2022年10月13日放送 プレバト!! 俳句金秋戦決勝戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
秋の季節に行われる第6回
金秋戦決勝戦で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
●27日に全て更新しました。大変お待たせして申し訳ありません。 |
→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細 →編集後記⇒予選Aブロック記事⇒予選Bブロック記事⇒予選Cブロック記事※過去のタイトル戦結果などは
こちらまたはブログカテゴリからどうぞ。
挑戦者:
挑戦者→藤本敏史[83],村上健志[76],春風亭昇吉[10],横尾渉[65],松岡充[26],千原ジュニア[81],梅沢富美男[175],森口瑤子[28],立川志らく[57],皆藤愛子[31] ※数字は挑戦回数見届け人:中田名人、北山宏光、犬山紙子●お題:大谷翔平
※日本が世界に誇るスーパースター。2021年はア・リーグのMVPを受賞。2022年シーズンも投手で15勝、野手で本塁打34本など「二刀流」として存分な成績を上げている。来シーズンも年俸3000万ドル(≒43億円)での大型1年契約が話題に。主役の季語が見劣りしかねない厄介なお題。
※番号クリックでリンク内移動します。
※来年の春光戦のシード権は
「2位まで」と発表されました。
1位 | 藤本敏史(FUJIWARA) | 名人10段★4 | 大きく振りかぶって秋爽の只中に | おおきくふりかぶってしゅうそうのただなかに |
2位 | 村上健志(フルーツポンチ) | 永世名人 | 大谷の球大谷が打つ案山子 | おおたにのたまおおたにがうつかかし |
3位 | 春風亭昇吉 | 5級 | 白秋の雲穿ぐ右投げ左打ち | はくしゅうのくもうぐみぎなげひだりうち |
4位 | 横尾渉(Kis-My-Ft2) | 名人10段★2 | 総立ちのフェンウェイパーク星月夜 | そうだちのふぇんうぇいぱーくほしづきよ |
5位 | 松岡充 | 2級 | 天高し野球ノートの三箇条 | てんたかしやきゅうのーとのさんかじょう |
6位 | 千原ジュニア | 名人10段★3 | 秋立つや十七画の名を吾子に | あきたつやじゅうななかくのなをあこに |
7位 | 梅沢富美男 | 永世名人 | ポケットにゴミ爽涼のユニフォーム | ぽけっとにごみそうりょうのゆにふぉーむ |
8位 | 森口瑤子 | 名人初段 | 四番打者四球を選ぶ子規忌かな | よばんだしゃしきゅうをえらぶしききかな |
9位 | 立川志らく | 名人6段 | 巌流無念しおれた菊人形 | がんりゅうむねんしおれたきくにんぎょう |
10位 | 皆藤愛子 | 名人3段 | 打ちまくる大谷生姜擦る私 | うちまくるおおたにしょうがするわたし |
順位発表順:3位→5位→9位→8位→最下位→7位→2位→6位→4位→1位【トーク集】(クリックで展開)
→お題「大谷翔平」に季語が負けないか。
夏井先生 これは力試しの問題ですね。平場の人でしたら、見た瞬間に安易に「二刀流」とかすると予想はするんですけど、さすがにね。特待生・名人ですよ。一人もそういう安易な道を選んだ人はいませんでしたね、さすがだと思います。そこは。ただ、1位をみすみすドブに捨てた句もありました。
***
→梅沢名人もお題について自身のツイッターで愚痴っていた番組10年で最も難しいお題。
梅沢永世名人 お題で相当苦労しました。
浜田 なるほど。
梅沢永世名人 じゃあ私は違う発想で飛ばして作ろうかと思った瞬間に、何にも浮かばなくなったんです(笑)。
***
浜田 ジュニアさん、このお題は。
ジュニア名人 今までで一番難しいです。
藤本名人 そう、ホントに。大谷翔平で季語になってないかと調べましたから(笑)。季語やったらいいのにと思いを込めて。
村上永世名人 季語が負けちゃいけないってのがあるんですけど。
***
浜田 全員が頷いているやん。
梅沢永世名人 金秋戦で優勝して花道を飾りたい。
清水アナ 今回は観覧のお客さんにも優勝予想をしてもらいました。皆さんカラフルなマスクをしていますよね。これは、誰が優勝しそうかで色分けされています。
梅沢永世名人 そのために色んなマスクをしているんだ。
浜田 そういうことです。
清水アナ 一人ひとり聞いて回りました。
ジュニア名人 黒と紫多いよ。
■観覧客(25名)の優勝予想※それぞれ優勝と思う色のマスクを着けている
梅沢 | 村上 | 藤本 | ジュニア | 横尾 | 志らく | 森口 | 皆藤 | 松岡 | 昇吉 |
3 | 5 | 2 | 6 | 2 | 5 | 1 | 0 | 1 | 0 |
予想1位から
ジュニア・村上・志らく浜田 これ見ると、紫ですからジュニアさんが多い。
ジュニア名人 ありがとうございます。
藤本名人 何で?
清水アナ ジュニアさんが6票入ってます。
ジュニア名人 皆さんよりちょっと不利なのは、僕は俳句を考えながら消しゴム(ハンコ)彫ってましたから(笑)。
→ジュニア名人は3時間SPの冒頭企画のパラパラ漫画コンテストで優勝した。
皆藤名人 あ~そうですね。
藤本名人 それは言い訳やわ。
ジュニア名人 ものすごい長時間消しゴム彫ってますから(笑)。
浜田 そういうのもあるということで。
村上永世名人 そうです。
清水アナ 俳句タイトル戦・金秋戦決勝戦の開幕です。去年はKis-My-Ft2北山さんが予選から勝ち上がって優勝しました。
浜田 なるほど~。
藤本名人 …で?
北山 なんで?って言われたら分からないですけど(笑)。でも、あの(優勝額縁の)写真は今日までです。
藤本名人 まあそうですね。
***
浜田 誰がヤバいと思ってますか。
藤本名人 村上わね~。
梅沢永世名人 なんで俺の名前言わねぇんだ!この野郎(笑)お前今すっと外したろ?
藤本名人 4年もタイトル獲ってないんでね。
浜田 確かにね。
藤本名人 (勝ち上がった予選)Aブロックはホントに死のブロックで、Aブロックから確か3人決勝に出場してるんですよ。
浜田 あ、そうや。
藤本名人 ワールドカップでいったらブラジル(自分)、アルゼンチン(昇吉)、フランス(松岡)と(ブロックが)一緒みたいな…。
浜田 志らくはんには勝っときたいというのはありますか。
昇吉 いやもう、いつもの破調や固有名詞のワンパターンみたいなのは飽きられてると思うんで(笑)。
志らく名人 あの…、昇吉より順位が下だったら君の落語会にタダで出るよ。
昇吉 うわ、やった。
浜田 落語会にタダで出てあげると。なるほど。
昇吉 やった!
中田名人 今回はやっぱり梅沢さんに優勝してほしい。
梅沢永世名人 ありがとうございます。
浜田 なるほど、いうてもね。
中田名人 はい、もうとにかくね。子どもたちを喜ばせてほしい。
梅沢永世名人 ここで花道飾ろうと思ってるんです。
一同 え?
梅沢永世名人 次回のタイトル戦には出られない。
藤本名人 えっ?
浜田 どういうことですか。
梅沢永世名人 あと3つ(→句集完成まで3句)で終わりですから。
→梅沢名人は50句の句集完成で番組勇退を宣言しているが…。
浜田 あ~そういうことか。
梅沢永世名人 ですから、この金秋戦で優勝して…。
浜田 (唇に指を立てて)シーッ!
梅沢永世名人 えっ?
藤本名人 トーク跳ねないし(笑)。トークが全然跳ねないすね。どうしたんすか。
横尾名人 調子悪い。
***
浜田 どうなの?今回は。
村上永世名人 今回はやらせてください。
浜田 分かりました。
藤本名人 「やらせてください」?(笑)
清水アナ 村上さんも3年前の炎帝戦以来優勝から遠ざかっています。前回のタイトル戦は15人中15位で感情が壊れてしまいました(笑)。
ジュニア名人 この顔してたな。
横尾名人 こんなことになったのか。
村上永世名人 今回はテーマに沿いました。少しめり込んでるぐらいの感覚ですね。
清水アナ 予選Bブロック1位通過の森口さん。このところの戦績は冬は3位、春は2位、夏は3位と安定感抜群で優勝候補のおひとりです。
梅沢永世名人 凄い。
ジュニア名人 凄い。
清水アナ そして、前回の炎帝戦で詠まれた俳句(「メールぴこんぴこんシャワー中だってば」)の反響がとにかく大きいそうです。
森口名人 俳句を難しいと言ってた人が「作ってみようかな」と言って下さるようになったので、それは凄く嬉しかったです。
藤本名人 簡単に詠めそうで、これ凄い難しいんで手を出さない方がいいですよ(笑)。
浜田 安易にね。
藤本名人 逆に詠めないですから。
***
梅沢永世名人 (子どもから)お手紙頂きまして。「僕も俳句を作ってきました。添削してください」と。よくできましたとお手紙を返しました。
浜田 ここは綺麗に切りますけど。
梅沢永世名人 はっ!?
清水アナ さあ、今回の結果が届いております。お願いします。
浜田 頂きます。
清水アナ それでは何位から見ましょうか。
藤本名人 う~わ。
皆藤名人 あ~やだな。
浜田 …3位。
ジュニア名人 3位!?
藤本名人 これは、いいぞ。シード権もらえるでしょ。
横尾名人 そこか~。
***
浜田 金秋戦第3位はこの人!
【3位は春風亭昇吉】<大健闘!>
昇吉 やった! ありがとうございます。やった!
ジュニア名人 落語会近いよ、これ。
浜田 (志らく名人を指して)ヤバいヤバい。
志らく名人 (タダ出演の回避に)2位と1位しかない(笑)。
浜田 ヤバいヤバい。
藤本名人 凄い。
浜田 決勝初めてで3位。素晴らしい。
ジュニア名人 見たいわ。
藤本名人 基準が見たい。
***
清水アナ 続いては何位を見ましょうか。
浜田 下の方はあれか、5位。
ジュニア名人 5位はないな。
藤本名人 5位はシードないね。
梅沢永世名人 ないないない。
藤本名人 いらんいらん。
浜田 金秋戦第5位はこの人!
【5位は松岡充】
ジュニア名人 凄い。
松岡 ありがとうございます。
藤本名人 松岡さん。
浜田 いやいや。ずっと下におったんやから上等やろ。
松岡 そうなんですよ。
浜田 新顔が2人もう(上位に)入りましたよ。決勝戦で。
***
清水アナ 続いては、何位を見ましょうか。
浜田 ちょっと下の方見ましょうかね、ここらでね。9位。
藤本名人 うわ、ヤダ。
梅沢永世名人 これはもう…。
ジュニア名人 きたか~。
梅沢永世名人 これは最低だよ。
浜田 大体このへん開ける言うたら、みんなこれになる(笑)。
藤本名人 みんなあるの可能性が。
梅沢永世名人 最低よ、9位なんて。
浜田 自信あるんでしょ、フジモン。
藤本名人 ありますけども、早よ行きなはれ(笑)。もう~、早く嫌なんですよ(順位が)出るまでが。
浜田 あ~そう。いきましょう。金秋戦第9位はこの人!
藤本名人 いらないいらない。
浜田 みんなレベル高いんでね。今日に限っては順位が低いというパターンも当然あります。
【9位は立川志らく】<王者惨敗>
藤本名人 やっちゃった。
志らく名人 やってしまいました。
横尾名人 志らくさん!
梅沢永世名人 やっちゃったね。
ジュニア名人 これはもう、3席せなあかん(笑)。
志らく名人 いや、3席したら私の独演会になっちゃうから(笑)。
梅沢永世名人 タイトルホルダーだから。
藤本名人 ノーギャラ。
浜田 まぁね、春は取りましたが、秋はちょっと無理でした。
***
清水アナ 続いては、何位を開けますか?
浜田 これまだ下行きますかね。じゃあ、志らくはんの上、8位。
藤本名人 いやいや。
ジュニア名人 あ~。
浜田 またや、またや。何なん、自分ら。
梅沢永世名人 ちょっと恥ずかしいわね。
浜田 何なんよ。
藤本名人 もう1位発表してほしい。
浜田 金・秋・戦。
藤本名人 ゆっくり読んでる~(笑)。ゆっくり言うてる。
浜田 第8位はこの人!全員が前のめり。もう梅沢さんだけが余裕ですよ。
【8位は森口瑤子】
藤本名人 森口さん!
森口名人 あ~そんな気がした~。
藤本名人 ずっと順位良かったのに。
森口名人 あぁ~。(座って)うわぁ~。
犬山 すごい溜め息。
村上永世名人 疲れてるなあ。
***
浜田 さぁ。…ここから何を聞いても喋らない(笑)。
藤本名人 (村上名人に)どこ見てんねん。
浜田 さぁ、まずはどうしましょうと思ったんですが、これはもう最下位。
一同 えぇ~!
→ジュニア名人が思わず立ち上がる
藤本名人 いやいやいや。
横尾名人 ウソ!
藤本名人 何でなんすか、早いですって。
浜田 何がやねんな。
皆藤名人 (甲高く)はぁ~!
藤本名人 もういいですって。
浜田 何でやねん。みんな自信あるんやろ?
藤本名人 浜田さんの匙加減いらないっす(笑)。
皆藤名人 ヤバ~い。
浜田 いきますよ!
藤本名人 何でなんすか。
浜田 何がやねん!
藤本名人 何で今最下位なんすか、後でよろしいやん。
浜田 金秋戦。
藤本名人 怖っ。
浜田 最下位はこの人!
【最下位は皆藤愛子】
皆藤名人 あ~、やっぱりか~。
浜田 皆藤さんどうぞ。
ジュニア名人 皆藤さん落語会か(笑)。
藤本名人 落語会出るの~?
ジュニア名人 (演目のテロップに前座:志らく、トリ:昇吉)MC、MC。
浜田 あ、MCね。
藤本名人 いけにえみたい。
***
清水アナ 続いては何位を開けますか?
浜田 あ~これ、もうちょっと下も行く?じゃあ、森口さんの上、7位くらい行きますか。
藤本名人 要らないですね~。
ジュニア名人 あぁ~。しんどいわ~ここ(笑)。
藤本名人 ホントにいらない。
ジュニア名人 こうなったら、一番しんどい。
浜田 前の3人(→藤本・ジュニア・横尾の3名人)おんなじ動き(→前のめりで顔を伏せる)してんねん、さっきから(笑)。
藤本名人 ここはホントにいらない。
浜田 いきましょう。金秋戦第7位はこの人!
【7位は梅沢富美男】
横尾名人 梅沢さんだ。
浜田 ふてくされてる。
横尾名人 (移動が)早っ!
藤本名人 早っ!調子悪っ。
浜田 めちゃめちゃ早っ。
ジュニア名人 早っ。
藤本名人 無言。
浜田 7位を見た。ハハハ。(シートの)「7」を見た、今。アハハハ。
***
浜田 残っているのは、1位・2位・4位・6位ということになります。
村上永世名人 でも、結構いい順位だな。
浜田 北山、そろそろ俺にツッコめよ。1回も聞いてないやろ、俺。
北山 何をですか?(笑)
藤本名人 それはない、それはないよな!
浜田 「北山くんどうですか?」って俺1回でも言うた?
北山 いや、さすがにそれは…。
浜田 「そろそろ俺わい!」とか言えよ。
ジュニア名人 難しいですって。それは難しい。
北山 さすがにそれは無理ですよ!
村上永世名人 その勇気はないでしょ。
浜田 ホンマいつ来んのか、いつ来んのか、待ってたら。
ジュニア名人 さすがに変な汗出ますよ。
***
清水アナ 続いては何位を見ましょうか。
村上永世名人 6位…。
ジュニア名人 嫌やな、こうなったら嫌やな。
村上永世名人 5位以上、6位はちょっと超えたいな。
浜田 2。
一同 え~!
横尾名人 ここで2位。
藤本名人 ここで?
横尾名人 じわじわ。
村上永世名人 これ…嬉しいのか?
浜田 いきましょう。金秋戦第2位はこの人!
【2位は村上健志】
村上永世名人 うわ~!うわ~!(笑)2位。
ジュニア名人 (立ち上がって)悔しいな。
村上永世名人 悔しい~。
ジュニア名人 これは悔しいわ。
浜田 うっさいわ~もう。
村上永世名人 2位かよ~!うわ、そっか~。1位なれないなぁ。
→ランキングシートの階段を上る際中、村上名人は9位の段で床にある柵の装飾に躓き、その勢いで階段を駆け上がって2位から4位の装飾も破壊。
浜田 えっ!?
一同 (悲鳴を上げる)
→村上名人はいったん段を降りて横尾名人の隣へ戻り、左足のアキレス腱付近を痛そうに手で押さえ、それを横尾名人が心配そうに介抱する。
浜田 え?何してんねん!
ジュニア名人 え?
清水アナ けがないですか。
藤本名人 いや、ちょっと~。
浜田 どうしたんや。
ジュニア名人 そんな腰に来る?(笑)
藤本名人 そんな悔しい?
村上永世名人 どうしても1位なれないなと。
浜田 全部蹴ってったよ(笑)。
梅沢永世名人 こっから。
藤本名人 引くぐらいの。笑いにならないコケ方(笑)。
ジュニア名人 なぁ。
藤本名人 なぁ。
浜田 ビックリするわ。
藤本名人 なぁって。
→2位の席に立って謝る村上名人
藤本名人 危ない…。
浜田 ハッハッハ。
ジュニア名人 もう!
清水アナ ビックリしましたね。
***
浜田 この3人残ってますけど、どうですか。
北山 絶対横尾さんに今回行ってほしいですわ。
浜田 もうこうなったらね。
北山 こうなったら。
浜田 そらそやわね。
北山 あの席のね、あそこに1位に座る横尾さんを見たいですね。
浜田 あんな顔してるけどね。
北山 絶対自信ある時の顔なんですよ。
浜田 ホンマ?
ジュニア名人 そうなんや。
藤本名人 そうなの?
北山 意外に。出来る時はあ~いう顔するんです。
浜田 なるほどね、さあ犬山さん、どうでしょう?
犬山 やっぱ藤本さんですね。
藤本名人 イェイ!
犬山 やっぱもう、「薪ぱんっ」も良かったし、「マネキン」も良かったんで、いきますよ。ぱんっと。絶対1位ですよ。
藤本名人 いや~応えられないかも。
浜田 中田さんはどうでしょう。
中田名人 私、ジュニアさんですね。
浜田 なるほど。
中田名人 久しぶりに優勝してほしいですね。
浜田 そうですね。さあ、これも意見が分かれました。
清水アナ 続いては、何位を開けますか?
浜田 …6位。
藤本名人 ここもいらん。
ジュニア名人 ここが一番いらんな。
藤本名人 こんな、後半に差し掛かっての6位なんて。ホントにもう、なっ。
ジュニア名人 これはもう実質ベベや(笑)。ここでの6位は実質ベベ。
藤本名人 なあ。この盛り上がってる最中の。
横尾名人 一番必要ない。
浜田 いきましょう。金秋戦第6位はこの人!
【6位は千原ジュニア】
→思わず倒れ込むジュニア名人
藤本名人 あ~ここの一番いらん6位。
北山 実質ベベ?
浜田 実質ベベ言うてたよな。
藤本名人 実質ベベ。自分で言っちゃった(笑)。
横尾名人 ジュニアさん、ベベですよ。
藤本名人 ジュニア、ベベ。
ジュニア名人 あぁ~。
藤本名人 ベベ。
横尾名人 ベベの席。
藤本名人 どこ行くねん。
ジュニア名人 ホント、(観客へ)マスクしてくれた人ごめんなさい。
梅沢永世名人 一番人気だったのに。
清水アナ (投票が)一番多かったので。
***
浜田 さあ、残っているのはこの二人。
清水アナ はい、お二人とも(名人)10段です。
浜田 10段、そうか。
清水アナ 同じ段位です。
浜田 残ってるよ、北山。
北山 いや、横尾さんの1位見たいなぁ~。あっ、あぁ。自信ある顔してますね(笑)。
藤本名人 演技~?
浜田 ジュニア、どう思いますか。これ。
ジュニア名人 これ、そろそろ吉本行かなアカン。
浜田 なっ。
藤本名人 そやな、そろそろ。
浜田 確かに。「そやな」って、誰に聞いてんねん!
藤本名人 すいません(笑)。
ジュニア名人 (笑いながら立って拍手)
藤本名人 流れでありますやんよ!あるでしょうよ、流れでこっちが喋ってて、急にこっちにしゃべりかけたらそのままいってしまうみたいな。ありますよね、芸人あるあるよね(笑)。もうやめて下さいよ~。
浜田 さあ、それでは参りましょう。今年の金秋戦を制した第1位はこの人!
藤本名人 こい!
【1位は藤本敏史】【4位は横尾渉】
藤本名人 (立ち上がって)やった!久しぶり~!うわ嬉しい~。やったった!
浜田 アハハハ。
藤本名人 やったったよ。
浜田 第4位はキスマイ横尾君!
ジュニア名人 いやいや、しゃあない。
梅沢永世名人 うん~。
北山 うわ~、惜しかった。
ジュニア名人 悔しいね~。
浜田 やっと吉本(1位に)入りました。
藤本名人 やっとや。
***
清水アナ 藤本さん、第1位の席に移動してください。
藤本名人 やった~ありがとう!うわ、嬉しい。
浜田 2年ぶり。
藤本名人 チョリーッス!(笑)
ジュニア名人 自分から言い出したやん。久しぶりにええことあったな。
藤本名人 久しぶりやないねん、別にええことあるわ。
ジュニア名人 久しぶりにええことあった。
藤本名人 久しぶりにええこと言うてる。小っちゃいけど、ええことあんねん(笑)。大きいええことがなかっただけで。
浜田 2年ぶりの優勝でございました。
藤本名人 あ~嬉しい。
→2014/5 O.A.
梅沢永世名人 滝を出さないところが先生、素敵だと思わないかい。
夏井先生 だからそれは良いって言ってるじゃないか、やかましい男やな!(笑)
***
→2014/9 O.A.「稲の香に地蔵の鼻もふくらんで」の添削
夏井先生 この句がつまらないことだけは何も変わりません(笑)。
***
→2014/5 O.A.「滝を見て蛇口閉めたか考える」
夏井先生 蛇口閉めたか考えろって、さっさと帰って確かめろって言いたいですよね(笑)。
浜田 いきましょう、春のシード権のボーダーラインを発表いたします。
梅沢永世名人 1位だけになんないかな(笑)。
浜田 ボーダーラインは。
【2位まで】
一同 え!
北山 狭き門!
清水アナ シード権を獲得されたのは、藤本さんと村上さんです。
藤本名人 嬉しい。
清水アナ はい、春は予選免除となります。
→両手を上げ下げして無邪気に喜ぶ2人
清水アナ 2022年金秋戦を制したFUJIWARA・藤本さんには賞金30万円とトロフィーが贈呈されます!
藤本名人 やった!
浜田 は~い。さあ、2022年金秋戦優勝はフジモンでございます!
藤本名人 ありがとうございます。
浜田 おめでとう!
ジュニア名人 素晴らしいね。
梅沢永世名人 素晴らしい。
●それでは順位別に見ていきます1位
◆『大きく 振りかぶって 秋爽の只中に』 藤本敏史(FUJIWARA)
【本人談】今、プロ野球で大きく振りかぶって投げる投球フォームの投手はほぼいない。大谷選手の印象は高校時代の大きく振りかぶる「ワインドアップ投法」がめちゃくちゃカッコよくて、それに発想を飛ばした。大きく振りかぶって投げる投手を考えたら、野茂英雄さんがめちゃくちゃ好き。日本人投手がメジャーリーグで活躍するきっかけは野茂選手が活躍したからだと思い、その気持ちも込めた。
村上永世名人 やっぱ「秋爽の只中に」って言ってしまえるところがやっぱり~さすがですよね~(笑)。
本人 なんやその言い方。
浜田 思ってないんかい。
夏井先生 ゆっくりと振りかぶるピッチャーの動作。
決して長い時間ではなく、短い時間を映像にしていこうと。
そこがひとまず真っ向勝負を挑んだ句に思う。
どこにもピッチャーとは書いてないが読めば前半で分かる。
「秋爽」という季語が良い。
ストレートで爽やかで、季語の中心に立つかのような、それがピッチャーという存在であると。
一点だけ、「に」がない方がスッキリするなと逆に思った。
私なら「に」は無い方が良いと思いつつ。
ジュニア名人 直しがある。
藤本名人 じゃあ、すいません。外しといてください。
村上永世名人 そんなわけにはいかない。
夏井先生 これを外すと2位の「案山子」と迷わなかった。凄く今回は迷った。
「に」がなければ、きっぱりとした空気が出て「秋爽」という季語が堂々と立ってくる。
浜田 村上が…。
夏井先生 そういう感じがする。ですから、村上さん残念でした(笑)。
村上永世名人 おかしいよ。昔、案山子と何かありました?(笑)
浜田 何でやねん。
村上永世名人 何か案山子嫌ってるなあ。
●解説のポイント |
ゆっくり振りかぶるピッチャーの動作 短い時間を映像を描く真っ向勝負を挑んだ ピッチャーとは書いてないが読めば分かる 季語が良くストレートで爽やか 季語の中心に立つのが投手という存在 「に」がない方がスッキリする 外して置けば2位と迷わなかった きっぱりした空気が出て堂々と季語が立つ |
添削後
『大きく 振りかぶって 秋爽の只中』
時候「秋爽」と大きく振りかぶる投手の光景を取り合わせた20音の破調。読み終えた瞬間の映像訴求力が強く、光景がストレートに分かる一句です。前半の動作は高校野球の解説でもお馴染みのフレーズ。後半「只中」がポイントで、ご指摘の通り今季語の現場「に」いるという意味にも、その現場「へ」という意味にも解釈でき、スローモーションのように映像が立ってくる印象。”写真俳句”にも使える可能性はありそうです。気になるとすれば2位との比較で、定型ではない点、兼題の大谷選手のイメージが弱い動作の点。「に」が添削で消されたことで破調の印象が際立ち、「只中」の恍惚とした印象を読者に膨らませる効果がありそうです。2年ぶり3度目の賜杯を手にした藤本名人の永世名人を懸けた挑戦にも注目です。
2位◆『大谷の球 大谷が打つ案山子』 村上健志(フルーツポンチ)【本人談】案山子はいわゆる稲穂を鳥から守るために置くもの。たまに案山子コンクールでその年に流行ったキャラクター・著名人が案山子になっていることがある。イチロー選手の場合はバッターボックスの姿だが、大谷選手の場合はピッチャーの姿とバッターの姿が両方ある。夢の大谷vs大谷が実現されているという。案山子は農作の神様の扱いもあり、その豊かさも季語に含まれているのではないか。
横尾名人 最後の「案山子」っていうのがユーモアがあって、僕には出来なくて凄いなと思います。
夏井先生 二刀流としてはあり得ない場面。「大谷の球大谷が打つ」。
それを下五で「案山子」だと明かすアイデアがさすが村上さん。
これだけの活躍をしている大谷選手のため、案山子アートみたいなものが、日本中にどれだけの大谷選手が並ぶか。
そういう世相もさりげなく書いていてそこも良い。
今回は本当に順位を悩んだがなぜ2位にしたか。
実は俳句の世界で、何か先に「ゴジラ」「マンモス」などを先に出して、実は案山子だと明かす「案山子オチ」のような発想が全くないわけではない。
よくある「夢オチ」の類で、最後困ったら「夢だった」みたいな。
あれに近い案山子オチの発想がありはする。
梅沢永世名人 あ~あ。
浜田 ハハハ。
夏井先生 もう一つ言うと、案山子オチと同じくらい使われるのが「菊人形オチ」(笑)。
梅沢永世名人 はいはい。
志らく名人 …。
藤本名人 いた。
夏井先生 そういう所で、俳句の世界から見た時の、ちょっと勿体ないかなと。
ホントにケチでもつけないと順位がつけられない。
それもこれも、おっちゃんがゴミの句をちゃんと作らなかったからだと思う。
直す必要はない。
本人 いや~まあそうなんですね。昔だったら2位でも喜べたんですけど~。1位が獲れないよ~。
浜田 (階段でズッコケて)凄い喜びようだったけどね~。オンエアにはならないですけど。
本人 え~!?ここの痛みだけが残るんですか(笑)。
●解説のポイント |
二刀流としてはあり得ない場面 「案山子」というアイデアがさすが 日本中に大谷選手の案山子が並ぶ 世相もさりげなく書いていて良い 本当に順位を悩んだ 俳句の世界で「ゴジラ」などを先に出す 実は案山子だとオチにいく発想はある それと同じくらい使われるのが菊人形オチ ケチでもつけないと順位がつけられない |
添削なし
秋の生活「案山子」と大谷選手の二刀流の姿を重ね合わせて表現した17音の句またがり。本人も「季語に負ける」と仰っていた「大谷」を2度も用いる挑戦ですが、動作を目で見たように表現されています。下手に「投手」「野手」などと使わずに読み込める工夫は永世名人の実力です。前半は「投げる」と言わずに「球」、中七で「打つ」の動詞を用いて変化を生み出し、最後に案山子で着地させる起承転結にも無理がなく、案山子コンクールの発想にも可笑しみがあります。兼題描写の点でこの句を1位に推したいのが個人的な性です。上五に助詞「を」の省略があるため、一読して大谷選手の案山子が二体あることが理解できないと意味が受け入れられず、映像訴求力が少々弱い可能性も。10位の添削で用いられた「オオタニ」を用いて表記を区別すれば解消できるかもしれませんが、「案山子落ち」で優勝できなかったのは残念極まりないという他ありません。
3位◆『白秋の雲穿ぐ 右投げ左打ち』 春風亭昇吉※「穿(う)ぐ」は穴が開くこと。
【本人談】「右投げ左打ち」は大谷選手の快刀乱麻の活躍。「白秋の雲」は今の世の中の事。モヤがかかったはっきりしない空気。そこに風穴を開けるようなスカッとしたプレーを「穿ぐ」に込めた。
中田名人 いや、ホントに素晴らしいですね。
本人 ありがとうございます。
中田名人 これでも字余りなんですよね。
本人 そうなんです。
中田名人 決勝で字余りの句を提出する勇気を褒めたい。
本人 ありがとうございます。めちゃめちゃ嬉しい。
浜田 ちなみに志らくはんどう思われますか。
志らく名人 今もう人の俳句の感想を言う心境じゃない(笑)。もうあの、ノーギャラで行っていいか事務所に確認する(笑)。
藤本名人 何の落語しようかね、もう考えとかないと。
夏井先生 内容がいかにも爽快。
「穿ぐ」は「穿(うが)つ」(※掘られたり削られたりして穴が開く)という意味。
「雲を穿つ」ってどういうことかと思うと、「右投げ左打ち」と。
打った球が雲を砕くかのようだとよく伝わる。
悩んだ所は一つだけある。
本人が一番自信のある「穿ぐ」の動詞。「穿つ」は掘ったり削ったりして穴が開く。
大谷選手のホームランの「カーン」というイメージより、こつこつとヒットを打って積み重ねていくような、そういうイメージがここにあるのかと思ってしまった。
例えば、「裂く」とストレートにいうとホームランのイメージ。
あるいは「撃つ」にしても良いのではないか。
ここの所が少し勿体ないかと。
2音しかないため、2音の動詞を昇吉さん自身が探して、大谷選手に寄せることをなさって良いと思う。
浜田 でも、決勝初めてで第3位ですから。
梅沢永世名人 すごいね。
浜田 これはなかなかでしたね。
●解説のポイント |
内容がいかにも爽快 穿ぐ・穿つは掘られて穴が開く意味 「雲を穿つ」から投手へ展開 打った球が雲を砕くかのよう 悩んだ所は一つで「穿ぐ」 大谷選手のホームランのイメージではない こつこつヒットを積み重ねるように思う 「裂く」「撃つ」の方が似合う |
添削後
『白秋の雲裂く 右投げ左打ち』
『白秋の雲撃つ 右投げ左打ち』
時候「白秋」を突き抜けるかのような野球選手を表現した字余りで句またがりの一句。御大が「白秋や漢字ドリルに書く名前」と詠んでいた「白秋」は人生の深みをも表現し、そのような雲を突き抜けるかの動詞「穿ぐ」の語感に勢いがあります。「右投げ左打ち」は大谷選手の二刀流の特徴を意味するととれますが、ドラフト会議などでは投手野手問わずに紹介される表現。全体に比喩表現を用いて詩を生み出す手法で、勝負が成功したと言える一句です。かっ飛ばす意味合いを意図するとなると「右投げ」の情報が必要か、本人の意図する現代のわだかまりが「白」の一字で読み取れるかといった部分など、少々微妙と言えます。動詞を分かりやすいものに変える提案を受けましたが、季語も「白秋」でない方が良いなどバランスが重要になる可能性を感じました。
4位◆『総立ちの フェンウェイパーク 星月夜』 横尾渉(Kis-My-Ft2)※「フェンウェイパーク」はボストンレッドソックスの本拠地。かつてベーブ・ルースも活躍した現役球場でメジャーリーグ最古のスタジアム。
【本人談】104年(ぶりの二刀流記録)とか出ていたため、記録や歴史に発想を飛ばした。フェンウェイパークは一番古い球場と言われていて、歴代の人がここで記録を残している。その上でメジャーリーグとも分かる。「総立ち」でホームラン打ったり、三振を取ったりと記録が達成できたと分かるので、これに落ち着いた。
浜田 なるほどね、(北山を見て)え~…。
北山 ここは俺わい!絶対俺だよ。このタイミングは(笑)。ここは俺だよ、迷うとこでもないのよ(笑)。
浜田 北山君、どうでしょうか。
北山 はい。中七の「フェンウェイパーク」これを持ってきたのがやっぱ横尾さん凄いなっていうのを感じますし、ここがやっぱ自信の表れだったのかなっていうのはちょっと感じましたね。
浜田 なるほどね。
夏井先生 作者の言いたいことを固有名詞に語らせるタイプの句。
始まりも良く、「総立ち」でインパクトがある。
どういう人々がどこで総立ちになっているか。「総」の一字で沢山だと分かる。
中七の固有名詞で完全に映像が現れてくる。
最後の抑えの「星月夜」も沢山の人が集まる野球場の頭上全部を覆うような美しい星空。
抑えもとても綺麗だったと思う。
今横尾さんだったと分かって、五七五は良いですよ。落ち着きますでしょ。
本人 はい。
夏井先生 直しは要りません。
本人 ありがとうございます。
浜田 横尾君、第4位でございました。
●解説のポイント |
作者の意図を固有名詞に語らせるタイプの句 「総立ち」の始まりもインパクトがある どんな人がどこで総立ちか 固有名詞で完全に映像が現れる 季語も頭上全部を覆う美しい星空 抑えもとても綺麗だった 作者が分かって五七五を薦めたい |
添削なし
秋の天文「星月夜」と満員で見守る球場の様子を詠んだ定型句。ベーブ・ルース以来103年ぶりの2ケタ勝利・2ケタ本塁打を達成した大谷選手ですが、この球場でも活躍しています。まさに「総立ち」で満員である状況と何か記録を生み出した動作を表現。「星月夜」は想像で置かれた季語で、夜の時間帯とともにさらに空間を広げる効果を生みます。パックンさんが詠んだ「新宿の杜を球音夏の星」と異なる雰囲気で大変ロマンチックですが、気になるとすれば季語の斡旋。月明かりやスキー場の明かりすら邪魔になる満天の星空は、やはり地上が暗くなければなりません。「総立ち」「パーク」の熱気だと星月夜を感じるのが難しいでしょうし、真っ暗な球場で天に祈りを捧げる宗教儀式をコロセウムなどで行っているなど別の意味にとられる可能性も。天文季語に措辞がはまりやすいだけに、季語の置き方もまだ工夫できるかもしれません。
5位◆『天高し 野球ノートの 三箇条』 松岡充
【本人談】「野球ノート」は大谷翔平選手がお父さんと交わしていた野球に関する交換日記。お父さんが事あるごとに野球の三箇条をずっと書いていた。①一生懸命元気に声を出す、②一生懸命キャッチボールをする、③一生懸命走る。シンプルな三箇条を守って、人間としての基礎が今の彼を作っているという句。
浜田 犬山さんどうですか?
梅沢永世名人 いや悪い句じゃ…。
浜田 犬山さん!(笑)
藤本名人 調子悪っ!
ジュニア名人 それアリなら何でもアリですよ。
浜田 そんななぁ。
藤本名人 「犬山」と「梅沢」。
浜田 そんな笑いの取り方ある?
藤本名人 たった4文字。
浜田 犬山さん、お願いします。
犬山 五七五のリズムって綺麗なんだなって凄い伝わってくる。そして「天高し」っていう季語の選び方が大谷さんのイメージと合う、スコーンって高くまで行くようなイメージも来て凄い素敵だと思います。
本人 ありがとうございます。
浜田 "犬山"さん、どうですか?
犬山 アハハ、あれ?
梅沢永世名人 …。
横尾名人 そこは言わない。
藤本名人 言わないと(笑)。かぶせですやん。また言わないと、今んとこ。
梅沢永世名人 大きなお世話だよ。
藤本名人 「大きなお世話だよ」?
浜田 すいません、梅沢さん。どうでしょうか。
梅沢永世名人 私はそんなに悪い句じゃないなと思ってますね。ただ、タイトル戦に出すような俳句ではちょっと弱かったんじゃないかなと。全体的に…言わせていただければ。
夏井先生 これは中七下五がシンプルだが明快。良いと思う。
上五に季語を置いて後半でワンフレーズで基本の型をキッチリと使っている。ここら辺も良い。
読者は「三箇条」まで読んだ瞬間、一体何が書いてあるかをそれぞれ想像し始める力もある。
これはこれで、とても気持ちの良い句。
直しは要らない。
藤本名人 5位で直しなし。
梅沢永世名人 どうですか。私が言ったことそのままですよ。
藤本名人 え?
梅沢永世名人 悪い句じゃないんです。
浜田 はい。
梅沢永世名人 良い句なんですよ。
ジュニア名人 5位ですから。
梅沢永世名人 はい。
ジュニア名人 ねえ。
浜田 …さあ、続いて参りましょう(笑)。
ジュニア名人 調子悪いですねえ。
●解説のポイント |
中七下五がシンプルだが明快で良い 季語とワンフレーズで基本型がキッチリ 「三箇条」で何が書いてあるか想像し始める とても気持ちの良い句だった |
添削なし
秋の天文「天高し」と三箇条が書かれたノートを取り合わせた定型句。基本の型を活かした緻密な内容で松岡さんにとっては躍進の順位。以前の「山笑う赤ちゃん象に哺乳瓶」のような柔らかな光景を思わせる一句です。季語「天高し」と「野球」でフライをあげているかのような練習風景を思わせ、「野球ノート」の背後の人物を想像させ、懸命に野球に向き合う姿を印象付けます。季語は屋外で広い光景を思わせ、繊細な内容の措辞を置く大小の対比もオーソドックスで、普段なら昇格を狙える内容ですが、着地が「ノートの三箇条」という細かい内容で、上位の広い光景よりインパクトが弱い部分が惜しい点でしょうか。「天高し」の季語の広さをより活かした内容にできれば、さらに順位を上げられたかもしれません。
6位◆『秋立つや 十七画の 名を吾子に』 千原ジュニア【本人談】何となく8月頭に子どもが生まれた夫婦が名前を付けると思っている。8月10日に104年ぶりの大記録(2ケタ勝利・2ケタ本塁打)を達成し、うちの子にも羽ばたいてくれる子にもと大谷選手にあやかる。「17」は背番号で、「翔平」も17画。その17画の名を子どもに付けるという想いを詠んだ。
藤本名人 「吾子」好きやな~(笑)。
浜田 絶対言うと思ったもん。アハハ。
藤本名人 何かと言ったら「吾子」。吾子吾子吾子吾子言うてるから~。
夏井先生 きっちりと作れていると思う。
俳句だけ見た時、「十七画」へのこだわりが読み取れない。
そこがテーマ性との兼ね合いで少し損をしたかもしれない。
ただ、自分の子が生まれた時の句として読むと、とても気持ちの良い句。
「秋立つ」の季語が立って清々しい。
何らかの「17」の数字に何らかのこだわりを持つ両親が「17画」で名前を付ける。
最後、切れのない「に」の後の余韻に親の気持ちがさりげなく入る。
これはこれで、人生の一頁の一句として残しておけばよい。
直しは要らない。
浜田 直しは無しですが、ジュニアさん残念でした。
●解説のポイント |
きっちりと作れていて気持ちが良い 句では中七のこだわりが読み取れない テーマ性との兼ね合いで損をした 自分の子が生まれた時の句として読む 季語が立って清々しい 17の数字に何らかのこだわりを持つ両親 「に」の余韻に親の気持ちがさりげなく入る 人生の一頁の句として残してよい |
添削なし
立秋の頃の時候「秋立つ」と17画の名前を命名した光景を詠んだ一句。子の名において「十七画」などと画数にこだわる親は一定数いるでしょうし、生まれてくる子の名前を考える大切さを伺えます。「吾子」は4度目で、家族を思わせる句が得意のジュニアさんならではの展開です。写真にも写る背番号「17」から発想されたのは一目瞭然でしたが、画数としたことで逆に読み手が兼題に寄り添い難くなった印象に。時候「秋立つ」は大谷選手の大記録達成の時期から発想され、措辞との関係性において実感が少々得られにくい書き方でしたが、最後の「に」の余韻に子への期待感を込めた形になりました。
7位◆『ポケットにゴミ 爽涼のユニフォーム』 梅沢富美男
【本人談】皆さんもご承知だと思う。大谷選手は必ずホームベースあたりのゴミを拾い、それが賞賛されている。立派な人間だと。「どうしてそんなことをするんだ?」と聞かれて「これは運を貰っているんだ」と彼は言ったか言わないかって話を聞いた。「あ~なんと爽やかな男だ」と。まあ7位の句ですからね、皆さんそんな…ごめんなさいね、ホントに。
藤本名人 これ、写真見たら分かりますけど、大谷選手ってこと分からないですよ。
本人 分からないと思います。
浜田 えっ?
本人 さすがですよね(笑)。
村上永世名人 ふてくされちゃったよ。
浜田 スネた、スネた(笑)。
村上永世名人 今おっしゃったように大谷選手であることが分からないのと、せめて大谷選手の方に少しでもエピソードを寄せるなら、ポケットにゴミがある状態ではなくて、拾ってゴミを入れることの方が、大谷選手のエピソードには近い気はするんですけどね。
浜田 なるほど、なるほど。
本人 (お辞儀をして)どうもありがとうございました(笑)。
夏井先生 色々言ってるが、エピソードを上手く掬い取った句に思う。
そして大谷選手がまさに投げるという兼題写真に真っ向から取り組んでいるのがこの句だと思う。
この句で勿体ないのは上五「に」。
すでにそこにゴミが入っていることになる。
一番素晴らしいのは、ゴミを拾っているその瞬間を描くべき。これは村上さんの指摘通りだと思う。
どうやってそれを実現するか。それが難しいからおっちゃんは作者は苦悩した。
こう見た時に、重なっている情報がある。「ポケット」「ユニフォーム」が少し情報が重なる。
おっちゃん、それは悩んだでしょ?
本人 はい、悩みました。
夏井先生 ねえ。悩んだ末に今ここに落ち着いている。
ここをユニフォームじゃないものにするだけで、フジモンさんも言った「どんなスポーツかも分からない」という疑問も全部一発で解決できる。
これは場所を書くだけ。「マウンド」。
「マウンドのゴミ」と展開。
「爽涼のポケットへ」。最後の「へ」だけで動作が出る。
ジュニア名人 凄い凄い。
夏井先生 これやっといたら迷わずに1位にしていたと思う。
最初に言った1位をドブに捨てた句はこれです!
浜田 なるほど。さぁ、梅沢さん。どうですか。
本人 それはね、浜田さん。昨日今日俳句やった人間にこれが考えつきますか。限界なんです、私の(笑)。
浜田 いやいや昨日今日じゃない。あんた、何年やってんねん。
■出演回数ランキング■1位 | 梅沢富美男 | 175回 |
2位 | 藤本敏史 | 81回 |
2位 | 千原ジュニア | 81回 |
4位 | 村上健志 | 70回 |
5位 | 横尾渉 | 64回 |
藤本名人 一番長いでしょ。
本人 やかましいわ。7位の人間に、なんだその口の利き方は!
ジュニア名人 7位の人間やからこそですよ。
藤本名人 7位やからですよ。
本人 はいはい!どうせいなくなるから。もうこの番組からいなくなるんだ!俺は。
浜田 ありがとうございます。
本人 泣くなよ、会いたいとか言って(笑)。俺は去るんだ。
ジュニア名人 はい!はい!
浜田 さあ、こういう結果になりました。
●解説のポイント |
エピソードを上手く掬い取った 兼題に真っ向から取り組んでいる句 勿体ないのは上五「に」 すでにゴミが入っている意味になる ゴミを拾っている瞬間を描くべき 「ポケット・ユニフォーム」は情報が重複 スポーツと分かるように場所を入れる 最後の「へ」だけで動作が出る 添削後なら迷わず1位にした 1位をドブに捨てた句 |
添削後
『マウンドのゴミ 爽涼のポケットへ』
秋の時候「爽涼」と大谷選手のゴミ拾いのエピソードを取り合わせた句またがりの一句。マンダラチャートと呼ばれる81マスの目標を書かれたシートを幼少期に書いていたことが話題となった大谷選手。その一つに書かれた「ゴミ拾い」を一塁に向かう最中に実践して称賛されたエピソードは兼題から周知の事実でしょう。読んだ瞬間に背景は分かりますし、「爽涼のユニフォーム」も詩的な要素が詰まった表現です。上五「に」もさることながら、「ゴミ」で切れをもって「爽涼」と繋がる語順では、「ゴミがある」と散文的要素を吐き出す野暮な展開でしょうか。また、兼題からの類想の点で、問題点を即座に指摘した村上名人も恐らく考えていた句材のはずです。その意味で外したくなかった梅沢御大でしたが、上位とはならず。50句完成が近づきましたが、例の永世名人がいないせいか最近元気に振る舞わないだけに、句集完成後の処遇に注目です。
8位◆『四番打者 四球を選ぶ 子規忌かな』 森口瑤子※季語「子規忌」は明治を代表する俳人・正岡子規の命日。
【本人談】実は知らなかったが、正岡子規が「打者」「四球」「飛球」という単語を作ったのを知った。絶対に「子規忌」で句を作りたいと思ってひねり出した俳句。
藤本名人 これ、野球知らない人でも野球の俳句だと分かりますし、ただ「四番打者四球だってば」みたいな感じの方がほしかったですね(笑)。どっか「だってば」は。
浜田 彼女らしいやつをね。アハハ。
藤本名人 僕大好きなので、どこかに「だってば」は、入れてほしかったなというのはありますね。
梅沢永世名人 これね、正岡子規の先生のことを見つけてきたのはとても素晴らしいと思う。唯一ダメなのは「かな」。これはね、「かな」を使うとダメなのよ。「かな」を使って成功したのは一人しかいないんじゃない、今までに。
藤本名人 誰ですか?
梅沢永世名人 え、こういうこと言わなきゃダメなんだよ。
ジュニア名人 誰ですか?一人。
浜田 「かな」で成功したのは誰ですか?
梅沢永世名人 えっと、ちょっと急に言われても(笑)。
ジュニア名人 自分から振って。
梅沢永世名人 私もダメだったから。
浜田 なるほどね。
夏井先生 こういうネタが出てくるのは私としては嬉しい。
大谷選手から元々のルーツを辿る発想はとても良い。
この句の工夫は「四番」「四球」「子規」と韻律や目で見た時の面白さ。
そういうのを丁寧に工夫したとこは良い。
ただ、全体を読んだ時に臨場感が薄いのが勿体ない。
四球を選ぶ瞬間に今日は子規忌だったと。
「かな」と詠嘆したい気持ちも分かるが、この句の場合は「かな」は効いてない。
ここからどう臨場感を乗っけるか。色んな方法があると思う。
「打者」でも良いが、「バッター」を頭にして「四番」で一度カットを切る。
「子規忌の四球選(よ)る」。こういう風に持ってくる。
「バッターは四番」で一回切れ、今四球を選び終わったという場面になる。
ここの場面を真ん中に置いて「子規忌かな」とこっちで詠ちゃん、詠嘆したので…(→顔を自分でビンタする)。
浜田 (先生を指さし)調子悪ない?(笑)
ジュニア名人 詠ちゃんはヤバいですね。
藤本名人 「詠嘆」「詠ちゃん」。梅沢さんにちょっと煽られてねえ、調子悪い。
夏井先生 いやもう、私。おっちゃんの気持ちが凄くよく分かります。
今日はおっちゃんと慰めの酒を飲みたいぐらい凄く良く分かります。
藤本名人 いやでも可愛いですね。
夏井先生 はい、そういうことです。
本人 臨場感ね…、言葉遊びに気持ちが行き過ぎて臨場感大切にしたいと思います。
●解説のポイント |
こういうネタが出てくるのは嬉しい 大谷選手からルーツを辿る発想は◎ 「四番・四球・子規」で韻律の面白さがある 臨場感が薄いのが勿体ない 「かな」の詠嘆が効いてない 「バッター」を頭にして「四番」で切る こっちで詠ちゃんした(調子悪い先生) 今日はおっちゃんと慰めの酒を飲みたい |
添削後
『バッターは四番 子規忌の四球選(よ)る』
俳句生活でも9月の兼題として出題された秋の忌日「子規忌」は歌人・正岡子規の没日9月19日を指します。それと四番打者と四球という語呂を取り入れている定型句です。兼題を思いにくい点や理論的に構築されて実感が湧きにくい点があり、子規と野球がつきすぎの点でも挑戦的な発想の一句。幼名「升(のぼる)」から「の・ぼーる」、「野球」とついたエピソードは有名で、「四番」「四球」「子規」の語呂も考えられており、試合で敬遠されやすいエースの光景を思います。最後の「かな」の詠嘆の是非は初心者には難しいですが、措辞が野手の光景として具体的かつ日常的なよくある光景だけに「子規忌」とつきすぎの季語を置く必然性には疑問があります。兼題にもたれすぎて失敗した印象でしたが、発想の点では悪くありませんでした。
9位◆『巌流無念 しおれた菊人形』 立川志らく※「巌流」は巌流島が思い浮かびやすいが、元々は宮本武蔵と戦って敗れた佐々木小次郎が剣豪として名乗っていた流派名。
梅沢永世名人 やると思ったわな(笑)。
【本人談】二刀流だから巌流島の戦い。菊人形展に行ったことがあるが、(佐々木)小次郎の菊人形がしおれていた。(宮本武蔵との)戦いにも敗れ、菊もしおれてさぞかし無念だろうなと。ただ、佐々木小次郎より今の(9位の)私の方が無念(笑)。
昇吉 そうですね。「無念」と「しおれた」ってのが付き過ぎているのと、あと巌流島の戦いって4月頃なんですよね。季節の感じもちょっとずれているというか。
皆藤名人 凄い。
本人 一言も返せません(笑)。
夏井先生 後半「しおれた菊人形」は表現として光景はちゃんと見えてくる。
昇吉さんも指摘したように「無念」「しおれた」のここの気分が近すぎるのが、大きな勿体ない所。
全体で合わせて17音にする意図になっているが、上五を5音でしっかり立てるだけでも破調の感じをだいぶ薄められる。
「巌流」が小次郎の名前。上五に「の」を入れて「巌流の」とする。
確かに1音余るが下五「菊人形」に「ん」や「ぎょ」の音があるため、破調があまり気にならない字余りになる。
さらに、もう一つ。
上五「巌流」は「巌流島」だと思う日本国民の方が多い。
むしろ「小次郎」と書けば、理解する人の量が多いかもしれない。
でも「無念」「しおれた」はまさに今のあなただと思う(笑)。
本人 先生のおっしゃる通りです。昇吉君、あの…ギャラに関してはちょっと相談させて(笑)。
藤本名人 ノーギャラでしょ?
本人 ノーギャラですけど、車代だけ出して(笑)。
●解説のポイント |
後半は光景は見えてくる表現 「無念」「しおれ」の気分が近すぎる 上五を5音にすれば破調の感じが薄まる 上五に「の」を入れる 上五は「巌流島」と思う読み手の方が多い 「小次郎」と書けば理解する人が多い 「無念」「しおれた」はまさに今のあなた |
添削後
『小次郎の 無念しおれた 菊人形』
秋の生活「菊人形」と佐々木小次郎の心境を交えた破調の一句。季語は菊の花を衣裳にして作った人形を指し、芝居の当たり狂言の場面などを作って見世物にするもの。今日でも各地で菊人形展が行われます。二刀流として文字通り刀を二本持って戦ったのが佐々木小次郎で、昇吉さんとの会話を見るに落語家として定石の句材になるのでしょう。宮本武蔵と佐々木小次郎の決闘で知られる巌流島ですが、「巌流」は小次郎が興した流派と分からないと少々理解しにくい一句。問題点は昇吉さんが述べた通りでしたが、少々兼題から離れすぎているのも勿体なく、落語家寄りの発想が痛手に。ノーギャラ発言に関しても懐の広さを見せてほしいものです。
10位◆『打ちまくる大谷 生姜擦る私』 皆藤愛子
【本人談】ニュースで大谷選手が打ちまくる活躍を観て、私は自分の目の前の出来ることを頑張ろうと料理をしている。
ジュニア名人 ええけどな~。
梅沢永世名人 これね。非常に取り合わせは良いんですよ。良いんですけど、大谷選手は四打席もあるんですよ。で、ピッチャーもやってるんですよ。そうすると、(試合中)ずっと生姜擦ってるってことになりますよね。
本人 なるほど。
藤本名人 いやいや、そう?
ジュニア名人 そうかな?
村上永世名人 僕もそんなに悪くないなと思うんですけど、やはり「大谷」翔平選手という固有名詞と「生姜」という季語を並べた時に「生姜」がやっぱり「大谷」という固有名詞と並ぶかという…。固有名詞使う時の鉄則で、季語が負けちゃいけないというのがあるんですけど。そこを言うかもしんないですね、先生は。
夏井先生 あの大谷選手の写真から、生姜を擦る日常をスッと持ってくるという、この生活感への発想はとても良いと思う。
この句の惜しい所はさっき永世名人の2人が指摘した所。
1つは「大谷」選手に対し、季語「生姜」が支え切れるかというバランスの問題が1つ。
でも、これが作者の意図なら、季語を変えろとはとても言いにくい。
それはそれで1つのチャレンジだと思う。
もう1つはおっちゃんの指摘で、前半は操作できる。
「打ちまくる大谷」が、シーズン全体か今日の一試合かがこの言い方だと曖昧。
この句を最初に読んだ時、添削は簡単に考えていた。
「私」を消して「生姜擦る今日も大谷打ちまくる」。
そのくらいの言い方で良いと思い、「私」が邪魔だと思った。
でも、今の話だと「私」がいるんだね。
本人 そうですね、はい。出来たら。
夏井先生 だよね。
「今日も」からいく。ここは大事。
「今日も」でずっと打っている感じ。
「打ちまくる」は遠慮して「打つ」。
後半は語順が逆。「私は生姜擦る」。
梅沢永世名人 あ~いい!
夏井先生 これ一行で書いた時、「大谷」の後に「私」がくるため、人名を片仮名で「オオタニ」とすると、メジャーリーグの空気は少し出ると思う。
こうするとあなたの順位はすっと上がる。
本人 ありがとうございます。いや~やっぱり凄いですね~。ありがとうございます。
浜田 今回はちょっと最下位になってしまいました。
本人 はい。
●解説のポイント |
大谷選手の写真から生姜擦る日常に 生活感への発想はとても良い 固有名詞を季語が支え切れない シーズン全体か今日の一試合かが曖昧 添削は最初簡単に考えていた 「生姜擦る今日も大谷打ちまくる」 今の話だと「私」が必要に思う 「今日も」でずっと打っている感じ 一行で書くため人名を片仮名に メジャーリーグの空気を少し出す こうすると順位がすっと上がる |
添削後
『今日も打つオオタニ 私は生姜擦る』
秋の植物「生姜」と大谷選手の活躍を取り合わせた句またがりの一句。スター選手の活躍と日常の実感を対句表現の形で並べた大変素直な句です。「打ちまくる」と印象づくため、第一打席や投球の場面とは考えられず、野手として試合の後半の場面を切り取った短い時間を想像させます(その点で御大の指摘はナンセンスです)。一方で、「私」という存在はただ生姜を擦って料理をするという夢と現実の対比もさりげなく表現されていて、句会では選ばれそうな印象。固有名詞と身近な植物との取り合わせのためバランスは大変難しく、時間経過が見えにくい点も指摘されましたが、具体的な季語に向き合う皆藤さんらしい一句として批判できないようにも思います。
秋の3時間スペシャル。パラパラ消しゴムはんこ、水彩画コンクール、そして俳句は金秋戦の決勝。お題は「大谷翔平」でした。梅沢名人が水野プロデューサーとツイッターでやり取りをしていたこのお題、御大は季語が負けてしまう難しい兼題だとツイートしており、そのことを名人らが分かっているからこそ出題されたお題だと先生をフォローするツイートをしていた水野プロデューサー。季節感が全くないものの、季語以上の大きな存在感を放つ固有名詞で過去最難関のお題と発表されていましたが、何を発想してどのように表現するか、総合力が問われました。
全員が秋の季語で「秋爽」「白秋」「秋立つ」「爽涼」と時候が目立つ展開。「星月夜」「天高し」と天文季語が2名、「案山子」「菊人形」と生活季語が2名、「生姜」の植物が1名、「子規忌」の忌日季語が1名と割れる展開ですが、兼題から考えると時候・天文がやはり有利。しかし、発想の点からそれ以外の季語への着目も俳句では大変重要で、その挑戦は褒めなければなりません。兼題の発想の方向性を考えると、優勝した藤本名人が投球の場面、村上名人は二刀流の案山子、昇吉さんがホームラン、横尾名人が記録達成の球場、松岡さんがルーティンの日記、ジュニア名人が背番号の発想、御大がゴミ拾いの称賛とここまでが大谷選手自体と関連が深い発想。8位以下、森口名人が打者と子規、志らく名人が二刀流の武士、皆藤名人が大谷選手と自分との対比という十人十色の様相です。
1位から最下位までそれぞれの持ち味が発揮された群雄割拠の大会になりつつあるほどレベルが上がっているタイトル戦。今回は、「ヒザ神」で知られる村上名人がランキングシートでコケそうになったことはYahoo!ニュースでも取り上げられ、心配の声が上がりました。また、御大の卒業発言は句集完成が間近になっていることもあり、そろそろ次のステージを示唆しないと番組的にも厳しい状況ではあります。最近は一般の俳句大会のレベル自体も相当上がっていることを感じますし、番組的にも成熟しているため、いかに初心者を惹きつけられるかという点でハードルが上がっているようにも思います。お題の出し方を変えてみたり、名人以上に特別なミッションを出し(例:切れ字を用いる、定型で詠まない)たりなど、教養番組の性質とバラエティー番組の性質と両立させる形を深めていって頂ければと切に願う所です。
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