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20220106 プレバト!!俳句紹介【カーテンを開けた瞬間】

2022年1月6日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→福田麻貴[5],大久保佳代子[3],筧利夫[5],渋谷凪咲[初],森口瑤子[20],横尾渉[53],梅沢富美男[154] ※数字は挑戦回数

●お題:カーテンを開けた瞬間
カーテンを開けた瞬間の兼題
※カーテンを開けて日の光が注ぐ瞬間。清々しい朝、窓から見えるものを想像するなど多彩な方向で詠める写真。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位75点福田麻貴
(3時のヒロイン)
冬天よ母を泣かせて来る街かとうてんよははをなかせてくるまちか
2凡人2位55点大久保佳代子
(オアシズ)
日溜りで辿る僅かな年賀状ひだまりでたどるわずかなねんがじょう
3凡人3位45点筧利夫
東雲の空に挑みし初漁のしののめのそらにいどみしはつりょうの
4才能ナシ4位35点渋谷凪咲
(NMB48)
瞼をも突き抜け照らす冬の朝まぶたをもつきぬけてらすふゆのあさ
5名人初段で現状維持森口瑤子
昨夜よりも痩せたる母や日向ぼこよべよりもやせたるははやひなたぼこ
6名人7段で現状維持横尾渉
(Kis-My-Ft2)
凍空の窓をゴンドラ紅茶の香いてぞらのまどをごんどらこうちゃのか
7永世名人41句目に
掲載決定
梅沢富美男
縫い初めの楽屋朝日は母にさすぬいぞめのがくやあさひはははにさす
→編集後記






◆それでは順位別にみていきます

◆1位 才能アリ75点 福田麻貴(3時のヒロイン)
冬天よ 母を泣かせて 来る街か

【本人談】
芸人になるために、母を大阪において上京した。上京後の生活が厳しくて、深夜にネタ見せして朝までネットカフェで仮眠して、朝起きて「お母さんを置いてまで目指す夢なんかなぁ」とふと寂しくなったという。

梅沢永世名人 素晴らしい!
ゆめっち おお~。
梅沢永世名人 只者じゃないね、この子。
本人 えっ?
梅沢永世名人 「よ」から始まって「か」で終わるなんていうのは、なっかなかあなたその辺の人が作れる俳句じゃないよ。
ゆめっち あらら。
梅沢永世名人 これは素晴らしい俳句ですよ。
本人 えっ?
ゆめっち 大絶賛。
浜田 森口さん、どう思われます?
森口名人 いや~鳥肌立ちましたというか、読んで場面が全部浮かんでちょっと泣きそうになりましたここで。
浜田 へぇ~。はぁ~。

夏井先生 
久しぶりに本物の句が来たなと。そんな感じだった。
「冬天よ」ではなく「冬天や」と詠嘆する選択もないことはないが、「や」と「よ」の違いは何かというと、「よ」は呼びかける。詠嘆して呼びかけるニュアンス。
「母を泣かせて」で母を悲しませる状況がある。一体何かと思うと「来る街か」だけで言ってしまう。
泣かせてまで来る街であるのだろうか。最後の「か」は自嘲もあり、深いため息もある。
さらに、「街」の一字。町内などの「町」でではなく、「街」なので都会であることもこの一文字でわかる。
決して温かくない都会、そして何一つうまくいかない。
読み手の心に一気になだれ込んでくるような、そういう作品。直しはもちろんいらない。
さらに、昨年内のこの番組に出ていたら、間違いなく来週の冬麗戦には出場してもらいたい、それぐらいのレベルです。
素晴らしい。

本人 うれしい!
浜田 いや、おめでとうございます。
本人 めちゃくちゃ嬉しいです。
かなで 凄~い。
浜田 でも、それおちおちしてられへんよ、大久保さん200%わかってるから。
本人 あ、ヤバイ。
大久保 情景を書いてるんだけど、その奥に心情を忍び込ませてるっていうのもう1000%理解しました(笑)。ほんとにビックリした。
本人 吸収力が凄い。

添削なし


◆2位 凡人55点 大久保佳代子(オアシズ)
日溜りで 辿る僅かな 年賀状

【本人談】
元旦の日(→元日)の朝。年々、年賀状が少なくなっていく。数枚。それを窓から入る朝日のもとで、「この子と昔一緒に学校行ったな」とか記憶を辿るそのワンシーン。

梅沢永世名人 それは東君に褒められたから調子乗ったんだよ。
本人 えっ?
梅沢永世名人 「辿る」というここがダメ。使わなくていいじゃん、そんな言葉。
本人 何がいいんですか?
梅沢永世名人 えっ?
浜田 アハハ。
梅沢永世名人 急に言われても出てくるもんじゃないだろ(笑)。
浜田 横尾君はどう思うの?
横尾名人 僕も梅沢さんと一緒、「辿る」ですね。
梅沢永世名人 ほら。
横尾名人 年賀状のことをまんま言ってる。
浜田 ああそう。

夏井先生 
名人お二人が言ったことは本当に正しい。
俳句というのは、自分の心情をめんめんと説明するのではなく、映像を描くことで「あっ、この人は今記憶をたどっているに違いない」と「辿る」の部分は読み手に残しておいてあげるのが大事なポイント。
本人 なるほど。
夏井先生 例えば、映像にするヒント。
年賀状を広げる動作だとする。「日溜り」。ここは「に」。広げることを「広ぐ」。ここで意味が切れる。
"日溜りに何を広げているんだろう?"その答えが後半に出てくる。
「僅かな年賀状」。わざわざ「僅か」とあれば、かつては沢山来ていたのではないか
ということは年齢を重ねてお付き合いが狭くなったというのが、ここら辺でわかる。
気持ちを書くのではなく、映像を書く。
ここだけ気を付けたら、あなたは才能アリにいけます。

浜田 あら?
本人 今、100%…、200%理解できました(笑)。
夏井先生 素晴らしい。
渋谷 凄い。
梅沢永世名人 (喧嘩越しに)梅沢さんも分かってたんだ。これは夏井先生のお仕事だからわざと…。
本人 ちょっともう、夏井先生ので私完結してますんで大丈夫です(笑)。ありがとうございます。すみません、ありがとうございました。

添削後
日溜り 僅かな 年賀状


◆3位 凡人45点 筧利夫
東雲の 空に挑みし 初漁の

【本人談】
「東雲」は夜明け直前の状態で、水平線のあたりが(太陽が昇りそうな明るさ)。「初漁」が新春の季語で、(今年)初めての漁に挑んでいく漁師さんの気持ちを詠んだ。

梅沢永世名人 これただの、"初漁で漁師さんが朝早くに出かけていきました"ってだけの俳句なんです。
浜田 あ~なるほど。
梅沢永世名人 永世名人が見るような俳句じゃないんです!(笑)
本人 (多胎上がって)先輩、もうちょっとちゃんと言ってくれよ!(笑)

夏井先生 
一言でいえば、この句は「初漁」という季語を説明しただけ。
おっちゃんはそういうことが言いたいのだろう。たったそれだけなのに、よくもあんだけ言葉使うなと(笑)。逆に感心している。
「挑みし」が多分作者として凄く工夫して良い気になったというのは手に取るようにわかるが、これこそ言わない方が良い。
まさに「初漁」は朝だし、挑んでるしみたいなところ。
下五も「初漁の~」と後に続く表現で終わるため、この調べも損。
「初漁」としっかり詠嘆すべき。
渋谷 「や」?
夏井先生 「や」は"お~、初漁や!"とビックリマーク(感嘆符)みたいな感じ。
「初漁や」から「東雲(※夜が明け行く空)」で映像になる。夜が明ける間際の空。
「の空に」で挑まなくてよい。普通に「はればれと」はどうか。
直したところで普通の句です(笑)。

福田 え~!
大久保 厳しい。

添削後
初漁 東雲の空 


◆最下位 才能ナシ35点 渋谷凪咲(NMB48)
瞼をも 突き抜け照らす 冬の朝

大久保 ほう。
梅沢永世名人 うん~。

【本人談】
(朝起きて)カーテンを開けた時、朝日が眩しいため目を閉じるが、それでも眩しいのが伝わってくる。それぐらい朝日って偉大だなという。

森口名人 これ、「突き抜け照らす」がもうちょっと回りくどくない言い方が出来たら素敵だったかなぁって、ちょっと…。
梅沢永世名人 いや、これはね。渋谷ちゃんとは本当に去年、どこ行ってもテレビ局で会って…。
本人 はい。
梅沢永世名人 私も売れましたからねえ(笑)。なぜ梅沢さんに聞かなかったの?おっちゃんに。眩しいなら「眩しい」と書けばよかったのよ。
大久保 なるほど。

夏井先生 
をも」は俳句の言葉で言うと散文的(※詩的な情景に乏しい)な助詞の使い方になっているのが一点。
それから、最後「冬の朝」と書いてあるが、「朝日」と書けば「照らす」は不要になる。
わかる、これ?
本人 はい。
夏井先生 「をも」は散文的なので、変えたほうが良い。
上五は字余りになるが「貫く」という言葉は知っているはず。
「瞼貫く」で作者の言いたいことを表現するならそうするしかない。突き抜けなくて良い。
「冬の朝の」の後、誰かが言ったように「眩しい」と書けばよい。
本人 なるほど。
夏井先生 眩しさよ」と持ってくる。そうすると、言いたいことは伝わる。
浜田 そうですね。
夏井先生 ただ、みんな眩しいのよ、朝は(笑)。

添削後
 冬の朝の 


★特待生昇格試験★



◆『昨夜よりも 痩せたる母や 日向ぼこ 森口瑤子

【本人談】
母が亡くなる前にどんどん弱っていった。日向ぼっこを母と穏やかにしていたが、たった数時間前の昨夜よりも何かやつれた気がした。色んな思いがあったという。

梅沢永世名人 これ村上君を意識しちゃったからこんな句になっちゃったんですよ。
浜田 どういう意味や。
梅沢永世名人 もう、村上を捨てなさい(笑)。「痩せたる」ときたのもお母さん、元々痩せちゃったっていう、もう全部瘦せちゃったってこと?
本人 はい。
梅沢永世名人 あれ、昨日よりお母さん痩せたかな?(という風に感じた)ということなんでしょ。
本人 あぁ。
浜田 ああそうですか。
梅沢永世名人 村上を意識するからです。
本人 あははっ。
大久保 そうなんだ。
梅沢永世名人 村上よ!(笑)

★評価ポイント
「よりも」「たる」「や」の叙述の是非

■査定結果
名人初段で現状維持

理由:句と思いにズレがあるのでは?

筧 なるほど。
梅沢永世名人 村上が悪い。

夏井先生 おっちゃんの指摘は実はとても正しい。
ゆめっち あははっ。
夏井先生 「昨夜」は"よべ"と読ますよう。だから「よりも」で五音になる。
これは"さくや"か"ゆうべ"であれば「も」が要らなくなる。これは無い方がずっと良い。「昨夜より」で良い。
一番の問題は「たる」。「たる」は完了の助動詞で、痩せている状況が完了している意味になるが、今話を聞くと「痩せたような気がした」という意図。
「痩せしか」とすれば"痩せたのだろうか?"という感じになる。
「日向ぼこの母」と最後に「母」を残す。
梅沢永世名人 なるほどね~。
夏井先生 最後に「母」を残すことでもう一回母の背中をしみじみと眺めるような、そんな空気が出る。

本人 文法、凄い難しいですね。勉強します。
梅沢永世名人 小さいところで俳句を詠むから…。
浜田 (遮って)次回頑張ってください(笑)。

添削後
昨夜より 痩せ 日向ぼこ


→名人7段・横尾渉(Kis-My-Ft2)は昨年のタイトル戦は春に優勝、秋に2位と安定感がある。

◆『凍空の 窓をゴンドラ 紅茶の香 横尾渉(Kis-My-Ft2)

【本人談】
休日に窓を開けたら、お掃除のお兄さん(=オフィスビルなどの窓の清掃員)たちがゴンドラで降りてきて、それを(屋内から)ゆっくりと眺めているという感じ。

梅沢永世名人 いや、僕は違うことを読んだんです。ゴンドラのある所どこ?っていったら外国ですよ。
浜田 外国?
梅沢永世名人 あの、「バハキャーン!」とか歌いながら漕ぐ…(笑)。
浜田 外国?ヴェネツィア?
本人 (被せて)ヴェネツィア?
梅沢永世名人 ヴェネツィア、ヴェネツィア。
浜田 はあ。
梅沢永世名人 ヴェネツィアのゴンドラかと思いましたよ。
浜田 「バハキャーン」っていうのは何、それ?
梅沢永世名人 窓を拭いてるゴンドラだとはちょっと思えない。
浜田 あ~、なるほどね。

★評価ポイント
中七「窓をゴンドラ」の描写の是非

夏井先生 玉巻さん。
玉巻アナ はい。
夏井先生 (A・Bのうち)Aの方を渡してください。
福田 えっ?2つあるんだ。
玉巻アナ Aの査定結果、よろしくお願いします。
梅沢永世名人 今、怒ってたよ。
浜田 さあ、いきましょう。

■査定結果
名人7段で現状維持

理由:もう少しだけはっきりと!

本人 説明ですね。
(査定評後)
本人 あ~、なるほど。

夏井先生 
「凍空の窓を」。この「を」の使い方も上手い。優雅な句ではある。
問題はこの「ゴンドラ」にある。ゴンドラは色んなゴンドラがありすぎる。
それこそ、イタリアのヴェネツィアの手でこぐもの。飛行船、気球、観覧車もすべてゴンドラに当てはまる。
この句から読み取れる可能性が低いのが、窓を拭く掃除のゴンドラではないかと思う。
ちゃんとそれをお書きになるべきだと思う。
「窓を拭く」とどういうゴンドラかを書く。「ゴンドラ」で情景がわかる。
後半は「凍空の紅茶」で諦めるしかない。
窓の外でゴンドラが窓拭きをしている。凍空を眺めながら、紅茶を飲んでいる光景かなと。
もう少しだけ、誠実に言葉を選ばれるべきではないかと。
名人7段ですから。

浜田 あははっ。
本人 勉強しなおします。

添削後
窓をゴンドラ 凍空の紅茶
※事前に用意された査定結果が2種類あり、自解により決定。「ヴェネツィアの舟のゴンドラ」を詠んでいれば1ランク昇格だった。


★永世名人 富美男のお手本★



◆『縫い初めの 楽屋朝日は 母にさす 梅沢富美男

【本人談】
お袋が生きていた時、僕の女形の衣装は全部母が縫ってくれた。実に手が早かった。お客様からお着物の生地を頂く。そうしますと、母親がタァーッと縫って明日にはもう間に合う。その時に、朝日がサッと母親にかかってる。それを見た時に「有り難い」と思った句を読ませて頂いた。

森口名人 お母さまへの愛と感謝が最後の「朝日は母にさす」で感じられて素晴らしいと思いました。
浜田 なるほど。横尾君は?
横尾名人 他の人には見えないお母さんの優しさをこういう言葉使って表に出すっていうのは、梅沢さんの優しさかなって凄い思うんですけど、シュレッダーになるところも見たいですよね(笑)。
浜田 さあ、いきましょう。
福田 あははっ。

■査定結果
永世名人41句目に掲載決定

理由:映像だけで思いを伝えている!

本人 よっしゃ~!
渋谷 すご~い。
大久保 凄い。

夏井先生 
新年の季語が「縫い初め」。
新年の季語の現場として、オリジナリティ・リアリティどちらもしっかりある。
「縫い初めの楽屋」で意味の切れ目がある。楽屋で縫い初めをしているということは、舞台の衣装を縫っている、あるいは手直しをしていると。
そして「朝日」が出てくると、夜なべの徹夜の仕事だったのかもしれないと。
「朝日は」の「は」の強調もいい。まさに「母にさす」のだよと。
これは映像しか書いてないが、母への気持ちがこの奥にちゃんと詰まっている。
気持ちを言葉で書くのではなく、映像を描くことによってその奥にある心情を読み取ってもらう。
これがまさにそう。お母さんに堂々と差し上げても良い、佳句だと思う。
素晴らしいです。直しは要りません。

浜田 いりません。おめでとうございます。

添削なし


梅沢永世名人 この俳句が1億円ですよ!
浜田 ん?
梅沢永世名人 バンクシー富美男と呼ばれてこの俳句は…!
浜田 ええ句作ってええこと言われて何を言ってんの!?(笑)
大久保 なんだ?「バンクシー富美男」って。

★次回1/13は冬の3時間スペシャル。2021年の優秀者が参加できる冬麗戦の兼題は「人生ゲーム」です。



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コメント

冬麗戦

通常参加が4枠ですか…
勝村さんの蜩の句とか良かったので勝村さんが出ていい成績を残して犬山さんと特待生に昇格して欲しいですね。
御大やポンさんの久しぶりの優勝も見たい。向井さんが上位だと面白い(出るか分からないけれど)。

初めまして、プロキオンさんのブログを見てから各出演者のデータ集めが好きになってしまったハンターと申します。
さて、来たる冬麗戦のルールですが、番組表を見たところ

14人呼ばれる

でもランク席は10個しかない

ランク席に行けず、残された4句はお蔵入り

...という、とんでもない(一部テレビっ子にとってはドキドキワクワクな)ルールになっていました。

水野さん(プレバトの総合演出)、恐ろしいもの考えるなぁと思う次第です。

コメントに返信してくださりありがとうございます。

返信いただいてから、自分なりに調べましたが

「泣かせて」の場合、連体形にも受け取れます。

そうなるとやはり「来る」というのが現在形として、受け止めることができます。

そうなると季語に込めた気持ちが軽いものに感じてしまいます。やはり過去形の情報を明確にいれてほしかったです。

また別のコメントにもありましたが、

「泣かせて(まで)来る」という形で本来であるべき言葉をちぎった散文的になってしまいます。

そういう意味では、夏井先生があそこまで絶賛されるほどの句なのかと疑問に思います

No title

・一位
上五の「よ」と最後の「か」が上手いと思います。この二つの助詞で作者のマイナスの心情を表現できていて、うまくいかない自分の内面を映像を描くことによって伝えようとしているのが分かります。「母を泣かせて(まで)来る街だったのかな...」という感じでしょうか。上京か何かで母は必死に止めたのでしょう。

・森口さん
「たり」は完了だけではなく、存続の意味もあります。ですので解説に違和感を持ちました。解説では完了の意味しか取り上げていなかったと思います。この句の場合は「痩せている」という存続の意味で取ればそこまで違和感がない気もしますが、本人の解説で痩せているような気がした、とあったので、疑問の助詞「か」は必要だと思いました。ただ、日向ぼこと母の取り合わせは良かったと思います。日向ぼこをしている母の背中か横顔を見ている作者の何とも言えない心情が伝わります。

・キスマイ横尾さん
「窓をゴンドラ」だと窓越しにゴンドラが動いている、スキー場かどこかの食堂で詠んだ句だと思いました。窓を拭いているゴンドラの事だと聞いて、寒い中窓を掃除している情景と作者が暖かいビルの中で紅茶をたしなんでいる情景の対比を狙っているのだろうと分かりました。その対比の意図がいまいち伝わりにくかったのかなと思います。

・梅沢さん
「にさす」がどうも説明的に思えてしまいます。「朝日は母に(へ)」というだけでもう言いたいことはいえていますので。「楽屋朝日は」と中7が漢字だらけなのも気になります。せめて「楽屋の母に朝日さす」の方が字面的によろしいのではと思います。ただ、朝日がさす、という描写だけなのですが、作者の底にある母への思いは十分伝わり、新年にふさわしい句であると感じました。

映像だけで思いを伝えるという意味では、何年か前の村上さんの「八月の機内に点る読書灯」という句が思い浮かびました(個人的にこの句はプレバトのベスト3に入るほど好きな句です)。

そして梅沢さんはどうしてそんなにも村上さんのことを攻撃したがるのかよくわかりません。自分とは違う作風でも、自分が嫌いな作風でも村上さんらしい世界観を本人の持ち味として尊重してほしいです。梅沢さんが村上さんを批判する件はもう飽きました。

No title

更新お疲れ様です。
1位の福田さんの句に対するゆうさんの添削例について意見を述べたいと思います。

まず「来る」と「来た」についてですが、「泣かせて」が過去形であり、「来る」が現在形(現在から見たら過去の事ですが、この句の心境当時としては現在)である一方、「来た」となると過去形が連続してしまい「母を泣かせて来た街」→「母親の事を泣かせてきた(水商売か何か?)街」と読まれる可能性があると思います。

「置いて」と「泣かせた」については「置いて」だと例えば親都合(病気や用事など)で置いて行ったかもしれませんし、どこか淡々とした雰囲気が見られますが、「泣かせた」という言葉には明らかに母に反対や心配をかけたという感じがあり、母親側の心情を察することもできます。

事実そのままを書くというのももちろん大事ですが、夏井先生の添削例にも時に実際の事実を少し脚色した例もありますし、そこは詩として多少ドラマチックに色を付けるというのもアリではないかと思います。

今回は

まずはあけましておめでとうございます。本年もコメントさせていただきます。よろしくお願いします。

変則的になりますが

「母」のお三方から

1位、福田さん、

予告で期待してたのですが、正直わかりませんでした。

違和感を覚えたのは「来る」というのが現在の形に受け止めることができるため、解説と一致しないですし、

上京してそれなりの期間になってるはずなのて、「来た」が正解のはずです。

「泣かせて」も作者が泣かせてるのか?が疑問になります。「置いて」と解説にあるのですからそちらを使えばよかったのにと思います。

冬天よ母置いてまで来た街か


現状維持 森口名人

別の方のコメントにもありましたが、最初はダイエットをしてる人の描写にも思えました。

痩せ痩ける(やせこける)の痩けるでも意味は伝わりますし、ネガティブな心情を映像に託す意味ではそちらのほうがいいかなと思いました。

昨夜よりも痩けたかに母日向ぼこ


掲載決定の梅沢名人

中七の「は」の助詞の使い方がお見事でした。

例えば「が」でも意味や心情はそれなりに伝わりますが、

限定的な意味をさす助詞を使うことで、「母」への尊敬がより伝わりました。

2位、大久保さん

「辿る」もでしたが、「僅かな」も誤読の可能性があるかなと。交遊関係の少ない人の句だと思いましたので、

ご本人の解説だと携帯電話などの発達で「僅かな」だったようなので、あえて「葉書の」と入れてもよかったのではないか?と思いました。本来であれば「年賀状」は葉書なので不要と判断されるかもしれませんが、

自分も含め、葉書の年賀状を書く人が少なくなってきた時代なので、交遊関係や送った人の人物情報もいれられるかなと

日溜まりに広ぐ葉書の年賀状

3位、筧利夫さん、

久しぶりにでた、「季語の説明」というやつでしょうか。全部が季語に含まれてるので、季語を信じてほしかったですね。

最下位、渋谷さん

詩を書こうとする意思は伝わりましたので、凡人でもよかったように思えました。

目をとじてなほもまばゆき冬の朝


最後に拙句を詠ませていただきます。

何度目の「あけおめ」コンビニの七日

あけましておめでとうございます

今年も字面を読ませていただいてからの視聴です。

1位
季語「冬天」は「冬の空」の傍題。ただ、他の「寒天」「寒空」「凍空」だと如何にも寒ざむしい感触だが、「冬の空」「冬天」だと、曇りや雪で寒ざむしいだけでなく、寒くも澄み渡っている意味とも取れる。「母を泣かせて」とあるので、親元を(恐らく反対を振り切り)出て来て成功していない中、ラストの「か」が疑問(母を泣かせて出てきたが、その価値のある街だろうか→冬天は寒ざむしい)か、詠嘆か(母を泣かせて出てきたこの街であることよ→冬天は寒くも透明で眩しい)。冬天は疑問も詠嘆も受け止めてくれそう。
(番組を見て)「冬の空よ、(ここは)母を泣かせて(までして)来る(価値のある)街だろうか」と、素直に読んで良い句で一安心でした。

2位
動詞「辿る」は探り求めたり(ルーツをー)、決まったルートを順に行く(家路をー)こと。少ない年賀状に対して使うワードではないかと。また、やはり「で」が散文的なのではないだろうか。

3位
初漁に「挑む」という動詞の要素が入っているとみました。ならば動詞を消して、景色を書けと言われたのでは?

4位
35点の才能ナシはまだ優秀。「をも」が散文的で、「照らす」が嫌われワードと見ました。

森口名人
夏井先生の「俳句鑑賞の授業」を読めば、原句と添削句の違いは一目瞭然。
原句「昨夜に比べて痩せている(たる、なので、今そうなってしまっていることは確定)母であることよ、日向ぼっこをしている」
添削句「昨夜に比べて痩せただろうか?(痩せたように見える、という主観が入る)日向ぼっこをしている母は」
お年寄りは小さく、痩せていきますね。それを見て心配する気持ちがより表れているのは添削句。原句だと「ウェーイ、お母さん昨日より少し痩せてるね」と喜んでしまっているようにも。

横尾名人
うーん。添削句、窓拭きのゴンドラ(野外の労働)と紅茶の香りを楽しむ室内の差ははっきりしたけど、詩的でなくなった気がするのは私だけ?

御大
旅回りの楽屋であろうか。母が1月2日から縫い物をしており、そこに朝日がさしている、そんな光景が思い描かれた。
御大といえば小学生になったときに親元から祖母の家に預けられたはずで、小3あたりからは親に会うと離れたくなくなるので会うことを止めたとか。と、なると、この句は楽屋の母の様子を見た頃の記憶の句か。目蓋の母、という奴であろうか。
(映像を見て)
御大が女形になってからの記憶の句でしたか。ともかく、今回は全体的に御大の喋りも好調な感じでした。

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