ピアスをよく失くす。でも何かあの、ふとマフラーを見たら光っているなと見ると、失くしたと思って諦めていたピアスだった。
梅沢永世名人 私今後悔しているんです。こんな中途半端な句を詠んで、どうせなら10位以下になったら良かったと。
浜田 なるほど。
梅沢永世名人 私があそこ(発表待ち)にいれば、皆さんが「優勝するんじゃないか?」と視聴率がずっと上がってますよね(笑)。今、もう最低の視聴率になっています。
藤本名人 最低の?何ちゅうこと言うんですか。今日、最低の視聴率何ですか?
夏井先生 現実的な意味で一番ラッキー度が高いかもしれない。
ただ、俳句の世界で結構「失くしたはずのイヤリング」などのフレーズは見る。
みんながそれをやっているだけに、同じようなフレーズ・既視感があるということ。
これが森口さんの句だと判った段階で、森口さんらしさを入れることは出来るかもしれないと思う。
やってみても良いですか?
本人 はい。
夏井先生 「マフラー」の部分をもう少し言う。
あのベラベラの端っこの所を「フリンジ」という。
ほら、あの「メールぴこんぴこん」「だってば」のあなたですから。
ここで1つ、かます。これはどうか。「あらここに」。
藤本名人 わぁ、ええな。
夏井先生 ね。
そしたら森口さんっぽくなる。
本人 いや、次から「あらここに」使っちゃいそうで怖いです(笑)。
藤本名人 もうダメでしょ。
●解説のポイント |
現実的にラッキー度が高い句材 俳句の世界で「失くしたはずの…」に既視感がある 「あらここに」で作者らしさを出す |
添削後
『マフラーのフリンジ あらここにピアス』
冬の生活「マフラー」から失くしたピアスを発見したラッキー感を表現した一句。「きら」の光輝く様子がこの句の工夫で、ピアスを失くした経験のある女性ならではの視点です。それ故に類想に陥りやすいのが勿体ない点で、ご指摘の通りリズムも悪いため「実はそのピアスに思い入れがないけれど」のような悪い受け取り方に取られる可能性もあります。散文的な「はずの」も蛇足でしたでしょうか。「だってば」の心情的な口語表現の印象が強い方だけに「あらここに」と偶然気付いた感触の表現で添削されました。今後の詠み口にも注目したいところですが、自尊心の高い御大が森口さんの句に何も感想を言わなかったことが痛まれます。
5位◆『四時限目休講 小春のキネマ』 藤本敏史(FUJIWARA)※合わせて16音、字足らずの俳句。
【本人談】大学には行ってないが四時限目が休講になることってあるらしい。急に休み、休講になったからその身で映画を見に行ける。
浜田 こっちから聞いてみましょう。伊集院さん、どうですか。
伊集院 いや、何かロマンチックっていうか。青春映画の匂いがする。顔に似合わない(笑)。
本人 こういうの得意です。顔に似合わない、こういうの詠むんですよ。
浜田 森迫さん、どう思われますか。
森迫 私の大学時代を思い出しました。
浜田 なるほど。
森迫 大学生にとって突然の休講ほどラッキーなものはないので、ホントに。しかもその空いた隙間時間を映画を観るのに使うのも贅沢ですし。
浜田 なるほど。
森迫 凄い素晴らしい。
本人 ほら!
浜田 そうなんや。
夏井先生 まさに大学あるあるという感じ。
「四時限目休講」とここで一塊の硬い言葉を放り込んで、そこから「小春」の時候の季語にいく。
この取り合わせだけでも、季語がささやかなラッキー感を表現してくれていると。
そこは上手にまとめた。
「キネマ」も映画マニアのような大学生が1人で観に行っているのではないかと。
そういう所もちゃんと伝わる。
音数の問題で、「小春日」と1音入れても良いかもしれない。
こうすると流れは作れるかもしれない。
浜田 どうですか?これで5位ということです。
本人 ほとんど直しなしで?
浜田 はい。
本人 へぇ~(笑)。
浜田 いや、それは(6位の)ジュニアもそうやもん。
本人 …5~です!(笑)。
浜田 「5です」や。うわ、(5位~10位に永世名人・10段が全員入る)凄いメンツみて!(2位の)本上さん以下、何をしてるの!?マジで!毎週毎週。
藤本名人 (小声で)ちょっと待って。
●解説のポイント |
「休講」が大学あるあるで共感できる ラッキー感を出す表現を上手くまとめた 「小春日」として字足らずを解消する |
添削後
『四時限目休講 小春日のキネマ』
冬の時候「小春」と大学生の休講をテーマにした字足らずの一句。大学の授業時程は2時限90分が主流ですが、この句の「四時限目」はいわゆる7・8時限目に相当する14~16時台の時間帯でしょうか。休講自体は結構あるため類想にもなりやすい句材ですが、「キネマ」の洒落た単語が効きました。4時限目以降に予定がなく、やや小さな古風な映画館へ足を運ぶ物好きの学生の姿が思い描かれます。「小春」についてはご指摘の通り、小春を題材にした映画の可能性もあり、「四時限目休講」を題材にした映画を観た小春というイメージもあります。「日」と一音入れて17音にすれば字足らずの不穏な印象は除けますが、なぜ字足らずにしたのか本人に伺いたいところです。
6位◆『焼鳥や 嗚呼隣席に 郷ひろみ』 千原ジュニア一同 (笑)
浜田 これ体験談ですか?
本人 体験談です。
【本人談】焼き鳥屋の美味しいとこに行って、横見たら郷ひろみさんがいる。店を出た後に挨拶をして、でないと自分の分もお会計されるのが悪いかなと思って。(郷さんが)会計で出た後に「いたの?」「ありがとうございました」と挨拶して、店員に「お会計?」って言ったら「郷さんから頂いています」と。わざわざ(郷さんが店に)電話で「俺につけといて」と。今までの焼鳥屋で一番美味しかった(笑)。
藤本名人 焼鳥屋に郷ひろみさんいてるんやねえ。
本人 そうやねん。
藤本名人 (郷さんが3時のヒロインとCMをしている)「にしたんクリニック」なら分かるけど。
浜田 おいおい。
藤本名人 にしたんクリニックなら郷ひろみさんいるって分かるけど。
浜田 おれへんよ。にしたんクリニックにおれへんよ。
藤本名人 いないですか。
浜田 いないよ、そんなもん。
夏井先生 これはこれで面白かった。楽しませてもらいました。
「焼鳥や」で詠嘆し、その後に「嗚呼」が来るため、どうせ何か酒飲みながら愚痴溢してるのかと思う。
「隣席」だから隣に上司か同僚がいて、上司の悪口でも思った瞬間に、「郷ひろみ」が出ると。
もう、この語順もこれ以上ない語順にはなっている。
この一句の世界に奥行きやポエムの部分がどうあるか?と言われると少し損する向きはある。
けれども、俳句も「俳諧」は可笑しみ・滑稽という意味。
滑稽という意味でこれはこれで一句。
どこ直すもない、これはこれ。直しは要らない。
藤本名人 なしで6位なんや。
浜田 直しはないがジュニアは6位ということになりました。
本人 郷さん、すいませんでした(笑)。
藤本名人 (郷に引っ掛けて)5位やったらな?(笑)そうでしょ、絶対これは5位やろ。
浜田 そりゃそうだけどさ。
本人 ロクです!(笑)
浜田 いや、無理がある(笑)。
●解説のポイント |
面白く楽しませてもらった 酒の場で愚痴を溢すと思わせ人名を出す語順が良い 一句の世界の奥行きや詩情の量で少々損 |
添削なし
冬の生活「焼鳥」と隣席に芸能人がいたという発見を詠んだ定型句。「郷ひろみ」がオチに来る芸人らしいラッキー感を演出していますが、前回の兼題「大谷翔平」並みに季語以上のインパクトがありました。展開は光浦靖子さんが詠んだ「数の子を砕く娘は四十六」と似ており、ご本人も仰っていた「エピソードトーク」を俳句に盛り込むという考え方の癖で損してしまった印象です。「や」の詠嘆と「嗚呼」の呼びかけも重複しており、下五の人名と帳尻合わせの意図はあるようですが、季語を立てるなら「郷ひろみが隣に座る焼鳥屋」などと下五に置く方法が使えるかもしれません。
7位◆『一月の銀座で おそろいの 遅刻』 犬山紙子【本人談】私がラッキーだと思うことが何か?と最近思い出したのが、遅刻した時に相手を待たせてしまうと思ったら同じだけ相手も遅刻すると連絡が来たときに「ラッキー」と。同じ時間感覚の人なんだみたいな気持ちがあって。
浜田 志らくはん、どうですか?
志らく名人 わたし?
浜田 はい。
志らく名人 あぁ…。
浜田 何をボーっとしてたんですか?(笑)
志らく名人 この句より(順位が)上か下かをずーっと(笑)。
藤本名人 ははっ、確かにね。
浜田 自分のことばっかりや。
志らく名人 「おそろいの遅刻」というフレーズはとってもオシャレで素晴らしいとは思う。一瞬でも止まりますね。何のことか分かんないってのが。そこが多分、もっと分かりやすくなると順位が上がったんではないかと。
夏井先生 テーマ「ラッキー」に対してのこのエピソードというのは決して悪くないとは思う。
問題点は二つある。
一つは上五「で」。これがやはり散文的。
なくても意味の上で伝わる。これはいらない。
そして、「おそろいの遅刻」がどういうニュアンスなのか。
今語って頂いたように、一緒の時間(双方が)遅刻するという意味にストレートにいきつけない。
例えば、自分がいて恋人同士の2人がお揃いで遅刻してきたという感じもある。
それからペアルックで遅刻してきたとか。
浜田 「お互い」とかやったらね。
夏井先生 あっ、そう。今誰が言った?「お互い」です。
藤本名人 浜田さんです!もっと褒めてあげて下さい。
浜田 うるさいな!
夏井先生 素晴らしいです。
浜田 腰巾着。
夏井先生 素晴らしいです。
藤本名人 先生、浜田さんです。
夏井先生 「お互い」って書くだけで同じぐらい遅刻したと表現できる。
凄いですね、浜田さん。
浜田 いえいえ。
藤本名人 凄いですね、浜田さん。
夏井先生 「お互いの遅刻」。
少しだけ字余りしても良いと思うなら、「お互い様」という言い方もある。
今回の8位と7位はそういう意味で、電車マニアの方は(横尾名人の)京急の句が7位だと言うだろうし、こういう遅刻に共感を持つ方はこっちが7位だと。
梅沢永世名人 9位と10位はどうなんですか?(笑)
藤本名人 いいでしょ。
ジュニア名人 全然違いますよ。
浜田 まだ聞くことある?
●解説のポイント |
兼題に対してのエピソードは決して悪くない 上五「で」が散文的で無くても良い 「おそろいの遅刻」のニュアンスが伝わりにくい |
添削後
『一月の銀座 お互いの遅刻』
『一月の銀座 お互い様の遅刻』
冬の時候「一月」と銀座での遅刻を表現した句またがりの一句。お洒落な街・銀座のブティックにでも行くことを思わせる中、待ち合わせの最中に遅刻することはあるのでしょう。「お揃い」がアベックやペアルックなど誤読しやすい点は頷けますし、「で」の用法ミスは犬山さんなら気づけたはず。個人的に、冬の銀座を歩くと街並みに諸外国感があるからか時間がふんわりとゆっくりと動いているような何とも言えない感覚に陥ったことがありますが、犬山さんがそのような感覚を体験されたなら「一月」の季語にも共感性があると言えそうです。
8位◆『初旅は海へ 黄色の 京急来』 横尾渉(Kis-My-Ft2)【本人談】京急線にイエローハッピートレインというのがある。これに乗れたり見れたりすると運が上がるという風に言われている。初旅に乗れて今年1年は運が良いんじゃねえかって思った句だった。
千賀名人 いや、めっちゃよくないですか?京急ってのが、神奈川県という具体性があるから凄く良いなって思った。でも8位ですか?
本人 8位ですからね。
二階堂 いや、僕が言うのもおこがましいんですけど、何か永世名人・名人ってあぐらかいてるからそうなるんじゃ(笑)。
ジュニア名人 そんなことないと思うよ。
本人 必死だわ!いつも必死だわ。
藤本名人 いやな感じでダメ出しされたなあ。
本人 これで上に言われたらもっと言われるんだろうな。
夏井先生 前半のフレーズがとても良い。「初旅は海へ」って。
この「海へ」というだけで、「へ」の後の余白のところに全部が入る。
悩ましいのが後半のこの部分。
「黄色の京急来」と淡々と書いている。
後半の淡々とした感じと前半の素晴らしさが少しアンバランスな所で小さく損をしたのが一点。
あと、京急の黄色がどれだけラッキーなのかという認知度の問題にはなってくる。
ちょっとだけ小さなヒントを投げることは出来る。
藤本名人 投げてみて。
夏井先生 例えば逆から投げてみるよ。
「京急は黄色だ」とわざと口語で「来た京急は黄色だ」とまず言ってみる。
そうすればこの「は」によって、"京急は黄色というのに意味があるの?"と知らない人も調べ始める。
ジュニア名人 スゲー。
藤本名人 うわ~。
夏井先生 「京急は黄色だ初旅は海へ」とやるのがここではベストだと思う。
今ちらっとご本人がカタカナ語でイエロー何とかトレインと仰った。
本人 イエローハッピートレイン。
夏井先生 そう。
私ならここに「イエローハッピートレイン」と置いて「初旅は海へ」とやったかもしれない。
本人 はぁ~、そんな勇気無いよ~(笑)。あと、タイトル戦でそんな勇気出せない(笑)。
一同 確かに。
●解説のポイント |
「初旅は海へ」で余白が想像できる 淡々とした後半と前半とのバランスが悪い 「イエローハッピートレイン」と書く手もある |
添削後
『京急は黄色だ 初旅は海へ』
『イエローハッピートレイン 初旅は海へ』
新年の生活「初旅」と京急線の珍しい車両が来たことを取り合わせた句またがりの一句。海に初旅に出かけるという若者らしい爽快感を出した前半の措辞が思い切っています。東京・泉岳寺から羽田空港や浦賀、三崎口までを走る京急線といえば赤い塗装の電車としてお馴染みですが、青・黄色の特別塗装車もあるよう。初旅に珍しい列車に乗れるおめでたさも兼題にマッチしていますし、電車好きの横尾さんらしい一句です。認知度の問題が兼題のラッキー感の感度と関係するため順位は下がりましたが、10段として肩の力を抜いて挑戦する方が良い結果を生みそうです。
9位◆『夕の膳 二つ「ん」のつく 冬至かな』 梅沢富美男【本人談】これは何を言っても9位ですから。(*1)冬至に「にんじん」など「ん」が2つつくものを食べると幸運が訪れると言われる。お膳の上にのって「あ、今日はその日なんだ」と思ってこれを詠んだ。
*1
藤本名人 すねた。
***
犬山 でも冬至に南瓜(なんきん)を食べるみたいな。「ん」が2つつくもので。
本人 そうそう、南瓜。
犬山 そういう知識があればグッとくると。
藤本名人 いや、知らんし。
夏井先生 一見謎かけのようには見えるが、読み進めれば冬至のカボチャ・南瓜のことだと分かっていく。
ご本人は凄いことをいい感じで書いたつもりかもしれない。
本人 そうよ。
夏井先生 スーパーなどに行くと冬至のポップで「『ん』のつく食べ物どうですか」みたいなポップが結構貼ってある。
いったらこれは、冬至の風習を俳句にしたという感じになっている。
本人 あ~そうかい!
夏井先生 そうだよ(笑)。
ですからこれは、謎かけにしたいなら語順が間違っている。
先に「夕の膳」と答えを言っている。
最初は「『ん』」から。「『ん』のつくもの」とすればなぞなぞになる。
「二つ冬至の夕の膳」と続ける。
一同 あ~。
夏井先生 「ん」のつくもので、冬至の日で、夕暮れの夕飯のお膳に乗っている。
最後でちゃんと答え合わせが出来る。
本人 どうもありがとうございました。
浜田 はい。
本人 もう2度と会うことないから(笑)。
夏井先生 (手を振る仕草)
ジュニア名人 引退すか?
藤本名人 何で?やめる?やめるんすか?
本人 もうタイトル戦ないから。頑張ってくださいね。
横尾名人 はい、分かりました。
梅沢永世名人 これが最後ですよ、私。
ジュニア名人 長い間お疲れ様でした。
本人 いい幕切れができました!
藤本名人 お下がりください。
浜田 めっちゃ拗ねるやん。
藤本名人 ねぇ~。
●解説のポイント |
冬至に南瓜を食べることを表現 冬至の風習を俳句にしただけ 謎かけの意図なら語順が間違い |
添削後
『「ん」のつくもの二つ 冬至の夕の膳』
冬の時候「冬至」に「ん」の2つ付く食べ物を食す風習を表現した定型句。冬至といえば柚子湯を思いますが、この句も古風な表現で御大らしい言い回し。「夕の膳」で軽い切れがあり、カボチャや人参など古くから厳寒の時期を乗り切る栄養価の高い緑黄色野菜を食べるという先人の知恵を表現されていますが、「冬至かな」の詠嘆で終わってはオリジナリティがほとんどありませんし、語順も苦しい所です。ご指摘の通り、役者言葉の台詞調の言い回しをそのまま表現した印象が強く、俳句としての妙味を感じられにくいでしょうか。毎週の出演でエンスト気味の御大。ファンと対面する別番組で嬉しさのあまり引退を撤回しましたが、「老兵は去るのみ」とかつて表現した本人に見苦しさが否めません。辞める辞める詐欺の発言の一本調子では食傷気味の視聴者も多くなりますので、今後どのように番組に関わるのか慎重に見守りたい次第です。
10位◆『雪晴や チャームへ託す 運選ぶ』 村上健志(フルーツポンチ)【本人談】ペンダントの先につけたりするチャーム。あれは結構「幸運」をモチーフにしていることが多く、クローバーである、ハートである、金運をイメージして色々な種類がある。「チャームに託す運を選ぶ」という言い方が良いかなと思って作った。
森口名人 雪晴れのキラキラした感じとチャームも凄く良いけど、「チャームへ託す運選ぶ」っていうリズムが…。
本人 リズムが…そうなんですよね。
浜田 横尾君どうですか?
横尾名人 ……もう分かんないです(笑)。
ジュニア名人 いや、何か言うてよ。
梅沢永世名人 どうしたの?
浜田 選ばれないからず~っと何か色んなこと考えてんだろ。ちゃんと見ろ!
夏井先生 「雪晴」と「チャーム」の取り合わせは良いと思う。
本人 あ、良かったんだ。
夏井先生 雪の後の綺麗な青空とキラキラするチャーム。
問題点は取り合わせではなく語り方。
ご本人は「託す運選ぶ」が良いと思って書いたのは分かる。
「託す」「選ぶ」という叙述がやはり散文的(※詩的な情景に乏しい)。
それを今、森口さんが指摘されたと思う。
今ご本人が仰ったように、どんな運なのかをもう少し明確に書いても良い。
「託す」「選ぶ」の動詞2つは遠慮する。
「雪晴や」の後、恋愛運・金運など具体的に書く。
仰った「金運」を入れて「金運のチャーム」。
それがどんな様子かを少し添える。
「雪晴」と近寄らせようと思ったら「きらきら」ぐらいの簡単なことで良い。
五五七のような型になる。
多分これは、テーマに沿わせる意識が強く出過ぎて、詩の部分をうっかり落としたというケースではないかと思う。
浜田 どうですか、村上さん。
本人 …だってテーマに一回沿ってないってスゲー…。
浜田 「だって」って誰に言うてんねん!(笑)
藤本名人 めっちゃ怒られた。
ジュニア名人 トロフィーでど突かれろ。
本人 そんな怒られる。
●解説のポイント |
「雪晴」と「チャーム」の取り合わせは良い 「託す」「選ぶ」の叙述が散文的 語った「金運」と「きらきら」で描写する |
添削後
『雪晴や 金運のチャーム きらきら』
冬の天文「雪晴」とアクセサリーのチャームに何を選ぶかを迷っている様を表現した定型句。「雪晴」と「チャーム」の取り合わせは素晴らしく、全体的にキラキラと輝く光を強く思います。しかし、永世名人として満足できないのが後半の言い回し。「託す」「運」でやや高尚な意味合いの抽象的な動詞・名詞が続くため「選ぶ」という本人の動作も映像として再起できないものとなり、読み手をポカンとさせてしまいます。兼題から「チャーム」の発想は良かったものの、この単語をより活かす描写ができず、抽象的な句に終わった村上さん。はにかみながら嬉しそうに語る村上節の挽回に期待しましょう。
※以下、番組内では発表されなかった11位以下の俳句※TVer(現在は公開終了)でナレーションによる句の説明に加え、解説ボードにまとめて5句を貼りだして先生による簡易解説。
11位◆『吉兆の輝き 一村をめざす』 中田喜子※季語は「吉兆」。「吉兆」は商売繫盛を祈願する"福笹"につける縁起物の飾り。それが輝いたことを見て、商談に向かうことを詠んだ一句。
夏井先生「一村」というのが旅行や故郷に帰るのかと思う。
ところが、(本人によると)産地・商売の相手の村のことらしい。
だとしたら「産地の村めざす」などの言い方にすれば、十分にすぐに良くなるタイプの句。
●解説のポイント |
「一村」が産地の村と伝わりにくい 十分にすぐに良くなるタイプの句 |
添削後
『吉兆の輝き 産地の村めざす』
新年の行事「吉兆」と本人の旅情光景を描いた句またがりの一句。兼題から「吉」を含んだ季語を選択した印象。季語は「十日戎(えびす)」の傍題で、戎様に商売繁盛などを祈願する1月10日の行事に、笹の葉に結び付ける鯛や小判などの小物飾りを指します。「一村」で誰目線なのかが分かりにくいのが難点でしたが、中田名人にしか詠めないタイプの綺麗な一句です。以前のドバイ句の方が、ラッキー感が強いかもしれません。
12位◆『3ミリのジンクス 冬晴れの球児』 高橋克実※少年野球をしていた息子がゲン担ぎに3mmの(髪)の坊主にしたという実体験を詠んだ一句。
夏井先生「3ミリ」の指すものが非常に分かりにくい。
(サッカー)ワールドカップの"三苫の1ミリ"があったため、「ラインを少し外れる3ミリ」という意味かとも思う。
ご本人の話では坊主にする髪の長さの3ミリらしい。
それが分かるように「3ミリに刈って」などの言葉を入れてまとめ直さないと分かりにくいかもしれない。
●解説のポイント |
「3ミリ」が非常に分かりにくい 坊主頭と分かる表現でまとめ直すべき |
添削されず
天文「冬晴」と3mmに頭を剃った球児を句またがりで表現。「3ミリ」「球児」とあれば髪のことだと薄々分かるものの「ジンクス」の解釈に悩みます。「冬晴れ」で春季大会の前にケジメをつけるためにバリカンでカットする状況でしょうが、不吉なことを意味する「ジンクス」によって頭を剃ると初戦敗退をしてしまうなど悪い意味に思われるのが残念。以前のシニヨン句のような溌溂さが欲しかったところです。
13位◆『夢のあと はぐれ牛すじ おでん鍋』 伊集院光※松尾芭蕉「夏草や兵(つわもの)どもが夢のあと」の名句から「夢のあと」を取り入れ、宴会の後片付けで鍋底から牛すじが出てきたことにラッキーを感じたという一句。
夏井先生ご本人が「夢のあと」を書きたかったのだと思う。
芭蕉の「兵どもが夢のあと」のあの句。
その知識を上五に入れたばっかりに、全体が窮屈・ぎゅうぎゅうになってしまった。
「牛すじの外れておでん鍋の底」などとすれば言いたいことは全て書ける。
●解説のポイント |
芭蕉の句の知識が優先されて全体が窮屈に 言いたいことをシンプルにまとめる |
添削後
『牛すじの外れて おでん鍋の底』
冬の生活「おでん」が宴会の後片付けの最中に鍋に残っていたことにラッキーだと思った瞬間を意図した定型句。芭蕉の本歌取りの技巧を取り入れていますが、内容が多く本人が伝えたい状況が全く伝わらない三段切れに。牛すじのおでんを見つけたラッキー感はささやかですが、状況が特殊なだけに接待好きでないと共感性が弱いかもしれません。とはいえ、志らく名人より上位になることに成功しました。
14位◆『ダイヤモンドダスト ファンが持つライト』 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)※ライブ中に客席のペンライトが、まるでダイヤモンドダストのように見えたことを詠んだ一句。
夏井先生二階堂さんは「35回目」(の人ですね)。
「ダイヤモンドダストみたい」という比喩の句だと思う。
比喩にした途端、季語としての鮮度が落ちる。
テーマ「ラッキー」というより、テーマ「感謝」のような感じになる。
●解説のポイント |
比喩にすると季語の鮮度が落ちる テーマ「感謝」のような印象 |
添削されず
冬の天文「ダイヤモンドダスト」とライブに来たファンのライトを重ね合わせた破調の一句。見た瞬間に失笑してしまったのは謝罪しておきますが、「と」で韻を踏む韻律が明快で季語の比喩の意図もよく分かる印象。ステージ上から見るライトの鮮やかな感触や陰影も舞台に立つ人しか体験できません。とはいえ、ご指摘の通り、難しい季語かつ定型外しに挑戦するのにまだ機が熟していません。違う型を覚える地道な鍛錬を見守りましょう。
15位◆『闇動く 幸せが動く 梟』 立川志らく※闇夜で幸運の鳥と言われるフクロウに気づき、幸せがもたらされたと感じた一句。
夏井先生ご本人は「フクロウが動いて幸せが動く」という意味でお書きになった気持ちはわかる。
いきなり「闇動く」があるため、「幸せが動いて不幸が来る」みたいな印象になってしまっているのが本当に損だと思う。
語順は怖いですね。
●解説のポイント |
語順が悪い 不幸がくるようなイメージに |
添削されず
冬の動物「梟」と幸運が動いていくことを観念的に表現した破調の一句。小難しく洒落ているところが落語家らしい考え方で、「闇」「幸せ」が動くことで運気が移動していくことを表現。夜行性の梟なだけに「闇」から始まるのも理解でき、幸せを運ぶ意図のようです。しかし、不気味な心象要素が読み手に強く残ってしまい、映像が全く思い浮かびません。後味の悪い結果に終わりましたが、落語家筆頭として引っ張ってほしいものです。
★次回1/19の兼題は「おでん」です。
古着リメイク、伊香保温泉のスプレーアートと並ぶ三本立てとなった冬の3時間スペシャル。最後が俳句冬麗戦でした。ルールは基本的に昨年を踏襲し、優秀句を詠んだ人物の中から特待生以上から10名・段位なしが5名が参加する形に。今回選出された通常挑戦者の5名は、72点獲得者が森迫永依さん(2回)、本上まなみさん、高橋克実さんの3名。二階堂さんは才能アリ4回獲得の功績が大きく、伊集院光さんは昨年71点の句でしたが、昨年亡くなった円楽さんとの師弟関係やコメント力が配慮されたようです。
さて、兼題は「ラッキー」で、些細な幸運を詠むという課題。夏井先生の出す兼題で句会ライブに慣れている方にとってはお手の物。しかし、芸能人の皆さんはとりわけ苦戦されたようで、ジュニアさんに至ってはエピソードトークと解釈されています。難しい事情を詰め込まず、逆に素直に詠んだ方が良かっただけに、今回は段位なしの2名が大きな飛躍を遂げました。
季語は冬の季語が12名、新年が3名(「初富士」「初旅」「吉兆」)。冬の季語では時候が4名(「冬ぬくし」「小春」「冬至」「一月」)、天文が3名(「雪晴」「冬晴」「ダイヤモンドダスト」)、生活が3名(「マフラー」「焼鳥」「おでん」)、動物が2名(「雪虫」「梟」)と分かれました。また、ラッキーの兼題からの発想では「ケサランパサラン」、「第一発見者」という単語が効いて上位に行った段位なしが特徴的。他、化石採掘、失くしたピアス、突然の休講、有名人との遭遇と6位まではよくわかる状況。相手も遅刻していた、イエローハッピートレイン、「ん」のつく冬至の風習、チャームの金運と少々兼題が読み取りにくいものが10位まで続きます。「吉兆」「ジンクス」「夢のあと」「ファン」「幸せが動く」と圏外勢は幸運を真逆に捉えるものもあり、句の意味が伝わりにくいのが難点でした。
順位明けについてご指摘もございましたが、浜田さんが最初に開けるとしたら「段位なしの下位」が最も優先されるため、2位が最初に開けられた時点で段位持ちの圏外落ちが確実にいることが演出として使われてしまい、そのため3~10位は段位持ちであることも予想しやすくなってしまいました。単純に10位から上に開けても良かったのかもしれませんが、平場勢の期待感が逆に薄まる演出になってしまった可能性もあり、難しい所です。
今回の結果に関して、個人的に二階堂さんの「永世名人・名人ってあぐらかいてるから」が微妙にツボにはまっています。本人はバラエティー的発言として本音ではないのでしょうが、毎週・毎月のように出演する名人以上にとって、タイトル戦は1位以外に何の報酬もないためかモチベーションに寄与していない可能性は感じます。その点、何も失うことがない方々が満を持して挑める大会でもあり、波乱が起きやすい傾向があるのでしょう。マンネリ防止の点からも段位なしの挑戦は面白いですが、今回で24回を数えるタイトル戦、新しい風を吹かせる意味で丁度良い世代交代の兆候があるかもしれません。
さて、拙句「指示棒の撓う角度や寒の明け」を選出句とした松山在住の自称永世名人・着流きるお氏の査定を例によって今回も受けました。兼題から「冬日差す一番乗りの試験室」と詠みましたが、
結果はいかに。着流きるお氏
本人の句の結果とともに御覧下さい。
年初から更新が遅くなってしまい申し訳ございません。多忙な時期で体調が優れないこともしばしばありますが、ブログ更新はほどほどに行いますので、今後もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。
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