fc2ブログ

記事一覧

20221215 プレバト!!俳句紹介【観光バス】

2022年12月15日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※22日に全て更新しました。お待たせ致しました。

挑戦者→森迫永依[3],勝村政信[11],鈴木絢音[2],畠中悠[初],篠田麻里子[20],千原ジュニア[84],村上健志[78] ※数字は挑戦回数

●お題:観光バス
観光バス
※12月15日は観光バス記念日で、日本初の定期観光バスの運行日。手前は秋の黄葉、奥は雪化粧の山々と季節の変わり目の写真。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位72点森迫永依
冬晴の小樽ことりっぷの折り目ふゆばれのおたることりっぷのおりめ
2才能アリ2位70点勝村政信
雪道にLINEスタンプバスの跡ゆきみちにらいんすたんぷばすのあと
3才能ナシ3位36点鈴木絢音
(乃木坂46)
音もない銀世界の停留所おともないぎんせかいのていりゅうじょ
4才能ナシ4位35点畠中悠
(オズワルド)
寒窓に浮く子どもの絵帰路のバスかんそうにうくこどものえきろのばす
52級で現状維持篠田麻里子
(元AKB48)
ズワイガニ無音の宴50分ずわいがにむおんのうたげごじゅっぷん
6名人10段★4へ1つ前進千原ジュニア
バス見えてバス停の毛布を畳むばすみえてばすていのもうふをたたむ
7永世名人26句目に掲載決定村上健志
(フルーツポンチ)
補助席に場札と蜜柑バスの旅ほじょせきにばふだとみかんばすのたび
順位発表順:3位→最下位→2位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録

鈴木絢音○0△0×1※前回は「琉金の絵はがき二枚かき氷」で最初は才能アリだったが説明後に得点半減され才能ナシに転落辞書を読むのが好きな文系アイドルと紹介。
「今回は沢山勉強してきました」
畠中悠初挑戦※オズワルドでボケ担当の35歳。絵手紙査定で才能ナシだった相方の伊藤俊介と出演。自身で作詞作曲する歌が芸人の間で「泣ける」と話題。
「ちょっとだけ。♪何の取り柄もない人間ですから~優しさくらいは誰よりも~ っていう歌です」
ジュニア名人「手垢が付きまくったような歌詞です(笑)」
伊藤「待ってください」
浜田「どっかで聴いたことある」
伊藤「最初から最後まで聞いたらたぶん浜田さんは、何のとは言いませんけど自首したくなると思います(笑)。」
勝村政信○4△1×3※番組開始前からの夏井門下生。前回は「出番待つ揚げ物軍隊秋の宵」と詠んで才能ナシ最下位となり、再び破門の危機が囁かれる。
「お恥ずかしい。こんなにでも、アドレナリンって出るんだっていうぐらい。『プレバト!!』っていう番組見ると、アドレナリンが出てるのが分かりますから(笑)。やべえなっていう。」
浜田「今日は大丈夫ですか」
「楽しくやりました」
浜田「それが一番でございます」
***
「手に汗凄いです(笑)」
森迫永依○1△1×0※実写版「ちびまる子ちゃん」役。初挑戦で才能アリを獲り、梅沢名人から「俳句の申し子」と称賛されたが、前回は凡人の3位。
浜田「何しとんねんって話ですよ」
「すみません。前回やっぱりすごく悔しくて、俳句の色んな形を勉強してきたので、ちょっと今日は自信があります」
浜田「お、自信がある?」
「あります」
★ランキングシートの分布は最初分布を明かさずに発表、残り2名の段階で1位が才能アリと判明

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ72点 森迫永依
冬晴の小樽 ことりっぷの 折り目

ジュニア名人 凄い。

【本人談】
観光バスを使った旅行で色濃く思い出に残っているのが、中学3年生の時に北海道に修学旅行に行った。その時の修学旅行のワクワク感が凄く思い出に残っていて、空も凄く快晴で小樽の街並みと空のコントラストが綺麗だったので、その情景を詠んでみた。

ジュニア名人 めちゃくちゃ良いですね。もうホントに全て映像が出てきますし、この「折り目」ってまだ見ぬという希望しかないから、非常に明るい素敵な俳句ですね。
本人 ありがとうございます。
村上永世名人 もう、この…まだ数回しか出てないのに、この音を使うんだという。良いメロディーです(笑)。
清水アナ メロディー。
浜田 腹立つ。
畠中 めっちゃムカつくわ。

夏井先生 
前回の失敗から見事に調整して学んできている。本当にびっくりする。
まず「冬晴」の季語から始まり、「小樽」の地名、「ことりっぷ」という旅のガイドブック。
固有名詞を上手に使っている。
「ことりっぷ」は知らないので調べた。
20~30代の女性向けの週末2泊3日の旅を提案するガイドブック。
となると、この固有名詞がそういう年代の女性たちを描いてくれる。固有名詞の使い方も見事。
そして、最後に「折り目」と着地して映像を作る。
この折り目によって、旅を楽しんでいる様子もしっかりと見えてくる。
お見事だった。直しは要らない。

ジュニア名人 凄いわ。
浜田 おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 良かったですね。
本人 はい、頑張ります。

●解説のポイント
前回の失敗から見事に調整した
季語・地名・旅のガイドブック
20~30代の女性向け3日程度の宿泊旅行
固有名詞の使い方が見事
着地の「折り目」で映像を作る
旅を楽しむ人物の様子も見える

添削なし


◆2位 才能アリ70点 勝村政信
雪道に LINEスタンプ バスの跡

浜田 うん。

【本人談】
冬の長野に遊びに行った時、サービスエリアで雪が残っていて下を見ると雪の轍(わだち)が沢山あり、はっきり轍が出来ていたり、解けて薄くなっていたり、それが何となく顔の表情に見えてきて、バスに乗っている旅人たちの思い出がそこにスタンプされているようなことを思ったんで、これを書いた。

篠田 いや、凄い。「LINEスタンプ」っていうセンスが素敵だなと思いました。
村上永世名人 いや面白いっすよね。分かるし「LINEスタンプ」ってあと「バスの跡」って分かって。何度も比喩で怒られてるのに果敢にチャレンジする(笑)。今回は掴んだわけですから。
浜田 なるほど。
本人 (前回の)「揚げ物軍隊」がまた凄かったです、反響が(笑)。
村上永世名人 ねえ。「揚げ物軍隊」であんなに怒られてたのに。果敢にチャレンジするというその心意気が。

夏井先生 
映像は雪道のタイヤの跡のみ。
それをLINEスタンプみたいだと思えるのが楽しい発想。

悩ましいのは下五「バスの跡」を許容するかどうか。そこが1晩の問題になる。
正しいのはそこにあるのは「タイヤの跡」。
でもこれは、何のタイヤの跡でも良いというわけではない。
「LINEスタンプみたいだ」という楽しい発想を活かすということは、バスに皆が乗ってワイワイしているという空気は必要だと思う。
そうなると、一番良い所を活かすための伏線として、「バス」という情報が必要だという結論になった。
それを許容した際、一点だけ勿体ないのは上五「に」
「に」があるため「タイヤの跡」と書きたくなる。
ここを「」とすれば、「バス」の問題もずっと薄くなってくる。これで良い。

本人 でもね、僕最初に「の」って書いたんですよ。
夏井先生 えっ!?
本人 「の」だとちょっとダメかなと思って「に」に直したんです。
夏井先生 なんでそれが判断できないのよ、もうホントに(笑)。
本人 申し訳ない。
夏井先生 あんたに費やしてきた時間がどんだけあったと思ってんの。
本人 (立ち上がって)俺たち、付き合っているみたいじゃないですか(笑)。でも良かったです、ホント。
浜田 いやいやでも、才能アリ2位でございました。
本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
映像は雪道のタイヤの跡のみ
LINEスタンプと比喩する発想が楽しい
悩ましいのは下五を許容するか否か
「タイヤの跡」が正しい表現
何のタイヤの跡でも良いわけではない
「LINE」からバスに皆が乗ってワイワイする
「バス」が一番の工夫を活かすための伏線に
上五「に」が勿体ない
「の」とすれば「バス」の問題も薄くなる
(本人「最初"の"にしたが書き直した」)
なぜそれが判断できない
あんたに費やしてきた時間がどんだけあったか
(本人「付き合っているみたいじゃない」)

添削後
雪道 LINEスタンプ バスの跡



◆3位 才能ナシ36点 鈴木絢音(乃木坂46)
音もない 銀世界の 停留所

【本人談】
生まれ故郷が秋田で、自分の経験を元に書いた。雪が一面に降り、行き交う人もなくて音もない。そこにポツンとある停留所というのを思い浮かべて書いた。

村上永世名人 まず「銀世界」は季語じゃないです。
本人 はい。
村上永世名人 そもそも。ってことは季語がないんですよね。
本人 …はい。
村上永世名人 (強い語気で)ありますか?
浜田 もう、必死になってる。梅沢さんの真似して(笑)。
村上永世名人 いや、何か綺麗な俳句になった気になっちゃうんだけど、これだと伝わらないな。

夏井先生 
何が書きたいのかは伝わる。
勿体ない第一点は村上さんの指摘の通り。
「銀世界」は辺り一面の雪の景色という意味も伝わるが、季語としての力は弱い。
今、とても良い言葉を仰った。
停留所はどんな風にあったの?
本人 ポツンと。
夏井先生 それそれ。
「銀世界」と書くより、停留所が「ぽつんと」あった。
」はたった2音で季語になる。
「ぽつんと雪の停留所」で整う。
そうなると「音もない」と説明しなくても、「ぽつんと」「雪」で静かな・音もないと伝わる。
これが俳句のメカニズム。書かなくてよいことは書かない。
そうすれば、上五がいい感じに5音分余る。
例えば、「ふるさと」と仰った。「ふるさとや」としても良い。
お嬢さんだからひょっとしたら、「失恋や」とすればドラマが変わってくる。そういうこと。
あなたは辞書が好きで言葉をよく知っている人。
型や季語の知識を少し入れていけば出来るようになる。
一緒に頑張っていきましょう。

本人 頑張ります、よろしくお願いします。はい。未熟さを痛感します(笑)。
浜田 そんなことない。今…今からですから別にそんな。
村上永世名人 可能性ある。

●解説のポイント
何が書きたいかは伝わる
「銀世界」は辺り一面の雪景色
季語としては大変弱い
停留所が「ポツンと」あった
語った言葉と「雪」で句は整う
不要なことは書かない
語った「ふるさと」を上五に置いても良い
「失恋」ならドラマが変わってくる
辞書好きなら型や俳句の知識を入れれば出来る

添削後
音もない の 停留所』
 の 停留所』
 の 停留所




◆4位 才能ナシ35点 畠中悠(オズワルド)
寒窓に 浮く子どもの絵 帰路のバス

村上永世名人 うん。

【本人談】
観光バスは行きの時のテンションが高い。その時に一緒に乗っていた子どもが窓に落書きをしたのが、帰りの寂しい感じのバスの中で、曇りガラスに浮かんでくるというちょっと切ない感じを。

ジュニア名人 なんか…う~ん、言わんとしてることは分からんでもないなという。ここまで低い理由を聞いてみたいですね。
村上永世名人 「窓」ときて「子どもの絵」というのも、少しちょっと使い古された感がある。
浜田 なるほど。

夏井先生 
意味は分かるが、小さな違和感がチラチラ重なっているというタイプの句。
まず「寒窓」(※冬の寂しい窓、漢詩の一節の言葉)。
これが季語として認識されているかというと、そこが少し弱い。
ネットで調べて「良い言葉」と軽い感じで使った感が見えてくる。それが1点目。
「寒窓」とここに無理矢理季語を入れようとすると。
これは背伸びし過ぎ
「窓に」で良い。浮かないでください。「浮く」は不要。
「窓に子」で真っすぐいける。「ども」と書く必要もない。
「窓に子の」とする。
「絵」でも良いが「落書き」とゆったり書ける。
この後に季語を入れる。「寒の」でも良いが素直に「冬の」を入れる。
あなたが書きたいことはこんな簡単に書ける。

伊藤 やっぱ自分のことじゃないんですけど、恥ずかしすぎてオズワルドじゃないフリしてしまいそうです(笑)。
本人 ちょっと今後、歌とか作るの止めますね(笑)。
浜田 何でやねん。それはええやんか、別に。

●解説のポイント
意味は分かるが小さな違和感が重なった
「寒窓」は冬の寂しい窓で漢詩の一節
季語としては弱い
ネットで調べて軽い感じで使った感が見える
無理矢理背伸びをしない
「浮く」必要はない
「ども」も不要で「窓に子の」で良い
「落書き」の後に季語「冬」を入れる
書きたいことは簡単に書ける

添削後
窓に子の 帰路のバス



★特待生昇格試験★

→<2級>・篠田麻里子は9月放送のふるさと戦で福岡ブロック優勝。俳句は故郷である福岡県の公認ポスターに掲載された。
浜田 地元の反響は良かったんじゃないですか?
篠田 もう凄かったです。何かもう福岡が震えたって言ってました。
浜田 何を言うてんねん。
篠田 ホントに。やっぱ名人に勝つって本当に凄いことだし。「やっぱり福岡のこと分かっとうね」って言われました(笑)。

◆『ズワイガニ 無音の宴 50分 篠田麻里子(元AKB48)

浜田 うん。

【本人談】
カニの食べ放題に行った旅行のことを思い出して書いた。もう山ほどあるズワイガニをみんなが無言で食べている様子が凄く面白くて、でも「食べ放題」という言葉を使うんじゃなくて「50分」という言葉で表現してみた。

ジュニア名人 めちゃくちゃ良いなとは思います。思いますけど、ちょっとあの~ブツブツっと三段切れ(※五七五それぞれが三段に切れリズムが悪くなる)っていう風に言われる可能性は、これはどんなんかな?と思います。
村上永世名人 カニで無言という(句材)のが無くはないけど、でも「無音の宴」っていうのは聞いたことないからそれは面白いなと思いました。

★評価ポイント
中七「無音の宴」の是非

■査定結果
2級で現状維持

理由:臨場感が足りない

本人 あ~。

夏井先生 
最後に「50分」と具体的な時間を言ったのは良い。50分というリアリティがしっかりある。
勿体ない点を二つ言う。
「ズワイガニ」という片仮名表記。
生き物・植物の季語は特別な意図でもない限り、基本的には片仮名を使わない。一つ覚えておいて欲しい。
ここは俳句の世界では遠慮すると。「ずわい蟹」と漢字で書いた方が良い。
問題は中七の方が深い。
「無音」と書きたい意図は分かるが、現実的には何かの音はしている。
村上永世名人 なるほど。
夏井先生 何の音がしているかというと、ひたすら「むしゃむしゃ」と静かに食べている音だけがそこにある。
「食べる」でも良いが、「食(は)む」とすれば、いかにもずわい蟹をみんなが無心に食べている時の音の気分が出てくると思う。
「のみの」と限定すればその音しかしない意味になる。
「宴」と使いたい気持ちは分かるが、「宴」という言葉に甘えず、「無」を誤魔化さない。
中七のリアリティーをしっかり持ってくる、「ずわい蟹」という季語がより立ってくる。そういうこと。

本人 勉強し直します。
浜田 はい、分かりました。

●解説のポイント
「50分」の具体的な時間が良い
リアリティがしっかりある
勿体ない点は二つ
生物季語なら「ズワイガニ」の片仮名は×
中七の方が問題が深い
「無音」の意図は分かる
現実的には食べている音がある
「食(は)む」で蟹を無心に食べる音の気分を
「のみ」で限定する
「宴」という言葉に甘えない
「無」の音で誤魔化さない
中七のリアリティをしっかりと
季語「ずわい蟹」がより立ってくる

添削後
 の 50分



★永世名人への道★

→<名人10段>・千原ジュニアは星を3つ獲得している。
ジュニア名人 いやここ大事ですね。
浜田 大事ですよ、あなた。
ジュニア名人 ここ大事やな。いきたいな~。
浜田 アハハ。

◆『バス見えて バス停の 毛布を畳む 千原ジュニア

村上永世名人 うわ~。

【本人談】
田舎の町の屋根のついたバス停に綺麗に畳まれた毛布があったなと思った。バスが見えたからそろそろって乗り込む準備して綺麗に次の人のために(毛布を)畳んでバスに乗る人を詠んだつもり。

浜田 なるほどね~。畠中これどう思う?
本人 誰に聞いてんねん(笑)。あいつだけはないわ!
村上永世名人 めちゃくちゃ良いと思うんですけど。この高レベルな場所なんで、どうかなということですよ。「バス見えて」の「て」が、たまに僕が言われたのが原因と結果は俳句は嫌う時があるんで。
本人 じゃあ「て」は何なんですか?
村上永世名人 だから、え~と……。
浜田 (正解の返しが)「急に言われても」や(笑)。
本人 (立ち上がって)分かりやすいパスやったね、今。
浜田 なあ。アハハ。
篠田 止まっちゃった。
村上永世名人 それこそ急に言われても…です(笑)。それこそ急に振られてもですわ。

★評価ポイント
「見えて」から「畳む」までの叙述の是非

■査定結果
名人10段★4へ1つ前進

理由:本来失敗するやり方なんだけどね…

本人 よ~し!
篠田 凄い。

夏井先生 
北国・雪国になると毛布も置いてあるバス停もあるというのが見えてくる。
1版の問題は「見えて」「畳む」という書き方がどうしても散文的・説明的(※詩的な情景に乏しい)になる。
大体失敗するため、俳句では嫌う書き方。
この句の場合、バスが見えてきて毛布を畳むという、作中の人物の動作が映像になっている
さらに、この人の細やかな動作も想像できないだろうか。
自分が乗るバスが見えてきたと。毛布を畳もうと。
「お借りしました」という感謝を込めて、キチンと畳んで次の人に「どうぞ」の思いを込めて、畳んでいる
に違いないという動作まで見えてくる。
ジュニアさんの句は真面目で地味だが、滋味・心情の豊かさがある
その意味では真骨頂の一句だと思う。

浜田 でしょうね。真面目ですからジュニアは。
本人 金髪ヨロシク!でやってんすよこっちは(笑)。
浜田 「1つ前進」しましたので当然直しはなしでございました。おめでとうございました。素晴らしい。

●解説のポイント
北国・雪国に毛布も置いてあるバス停もある
「見えて・畳む」の書き方が散文的・説明的になる
大体失敗するため俳句では嫌う書き方
作中の人物の動作が映像になった
細やかな動作が想像できる
「お借りしました」の感謝を込める
次の人に「どうぞ」の思いを込める
ジュニアさんの句は真面目で地味
滋味・心情の豊かさがある
その意味では真骨頂の一句

添削なし



★永世名人 村上のお手本★

→<永世名人>・村上健志(フルーツポンチ)は前回ボツで句集完成まで残り25句。
村上永世名人 (句集完成まで残り2句の)梅沢さんがそろそろ卒業して、やっぱり脱・梅澤の後、ミスタープレバトとして僕が引っ張っていかないといけないので(笑)。
浜田 そういうの、自分で言うんだ。
村上永世名人 他の人が言ってくれないので(笑)。
***
浜田 彼のコメントはどう思われますか。梅沢さんなき後みたいな。
ジュニア名人 梅沢さんの代わり、ちょっと線が細すぎじゃないですか(笑)。人間としての線が。
村上永世名人 確かに、分かる分かる。

◆『補助席に 場札と蜜柑 バスの旅 村上健志(フルーツポンチ)
※「場札」とはトランプや花札でその場に置かれている札。 

【本人談】
貸切バスで旅をして、中でワイワイと遊んでいる様子。トランプで遊ぶとき、補助席を机代わりにし、そこにトランプのカード・場札を出していく。そこに蜜柑もあるというシンプルな光景。「補助席」でリアリティが出ているとか。

ジュニア名人 最後の5文字、「バスの旅」がなんか、ちょっとだけ引っ掛かるような、ちょっと重複している感じ。
浜田 なるほど。

■査定結果
永世名人26句目に掲載決定

理由:「場札」が効果的!

本人 (両手を広げ)わーい!
(査定評後)
本人 「場札」だ。

夏井先生 
読んだ瞬間、場面はありありと分かるのは言うまでもない事。
「補助席」から出てくるため、バスに違いないと分かる。
最後「バスの旅」、ジュニアさんがよくここを指摘なさった。
この句の中で、評価が悩ましいのはここを良しとするか否とするかになってくる。
上五でバスだとは分かっているが、中七の賑やかさのようなものを補填する意味で「バスの旅」だとここで念押しする働きとして、決してマイナスにはなってない
そして「場札」。
本人はトランプと言ったが、「場札」で色んなカードゲームを思う。
トランプ・UNO(ウノ)なら修学旅行のある程度若い世代と思うが、花札ならいきなり缶ビール飲むオジサン世代の空気感になる。
「蜜柑」を中七に置いて主役にできる。
ここら辺が、地味だけれども確かな技。
本人 (はにかんで無邪気にポーズを取る)
浜田 腹立つ。
夏井先生 この顔を何とかしてください(笑)。

浜田 掲載決定ですから直すところがありません。おめでとうございます。あの顔がイラっとするので、(シュレッダーの)これ押しときましょうか。
本人 いやいや、そんなことしないで下さい(笑)。

●解説のポイント
場面はありありと分かる
「補助席」でバスに違いない
「バスの旅」を良しとするか否か
中七の賑やかさを補填する
念押しに「バスの旅」はマイナスにはなってない
「場札」で色んなカードゲームを思う
トランプ・ウノなら修学旅行の若い世代
花札なら缶ビール飲むオジサン世代の空気感
「蜜柑」を中七に置いて主役にできる
地味だが確かな技
(はにかんだ)この顔を何とかしてください

添削なし



★次回12/22は年内最後の放送。俳句の兼題は「イルミネーション」です。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

一位の句
冬晴れの小樽、で小樽の風景。
昭文社のことりっぷを手にしている観光客が折り目をつけてあるページを広げて歩いている光景がしっかり立ち上がった。

二位の句
書き下すと、
原句は「雪道にLINEスタンプのようなバスの跡がついている」、添削句は「雪道のLINEスタンプのような跡はバスの跡である」という違いがでるか。
雪道にバスの跡、では、バスの形の跡となりかねないので、添削句が適していたと思う。

三位の句
辺り一面雪景色を示す銀世界は季語じゃない点。かといって、この句の銀世界を雪景色、とするとかえって情報の重複が起きてしまう気が。

四位の句
「寒窓」を頑張って持ってきたけど、たとえこの語句が季語だと許容しても、他の内容(子どもが窓に書いた絵が浮かび上がっている)という内容に対して、この言葉では固いかと。
中七下五を作って、上句にどうにか冬の窓を示す語句を三段切れにしないように持ってきた感じがした。

篠田さん
三段切れに取られかねないのと、カニと時間の表記法。
中七、黙々と蟹を食べてるとして、ストレートに「黙々と食む」あたりにすると、ずわい蟹黙々と食む五十分、となんか詩情が無くなる感じ。
無音でなく、食べる音はしているという形の添削でした。

ジュニア名人
散文的、説明的とされ、後退も仕方ないかと思えた。鑑賞時に詠み手の人となりを考えるやり方もある。
句集掲載なら、ジュニア名人個人の句集で、半ばから後半に載りそうなかんじか。

村上永世名人
補助席に場札が置いてある。複数人での旅、カード遊びをしてる、蜜柑も置いてあり冬の旅と分かる。
下五。補助席でまずバスと考えられるが、劇場とかによっては補助席が設えてある場合もあるから、情報の駄目押しと、先生のコメント通り賑やかさの情報を補強したと考えた。

次回のプレバト

次週(年内最後の放送)は昇格試験に北山くんが出るので、ビシッと昇格で終われるようにしたいですね。(北山くんの今年の成績、6回とも現状維持)

追記
勝村さんの全俳句一覧が更新されていませんでしたよ。

(特待生昇格試験)
篠田2級
「どうしたんだマリコ」としか言いようがない。
算用数字「50分」はリアリティの伝わる表現としてまだいいが「ズワイガニ」は特待生なら先ず違和感を感じるべき。
また「無言の宴」というのも極めて不明瞭。夏井先生の言うように「無言」を映像で表現してこそだろう。
三段切れっぽく見えるリズムの悪さも含め、降格も妥当といえる印象だった。

ジュニア10段
今回も叙述や率直さといったジュニアの長所が遺憾なく発揮された句。
淡々と書かれているように見えて、バスの音や毛布の暖かさが伝わってくる。毛布が置かれているということは、辺境の地のバス停だろうかという場所の想像もできる(都心のバス停にもあったらごめんなさい)。
先週似た型で失敗した志らくさんの句と照らし合わせると、より見解が深まるだろう。

村上永世名人
「補助席に場札と蜜柑」までは季語を主役に立てる位置も含めて非常に素晴らしかったゆえに「バスの旅」がどうにも説明的で浮いている感じが否めなかったのでどちらに転ぶか分からなかった。掲載決定で一安心。
弱腰でも、句は素晴らしい。今週のフルポンさんは非常にフルポンさんらしかった。

ブログ更新見えてブログのコメントを書く

(平場の方から)
1位 森迫永依
見事凡人の汚名返上。「冬晴」「小樽」「ことりっぷ」「折り目」と、全ての名詞の情報量や読み手に与える効果をきちんと把握しているからこその秀句。特待生に大きく近づいたといえるだろう。

2位 勝村政信
前回比喩で大ゴケしたのを恐れない図太さは流石。「LINEスタンプ」が現代ならではのおかしみがあって興味深い。とはいえ「バス」と念押しする意味が薄い気がするので……
別案「雪道のLINEスタンプてふ轍」

3位 鈴木絢音
点数半減のかき氷伝説を残した彼女は怯えてしまったのか、季語も場面も曖昧な句に。安易に破調や字足らずに手を出してはならないとよくわかる。

最下位 畠中悠
夏井先生が言うように「光景は浮かんでくるが、言語感覚がおかしくて低評価」という典型例。「寒窓」で気取ってしまったのも露骨。鬼越トマホークに続いてコンビ揃っての才能ナシだったが、炭ドームに比べれば救いはありそう。リベンジに期待。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です