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【ふるさと戦3】20220922 プレバト!!俳句紹介【大阪府】

2022年9月22日放送 プレバト!!
47都道府県の観光公認ポスターへの俳句掲載を懸けて挑む「ふるさと戦」。
特別企画「写真俳句」で出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※10月8日に更新済みです。お待たせいたしました。

→記事ジャンプ【茨城/福岡/大阪/福島】➡ふるさと戦のカテゴリー

挑戦者→○1△1 ゆうちゃみ[3],<名人10段★4>藤本敏史(FUJIWARA)[82],<名人6段>立川志らく[56],<名人初段>森口瑤子[27],<2級>松岡充[25],<4級>犬山紙子[16] ※数字は挑戦回数
リアクター:梅沢富美男、千原ジュニア

●お題:道頓堀(大阪府)
ふるさと戦3

※番号クリックでリンク内移動します。
1★大阪府出身ゆうちゃみ
街は秋写ルンですを巻く五秒まちはあきうつるんですをまくごびょう
2★大阪府出身
<名人10段★4>
藤本敏史
(FUJIWARA)
コイン洗車抜けて秋気の御堂筋こいんせんしゃぬけてしゅうきのみどうすじ
3東京都出身
<名人6段>
立川志らく
月夜の酔つ払い嗚呼かに道楽つきよのよっぱらいああかにどうらく
4東京都出身
<名人初段>
森口瑤子
ツッコミは愛なんだって啄木鳥つっこみはあいなんだってけらつつき
5★大阪府出身
<2級>
松岡充
かすうどんバッテラなんぼ?浮寝鳥かすうどんばってらなんぼうきねどり
6★大阪府出身
<4級>
犬山紙子
お釣り百万円龍淵に潜むおつりひゃくまんえんりゅうふちにひそむ
順位発表順:最下位→5位→2位→3位→4位→1位

【トーク集】







●それでは順位別に見ていきます

1位◆『街は秋 写ルンですを 巻く五秒 ゆうちゃみ
▲写真右側に黒文字の手書き書体の三行書き。

梅沢永世名人 面白い。

【本人談】
ギャルの中で「写ルンです」が大ブームになっている。それを大阪でエモい風景と合わせて撮った時に超感動して、これはこの句を書かないといけない。

ジュニア名人 超イイじゃん。
本人 イエ~イ!
藤本名人 ウソつけ!
本人 やった。嬉しい、助かる。
ジュニア名人 へ~、そうなんや。

夏井先生 
商品名を入れた俗な作品だが、十二分に俳句としても楽しめる。
写真との取り合わせも非常に軽やかで、一緒にこの光景を眺めているような。
そして、「次はどこを撮ろうか」と5秒掛けて(フィルムを)巻いている。
この「写ルンです」の商品名が写真の雑多な感じととても良く似合っている。
誰が作ったのかと作者を楽しみにしていた。
本人 ウチです~。
夏井先生 やれるじゃないか! 素晴らしい。
本人 イエ~イ。
夏井先生 写真俳句の才能がありそうな気がする。
浜田 あら~。
本人 嬉しい~。
浜田 これはもう先生、直しは。
夏井先生 いりません。

浜田 はいということでございます。
清水アナ ゆうちゃみさんには、大阪関西万博・公式キャラクター「ミャクミャク」より、黄金のタスキが贈呈されます。
(→観光課の女性とともにゆうちゃみの元へ行き、タスキをかける)
ゆうちゃみ うわ、すげえ。
藤本名人 ミャクミャク!可愛いな、ミャクミャク。
ゆうちゃみ 可愛い、ミャクミャク。ありがとうございます。
浜田 凄いよね。
ゆうちゃみ 可愛い。わ~!

●解説のポイント
商品名を入れた俗な作品ではある
写真との取り合わせも非常に軽やか
一緒に光景を眺めているよう
次どこを撮ろうかと5秒懸けて巻いている
「写ルンです」が写真の雑多な感じと似合う
作者を楽しみにしていた
写真俳句の才能がありそう

添削なし



2位◆『コイン洗車抜けて 秋気の御堂筋 藤本敏史(FUJIWARA)
▲写真右側に黒文字の明朝体の二行書き。

【本人談】
大阪の難波に住んでいた経験から。コイン洗車は無人のセルフの洗車機で、車をピカピカにしてそのまま爽やかな秋の御堂筋を車で走ったという。

志らく名人 普段だったらとても良い俳句。ただ写真俳句で「御堂筋」ってもろに入れてしまったのが、もろに…。
本人 いや、めちゃくちゃ…もうすぐ。道頓堀ちょんと抜けたら御堂筋なんですよね(笑)。

夏井先生 
これもホントに良い句。
軽やかでリアリティーがある。
コイン洗車を抜けてピカピカの美しい綺麗な視界が車の中から確保でき、そこに季語「秋気」の空気が出てくる。
何かというと、御堂筋に向かってさあという。
実際に、写真と取り合わせた時も、このごちゃごちゃした所を抜けて、向こうに御堂筋があるこは、鑑賞する側にも分かる。
向こうにひょっとすると、銀杏も色づいている。
そういうことも御堂筋の地名が教えてくれる。
"写真俳句"として十二分に成立している。
大阪は予算2倍にしてこれもポスターを刷ってほしいと思う。
直しもない。大阪府に2倍の予算を練ってほしい。

本人 お~出た。嬉しい。僕なんて先生がやってるね、パソコンのサイトの「おウチde俳句くらぶ」っていうの、お金払って会員なんですよね。
(→急に立ち上がって1位の席に座る)
浜田 やめぇ!
本人 先生。
浜田 おい!
本人 お金払って会員なんです。僕、先生のサイトの。
夏井先生 ありがとう。
本人 「ありがとう」だけ?(笑)お金払ってんだけどな~。

●解説のポイント
軽やかでリアリティーのある良い句
綺麗になった視界を車内から確保
季語の空気から御堂筋に向かう
銀杏の黄葉まで御堂筋の地名が教えてくれる
"写真俳句"として十二分に成立
大阪は予算2倍でこれもポスターを刷ってほしい

添削なし



3位◆『月夜の酔つ払い 嗚呼かに道楽 立川志らく
▲写真右側に黒文字の明朝体の二行書き。

【本人談】
澄んだ月夜の晩には何か楽しく飲みたい。かに道楽の看板を見るとホッとする。あと、酔っ払いがカニっぽく(ふらついて)歩いている。そこら辺を狙って詠んだ。

ジュニア名人 良いですね、これは是非かに道楽に貼ってもらいましょう(笑)。
梅沢永世名人 その通りだわ。
藤本名人 そうやなあ。かに道楽喜ぶよ、これ~。

夏井先生 
「月夜の酔っ払い」と「かに道楽」の取り合わせは良いと思う。
飄々として俳諧味もある。
今回の写真のようにどう見ても"かに道楽"が目に入ってくる、こういうタイプの時に、あえて俳句にも「かに道楽」を入れる方法もある。
その場合は、後から写真にない情報を添える。
「かに道楽」から始め、「見上げ」てもらう。
「月夜の酔っ払い」とくる。
そうすると、写真の中の"かに道楽"の下に見上げている人がいると。
「月夜の酔っ払い」が出た瞬間、夜の光景にポンと飛ぶことが出来る。
時間を俳句によってワープさせる。
そうすると、夜になったら"かに道楽"の看板を見上げてる酔っ払いがこの街であればいるに違いないと。
そういう味わいの"写真俳句"になるということ。

本人 そんな悪い句ではないということなんで、かに道楽の関係者の皆さん、是非よろしくお願いします(笑)。

●解説のポイント
前半と「かに道楽」の取り合わせは○
飄々として俳諧味もある
あえて句にも"かに道楽"を入れる方法もある
その場合は写真にない情報を後から入れる
かに道楽の下に見上げる人がいる
夜の光景に俳句でワープさせる
味わいある"写真俳句"になる

添削後
かに道楽 月夜の 酔っ払い



4位◆『ツッコミは 愛なんだって 啄木鳥 森口瑤子
▲写真右側に黒文字の丸ゴシック体の三行書き。

【本人談】
主人と出会った頃、喋っていると「え?オチは?」とよくダメ出しをされていた。それを関西出身の友人に伝えたら、大阪人は愛があるからそういうって言われたことをそのまま。ケラツツキは啄木鳥のことで、コツコツとつついている姿がちょっとツッコんでいるようにも見える。音が賑やかな道頓堀に似合うかなと思った。

梅沢永世名人 まあ悪くはないんですけど、季語がちょっとね。この季語じゃなくても良かったんじゃないかな。

夏井先生 
今お話を聞くと「ツッコむ」と「啄木鳥」を重ねたというオチを狙った。
これは、大阪人のオチに負けた東京の人の句だなとそういう風に思った(笑)。
「啄木鳥」じゃない方が良いという指摘に私も賛成。
下手にあなたの持ち味を壊してまでオチを求めることはない(笑)。
写真との取り合わせで、季語を考えた方がこの場合は良い。
「オケラ」って知ってます?
本人 はい。一つ、「蚯蚓鳴く」とか「おけら鳴く」も一個考えてたんです。
夏井先生 何でそっちに行かないのよ。
本人 あぁ、そうでしたか~。
夏井先生 「おけら鳴く」(※地中からジーッと低い鳴き声が聞こえる様子)は、秋の静かな夜に何かわからないけど、「ジーッ」と鳴いているような声が聞こえる。
こっから、「ツッコミは愛か」で一回切ってしまう。
「真昼の」で写真の時間軸に寄せてみる。最後に「おけら鳴く」。
こういう風に持ってくると、あの写真と取り合わせた時に、"「おけら」は普通は夜鳴くものだが、この大阪なら「おけら」も昼鳴くのではないか"と微量な皮肉を込めることができる。
この皮肉をちょっと込めると、東京人としてのプライドが保てたかなと。

浜田 なるほど、でも思ってたってことですもんね。「おけら」も。
本人 そうですね。
何で…でもこうは出来ない。「真昼」は全く浮かばなかったので、ちょっと勉強します。
浜田 残念でございます。

●解説のポイント
ツッコミと「啄木鳥」を重ねるオチを狙ったよう
大阪のオチに負けた東京の人の句に思った
自身の持ち味を壊してまでオチを求めない
写真との取り合わせで季語を考えたい
「真昼」で写真の時間軸に寄せる
「おけら」は夜鳴くが大阪なら昼も鳴くと皮肉を込める
これなら東京人のプライドが保てた

添削後
ツッコミは 愛 



5位◆『かすうどん バッテラなんぼ? 浮寝鳥 松岡充
▲写真右側に白文字のPOP体の三行書きで、二行目以降は斜めレイアウト。
※「浮寝鳥」とは、越冬のため毎年日本に渡ってきて、川や湖沼で冬を過ごす水鳥のこと。

【本人談】
これは大阪人を詠んだ。浮寝鳥は大阪の川でよく浮かんでいる姿がある。その姿と大阪人の辛い事・悲しいことを見せない姿。かすうどんを食べて、バッテラも食べとこか?「なんぼなん?」って(店員に)聞いているような大阪人の逞しさみたいなものを詠んだんですけど、これ5位ですか?(笑)

梅沢永世名人 これは5位だと思いますね(笑)。
本人 ホントですか。
梅沢永世名人 あのね、情報を詰め込み過ぎ。私はそう思いますよ。私東北人だから。
浜田 いやいや、フジモンはどう思うの?
藤本名人 パッとみた感じ(レイアウトも含めて)「うるせぇな!」って感じですね。
本人 いやいや、大阪人うるさいですやん。
藤本名人 いやいや、うるさいやん。だから大阪人の一番悪い所出ましたね(笑)。
本人 いやいや。
藤本名人 うるさ!みたいな。僕もうるさいですけど、うるさ!みたいな。パッと見ただけで。

夏井先生 
この「かすうどん」「バッテラ」の響きは面白いと思う。
「なんぼ?」と書きたい気持ちは分かるが、ここがうるさくしてしまう。
この「浮寝鳥」という季語をよそに追いやって除け者にしてしまった。
「なんぼ?」を書かなければ良い感じになる。
「浮寝鳥」から始める。
あの浮いている鳥。最近「ふえて」きたなとする。
「バッテラかすうどん」と続ける。
そうすると、写真と組み合わせた時に、「あ、この写真の近くに川があって、川に浮寝鳥が増えてきて、バッテラ食べようか、少しヒンヤリしてきたから温かいかすうどんも」という流れになる。
これやったら"写真俳句"の評価がグンと上がる。

藤本名人 あら~。
本人 うどんよりも先にバッテラ頼んだってことですよね(笑)。
藤本名人 いやいや…。
浜田 順番じゃ…。
藤本名人 どっちかみたいなことを言うてましたよ、先生。
浜田 うるさいねん、お前!(笑)
藤本名人 大阪人の悪い所出てる。
浜田 なぁ。
本人 出てもうた。頑張ります。

●解説のポイント
かすうどん・バッテラの響きは面白い
気持ちは分かるが「なんぼ?」がうるさい要因
季語をよそに追いやってしまった
浮寝鳥が最近「ふえて」きたとする
この写真の近くに川があると想像させる
バッテラ食べるか温かいかすうどんもかの流れ
これなら"写真俳句"の評価がグンと上がる

添削後
浮寝鳥 バッテラ かすうどん



6位◆『お釣り百万円 龍淵に潜む 犬山紙子
▲写真右側に黒文字の明朝体の二行書き。
※古来中国から伝えられている「龍は春分に天に昇り、秋分に淵に潜む」から「龍淵に潜む」が秋分の頃を表す季語。

【本人談】
「お釣り百万円」という声が聞こえてくる道頓堀の音と、水を司る龍がいるのはもしかしたら道頓堀ちゃうんかというのが、この看板の先に「金龍ラーメン」の看板、ボコボコっていうのが守り神としていてくれてるちゃうんかなみたいな気持ち。

ジュニア名人 「お釣り百万円」って鍵括弧つけた方が活きてくるような。

夏井先生 
また難しい季語を引っ張りだしてきた。
「龍淵に潜む」全部で時候の季語になる。
"龍が淵に潜む、そういう秋になりましたね"というニュアンス。
逆に春の時候の季語に「龍天に登る」があり、セットとなる。
鍵括弧で囲った方が良いという意見に私は同意する。
「お釣りは」とし、『百万円!』とビックリマークをつけるくらいの空気感でも良い。「お釣りは『百万円!』」と。
問題は後半。
"写真俳句"としてあの写真にいきなり「龍淵に潜む」と言われたら、メッチャ景気の悪い大阪みたいな感じがどうしてもする。
この季語は今回諦めるべき。別の所でやってほしい。
あの写真の賑やかさに少し寄せてみる。
「たけなわ(※物事が一番盛り上がっている時のこと)の」で始める。
明るくなって、俗な台詞も『百万円!』もあの写真の上で力を持つようになり、写真俳句として成立する。
こういうこと。

本人 ごもっともですね。チャレンジ。別の所でこの季語チャレンジします。
浜田 なるほど、分かりました。

●解説のポイント
難しい季語を引っ張りだした
後半が時候の季語が中国の故事で秋分の頃
前半に鍵括弧をつける提案には同意
"写真俳句"とセットだと景気の悪い大阪に思う
季語は今回諦めるべき
写真の賑やかさに寄せて「たけなわ」で明るさを
俗な台詞「百万円!」も写真の上で力を発揮する

添削後
 お釣り百万円


※編集後記は「ふるさと戦4」の記事に一括して掲載します。

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コメント

今回は

字面が全てという普段のスタイルから外れた写真俳句面白かったです。

まず観光目的ありきの企画ですから、そこを全面的に押しだしてほしかった。

プレバトから離れた俳句と馴染みのない方々に見られるものですから、定型縛りをいれてもよかったかもしれません。

1位、ゆうちゃみさん

作者とのギャップが意外でした。今だと全部スマホだと思ってました。でもあの年代の方々にはレトロ文化なのかもしれません。

藤本名人の句でも語られてましたが、道頓堀を少し抜けると御堂筋があるので、写真の内と外がミックスされてましたね。また人工物と自然とがうまく組合わさった句でした。

2位、藤本名人

前半である程度の距離を運転してることが想像できます。中七「抜けて」で雑踏から御堂筋への繋ぎができてると思います。

句としてはいいかもしれませんが、あの写真からだと観光目的に繋がるかどうか疑問です。さらにいえば、道頓堀から離れる前提なので、写真俳句としてみたら「?」です。

3位、立川志らく名人

前述のとおり定型でいってほしかったです。「嗚呼」で「かに道楽」に比重がかかるので、いらないかなと

4位、森口名人

御堂筋の写真ならあの季語もありですが、道頓堀ならあの季語の選択はないかなと。

御堂筋の写真なら

黄落やツッコミは愛なんだって

でいけるかなと思います。

5位、松岡充さん

うるさいテーマでいくなら徹底的にうるさくしたほうがよかったと思います。なぜ上五中七のフレーズにあの季語の選択なのか?が感想です。

秋暑し

ならあの字体とも合わさって面白かったかなと。

最下位、犬山紙子さん

季語の本位と、金竜ラーメンがごっちゃになったのが敗因でしょうか?ノーコメントて


最後に拙句を詠ませていただきます。今回は詠めるのはここだけで

道頓堀涼し舞台の空き時間

色々な劇場、クラブ、ライブハウスがある場所なので、そこに訪れた人に空き時間を道頓堀で楽しんでもらえたらと思います。

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