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【ふるさと戦4】20220922 プレバト!!俳句紹介【福島県】

2022年9月22日放送 プレバト!!
47都道府県の観光公認ポスターへの俳句掲載を懸けて挑む「ふるさと戦」。
特別企画「写真俳句」で出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※10月8日に更新済みです。お待たせいたしました。

→記事ジャンプ【茨城/福岡/大阪/福島】➡ふるさと戦のカテゴリー

挑戦者→<名人8段>千賀健永(Kis-My-Ft2)[57],<名人6段>中田喜子[58],<永世名人>梅沢富美男[173],○4△2×2 勝村政信[9],<4級>犬山紙子[17] ※[数字]は挑戦回数
リアクター:村上健志、横尾渉

●お題:磐梯吾妻レークライン(福島県)
ふるさと戦4

※番号クリックでリンク内移動します。
1愛知県出身
<名人8段>
千賀健永
(Kis-My-Ft2)
ラジオからソウル会津は初紅葉らじおからそうるあいずははつもみじ
2東京都出身
<名人6段>
中田喜子
秋燕レークラインの影ゆららあきつばめれーくらいんのかげゆらら
3★福島県代表
<永世名人>
梅沢富美男
赤べこの背なに揺られて山装ふあかべこのせなにゆられてやまよそおう
4埼玉県出身勝村政信
山粧ひ一目惚れした吾も粧ひやまよそおいひとめぼれしたあもよそおい
5大阪府出身
<4級>
犬山紙子
秋色や窓ガラスから宇宙からしゅうしょくやまどがらすからうちゅうから
順位発表順:2位→4位→最下位→3位→1位

【トーク集】









●それでは順位別に見ていきます

1位◆『ラジオからソウル 会津は初紅葉 千賀健永(Kis-My-Ft2)
▲写真左側に黒文字の明朝体の二行書き。

【本人談】ソウルは温かくてハートフルな曲が多いが、会津は歴史が深い地方だと思う。魂の曲を聴きながら向かっているみたいな。

村上永世名人 いや、ホントに何か素敵で、何か不思議。写真を見てるのに目を瞑りたくなる、そういう俳句。
本人 うわ、嬉しい。

夏井先生 
"写真俳句"として味わう時に、さらに2倍3倍の味わいになった。
「ラジオからソウル」は、写真と合わせてみると運転中のカーラジオではないかと想像にスッと結びついていく。
「会津」という地名と「ソウル」との取り合わせの問題になる。
「会津魂」という言葉もある。
(会津若松城の)「利を求めず、義に生きる」と。
会津魂とソウルという音楽との間に、何らかの響き合いがあることを作者は信じて取り合わせたのも伝わってくる。
写真の中の、見事な紅葉の光景の中に一緒に読み手も入っていくような。
そして、村上さんの「写真なのに目を瞑りたくなる」、久しぶりの名言だと思う(笑)。
村上永世名人 お待たせしました。
夏井先生 直しは要らない。

本人 うわ、めっちゃ嬉しい。
浜田 はいということでございます。
清水アナ Kis-My-Ft2千賀さんには、福島県ふるさと俳人の証として、黄金のタスキが贈呈されます。
(→ミス福島の女性が千賀名人の元へ行き、タスキをかける)

●解説のポイント
"写真俳句"としてさらに2倍3倍の味わいに
前半で運転中のカーラジオと結ばれる
音楽「ソウル」と「会津」の取り合わせの問題
「会津魂」という単語を思う
会津若松城の「利を求めず,義に生きる」
何らかの響き合いを信じて作者は表現したと伝わる
見事な紅葉の光景の中に一緒に入りたくなる
村上「写真なのに目を瞑りたくなる」は名言

添削なし



2位◆『秋燕 レークラインの 影ゆらら 中田喜子
▲写真右側に黒文字の太楷書体の三行書き。

【本人談】
秋燕が南下していく時、すでにレークラインは木々の影が落ちている。骨休めをするために燕たちが…「骨休め」じゃなくて「羽休め」ですよ(笑)。ハハ…骨休め。止まった枝が少し揺れてその影がゆららって感じでね。

梅沢永世名人 これは良い句ですよ。
中田名人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 ただ(順位が不明な段階だが1位だと思う)私に勝てなかったのは「影ゆらら」です。
浜田 「影ゆらら」。
梅沢永世名人 え~。あれを少し変えていれば私を抜けたかもしれない。

夏井先生 
"写真俳句"として考えた時、あの写真の中に「秋燕」を配するのはとても良い判断だと思う。
「レークライン」も、あの道は湖に続いているのだと想像させるため、決して悪くないとは思う。
ただこれを1位にするためにはどうするかが知りたいはず。それをやってみる。
「レーク」を「湖へ」と書いてしまう。
「ライン」は逆に不要になる。
「秋の燕の影」で「ゆらら」を「走る」と変えて、燕の影にする。
そうすると、あの写真の中にそのような秋燕がいるに違いないと。
動かない写真の中に、動く燕の映像を添えることができる。
こういうやり方を思い切ってやると、写真俳句としての味わい方がまた一段深まる。
こういうこと。

本人 …「影走る」。はぁ…なるほど…(笑)。

●解説のポイント
"写真俳句"として「秋燕」を入れたのは好判断
「レークライン」も湖に続くことを想像させる
「ゆらら」を「走る」として燕の影の描写に
写真にそのような秋燕がいるに違いない
動かない写真に動く燕の映像を添える
写真俳句の味わいが一段深まる

添削後
 秋の燕の 影



3位◆『赤べこの 背なに揺られて 山装ふ 梅沢富美男
▲写真右側に黒文字の明朝体の三行書き。 

【本人談】
これを知ってる人じゃないと詠めない。(写真の)これはレークライン。福島には「赤べこ」という本当に有名な人形がある。色々良い事も悪いことも背負ってくれる赤べこさんがいる。頭をポンと押すと、(頭を前後に動かして赤べこの真似をし)カンカンカンカンと。ずっと揺れてる赤べこがいる。それにバスの一番後ろに乗って、このレークラインを走って…。(*1)それと同じように後部座席で揺られてふと見ると綺麗な紅葉が見えたなと。そういう句なんですけど。

(*1)
浜田 「赤べこ」ってどんな感じなんですか?
本人 こう。(頭を動かして)ペコペコ。(首の後ろを)チョイと押すとこうなる(笑)。
村上永世名人 上手いなあ、赤べこ。
横尾名人 上手い。
村上永世名人 上手いっすね~。
***

本人 どこが悪いんだ!
村上永世名人 こ~わ。
浜田 村上さん、どう思いますか。
村上永世名人 僕個人的に気になるのは、「赤べこの背中に揺られているようだ」ということと、「山装ふ」って季語自体も擬人的な季語なんで、擬人擬人ではあるよな~って思っちゃって。
本人 何が擬人だよ、赤べこ見たことあるのか!?(笑)
浜田 え、どんなんですか。
本人 え、ポンってやるとこう…(笑)。
村上永世名人 なるほど。

夏井先生 
書きたいことは私にはちゃんと伝わる。
俳句として見た時、「て」が少しゆるいというのはある。
本人 ゆるい!?
夏井先生 ゆるい。
中七の「て」は要注意なところもある。
それから村上さんが指摘した点が大きい。
背中に揺られるかのように山が粧っていくということを本人が言いたいとしたら、比喩・擬人化が一緒になってお互いに損しているのは間違いなくある。
やってみる。
「揺られて」ではなく、「揺らるる」。"揺られるかのように"。
「山装う」は写真見たら、そのままの映像としてある。
写真の美しさを信じた方が絶対に得。
「ごとく」で比喩と明確にし、ゆっくりと「秋」が参りますねとする。
こうすると、秋という季語が大きく写真を包んでいくと。
これをやってたら、間違いなく1位に推してた…間違いなくじゃないな、2位にしてたと思う(笑)。

本人 いや、素晴らしい俳句です。そりゃ夏井先生が…当然このくらいやるでしょう(笑)。俺はもう福島には帰れないからな!(笑) 
勝村 先輩。

●解説のポイント
書きたいことはしっかり伝わる
俳句として「て」がゆるい
背中に揺られるかのように山が粧う意図
比喩・擬人化が一緒になって互いに損
「山装う」も写真にある映像で季語「秋」に
写真の美しさを信じた方が得
「ごとく」で比喩と明確に
これをやってたら2位に上げていた

添削後
赤べこの 背なに揺ら 



4位◆『山粧ひ 一目惚れした 吾も粧ひ 勝村政信
▲写真左側に黒文字の明朝体の三行書き。

梅沢永世名人 何それ。

【本人談】
レークラインに行ったのが紅葉の時で、紅葉の赤が美しくて景色に一目ぼれしてしまう。写真を撮ろうとした時、少し夕暮れで自分たちの頬まで赤くなって、一目ぼれしたことを自分たちが見つかってしまい、赤くなってしまったみたいな。

梅沢永世名人 何を言ってるんだか分からない。もう一度破門食らった方がいいんじゃない(笑)。

夏井先生 
これは内容があまりにも面白くない句。
一同 え~!いや~良くない。
犬山 一番しんどい。
浜田 弟子には厳しいね。
千賀名人 絶対言われたくない。
夏井先生 これは厳しいとかそういうことでなく、本当に面白くない。
何が一番面白くないかっていうと、中七の「一目惚れした」っていうのが、どう考えても陳腐。
正直「一目惚れ」もバンと消したいところだが、消してしまうと作者が書きたいことが全然なくなってしまう。
「一目惚れ」は歯を食いしばって置いておく。
浜田 ハハハ。
夏井先生 ここから。
山の名前ぐらい、せめて書きません? この句の場合は、それぐらいしか書けない。
「粧へる」、この「山」に名前を書く。
浜田 かっちゃん、一言も喋らないな。
夏井先生 何の山ですか?
浜田 何の山ですか?かっちゃん。
本人 磐梯山です。
夏井先生 言う前にもう書いてます(笑)。
犬山 厳しい。
千賀名人 厳しいよ。
梅沢永世名人 いい!
村上永世名人 空気悪!
夏井先生 「粧へる磐梯山に一目惚れ」。
一応言いたいことはこれで書けるが、これを"写真俳句"として写真と取り合わても、本当に面白くないんです(笑)。
もうこれはね、写真に対して失礼というそんな感じになります。
以上です。

浜田 ハハ…かっちゃん、かっちゃん。
本人 ……。
千賀名人 その顔初めて見ましたよ。
本人 割と…傷ついてます(笑)。
千賀名人 そうですよね。

●解説のポイント
内容があまりにも面白くない
中七がどう考えても陳腐
「一目惚れ」は歯を食いしばって置いておく
山の名前をせめて書きたい
答える前に「磐梯山」と添削している
"写真俳句"としても本当に面白くない
写真に対して失礼という感じ

添削後
  一目惚れ



5位◆『秋色や 窓ガラスから 宇宙から 犬山紙子
▲写真中央に黒文字のゴシック体の三行書き。 

【本人談】
天も凄く高い。福島の山々だと感じていて、窓ガラスから景色をドライブしながら見ている。実は気象衛星とか宇宙からも日本の紅葉って見えて、宇宙飛行士の油井(ゆい)さんが写真をアップしていたりする。この景色は秋の高い空のその先の宇宙からも見えて繋がっているのだという気持ちで。

村上永世名人 でも、これはさっき(大阪ふるさと戦の最下位)と違って。ごめんなさい。さっきって言っちゃって。
本人 ウフフ。
村上永世名人 チャレンジングが失敗した。面白いと思うんですけど、「秋色」ってこれ紅葉だけに限らないので、秋の色なんで、これはキッチリ紅葉の方が良かったのかな。
本人 あぁ。
梅沢永世名人 私は福島県人として言わせてもらいますけど、4位と5位は福島ナメてませんか?ホントに何を言ってるか分かりませんよ。
浜田 めっちゃキレてるやん。

夏井先生 
これはホントに何を言いたいのか分からなかった。
どうやって直すかはご本人の話を聞くしかない。一生懸命聞いていた。
季語「秋色」は秋らしい光景のこと。
村上さんが仰ったように、「紅葉」ならそう書いた方がいいと。私もそれに賛成する。
お話を聞くと、「宇宙」の方にあなたの言いたいことが凄くあるように思えた。
「宇宙から紅葉」から始め、「見えるといふ話」辺りで着地するしかない。
これぐらいなら、あの写真と取り合わせても何とかならなくもない。

本人 出直します(笑)。
夏井先生 はい。

●解説のポイント
何を言いたいのか分からない
どう直すかをは本人の話次第だった
季語は秋らしい光景
紅葉ならそう書いた方がいい
「宇宙」からが重要な意図
「いふ話」で着地するしかない
あの写真と取り合わせても何とかなる

添削後
宇宙から  


★10/6は通常回。お題は「店のオープン」です。


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コメント

そもそも

夏井先生は誰の俳句か知らない状態で査定されてます。

昇段試験は誰のかとわかってる状態ですが、

平場、タイトル戦等は誰の俳句かわからない状態です

もちろん作風でなんとなく想像はつく旨はおっしゃってますが、

今までの犬山さんの作風とは明らかに違うし、

今回はたまたま犬山さんが厳しい結果に終わっただけです。

No title

犬山紙子さんの句、私には、よくわかりました。ドライブする車の窓からも、はるか上の宇宙からも、まっさかりな秋色がみえる、という句で、良い句に思えます。夏目先生は、この人に対して、厳しすぎます。

こちらは

この写真に限るなら

写真のどこに俳句を書くのかというのも審査ポイントにいれてほしかったかなと。

1位、千賀名人

ホームランでしたね。先日の予選敗退を補って余りある良い句でした。

カタカナ表記の前半、漢字表記の後半と対比も見事でした。

今回は写真ありきの俳句というのもあり、「ラジオ」は車のラジオに違いないといえます。
後半の助詞「は」もお見事でしたね。限定の意味の助詞ですから、

逆説的に考えて、会津だからこそ楽しめる「初紅葉」というのもあります。

表記のした場所も道路と紅葉を邪魔しないいい場所でした。

ただ、作者の名前を紅葉の場所に置いたのは失敗でしたね。これは番組側のミスだったなと思います。

2位、中田名人

中七と下五の組み合わせに矛盾を感じました。

調べましたが、レークラインは道路ということもあり、

「揺らぐ」だと木々の影の描写になります。道路で影が揺らぐほどじっくり見えるかといえば違うかなと。

今回のテーマでもあるので、矛盾はないようにしたほうがよかったかなと。ここは夏井先生の添削が見事でした。

3位、梅沢名人
この句こそ「赤べこ」と鉤括弧をつけるべきでしたね。福島県民以外の人に伝える目的があるのですから、「赤べこ」が福島特有のものであることをしっかり伝えてほしかったかなと。

あと季語が「山粧う」にも関わらず、俳句を紅葉が写ってる場所に書いたのは大きなマイナス要員だと思います。

4位、勝村政信さん
King of 陳腐でした。以上です。

最下位、犬山紙子さん

発想はとても面白かったかなと。ただ壮大なテーマが入ってるので、言葉のバランスをどうするかは技術の問題かなと。具体的な言葉と、この句に限っては普段なら言われる陳腐な表現もありかなと

宇宙より見える福島紅葉燃ゆ

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