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20220203 プレバト!!俳句紹介【最終電車の表示】

2022年2月3日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→渡辺満里奈[6],哲夫[初],安藤美姫[2],柏木由紀[初],馬場典子[20],皆藤愛子[26],千原ジュニア[69] ※数字は挑戦回数

●お題:最終電車の表示
最終電車の表示の兼題

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点渡辺満里奈
しんとした駅前横切る孕猫しんとしたえきまえよこぎるはらみねこ
2凡人2位60点哲夫
(笑い飯)
寒月や終電灯火跳ねた粒かんげつやしゅうでんとうかはねたつぶ
3凡人3位50点安藤美姫
線路ゆき決する心余寒かなせんろゆきけっするこころよかんかな
4才能ナシ4位37点柏木由紀
(AKB48)
冴返るとんぼ返りの胸中よさえかえるとんぼがえりのきょうちゅうよ
52級へ1ランク昇格馬場典子
春遅々として渋谷駅はダンジョンはるちちとしてしぶやえきはだんじょん
6名人初段へ1ランク昇格皆藤愛子
悴める手のひらを刺す乗車券かじかめるてのひらをさすじょうしゃけん
7名人9段へ1ランク昇格千原ジュニア
春の駅白杖の傷夥しはるのえきはくじょうのきずおびたたし
→編集後記





●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 渡辺満里奈
しんとした 駅前横切る 孕猫

※「孕猫(はらみねこ)」とは春の妊娠した猫を指す春の季語。

【本人談】
春は温かくなって、色んなものがうごめいてきて生温い感じが気持ち悪い。その生温い気持ち悪い感じと孕猫の怪しい感じというイメージが浮かび、最終電車を逃してガッカリしている人を孕猫が横切って少し嘲笑うように見るみたいな映像が浮かんだという。

ジュニア名人 これはホント「孕猫」という季語が凄い良いですね。ねえ。わかんないですけど、中八じゃなかったらもっと凄い点数やったのかなと思います。

夏井先生 
これは語順に工夫があった。
「しんとした」という雰囲気以外は何もないが、「駅前」という場所が出てきて何かが横切り、最後「孕猫」という季語が出てきて、最後に季語にゆっくりと焦点が合っていく。
のっそりと歩く猫であるよと。お腹の揺れるような感じも見える。
勿体ないのは一点だけ。ジュニアさんが指摘した中七が中八になっていること。
これは「横切る」ではなく「よぎる」。これで7音になる。
本人 そっか~。
夏井先生 これでよいと思う。

浜田 なるほど。素晴らしい。才能アリ1位。
本人 良かったです。嬉しい。

添削後
しんとした 駅前る 孕猫


◆2位 凡人60点 哲夫(笑い飯)
寒月や 終電灯火 跳ねた粒

【本人談】
(電光掲示板の表示が)LEDで文字を形成していて、1個だけLED切れているとか見つけるのが好き。ホームの上を見上げたら、寒月という月が上にあり、切れているLEDが空に飛んで行って空に光っているみたいな。

西田 凡人ですよね。
本人 なんでやねん、お前(笑)。なんで?分からへんやんけ。
西田 これ言われて、まあそうやと思いますけど。全然そういう感じがしなかった。
ジュニア名人 この「跳ねた粒」があんまりよう分からんなあ。まあな、笑い飯→米→粒は使いたかったんやろな(笑)。
本人 そういうわけでもないですけど。

夏井先生 
これは後半になるほど意味が掴みかねる所はあるが、何か表現しようとする意志がしっかりあり、それを捉えようとしているのは読み手にちゃんと伝わってくる。
なかなか将来性があると思っている。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 ただ、これだけ読むと下五が霰のようなものか、LEDの粒か、そこが分かりにくいのがやはり損している。
「や」で切らずに「寒月終電」と畳みかけるしかない。月と終電という時間・状況がいっぺんに来る。
「灯火」が分かりにくい。本人が言った「LED」を俳句でも書いていい
何かと言ったら光の粒だと。
本人 はい。
夏井先生 ひかりの粒」と書いた方が良い。
これで、あなたの言いたいことに言葉がグッと寄ってくる。
17音にどれぐらい文字を盛ることが出来るかが分かれば、すぐ上手になると思う。
本人 ありがとうございます。ラジオの俳句添削のコーナー続けてもよろしいでしょうか。
夏井先生 あ、添削するのは10年早い(笑)。

西田 10年。
本人 (頭を抱えてうなだれる)10年早かったですか。
浜田 10年早かった。
本人 あら~、すいません。

添削後
寒月終電 LED 


◆3位 凡人50点 安藤美姫
線路ゆき 決する心 余寒かな

※海外でのフィギュアスケートの大会前に線路の横を歩いた実体験に発想を飛ばした句。

【本人談】
世界選手権の前に全くジャンプが飛べなくなてしまい、リンクで悩むよりたそがれて歩いてみようと思い、(線路の横を)歩いた実体験と冬で寒かったので季語「余寒」入れてみた。

ジュニア名人 今の話は凄い良いと思いますけど、今の話の内容を17音で詠めてるかといったら、そこまでは読んでる側が想像できないのかなという。

夏井先生 
今、話を聞いてこの字面だけを読んだ時に、線路を行き、決心するわけでしょ。私は飛び込み自殺をしようかしまいか、悩んだ句かと思えてしまった。
浜田 確かに。
夏井先生 「余寒かな」と中途半端に詠嘆することで、生きるか死ぬかという読みにいってしまう。
詠嘆をやめ、季語「余寒」からいく。「余寒なる」で"余寒である日の"。
線路のことを「鉄路」という言葉がある。鉄の冷たい質感が出てくる。「一本」と続ける。
「ゆき」なんて悠長に言っている場合ではない。「鉄路一本」とすれば凛々しくなる。
本人 うん。
夏井先生 最後「意を決す」。心を決めましたと。
そうすれば今の話に言葉がグッと寄ってくる。こう書けば、飛び込み自殺とか誰も思わない(笑)。それで良いと思う。

浜田 なるほどね。また次頑張って下さい。
本人 はい!頑張ります。先生、ありがとうございます。

添削後
余寒なる  決す


◆最下位 才能ナシ37点 柏木由紀(AKB48)
冴返る とんぼ返りの 胸中よ

【本人談】
AKB48で、コンサート・握手会で地方行く時には人数が多いため絶対に泊まらずに最終電車で帰らされる。いつもとんぼ返りをするのが切なくて、「冴返る」(※春の季語:春めいたのに寒さがぶり返すこと)というのが寒い・冷たいという意味があったため、自分の心と重ねて表した。

ジュニア名人 「とんぼ返り」ってこっち(→宙返り)もあるよね。バク宙みたいな。
本人 え?そうなったら全然違う。
ジュニア名人 いやだから、凄い嬉しいことがあって、とんぼ返りするぐらいの胸中かなっていう風に僕は思いましたけど。
浜田 なるほどね、馬場ちゃんは?
馬場 全体的に抽象的な言葉。映像として見える所がないっていうのが、もしかしたら気になりますかね。
浜田 あ~そうですか。皆藤さんちなみに?
皆藤 う~ん、でも「冴返る」っていうので、寂しさみたいなのが伝わるなって凄く思いましたけどね。
浜田 なるほど、皆藤さんそういうこと言うてくれるんですよ。
馬場 必ず良いとこ見つけて褒める(笑)。これは…ええっとね…。
浜田 もうええわ。

夏井先生 
これは、みんな(特待生・名人)が解説してくださった通り。
「とんぼ返り」(※①宙返り、②出先から用を済ませすぐ戻ってくること)には意味が2つある。
そうなると、ここをきちんとどんなとんぼ返りなのか書いた方が良い。
公演の仕事のとんぼ返りだと。「公演」と書くべき。「公演のとんぼ返り」なら旅程の方になる。
ここで「」(詠嘆「や」:上の言葉を強調する「!」のような効果)の詠嘆が出来る。
最後に「冴返る」とくる。
もう少し情報を入れることもできる。
「余寒」(※春の季語:寒が開けてもなお残る寒さ)という季語を入れた句があったが、駅が余寒の意で「駅余寒」とすると駅という情報と季語が入り、春の寒さも出てくる。
こういうことなんです、俳句って(笑)。

本人 もう言うことありません。出直してきます(笑)。

添削後
の とんぼ返り 冴返る』
の とんぼ返り 



★特待生昇格試験★

→3級・馬場典子は前回「居酒屋の定食鹹く鰯雲」で昇格している。
浜田 今日はどうですか?
馬場 特別チャレンジしたわけでもなく、守りに入ったつもりもないんです。
浜田 分かりました。

◆『春遅々として 渋谷駅はダンジョン 馬場典子

※「ダンジョン」とは地下牢のこと。ロールプレイングゲーム(RPG)などで迷路のような空間を指す。

【本人談】
まず「春遅々として」という季語が立春過ぎてもなかなか春がやってこない。でもどっちかというと、だからこそ春が待ち遠しい思い。(渋谷駅は)色んな所を再開発して迷路みたいになっている。迷宮みたいな。それが鬱陶しくもあり、ロールプレイングゲームの迷宮だと思うと楽しさもあり、再開発終わった時には、どんな世界になっているんだろうっていう春を待ち遠しいのと同じような…。

浜田 分かりますよ。渋谷駅はホンマに分からない(笑)。
本人 はい。
浜田 どこに何があるか。
ジュニア名人 電車乗るのに40分も掛かってた(笑)。
浜田 あははっ。
本人 え、電車乗られるんですか?
ジュニア名人 企画で行ったら地下降りて出て降りて出て(笑)。
浜田 (地下鉄銀座線が)地下やいうのに何で上にあんねん!
柏木 銀座線。
ジュニア名人 ハチ公が首ひねってへん(笑)。

★評価ポイント
「春遅し」→「春遅々として」にアレンジした是非

■査定結果
2級へ1ランク昇格

理由:内容に合った調べ!

本人 やった~!

夏井先生 
これ結構チャレンジしている。相変わらずチャレンジが好きな人だと思う。
この「春遅々として」まで引っ張って季語を使う。このやり方も1つのチャレンジ。
少し滞るような調べが、実は後半の"渋谷駅というのはまるで地下の迷路みたいだ"という自分の言いたい内容と調べをゆっくりと沿わせていく配慮がある。
ご本人がどっちを言いたいかという話で、1つアドバイスする。
「渋谷駅はダンジョン」を先にし、「春は遅々として」とここに「は」を1つ入れるとひっくり返す対句表現になる。
本人 わ~。そっちの方が100倍カッコいい。
夏井先生 一応書く。ここに「は」が入ることで「○○は××」「□□は△△」に。
対句表現も俳句の型の1つなので、ここまでやってくれたら、2ランク(昇格)いこうかという話になる。

本人 あ~。
浜田 でもでも1ランク昇格でした。おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。
浜田 次回も頑張っていただきましょう。

添削後
渋谷駅はダンジョン 春遅々として


→1級・皆藤愛子は「オリオンと重機の湯気と土煙」で前回昇格し、名人に王手をかけている。
浜田 今回、どうですか。手応えは?
皆藤 ちょっとね。背伸びしたりわけわかんない感じになりました。
浜田 あ、色々。

◆『悴める 手のひらを刺す 乗車券 皆藤愛子

ジュニア名人 ええなあ。

【本人談】
寒いホームで新幹線のチケットを握りしめて、角が手のひらをチクって刺すっていうところを書いた。

ジュニア名人 めちゃくちゃええ。
本人 (小声で)え?ホントですか?
ジュニア名人 これは上がりましたね。
本人 え?嬉しい。ありがとうございます。
ジュニア名人 これは上がったでしょ。3つないし4ついきましたね。
浜田 マジで?
哲夫 めちゃくちゃ上がるやん。
浜田 柏木さん、どう思うの?
ジュニア名人 アハハ、誰に聞いてんねん!(笑)
柏木 めちゃくちゃイイ!
本人 ありがとうございます。
浜田 「誰に聞いてんねん」もどうやねん。
柏木 聞いて下さいよ、私に。

★評価ポイント
動詞「刺す」の是非

■査定結果
名人初段へ1ランク昇格

理由:季語を生かした工夫!

本人 あ~!やった~!ありがとうございます。嬉しい。

夏井先生 
これは「悴む」(※冬の季語:寒さで手足が凍えて思うように動かなくなる)が季語になる。
前半「手のひら」まではごく普通。「悴む」ときたら指や手のひら。
「を」で何かと思わせ、「刺す」がこの位置にくる。
手のひらを刺すぐらいそのぐらい強い冷たさ・寒気かと一瞬思わせ、刺すのが「乗車券」であると展開する。
この展開が非常に上手かった。
こういうのを表現するには、乗車券の角など些末な所を書いた方が良いのではないかと迷う展開。
本人 はい。
夏井先生 「刺す」という動詞を信じれば、みな手のひらにその角を感じてくれる。
わざわざ角と描写しなくても伝わる。
そして、「手のひら」も「刺す」も皮膚感。「悴む」も皮膚感の季語。
最後「乗車券」が出てきたら、「悴める」に感覚が戻って、読み手はみんな作者と同じ体験を共有することができる。
いいと思う。直しは要らない。

本人 ありがとうございます。嬉しすぎる。
浜田 さあ、名人なりましたんで、次回からも頑張っていただきましょう。
本人 頑張ります。

添削なし


→名人8段・千原ジュニアは前回「手袋のまま割る箸の乾いた音」で昇格。今回昇格すれば10段へ王手となる。
浜田 いやもう、ジュニア8段。次9段、あっもう、いくでこれ10段。どうする?
ジュニア名人 いや~。ホンマどうしましょう(笑)。いや~、でも難しいなでも。
浜田 今日はでもどうなんですか?
ジュニア名人 今日はえ~~、ちゃんと…、手応えを感じております。
浜田 あら。さあ、じゃあ見てみましょう。

◆『春の駅 白杖の傷 夥し 千原ジュニア

【本人談】
春の新生活の新しい雰囲気の駅。みんな綺麗な感じで心も晴れやかにという感じの中、白杖の方が(駅のホームの点字ブロックを)そういう感じで歩いているが、(白杖に)傷が凄い。ここに来るまでに色んな思いや大変なことがある中、凛として歩いて前に進んでいるのを詠ませていただいた。

皆藤 「春の駅」という前向きな雰囲気のところと一歩一歩というのが凄く素敵だなと思います。
馬場 何といっても語順かな。段々、人生にまで深まっていくような。
浜田 なるほど。西田どう思う?
本人 誰に聞いてんねん!(笑)
哲夫 付き添いですから。
ジュニア名人 あの2人(→西田・柏木)だけはないわ(笑)。
西田 そっち(→最下位)より下ですから、僕は。

★評価ポイント
それぞれの単語の持つ言葉の質量のバランスの是非

本人 うわ~、もう。難しいこと言うわ。

■査定結果
名人9段へ1ランク昇格

理由:言葉の明暗を見事に操作!

本人 (立ち上がって)よ~し!
柏木 すごーい。
浜田 全員凄いな。
本人 ありがとうございます。
浜田 うわうわ、10段なるぞ、おい。
哲夫 めっちゃ上やん!
浜田 めっちゃ上やねん。
哲夫 ジュニアさん、そんな上の人やったんですね(笑)。凄い。

夏井先生 
まず季語の使い方から。
「春の○○」という使い方に否定的な考えを持つ俳人もいるが、この句の場合は成功している。
これは「春」という別れと出会いの季節であり、「駅」という別れと出会いの場所でもある。そんなイメージを一緒に出てくる。
「白杖」で人物・様子がこの単語1つで出てくる。
ここから。「傷」とクローズアップして、さらに「夥し」と描写をする。ずっとクローズアップ、丁寧な描写をした。
これにより、明るい「春」と「傷」という言葉の明暗のバランスが絶妙に取れている。
全部読んだ時、春という季節の中の一生懸命生きているそういう思いがこれだけの言葉でちゃんと伝わってくる。
まあとにかくジュニアさん、腕を上げたと思います。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 直しは要らない。

浜田 素晴らしい。今日、3人とも昇格したやん。
ジュニア名人 すげえ。
浜田 凄いですね。
ジュニア名人 このまま、梅沢さんが帰ってこないわけですけども(笑)。
浜田 その間に10段なっとけばね。

添削なし


★次回は2/17放送予定。俳句の兼題は「宅配便」です。






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コメント

銀座線で迷ったエピソード

こんにちは。この渋谷で迷ったエピソードはTV朝日、今年の「トリニクって何の肉!?」で浜田さんと梅沢御大コンビで特定の場所から渋谷で徘k・・もとい迷いまくって銀座線を探すロケです。

Re: 文法の誤りが気にかかったので

コメントありがとうございます。

ご指摘の箇所、訂正致しました。
勘違いしておりました。ご迷惑おかけしました。

> 馬場さんの句のコメントで後半は直喩だと書かれていますが、「渋谷駅はダンジョン」はお手本のような隠喩かと。

文法の誤りが気にかかったので

馬場さんの句のコメントで後半は直喩だと書かれていますが、「渋谷駅はダンジョン」はお手本のような隠喩かと。

今回は

千原ジュニア名人、柏木由紀さん、お二人のコロナ感染の報道が記憶にあるなかで、収録かいつなのか気になるところです。

お二人ともいまは療養解除にいたってるそうなので、ひとまずは安心ですが、

ほかの出演者の方々、特に浜田さんには健康が守られてほしいなと思いました。


句の感想に入ります、

最下位、柏木由紀さん

全く異なる意味を持った言葉をどう扱うかというのは名人、特待生にとっても課題かなと思いました。具体的な情報はやはりいれてほしいなと思いました。J-POPのように万人に共感されるように敢えて抽象的な表現にしたように思えます。


3位、安藤美姫さん
五七五にまとめようとするのが失敗した原因かなと思います。
上五「ゆき」が自分自身なのか電車なのかわかりにくいせいで、飛び込み自殺の句と誤解されるのだなと思います。

線路沿い歩き余寒の意を決す

2位、笑い飯哲夫さん

季語の選び方がいまいちかなと思います。季語の光と夜の情報が被る言葉がいくつもありました。個人的には月はいらないと思います
あと「跳ねる」という言葉にも色々な意味があり、どのように受け止めていけばいいのかが混乱を招きます。

LED「終電」の粒欠けた寒

1位、渡辺満里奈さん
中八もでしたが、上五がひらがな表記になってることで中七下五のほとんどが漢字になる結果、字面だけを見て上五の印象が強く、反面季語が印象にのこりにくいのがもったいないなと思います。

ただ、オノマトペの印象が強かった渡辺さんの新しい挑戦は感心しました。


昇格続きの昇段試験

馬場典子さん
原句の語順だと因果関係が若干感じられるような印象になります。
触れられてませんでしたが、夏井先生の添削は対句表現になるほかに、調べが定型に近づくということもあり、添削句の方がいいなと思いました。

皆藤愛子さん、改め皆藤名人

おめでとうございます。

句の感想に入ります。体の一部分の皮膚感覚だけに焦点をあてたのはかなり前の
シャンプーの泡伝う霜焼けの耳
を思い出しました。

ファンタジー路線の村上名人とはまた違う味わいのある、半径1m以内の句だなと思いました。

評価が別れるとするならば、中七「を刺す」という擬人化の是非でしょうか?

「手のひら刺さる」でも通じますが、これはご本人の感性を尊重すべきだなと思います。


千原ジュニア名人

かなり観察されてるなと感心しました。別の方のコメントにもありましたが、白杖は消耗品でもあるので、句の人物にとっては買い替える間近といったところでしょうか?

それを「春」に託すのが素晴らしいなと思いました。

もう一つ、素晴らしいのは「おびただし(自分のスマホだと変換されないのでご容赦を)」の漢字表記だなと思います。

ここら辺は自分の語彙力では表現できませんが、生々しいというかリアリティーを感じます。

またそう表現するということで、作者が第3者としての視点で視覚障害者を観察してるのもわかります。

ひょっとしたら10段どころか、村上名人や藤本名人を抜いて永世名人になるのかもですね。

最後に拙句を読ませていただきます。

終電の渋谷パリピの息白し

Re: タイトルなし

せせせせせ様

情報提供のコメントありがとうございます。
公式ホームページ確認の上、ツイッターには出演情報を掲載いたしました。
(放送当日の公開でないため、確認が遅くなってしまいました)

今後ともよろしくお願いいたします。

プレバトの出演者、番組サイトに載ってます!!

「寒月終電」は本人の意図から外れないように無理やり入れただけで、本来は良くないのでしょう。
もし"ハシ坊"で取り上げられたら「2句に分けましょう」と指摘されていたと思います

・哲夫さん
添削後の「寒月終電」の良さが正直よくわかりませんでした。「跳ねた」じゃなくて「跳ねる」にすると今まさに電光掲示板を見ているという状況が伝わると思います。個人的には説明聞く前にほぼ同じ映像を思い浮かべられましたが。

・馬場さん
「トリニクって何の肉」の浜田さんと梅沢さんのことを思い出し、思わず笑ってしまいました。「ダンジョン」によって迷路のような渋谷駅を楽しんでいる光景が伝わる点で隠喩が成功していると思いました。「春遅々として」という季語のアレンジ表現は度胸がないとできません。かつてポンさんも「夜は長し」とアレンジして高評価だったのを思い出しました。東さんも「山も笑ふ」とアレンジしてましたっけ。

・皆藤さん
あるある感を見事に俳句にしたというところでしょうか。「悴む」と「手のひらを刺す」が近いような気もしますが、確かに乗車券のチクチクする感じが鬱陶しいと感じることもあり、共感性が高く、リアリティがある点で近くても良かったかもしれません。乗車券で電車であることも分かります(飛行機だとチケットでしょう)。

・ジュニアさん
前回の雪吊りの句しかり、今年のジュニアさんの句は色々考えさせられます。白杖の傷の描写により、一生懸命生きていらっしゃる盲目の方の姿が目に浮かびます。そこに目をつけることが出来るのはやはり壮絶な過去を経験した心優しいジュニアさんだからこそではないかと思います。御大といい、ポンさんといい、ジュニアさんといい、ここに目をつけたか、とハッとするような句が多いこともプレバトの良さかもしれません。

今回のプレバトはジュニアさん、笑い飯西田さん、くっきーさん、ミサイルマン岩部さん(武将様)が出ていました。関テレでやっている座王のメンバーがたくさん出ていて面白かったです。ポンさんもいれば完璧。

次回もジュニアさんが参戦されるようですね。10段になれるか、楽しみです!

No title

今回も更新お疲れ様です。

今回も、まずは字面を見ての書き込みとなりますが、早めに出演者の方々のやりとりを書いてくださったおかげで、普段と違う角度から書き込みができるかもしれません。

一位の句
一読して中八がもったいない句。状況は頭に浮かぶのに。
夏井先生は「よぎる」の持つ意味をあまり解説されておりませんが、よぎるのは「掠めて通る」という意味があるはずで、「横切る」よりも猫の徘徊感が出る添削句でした。

二位の句
三段切れ。解消するために上五の「や」を「の」に直したとして、それはそれで、「の」で通用するなら初めから使えよ、となりますね。
あとは下五の「粒」。自分は、踏切で電車が通過するのを待っているとき、冬の雨を跳ねさせながら闇へ消えていく車体を思い出しました。こうなると、詠み手が伝えたい「ひかり」は欠かせなくなるものですね。

三位の句
踏切からの身投げを思ったら、夏井先生もそう思ったらしく、笑いました。やはり、添削句の「鉄」や「一本」は必要ですね。

四位の句
解釈だけすると、「温かくなったと思ったらまた寒くなった、とんぼ帰りするときの思いよ」となりますが、これ、詠み手が柏木さんだからすぐ「ああ、どっかに行ってすぐ帰ってきたんだな」となります。もし詠み手が内村航平さんや池谷直樹さんだったら、ますますよくわからない句になっていたと思います。

馬場さん
定型にする(もどして)みると、「春遅しダンジョンめける渋谷駅」、「春遅し渋谷駅てふ地下迷宮」くらいでしょうか。これを、漢文で出会う「Aと(に)してB」という言い回しに変換した句でしょうか。
これで、何が特になるかというと、「渋谷駅はダンジョン」と、格助詞一つで二つの単語をつなげることができ、詠み手の実感をよりストレートに伝えられます(「ダンジョンのような渋谷駅」、「渋谷駅というダンジョン」、「渋谷駅はダンジョン」、と三つ並べれば比較しやすいと思います)。となると、「として」に繋がる単語として「春遅くして」と「春遅々として」、どちらが良いかということになります。「春遅し」は、暦は春なのに、冬の寒さが残っていると感じている季語。そうなると、より「遅さ」を感じる表現は、やはり「遅々として」でしょう。
漢文っぽいの言い回しを、17音まで略さなければ、「春遅々として来ず。渋谷駅はダンジョンの如し」。これが全文となるかと思います。遅々として来ないのは春であり、工事終了であるよ、と詠み手は言っている。ここから鑑賞が始まる句ですね。

皆藤さん
皆藤さんと言えば「右肩に枯野の冷気7号車」。そしてまた、名人に昇格した句が「乗車券」と電車を想像できる句なのが奇遇。
かじかんでいると、ちょっとしたものが痛く刺さったように感じますが、それが「乗車券」とあるのだから、何か致し方なく寒い日に遠出を強いられている感触がするのは私だけでしょうか。

ジュニア名人
言えるのは、白杖とは、視覚障害の方の手やレーダーであり、いろんなものに触れたりぶつかるものであること。数年に一回は買い替える消耗品であるということ。これ以上は敢えてコメントしません。

後日、映像を見て何かありましたら追記します。ありがとうございました。

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