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20211216 プレバト!!俳句紹介【ヒートテック】

2021年12月16日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→トシ[初],ゆうちゃみ[初],徳光和夫[8],原田龍二[3],北山宏光[40],村上健志[61],梅沢富美男[153] ※数字は挑戦回数

●お題:ヒートテック
ヒートテックの兼題
※ユニクロ「ヒートテック」は季語ではない。汗などの水分を吸収して発熱する肌着。ここ数年ですっかりお馴染みに。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点トシ
(タカアンドトシ)
着膨れてスープカレーの香りたつきぶくれてすーぷかれーのかおりたつ
2凡人2位60点ゆうちゃみ
落葉風渋谷を闊歩生脚でおちばかぜしぶやをかっぽなまあしで
3凡人3位50点徳光和夫
悴みがふと懐かしきティショットかじかみがふとなつかしきてぃしょっと
4才能ナシ4位35点原田龍二
着心地にあぁ身を捩る冬麗きごこちにああみをよじるふゆうらら
53級で現状維持北山宏光
(Kis-My-Ft2)
衣装替え耳元爆ぜる静電気いしょうがえみみもとはぜるせいでんき
6名人10段★2へ1つ前進村上健志
(フルーツポンチ)
冴ゆる夜やショウウインドウに黄の鞄さゆるよやしょうういんどうにきのかばん
7永世名人40句で掲載ボツ梅沢富美男
薄明り杜氏のすする粕の汁うすあかりとうじのすするかすのしる
→編集後記





●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 トシ(タカアンドトシ)
着膨れて スープカレーの 香りたつ

【本人談】
北海道でのロケが多い。街ぶらロケで結構着込んでロケしていた時に、ちょうどたまたまスープカレー屋に入って、スパイスの香りを嗅いだだけで「あ~、結構暑かったな。着膨れしているな」っていうのを感じたというそれをそのまま詠んだ。

梅沢永世名人 素晴らしい。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 「着膨れ」と「スープカレー」、組み合わせたところが素晴らしい。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 これは間違いなく1位でしょう!
浜田 いや、1位ですよ(笑)。
本人 頂いたんですよ。

夏井先生 
とてもシンプルに体験をまとめた。
「着膨れ」で寒さ、皮膚の感じ。「スープカレー」が出てくると、味覚、温かさ(=触覚)が伝わる。
そして、「香りたつ」で念押しして嗅覚。スパイスの匂いが香り立ってくる。
五感をとてもバランスよく刺激しながらちゃんと着膨れという季語を主役に立ててくる。
こういう風に、実感をストレートに書くのが一番上手くいきやすい。
直しはいらない。

本人 ありがとうございます。

添削なし


◆2位 凡人60点 ゆうちゃみ
落葉風 渋谷を闊歩 生脚で

徳光 いいな。

【本人談】
ギャルは生脚がマスト。落葉風が吹くようなくらい寒い中でも我慢をして渋谷を歩く。

北山 まあ語順としては逆かなって。
本人 ほんとですか?
浜田 「生脚」の方が先の方がいいと?
梅沢永世名人 うん。
本人 へぇ~。
北山 「生脚」の方が先…。個人的には生脚は嫌いじゃない(笑)。
浜田 知らんがな!
本人 あ、嬉しい!
浜田 そんな意見はええねん。

夏井先生 
技術的につたないところはあるが、やろうとしていることは良い。
本人 あ~、嬉しい。
夏井先生 ただ、北山さんが指摘した「生脚」からは正しい。
「生脚の闊歩」で、生脚のアップから。それが勢い良く歩いている。
本人 迫力ある!
夏井先生 そうそうそうそう。
本人 迫力ありますね。
夏井先生 分かってるじゃないですか。
本人 ええ~、嬉しい。褒められた。
夏井先生 書きなさいよ!(笑)
本人 はい!書きます。
夏井先生 「渋谷の落葉風」と最後に季語を持ってくる。
梅沢永世名人 あ~いい!
本人 カッコいい!
夏井先生 こうすると、アップの闊歩でカットが切り替わり、渋谷の街が映像に映り込み、そこに「落葉風」という動きが出てくる。
本人 すげぇ!
夏井先生 このメカニズムが分かったら、才能アリにいける。

本人 俳句楽しい!ほんとに。わあ~嬉しいです。ありがとうございます。
浜田 分かりました。

添削後
生脚 闊歩渋谷 落葉風


◆3位 凡人50点 徳光和夫
悴みが ふと懐かしき ティショット

浜田 なるほど。
梅沢永世名人 あ~そうか。

【本人談】
ゴルフは昔厚着をしてやっていた。ティーショットの時は手がかじかんで昔は「はぁ~」と息を吹きかけた。ヒートテックを着用するようになってから、「あれ?手がかじかんでない」と。これはヒートテックのお陰だと。そんな懐かしさを感じて。

梅沢永世名人 さすがに、徳光さんが考えた俳句だなという感じがしますもの。ただね、1つダメなところがあるの。「ふと」。これね、結構皆さま凡人の方が使う言葉なんです。「ふと」。これ、きっと夏井先生言うと思うんだよ。

夏井先生 
おっちゃん偉いですね。ホントにその通り。
この「ティショット」の一言で、ゴルフの現場だと分かる。これが映像を作っている。
勿体ない凡人に足が残っているのがこの「ふと」。
2音足りない時に「ふと」。3音足りない時に「少し」というのが凡人が使いがちな音数調整になる。
懐かしいものを自分で数え上げるような「ものづくしの型」と呼んでいる。
"何々なものにこういうものがあります"という型に持っていくと割ときれいに入りそうな気がする。
諸悪の根源の「ふと」はさっさと帰って頂く(笑)。
「懐かしきものに」でものづくしの言い方になる。「悴むティショット」とくる。
懐かしいものは色々あるが、「私にとっては悴むあのティーショットだな」というそういう味わいになる。

本人 素晴らしい解説ですね(笑)。

添削後
懐かしき  ティショット


◆最下位 才能ナシ35点 原田龍二
着心地に あぁ身を捩る 冬麗

梅沢永世名人 ふふっ、あはは…。
浜田 めっちゃ笑うてるやん。

【本人談】
冬ののどかな朝に、肌着を身にまとった時の気持ちよさを書いたつもり。

村上名人 「あぁ」とか…、「身を捩る」とか。すごい、やれてる感あるじゃないですか。やれてる感があるんですけど、大袈裟じゃないですか。
浜田 永世名人お笑いになってましたが、どういうことでしょう。
梅沢永世名人 いやもう、「着心地」って何を着てたんだって思いますよ。コートなのか、洋服なのか。それで「冬麗」。この季語はあまり映像の無い季語なの。だから、この俳句どこをとっても良いとこ1つもない(笑)。
トシ めちゃめちゃ言うじゃないですか。
梅沢永世名人 よく35点もらえたと思って。

夏井先生 
いやもうホント、読んだ瞬間に一体何を着てるんだろう?この人はと。
しかも、最後の「冬麗」はおっちゃんも言ったが映像を持たない季語
着ているというより「心地」で身を捩っていて「冬麗」。読み手に具体的なものが提示されない。
せめて肌着と入れるだけでも、この季語が多少活き始める。
「あぁ」とか言ってる場合ではなく、「身を捩ってる」場合でもない。
「冬麗」を音読みで「とうれい」。「冬麗のごとし」で、何だかわからないが冬麗のようなものがあると分かる。
「着心地」で何を着ているかをサラッと書くだけ。「肌着の着心地は」。
こうすると、少なくとも作者の語った内容に言葉が寄ってくる。
寄っては来るが、とても普通の句です(笑)。

トシ 直しても。
浜田 龍二君、どうですか?
本人 ……言葉がございません(笑)。

添削後
冬麗(とうれい)の 着心地


■ここで2022年1月開幕の冬のタイトル戦「冬麗戦」の予告
※参加資格は2021年に詠まれた364句(当ブログ集計では315句)から、夏井先生が選んだ優秀句を詠んだ人。

名人・特待生以外の優秀句候補
「初日冴ゆ着物の衿の紅椿」浅野ゆう子
「寒明や君の『お疲れさま。』の声」あんり(ぼる塾)
「朧夜や四つ目のガム母まだか」福田麻紀(3時のヒロイン)
「日盛りや母の二の腕は静謐」犬山紙子

●名人・特待生からの参加枠は10名
※出場内定は以下の5名
梅沢富美男・東国原英夫
横尾渉・千賀健永・北山宏光(Kis-My-Ft2の3名)

◆出場は全14名の模様。残り9名が一体誰なのか…?


★特待生昇格試験★



◆『衣装替え 耳元爆ぜる 静電気 北山宏光(Kis-My-Ft2)

【本人談】
冬になると経験するが、衣装替えは雑誌の撮影とかで一日に何回も着替えをする。あそこの上五は僕の中でオリジナリティがあるかなと。真ん中で音が鳴ったものが、静電気だったんだという句だが、この下五の「静電気」をどう捉えられるかっていう問題も。

梅沢永世名人 いや、これは先生に前回言われたことをまだ反省してませんね。
浜田 あっ、そうですか。
梅沢永世名人 「耳元爆ぜる」。これがちょっと大げさかな。
本人 まだ?
梅沢永世名人 うん。

★評価ポイント
上五「衣装替え」の是非

本人 うわっ、そこか。
梅沢永世名人 全然違うじゃん。
浜田 「爆ぜる」関係あらへん(笑)。

■査定結果
3級で現状維持

理由:一体どっち?
※衣装替(が)え・衣装替(か)え

村上名人 難しいな。
本人 全然いけないわ、上。

夏井先生 「一体どっち?」を説明する。
上五「いしょうがえ」(名詞)と読ませたいのか、「いしょうかえ」(名詞+動詞)と読ませたいのかの判断の問題。
今、話を聞いていると「衣装替(が)え」の名詞で、上五で意味が切れることになる。
ここは字余りになっても「衣装替(か)え」と書くべき。「耳元」とくっついてくる。
脱いだ瞬間の耳元という風になると「爆ぜる」が活きてくる。
ご本人が「静電気」がどう受け止められるかと言ったのは、次の時代の歳時記には載るかもしれないが、今はまだ載せているものはとても少ない。
ただ、冬の季節感・実感はとてもあるため、これはこれで認めて良いと思う。
惜しかった。

本人 「る」だけ…。
浜田 まあ、降格じゃないしね。とりあえず。「る」だけ。
本人 (指さして)「る」だけ!(笑)

添削後
衣装替え 耳元爆ぜる 静電気



★永世名人への道★




◆『冴ゆる夜や ショウウインドウに 黄の鞄
 村上健志(フルーツポンチ)

※「冴ゆる」(冬の季語)は寒さで空気が澄み切った感じ。

【本人談】
寒さが醸し出す透明感のある冴ゆる夜。そんな夜にショーウインドーに黄色のカバンがポツリと光が当てられている。それだけの景色なんだけど、ショーウインドーに灯りが残っているその黄色のカバンが、冴ゆるその夜をなんとも綺麗にしてくれてはいるじゃないですか。

梅沢永世名人 ちまちまとした俳句ですよね。得意の。
本人 ちまちま?
梅沢永世名人 で、これ中八なんですよ。
本人 あ、そうですね。
梅沢永世名人 「ショウウインドウに」。
本人 はい。
梅沢永世名人 永世名人狙おうという人間が、こういうことをやってたら永世名人にはなれませんよ。落ちなさい!(笑)
本人 お言葉ですけど、8音ですけど「ショウウインドウに」は7(音)に収まる音です。
梅沢永世名人 ふん!まあ落ちなさい!

★評価ポイント
「黄」という色の選択の是非

浜田 全然ちゃうこと言うてるやん!
梅沢永世名人 全然違うじゃん。

■査定結果
名人10段★2へ1つ前進

理由:やっと季語を信じてくれた!

梅沢永世名人 いった。
本人 良かったじゃ~ん。

夏井先生 
「冴ゆる夜や」から始まるが「冴ゆ」の部分が冬の季語。
冷え切った空気の中で感じる寒さ。そこが「夜」になるため、さらに気温は低くなる。
「や」はさらに上の言葉「夜」を詠嘆するため、"ああ、なんと冷え冷えと冷え切っている夜だろう"と。
(※詠嘆「や」:上の言葉を強調する「!」のような効果)
カットが切れ、夜の後に「ショウウインドウ」が出てくる。
夜に浮かぶ光の箱のようなものがポッと出てくる。そこに黄色の鞄がポツンとある。
ライトの中に浮かび上がるこの黄色と、「冴ゆる夜」との対比を狙っている。
この「黄色」がいいのは、選ばれる色の種類として、青・紫・黒など寒色系を選ぶか、赤・黄・橙など暖色系を選びかで一句の表情は物凄く変わる。
「黄」を選ぶことで「黄」と「夜」の対比は狙い通りにしっかりと出てくる。
透明感のあるものというところも作者は分かってやっている。
直しはいらない。

タカ 凄いな。

添削なし



★永世名人 富美男のお手本★




◆『薄明り 杜氏のすする 粕の汁
 梅沢富美男

【本人談】
もうみんな、薄明かりの寒い所で一生懸命お酒を作っている。それで粕の汁(→粕汁)を飲みながらホッとしているという俳句。

村上名人 いや、ヒートテックというテーマから杜氏(とうじ)までいける。これ凄いんですけど。「薄明り」というのが、この「杜氏のすする粕の汁」が凄い良いから、そことイケてるかな…?
本人 あなたはそういうちまちました俳句を詠んでるから、こういうのが分からないんだよ!
村上名人 まあまあちまちましてるでしょ!(笑) ここの部分なんだから。すげぇ、ちまちましてますよ(笑)。

■査定結果
永世名人40句で掲載ボツ

理由:努力不足!

タカ ボツ?
トシ ダメなんだ。
ゆうちゃみ 何で?
(査定評後)
タカ あれ?努力してない?

夏井先生 
表現したいことは分かる。
ただ、下五の「粕の汁」。「粕汁(かすじる)」が冬の季語になるが、「粕の汁」という言い方がどうにも気に食わない(笑)。
本人 ん?
夏井先生 「粕汁」は4音でしょ。
本人 はい。
夏井先生 4音だと下五に使いにくいから、「粕の汁」にしときゃあ5音になるなと。
→不貞腐れながら笑い始める本人
浜田 くくっ。
トシ あれ?
夏井先生 「粕汁」が4音なら、それで使う努力をなぜしないのか?
村上名人 図星なんだ(笑)。
北山 図星なんですか?
夏井先生 音数調整をするのであれば、「の」でやるのではなく別のところでやれば良い。
「杜氏の」で複数になる。ここで上五になる。ここで音数調整をする方がよっぽど勢いも出てくる。
「杜氏らのすする粕汁」。
最後の「薄明り」がぼんやりしている。ね、村上さん。
村上名人 そうですよね。
夏井先生 ここは映像をしっかりしてほしい。
明けの星」ぐらいでどうか。「明けの星」がポッと浮かんでくる。「杜氏らのすする粕汁明けの星」。
本人 わ~イイ!
夏井先生 そうすると、夜通しで仕事をしてしみじみと粕汁をすすりながら「あ、明けの星が今出てきたなと」。
こっちの方が断然いい。
浜田 全然いいですね。本人が「あ~いい!」って言うたもんね(笑)。
本人 確かに…。夏井先生、なっちゃん。ええ、図星ですよ。言われたことは全て当たっていますよ!でもさ、俺だって!
浜田 うるさいな、もう。
→腕をどかして通り過ぎる浜田
本人 「粕の汁」…。

添削後
杜氏の すする粕汁 明


浜田 これは世に出せないので、ボツにさせていただきます。せぇ~の!
(シュレッダー演出)
タカ あ~!
トシ あ~!
ゆうちゃみ え?どういうこと?すごい。
村上名人 おめでとう。
ゆうちゃみ あははっ。
浜田 仕方ないです。永世名人の句としては、世に出せないのでこれはね。
梅沢永世名人 「粕の汁」するっと…。
浜田 さあ、それではね。全ての査定が終わりました(笑)。
玉巻アナ はい。

★次回は2022年1月6日(予定)。兼題は「カーテンを開けた瞬間」です。


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コメント

今回は

まずひとつわからないのは

タイトル戦は名人特待生の中の10人だけなのか?平場でも夏井先生の認めた人は参加資格があるのか?

わかりやすくしてほしかったですね。


今回は音数調整が鍵になったかなと思いました。


1位、タカアンドトシ、トシさん

北海道のソウルフードになっているスープカレーを扱ったことで、作者の個性が出てきてるなと思いました。自分も地元は札幌なのでよく映像は伝わります。

ただ、重箱の隅をつつく形になりますが、北海道では家庭でつくられることもそれなりにありますので、

お店の光景ならば、その情報を入れてほしかったなと思いました。
下五「香りたつ」の音数調整で

ロケ

などの情報を入れられるので、それ次第で作者の個性が出せるのではと思います。



2位ゆうちゃみさん

若く、一見俳句の世界から遠いように感じられる人が自らの世界観を俳句の世界に落としこもうとされる姿勢は大変好ましいものでした。

三段切れなどの技術面の問題はありますが、
闊歩
落葉風
などの言葉をいれるところには言葉の知識量と向学心があるようにおもうので、次回に期待です。

3位、徳光和夫さん

今回のお題に対して、消えてゆく風物詩を詠まれた味わいがあり、個人的には好きなものでした。

解説通りなら「ヒートテック」はあったほうがいいと思いました。

ティショットの悴み懐かしヒートテック

最下位、原田龍二さん

イメージだけの才能ナシの典型といったところでしょうか。解説に「朝」とあるのですから入れるべきでした。

冬麗の朝や肌着の着心地嗚呼


現状維持、北山さん

作者の情報もあるせいか、コンサートの衣装替えの光景かとおもいました。

今の時代の歳時記にない言葉を季語として使うのは久しぶりに見ましたが、平場の方も納得されてるから、許容されるものたと思います。

ただそもそも「静電気」は「爆ぜる」ものですから、梅沢名人の指摘も正しかったかなと思います。

不調時代の千賀名人と似たようなものを感じます。一度、ご自分のこだわりを脇においておくことをおすすめしたいと思います。


前進された村上名人

女性出演者2人の反応が印象的でした。オシャレにこだわりを持つ読者ならば、心に響くものがあると思います。

中八ではありますが、拗音があるので許容範囲だと思います。


梅沢名人

音数調整の甘さといったところでしょうか。

耳でだけなら「カス」とあまり聞こえの良いものではないし、美味しそうな描写ではありませんでした。ここはきちんと「粕汁」と書くべきでした。

音数調整なら夏井先生のおっしゃっていたところ以外にも

「杜氏」は「とじ」と2音で読むこともできます。食べ物は美味しそうにというのを大事にしてほしいなと思います。

あと「薄明かり」も製造してる作業場の光景に近いので、

リアリティに欠けるなとも思いました。


最後に拙句を詠ませていただきます。今回は2つで

着ぶくれのダンサー夜のアーケード

ポリタンク固しかじかむ手の筋は

冬麗戦残り5人はポンさん、フジモンさん、犬山さん、森口さん、向井さん、かなと予想します。森口さんとポンさんの今年の冬麗戦の句が今年のベスト1、2位だと個人的には思っています。

・北山さん
「爆ぜる」は良いと思いました。耳元というのも作者の実感があっていいですね。個人的には衣装をさっと脱いだ時の句だと思いました。上五が2つの読みとして成立してしまうという理由で現状維持だったのですが、それは読者に委ねても良いのではないでしょうか。さすがに今回は厳しい査定結果だと思いました。

・ポンさん
相方の亘さんの絵手紙も良かったです。フルポンが2人で出ている姿を久しぶりに見たので嬉しかったです。「冴ゆる夜」という透明感と「ショウウィンドウ」の透明、夜と黄の色の対比が上手かったと思います。中八の指摘はありましたが、「ウィ」は1音でカウントするので問題はないでしょう。ショウウインドウ「の」か、ショウウインドウ 「に」かが個人的に気になる所でした。ただ、1年ちょっとぶりの前進で再びゾーンに入ってほしいものです。

・御大
「粕の汁」問題は重要だと思います。「味噌の汁」「あらの汁」とは表現しないことを考えるとやはり違和感があります。添削句でいう下五はまだ考える余地がありそうです。星という遠いところを見つめながら粕汁を飲んでいる杜氏の心情が伝わってくる点で「明けの星」は良いと思います。下五により味わいが変わる句ではあると思います。

今回の昇段試験は全員1文字に泣いたり笑ったりでした。「る」「黄」「の」ですね。改めて1文字の重要性、恐ろしさに気づけた会でした。

下の名無しさんへの補足説明です

御大の説明の中に「『みんな』薄明かりの寒い所で…」というのもありましたし、酒作りにおいて1人だけで作業という場面は少ないと思います(特に地酒のような場所では)。先生の添削句としてはちゃんと複数人と明記することで、仕事が終わり緊張感が解けてしゃべったりもありながら粕汁を飲んで一息という所にした方がより「明けの星」との対比が生まれると思います。

そして「明けの星」ですがこちらは季語ではありません。
過去では同じ御大の「銀盤の弧の凍りゆく明けの星」という句がありますが、こちらも季語は「凍り(凍る)」であり「銀盤」や「明けの星」は季語ではないと調べたと言っておりました。
季節に関わらず夜明けの星は見ることができますからね。

今回の梅沢富美男の句は、一見すると良さそうですが細かく見るとダメな点が目立つという梅沢さんにありがちなのでしたね。
私も正直「粕の汁」ってなんだ…?と思ってしまいました。(てっきり杜氏さんが酒の粕の部分を濾したところを味見してるのかな……って思ったら、粕汁かい!)

でも添削も納得いきません。明の星って季重なりですよね?杜氏が何人もいるって説明じゃなかったですよね?
今回は年末最後なのになんか後味が悪い結果でした。また北山くん爆ぜちゃってるし。

No title

冬麗戦の一部参加者も発表されましたね。今年(2020年)は名人・特待生のみが選出され、タイトル戦も同様のようですが観覧ゲストは平場の優秀句4人のようですね。
出演回数の多い永世名人2人、タイトルホルダーの横尾さん・北山さんと2ランク昇格を手に入れた千賀さんは確定でもあり納得ですね。
残りは前回冬の覇者の森口名人、同じく2ランク昇格の向井さん、名人昇格の岩永さんあたりが有力候補でしょうか。
夏の覇者・犬山さんは観覧ゲスト枠かなぁ。

No title

記憶違いだったら申し訳ないんですが
ゆうちゃみさんが「俳句って楽しい!」って言った時の夏井先生の笑みが印象的でしたね。
冬麗戦は十段であるフジモンさんと村上さんは今回参戦できないのでしょうか。気になります。
(個人的推しとしては岩永さん松岡さんにも来てほしいところです)

今回もまずは字面を見ただけの感想からです

4位の句
兼題が分からないと何を言ってるか分からない句の典型かなと。

3位の句
悴みがふと/懐かしきティショット
なのか(ゴルフできてない)
悴みがふと懐かしき/ティショット
なのか(ゴルフできている)
のか。番組を見たいです。
(映像をみて)
後者でしたか。ヒートテックを着るようになってから手が悴むことが無くなったという理由の句でした。ゴルフをやらない自分には分からない内容でした。

2位の句
素直に「生脚で渋谷を闊歩」とすると「で」が散文的だと分かり、倒置して工夫したのだろうなぁ、と。
三段切れになってしまったのと、落葉風が生脚で闊歩しているように読めるのが難点でした。

1位の句
着膨れ→厚着と比べると不恰好さが出てくる季語。不恰好だけどスープカレー屋に並んでいる、良い香りがしてくる、というわけで、不恰好(マイナス)と香り立つ(プラス)の対比が感じられました。

北山さん
成る程、衣装がえは名詞、衣装かえは名詞+動詞、そこの違いで意味が変わるわけか。
それにしても、また爆発してる。

村上名人
冴ゆる夜、厳しい寒さによって、あらゆるものが透徹して、凛とするという感じ。そこに黄色をショーウィンドウの明かりや黄色い鞄とくれば、すごく対比的な風景に。

御大
薄明かりの下で、啜る、粕の汁て。まずそうね。カスの汁、とも聞こえてしまうし。

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