fc2ブログ

記事一覧

20221201 プレバト!!俳句紹介【カラオケ】

2022年12月1日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※9日に全て更新しました。大変お待たせいたしました。

挑戦者→村上佳菜子[2],山口もえ[3],徳光和夫[9],那須川天心[初],千原ジュニア[83],村上健志[77],梅沢富美男[181] ※数字は挑戦回数

●お題:カラオケ
カラオケ

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点村上佳菜子
忘年会1人のためにラブソングをぼうねんかいひとりのためにらぶそんぐを
2凡人2位62点山口もえ
初雪やこの恋届け歌にのせはつゆきやこのこいとどけうたにのせ
3凡人3位60点徳光和夫
指先に沈む夕陽やママの冬ゆびさきにしずむゆうひやままのふゆ
4才能ナシ4位35点那須川天心
ひと晩で忘れるからOK年の暮れひとばんでわすれるからおーけーとしのくれ
5名人10段★3へ1つ前進千原ジュニア
カラオケの二番の途中コート脱ぐからおけのにばんのとちゅうこーとぬぐ
6永世名人25句で掲載ボツ村上健志
(フルーツポンチ)
暖房や(間奏約30秒)だんぼうやかんそうやくさんじゅうびょう
7永世名人48句で掲載ボツ梅沢富美男
榾の宿主十八番の夢芝居ほたのやどあるじおはこのゆめしばい
順位発表順:2位→3位→最下位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録

徳光和夫○4△4×0※前回は「悴みがふと懐かしきティショット」で凡人。特待生候補の一人。
「カラオケですからね、色々発想も膨らんだんでありますし、色んな人が思い浮かんだんでありますけど、冒頭で夏井先生が仰ってましたね。『実体験』。」
浜田「はいはい」
「でも、どういう背景かわからないって。あれは私だと思います(笑)」
那須川天心初挑戦※着物リメイク・古着リメイクとアート系で才能を発揮するプロボクサー。
「俳句はやったことないんですけど、まあでも言葉って魂こもってると思うんで、僕結構魂こめる系の人なんで(笑)」
浜田「ハハ、腹立つ」
「だからこそ、ちょっと出来るかなと」
***
「僕らしさというか、ちょっとしたアクセントというか。なんかこう、ちょっとしたお洒落を入れたみたいな」
浜田「ああ、それが良いパターンもあるかも分からないですよ」
「何かでも…はい…ちょっと…はい…自信が…分からないですね」
村上佳菜子○0△0×1※前回は「疲れたなあ追い込む季節冬隣」で最下位。
「お母さんから沢山の100件近くのLINE(の返信)を頂いて(笑)。前回は先生から『将来性のない最下位』という風に言って頂いて、結構私も落ちたんですけどもアスリートですので、何度転んでも這い上がる…」
浜田「何くそ!と」
***
浜田「(前回)一番下におった人間ですからね」
「そうですね。だからそっから、才能アリもし獲ったらめっちゃ凄くないですか(笑)」
山口もえ○1△1×0※前回「筆始祖父の遺した硯箱」で才能アリ。
★ランキングシートの分布は才能アリ1名、凡人2名、才能ナシ1名

浜田 さあ、先生。今回の皆さんの出来はいかがでしたでしょうか。
夏井先生 実体験をちゃんと掬い取ってるに違いないと思える句が多かったのはとても良いことだと思います。ただ、作者に聞いてみないと添削をどうしていいか分かんないのもあります。
浜田 なるほど。それもあるんやな。


◆1位 才能アリ70点 村上佳菜子
忘年会 1人のために ラブソングを

【本人談】
社内恋愛みたいなものを想像しながら、冬とカラオケを合わせるのをどうやったら良いのか?と思い、「忘年会」できっとみんなカラオケに行くと思い…(*1)。誰かのために、沢山の中1人のためだけにラブソングを歌っているのが素敵だなと思ってこうした。

(*1)
浜田 「カラOK」?
天心 ちょっと、やめてくださいよ。
***
村上永世名人 最後の「ラブソングを」で6音になるんですけど、この「を」が今仰ってた意味がここで感じ取れるのが、才能アリになったんだろうなと思いますね。
浜田 ジュニアさん、天心の句はどうでしたか?
天心 ちょっと待って下さい、いいじゃないですか。
浜田 ハハハ。
ジュニア名人 「からOK?」でKOと(笑)。ね。

夏井先生 
評価が分かれるのは、最後の「を」敢えて入れるかどうか
単純に言えば「忘年会1人のためのラブソング」としても良いのではないかと思う。
「を」は作者が意図を持って入れている。
自分が好きな1人のために自分はラブソングを歌いたい。
この気持ちを「を」で強調する。

これは作者の意図を尊重すべき句だと判断した。
一点だけ。俳句は「1」ではなく「」と漢数字を使うと。
梅沢永世名人 そうだね。
浜田 先生、前回は村上さん才能ナシ最下位やったんですよ。
夏井先生 いや、ビックリしました。でも、これが俳句の面白い所。
これからも一緒に頑張って参りましょう。

浜田 素晴らしい。

●解説のポイント
最後の「を」は評価が分かれる
「1人のためのラブソング」で意味は通じる
自分の好きな1人のために歌いたい
気持ちを「を」が強調する
作者の意図を尊重すべきと判断
「一」は俳句では漢数字に
(前回は「将来性のない最下位」)
ビックリしたがこれが俳句の面白い所

添削後
忘年会 人のために ラブソングを



◆2位 凡人62点 山口もえ
初雪や この恋届け 歌にのせ

【本人談】
初雪が降り、ワクワクドキドキする日だからこそ、(カラオケの)歌の歌詞にのせて自分の思いを届けるという詩にした。

梅沢永世名人 あの「初雪」と「この恋」。素晴らしいんじゃないですか、取り合わせは。
本人 うわ~、ありがとうございます。
梅沢永世名人 ただ、これ読んでるとね。俳句じゃなくて歌の歌詞みたいに感じるんですよ。美しく作り過ぎたの。

夏井先生 
俳句の基本型はちゃんと勉強している。
季語+「や」と12音のフレーズを作る。
勉強しているのも分かり、内容に対して季語「初雪」を取り合わせるのも良い。
特に「初」の一字が初々しい。
何が問題かというと、ご指摘があった通り。
特に「歌にのせ」の言い方が、まさに何かの歌の歌詞にありそう。
この(凡人フレーズの)「歌にのせ」の言い方を避けるやり方をしてみる。
「初雪に」から始めてみる。
歌にのせないで、「初雪」に自分が歌う。「」で一回詠嘆する。
「この恋よ届け」とする。
「届け」で最後に願いがスッと残る感じ。
慣れていけばあなたはすぐ出来るようになる。

●解説のポイント
俳句の基本型は勉強している
季語と措辞の取り合わせも良い
「初」の字が初々しい
下五が歌の歌詞っぽい凡人フレーズ
「初雪に」から自分が歌う
「よ」で詠嘆を重ねて最後に願いを残す
慣れたらすぐ出来る人

添削後
初雪に歌 この恋届け



◆3位 凡人60点 徳光和夫
指先に 沈む夕陽や ママの冬

梅沢永世名人 あら…。 

【本人談】
(巨人軍の)宮崎キャンプに毎年行く。そこのスナックのママを思い出した。ママが一番得意としている歌が(松尾和子の)「再会」という歌。その歌の3番の歌詞に、「仲よく二人泳いだ海へ ひとりで今日は来たわたし 再び会える日 指折り数える ああ ああ指先に夕陽が沈む」とあり、ママはそれと同じ経験をしている人。いわゆる受刑者を待っている。

ジュニア名人 話聞かないとこの「ママ」が…。
本人 わからないですよね。
ジュニア名人 「ママ」はお母さんだと思いますね、僕がこれ読んだら。
本人 スナックのママなんですよ(笑)。
梅沢永世名人 歌の歌詞には「沈む夕陽」なんて使ってるんですけどね、俳句だとね。「夕陽」は沈むものなんですよ。「沈まない夕陽があるなら持ってこい!」って先生に言われちゃいますよ(笑)。これが凡人なんです。
天心 そういうことか。

夏井先生 
本人の話を聞いて、この「ママ」がスナックのママだと分かるようにしないといけない。
作者の伝えたいことは伝わらない。
どう考えても、年配のママがじーっと夕陽を見て座っているような感じになる。
その歌の曲名を真っすぐ書いた方がスナックのママだと伝わると思う。
指先とか言っている場合ではない(笑)。
本人 すいません。
夏井先生 『再会』と書く。曲名は鍵括弧。
熱を込めて歌うなら「絶唱」としてみる。
この場面は浮かぶ。
そして、おっちゃんの言う通り。沈まない夕陽があれば持ってこいとなる。
「ママの」から季語へ。
冬夕陽(ふゆゆうひ)」とするか「冬夕焼(ふゆゆやけ)」とするか。ここら辺は分かれる。
最後に季語の映像がスッと残る。
ママは「絶唱」でスナックのママだと想像はできるかもしれない。

本人 人間性の全てを否定されたような感じですね(笑)。
ジュニア名人 そんなことないです。
村上永世名人 そんなことないですよ。

●解説のポイント
「ママ」がスナックのママだと伝わらない
年配のママが夕陽を見て座っている感じ
歌の曲名を真っすぐ書いた方が伝わる
「冬夕陽」か「冬夕焼」で映像を残す
「絶唱」でスナックのママだと想像させる

添削後
 ママの冬夕陽』
 ママの冬夕




◆4位 才能ナシ35点 那須川天心
ひと晩で 忘れるからOK 年の暮れ

梅沢永世名人 何?  

【本人談】
このまんま。年の暮は忘年会とか。一晩で(遊んで)忘れちゃいましょうみたいな。「からOK」で「カラオケ」を使った(笑)。

浜田 (笑いながら机を叩く)
村上永世名人 そういうことなのか。気付かなかったなあ。
ジュニア名人 (思わず立ち上がって)あ~!
浜田 おいおいおい!
ジュニア名人 ローブロー(※格闘技の反則)やで(笑)。
本人 マジですか!?
ジュニア名人 こんなこと、やったアカンねん。
本人 ダメなんですか!?
ジュニア名人 金的アカンねん、金的は。
本人 いやだから、その「カラオケ」をちょっと入れようと思って。
浜田 なるほど。
本人 「からOK」。
ジュニア名人 何してんねん。
浜田 ジュニアさん、どうですか。
ジュニア名人 (投げ入れる)タオルないですか~?(笑)

夏井先生 
読んだ時、「ひと晩で忘れるからOK」で何だろうと思った。
これこそ作者に聞かないと添削の仕方も分からない。
浜田 なるほど。
これの事ですね。
夏井先生 そういうタイプの句。
今お話を聞いて、「からOK」、「カラオケ」(の駄洒落)。
一同 (笑)。
本人 絶対狙ってんじゃん。
夏井先生 よくもこんな事やったもんだ(笑)。
本人 だって初めてだもん。
夏井先生 あなたが表現したいことは、こんなダラダラ書かなくても簡単に表現できる。
「ひと晩で」と書かなくても良い。「からOK」なんか2回消したい(笑)。
本人 やだよもう~。
ジュニア名人 「からOK」消さないでください。
夏井先生 「の暮れ」も要りません。
要は、あなたが言いたいことは「忘年会」と書いたら終わる。
これ以上のことはあなたの句には何も入ってない(笑)。
本人 うわ、薄っ。俺薄っ。
夏井先生 ですから、添削しようにも季語「忘年会」と書けばそれ以外の材料がどこにもない。
これは、季語1個あれば済んだ句(笑)。

浜田 ちょっと天心! 
天心 はい、いや、俺だいぶ良かったと思ったんだけどな~。

●解説のポイント
意味不明で作者に聞かないと添削不能
「からOK」はカラオケの駄洒落だと
よくもこんな事やったもんだ
表現したいことは簡単に表現できる
「忘年会」以外は何もない
季語1個で済んだ句

添削後
忘年』(季語以外の材料なし)



★永世名人への道★

→<名人10段>・千原ジュニアは前回初の後退。
浜田 ジュニア1個星取られたんでね。今回はってことですけど。
ジュニア名人 全然行かないんで、カラオケに。どこを掴んでいいか全然分からなかったです。
浜田 ほ~、なるほど。さあ、どうなるんでしょう。

◆『カラオケの 二番の途中 コート脱ぐ 千原ジュニア

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
カラオケが好きな人を想像した。(部屋に)入ってすぐに曲を入れる人がいる。ホンマに歌いたい曲があってみたいな。入れてそのまま熱唱して盛り上がって二番の途中でコートを脱ぎだすというのが出てきたんで、それを詠んでみた。

村上永世名人 さすが10段。カラオケでこのシーン思いつけるって「興味ない」って言ってたのに~。
本人 え、そうですか。え、まあまあ「カラOK」ですか?(笑)
村上永世名人 これかなり「からOK」…。
天心 傷だらけよ(笑)。

★評価ポイント
中七「二番の途中」の是非

■査定結果
名人10段★3へ1つ前進

理由:名人らしいリアリティー

本人 うお~!
梅沢永世名人 素晴らしい。これだよ。

夏井先生 
読んだ瞬間、とても強いリアリティがある。
コート着たまま入って、そそくさと歌い出してちょいど二番の途中から体も温まって「よし、ここから!」とコートを脱ぎ捨てる。
人物の顔・表情までありありと見えてくる。
それでいて、室内の中なのに季語「コート」が主役に立っている。

ここが大事なポイントになっている。

浜田 素晴らしい。前進ですから直しは…。
夏井先生 要りません。
本人 ありがとうございます。
浜田 ジュニアが星を取り戻しました。
夏井先生 はい。

●解説のポイント
とても強いリアリティがある
コート着たまま入ってそそくさと歌い出す
二番の途中で温まって脱ぎ捨てる
人物の表情までありありと見える
室内だが季語「コート」が主役に立つ

添削なし



★永世名人 村上のお手本★

→<永世名人>・村上健志(フルーツポンチ)は3連続掲載決定で残り25句。
村上永世名人 失敗を恐れず、句集になった時に「うわ、村上の句集面白いね」って言われるようなチャレンジングな俳句を…。
清水アナ お~。
村上永世名人 持ってきましたね。
浜田 分かりました。

◆『暖房や (間奏約30秒) 村上健志(フルーツポンチ)

浜田 えっ?

【本人談】
(カラオケで)1番と2番の間に間奏がある。するとモニターに括弧で「(間奏約30秒)」と出てくる。いったらそのことだが、「暖房」でその時間が暖かいとかを意識するとか、暖房にそういうのを託した。

ジュニア名人 これめちゃくちゃ良いと思います。この「間奏約30秒」の括弧っていうのを、「あ~そのアイテムあったか~」っていうこの角度の切り口は芸人は行っときたかったと思いますね。やられた感あります。
梅沢永世名人 私はちょっとチャレンジに失敗したと思いますよ。「約30秒」、「約」は要らないと思う!
浜田 あら。
梅沢永世名人 私は要らないと思う。
本人 でもカラオケの実際のやつって、大体「約」って書いてあるんですよ。
梅沢永世名人 私は要らないと!
本人 私は要ると思います!(笑)
梅沢永世名人 好きにしろよ。

■査定結果
永世名人25句で掲載ボツ

理由:まじめさで損している

ジュニア名人 そうなんや。
本人 あ~!

夏井先生 
まあこの発想が非常に面白い。こう来たかと思う。
カラオケと書かずにカラオケを思わせる手法は色々とある
と思うが、後半のフレーズを持ってきたのは大変良いアイデア。
何が真面目すぎて勿体ないか。
」です。
ジュニア名人 うお~凄い!
夏井先生 実際…。
梅沢永世名人 (不満げにカメラに向かって)撮らんか、俺を!(笑)。
ジュニア名人 撮ってますって。何台ある思ってるんですか。
夏井先生 これはホントに「約」。
村上さんは真面目に一生懸命誠実に俳句を作る人で、作者は事実に誠実に書くべきと判断した。
本人 そうです。
夏井先生 俳句もそうだが、文芸上の小さな嘘をつくことが作品として力を持ち出すことが実際にある。
人生・実生活の上で嘘をつくのはどうかと思うが、俳句の上での虚構・フィクションはOK
「約」がないだけで季語の方にもう少し情報を添えることが出来る。
色んな方法があるが、敢えて「暖房が熱い」と念押しする。
暖房とあれば「暑い」の字だと思う人も当然いる。
歌詞の一番を熱く歌った照れも含めて「熱」の字にした方が俳句としての面白みがある。
前半のダメ押しによって、現場が立ち上がってくるところもある。

●解説のポイント
発想が非常に面白い
カラオケと書かずに思わせる後半のアイデア
御大が指摘した「約」が問題
作者は事実に誠実に書くべきと判断した
作品の上でのフィクションが力を持つ
季語に情報を添えたい
歌詞の一番を熱く歌った照れを含める
「暑」ではなく「熱」の方が面白みがある
前半のダメ押しで現場が立ち上がる

添削後
暖房 (間奏30秒)



浜田 「約」というのがね。
ジュニア名人 凄い。
梅沢永世名人 なんだお前、そんな…句集出すなんて、冗談ポパイのほうれん草じゃ(笑)。
浜田 いやいや、ないねんって。さあ、村上さん。これは世に出せないんでいきましょう。せぇ~の、ドン!
(シュレッダー演出)
佳菜子 あ~!
本人 覚えといて下さい。アイデアは素敵だったって。
ジュニア名人 可哀そうに。可哀そうな。村上の良かったけどな。
梅沢永世名人 桜吹雪みたいだね。
清水アナ 残り25句のままです。

★永世名人 富美男のお手本★



◆『榾の宿 主十八番の 夢芝居 梅沢富美男
※「榾(ほた)」は囲炉裏(いろり)やかまどの薪(たきぎ)のこと。

ジュニア名人 うわ~。 

【本人談】
「榾」は囲炉裏の中にポンポンと折ってくべるもの。私たちの世代は十八番(おはこ)が(自分の代表曲である)「夢芝居」なんです。(*1)これは私の実体験を詠んだ。

(*1)
本人 これは間違いないぞ、村上。
浜田 ハハッ。
本人 お前、田舎行ってごらん。「俺は梅沢さん、夢芝居が十八番なんだよ~」と。
浜田 なるほど。
***
村上永世名人 これは「夢芝居」が良くないと思います(笑)。絶対他の曲の方が良い。
本人 失礼なことを言うな!昭和の名曲の…。
村上永世名人 「北酒場」の方が良い。
本人 100曲に入ってるんだぞ。
ジュニア名人 いやこれは、梅沢さんの句集買って読んで、やっぱ「夢芝居」はどっかに入れておいてほしい。これがもしボツならもう…冗談富美男のズッキーニですね(笑)。

■査定結果
永世名人48句で掲載ボツ

理由:画角が緩い

ジュニア名人 うわ~。
本人 (頭を抱えてうな垂れる)。
天心 うわ~、ズッキーニだ。
(査定評後)
本人 何が!?何が画角が緩いんだ!(笑)「夢芝居」使ってるんだ! 

夏井先生 
「画角が緩い」というのは、この十八番は「夢芝居」だという人物が明確に見えた方が良いと思う。
「榾の宿」と光景を大きくしてしまうより、薪をくべている手元や、くべている人間・人物が見えるように微調整した方が絶対に得。
簡単なことだが、「榾くべて」と動作を書くだけ。
「榾」が何だか知らない若い人たちも「くべる」で木の何かに違いないと。
「主十八番」と助詞を変える。
『夢芝居』と曲名は鍵括弧をした方が良いかもしれない。
色んな十八番を持っている人が囲炉裏に集まるが、「榾くべたこの主"は"」という風に「は」で強調できる。
申し訳ないけど、「夢芝居」さえ諦めてくれたら、作品としてもっと良い…。
本人 (ブチ切れて)諦めろだと!?(笑)馬鹿野郎!(→本人が脱いだ革靴を叩きつける)。
浜田 もう…。
本人 俺の…の唯一のヒット曲。
浜田 靴をもうどうすんの?(→本人の革靴を浜田がセット裏へ蹴り上ぐ)。
一同 (笑)。
浜田 もう~。
夏井先生 おっちゃん、ホントに「夢芝居」さえ諦めてくれたら、もっと飄々とした良い句になる。
「榾くべて」の後「(主)十八番といふを唸り出す」とすれば、十八番が何かは言っていないが、主人が十八番と言い張る歌をいきなり(囲炉裏の前で)唸り出すような、俳諧味があって良い句になる。
ただ、本人が絶対「夢芝居」を捨てるって言わない。
本人 そうだよ!
浜田 アハハッ。
夏井先生 じゃあ、もうこのまんまでボツで良いです(笑)。

●解説のポイント
(伝家の宝刀「夢芝居」)
夢芝居が十八番の人物が見えた方が良い
「宿」と光景を大きくしてしまった
薪をくべている手元・人物が見えるように
色んな十八番を持つ人が囲炉裏に集まる
「は」で主の十八番を強調できる
「夢芝居」さえ諦れば作品の質が上がる
(ブチ切れた本人が革靴を叩きつける)
(その革靴を浜田がセット裏へ蹴り上ぐ)
十八番と言い張る歌を主人が唸り出す
俳諧味があり飄々とした良い句になる
「夢芝居」を諦めないならボツで良い


添削後
 主十八番 夢芝居
『榾 十八番 




浜田 さあ、永世名人申し訳ございません。
世に出せないので、せぇ~の、ドン。
(シュレッダー演出)
浜田 今日、永世名人お二人ともボツということで、ジュニアさんだけが一つ前進。
清水アナ 残りは2句のままです。
浜田 永世名人お二人はほんと次回頑張って頂かないとということでございます。

★次回12/8の兼題は「たい焼き」です。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

発表順に

2位の句
上五「初雪や」に呼応するように、中七前半「この恋」と来ますので、初雪が降る頃に初恋があったか、思い入れのある出来事があったかと思えますが、やはりどこかで見聞きした歌詞みたいですね。

また、「恋」(恋心)であり、その後の「歌」(色んな歌があるし、それこそ恋の歌も色々)と考えますと、具体的なのは初雪の光景だけ。
初雪の頃の具体的なエピソードを組み込めればより良かったかもしれません。

しかし、句を読む側が、それぞれが恋の経験をしたことがある、それに因んだ自分自身の恋の歌を持っているなら、抽象的でも共感は得られそうな素材です。初雪の頃、恋してたことがあるだろう、その時に相応しい歌があるだろう、とは思えました。

3位の句
詠みたい光景と句の光景が乖離してしまった感があります。
この句は、中七「夕陽や」で明確に切れますので、「指先に沈む夕陽や」で一つの世界があるとします。で、指先に夕陽が沈む景色を考えると、やはり、夕日に向かって手をかざし、指先を山際にでも見立てて、沈む夕陽を見ているという光景が思い浮かばれます。そこに「ママの冬」と来るのですから、夕陽に指をかざして、沈む様を見ている「ママ」が認知されます。
この「ママ」が母親か、スナックのママかはともかく、この時点で、詠み手は「再会」という曲を歌っている「ママ」を詠みたいのに、読み手には前述の光景が想像されてしまう、そんな句でした。

4位の句
「からOK」が番組内で何度か使われており、ある意味美味しかった句です。
添削も「添削不能」でなく、「忘年会」とだけになりました。こちらのブログで、淡々と「添削後『忘年会』」と表記されているのを見て、自分としてはとてもウケました。

1位の句
この句を見て、パッと浮かんだのが、夏井先生のYouTubeで紹介されていた「みちのくの星入り氷柱われに呉れよ」で、余情があふれる句でした。
今回のこの句、「忘年会一人のためにラブソング」と定型に収めると、客観的光景に近づく(他人事)となりますが、「を」をつけることで詠み手の情感であり、句にされてない場面で詠み手が「一人」に対してどんな思いを抱いているのか、句へ至るそのプロセスはどうなのかと考えてしまいます。
下五字余りが余情をもたらすことがあるのだなと改めて思ったところです。

千原jr名人
より基本の型に近づけるなら、下五を「脱ぐコート」と季語で句の最後を押さえますが、「コート脱ぐ」とすることで、歌っている人の躍動感だったり、能動性が引き立てられたと思います。この辺りのさじ加減もうまかったなぁ、と。

村上永世名人
アイデアは本当に良かったと思いますし、村上永世名人がこういう面白い手段を使うんだ!?と驚きもしました。
冷静になってもう一回句を見ると、「暖房や」では暖房への詠嘆だけで終わっています。ここにカラオケで出てくる「(間奏約30秒)」と来ます。
この組み合わせだと、「暖房が効いているではないか」と30秒の間奏の間に勘づいたのだよ、とか、下手すれば、「暖房が、間奏の間に効いてきた」とか「おいこら、暖房、間奏まで曲が行ったのに効いてこない」とか、色々思えます。
こうなると、季語+や、という型に委ねすぎたのかなとも思えます。

御大
「榾」という季語を以前調べたことがあるので、一発で没となると分かった句です。
簡単に言えば、「榾」は燃料としての木であり、「榾の宿」とは、榾木を赤々と燃やしている家のこと。そしてまた、「榾の主」という季語もあり、「榾の宿の主」という意味です。
ということは、「榾の宿 主」までで、「榾の主」と縮められるわけで、「榾の主唸り始める『夢芝居』」位でも成立するのでは、と。
あと、やはり御大は助詞の使い方が今一つ。他に歌える曲がある中で、夢芝居「は」十八番であるとか、他に歌い手がいる中で、主の十八番「は」といった表現ができたはずです。
年内の句集完成が危ぶまれてきた……いや、年末ラストとか、新年一発に合わせて句集完成を発表する狙いなのか……ともあれ、これだけ没が続くとなぁ。「御大」でなく、「梅沢永世名人」と表記したくなります。

ともかく、白プロキオン様においては、文字起こし、ありがとうございました。

昨日のプレバト

ジュニアさんが1つ前進といい、永世名人の2人(村上さん、梅沢さん)がボツといい、奇しくも「ガッツポーズ」のお題の時と同じ結果でしたね。

追記
天心くんの俳句の添削後の表記は添削不可能にしたほうがいいと思います。

村上さん、まさかの大躍進。
字余りの「を」が余韻として非常に良かったと思います。前回が前回だけに偶然の可能性もありますが……それが分かるのは次回でしょう。

山口さんは歌の世界に入り込みすぎて、俳句らしさを失ってしまいました。1位とはラブソングというテーマが共通してますが、好きな人の為に歌うというところで更にベタ感で減点という印象。

徳光さんも似たように好きな歌に思い入れし過ぎての失敗ですね。「ママ」だけでスナックのママと分かれと言うのは無理があります。「沈む夕陽」という光景(しかもこれは歌詞)を先に出してしまったら尚更。

天心さんは「人はそれを忘年会と呼ぶ」だけで終わってしまう句。35点はやりすぎだろと思いましたが笑えたからOK。

昇格試験の(感想約30秒)

ジュニアさん、見事に連敗阻止。
「あるあるネタ」のような共感性を求める句材だとジュニアさんの気取らない書き方がマッチしますね。「カラオケの二番の途中」という上五中七が分かりやすいほか、下五を「脱ぐコート」ではなく「コート脱ぐ」としたことで脱ぐ動作が強調され、高揚感がより伝わってきます。

フルポンさん、ユニークな視点でカラオケを表現していたことに感心しましたが、(間奏約30秒)という表記の正確さを求めるあまりボツというなんとも難しい結果に。
「約」を削った分「暖房が熱い」と暖房を強調する添削にもそれなりに納得はいきますが、自分はテロップという機械的な表記には徹底的にリアリティを求めるべきとして「約」を残したいところでした。
評価が分かれそうな句では句集に出せないというのはテレビ演出的にも分かりますが、今回は元句も良かっただけに気の毒だとしか言いようがありません。

それとは引き換えに御大はまあボツよなと一目でわかるくらいには今回もやらかしてくれたなって。
伝家の宝刀「夢芝居」に自惚れ過ぎだやめろと言いたいですが、「夢芝居」にこそ作者や「主」の感情をこめているのだと言う人もいるでしょう。
「夢芝居」を肯定するにしても、焼肉の回であった「オモニ自慢の干鱈汁」とほぼ同じ手法で「主十八番の夢芝居」とか出されてもそんなん上手くいくわけないだろというのが正直なところです。
来週から休んでどうか6連続シュレッダーは食い止めてください。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です