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【炎帝戦15傑】20220721 プレバト!!俳句紹介【メール】

2022年7月21日放送 プレバト!! 俳句炎帝戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし精鋭のみが参加を許される俳句タイトル戦。
夏の季節に行われる第6回炎帝戦で名人・特待生ら参加者の面々が詠んだ俳句を紹介します。
※お待たせいたしました。現在すべて更新しています。

→トーク集 →俳句詳細 →編集後記

※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。
◆炎帝戦2022のルール◆
①参加資格は過去に1度でも才能アリを獲得した人物(才能アリ経験者・231名該当)
→エントリーしたのは計58名
②俳句の募集は春光戦放送(3/31)から2か月間優秀句上位15名がスタジオ収録
兼題:メール
(生活必需品がゆえに凡人見本市になりがちなお題)
メールの兼題
※番組内で俳句が詠まれ、先生の解説を受けるのは上位10名のみ。
※俳句ポスト365のように投句して上位10句によるタイトル戦です。


◆本戦出場者の結果
1位中田喜子名人6段産声送信ドバイは大夕焼うぶごえそうしんどばいはおおゆやけ
2位犬山紙子5級恋を終わらせ平日の海月見るこいをおわらせへいじつのくらげみる
3位森口瑤子名人初段メールぴこんぴこんシャワー中だってばめーるぴこんぴこんしゃわーちゅうだってば
4位東国原英夫永世名人羽蟻わく今宵ロマンス詐欺メールはありわくこよいろまんすさぎめーる
5位藤本敏史(FUJIWARA)名人10段★3アルパカを返す手配り雲の峰あるぱかをかえすてくばりくものみね
6位安藤和津通常挑戦者白雨受くネットショップの段ボールはくううくねっとしょっぷのだんぼーる
7位千賀健永(Kis-My-Ft2)名人6段緋ダリアや「メール不達」のメール来るひだりあやめーるふたつのめーるくる
8位久代萌美通常挑戦者社食から花火原稿音読すしゃしょくからはなびげんこうおんどくす
9位梅沢富美男永世名人月見草文箱の底に出さぬ文つきみそうふばこのそこにださぬふみ
10位勝村政信通常挑戦者夏の雲逝くな逝くなと文字叩くなつのくもゆくなゆくなともじたたく
11位以下は番組内で未発表 (※番組終了後1週間TVerで公開済)
11位かたせ梨乃通常挑戦者夕涼の竹富未読メール百ゆうすずのたけとみみどくめーるひゃく
12位横尾渉(Kis-My-Ft2)名人10段晩涼のRe:Re:Re:セットリストの見せ場ばんりょうのりりりせっとりすとのみせば
13位千原ジュニア名人10段★2故人との弾みしメール夜の秋こじんとのはずみしめーるよるのあき
14位ミッツ・マングローブ名人2段真夏来てサブスクのtrfまなつきてさぶすくのてぃーあーるえふ
15位村上健志(フルーツポンチ)永世名人風鈴鳴る千の躊躇を弔ってふうりんなるせんのちゅうちょをとむらって
順位発表順:8位→7位→6位→2位→3位→10位→4位→5位→9位→1位→(11位~15位)






●それでは順位別にみていきます


1位◆『産声送信 ドバイは 大夕焼 中田喜子

東国原永世名人 良い句だね。

【本人談】
若夫婦がドバイに転勤し、その先で第一子が誕生した。どうしても両親にこの声を聞かせたくて、送信した。この「産声」っていうのが出てきたとき、もう楽しくなって楽しくなって(笑)。「よしいけるぞ!じゃあ」都市はどこ?っと思ったら、やっぱりドバイなんですよ。ドバイと大夕焼が産声に丁度良いんじゃないかと思って作った。

浜田 さあ、永世名人梅沢さん。
梅沢永世名人 …はい?
浜田 この句はどう思われますか?
梅沢永世名人 いや、これも普通の句ですよ(笑)。
本人 アハハ!
藤本名人 違いますよ、1位1位。
梅沢永世名人 ただこうやって、産声をね。携帯電話で送ったり何か色んなことをするのはよく使う手ですもん。「ドバイ」と「大夕焼」が変えただけの話だと思います。
浜田 いやいや…。
東国原永世名人 「ドバイ」と「産声」。これ、ちょっと参りましたね。
浜田 なるほど。

夏井先生 
一番褒めないといけないのは、写真を送信するのではなく「産声」生まれた瞬間の声を送りたいという、ここが新鮮でリアリティもある。
兼題写真の未読が3通ってのもあったが、そこにもしっかり寄せている。
まず産声を送って、それから写真を送ってと。
そんな押さえ方もあると思った。
「ドバイ」が出てきた瞬間、説明しなくても赴任先の出産であると分かる。
そして、どこに送るか。日本にいる両親の所に違いないと。
全部ありありと手に取るように分かる。
最後、この「大夕焼」という季語も、「ドバイ」という地名の広がりも勿論だが、生まれたという安堵・喜びをちゃんと示唆出来ている。
一句の奥行きに気持ちの良い光景が広がっていく。
うわ~、中田さんは苦労したもんね。
本人 はい。
夏井先生 良かった。
苦労しただけのことがここにある。嬉しいです。

本人 ありがとうございます。
浜田 当然1位ですから、直しは?
夏井先生 ありません。
浜田 はい、おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 いや~獲りましたね。中田さんが。
本人 嬉しいです。
浜田 ねえ。ハハハハハ。

●解説のポイント
「産声送信」に新鮮さとリアリティがある
兼題の未読3件にもしっかり寄せている
産声を送って写真を送ってと動作を想像
「ドバイ」で赴任先の出産かと思わせる
日本の両親へ送ることも手に取るように分かる
季語で地名の広がりと出産の安堵・喜びを示唆
一句の奥行に気持ちの良い光景が広がる
中田さんは苦労しただけのことがある

添削なし



浜田 さあ、というわけで。
清水アナ 2022年炎帝戦を制した…。
浜田 ちょっと待って。(ジュニア名人に)どうされましたか?
→硬直するランク外の面々
浜田 ちょっと、初めてちゃう?こんな暗なったん(笑)。さあ、というわけで。
清水アナ 2022年炎帝戦を制した中田喜子さんには、賞金30万円とトロフィーが贈呈されます。
浜田 はい、おめでとうございま~す。
中田名人 ありがとうございます。
浜田 第1位は中田喜子さんでした~!
中田名人 ありがとうございます。
(数日後の収録で)
中田名人 あの時何が起きているか理解できなかったんですよ(笑)。夏井先生に、本当に…(泣きそうになり)。
浜田 ちょっと待って。
ジュニア名人 僕が言うのもあれですけど、そんな番組じゃないんですよ(笑)。


2位◆『恋を終わらせ 平日の海月見る 犬山紙子

村上永世名人 へぇ~。
藤本名人 いいなぁ~。
村上永世名人 おしゃれ。
梅沢永世名人 うん~。

【本人談】
もう別れようかとずっと悩んでいた人にメールで「別れましょう」と送ったが、やっぱり気持ちはまだフワフワしている。平日に送っていて会社とかがある日だが、そのままちょっと会社を休んで水族館に行ってクラゲを見て癒されるという句。

梅沢永世名人 いや、素晴らしい俳句ですよ~。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 今、説明に「水族館」って出ましたけど、それを説明しなくたってこれ詠んだ人はどこでこの気持ちを詠んだのかすぐ分かりますから。あっ、水族館何だろうなと。見事だね。
本人 ありがとうございます。
藤本名人 「平日」やもんな。
ジュニア名人 「平日」やから。
藤本名人 「平日の海月」。これは素晴らしい。
浜田 あ、そうなの?
ジュニア名人 「平日」は凄いっすね。
浜田 「平日」が凄いの?
藤本名人 「平日の」がむちゃくちゃ良いっすね。
ジュニア名人 出ぇへんな?
藤本名人 出ぇへんわ。羨ましい。これ、出したかったな。
浜田 うるさいな。

夏井先生 
これが犬山さんだったと。素晴らしい。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 この句も「メール」「携帯」という言葉がないが、読んだだけで別れのメールを送った後に、相手がまだ未読のままという宙ぶらりんの時間かも知れないと思う。
「平日」に「海月見る」ってことは、仕事を休んで傷心のままの有給休暇かもしれないと思う。
さらに、他の生き物で良いが「海月」が良い。
揺れ動く失恋の心を冷ややかな、恐らく薄暗い空間ではないか。
冷ややかさと薄暗さが心を癒してくれる。
だから「平日」「海月」なのだと。
そしてあと1つ。普通、俳句では「見る」は不要なことが多い。
それは特待生以上の人はみんな知っている。
これは必要な「見る」。
海月をボーっと見ている。その海月の向こう側に今自分の心を見つめている。そういう時間でもあると。
直しは要らない。

浜田 当然いらない。
ジュニア名人 凄い。

●解説のポイント
これが犬山さんの句だったのか
別れのメールを送ったが相手は未読のままか
宙ぶらりんの時間を過ごしている
仕事を休んで傷心のままの有給休暇ではないか
他の生物でも良いが「海月」が良い
揺れ動く失恋の心に冷やかな薄暗い空間がある
「平日・海月」の冷ややかと薄暗さが心を癒す
俳句で「見る」は不要が鉄板だがこれは必要
ボーっと見る向こう側に我が心を見つめている

添削なし



3位◆『メールぴこんぴこん シャワー中だってば 森口瑤子

藤本名人 可愛らしい。
梅沢永世名人 これはいい。
藤本名人 こんなんやられたらもう。

【本人談】
メールとかLINEとかって凄く便利になった部分と、「束縛」自由を奪われているなと思う部分が凄くあり、シャワー中は絶対に出れないのにそういう時に限ってメール(の通知音)がぴこんぴこんと何回も鳴ってもう~!っていうのを句にした。

村上永世名人 「メールぴこんぴこんシャワー中だってば」ですよ。
藤本名人 言うてるだけや。
村上永世名人 これを俳句でね、出そうというこの遊び心。森口さん、もう俳句と凄いジャレてますね(笑)。そんなにジャレる?
ミッツ名人 入れ食い状態ということですよね(笑)。
浜田 「入れ食い」ってどういうことやねん!
ミッツ名人 いいなと思って、こんな…何かね。モテてね。ひっきりなしに鳴ります?シャワーなんて、大体5分から10分くらいの間でしょ?
浜田 何の話をしとんねん。
本人 仕事のメールとかですよ。
ミッツ名人 仕事のメールなんて、ぴこんぴこん言ってたって気付かないじゃない(笑)。やっぱり、恋している時って…。
浜田 もうええわ!もう。そういう意味じゃない言うてる。

夏井先生 
こういうやり方もあるかと思った。
何よりも「ぴこんぴこん」が上手い。
オノマトペにリアリティ・実感があり、この音がみんなの耳に聞こえてくる。ここが良い。
「だってば」よ、「だってば」(笑)。このちょっと甘えた大人可愛い感じ。
これを書ける人が羨ましいと思う。
何よりあなたが立ち上がって、作者がイメージ通りで良かった。
これ、おっちゃんの句だったら凄く嫌だなと(笑)。

梅沢永世名人 書けるわけないでしょ、俺に。
浜田 確かに確かに。それは気持ち悪い。
先生、これ直しは?
夏井先生 いりません。
浜田 直しなしでございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 素晴らしい。

●解説のポイント
こういうやり方もある
「ぴこんぴこん」にリアリティ・実感があり上手い
「だってば」の甘えた大人可愛い感じが良い
これを書ける人が羨ましい
作者がイメージ通りで良かった
おっちゃんの句だったら凄く嫌だった
(梅沢名人「書けるわけないでしょ俺に」)

添削なし



4位◆『羽蟻わく今宵 ロマンス詐欺メール 東国原英夫

【本人談】
「羽蟻」(※繁殖期になり羽が生えたアリやシロアリ)は羽を持っているシロアリみたいな、家をワ~ッと侵食する。いかがわしいメールとか、デートメール・出会い系のメールとか(画面上に)湧いている。こうやって、何か寂しい感情・恋愛感情を持ってる人たちの隙間に入ってくるような詐欺メール。そういうことを描きたかった。

犬山 私の所にもロマンス詐欺メール届くんで、何かあのちょっとウザったい感じでも、ちょっと心に届く感じが私にはよいなと今…思いました。
本人 もう結構です(笑)。
ジュニア名人 褒めてくれてはるんですよ。
梅沢永世名人 ちょっと大げさだったんじゃないですかね。「羽蟻わく」なんてのは、ちょっと大げさかなと。

夏井先生 
まさに大袈裟で少々やり過ぎ感もあるが、この内容だとここまでやらないとバランスが取れない。
梅沢永世名人 いいんだ。
夏井先生 こういうのは、思い切ってやるしかない。
「わく」という動詞を使っている。
まさに今宵人の知らぬ間に密やかに家の中を食い始める羽蟻がいる。
まさに今宵「ロマンス詐欺メール」が人の心を知らぬ間に食い尽くすように忍び寄ってくる。
ここら辺の落としどころ、「わく今宵」でちゃんと押さえる。
これはこれで、上手いし面白かった。
直しは要らない。

●解説のポイント
大袈裟で少々やり過ぎ感はある
内容からして思い切ってバランスを取った
「わく」の使いどころが良い
まさに今宵知らぬ間に家の中を食う羽蟻
「ロマンス~」が人の心を知らぬ間に食うように忍び寄る
「わく今宵」で落としどころを押さえている
上手いし面白かった

添削なし



5位◆『アルパカを 返す手配り 雲の峰 藤本敏史(FUJIWARA)

浜田 フジモンの句だ。

【本人談】
動物番組で、タレントがアルパカと生活し、ロケが終わる間際の時にスタッフが動物プロダクションに返す手配をしているっていう俳句。

ジュニア名人 これはフジモンしか詠めない。いいですね、この上五。「タピオカを」。
本人 好きやな~(笑)。
浜田 アルパカですよ。
本人 全然ちゃうやん。
ジュニア名人 「アルパカ」、これはなかなか出ない。
本人 「カ」だけ(しか合ってない)やん。
浜田 ちょっと似てた、ちょっと似てたよな。

夏井先生 
「アルパカ」という生き物と「雲の峰」を取り合わせた句は、色んな俳句大会とかで時折目にはする。
ただ、中七にオリジナリティがあった。
「アルパカを返す手配り」とは何だろうと、読み手は色々と想像し始める。
映画やテレビの現場で返すと。
その背後に夏の入道雲・雲の峰がモクモクとある。
そして、今回のテーマ。「手配り」の所でメール・携帯を用いて連絡を取り合っているに違いないと。
そこは読み手の側に想像できる。
作者が分かって「あぁそうか!フジモンさんか」と納得した。
直しは要らない。

本人 嬉しい。あぁ良かった。

●解説のポイント
「アルパカ」「雲の峰」の取り合わせは目にする
中七にオリジナリティがある
読み手は色々と想像し始める
映画・テレビの現場で返すのか
背後には入道雲がある
「手配り」でメール・携帯を用いたテーマ性がある
作者を見て句に納得した

添削なし



6位◆『白雨受く ネットショップの 段ボール 安藤和津

【本人談】
物をネットで買うことが当たり前になっていて、どこの家の玄関前にも色んな段ボールが積み上げてある。うちもそう。もう凄い突然の雨がだ~って降ってきた時に、段ボールがホントに切なく悲しげに濡れそぼっている姿を見た。この後、雨を含んだ段ボールを処理する人も大変だなあと。切なくなった段ボールの一句だった。

藤本名人 生活の何気ない一部を見事に切り取った良い俳句だなって僕は思いましたけどね。あと、安藤さんがネットで何を買っているんだろう?っていうのもちょっと…。
浜田 それええやん(笑)。もう、それは。

夏井先生 
中七下五のフレーズ「ネットショップの段ボール」。
今時、類想のような句がないとは勿論言えない。
ただ、一番褒めたいのは上五が上手いこと。
「白雨(※雲が薄く明るい空から降る雨)」という季語を選ばれた。
「白雨」は夕立といえば夕立だが、にわか雨のイメージが強い。
にわか雨が降るという際、この「白」の一字が負の印象をあまり強くしない。
もっと褒めないといけないのが「受く」と軽く受け止めた点。
この動詞によって、コロナ禍の今どきの"置き配"という新しい文化が出てきた。
大したものだなと思っている。
そしてこうやって、特待生じゃない人が続々と出てきて良いんですか、これ。凄いですね。

浜田 先生、この句の直しは?
夏井先生 いらないよ!
浜田 直しなしでございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 おめでとうございます。こっち(→特待生席)の空気が変やねんけど。何なん?もう。
藤本名人 夏井先生がワクワクするの、おかしくないですか?

●解説のポイント
中七以降は類想ともいえるが上五が上手い
「白雨」は夕立よりにわか雨のイメージが強い
「白」の一字が負の印象を強くしない
もっと褒めたいのが「受く」と軽く受け止めた点
今時の置き配という新しい文化を想像させる
特待生じゃない人が続々と出てきて良いのか

添削なし



7位◆『緋ダリアや 「メール不達」の メール来る 千賀健永(Kis-My-Ft2)

【本人談】
「緋ダリア」っていうのは、ダリアっていう花の緋色の花のことを言っているが、「『メール不達』のメール来る」は、昔のお付き合いしていた女性とかにメールしてみよう…みたいな気持ちでメールをしたが、「メール不達」。"メールが送れませんでした"っていう(内容の)メールが返ってきたという寂しさを今回詠んだ。

東国原永世名人 「緋ダリア」っていうのと、中七・下五の取り合わせが僕は良いなと思います。
横尾名人 「『メール不達』のメール来る」。ここが凄く良いなと思いますよね。何かより一層悲しい感じが出ているというか。千賀らしいなと思います。

夏井先生 
これが千賀さんなんだと。
東さんも言っていたが、取り合わせた季語が良い。
「ダリア」は好き嫌いが物凄く分かれる。
ダリアの特に赤に、情熱的思いや派手やかさを感じて好きだという人もいれば、何か不穏な感じがするとかで真っ二つに分かれる。
その思いが後半のフレーズと、そこはかとなく響き合っている。そこがとても良かった。
勿体ないのが、「緋ダリアや」と詠嘆したい気持ちは分かるが、ここに特色を入れるなら、「ダリアは緋」と色の印象を後に持ってきた方が良い。
そうすると、この「は」に意味が乗っかってくる。
ダリアは色んな色があるが、今眼前にあるダリアは緋色であると。
メールも、色んなメールがあるが、今「届いてない」というメールがここにある。
「は」の一字を入れるか入れないかの方が、詠嘆を安易にするよりはこの句にとっては良かったと思う。

本人 うわ、勉強になったな。勉強になります。
浜田 アハハハ。

●解説のポイント
取り合わせた「ダリア」の季語が良い
好き嫌いの分かれる季語ではある
赤に情熱的思いや派手やかさ・不穏な感じ
フレーズとそこはかとなく響き合っているのが◎
上五は色の印象を後にした方が良い
助詞「は」に意味を乗せる
色んな色があるが眼前のダリアは緋色
色んなメールがあるが眼前に届いてないメール
安易に詠嘆しない方が良かった

添削後
ダリア緋 「メール不達」の メール来る



8位◆『社食から花火 原稿音読す 久代萌美

梅沢永世名人 良い句だな。

【本人談】
花火大会を見に行く予定があったが、急遽メールでシフトが送られてきて、(アナウンサーとして)深夜のニュース番組対応になってしまい、社員食堂で原稿の下読みをしながら、東京湾の花火が上がっているという切ない情景を詠んだ。

梅沢永世名人 いや、良い俳句じゃないですか。大したもんだね。こういう俳句を考えられるって。見ただけ、読んだだけでこの気持ちが良く分かる。素晴らしい。
ジュニア名人 いやいいですね、だから本来は行けるはずだった花火大会に仕事が入ってという…これがきっかけでフジテレビやめたんですか?(笑)

夏井先生 
これはどこにも「メール」「携帯」という言葉は入っていない。
「社食」ときて、読んだだけで花火大会に行けずに自分は仕事をしていると。
ひょっとしたら、花火大会に行っている友達から写真が送られて来たのかもぐらいは想像ができる。
そこら辺が良かった。
素材が良いが、順位を落としてしまっている。
語順が逆の方が良い。あなたの手元の原稿から始めて最後に花火を残すべき。
もう1つ。
「音読」という言葉を選んでいるが、子の国語の宿題のような空気感を感じてしまう人がいる。
何か別の言葉ないかと思っていたが、あなたが今語った。
本人 「下読み」。
夏井先生 それそれ。
こっから。「原稿を」の後に「下読み」とすれば、本番に向けてという感じが出る。
「社食から花火」とすれば、季語が主役として残る。
梅沢永世名人 あ~良い。
夏井先生 でも、(作者の)お顔を見てビックリした。素晴らしい。

本人 ありがとうございます。

●解説のポイント
メール・携帯とは一言も入っていない
「社食」で花火大会に行けずに仕事をしている
花火を見る友達からメールが来たと想像させる
素材は良いが語順が逆の方が良い
手元の原稿から始めて最後に花火を残すべき
「音読」は子の宿題の空気感を思ってしまう
語った「下読み」を用いて本番に備える感じに
季語を主役に残す工夫
お顔を見てビックリ・素晴らしい

添削後
原稿 社食から花火



9位◆『月見草 文箱の底に 出さぬ文 梅沢富美男

【本人談】
女心を切々と出してるのは、あんまり好きではないもの。分かります?「月見草」。夜に咲いて、朝方にはしぼんでしまう。その月見草に引っ掛けた。お手紙に発想を飛ばし、自分でも朝「この手紙を出そうかな?」と思ったけどなかなか出し切れないものがある。文箱の中にしまっておいたら、底の方に残っていた。

本人 嫌いなんでしょ!?
浜田 いやいや。
本人 どうせ9位だから。
浜田 東さん、どう?
本人 言いますよ。
浜田 黙れ!(笑)東さん、どう思われますか?
東国原永世名人 これ、句集でも「ボツ」だと思いますね。あの、梅沢さんにしては平凡だったかな。「月見草」と「文」。
浜田 なるほど。

夏井先生 
褒めるべきは、「月見草」という季語を選んだことによって「どういう文か?」を想像させる。夜の密やかな感じ。
朝になるとしぼむ花のため、この手紙の内容も恋心のようなものを書き、迷って出さないままにあるというのも似合っている。
そこは褒めて良い。
ただ、出さない手紙が残っている発想は、俳句の世界では結構ある。
「月見草」と取り合わせることで、どこまでオリジナリティがあるかでやはり損をする。
これは上位には推しにくいタイプの句。
本人 じゃあ、私がパクったって言いたいのかい?
藤本名人 言ってませんやん、そんなこと。
浜田 先生、これでも直しは?
夏井先生 だから直す必要はないんだけど、普通なの(笑)。

本人 炎帝戦で「普通」って言うな!(笑)
藤本名人 「普通」。

●解説のポイント
季語で「どんな文か?」が想像できる
夜の密やかな感じが似合っている
朝になるとしぼむ花の季語
恋心なのか迷って文を出さないままにある
出さない手紙は残る発想は良くある
季語とのオリジナリティで損をしている
上位には推しにくいタイプの句
直す必要はないが普通の句

添削なし



10位◆『夏の雲 逝くな逝くなと 文字叩く 勝村政信

【本人談】
友達の奥さんの葬儀だった。晴れて夏の雲が凄く出ていた。結構広い葬儀場で、人が沢山外にも出ていて、みんな携帯を叩いていた。その時に、あの雲の方に向かうが、「もしかしたらメールだったら(気持ちが)届くのかもしれないな」と。そんな気持ちを込めて書いてみた。

夏井先生 
コイツだったのかと今、憮然としている(笑)。
10位と11位は(順位付けに)本当に迷ったんで、じゃあ「替えときゃよかったな」と(笑)。
藤本名人 まだ怒ってる。
夏井先生 「夏の雲」。
入道雲・雲の峰と人の生き死にのようなものを取り合わせる発想の句がないわけではない。
ただ、これは妙な切迫感がこの句全体にある。
最後の「文字叩く」は技術的に言わせてもらうと、決して上手いわけではない。むしろ、稚拙な感じする。
ただ、この稚拙さにリアリティが強く出ているのがこの句の一番の魅力、作品のとしての力だと思う。
ただ、「夏の雲」が妙に落ち着いている。
これは詠嘆した方が良い。「夏雲や」で「あぁ!」と空を見上げる。
見上げる視線に「逝くな逝くな」という想いで何かの文字を叩いている。
こういう風にすると、順位は微妙に変わるかもしれない。
まぁ、いずれにしても「コイツだったか」という思い(笑)。

本人 でも良かったです、ここに座れて。
浜田 これでも先生。10位ですけど、こっち入りましたから破門をそろそろ…。
夏井先生 あのね…「炎帝戦に残ったら破門解いてもいい」と言ってしまいましたから、ひとまず…解きますけど、あの~信用はしてません(笑)。
藤本名人 かなり根深いな。

●解説のポイント
コイツだったのかと憮然としている
10位・11位は順位付けに迷った
入道雲と人の生死を取り合わせる発想はある
妙な切迫感が句全体にある
下五は技術的に上手いわけではない
稚拙だがリアリティが強いのが作品の魅力
上五が落ち着きすぎているため詠嘆を
「あ~」と見上げる視線で何かの文字を叩く
炎帝戦に残ったため破門はひとまず解く
ただ信用はしていない

添削後
夏雲 逝くな逝くなと 文字叩く





★次回7/28は通常放送。兼題は「水族館」です。


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コメント

全体をみて

兼題とどれだけ向き合っているかを評価にいれてることを明確にされたからでしょうか?

兼題と向き合っているのが全体的に見てとれました。

選出されなかった二階堂さんが才能アリのレベルだったのが明確になってますから

11以下の句でもレベルは高かったのはわかります。


夏井先生や他の出演者の振る舞いが議論になってますが、

そもそもプレバトはバラエティー番組であるという前提を忘れてるように思えます。

もし夏井先生や他の出場者に対して批判されるのであれば

俳句以外の先生や出演者にも同じことが言える部分は大なり小なりあります。

確かに俳句がプレバトのメインではありますが、

他の査定の先生や出演者も一緒に批判してるということと同義であるということを忘れてはいけないと思います

つづきです

4位

東国原名人

季語と残りのフレーズの因果関係が強く感じてしまいました。

それは「今宵」と限定してしまう言葉を選んだからかもしれません。

詐欺メールは対処しなければ、四六時中無限に届くものです。

なので、「今宵」と限定してしまうと、「ロマンス詐欺メール」のほうが強く出てしまいます。

「羽蟻わく夜や」とカットを入れて句またがりにしたら、因果関係が薄れて季語がより強くでてくるのではと思いました。

5位、藤本名人
特定の業種の方の仕事を第三者の目線でみると句ですね。

これは2年前の冬のタイトル戦の

血を止めるゴム巻く手際冬あざみ

と通じるものがあります。

今回はそのリベンジといったところでしょうか?季語が合わなかった前回とは違って、季語を立ててる今回はお見事でした。

ただ恥ずかしながら「手配り」という言葉を知らなかったので、最初は「?」となっていたのが正直でした。自分だけかもしれませんが、あまり目にする言葉ではありません。

「手配や」
「手配す」

としたほうが読者に親切だったかなと思います。

6位
安藤さん

平場の出場者では最高位でしたね。コロナ以降の句としては類想なのは確かではありますが、平場の出場者の方には少々酷だったかもしれません。それを抜きにしてみれば個人的には一番好きでした。

上五の言い回しによって、作者がある程度の高齢者であることがわかります。それによって新しい光景である置き配に対する、「もののあはれ」というのが感じられました。

7位、千賀名人

かなり高等技術を要求されましたね。

原句だと「メール不達」の相手に対する心情が表現されてますね。
相手が好きだった花なのか?
心情がダリアの花言葉と合わさっていたのか?
想像が膨らみます。

下五が淡々としてたのが「や」という詠嘆とバランスが取れてないように思いました。

「が」と助詞をいれて
メールが来

してたほうが作者の心情が表されていたのでは?と感じました。

添削句だと作者の心情をより強く打ち出してますね。この場合は下五は原句の淡々とした書き方が正解だと思います。

個人的には原句のほうが好きでした。

8位
久代萌美さん

前回と同じくアナウンサーらしさがでてましたね。

この句に限っては夏井先生の指摘は的外れだなと思います。

「音読」が「宿題」を思い浮かべるとありますが、

「社食」という明確な場所の情報があります。その状況で「音読」するとなれば、状況はかなり限定されます。少なくとも「子供の宿題」を連想するはずはないと思います。

作者ありきではありますが、この場合は実際に声を出して読む「音読」に意味があるのですから、ここは作者の意図を汲むべきだったと思います。

9位、梅沢名人

普通でしたとしか言えないかな。

兼題の文化が付近する前の時代に発想を飛ばすのもワンパターンですね。

下位に沈まないために置きにきたのが目に見えてわかりました。
この句が梅沢名人の句だと夏井先生もわかっていたのではと思います。

内容には触れませんが、11位のかたせ梨乃さんの句の方がよかったように思えます。

10位、勝村政信さん

破門をとかれたことに安堵したことと思います。

下五ですが、「叩く文字」というのがスマホらしさが出ているのではと思います。

仮に昔のガラケーなら実際に叩くのはボタンであって文字ではありません。画面に表示される文字を直接叩くスマホだからこそ、現代ならではのリアリティが出ているように思うので、個人的にいえばこの下五こそ上手な表現だったように思えます。

添削では「や」と詠嘆してましたが、

個人的には「へ」と繋げたほうが、季語に対しての心情がより強くなるのではと思いました。

中七も「逝くな逝くな」と繰り返すよりは名前を具体的にいれたほうがよかったように思えます。

夏雲へ「◯◯◯逝くな」と叩く文字


11位以下の句に触れるのは今はやめておきたいと思います。

今回は

まずはトップ3のお三方から

3位
森口瑤子名人

議論すべき点があるとしたら語順と季語でしょうか?

前半と後半を逆にしたときに、定型にできます。(厳密にいえば下五が字余りになりますが、オノマトペなので)

ただ、そうして詠んだときにメールの煩わしさがあまり感じられないので、これは原句の語順で正解だと思います。

そして季語の選択ですが、これは読み手によって好みが変わると思ってます。

「シャワー」そのものは一年中あるもので、それが季語として機能するのは

汗をさっと洗い流すときです。元々は「行水」の傍題として使われるようになったものですから、

村上名人の指摘は的をえているのでは?と思います。個人的には無季の句として受け止めました。ここら辺が3位になった理由なのかもしれません。

2位、犬山紙子さん

前回の映像に心情表現を託す句から、一歩踏み出した感じですね。

ただ季語に心情を託す技術は見事でした。

前回の句でもでしたが、淡々とした印象になるのは句の終わりが

いる
見る

と動詞+「る」だからだなと思いました。今回だと千賀名人も同じ手法でしたが、犬山さんは作者の動作を表してますね。

犬山さんの特徴になりそうですが、逆にワンパターンにならないようには気をつけてもらいたいかもです。


初優勝おめでとうございます。

中田名人

これも議論が起こるかもしれないですね。

「産声を送る」とすれば定型にできました。それをあえて捨ててまで「送信」としたのはパソコンなり携帯電話なりの存在を際立たせるためだと思います。それによって、句には書かれてない受信する側の存在も明確になります。

また助詞を入れないことによる寸詰まりが、逆に出産の慌ただしさと呼応してると感じます。


余談ですが、

ドバイと日本の時差は5時間ほど、この句であれば日本は大体13時くらいでしょうか?それも踏まえて日本側の情報も膨らませてみるとより句の奥行きが広まるのではと思います。

さらに中東では

日が沈むところから1日が始まる

という考え方が一部にありますので、今まさに始まった命と「ドバイは大夕焼」というフレーズが見事に呼応してます。

中田名人がそれを知っていたかどうかはわかりませんが、地名の選択としてはドンピシャだったのではと思います。


一度切ります。

最後に拙句を詠ませていただきます。

旱星友の「いままでありがとう」

つづきです

5位 藤本名人
CMやバラエティ番組に出演する動物を手配する、動物プロダクション。詠み手側は撮影も終わったし、借りたアルパカを返す手続きをするのでしょう。アルパカの格好と雲の峰の取り合わせがイメージ的にもあり得るかと思いました。芸能人らしい句でしたが、共感できるかという点と「手配り」がメールと少し遠かったかもしれません。

4位 東国原永世名人
季語「羽蟻」はアリとシロアリのどっちの羽蟻にも使えますが、アリとシロアリは明確に違う生き物(アリは蜂の仲間、シロアリは御器噛の仲間)ここではシロアリの羽蟻でしょうか。家の壁などにに湧いてくるイメージの気持ち悪い虫ですが、家屋を蝕む実害がある存在。
この季語と、SNS等を通じてパートナーを見つけたい人の情につけこむ、ロマンス詐欺メールという言葉とが、変に取り合わせが良い感じがしました。

3位 森口名人
句の登場人物は「ぴこんぴこん」というメールの着信音に対して「シャワー中だってば」と答えてます。この答えは誰向けなのだろう?
浴室のすぐ外にスマホを置いている人物がいて、
メールをくれる相手というより、手放せないスマホそのものに答えているようにも見えます。
本当に大事な連絡(シャワーをすぐ止めるレベル)の受信音は「ぴこんぴこん」でなく、別な音を設定しているのか。意中以外のメール受信音に対して「シャワー中だってば」と言ってるのか。
個人的には、オノマトペ「ぴこん」を切り取りもっと深掘りしたい句ですが、ここまでとします。

2位犬山さん
恋を終わらせ(た、その上で)平日の海月(を)見る

恋という単語自体、心情表現にも繋がるので、おいそれと句は使えません(私の場合)。しかし、この句では恋を終わらせた上での心境が、平日の海月を見るという行為に託されている点。平日の海月ってなんだろう、どんな気持ちで見てるのだろうと考えると、なかなか面白かったです。

1位 中田名人
喜怒哀楽マダム、もしくは無冠の女王という感じがしていた中田名人。

調べそのものは八四五というより八九で読んだ方が整って聞こえますし、下五が五音の季語な所が破調に安定した着地をもたらしていると感じます。

内容としては、
産声を送信した人がいる。今時、映像も一緒かもしれません。その人がドバイ「は」大夕焼と言っているのだから、受信側はドバイ以外の別な所にいると空間が広がる(この助詞「は」が「の」になると、受信側もドバイにいても成立する)。季語から、日がなかなか暮れない、壮大な風景もある。そこに抱く感情は出産の済んだ安堵か、故郷に思いを馳せているともとれます。

また、コロナで帰郷の機会が減ったり無くなっている方にとり、ドバイと日本ほどでなくても郷里の祖父母に孫の声や映像を送って、喜んでもらったり、故郷を思ったりすることもあるかもしれない。そんなことも考えられた句でした。

今回は1位から4位までが破調もしくは自由律。定型でないことで句のインパクトが強まりますが、そこは応用であり+αの部分で、基本の調べが大事だと肝に銘じたいです。定型あるいはそれに近い句の中、可能性を感じたのは千賀名人の句で、「ダリアは緋」と最初からやっていたらランクアップしていたのかどうか。

なにより、流石に十傑の句となると季語を(傍題にされることはあっても)変更させられる程のことはなく、見ごたえがあったというのが感想です。

No title

正直勝村さんに対する「11位と替えときゃよかった」発言は看過できない、句が良かっただけに尚更
バラエティ番組という事を差し引いても、5年を経て正当な実力を以て炎帝戦に挑みに来た勝村さんに対しても、11位のかたせ梨乃さんに対しても失礼だと思う

今回はお決まりの毒舌にしても不当に吐かれている感が拭えなかった
確執があったとしても審査員としてそこに立っている以上は私情を捨てて偉業を称えるべきだったのではないだろうか?

タイトル戦の書き起こし本当にお疲れ様です。いつも通り句の感想やコメントを記させていただきます。

10位 勝村さん
家族か友人か、はたまた、ペットか。自分の良く知る命が死に瀕している。ラインあたりで容態の報告や、今自分が移動中でどこまで近づいているか、そんなやりとりをしている。私は電車を思い浮かべた。電車で連絡をとりつつ、ふと窓を見ると夏の雲があって、という。
入道雲と生死という取り合わせが他にもありそう、下五が上手くはないという点で10位なのだろうが、もっと上でも良いのでは、と感じもした。

9位 御大
出せなかった手紙でありメールが文箱やフォルダに残っている(未練)。この発想はあり得そう。この点、句全体を見ると平凡な句なのかも知れないけど、季語の本意を探り、句に使えるのはやはり御大の実力。

8位 久代さん
原句だと「花火」(が上がったので)「原稿を読んだ」と因果関係を感じることもできます。また、季語が句の半ばにあると他のフレーズの方が強く印象に残ってしまう。添削句がやはり良いかと。

7位千賀名人
「緋ダリアや」→なんとダリアの緋色であることか(詠嘆+切れ)
「ダリアは緋」→ダリアは緋色です(定義付け)
原句だとダリアは心情の喩えにも見えますし、ダリアを見て「メールが届きませんでした、というメールが来たなあ」と追憶にも見えます。「ダリアは緋」と添削されることで、詠み手の目の前にダリアがあって、その場所でメールが来たのかとも捉えられますね。
ところで、ダリア。花言葉に優雅だとか華麗といった良い意味もあれば、悪い意味もあります。移り気とか裏切りとか。この句の良かった点はこのダリアの存在感。

6位 安藤さん
似た季語に夕立(ゆだち)、驟雨といったものがあるなか、白雨を使ったのが軽やか。白雨は驟雨に比べると明るく薄い雲からの俄か雨となるので、明るい感じ。

6~10位だと、勝村さんの句が好きですね。千賀名人の句も捨てがたいのですが「不達」という言葉があまり聞きなれないので。

中田さん炎帝戦優勝本当におめでとうございます!
プレバトで比較的初期から出ている方の初優勝は心にくるものがありました…。
ミッツさん、円楽さん、岩永さん、松岡さん辺りもそろそろ報われて欲しい…特にミッツさん……最近は初優勝の方が続々と出ていますし、今回は10段でも永世名人すらも10位から外れる人が多々いました。
炎帝戦は、春夏秋冬の中で最も公平に順位が決まる大会でもあります。番組としてのバランス、盛り上がりも分かりますが、永世名人のシード権の可否含め、タイトル戦の形式の再考は是非して欲しい、と、一視聴者として思います。
(個人的には炎帝戦形式が1番理想ですが、流石に厳しいでしょう……。せめて、この際永世名人のシード権は無くして欲しい、と今回の大会を見て強く思ってしまいました。)

更新お疲れ様です

タイトル戦の更新は毎回大変になるかと思いますが、ゆっくり焦らず頑張ってください!

まずは何といっても中田名人の優勝ですね。
自分も最後の優勝者発表の時中田さんが映って感慨深くなりました。
御大の言う通りこれまでのタイトル戦優勝句のような強いインパクトがあるという訳ではないですが、例えるならインパクト「5」を複数個かけ算してそれを100以上に持っていくというような感じでしょうか。綺麗な大夕焼のような美しい句でタイトル戦を取ったのが中田名人らしい勝ち方だと思いました。
それ以外にもTOP3が女性陣で占められているのも初、平場からの参戦者も女性陣が健闘するなど、ランク外になってうなだれる男性陣とは対照的で面白い回になったと思います。

そして皆さんのコメントにあるのですが、ランク外の方の態度や御大や東国原名人の噛みつき方が不快という意見ももちろん分かるのですが、まあまずあの状態で人の事を祝うよりも自分がランク外に落ちた(しかも最低でも3人の平場に負けている)というショックで落ち込む方が大きいですし、そこを「そうだとしても紳士的に」というのはちょっと酷だと思います(それだけにそんな状況下でもちゃんと拍手していた横尾名人のメンタルが凄い)。
東さんにとっても中々こう「宿敵」と呼べるような人物がいない中で、2度も苦杯を舐めさせられた犬山さんはランク上天と地の差はあれど今後の展開的に面白い物になると思います(一時期の「志らく名人 VS 光ちゃん」みたいな形で)。
プレバトは確かに俳句という学問・技術を磨く場ではありますが、ただの「教養番組」ではなく「バラエティ番組」であり、ある意味では「プロレス」のような一面も持ち合わせています。夏井先生が毒舌を吐かず淡々と解説し、御大を始めとする人々が黙って素直に聞いているだけではここまで人気番組になることはなかったでしょう。
嫌な言葉や態度が不快という言葉もわかりますが、どうかそこは「『真剣勝負』の『バラエティ』」として理解してほしいなと、番組ひいてはバラエティ好きとしてお願いしたいと思います。

話がそれましたが、これで五段以上の人たちは全員タイトル戦優勝経験者となり、より実力が伯仲してきて面白くなってきたと思います。
秋の金秋戦はどうなるのか?それより先に御大が句集を完成させるのか、また3か月後が楽しみです。

初めてコメントさせていただきます

いつもブログ記事の作成・更新ありがとうございます。度々ブログ及びツイッターを拝見しております。

素人目線かつ拙い感想ですが、読んでいただけると幸いです。

ベスト3が特に良かったですね。
女性三名でくしくも「○子さん」が独占しました。


1位 中田喜子さん
御大は「普通の句」と仰っていましたが、確かに強烈なインパクトは感じられませんでした。
ただ、兼題に沿っている、季語を主役にしている、などを総合的に評価した結果、個人的な推測ですがこれが最も優れていたのだと思います。

2位 犬山紙子さん
正直ベスト15はおろか、呼ばれないと思っていた私の予想を裏切り、惜しくも連覇はなりませんでしたが好成績となったことに驚きました。
私も「見る」が気になったのですが、海月(を)見る(場所)→水族館と簡単にイメージできるから必要だと思ったのは私だけでしょうか。

3位 森口瑤子さん
タイトル戦でこのような砕けた言い回しが出てきて驚きました。
冬麗戦の「しゅぱんしゅぱん」を彷彿させます。


11位~15位で名人10段以上の方は策に溺れたように感じられました。

欲を言えば落選者の俳句が見られなかったのが微妙に残念です。
とはいえ、最後まで展開が読めず見ごたえがありました(テレビ欄に「ついにあの人が優勝!」というようなことが書かれていたので中田さんが来るかな…とは薄々感じていましたが)。

改めて、中田喜子さん優勝おめでとうございます。
長文失礼しました。

まぁ、なんだかんだ梅沢さんは中田さん呼ばれてからちゃんと拍手してたので礼儀自体は悪くないとは思います。コメントも、いつも通り不貞腐れてる感じで、その好き嫌いはともかく、いつも通りですし。
10段&村上は、普通にショック過ぎてリアクションも取れないって感じでしたね……その辺の、礼儀と悔しがりのバランスは難しい気がします。

何はともあれ中田さん、本当におめでとうございます!

No title

自身がいい結果が出なかった後は拗ね芸に転化。
梅沢さんにしてみればいつも通りにお約束をなぞっているだけで、悪気はないと思うんです。

ただ、通常回だと梅沢さんがトリですから、自ずと自虐系となるのにたいして、
タイトル戦だと他の人を巻き込む形になります。
今回でいえば中田さんと東さん。
拗ねる技術が足りないと不愉快に感じる視聴者が増えるのもやむを得ません。

中田さん優勝おめでとうございます。

No title

勝村政信さんの句がとても良かった。10位では低すぎるくらいに感じた。

ついに中田さんが優勝。
なんだかんだ村上さんかなと思っていたのでびっくりでしたが、とても嬉しかったです。
しかしバラエティとはいえ中田さんの句に対する梅沢さんの発言はただただ不快でした。
もう何年タイトル獲ってないの?って感じですし、同じ失敗何度もしたり言葉の誤用もあったり、1人だけ成長せずに停滞どころか下がっていってるようにしか見えません。
もう一生優勝できないんじゃないですか。

昨日のプレバト

名人10段勢(永世名人も含めて)が3人も11位以下になるといい、通常挑戦者が3人も10位以内にランクインするといい、大波乱の連発でしたね。(秋田テレビでは7月31日に放送済、福井テレビでは9月18日に放送済)

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