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20221006 プレバト!!俳句紹介【店のオープン】

2022年10月6日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※14日に全て更新済みです。大変お待たせ致しました。

挑戦者→森迫永依[初],篠原ゆき子[2],三浦獠太[初],嶋佐和也[4],横尾渉[64],村上健志[75],梅沢富美男[174] ※数字は挑戦回数

●お題:店のオープン
店のオープン

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位72点森迫永依
いちじくを運ぶ掛け声朝の鐘いちじくをはこぶかけごえあさのかね
2才能アリ2位70点篠原ゆき子
星月夜五畳酒場の笑い声ほしづきよごじょうさかばのわらいごえ
3凡人3位50点三浦獠太
赤とんぼ街にひびくはキキの声あかとんぼまちにひびくはききのこえ
4才能ナシ4位38点嶋佐和也
(ニューヨーク)
秋茄子の美味い酒場がコンビニにあきなすのうまいさかばがこんびにに
5名人10段★2へ1つ前進横尾渉
(Kis-My-Ft2)
ズル休みさやか駅前純喫茶ずるやすみさやかえきまえじゅんきっさ
6永世名人25句目に掲載決定村上健志
(フルーツポンチ)
ピザ窯の奥に小さき火朝寒しぴざがまのおくにちさきひあささむし
7永世名人47句目に掲載決定梅沢富美男
口開けの客は西瓜と連れ立ちてくちあけのきゃくはすいかとつれだちて
順位発表順:2位→3位→最下位→1位
→編集後記

🔷挑戦者語録

篠原ゆき子△1※ドラマ「相棒 season19」からレギュラー出演する女優。前回は凡人2位。梅沢MC時に出演し、スタジオ廻しに「
『プレバト!!』怖い」と発言した。
「梅沢さんが司会をされていて、すごく殺伐とした…(笑)」
梅沢永世名人「それはね、コイツが悪いんです(笑)」
村上永世名人「違いますって。上手くできなかった進行を全部こっちのせいにするんですよ。」
三浦獠太初挑戦※サッカー界のレジェンド・カズこと三浦知良の息子。「グランメゾン東京」での熱演が話題の俳優。
浜田「俺、約束してるのよ。君の親父と」
「え、何をですか?」
浜田「球来て(蹴って)空振りしたら引退するって」
「あ~。今年開幕で空振りしそうになったことあります(笑)」
浜田「マジか。あはは。」
「ギリギリ当たってました。」
浜田「俳句ですけども、どうでしょうか」
「母親(=三浦りさ子)に、『ホント恥かかせないで』って言われたので、凄い勉強してきたんで才能アリ行きたいと思ってます」
森迫永依初挑戦※2006年実写版「ちびまる子ちゃん」でまる子を演じ注目を集めた女優。ちなみにアニメに登場する友蔵の心の俳句を良く詠まれているため、ここで才能ナシだと「ちびまる子ちゃん」にも泥を塗ると紹介。
<<友蔵心の俳句>>
孫の手を孫にわたされ背中かく」「友蔵の予定はいつも老人会」「ひからびたジジイによく似た干物かな
浜田「そんなん関係ない、そんなん関係ないけど(笑)」
村上永世名人「あれね、ちょっと『孫の手』と来たら『背中かく』って言わなくても分かるので(笑)」
浜田「どんなダメ出しや」
屋敷「ちょっと待ってください。『プレバト!!』の時の村上さんって、こんな鼻につくんですか(笑)」
浜田「人格が変わるみたいなんです」
嶋佐和也○1×2※前回は才能アリを獲得。
「もうそれまで鬼のような顔で罵詈雑言ばかりの先生が(笑)、前回ホントに本当のおばあちゃんくらい優しい顔で褒めてくれたんですよ」
★ランキングシートの分布は才能アリ2名、凡人1名、才能ナシ1名

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ72点 森迫永依
いちじくを 運ぶ掛け声 朝の鐘

梅沢永世名人 うん。

【本人談】
数年前にモロッコに旅行した。朝、日の出を見ようと思い、大きな通りに出た時、小さな子がいちじくの載った大きな荷台を押していた。掛け声をかけながら。その掛け声をかけながら押している感じに凄く元気を貰えて。「1日頑張ろう」と明るい気持ちになれた記憶があったので、その部分を詠んだ。

村上永世名人 まず、ありがとね(笑)。
本人 え?
浜田 何?何?
村上永世名人 この素晴らしい景色を僕にも見させてくれてありがとう(笑)。
本人 (首をかしげて)ありがとうございます。
梅沢永世名人 素晴らしいと思いますよ、俳句の申し子かもしれない。
嶋佐 無茶苦茶上手いっすよ。
梅沢永世名人 初めて書いたんでしょ。
本人 はい。
梅沢永世名人 ねっ、大したもんだと思いますよ。
本人 ありがとうございます。

夏井先生 
詠んだとたんに、無花果を栽培している畑を思い浮かべた。
「いちじく」というもの。
最初は1個かなと思うと、「運ぶ」で沢山だなと。
「掛け声」で1人ではなく、沢山の人で運んでいるのだと。
この段階で、収穫の喜びが溢れてくる。
兼題写真の「オープン」との関連。
この「いちじく」は、今から"開く"市場に持っていくに違いないと。
テーマとしっかり繋げている。これは感心した。
直しは要らないし、この人は絶対に伸びる。

楽しみな人を見つけたなと思う。

●解説のポイント
無花果を栽培している畑を思う
「運ぶ」で沢山「掛け声」で複数人を思う
収穫の喜びが溢れてくる
今から「開く」市場に持っていくに違いない
兼題「オープン」とも繋げている
これは感心した
この人は絶対に伸びる
楽しみな人を見つけた

添削なし



◆2位 才能アリ70点 篠原ゆき子
星月夜 五畳酒場の 笑い声

【本人談】
新宿ゴールデン街という飲み屋街がある。通りかかると小さい店から笑い声が聞こえ、その笑い声に人間の温かみとかがあり「いいな」と思って俳句にした。

梅沢永世名人 これは良い俳句ですよね。「星月夜」という非常に地味ですけどね、季語としては。ですから「笑い声」というのがちょっと邪魔になったのではと。これはもし違う言葉を入れたら1位だったかもしれない。
浜田 違う言葉ってのはどういう感じ?
梅沢永世名人 いや、急に言われても(笑)

夏井先生 
この句は中七が良い。
具体的でただの酒場ではなく「五畳」くらい。
そこに集う人がどんな人達かと想像も広がっていく。良かった。
これはさすが、おっちゃんの言う通り。
「笑い声」は本当に勿体なかったと思う。
なぜ勿体ないかというのは分かりますか、おっちゃん?
梅沢永世名人 えへ、急に言われても(笑)。
夏井先生 季語を主役に立てるという意味で、ここが惜しい。
こっちのトーンを少しだけ落とせば、季語「星月夜」の比重が高くなる。
例えば、五畳酒場の笑い声・語る声が微かに聞こえてくる感じ。
「五畳酒場の」の後、「さざめきに」でどうか。
さざめきは遠くから聞こえてきて、ひょっとしたらこの人は店を出て星月夜を見上げてるかもしれない。
このバランスが分かると才能アリに定着できようになる。

本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
この句は中七が上手い
中七が具体的で「五畳」の広さがある
そこに集う人がどんな人か想像が広がる
これはさすがおっちゃんの言う通り
「笑い声」は本当に勿体ない
季語を主役に立てる意味で惜しい
措辞のトーンを落として季語の比重を上げる
微かに声が聞こえてくる感じ
「さざめきに」でどうか
さざめきが遠くから聞こえる
店を出て星月夜を見上げてるかもしれない
バランスが分かると才能アリに定着できる

添削後
星月夜 五畳酒場の 



◆3位 凡人50点 三浦獠太
赤とんぼ 街にひびくは キキの声

村上永世名人 うんうん。

【本人談】
この写真を見てジブリっぽいと思った。「魔女の宅急便」。季語に「赤とんぼ」があり、「魔女の宅急便」でトンボという少年が出てくる。トンボ目線で店番しているキキの声が響き渡っているみたいな。

村上永世名人 「街にひびくはキキの声」だと「ひびく」は要らないな。

夏井先生 
物語とか、映画とか、小説もそうだが、それを元に句を作るのはダメなわけではない。
そういう作り方もある。
ただ、新たにその世界の中で自分自身が出会った・見つけたと、そういうことを詠まないと創造性が欠けてしまう。
創造性を添削で補うのは絶対にできないため、「赤とんぼ」を主役に立てるアドバイスをしたい。
ひとまず「キキの声」から始める。
本当は「ひびく」は消したいが、もういいよ!(笑)
「ひびける街の」として最後に季語「赤とんぼ」の光景を残す。

本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
物語・映画・小説を元に句を作るのは悪くない
新たな世界の中で自身の出会い・発見を詠む
そうでないと創造性が欠けてしまう
創造性を添削で補うのは絶対にできない
赤蜻蛉を主役に立てるアドバイスを
「キキの声」から始める
「声」とあれば「ひびく」は消したいが使う
「ひびける街の」として最後に季語の光景を残す

添削後
キキの声 ひび街の 赤とんぼ



◆4位 才能ナシ38点 嶋佐和也(ニューヨーク)
秋茄子の 美味い酒場が コンビニに

【本人談】
よく行ってた馴染みのある酒場がなくなってコンビニ(エンスストア)になってしまい、もの悲しさを感じる。「店のオープン」というハッピーなお題をあえてもの悲しい句に。何回も読んでみてください。泣きそうになるでしょ(笑)。

梅沢永世名人 この季語の「秋茄子」。これ茄子でなくたって、なんだっていいんだよ。これが季語が動く(※他の季語でも成立すること)という俳句なの。これ鮭でもなんでもいいの。
本人 でも秋茄子が美味い酒場なんで。
梅沢永世名人 黙って聞け!コンチキショ―(笑)。

夏井先生 
名人の言う「季語が動く」指摘も確かにあると思う。
もっと気になったのは、ここには「秋茄子」もなく、「酒場」もなく、現場には「コンビニ」しかない。
あなたの言う意味に受け止めると。
この季語をどう味わったら良いかでキョトンとする。
それならば、秋茄子が目の前にあるという内容にしたい。
「の」より「」の方が良い。
「秋茄子は美味」で一回切れる。
秋茄子が美味いと作者は食べている。
そういえば、あの酒場はコンビニになってしまったなあと。
「酒場コンビニに」。
こうすると、秋茄子を食べる度にあの酒場を思い出している。
それが分かれば才能アリにちゃんと定着出来る。
あなたの努力する姿は私は凄く好き。

本人 なんか…今日めっちゃ優しいです(笑)。泣きそうになりました。

●解説のポイント
梅沢名人の「季語が動く」指摘も確かにある
現場には「コンビニ」しかない
季語をどう味わったら良いかでキョトンとする
秋茄子が目の前にあるという内容にしたい
「秋茄子は美味し」で一回切る
秋茄子が美味いと作者は食べている
「酒場はコンビニに」店が変わってしまった
秋茄子を食べる度に酒場を思い出している
それが分かれば才能アリに定着出来る
あなたの努力する姿は私は凄く好き

添削後
秋茄子美味 酒場コンビニに



★永世名人への道★
◆『ズル休みさやか 駅前純喫茶 横尾渉(Kis-My-Ft2)

【本人談】
今回の収録ではない時の俳句を作り、完成してマネージャーさんに送ったと同時に今回のお題が送られてきた。これは今作っちゃいけないな、休もうと思った時に純喫茶があったので、そこに休もうと。「ズル休み」「純喫茶」で面白くなるなと。

梅沢永世名人 この「純喫茶」っていうことを使ってくれたのがたまらなく嬉しいね。お酒とかを一切扱わない、それが純喫茶なんです。
嶋佐 あ、なるほど。
梅沢永世名人 素晴らしい俳句です。

★評価ポイント
傍題「さやか」の位置の是非

梅沢永世名人 あら、そこだったの?(笑)。

■査定結果
名人10段★2へ1つ前進

理由:(季語「さやか」の位置が◎)

本人 やった~!危ねえ。
梅沢永世名人 素晴らしい。   

夏井先生 
まず「さやか」は、秋の季語「さわやか」の傍題。
秋の澄んだ気持ち良いさっぱりとした空気。
さらに、それを心情として表現する際にも使う季語。

この置き場所の問題が凄く大きな評価の分かれ目を作る。
「ズル休み」より前に「さやか」「さわやか」だと"ズル休みがさわやか"という意味に限定される。
下五に「さやか」なら"純喫茶がさわやか"と意味を限定してしまう。
本人は、ズル休みしている時間と空間が自分にとって居心地が良い「さわやか」なという意図。
この位置に置くことで、季語の効果を上にも下にも上手に及ぼし、自分の言いたいニュアンスを作る。
読者は共感をする。直しは要らない。

本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
秋の季語「さわやか」の傍題
秋の澄んだ気持ち良いさっぱりした空気
それを心情として表現する際にも使う季語
置き場所が評価の分かれ目を作る
「さやか」が最初だと"ズル休みがさわやか"と限定する
最後なら"純喫茶がさわやか"と意味を限定する
ズル休みしている時間・空間の居心地が良い意図
この位置で季語の効果を上にも下にも及ぼした
自分の言いたいニュアンスを作る
読者は共感をする

添削なし



★永世名人 村上のお手本★
◆『ピザ窯の 奥に小さき火 朝寒し 村上健志(フルーツポンチ)

【本人談】
ピザ屋さんのお店の準備で、まずピザ窯に火をつける。まだ小さい火の状態の時に、この秋の「朝寒し」という季語が、なんか良い季語だと思って(笑)。これ「寒き朝」だったら冬になる。

嶋佐 なんか…俺の句とあんま差がないっすね。
本人 差あるだろ!(笑)めちゃくちゃ。
嶋佐 そのまま状況詠んでるだけみたいな。
本人 むちゃくちゃあるだろ。


■査定結果
永世名人25句目に掲載決定

理由:季語で場面が展開している!

本人 よ~し!
梅沢永世名人 だろうね。
村上永世名人 これはそうでしょ!

夏井先生 
上手いと思うのは「奥に」とちゃんと書いてある点。
それが「小さき火」だと描写したところ。そこが良いと思った。
ピザ窯の奥にある小さな火は、前の日の熾火(おきび)(※薪や炭の炎が収まり芯の部分が赤い状態)のように灰を被ったものがあったと思った。
そういう熾火があって、朝の空気によってパッと火が戻っていく。
そこに新しい薪がドンドン入れられて用意が整っていく
光景だと読んだ。
季語の冷たさや窯に残るほんのりとした熱、「小さき火」と思った時に、季語が鮮やかに立ち上がってくる。
そういう句として評価をした。
季語を信じてくれてありがとうと思う。

●解説のポイント
上手いのは「奥に」としっかり書いた点
「小さき火」と描写したのが良い
ピザ窯の奥にある小さな火
前日の熾火(おきび)のように灰を被ったものか
朝の空気によってパッと火が戻る
新しい薪が入れられて用意が整う
季語の冷たさや窯に残るほんのりとした熱
「小さき火」で季語も鮮やかに立ち上がる
季語を信じてくれてありがとう

添削なし



★永世名人 富美男のお手本★

→<永世名人>梅沢富美男は句集掲載46句。
浜田 うわ~もう、いよいよ(残り)4句ですよ。
梅沢永世名人 皆さんとはお別れですよ(笑)。あと4句ですよ。来月くらいで終わってしまうんじゃないですか。
浜田 ありがとうございます(笑)。
梅沢永世名人 いや。
横尾名人 (お辞儀して)ありがとうございます。お疲れ様でした。
村上永世名人 ご苦労様でした。
浜田 (横尾名人を指さし)アイツが一番悪いですよ。「お疲れ様でした」って(笑)。
横尾名人 (横尾名人に)勘弁してくださいよ、ホントに(笑)。

◆『口開けの 客は西瓜と 連れ立ちて 梅沢富美男
※「口開け」は物事の始まりという意味。その日初めてのお客さんを「口開けの客」という。

【本人談】
ずーっとひいきにしている店があった。とっても人気の店で、皆さん行く時に必ず何かお菓子を持ってたっり、西瓜を持ってったり。そのお店の女将さんはお客さんから貰った西瓜を切って、お客様に食べて貰う。いや~人情だなという俳句を詠まして頂いた。

横尾名人 17音の中で、お店側とお客さんの関係を分からせてくれるのはさすがだと思います。
村上永世名人 これ西瓜を「抱きかかえ」「ぶら下げて」ではなく、「連れ立ちて」という擬人化をしてるんですね。そこの是非なんじゃないっすか。
本人 「是非」?上手く使ってるって何で言えねぇんだ(笑)。えっ!?
村上永世名人 誰も悪いだなんて言ってなくて、擬人化を使われると言われること多いですよね。
本人 たかだか(残り)25句や26句の奴が偉そうな口聞くんじゃないよ!
浜田 終わったら教えて(笑)。
村上永世名人 終わってるんですよ。
浜田 あはは。


■査定結果
永世名人47句目に掲載決定

理由:粋な擬人化!

横尾名人 すごい。
村上永世名人 すごい。
浜田 今日は三人ともすごいなあ。

夏井先生 
本当に褒めたいのは「は」という助詞。
お客は沢山いるが"今日の口開けの客は"のように、指差すような強調のニュアンス。
そこに、お店側の喜びも見えてくる
問題の「連れ立ちて」が評価の分かれ目。
「連れ立つ」は一緒に行く・伴っていくという意味がある。
ここを上手いこと「連れ立つ」という複合動詞を持ってきたと思う。
これによって、まるで一緒に同伴してきた人物かのような堂々とした西瓜に違いないと。
そういう西瓜の様子も見えてくる。
最後、切れのない形のため、最後の空白の部分で店の賑わいとか、西瓜を冷やして他の客との一緒にいるような会話も私の耳にちゃんと聞こえてきた。
本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
本当に褒めたいのは助詞「は」
客は沢山いるが"今日の口開けの客は"
指差すような強調のニュアンス
お店側の喜びも見えてくる
「連れ立ちて」が評価の分かれ目
上手い複合動詞を持ってきた
まるで人物かのような堂々とした西瓜
西瓜の様子も見えてくる
切れのない形の空白で店の賑わい
西瓜を冷やして他の客との会話も聞こえてくる

添削なし



清水アナ 梅沢永世名人は句集完成まであと3句となりました。
梅沢永世名人 3句です。浜田さん、あと3句ですよ。
浜田 ありがとうございます(笑)。
梅沢永世名人 いや「ありがとうございます」…。

■ここで、9月に死去した三遊亭円楽さんの俳句を振り返るコーナーがありました。


★次回は秋の3時間スペシャル。俳句金秋戦・決勝のお題は「大谷翔平」です。



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コメント

今回は

1位、森迫さん

実体験はやはり強いですね。

語られてませんでしたが、季語が「いちじく」とひらがな表記だったのが効果的だったなと思います。

残りのフレーズが漢字が多く、画数も多いので、ひらがな表記をすることで、字面だけ見ても真っ先に目がいきます。

さらに漢字だと「無花果」と「無」の文字が入るのが、何となくではありますが負の要素がどうしても感じてしまうので、夏井先生が仰っていた収穫の喜びを表現するのには向いてないということもあり、ひらがな表記が正解だったなと。

また「いちじく」という果物は聖書にも登場するほどの歴史の古い果物でもありますから、「朝の鐘」も外国の光景だと想像できるかなと思います。


2位、篠原さん

上五、中七までは文句なく才能アリですね。ただ「五畳酒場」という単語には笑い声や賑やかさの要素が含まれているので、下五であえて書く必要はなかったかなと。


3位、三浦さん

季語が物語の登場人物の比喩として用いられてるのが「?」でした。映画では赤トンボが飛ぶ映像はなかったはずですので。

つまり、季語が「赤トンボ」である必要はないから、別のものにしてもいいという点。「キキ」だけでは「魔女の宅急便」の世界と分かるのは難しいこと。

こちらが減点要素かなと思います。

さやかなるグーチョキパン店キキの声
秋空や「ニシンとカボチャのパイ」香る
秋空やキキはホウキで配達す

など映画の要素がほしいかなと

最下位、嶋佐さん
「●●が××になった」というのはありがちなのかなと思います。馬場典子さんが特待生に昇格を決めた句もそんな感じでしたね。

あと字面だけみたときに、コンビニと大手の居酒屋チェーンが提携を結んで、商品として置いてあるようにも感じられました。

正直17音に納めるには厳しいので、「コンビニ」を諦めて、過去形の情報を入れたほうが良いかなと

秋茄子が名物だったあの酒場

横尾名人

助詞も動詞もない単語を並べた句であり、かなりかたい印象でした。

正直前進には疑問でしたね。

そもそも「ずる休み」と季語「さやか」の組み合わせで考えると間違いなく明るい時間帯であるはずです。
そうなるとあえて「純喫茶」と書く必要も感じられなくなります。酒類を提供する店であっても昼は普通の喫茶店であるのですから。

助詞をいれて、語順を変えても成立するのではと思います。

駅前の喫茶さやかなずる休み

村上名人

読まれただけで明確に映像化されました。
寒暖の触覚情報
明暗の視角情報
季語によって対比が生まれてるのが見事でした。

あえて多くを語る必要はないほど良い句でした。

梅沢名人

仮に村上名人の仰るように「ぶら下げて」などの擬人化しない状態で書くならば、

買い物やお使いの途中とも解釈できます。

ここはやはり擬人化が正解でしたね。


円楽名人の追悼映像でしたが、

内容そのものはとても良かったのですが、

トーストアート査定の制作過程がかなり削られてるのがちょっと残念でした。

それだけに参加されてる出演者のことも考えると

少し時間を置いてからでもよかったのでは?と思います。

最後に拙句を詠ませていただきます。

秋夕焼バーテンダーのラフなシャツ

名人の句

横尾名人
「さやか」が上にも下にもかかっていき、句に奥行きを与えました。
これ、なかなか難しいテクニックで、下手な使い方をすれば、修飾先が曖昧になって句の味わいが悪くなりかねない手法です。

村上永世名人
火を起こすのが大変だった時代は、炭などに灰をかぶせて燃焼物が酸素と触れる箇所を狭くし、種火を残していたそう。句のピザ窯でも、おなじことをしていて、いま灰よけて、小さく火が立ち上がりだした。まだ火は小さいので、窯の周りはまだ「朝寒し」。
ピザ屋さんの一日の始まりが活写された句ですね。

御大
口開けという単語は、1商売においてその日初めの客とも取れるし、2女郎が初めの客を迎えるという意味もあるらしく、1なら八百屋さんの初めの客が西瓜を買っていった、2なら客が西瓜を差し入れ、貢ぎ物として持ってきたと取れますね。詠み手が御大だけに2かと。
で、西瓜。これが「連れ立って」という擬人化相応の立派ななものだったという塩梅で、季語を強化し、措辞に出てくる客が立派な西瓜を携えてる姿であり、売ったか貰ったかした側の気持ちも想像させられます。
句集完成まであと3句。今年中の句集完成も十分狙える所まで来たかと思います。

やはり名人の句がキマると番組がしまって見えました。

平場の句を順位順に

2位の句
寡聞にして無知なので五畳酒場という単語が既存のことばとしてあるのかは知ることができませんでしたが、「10平米にも満たない場所が、酒場となっている」、つまり、狭い場所で酒を飲んでワイワイやっている人たちの賑やかさは「五畳酒場」から伝わります。
で、この賑やかさに「笑い声」も含まれることでしょうから、下句はやはり勿体なかったし、五畳酒場の状況説明をするだけとなったかもしれません。
なお、添削句。下の句が「さざめきに」となりましたが、この添削句の威力はラスト一音の「に」という助詞が八割がた持っている気がします。助詞ってすごい。

3位の句
この句のせいで、魔女の宅急便を見直すこととなりました。
詠み手が登場人物のトンボ云々を語ったけれど、それはともかく、映画の「魔女の宅急便」から着想を得たのであれば、1(映画の中に季語「赤とんぼ」が飛び交っているシーン)であり、物語では描かれないけど、2(季節が過ぎて、赤とんぼが飛び交う季節となったけど、そんな中でもキキが頑張ってる)、そんな状況を見せないといけない句のはずです。物語の後までトンボはキキをしっかり見ているとする視点を持てば、「赤とんぼ来たれど街をキキの声」とか、やりようは色々ありそうですね。

4位の句
この句、添削句がものすごいですよ。

〇〇は美味し△△は□□に

という、一つの型を作ってしまったと思える。

1位の句
この句、場景を描いておいて、「運ぶ」人々の動作、その喜びを「朝の鐘」で示す、また、「朝の鐘」のせいで、いちじくがどんな状況でなっていたか分かる。
また、いちじくは人の手で運ばれるものだという点、季語も大切にされている。いい句だと思う。

昨日のプレバト

横尾くん2回目の前進といい、永世名人の2人(村上さん、梅沢さん)がそろって掲載決定といい、内容としては素晴らしかったです!(村上永世名人の句集完成進捗度50%、梅沢永世名人の句集完成進捗度94%、10/6時点)
改めまして、円楽さん、本当にお疲れ様でした!
(むしろ梅沢さんより先に句集を作ってほしい)

円楽師匠の追悼

最後にありましたが、よく入れ込んだなと。
あれを入れ込むために、何をどう削ったんだろう、なんて考えたりもしました。
肝心の追悼ですが、一番いいところが見られたので良かったです。
チーママの〜、の句、師匠の中では一番の句ではないかな。
円楽師匠が歌丸師匠へ書いた追悼の句、手直しの後、辞世の句にと言ってましたが、本当に夏井先生からの辞世の句に思えてしまいました。
まだ72歳。逝くの、早すぎました。

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