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【春光戦決勝】20220331 プレバト!!俳句紹介【ハプニング】

2022年3月31日放送 プレバト!! 俳句春光戦決勝戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
春の季節に行われる第6回春光戦決勝戦で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
●トーク集・講評・編集後記まで更新済みです。お待たせ致しました。

→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細 →編集後記

予選A・Bブロック記事
予選C・Dブロック記事
※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。

挑戦者:
<永世名人>梅沢富美男[158],<永世名人>東国原英夫[79],<名人10段★3>村上健志(フルーツポンチ)[65],<名人10段★1>藤本敏史(FUJIWARA)[76],<名人9段>千原ジュニア[72],<名人8段>横尾渉(Kis-My-Ft2)[56],<名人5段>立川志らく[51],<名人初段>森口瑤子[23],<2級>馬場典子[22],<3級>北山宏光(Kis-My-Ft2)[43]
※[数字]は挑戦回数


見届け人:中田喜子、向井慧(パンサー)、皆藤愛子
※玉巻アナの代理はMBS・清水摩椰アナウンサー
※村上名人は新型コロナ感染のためパネルでの出演



●兼題:ハプニング
ハプニングの兼題

※順位クリックでリンク内移動します。
※金秋戦のシード権は「1位のみ」と発表されました(理由:みなさんはもっと出来るはず)。
1位立川志らく名人5段影のような野良犬に桜ながしかげのようなのらいぬにさくらながし
2位森口瑤子名人初段馬の子に弄られてゐるアナウンサーうまのこにいじられているあなうんさー
3位村上健志(フルーツポンチ)名人10段★3光風や控え選手のペンの減りこうふうやひかえせんしゅのぺんのへり
4位横尾渉(Kis-My-Ft2)名人8段日曜の空港ホテル雪の果にちようのくうこうほてるゆきのはて
5位馬場典子2級青き日も苦き日もあり青慈姑あおきひもにがきひもありあおぐわい
6位藤本敏史(FUJIWARA)名人10段★1子供等の後ろの蜂のホバリングこどもらのうしろのはちのほばりんぐ
7位梅沢富美男永世名人長閑なり細くたなびく湯の放屁のどかなりほそくたなびくゆのほうひ
8位北山宏光(Kis-My-Ft2)3級刀折損続ける殺陣や花吹雪かたなせっそんつづけるたてやはなふぶき
9位千原ジュニア名人9段迫る電柱顔面5mmの春せまるでんちゅうがんめんごみりのはる
10位東国原英夫永世名人カンガルー泊めて2DK朧かんがるーとめてにーでぃーけーおぼろ
順位発表順:5位→6位→4位→3位→9位→8位→7位→最下位→2位→1位


■トーク集(各クリック)






●それでは順位別に見ていきます


1位◆『影のような 野良犬に 桜ながし 立川志らく
※汚れた野良犬を見てハッとしたことをハプニングとして詠んだ一句。 

【本人談】
「桜ながし」とは桜に雨が降って花びらが流れている。綺麗な桜の中に野良犬がただでさえみすぼらしいのに、本当に影のように犬まで風景になって綺麗に見えたという記憶があった。それが私の中でハプニングと思って、こんなふうに詠んだ。

東国原永世名人 志らくさんはずっと破調でずっと貫徹されましたけど、破調で優勝もあるんだと。努力は報われるんだと思いましたね。

夏井先生 
桜ながし」(※桜を散らしてしまう長雨)の問題から。鹿児島辺りの方言で桜が咲く頃の長雨をいう辺り(から広まった)。
ネット歳時記には出始めているのかもしれないが、ほとんどの歳時記にはまだ載ってない。
この俳句の挑戦の1つ目は、「桜ながし」という独特なまだあまり使われてない季語を定着させようとしている。
足して17音になる破調ではあるが、ジャンルとしては完全に自由律の俳句に思う。
絢爛に咲く桜の中、その桜を散らせる長雨が数日降り続いている。その中に佇んでいる影のような野良犬。
その野良犬に会ったことにハッとするハプニングの思いが読み取れはする。
薄墨色の影と薄墨色の雨と、その中に野良犬が一匹と、まさに絵のような作品。
薄墨色の絵画の中に「桜」の一字がポッと灯る効果も持っていると思う。
これを1位にするのは少し勇気が要るが、本人のやろうとしていることはちゃんと出来ているため、文句を言うわけにはいかないと思う。
直しは要りません。

浜田 志らくはん、素晴らしい。(最下位と予想しながら拍手を送る)中田さん悪いわ! 文句ばかり言うてて。
中田名人 素晴らしい(笑)。

●解説のポイント
ネット歳時記に掲載の季語を定着させる挑戦
ジャンルは破調より自由律俳句
薄墨色の影と雨に犬が入る一枚絵のような作品
「桜」の一字が灯ったよう
1位にする勇気を要した


添削なし


2位◆『馬の子に 弄られてゐる アナウンサー 森口瑤子
※中継現場でのハプニングを読んだ一句。

【本人談】
今回、YouTubeで昔のハプニング映像を見たら、まさに馬の子が新人のアナウンサーに尾をかみついたり、鼻面をつけたりして、何だかもてあそんでいるようなそのまんまを書いた。

馬場 いや~もう、春の季語とハプニングってのが本当に取り合わせ悪いなと悩んでいたので、しかも「アナウンサー」出てきたので。
浜田 そうなんですよ。
馬場 ねえ、凄いです(笑)。
ジュニア名人 これ、「馬」も入ってるから馬場さんが詠まんとね(笑)。
馬場 そしたら2位になってたのに。
浜田 何でやねん。

夏井先生 
「馬の子」が春の季語になる。
「弄られる」と何だろうと思って、最後の「アナウンサー」で場面がすっと立ち上がる語順も良い。
1点惜しいのが「弄られる」という書き方をすることで描写の軸足が「アナウンサー」に行く。アナウンサーが弄られていると。
主役は「馬の子」になってほしいのが、季語を主役に立てるということ。
馬の子がアナウンサーを好きでたまらない。「なつかれ」の後に「過ぎて」でダメ押し。
こうすると、馬の子の方に軸足が少し来る。そうすると、季語を主役に立てるというポイントがグッと上がる。

浜田 いやいや、これもお見事第2位でございました。

●解説のポイント
場面が立ち上がる語順が良い
中七で主軸が下五になるのが惜しい
「好いている」表情を出して季語を主役に


添削後
馬の子に れ過ぎて アナウンサー


3位◆『光風や 控え選手の ペンの減り 村上健志(フルーツポンチ)
※試合中、ハプニングが起きれば出番がやってくるかもしれない控え選手に発想を飛ばした一句。

【本人談】
自分は試合に出れないけれども、データを分析していたりとか、大切な役割を担っている一人なんだという思いを、控え選手のペンの減りという映像とそれに「光風」という明るい・ポジティブなイメージのある季語と取り合わせることで表現したという。

皆藤名人 やっぱりこの「ペンの減り」っていうここの、(指先の細かい)ここを句にするのがさすがだなと思いました。
梅沢永世名人 いい俳句だと思いますけど、「光風や」という季語がね、この言葉にはまってるのかどうか。合ってないんじゃないかなと思った。

夏井先生 
描写がキチンとできている。
どんなスポーツか細々書きたくなる展開だが、書かなくて良いことも彼は分かっている。

そして、この句の評価はまさにこれ「光風や」。「風光る」の傍題になる。
多分、村上さん自身は「や」で切りたいとか、詠嘆したいとか強い思いがあってなさったとは思うが、こっち側が「控え選手」のため、むしろ素直に「風光る」でも良いのではないかと思う。
梅沢永世名人 (偉そうにカメラ目線で自分を指さす)
夏井先生 どうしても「や」をつけたかったら、「春風(しゅんぷう)や」とか、「春風(はるかぜ)や」とか。
おっちゃんが何ウロウロしてんの、これ。何?(笑) 何で私、あんたに邪魔されんの(笑)。
梅沢永世名人 いやいや、先生…。私が一応指摘した通りですよね。
夏井先生 だから何?(笑)
で、「や」をつけたかったら素直に「春風(はるかぜ/しゅんぷう)や」という使い方もある。
多分、こういう説明をすると本人は「『や』が必要だった」とか、ウダウダ言うだろうと思う(笑)。
梅沢永世名人 アイツは言う。

本人 凄い良いと思ったんだけどな。何か3位なのに何かなぁ、もっといっぱい褒めていいけどなあ。何か…。

●解説のポイント
競技名が無いが描写が出来ている
「控え選手」なら「光風や」は微妙
季語は素直に「風光る」「春風や」で良い


添削後
風光 控え選手の ペンの減り』
風や 控え選手の ペンの減り



4位◆『日曜の 空港ホテル 雪の果 横尾渉(Kis-My-Ft2)
※予期せぬ春の雪で立ち往生するハプニングを詠んだ一句。

【本人談】
大雪のために飛行機が飛ばないため、(ホテルに)また泊まることになる。「雪の果」は今年の最後の雪という意味があって、日曜だがまた家に帰ったら頑張ろうという感じの句に。

北山 横尾さんって何かもう…ずっと破調のイメージだったんですけど。
浜田 ほうほう。
北山 今回ちゃんと五七五にまとめてきてるっていうので、勝負してるんだなと。
浜田 なるほどね。
東国原永世名人 これ「日曜の空港ホテル」ってのは、何のハプニングだったんですか。
本人 あの~、日曜日に帰る予定だったんですけど、雪で飛行機が飛ばなかったので、日曜にホテル泊まったという。
東国原永世名人 そういうことね。それがほしかったな~という感じがする。
浜田 それは、梅沢さんも同じ?
梅沢永世名人 はい、同じ意見です。ただ、日曜日に…。
浜田 同じなら結構です。はい、せんせーい!(笑)

夏井先生 
作品としてはできている。基本形通りにキッチリと入れてきていて、敢えて直す必要もない。
テーマである「ハプニング色」を少し入れれば、順位は変わってくる。
日曜日という曜日でハプニングを表現するのは少し無理があると思う。もう少し大事な情報を入れる。
「雪の果」は春の最後の雪のため、「春雪」(※春になって降る雪)という季語にする。
「春雪に閉ざされ」とここで1つ描写を入れる。
「空港ホテルの」で時間を1つ入れる。「夜(よ)」なら最終便が出なかったんだなとなる。
逆に「」と入れれば、今朝も飛んでくれないのかという感じになる。
こうやっていれば、ボーンと飛び越えていた。

本人 え~~!。できないすよ、こんなの~(笑)。
浜田 何なん。全員が何かざっくばらんに喋るよな(笑)。
藤本名人 だってそうですもん、一生懸命考えてなあ。

●解説のポイント
作品は型通りで完成している
テーマ性が「日曜」では表現されず
飛行機の飛ばない状況を時間帯で


添削後
 空港ホテルの夜(よ)
 空港ホテルの



5位◆『青き日も 苦き日もあり 青慈姑 馬場典子
※色々なハプニングがあった人生を詠んだ一句。「慈姑(くわい)」は春の季語で縁起の良い野菜。

【本人談】
青臭い失敗もあれば人生遠回りしたり、色んなことがあったなと思った。しかし、慈姑の中でも青慈姑は凄く良いもので、人生でそんなこんなあったけど、今の自分はお陰で楽しくいられるという思いを。

藤本名人 「青き日も苦き日も」で前半は説教臭いとこありますけど、「青慈姑」がくることによってちょっとカッコいい句に仕上がってんのかなんと。
浜田 梅沢さん、聞こえてますか?
梅沢永世名人 聞こえてます(笑)。
浜田 梅沢さん、ちょっと今左の耳がね…。
梅沢永世名人 中耳炎。
藤本名人 中耳炎。
梅沢永世名人 はい、中耳炎でちょっと鼓膜が破れちゃったんですよ。
藤本名人 汚い指で触ったんでしょ(笑)。
梅沢永世名人 馬鹿なこと言っちゃいけないよ。これはフジモン、よく勉強しなさい。「青」と「青」が(重なるのが)どうも気になるんです。この俳句の中には。「青慈姑」とくるのがちょっと気になるんです。
藤本名人 同じ色が二つきてるってことですか?
梅沢永世名人 何?(笑)
浜田 もうええわ。
梅沢永世名人 中耳炎だって。俺が喋った後から言えよ。
藤本名人 聞こえてますやん。
梅沢永世名人 俺の声が蔓延してんだ!(すぐ目の前の)ここで!
浜田 せんせーい!

夏井先生 
一見言い合っているだけに見えるが、今とても大事な議論が行われていた。
処世訓めいたフレーズの感じがプラス・マイナスで評価は分かれる。
おっちゃんの指摘した「青」を2つ入れるのも同じように評価は分かれる。
肝心の季語がちょいと取り合わせた感じで終わってしまうのが凄く勿体ない。
この物から出した方が絶対に得。青慈姑の後、例えば「ころん」なら目の前にころんと置いてある。
例えば「ほくり」なら食べている感じになる。これで描写になる。
この後の展開。これを短くまとめるのに難しく感じられたはず。
「青」ではなくストレートに「若き」とする。「日とは苦し」で音数が整う。
これで季語を主役に立てることが出来る。

藤本名人 上手ね。
本人 ね(笑)。
浜田 いやいや、でも馬場ちゃん初決勝で5位はやっぱ素晴らしい。よくやりました。
本人 ね。ありがとうございます。

●解説のポイント
処世訓めくフレーズ・「青」2つの評価は分かれる
季語の少し置いた感じが損
季語を主役に描写してストレートに詠む


添削後
青慈姑 き日
『青慈姑 き日



6位◆『子供等の 後ろの蜂の ホバリング 藤本敏史(FUJIWARA)
※蜂の大群がハプニングを予感させる一句。

【本人談】
「ホバリング」とは空中で静止していること。蜂がバーッと羽ばたいて止まっている。前で子どもたちが遊んでいるが、蜂にいることに気づいてない。この蜂は後ろに自分の巣があり、少しでも寄ってきたら「おい!刺すぞ」みたいな感じを表現したかった。

ジュニア名人 「蜂のホバリング」って、普通というか。だからちょっと前の「プレバト!!」やったら、これ凄い行ってたと思うんですけど。もうみんなが進歩してる中でのこれは、フジモン(の俳句の力が)がホバリングしてるな~という(笑)。
本人 誰が止まっとんねん。誰がその場で止まっとんねん。
梅沢永世名人 これはこれでいいんですよ。いいんですけど、「の」「の」「の」と来たところが、失敗だった。
浜田 あら。
梅沢永世名人 教えてあげましょうか、永世名人が。
本人 はい。
梅沢永世名人 (何かを言おうとする)
浜田 せんせーい!(笑)
向井 大丈夫みたいです。

夏井先生 ハハハ。
これはささやかな場面をちゃんと描写している。
ただ、「ホバリング」の描写は蜂の様子を表現するのに結構使われている描写でもある。
本人 知りませんもん!
夏井先生 そうですか。
おっちゃんの指摘を入れると、「ホバリング」が不要だと明確になる。
おっちゃんが気になっているのは「後ろの」の「の」のはず。
梅沢永世名人 はい。「を」に変えればいい。
夏井先生 偉いじゃないですか!時々偉いんですよ。「」にする。
後ろを鉢がウロウロしている。「を」だけで状況が書けてしまう。となると下五をどうするか。
「巣を守る」様子を敢えて言いたいなら、わざと擬人化して「防衛軍」とかにする。
本人 防衛軍?
夏井先生 うん。守っている軍。
後ろに蜂がいっぱいいて、うわ~って感じになる。
ここは"これにしなさい"という意味ではなく、こここそが創作の大事なポイントになる。
是非今晩考えてください、以上。

本人 いえ、次の予選のこと考えます(笑)。
ジュニア名人 お題出えへんから。
本人 大体、こんなお題が出るだろうなと予想しながら…だって、間に合わへんねんもん(笑)。

●解説のポイント
ささやかな場面の描写は良い
蜂の描写に「ホバリング」はありきたり
助詞「の」を1箇所「を」に替える
下五は創作の大事なポイント


添削後
子供等の 後ろ蜂の 


7位◆『長閑なり 細くたなびく 湯の放屁 梅沢富美男
※温泉につかった時のちょっとしたハプニングを詠んだ一句。

藤本名人 ん?

【本人談】
これは皆さん、読めばすぐ分かるじゃないですか。温泉場に行き、「やっと温泉場に来れた」という気持ちが、ふっとこの年齢になると下半身が緩む(笑)。ふっとおならが出た。パパパパパって、下からお湯が沸いてくるように、パパパパパと出てきた。これも長閑だなと。

本人 えっ!?この季語選んだ私の俳句、どうしてくれんだ!(笑)
浜田 「どうしてくれんだ」じゃない。
藤本名人 7位ですよ。
中田名人 梅沢さ~ん、ホホホ、ダメよ~(笑)。
向井 ダメみたいです。
藤本名人 ダメよね~。
東国原永世名人 「たなびく」って、雲とかが横にこう移動する…。

夏井先生 
そもそも「たなびく」という言葉の使い方を間違えている。
浜田 あ、やっぱ東さんが。
夏井先生 「たなびく」は雲・霧・煙などが横に長く漂う様子。
おっちゃんは、この放屁が何だか分からないが、ズルズルと自分の体を伝って、横にズルズルとたなびいているのを表現したいのかと思って、ずっと本人のジェスチャーを見ていた。
そしたら本人の手は確実に上の方に行くジェスチャーをしていた。
本人 屁が下に行くか!?
藤本名人 いやいや、違いますやん。
浜田 違う違う。
本人 下に行くか。
浜田 あの書き方が横に行っている感じですやん。
藤本名人 横って言ってなかったじゃないですか。
夏井先生 でもここで「たなびく」という言葉を使いたい思いはあるのだろうと。
それを活かす方法はありそう。「長閑なり」から先に描写にいくから分かりにくい。
浜田 」や「湯」。
夏井先生 その通りです。「湯」。誰が言ったんだ、今の?「湯」です。
藤本名人 浜田さんですよ~。
夏井先生 浜田さんですか!「湯」です。
「長閑なり湯」でお湯の中と分かる。
「たなびける」で、お湯の中を横移動。「放屁の泡」と映像を押さえてみる。
最後ぽこんと字余りの感じが泡の空気感になるのではないか。

本人 良い句ですよ!直されたら最高の句です。でも、もうちょっと考えてもいいんでないのか。
浜田 何でですのん。
本人 横に行こうが縦に行こうが7位は7位だろ!(笑)
藤本名人 どういうこと?
浜田 どんないちゃもんやねん。

●解説のポイント
横へ長く漂う「たなびく」を誤用している
動作ではなく「湯」を先に
字余りで泡の空気感を出す


添削後
長閑なり 湯たなび 放屁の


8位◆『刀折損 続ける殺陣や 花吹雪 北山宏光(Kis-My-Ft2)
※舞台中のハプニングを詠んだ一句。

【本人談】
舞台の本番中に刀が折れてしまうことはある。殺陣の中。幕は閉じられないので、続けることが大事になるが、そのシーンで花吹雪が舞っているという実話から。

梅沢永世名人 これはよくある句ですよね。ベタな句ですね。タイトル戦に出せるような俳句じゃなかったね。うん。
森口名人 その「花吹雪」が本当の桜の花吹雪じゃなくて、紙の花吹雪をどうしても思い浮かべてしまう…。

夏井先生 
ハプニング感はある。
頭「折損」と入るから、どうしても季語の力が鮮度が落ちてしまうと思う。これは語順が逆。
ちょっとだけ咲かせてみる。今、絢爛(けんらん)に咲いている感じ。
漢字で書いても良いが画数が多いため、「花らんまん」と書いてみる。これで桜の花が咲き誇っている。
「刀」は書かなくても良い。
本人 「殺陣」で?
夏井先生 そうそう。
「殺陣」ってあるから、折れるのは何かは分かる。
「折れて続ける殺陣シーン」とここで押さえる。
梅沢永世名人 あ~いい。
夏井先生 そうすると、そういう場面「舞台かしら」と腑に落ちる。

本人 「折損」と「殺陣」っていうのが、刀って殺陣でも使うからってのを楽屋で気づいたんですよ。根本的に違いましたね(笑)。

●解説のポイント
ハプニング感は○
語順で季語の鮮度が弱まり舞台の紙吹雪を思う
「刀」は「殺陣」で想像させる


添削後
 折続ける 殺陣


9位◆『迫る電柱 顔面5mmの春 千原ジュニア
※21年前、バイク事故で重傷を負った千原ジュニア。その壮絶なハプニングを詠んだ一句。

【本人談】
二十数年前の3月26日、暖かくなってきたので、ヘルメットをフルフェイス(マスク)から、半キャップに変えた。その日に車が出てきて(自分は)よけて、(顔面5mmに電柱が迫った映像の)ここまで記憶がある。この「5mm」というのは、フェイス(マスク)なら当たっているが、半キャップなんで(当たっておらず)ここまで記憶があって、意識がなくなって気づいたら病院に(運ばれて)いた。

志らく名人 これだけパッとみたらば、バイクなのか自転車なのか、それも思いつかずに何なんだろう?という風にちょっと疑問が…。
梅沢永世名人 その通りです。これはね、ジュニア。お前はね、俺を馬鹿にしてるからこういう俳句になるんだ!(笑)
本人 (立ち上がってお辞儀をし)師匠、お願いします!
梅沢永世名人 ちょっと分からない。説明聞かないとよく分からない。

夏井先生 
お話を聞いてない段階でこの俳句を読まされると、「5mm」の謎が読み手にどうしても残る。
よく、野球選手が(ボールが)スローモーションで当たる瞬間まで見えると言う。ああいう感覚に置き換えれば、臨場感が出るかもしれない。
迫る」が迫力が出そうでいて少しわかりにくい。
顔面が潰れたところから、いっそやってみたい。顔面が潰れたところからって変な言い方…。
藤本名人 自分で笑ってますやん(笑)。
夏井先生 すいません。
「顔面潰る電柱」。「5mm」は諦めて、ここから。
電柱がゆっくり近づいてくる感じ。
スローモー(※スローモーションの略として辞書に記載されている)に春」。
藤本名人 スローモー?
夏井先生 うん。
「に」によって、スローモーに電柱が近づいて来るあの季節は春であったという感じ。この「春」が少しだけ立ってくる。
ただ、せっかくなので、「5mm」を使いこなせるような別の案も考えてみましょう。

本人 うん、そうしよ(笑)。
浜田 おい、お前らちょっと今日は馴れ馴れしいぞ(笑)。
藤本名人 お前がやりなさいよ。

●解説のポイント
「5mm」が謎でバイク事故とは読めない
スローモーションで臨場感を出すべき
助詞「に」で動きを出す
「5mm」を使いこなす案も考えて


添削後
顔面る電柱 


10位◆『カンガルー泊めて 2DK朧 東国原英夫
※撮影現場で起きたハプニングを詠んだ一句。

梅沢永世名人 どうした?

【本人談】
三十何年前に番ほ組でカンガルーを使ってカンガルーボクシングをやった。夜中まで撮影があり、動物プロの方が急用で帰ってしまった。それで僕が(カンガルーを)部屋に連れて帰った。それで、部屋に入れたらカンガルーがじーっと見ている。僕もじーっと見ているが、寝不足で疲れもあり、意識が朦朧としてそんなような朧という。はぁ。

梅沢永世名人 いや…これが東さんの俳句だとは認めたくないですね。
浜田 あら。
梅沢永世名人 何でこんなことをしたのか。何でこんなことを考えたのか。それがハプニングです。
藤本名人 うん?
ジュニア名人 今のでいいですか。それで受け取りますよ、こっち。
藤本名人 コメントがハプニングですよ。

夏井先生 
「カンガルー」と「朧」という季語との取り合わせそのものは凄い魅力がある
ただ、「泊めて」「2DK」が具体的に書き過ぎて、逆にこういう体験をしていない人には「一体何があったんだろう?」とそこが伝わらない。
普通は具体的に書くことで映像化する。
例えば「2DK」とあれば「2」という数字が映像化してくれるという話は散々してきた。
しかし、この句の場合この2つの取り合わせを活かすのであれば、敢えてぼんやりとさせるべき。
潜在能力としては凄いと思っていた。誰だろうと思ったら、東さんだったと。
「泊めて」「2DK」は消す。
しばらく預かってと言われて預かった感じと。それが物凄く良い。預かっている。
預かつてゐるかな」。
朧の句として、こんな素晴らしい句はないと自分で直しながら感動している。
こうなってたら、今日はダントツの1位だったと思う。

本人 無理ですわ(笑)。

●解説のポイント
動物と「朧」の取り合わせは魅力的
「泊めて」以下が具体的過ぎて共感性を生まない
敢えてぼんやりと


添削後
カンガルー かつ 朧


★放送では1位前に発表された、次回2022年夏の炎帝戦のルールを発表
◆炎帝戦2022のルール◆
①参加資格は過去に1度でも才能アリを獲得した人物(才能アリ経験者・200名以上該当)
②俳句の募集は本日(3/31)から2か月間優秀上位者がスタジオ収録

兼題:
メール(スマートフォンの画面のメールアプリで3件の未読を表示する写真)
※俳句ポスト365のように投句して上位入選を争うタイトル戦のようです。


★次回は4/14放送、兼題は「満車の駐車場」です。


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コメント

今回も更新お疲れさまでした

正直、予選の方が面白く良い句が多かった気もします。兼題が難しかったというのもあるでしょうし、森口名人の季語を立てる工夫、村上名人の季語の選択といった、求められてることのハードルが高かったというのもあったのかな、と。

一方で4位以下は状況が分からない、助詞の選択がイマイチなど、ちょっとなあ、という感想です。

夏は下剋上のあり得る大会、もっと良い句に出会えることを期待しています。

No title

この場を借りて、志らくさんおめでとうございます!
自由律はやはり色々言われることもありますが、唯一無二の武器を活かしてブレることなく突き進む姿勢がついに報われましたね
私としてもこういった搦め手を使用するクセ者は一人はいてくれないと面白くないと思っているので、結果を示してくれて嬉しかったです

この優勝を受けてプレバト内ではもちろん全国各地で安易な自由律が増えてしまう可能性については少々不安ではありますが、これを機に新たな型に挑戦しようと思ってくれる人が増えるならばそれも悪くはないのかなと思います

今回も更新お疲れ様です

今回は非常に難しい戦いだったのが名人特待生の皆さんの苦戦ぶりから伺えました。
ジュニアさんの言う通り、エピソードトークには「起承転結」がある中で、俳句の17音に落とし込むとしたら「起承をベースに作りその後の転結を察してもらう」か、「転結をベースに作り、その前の起承を察してもらう」かというのがポイントではないでしょうか。
また、これまでであれば「兼題写真から連想してハプニング的描写をする」というのが逆に「ハプニングを土台にどういう題材にするか」という逆の発想を強いられたのも難しかったポイントかもしれません。
その中でも志らく名人の句は様々な挑戦を取り込みつつもそれがお互いを消しあっていない。「(散歩の途中で)影みたいに黒い野良犬に出会った」という起承転結を全部取り入れながらも光景を描く余白まで作り出せているのが凄いと思いました。タイトル戦に弱かったり自由律の是非についていろいろ言われていただけに、今回悲願のタイトルはやはり嬉しい物です。

そして炎帝戦のお題はメール。前回のTシャツ同様日常にありふれた物の題材なだけにどう発想を飛ばした句が出てくるのか。前回の犬山さんのような大下剋上は起きるのか?そして勝村さんはなんとか破門を解除してもらえるのか?2カ月間の戦いが楽しみです。

No title

今回、夏井先生の「十七音の器を理解しているか」という挑戦状だと感じました。
ハプニングを語るのには尺が要る、とジュニアさんは語っていましたが
ジュニアさん、そして東さんが一句に詰め込みすぎて失敗してしまわれました。

季語を立てつつ一瞬のシーンを切り取り、かつ読者にハプニングの全貌を暗示する。
今回の兼題は屈指の高難易度だったと思います。

続きいきます

5位、馬場典子さん

最初この句が5位で発表されたときには、今回は全体的に良いわけではないんだなと気づきました。正直、俳句というには抽象的すぎて、季語を入れる必要があるのかなと思います。

馬場さんは山菜の季語を扱うイメージが強いですが、映像をつくることを優先してほしいなと思います。

4位、横尾名人

オリジナリティがあまり感じられませんでした。雪で飛行機が飛ばないというのはありがちな材料ですので。また季語が動くのもありますね。雪関連の季語ならほとんど使えますし、また台風などでも充分通用しますので。

3位、村上名人

予選の句とは違い、第3者目線なので傍題を使ってまで詠嘆する必要があったのかが疑問でした。

2位、森口名人

シードがもらえなかったのは、ちょっと厳しいのかもしれませんね。

「馬の子」自体が特殊な状況を表す季語ですので、あえて比重をずらす必要があったのかと思います。

また添削句だと実際に撮影されてる状況かどうかも判断がつきにくいので、

この句は原句のままでよかったのではと思います。

1位、立川志らく名人

自由律というべきですね。自分の持ち味を貫き通すのはかっこいいと思います。

夏井先生がおっしゃっていたように絵の光景に近いので、

水彩画で書くと素敵な作品になりそうです。

光宗薫さんか辻本舞さんか、はたまたくっきー!さんかww


予選からも含めて、今回からは兼題の写真から発想を飛ばしすぎないという縛りもあり、

苦戦されたのが見てとれた決勝でした。

最後に拙句を詠ませていただきます。

雪に血が白樺の根に父倒れ

昨日のプレバト

次の秋のシード権が1位だけといい、東さん最下位といい、本当にハプニングの連発でしたね。(永世名人は基本永久シードだから、シード権から外れても問題ない)(福井テレビでは6月5日に放送済み)

・馬場さん
健闘しました。予選の句の発想をそのまま持ってきたという感じでしょうか。青慈姑を見ると若いときを思い出すといった感じでしょうか(5位の句の自解を聞けてないので想像になってしまいます)。今回は慈姑の描写がなかったことがマイナスになったと思います。そこの配慮があると順位は変わるのではないかと思いました。

・横尾さん
因果関係を避けるためにあえて情報を書かなかったのではないかと推測します。ただ、雪の果よりは春の雪という季語の方がしっくりきます。雪の果だと雪がもう降らないという情報も入ってきます。しかしこの句の内容から見ると、その情報はあまり関係ないといえます。個人的には添削後の「朝」が良いと思います。以前のゴンドラの句もそうですが、どこまで情報を書くかという難しさがあります。


・ポンさん
控え選手に注目し、そのペンの減りにクローズアップするあたりはやはり上手いです。ペンの減り、という表現で控え選手の並々ならぬ努力が伝わってきます。ペンのインクの減りのような形でVが流れていましたが、ペン自体の減りと読めるのではないかと思います。光風という希望に溢れた季語との取り合わせも悪くないと思います。春風よりは光風の方が言いたいことがより表現できると思いました。「や」でカットを切り替える、詠嘆するという意図も理解はできます。ここの是非が1位を逃した理由でしょう。

・森口さん
アナウンサーのハプニングですね。これは光景が分かりますし、馬の子の動きも伝わってきます。「アナウンサー」という現代的な言葉に対して「ゐ」という歴史的仮名遣いを使うのはどうかな?と思っています。原句も悪くないですが、添削句が素晴らしいです。

・志らくさん
初優勝おめでとうございます。唯一直されなかった句でした。桜流しという言葉は初めて知りましたが、「花の雨」とはまた違った光景のようです。「影のような野良犬」という表現が詩的で良いと思います。野良犬が影にみえるくらい桜のピンクが印象に残るということで、実は季語を引き立てる比喩でもあるわけです。「に」が適切かどうかはやや疑問が残りますが、優勝に加え、2連続でシードを勝ち取ったのは流石でした。

今回は9人の句に直しが入りました。そしてシードも1位だけ。個人的にはそれが一番のハプニングでした。

・東さん
2DK朧は少し無理があるでしょうか。その表現だと外の様子を表す「朧」という季語が生きないと思います。

・ジュニアさん
迫る電柱、だと電柱が倒れて自分の元に迫ると読めます。ここは「電柱に迫る」とするべきでしょうね。緊迫感と「春」という季節感との取り合わせに違和感があります。添削句は過去のことを回想しているような感じになりました。車かバイクでどこかにぶつかる時にスローになるのはドラマの演出とかでよくありますね。緊迫感を押し出して欲しかった句です。

・北山さん
3段切れがまず気になります。そして花吹雪が舞台の紙吹雪を想起させるという先生の指摘も最もだと思います。本人は舞台の紙吹雪のことだと説明で言っていた記憶があります。そうなると季語を立てるという面で少し損でしょう。

・梅沢さん
「たなびく」はアウトです。お風呂で放屁する経験はありますし共感はできるのですが、日本語の使い方に違和感が残る作品になってしまいました。「細く」は面白い表現だと思いましたのでこっちを残して添削して欲しかったと思いました。

・藤本さん
句としてよくできていると思います。後半の表現によって緊張感が伝わってきますし、蜂の映像と音を同時に伝えられていると思います。ただ、「の」が連続しているという問題があるのは確かです。ありきたりかどうかはなかなか分からないですね。藤本さんもお忙しいでしょうから、なかなか類想と言われても分からないと思います。夏の優勝以来ベスト3からも遠ざかっています。巻き返しに期待したいと思います。

個人的に決勝はあまり芳しくありませんでした。(句も態度も)
出演者の方々が先生に悪態をついたり、諦めを示すシーンが多かったように思います。
シード権は1位だけというのは非情ですが納得しました。

今回は

ハプニング続きですね

最下位、東国原名人

特殊な状況下の体験が仇になったといったところでしょうか?

テレビの撮影がわかる言葉があればよかったかなと

ロケ延長カンガルーを泊めた朧

9位、千原ジュニア名人

何年か前の春の予選の

顔面骨折カニューレの接ぐ春の朝

を焼き直しした感じですね。同じ材料を2つに分けるのは難しいかなと思います。

8位、北山さん

特撮好きとしては、刀無しの殺陣があるというのは主張したいですね。

とはいえ、撮影ではなくナマモノの現場なので、季語が弱くなったといったところでしょうか。

7位、梅沢名人

たまにやる、日本語の間違いといったところですか?VTR見てたら、波紋の映像が「たなびく」にあうのではと思いました。推測ではありますが、たぶん匂いが風に漂うことがイメージの先行であったのでは?と思います。

長閑なり波紋たなびく湯の放屁

6位、藤本名人

ちょっと運が悪かったかもしれないですね。よく使われてるフレーズというのも名人の課題でしょうか?

個人的には上五中七の漢字表記がちょっと重たいかなと思います。字面の表記を工夫するだけでも季語をより主役にたてられたのでは?

子どもらのうしろに蜂のホバリング

一度切ります

コンビニに車突っ込んでいる春昼

志らくはんが遂にタイトルホルダーになりましたか…長年決勝戦で下位に沈んできた過去を知る者からすると感慨深いです。


また今回は兼題から離れすぎているような句がなく、それぞれの俳人の個性が分かりやすくて楽しかったです。
桜の光景に黒い犬が飛び込んできた、空港ホテルで足止めされた、殺陣シーンで刀が折れた、カンガルーを家に入れた(!?)……実体験は良い俳句の種になる!


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