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20211118 プレバト!!俳句紹介【七味唐辛子】

2021年11月18日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→かたせ梨乃[4],みちょぱ[5],藤井隆[9],歌広場淳[2],北山宏光[39],千原ジュニア[67],梅沢富美男[149] ※数字は挑戦回数
△歌広場淳(ゴールデンボンバー)は不倫報道による活動自粛のため、本人のコメントは一切放送なし。

●お題:七味唐辛子
七味唐辛子の兼題
※小分けの袋を破る瞬間の写真。「唐辛子」は秋の季語。京都・長野の善光寺は七味の有名どころ。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点かたせ梨乃
冬麗の太秦二時のかけうどんとうれいのうずまさにじのかけうどん
2凡人2位67点みちょぱ
ステイホームなないろ散らし釜揚げうどんすていほーむなないろちらしかまあげうどん
3才能ナシ3位35点藤井隆
七味かけ白菜漬けが歌衣装しちみかけはくさいづけがうたいしょう
4才能ナシ4位30点歌広場淳
(ゴールデンボンバー)
唇が熱いと離るる手の冷たくくちびるがあついとはなるるてのつめたく
53級で現状維持北山宏光
(Kis-My-Ft2)
七味爆破夜鷹蕎麦へと沈む蓋しちみばくはよたかそばへとしずむふた
6名人8段へ1ランク昇格千原ジュニア
手袋のまま割る箸の乾いた音てぶくろのままわるはしのかわいたおと
7永世名人39句目に掲載決定梅沢富美男
黒七味蕎麦に振り込む義士祭くろしちみそばにふりこむぎしまつり
→編集後記





●それでは順位別にみていきます

◆1位 才能アリ70点 かたせ梨乃
冬麗の太秦 二時のかけうどん

【本人談】
冬の京都は凄く寒い。時代劇の撮影をすると東映の玄関の近くに食堂がある。撮影が押してしまって、早く行かないと閉まってしまう、メニューもだんだんなくなってくると。かけうどん食べたいな~と走って行ったらセーフ。あった~。パぁ~って、七味唐辛子(をかける)。ホントは女優は汗をかいてはいけないが、でも熱いの嬉しくて嬉しくて。

梅沢永世名人 いや~良い俳句ですね。物語が十分にこの中に詰まってますから。

夏井先生 
冬麗」(※穏やかに晴れてうららかな冬の日)は冬うらら。冬なのに春のようにうららか。
季語も良いが「太秦(うずまさ)」という固有名詞が伝える情報がとても大きい。撮影所に違いないと読む人のほとんどが思う。
撮影所の二時、一体何かと「かけうどん」が出た瞬間に「あ、遅いお昼だ」と。撮影が長引いたのかもしれないと。
ひょっとすると、一緒におうどんを食べている人の中に扮装のまんま、ちょんまげの人がいたりとか、そういう状況かもしれないなという辺りまで、この固有名詞がしっかりと伝えてくれる。
俳句は下手なストーリーをなぞらず、この瞬間を切り取るだけで作者の伝えたいことが全部読者に伝わる。
これで良い。直しはいらない。

本人 ありがとうございます。
浜田 素晴らしい。

添削なし


◆2位 凡人67点 みちょぱ
ステイホーム なないろ散らし 釜揚げうどん

【本人談】
(コロナ禍の)ステイホーム中にうどんを食べていた。七味唐辛子は関東で「七色」というらしく、「釜揚げうどん」が季語で「なないろを散らす」が(七味)唐辛子を散らすという意味。

北山 いや、これは「ステイホーム」が…言葉の順番かなと思いますけどね。
浜田 語順が?語順が違う?
梅沢永世名人 (ゲッツのポーズでさすがを表す)
北山 はい。「釜揚げ」から始まった方が良いのかな。
本人 あ~そっか。
浜田 なるほど、なるほど。

夏井先生 北山君偉い!
北山 お~!褒めてくれる。
かたせ そうなの?じゃあ。
ジュニア名人 つかんだな、北山。
夏井先生 ビックリする。なんか1回優勝したら凄いね(笑)。ホントに。もうおっしゃる通り。
良い所から褒めたい。これは実感を素直に書いているのがとても良い。
これは語順ですよ。ね、北山君。
北山 ですよね!
夏井先生 ですよ。もうこれ「釜揚げ」から(始める)。
梅沢永世名人 そうそうそう。
夏井先生 七色唐辛子を「なないろ」と短く言っている。ということは下五も…。
浜田 「釜揚げ」や。
夏井先生 その通り。今、誰が仰ったんだろう。「釜揚げ」でいい。浜田さんが仰ったの?
浜田 すみません。
夏井先生 いやいや、それで良い。
「釜揚げ」「なないろ」で省略した言葉が2つ使うと、ここで言葉の質量のバランスが取れる上に、音数調整もでき、節約になる。
「釜揚げ」で上五、「なないろ散らしステイホーム」。こうすれば得になる。
「ステイホーム」から始めると映像を明確に描きにくい。何となく家にいると。
しかし、「釜揚げ」という物から始まると、白い釜揚げに七色が散って映像ができ、ステイホームの日々ですねと。
こうやれば、間違いなく才能アリ。

本人 うわ~惜しい。
梅沢永世名人 惜しかった。

添削後
釜揚げ なないろ散らし ステイホーム


◆3位 才能ナシ35点 藤井隆
七味かけ 白菜漬けが 歌衣装

梅沢永世名人 へへへ。

【本人談】
何周もしてぱっと思いついた実体験。(七味唐辛子を)白い白菜漬けにパパッとかけて食べるのが好きで、紅白(歌合戦)を思い出させる華やかな食卓。

梅沢永世名人 ひどい擬人化ですよ。
本人 えっ?
梅沢永世名人 なんだ「歌衣装」って。
本人 歌うときに着る衣装
梅沢永世名人 馬鹿なこと言ってんじゃないよ、ホント。よく35点貰えたわな(笑)。

夏井先生 
上五中七は極めて普通。この後に何か凄いのが来るのかなと思うと、なんとつまらない擬人化が来るかと(笑)。
そういう展開になっている。擬人化をすれば何かやったような気になるのは、才能ナシの1つの典型的なタイプ。
擬人化は物凄い高度なテクニックのため、うっかり手は出さない方が良い。
これはもう普通に「白菜漬け」から始めて普通に言うべき。
「に」と繋げて「かけて七味の」と。これアンタ、衣装なんて来ている場合じゃない(笑)。
本人 えへへ。
みちょぱ 全部直されてる。
夏井先生 さっきおっしゃった。衣装が華やかだと思ったんでしょ? 
本人 はい。
夏井先生 華やかに」と描写する。
そうすれば一応臭い擬人化は回避できた。これだけでも凡人には入ってこれる。

本人 いや、なんとか必死に「華やかなステージ」を伝えたくて「歌衣装」って言ったんですけど、今自分で読んでもくっさいなあ~!と思って(笑)。めっちゃ臭い! モニター越しで臭い!(笑)

添削後
白菜漬け かけ七味 


◆最下位 才能ナシ30点 歌広場淳(ゴールデンボンバー)
唇が 熱いと離るる 手の冷たく

(ナレーションによる説明)
※冬のある夜、好きな人と辛い物を食べ、体を温めた帰り道にキスしようとしたら(相手に)突き放されたという青春の思い出を詠んだ一句。

夏井先生 
これは季語を描こうとしているのではなく、ムードを描きたいというタイプの才能ナシ。
俳句はリアリティーを追及して欲しいが、今お話を聞くと「熱い」の理由が七味だということのよう。
せめてそれを書くだけでもリアリティーは出る。
藤井 どうやってやるの? 
夏井先生 「唇」から始める気持ちも分かるが、「冷たし」からいく
「冷た手」で手が冷たいのがそのまま出る。「手と」で並列で並べていく。何によって熱いのか。
七味」を入れるだけで現実味が出る。七味によって熱いと。「離るる」など全くいらない
「七味に熱き唇と」と並列で持ってくる。
手を繋いで七味と口は熱いが、「手」「唇」によって、ひょっとしてこれは恋愛の場面かもしれないと。
読者は、そこからゆっくりと想像し始める。
何がこうしてこうなったという最後のところまで書かないのも俳句の大事なコツになってくる。

添削後
冷た手と  唇と


★特待生昇格試験★



◆『七味爆破 夜鷹蕎麦へと 沈む蓋 北山宏光(Kis-My-Ft2)

※季語は「夜鷹蕎麦」

【本人談】
「七味爆破」は(小瓶の)七味をかける時、蓋が緩い物があるという実体験。慌てて振ってしまい(中身が蓋ごと出てしまう)「七味爆破」という言い方をさせてもらい、蓋が飛んでしまい、蕎麦の底へ(蓋が)どんどん沈んでいくというその瞬間を切り取った。

梅沢永世名人 私もね、「七味爆破」って考えたんですよ。
浜田 あら。
梅沢永世名人 これいいね。
浜田 そうですか。
梅沢永世名人 そこ攻めたのは良かったなあ。
浜田 ジュニアさんはどう思われます?
ジュニア名人 この「七味爆破」が良いのかどうなのかという…だからこの間の北山君の「携帯死す(→スマホ死す)」? あれにちょっと自分が引っ張られてるような…。
本人 確かに…。
浜田 あれが良かったからね。
ジュニア名人 これもちょっと良いのかどうなのかっていう。
浜田 なるほど。そこの是非ですね。
ジュニア名人 そこの是非ですね(笑)。

★評価ポイント
「爆破」の効果の是非

ジュニア名人 お~。
梅沢永世名人 どっち?どっちにかかるの?
 

■査定結果
3級で現状維持

理由:さすがに大げさ

本人 そっか。(査定評後)さすがに調子乗った(笑)。

夏井先生 
いや、「ちょっと爆破は違うんじゃない」と永世名人が何か一言アドバイスしてくれると思ってた…。
浜田 そうだよね~!!(笑)
夏井先生 そこ褒めるかと思って、むしろおっちゃんを下げたい気持ちになりました(笑)。
梅沢永世名人 好きな言葉なの。
夏井先生 あ、そうかい。
みちょぱ 「そうかい」。
夏井先生 この句は中七・下五はとてもよく出来ている
「へと」の助詞の使い方、「沈む」という動詞の描写、最後に「蓋」で映像として残る。ここら辺は本当に上手い。
最初を普通に書けば、ここの面白味で十分にやれる。
浜田 振ったらええねん。振ったら。
夏井先生 振ったらええねん。ホントその通り。ここに「七味振れば」って書くだけ。
本人 あぁ~。
夏井先生 「爆破」なんかするからこっちが悪目立ちする。季語は「夜鷹蕎麦」になる。
これなら映像がありありと見える。もうこれはあなたワンランクアップをドブに捨てた。

浜田 うわ~、勿体ない。
ジュニア名人 あぁ~あ。
本人 あぁ~あ。
ジュニア名人 北山死すやな(笑)。
本人 死す、北山死す。

添削後
七味 夜鷹蕎麦へと 沈む蓋




◆『手袋のまま 割る箸の 乾いた音 千原ジュニア

【本人談】
バイクに乗っていると寒い。サービスエリアでうどんを食べようかと手袋のまま割り箸を割ると「パ~ン」って乾燥しているためエエ音が鳴るというのを詠んだつもり。

梅沢永世名人 これはジュニアしか詠めないバイクの句です。
浜田 はあ。
梅沢永世名人 はい。いいですよ。
浜田 いいですか?
梅沢永世名人 はい!これはいい!
浜田 どういうとこがええのか言うて下さい。
梅沢永世名人 まああの…どういうところ…ジュニアしか考えられないんですよ(笑)。
みちょぱ それしか言わない。
梅沢永世名人 私にはこういう句は詠めません。はい。

★評価ポイント
上五から下五へとつながる叙述の是非

本人 「叙述の是非」。色んな是非があるなぁ(笑)。
梅沢永世名人 怖いよね。

■査定結果

名人8段へ1ランク昇格

理由:実感と観察力の賜物

北山 すげぇ。
本人 ありがとうございます。
浜田 来たね~。

夏井先生 
七味の袋の写真から、この音に持ってくることができるというのは見事。実感の勝利とはまさにこのことを言う。
大事なのは「叙述」がどういうことか。「手袋のまま割る箸の」と続いていく書き方が良いのか悪いのかという話。
普通は「手袋や」などと詠嘆した方がきりっと一句の姿が引き締まる
この句の場合、とても良い着地まで見事に来た。「手袋のまま割る」という感触が出てくる。
何を割るのかと思うと「箸」が出る。「箸の音」とせずに「乾いた」をこの位置に入れている
この語順によりどんな効果があるか。冬の冷たい乾いた空気がまさにこの音になってくると。
「乾いた音」という下五により、「手袋」という季語の力がもう1回強められる。
季語を主役に押し出す配慮が最後の最後まである。直しはいらない。

本人 ありがとうございます。
浜田 いや、お見事。8段でございます。
本人 うわ~、嬉しいなあ。

添削なし


★永世名人 富美男のお手本★



◆『黒七味 蕎麦に振り込む 義士祭 梅沢富美男

【本人談】
赤穂浪士の話。12月14日に赤穂浪士が討ち入りする時、皆さんおそばを食べていた。なぜ「黒七味」にしたかというと、四十七士の中に原惣右衛門(はらそうえもん)という人がいて、そのご子息が黒七味を作っている。そこまで調べたんです。この私が(笑)。

本人 どうです?知ってました?
ジュニア名人 いや、知らないです。
本人 惣右衛門さんの子孫が黒七味を作ってるんです。
ジュニア名人 なんでもう1回言うんですか(笑)。

■査定結果
永世名人39句目に掲載決定

理由:取り合わせた季語が良い

北山 さすが~。

夏井先生 
おっちゃんはさすがだなぁと。こういう句になると上手い。
まず「黒七味」のアップから来る。その後「蕎麦」が出て「振り込む」という動作。
良くない言い方をすれば、どんな季語でもある程度俳句にはなる。最後にそれなりの季語を入れれば。
思い切ってよく「義士祭」と持ってきたと思う。
黒七味振って蕎麦を食べていた時、今日は義士祭の日ではないかとふっと心によぎると。そこに季語を認識する心がある。
俳句というのは、それで十分味わえてしまう。
そういうことをやっとおっちゃんは分かり始めたと思う。
浜田 あははっ。
夏井先生 もう1つ言うと、この「義士祭」は歳時記では春の季語になってることが多い。
東京・高輪(たかなわ)の泉岳寺(せんがくじ)の行事(※泉岳寺で年に2回、12月と4月に行われる)として義士祭をしている。
→顔面蒼白になる本人
夏井先生
多くの歳時記はこれを春の季語としていることは情報としてお伝えする。
春の季語だとしてもこの句の味わいは変わらないため、おっちゃんそんな心配した顔をする必要はありません(笑)。

添削なし



浜田 分かりました。掲載決定ということで、当然直しはなしでございます。
夏井先生 いりません、はい。
ジュニア名人 春の季語って分かってました? 
浜田 あら? 
梅沢永世名人 お前はそうやって。えっ? 誰のおかげでこんな立派な人間になれたと思ってんだ?(笑)

※次回11/25の兼題は「秋の東京駅」。銀杏並木とともに奥に東京駅が映る写真です。


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コメント

ジュニアさんの句に関して。
乾いた音→乾きし音にした方が良いとのコメントですが、このしは過去の助動詞きの連体形です。近代的な完了の用法は夏井先生は非寛なほうで、プレバトでも基本的に過去になるとよく口語で添削されています。
もっと言うとこの句は句またがり下五字余りと多少調べがスムーズでないものの、そこも含めて実感が読み取れる点が魅力ですから、乾いた音という口語は一貫性もあるかと。

追記です

とはいえ残りは梅沢名人だけですが、

赤穂浪士や黒七味を作られてる子孫の方々への挨拶句として優れてるなと思いました、

季語に対する認識ですが、

ちょっと歳時記に対する認識を変えなければいけないかもしれないですね。

以前の中川翔子さんの仔猫の句のように

歳時記に載ってるから=○の句というのはいかがなものかと思ってます。

夏井先生をはじめとする俳句の世界の方々に考えていただきたいなと思います。


最後に拙句を詠ませていただきます

「ラッパー逮捕」今日は一味で釜揚げを

作者が何かやらかしていようが俳句に罪は無いから私は少しぐらいなら書きます。私は。

最下位の歌広場氏の
唇が熱いと離るる手の冷たく

冷たき手と七味に熱き唇と

こうやって見ると原句も原句で温度の対比や体に関する言葉を二つ入れたりと平場なりに工夫したおつもりなんやなって思わせられます。

あと此の"冷たき"は季語として認識してええかどうか迷う所でして、時期的に冷たい手なら問題無いねんけどね、心理的なもん(心が、態度が冷たい)を含めたつもりなら無季扱いなんでしょうかね。

あと私の査定した句にえげつないのが残っています。詳細は私のTwitterアカウントにて

今回は

まず番組スタッフの方々へ

諸々の事情でバタバタされたかと思いますが、無事に放送していただけたことに心からの感謝と敬意をお伝えします。


今回は控えめに

1位、かたせ梨乃さん

体験されたことをそのまま書かれていて、映像が頭のなかに再生されました。

ご本人が意図されたかどうかはわかりませんが、下五「かけうどん」の「かけ」が料理の名前だけではなく「駆け足」にもかかっていて、全体を通して無駄のない言葉でした。

2位、みちょぱさん
「なないろ」というのが七味唐辛子の別称だと知りませんでしたので、最初比喩だと思ってました。

それならやはり「釜揚げ」を頭にもっていったほうが、七味唐辛子のことだとわかるのではと思います。

消しゴムはんこも合わせて見ると、良くも悪くもご自分の感性に忠実な方なのだと思われます。

語順や助詞などの概念を覚えて技術を習得されると、良い句を安定して詠まれると期待しております。

3位、藤井隆さん
特待生候補とは思えない、陳腐な擬人化でした。下五の印象が強すぎて、季語が主役になってなかったですね。

最下位の方は、今回は割愛いたします。


昇格試験

現状維持、北山さん

一度成功した表現を使いまわししてしまう悪い癖が出てきましたね。

途中までは小袋の七味唐辛子を勢いよく開けた描写だと思ってましたが、

最後に「蓋」というので、混乱してしまいました。

句全体を通してみると、落語にあるような「粋」があるように思えますので、この句は引き算をする方が正解だったと思います。

比喩を使いたいのであれば、去年の冬のタイトルで千賀名人が詠まれた

手にはぜる弁当の紐雪催

みたいに「はぜる」という言葉をひらがな表記でもってきたらと思いました。


千原ジュニア名人

原点回帰といったところでしょうか。

季語によって、
どのような場所なのか?
何を食べているのか?

を想像させるのが素晴らしいなと思いました。


一度きります

・1位
「2時のかけうどん」ということは、遅めの昼食で昼食には時間はかけられない、といった状況でしょうか。太秦=時代劇、ということは撮影かなんかしていて昼ごはんをサッと食べたという状況がよく分かります。

・北山さん
「へと」という助詞や語順などが工夫されていて映像が思い浮かびました。となれば上五はシンプルに映像を描いた方がいいのかな、という感じ。七味が爆発するって何かのドッキリか何かと思ってしまいました。局は違いますがロンハーのドッキリでうどんが爆発するみたいなドッキリを思い出してしまいました。やはり人によって思い浮かぶ映像が違うのはマイナスかもしれません。「スマホ死す」よりも映像が確かでないかもしれません。

・ジュニアさん
再現映像では高速道路のサービスエリアの映像(もしくは道の駅?)でしたが、この句はむしろ屋台など外の寒い中で食べる状況の方がこの句の良さが押し出されると思うのです。寒ければ寒いほど「乾いた音」が際立つのに、店内だと冬の温かさを感じると思うからです。うどんやそばと限定はしていないので、私は静かな屋台のラーメン屋を思い浮かべました。句自体はすごく良く、映像も音も感触も食べ物のにおいも伝わってきます。五感に訴えた句で、昇格は妥当かなと思います。

・永世名人
義士祭は春の季語かもしれないですが、冬の句だと言われれば納得はいきます。年に何回か行われるものを季語にするのは難しいですね。冬の季語として歳時記に載っていることもあるようです。黒七味と赤穂浪士の関係は御大の話を聞いて初めて知りました。「黒七味蕎麦に振り赤穂義士祭(さい)」だったら冬の句にはなりますが、リズムが悪い笑。確かにこれは御大にしか詠めない句です。前回とはまた違った味わいの句です。残り11句、どういう句が詠まれ、掲載されるのか楽しみです。

ところで、来週の兼題は「秋」の東京駅ということですが、初冬にこの兼題を持ってくるのはどうかと思いました。過去に季節感の問題でフジモンさんの句が現状維持になったこともありました。村上さんの衝撃作「テーブルに君の丸みのマスクかな」も冬の新宿駅の句で、だいたい11月後半のオンエアだと思います。それもあって、次回の兼題には違和感。

今回もまた字面からの感想ですが

出演者と句の内容を見ると、なかなか大人向けな回ですね。歌広場なんちゃらいう方が出ている時点で。

1位の句
かたせ梨乃さんといえば、時代劇にも相応に出ていたイメージがあるので、時代劇の撮影か何かで冬麗の太秦にいる、遅い昼食を摂ることになった、温かいかけうどんに、兼題通りなら七身を振って食べている、そんな光景が目に浮かぶ句ですね。午後からも撮影が続くなら、衣装姿かもしれない。

太秦と言えば時代劇の撮影場所とすんなり出てくる世代ならいいですが、時代劇があんまり放映されない昨今、仮面ライダーとかでも出てきはしますが、若い方や子どもの視聴者には詳しい説明がいるかもしれない句でしょうか。


2位の句。
添削句を見るまでもなく、語順で損をした句。句の上の方から読んでいくと、「ステイホーム/なないろ散らし」と上五と中七の間「/」に何かしらの助詞を入れて補完しようと脳が働くかもしれません。こうなると、「ステイホームの七色ってなんだ?」と疑問を持って、「釜揚げうどん」と下五が来るので、「あ、中七のなないろって、もしかして七味のことか?」とならないでしょうか。添削句を見ると釜揚げ(うどん)に→なないろ、という語順になるので、すんなりと、なないろ=七味と解釈しやすくなりますね。
サクッとスマホで季語を調べたら、釜揚げうどんの子季語に「釜揚げ」があるのですね。

3位
私、キムチの素が出回る前は、白菜漬けに良く七味をかけていました。親の影響です。
だから、「七味かけ白菜漬けが」はちょっと懐かしくも類想かな、と感じつつ、下五をむかえ、「白菜漬けが歌衣装になりました」と。歌衣装?という言葉があるのかは知りませんが、白菜漬けがステージ衣装「のように」なりました、と言いたいのでしょうか。たぶん、見立て?譬え?をするなとダメ出し食らったのでは。


4位の(カット)
(映像をみて)先週、番組改編期でもないのに特番が組まれたのと、このヒトの騒動の報じられたのは偶然ではない気が。。。

北山さん
七味爆破って。爆破は、爆発を起こして破壊することですから、七味爆破となると、「七味を爆発させて壊した」ってことに受け止めました。何かの譬え?と思って添削句を見て、ああ、七味の内蓋が取れてしまったんだな、と。元の句だと、下五の「沈む蓋」への繋がりがスムーズでなくなりますね。
ところで、季語「夜鷹そば」。子どもと一緒に見ていて、この季語の説明をしろと言われたらどうしたものかと。要は夜の屋台で提供される蕎麦なんですが、夜鷹=江戸の街娼がよく食べていたから「夜鷹そば」と言われるらしい、さて、放送で銀河万丈さんの声で「季語は夜鷹そば」とかナレーションが入るのか、どこまで突っ込んで解説がされるのか、少し楽しみ。
(映像をみて)
あ、やっぱり夜鷹には触れない。放送局の配慮だろうか。もしかすると的外れな御大のコメントも季語に触れない配慮?
ただ、いくらなんでも屋台のそばを家で食べようとする映像は無いのでは。

ジュニア名人
定型を崩してきましたね。句またがりで中七までを読ませ、下は6音で字余り。
外で冷え切った人が、蕎麦を注文した。手袋をしていても手が冷える位寒い思いをしている。蕎麦を待っている時間に手が温まることもなかった。提供が早かったり、冬なのに風通しが良い店なのだろう。つまり立ち食い蕎麦。まだ手も温まらないから、手袋をしたまま割りばしを割る。風通しの良い立ち食い蕎麦屋だから、割りばしも乾いており、パシッ、位の乾いた音が鳴ったかもしれない。そう、これこれ。などと思いつつ啜る。手袋越しにどんぶりの熱仄か。食べ終えた頃、この人の手は充分温まっているだろうか。勘定をするまで手袋をしたままなのだろうか。
とまぁ、これくらい考えることもできる句でした。食券を先に購入する店だったら、手袋を外さずに買えたのだろうか、いったん外して食券買って、また手袋をしたのだろうか。
(映像をみて)
SAみたいな映像になってびっくり。句と自解を切り離し、屋台とか立ちそばの句として読んだ方が趣深い。

御大
わ、忠臣蔵だ。
「黒七味を蕎麦に振りかける義士祭りの日」、くらいでしょう。
この句、20世紀の記憶がしっかり残っている方とそうで無い方で、全く違う味わいになるのでは。
20世紀は、年末になるとどこかのテレビ局で忠臣蔵を基にしたドラマをやっていたような気もします。私が社会人になって間もないころに元禄繚乱とい大河ドラマがありましたが、それ以降大河ドラマで忠臣蔵を基にしたドラマはなかったはずです。年末と言えば忠臣蔵という時代ではなくなっていったはずですね。
こんなことを書きつつ、上五の黒七味は良くわかりません。
下五「義士祭」と言えば、赤穂浪士が眠る泉岳寺で行われる、12月14日のお祭り。赤穂浪士の討ち入りの日ですね。(4月にも行われているようで、季語としては春らしいですが)。
で、赤穂浪士と蕎麦とくれば、討ち入り前にそばを食べたというお話(討ち入り蕎麦)があるので、しっくり来ます。おそらく、中七と下五がしっくり来るかどうか、季語に必然性を感じるかは世代の差が出そう。
となると、やはり黒七味が気になるところ。映像を見たいところです。
(映像をみて)
これは、ジュニア名人と逆で、自解があり助かりました。黒七味に赤穂浪士との縁があるとは。こうなると、黒七味も蕎麦も季語がしっかり飲み込んでます。オンエアの頃の季節を詠むことを御大は意識されていますが、季語の使われ方としては赤穂浪士に想いを馳せてるので良いのかな、と。手持ちの歳時記には掲載されてませんでしたが、ネットでみる限りは「義士会」とすると冬の季語となるようですね。

次回も楽しみにしてます。

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