fc2ブログ

記事一覧

20221103 プレバト!!俳句紹介【スーパーの鮭】

2022年11月3日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※11日に全て更新しました。お待たせ致しました。

挑戦者→山西惇[3],新妻聖子[3],みちょぱ[7],ニシダ[初],皆藤愛子[32],横尾渉[66],梅沢富美男[177] ※数字は挑戦回数

●お題:スーパーマーケットのシャケ
スーパーマーケットのシャケ
※秋のSDGs(エスディージーズ)促進週間の兼題。「鮭」は秋の季語。パッケージにある「ASCマーク」は餌や水質など自然環境に配慮して養殖された証。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点山西惇
稽古場で台詞繰る間の鮭にぎりけいこばでせりふくるまのさけにぎり
2凡人2位55点新妻聖子
冬ちかし焼くか煮込むか鮭一尾ふゆちかしやくかにこむかさけいちび
3才能ナシ3位30点みちょぱ
駄々こねる子を背に伸ばす切り身鮭だだこねるこをせにのばすきりみさけ
4才能ナシ4位5点ニシダ
(ラランド)
針供養抜きつ切身を妹にはりくようぬきつきりみをいもうとに
5名人4段へ1ランク昇格皆藤愛子
エコバッグに新米5kg雨の帰路えこばっぐにしんまいごきろあめのきろ
6名人10段★3へ1つ前進横尾渉
(Kis-My-Ft2)
金秋のローンチ駅のおむすび屋きんしゅうのろーんちえきのおむすびや
7永世名人48句で掲載ボツ梅沢富美男
大中小弁当箱に鮭の秋だいちゅうしょうべんとうばこにしゃけのあき
順位発表順:2位→3位→最下位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録

山西惇△2※「相棒」シリーズ出演俳優で59歳。4年ぶりの挑戦。京都大学卒。
「ホントに久しぶりなので、退化してないことを目指したい」
「才能ナシは勘弁して」
「久しぶりに出るにあたって、先輩の酒井敏也さんにアドバイスを頂いた。『フジモンさんみたいな句を僕は目指してる』と。僕もフジモンさんの句を色々と勉強しました
新妻聖子○1△1※「レ・ミゼラブル」などミュージカル多数出演の俳優。
「ちゃんと勉強しようと思って、夏井先生の本じゃないんですけど、俳句の本を(買った)」
浜田「知らん、俺(笑)」
みちょぱ○1△4×1※夏井先生に褒められれば上機嫌だが、ダメ出しされると逆ギレするため、先生との仲が良いのか分からない距離感と紹介。
浜田「アカンで、あの態度は」
「言い方もありますしね。もうちょっと優しく…」
浜田「言い方やない。君の受け取り方やんか」
「いや、やっぱ(解説に)納得いかないことが多いので」
浜田「でも才能アリ獲ってるわけやから。」
「はい。今日は機嫌よく帰れるように」
ニシダ初挑戦※男女コンビ「ラランド」。年間100冊の本を読む読書家だが、上智大学に2度入学し、3回留年。2回とも退学した。
「最近小説を書いたりして、文芸系の才能はあると思ってます」
「3年通って1回退学して、再入学して3年通ってまた退学したということで、7年通って高卒になりました(笑)。」
「(2回退学したため)実家は出禁になっているんですけど、実家でも番組を観てると思うんで、これちょっといいとこ見せたいなと。才能ない奴は帰ってきてほしくないと思うんで(笑)。」
★ランキングシートの分布は才能アリ1名、凡人1名、才能ナシ2名

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 山西惇
稽古場で 台詞繰る間の 鮭にぎり

【本人談】
舞台の稽古をする時、家内が握ってくれたおにぎりを食べるのが習慣になっている。別の人が稽古している間も自分の台詞を繰り返しながら「おにぎりを食べたなあ」という経験を詠ませていただいた。

皆藤名人 いや~、鮭おにぎりの美味しそうな感じが伝わるので、凄く良いなと思います。
梅沢永世名人 私はね、あんまり教えたくはないですけど。あなたはフジモンを尊敬している(笑)。
浜田 いやいや…。
梅沢永世名人 フジモンじゃ教えませんよ。私だから教える。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 「鮭にぎり」とくるとね、お寿司かもしれない。
本人 そうなんですよね。ああ~。
梅沢永世名人 ですから、「にぎりは鮭」。こうくると、この俳句がもっと良くなる。
本人 なるほど。
梅沢永世名人 これはタダで教えてるんですよ(笑)。こういうことを。
サーヤ やらしい。

夏井先生 
いくつか問題はある。
「稽古場」「台詞」「鮭(のお)にぎり」とこれだけの材料をキッチリ入れられる。
ここが出来ている
ということは、この句の作者は将来性があると判断し、才能アリの評定にした。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 まず、一番気になるのは「鮭にぎり」。
これはおっちゃんの言ってることが正しい。
「お」をつけて、「おにぎりは鮭」とする。
目の前におにぎりがあり、中には鮭が入っていると分かる。
「で」を消して「稽古場""」。
最後は「繰る台詞」で「間の」が要らなくなる。
梅沢永世名人 ああ…いい。
夏井先生 「稽古場に繰る台詞」。台詞を私は今呟いていることになる。

本人 とっても良く分かりました。ありがとうございました。

●解説のポイント
いくつか問題点はある
「稽古場・台詞・鮭にぎり」と材料を入れられる
作者は将来性があると判断した
鮨を思う下五は「おにぎりは鮭」とする
「で」を消して「に」に
最後は「繰る台詞」で抑える

添削後
にぎり鮭 稽古場に 繰る台詞



◆2位 凡人55点 新妻聖子
冬ちかし 焼くか煮込むか 鮭一尾

梅沢永世名人 あら。 

【本人談】
普段スーパーに行き、広告の品の鮭を見て、「焼こうかな?」「煮込もうかな?」と思っている普段の私の気持ち。

梅沢永世名人 新妻さんね。夏井先生の本を買って勉強なさいまし。よその方の買うとこういうことになる(笑)。
本人 さようでございます。
梅沢永世名人 「冬(ちかし)」は季語なんです。「鮭」は秋の季語なんです。
本人 アハハ。

夏井先生 
季語の問題をおっちゃんが既に指摘している。
鮭が一尾、丸々とある情景で、これを秋の季語としてドスンと置いて何の問題もない。
「冬ちかし」はなくて良いという話になる。上五の5音で何でもやれる。
しかも、語順は逆。まず「鮭一尾」をドスンと置く。
さあ、こんなものが手に入った。
どうしようか。「焼くか煮込むか」。
下五は例えば、「酒あるか」。
梅沢永世名人 いいね。
夏井先生 それから友達、「友呼ぶか」。
本人 お~!
浜田 いい。
本人 楽しそう。
夏井先生 こうすると、にぎやかで楽しそうになる。
さらにあなたの工夫である「か」
これを活かしてもう一つ「か」を入れると、明るいワクワクしたリズムを作ることができる。

浜田 だから、先生の本買っとけばね~。
梅沢永世名人 私が帯に出てますから(笑)。是非それを買って下さい。
本人 分かりました。

●解説のポイント
季語が2つあるという問題
下五を季語として置けば問題ない
上五の季語は不要で5音あれば何でもやれる
語順も逆が良い
例えば「酒あるか」「友呼ぶか」
「か」の韻を活かせば明るいリズムを作れる

添削後
鮭一尾 焼くか煮込むか 
『鮭一尾 焼くか煮込むか 




◆3位 才能ナシ30点 みちょぱ
駄々こねる子を背に 伸ばす切り身鮭

梅沢永世名人 ははっ!

【本人談】
これはよくスーパーで見かける。お子さんがお菓子だったり「これ欲しい」「あれ欲しい」と言ってるのをお母さんは無視して、「今日夜ご飯どうしようかな?」って言って切り身鮭を取るということで、手を伸ばしてる光景。

横尾名人 「伸ばす」の意味をちゃんと説明しておけば良かったんじゃないですかね。「手を伸ばす」っていう。
本人 「手を伸ばす」なんです。
横尾名人 それが無いんで「伸ばす」の意味がやっと今聞いて分かりました。
浜田 あ、なるほど。
本人 え、分かるでしょ。
浜田 アハハ。
梅沢永世名人 よくこんなこと考えたな。
本人 違うの、だから。
梅沢永世名人 怒られるに決まってるだろ!
本人 違うの~。

夏井先生 
問題点は横尾さんが言った「伸ばす」。
これがこの位置に入っているから誤読を誘ってしまう。
どうしても「子を背に伸ばす」で、どうすることかとみんなキョトンとする。
「背中」からいく。
本人 先にそっち?
夏井先生 先にこっち。あんたね、コツを覚えたら絶対に上手くなるから。
本人 え?へへっ。
夏井先生 コツを覚えなさい。
「背に」で"背中には"という意味。「背には駄々こねる子」で前半の情景が整う。
「伸ばす」が要らないというか誤解を招く。
このお母さんの動作をポンと書くだけ。「伸ばす」ではなく「買う」。
「買う」といった瞬間、背負っているお母さんが買うに違いないとみんな分かる。

浜田 でも、どうですか。みちょぱ、言われてるよ。
本人 でも、先生。
浜田 言うな!(笑)

●解説のポイント
(手を)「伸ばす」とは伝わらない
「背に伸ばす」の誤読でキョトンとする
コツを覚えたら上手くなるはず
「背には」で語順を変えて情景を整える
「伸ばす」ではなく母の動作「買う」を書く

添削後
背に駄々こねる子 鮭切り身



◆4位 才能ナシ5点 ニシダ(ラランド)
針供養 抜きつ切身を 妹に

梅沢永世名人 うん…。バカヤロー! 

【本人談】
実家が出禁になった。7つ離れた妹がいて、その妹が中学生くらいの時、(食卓の)鮭の骨を抜いてあげたのを思い出した。

梅沢永世名人 いい加減にしろよ!ホントに。「針供養」ってのは使った針を供養する(行事)のための針供養なんだ。ええ?それをあんた、「抜きつ切身を妹に」って、お前ブツブツ刺してたのか。オカルトか!(笑)
みちょぱ どんな怒り方。
浜田 横尾君どうですか。
横尾名人 え、コレに言うんですか、僕。
浜田 いや、そう思ったことを言うてあげて下さいよ。
横尾名人 いや、まず5点もあるのが凄い(笑)。
本人 待ってよ。
横尾名人 そこだと思います、まず。

夏井先生 
もうこれ、本当に意味が分からない。
5点あげたのは、「針供養」という季語を知っていたか、調べたかという成果。
それぐらい(笑)。
サーヤ 調べた5点?
夏井先生 だってそう言うしかない。
いずれにしても、「針供養」(※初春の季語:古くなった針をこんにゃくや豆腐に刺して供養する)という行事がある。
こんにゃくとかに針を刺す。
でもそれを、抜くのです(笑)。その段階でなぜ抜くの(笑)。
抜いたと思ったら、なぜか切り身が出てくる(笑)。ここら辺でわけがわからない。
サーヤ ぐちゃぐちゃなんだ。
夏井先生 最後、とどめになぜか妹が出る(笑)。
滅茶苦茶簡単なことが言いたかった。「妹」鮭でしょ。
浜田 小骨を抜いてあげたんですよ。
夏井先生 「鮭の小骨を」。
抜いてやる」と。
「針供養」と言っている場合でもない。

浜田 これこうするしかないってことよ。
サーヤ 下調べの5点ってのがより恥ずかしいです(笑)。
本人 「知ってたんだ」の保険。

●解説のポイント
本当に意味が分からない
5点は季語を下調べした成果ぐらい
「針供養」は古い針を蒟蒻などに刺す行事
なぜ針を抜くのか?
切り身・妹の展開が唐突過ぎる
滅茶苦茶簡単なことが言いたかった
針供養と言っている場合ではない

添削後
妹に を 抜



★特待生昇格試験★
→皆藤愛子は4回連続昇格中。

◆『エコバッグに 新米5kg 雨の帰路 皆藤愛子

【本人談】
スーパーから発想を飛ばした。新米は凄い大好きで、5kgは重いが頑張って毎年買ってるので、この句を作った。

横尾名人 「雨の帰路」だけなら"寂しい"とか"嫌だ"という感じが出るんですが、「新米」という言葉で雨の中でもワクワクしてるんだろうなと感じ取れますよね。
梅沢永世名人 良い俳句ですね、お茶目。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 あの「5kg」「雨の帰路」。「キロ」で韻を踏んでるところがまたお茶目ですね。(嬉しそうに)素晴らしい俳句です。
浜田 なんでそんなエロい顔して喋るの?(笑)顔がなんかエロいんよ(笑)。

★評価ポイント
下五の着地「雨の帰路」の是非

■査定結果
名人4段へ1ランク昇格

理由:気持ちを伝える言葉選び!

夏井先生 
読んだだけで状況がハッキリと分かる。
上五「に」を入れて字余りにはなるが、この「に」は必要な助詞。「に入っている」と。
「に」があるから、この5kgがずっしりと感じると大事なところ。
ここで「雨」が出てくると、「5kgが重い」というマイナスイメージが入る。
最後の「帰路」で、新米を喜ぶ・楽しみに帰っている雨の帰路だと。
ここら辺の心情・想いを語れている。
「新米」という季語を主役にあげようと配慮している。
おっちゃんの指摘した「kg」「帰路」は同音異義語となるが、これが韻としてさりげなく効いてくる。
大したもんだと思う。直しは要らない。

本人 ありがとうございます。嬉しい。
浜田 いや~おめでとうございます。

●解説のポイント
読んだだけで状況が明確に分かる
上五「に」は字余りだが必要な助詞
5kgがずっしりと感じる効果
「雨」で重いというマイナスイメージ
「帰路」で新米を喜ぶ帰路の心情が語れた
季語を主役にする配慮
「キロ」の同音異義語の韻がさりげなく効く

添削なし



★永世名人への道★

→横尾渉(Kis-My-Ft2)は2回連続前進中。

浜田 とりあえず今調子良いよ。
横尾名人 調子いいんで、星獲りたいと思います。
浜田 マジか。嫌やな。
横尾名人 任せてください。なんで嫌な顔するんですか(笑)。

◆『金秋のローンチ 駅のおむすび屋 横尾渉(Kis-My-Ft2)
※「ローンチ」は、新しい商品・サービスを世に送り出す意味のビジネス用語。

みちょぱ はあ~。

【本人談】
SDGsということで、ビジネス用語を調べたら「ローンチ」が出てきた。長々と企画してきたことがやっと実現できたという意味の句になっている。

梅沢永世名人 はい、あの「ロンチ」。
みちょぱ 「ローンチ」。
梅沢永世名人 「ローンチ」ね、「ローンチ」。
本人 「ローンチ」。
梅沢永世名人 これがどういう意味なのか私には分かりませんけど(笑)。
サーヤ 分からないんじゃないですか。
梅沢永世名人 非常にテンポの良い俳句ですよ。

★評価ポイント
季語「金秋」が機能しているかどうか

■査定結果
名人10段★3へ1つ前進

理由:2つの企みが成功している!

夏井先生 
私も「ローンチ」が何か分からないので調べた。
そういうビジネス用語だと分かって、これはちょっと面白い取り合わせだと理解した。
伝統的な季語でもある「金秋」は使いこなすのがなかなか難しい。
「金」の一字がイメージを強く持つため、"金色の秋"と言われた時にどう使ったら良いかが本当に難しい。
それに対して、「ローンチ」のようなビジネス用語をポンと持ってきて、"ここから新しいことが始まる"、"ここまで一生懸命コツコツ頑張って来た"と。
そういうのが一発で出てくる。
さらに「おむすび」がここにあるため、豊かな実りの秋の「金秋」と響き合わすことが出来ている。
さらに、調べも"対句"の型「○○の○○」を使っている。
新妻:あ~ホントだ。
夏井先生 見えない所に小さな響き合いを作る。これが名人。

山西 凄い。
浜田 ここまで言われたら直しなんてね。
本人 いりませんよ(笑)。

●解説のポイント
「ローンチ」を調べたらビジネス用語
面白い取り合わせ
伝統的な季語「金秋」は使い方が難しい
「ローンチ」で新しいことが始まる
ここまで一生懸命頑張って来た
「おむすび」が豊かな実りの金秋と響き合う
対句の型「○○の○○」
見えない所に小さな響き合い

添削なし



★永世名人 富美男のお手本★


◆『大中小 弁当箱に 鮭の秋 梅沢富美男

【本人談】
皆さんが使わないような季語はないか調べに調べた。やっと「鮭の秋」という季語を見つけた。鮭が川を上っていくことを「鮭の秋」という。私は料理が得意なんで、子どもたちにお弁当をいっぱい作った。女房の弁当も作っている。そういう時に、大中小とお弁当箱が並んでいる。

皆藤名人 大中小と並んでいる様子と綺麗に切った中身も並べてらっしゃるんだろうなっていうのが、なんか可愛らしい感じで。はい、素敵だなと思います。

■査定結果
永世名人48句で掲載ボツ

理由:助詞「に」のミス!

夏井先生 
今回の兼題写真は引っ掛け問題というか難しかった。
スーパーに売っている切り身・おにぎりの具材の鮭が、季語として季節感をどこまで出せるかが中々難しい。
季節感の薄さをどうやって弁当箱という素材で表現するか。
そういう時、「鮭の秋」を持ってくるのは大したものだと思う。
季語としてドスンと主張できる。
ところがどっこい、この「に」が不用意。
本人 また「に」かい!
夏井先生 また「に」だよ(笑)。もうそろそろ分かってくれよ。
「に」だと弁当箱に鮭が入っている意味になる。
せっかくの一塊の季語を「に」が切り身にしてしまう。
みちょぱ 確かに。
夏井先生 でしょ。これは「に」が素敵な季語をダメにする。こういう展開。
語順が逆でしょ、おっちゃん。
「鮭の秋」からきて、鮭が美味しくなった季節だと。
弁当に鮭を入れたいとなって、助詞は「」。「弁当箱の大中小」と。
なぜこの「に」に気付かないの、あと2句のくせに(笑)。

浜田 「くせに」言われてる、アハハ。
本人 あのね、なっちゃん。
役者ってのは台詞で生きてるんだ。そうするとその語順…。
浜田 (遮って)さあ、それではこれを消していきましょう(笑)。これはもう永世名人、世に出せないのでいきましょう。せぇ~の、ドン!
(シュレッダー演出)
サーヤ うわ~。
浜田 久しぶりに見たなあ。
清水アナ ええ。

●解説のポイント
今回の兼題写真は引っ掛け問題
季節感の薄さをどう弁当箱で表現するか
「鮭の秋」を持ってくるのは大したもの
助詞「に」が不用意
一塊の季語を切り身にしてしまう
語順が逆で助詞は「の」に
あと2句なのになぜ「に」に気付かないのか

添削後
鮭の秋 弁当箱の 大中小



清水アナ ということで、句集完成まで残り2句のままです。
浜田 そういうことですね。
梅沢永世名人 家庭と母親の句を詠んだら全部ボツなんだ。そんなにウチの家庭が憎いか!(笑)。

★次回11/10の兼題は「ドライブスルー」です。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

みちょぱの句

駄々っ子を背に手を伸ばす切り身鮭

でどうでしょう?

先週のプレバト

皆藤さんが5回連続で昇格するといい、横尾くんが3回連続で前進するといい、とにかく素晴らしかったです!

追記
5回連続で1ランク昇格したのはジュニアさん以来史上2人目。

4位の句
針供養(を)抜いた(抜いてしまった)。切り身を妹に(なんか)した。

針供養抜きつ←「つ」は完了を示す助動詞。よって、針供養(という行事、人事)「を」抜いた。切り身を妹に(○○)した。

解釈時点で訳が分からないですね。

3位の句
駄々をこねる子を(私の)背中に伸ばす、切り身の鮭

切り身鮭までは、どうにか駄々をこねる子を自分の背中に乗せて伸ばす、ストレッチでもやってるようにも解釈できる。そこに切り身鮭が来ると、切り身の鮭の親子がストレッチをしているシュールな(もしくは、サンリオキャラの「きりみちゃん」がストレッチてる漫画的な)絵面が浮かぶ。切り身の鮭が自分達の喩えとも鑑賞できなくもないが、訳が分からないです。

2位の句
季重なり。冬近しは、映像の無い、晩秋の時候の季語。鮭は、秋の動物季語。添削を受ける前でも句としては成立している。
しかし、この句は組み合わせとして時候の方が強く前に出てくる。
冬が近い。鮭を一尾前にしてどう調理しようか思っている。もしかすると、句の中の人は毎年晩秋の頃に鮭一尾を前にし、冬が近付いてきたのだなと感じてるのかもしれない。こうなるとやはり主役は「冬近し」となるし、お題に添うなら鮭一尾を前にした添削句の方がずっと良い。

1位の句
動詞「繰る」。ググる程度だが、調べてみると、この動詞には「ひと続きのとじてあるものを順にめくる」「演劇において台詞に順序をつけ、その順に従って述べていく」とあり、稽古場、台詞繰る、とあれば俳優だと一目瞭然だった。
あとの指摘は番組通り。

皆藤名人
スーパーの籠くらいの大きさのエコバッグを肩から下げて雨の中を帰っていく人物が思い浮かぶ。5キロという重たさや雨というマイナスとも取れる要素を跳ね返しての新米のめでたさ、ありがたさ。

横尾名人
この句、ローンチを「開店」「オープン」といった4音の言葉に置き換えると凡句になりそう。あえて「ローンチ」という言葉で読み手を引き留めて、句を鑑賞させる仕掛けがあると感じた。
固有名詞やちょっと耳慣れない言葉を句に織り込んであるのと、対比表現と言う点で、非常に横尾名人らしい句だったと思う。「また?」と感じる視聴者はいるかもしれない。

御大
「鮭の秋」、秋に川を遡上してくる鮭そのものを指す動物季語だが、遡上に合わせて秋の川の風景も思い浮かぶ季語。
しかし、原句を特に兼題写真をみてから解釈すれば、大中小の弁当箱にに鮭が入っている秋であると「鮭」と「秋」がばらけて季重なりの句となってしまうし、初めに大中小の弁当箱が提示されると意外性もなくなってしまった。

久々に、「ありゃりゃ」となる回だった。

今回は

今回は名人査定だけで

皆藤名人

以前鈴木光さんが三段切れで現状維持だった句を思い出しました。

上五「に」はそれを解消するために必要だったなと思います。

解説されませんでしたが、この句の一番のポイントは上五だったと思います。

この言葉によって、
車ではない、配達ではない

という買い物の状況が出ています。それによって、季語「新米」の重さがよりズシリとわかります。

また韻についてですが、こちらはヒップホップの要素が感じられます。この韻のリズムによって下五の負の要素が薄れ、ウキウキした様子が感じられます。

そして、そのすへての工夫が季語を主役にするためのものだったと思います。

個人的には
「エコバッグには」として775とリズムを作ったらよりよくなっていたのではと思います

横尾名人

一般的に知られてない新しい言葉を取り入れる挑戦を査定でやる勇気がすごいですね。

2通りの解釈があるようですが、

自分は「ローンチ」と「おむすび屋」を結んで解釈しました。

その場合、会社の人間と現場の人間が存在することになります。それぞれの立場の人たちが1つの仕事を成し遂げたという喜びが季語に託されてると思います。

また「おにぎり」ではなく「おむすび」とすることで人と人との結びつきや縁などが連想されるかと。

昔、「黄金の国ジパング」とされた黄金は稲穂であるという説がありますが、それを連想させる意味でも

季語が主役になっていたと思います


梅沢名人
上五「大中小」が弁当箱のことかのか、「鮭」にかかるのかが不明だったので、ボツ査定になるのはすぐにわかりました。ここは夏井先生の添削が納得しかありませんでした。

最後に拙句を詠ませていただきます

ちゃんちゃん焼き甥は野菜をモリモリと

更新お疲れ様です

横尾名人の句。
「ローンチ」を改めて調べると「新製品を発売したり、新サービスを開始すること」と出ました。ゲームハードと同日に発売される最初のタイトルを「ローンチタイトル」とも呼びますね。

自分の中では上の句と下の句は別物という判断をしました。秋になってようやくプロジェクトが実現し、ひと段落して駅でおにぎりを食べるという、「忙しいビジネスマン」像という句。「店をオープンすること」を「ローンチ」とはあまり言わないので、そこは誤読の可能性は低いのではと思いました。
また、「お金が動くビジネス」と「『金』秋」という言葉もイメージが重なっており、その点でもビジネス用語である「ローンチ」を使った方がよりそのイメージに近づくのではという読み取り方をしました。

(その他の人)
新妻さんは「冬近し」と「鮭」の季重なりイージーミス。「酒あるか」「友呼ぶか」という韻を踏みつつ明るい光景を入れた添削はお見事でしたね。鮭が食いたくなる。

みちょぱさん、「伸ばす」がひたすら混乱させておりました(自分は本当に麺棒とかで伸ばしてるのを考えてしまいました)。そして発想はごく普通。

ラランドニシダ、季語をまるごと比喩として使ったことで、針供養の本来の意味を知っている人からしたら(てか知らない人でも)なにがなんだかさっぱり分からない。
そしてこちらも発想はごく普通、救いようがありませんでした。

皆藤さんは今回もお見事。
新米を提げる姿がパッと浮かんできました。エコバッグと書いたのは番組のSDGs押しなんでしょうね(笑)

今回のプレバト、色々な意味で納得いかない…

まず山西さん。メタなことを言えば才能アリを必ず一人用意するという番組事情があるのかもしれないとはいえ、助詞「で」の安易な使い方や「間の」の説明っぽさ…自らの体験を組み込んでおり味覚や聴覚を効果的に刺激しているのはわかりますが、普通なら60~65点が妥当でしょう。
先生も最後のほうに少し言ってましたが、「鮭おにぎり」としてしまうと季語として「鮭」の存在感が削がれてしまうのも勿体ないところ…

続いて横尾さん。またお得意の対句かよという突っ込みは個人的な好みの話なのでやめておくとして、「ローンチ」という専門用語が本当に活きていたのか?という疑問がいささか残ります。普通に「オープン」とか「開業」ではダメだったんでしょうか?(それだと単に「おむすび屋が駅に開いたのか!」という第三者視点とも読めるので、自分達がおむすび屋に携わったということを伝えたいなら確かに「ローンチ」なのでしょうが…うーん。)

そして御大。(予告で大ゲンカとか書いてて明らかにボツになりそうな雰囲気を抜きにしても)見た瞬間に「これはボツだな」って思えるくらいに今回は酷かったです。
「鮭の秋」って季語を知らなかったので、実際に鮭弁当が大中小並んでるのかと思ってしまいました。そうだとしても先に「大中小」が出てくるのは面白さを殺いでしまっているなぁと。季語の本質を活かす意味でも添削後が理にかなっております。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です