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20180524 プレバト!!俳句紹介【新緑の高尾山】

2018年5月24日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
※更新が遅くなりました。失礼しました。

●お題:新緑の高尾山

◆1位 才能アリ71点 森公美子
男坂 追い抜かれ行く 夏帽子

【本人談】
ウィキペディアで写真の場所が「男坂」であることを調べた。なにせ山が大嫌い。
神社仏閣に通じる2本の参道のうち、緩やかな坂道の女坂に対して急な坂道を男坂と言う。
ちょっとぐずっている男の子がいて、後ろからの人に抜かれていくさまを夏帽子を男の子にかけて詠んだ。

夏井先生
言いたいことはきちんと伝わる句。
涼しげな夏帽子をかぶっている人物が男坂を登っていき、後ろから来た人に追い抜かれていくという映像は言葉できっちり伝わる。
子どものイメージなら書いた方がいい。子どもという情報はいとも簡単に入る。
男坂の後に夏帽子のイメージを出す。「夏帽」でも季語として機能する。「夏帽の子」とすればいい。
「追い抜かる」なら受け身の表現になる。
子どもの姿を出すことでさらに生き生きした感じになる。
ただ最初の形でも言いたいことが伝わるので悪くはない。

添削後
男坂 夏帽の子の 追い抜かる

◆2位 才能アリ70点 岩永徹也
石段を 200数えて 夏の空

【本人談】
稲荷山コースの最後は200段の石段がある。そこを登ってみると夏の空が広がっている様子を詠んだ。

梅沢名人
70点も取ったからね。あんまり四の五の言うのも良くない。滅多に声かけてもらえないから。
俳句ですから「200」という数字は漢字にしてほしかった。○正解

本人 1段ずつ踏みしめていく感じで…

梅沢名人 能書き言ってんじゃないよ!

夏井先生
本当に正しい。おっちゃんの「ゲッツ」のポーズは鬱陶しい。
数字の書き方の問題がある。あえて算用数字に書く意味はここではそんなにない。
もう一つの問題は、石段を200数えるという出来事・動作に一句の3分の2以上を費やすのは勿体ない。
主役になるべき「夏の空」の映像を強く押し出すべき。情景が描き切れていない。
石がなくても「二百段」でOK。「目」とすれば数えていることがわかる。
「二百段目の夏空」とし、季語の描写。「そそり立つ」くらいはどうか。
石段を歩くとき、みんな足元見ながら注意しながら上がる。
200段上がって、上を見ると青い夏空がそそり立つように目の前にある。
あなたの見た光景が映像になる。これがわかるようになったら特待生になれる。

[ここがポイント]
主役の描写は具体的に

添削後
二百段目の 夏空が そそり立つ

◆3位 凡人60点 板尾創路
新緑が レイバンそっと 外させる

【本人談】
レイバンは80年以上の歴史があるサングラスの老舗ブランド。
新緑を見てサングラスをかけてたけど意識なく気が付いたら外してた。それを見てた様子を書いた。

梅沢名人
「レイバン」使ったところがなかなか優秀。
ただ残念なのが「そっと」がいらない。「そっと」を何かの言葉にしたら15点くらい上がった。○正解
「レイバン」が気に入った。なっちゃん(夏井先生)も言いますよ。

松岡充
普通に考えると「レイバン」=「サングラス」なので、サングラスは夏の季語で新緑と季重なりとなるところ。○正解
「レイバン」としたところが名人も指摘した通り勇気がある。

梅沢名人
良いこと言うね。これから「トミーとマツ」で行こうじゃないの。

夏井先生
発想はなかなかいい。
レイバンという商品名を持ってきて季重なりを回避している。
おっちゃんが指摘したところは当たっている。この人3つに1つくらい当たる。
「そっと」はつまらない。凡人は3音足りない時に「そっと」、2音足りない時に「ふと」とか言う。凡人が音数合わせでよく使いたがる。
「新緑」の映像を鮮やかにした方がいい。「新緑の眩し」でカットを切る。
ここから「レイバン」に行き、「外し見る」とする。
そうすると、普通はサングラスは眩しいからかけるわけでしょ。
新緑の眩しさ美しさで知らないうちにサングラスを取って新緑の美しさを己の目で見た、となる。
才能アリに悠々行くだけの要素を持った句。

添削後
新緑の 眩しレイバン 外し見る

◆4位 凡人58点 田中瞳
記念写真 白い歯映ゆる 青い夏

【本人談】
10年前くらいの遠足を思い出して書いた。
山頂まで登った達成感の子どもたちの笑顔の白い歯が青い空と山の青さに映えていることを表現した。

梅沢名人
俳句初めてでしょうから、おじ様が教えてあげる。
映像出そうと思って「白」「青」に焦点を当てたところが凡人。△微妙
娘かわいいからお勉強して。

松岡充
すごく素敵だと思うが、「映ゆる」が「白い歯」なのでわざわざ説明しなくていい。○正解

夏井先生
正しい。特に特待生が指摘した「映ゆる」が一番凡人らしい。
おっちゃんの指摘した「白」「青」はささやかな工夫だから認めてあげてよい。
梅沢名人 あんたよく言うじゃん。白がダメとか青がダメとか。
→白が悪いとか青が悪いとか言ったことない。
梅沢名人 ああそうかい。
浜田 ケンカすなって。
一番大きな問題点は「夏」「写真」「歯」。この3点セットが凡人のど真ん中という発想。
何より「映ゆる」が全くいらない。「白い歯」「青い夏」があれば意味は伝わる。
凡人は「映ゆる」と書いたら何か書いた気になる。凡人から抜け出す一つの方法。
「青い夏」からいったら格好いい。「何だろう?」と読み手は思う。
「記念写真の歯の白し」とすれば、「青」「白」が離れたところに置かれて対比になる。
ただこう直しても歯磨きのCMみたいな感じが残る。「歯の白し」にCMっぽさが出てしまう。
「記念写真の子らの笑み」「~笑みはじけ」とかにした方が映像として見えてくる。

[ここがポイント]
「映ゆる」はいらない

添削後
青い夏 記念写真の 歯の白し
青い夏 記念写真の 子らの笑み」 

◆最下位 凡人53点 六平直政
油蝉 じいじじいじと 笑う孫

【本人談】
段を上ってて小学生くらいの孫がいて、初夏で蝉が土から出てきて元気にジージージーと鳴く。
孫は孫で「まだ頂上じゃないのね、じいじじいじ」とその声がダブる様子を詠んだ。

梅沢名人
おじいちゃん、子ども、孫って書くと俳句はダメ。テーマとして失敗している。△微妙

夏井先生
名人の言うように、孫を詠むと俳句として似たような俳句になるからあまりつくらない方がいいという俳人もいる。
しかし、私は自分に孫が生まれてから「こんなにかわいい生き物はない」と思ってるので、孫の句作ればいいと思う。
梅沢名人 こういうもの書く奴が凡人に落ち込むんだとよく言ってるじゃないか。
→ヘタクソに作ればよ。
この句の問題点は、結局孫の方が主役になって油蝉が置き去りになっている。
この語順では「じいじじいじ」が孫にしかかかってなく、季語が活きていない。微調整すればいい。
「じいじじいじ」は作者の工夫なので残しておく。全否定したらこの句は終わってしまう。
上五は字余りでもいいので「じいじじいじ」と持ってくる。「じいじ」がおじいちゃんと思わせ「孫」の句かと読み手に油断させる。
「じいじじいじと孫も油蝉も」と並列に持ってきて季語を主役に持ってくる。
「じいじじいじ」が油蝉の鳴き声のオノマトペとして読み手の脳の中でリフレインされる。
果敢に孫の句は詠んでください。

[ここがポイント]
季語の活かし方

添削後
じいじじいじと 孫も油蝉も笑う

★特待生昇格試験★

◆「石段を 帰る石竜子(とかげ)や 星一つ」 松岡充

【本人談】
高尾山から帰っていく。ふと見ると草むらからトカゲが1匹飛び出してきた。
「トカゲも家に帰ってんのかな」と見送っているとその上に星が一つ、一番星が見えたという光景を詠んだ。

梅沢名人
昇格でしょう。この句にトカゲを持ってきたところは素晴らしい。
よく歳時記を調べましたね。難しいですよ。

浜田 お前が先生になっとるやないか。

夏井先生
この句の評価のポイントは下五「星一つ」です。

■査定結果
4級へ1ランク昇格

理由:時間と空間の表現が見事

夏井先生
褒めないといけないところが沢山ある。
発想のポイント。トカゲをよく持ってきた。
二つ目は表記。一般的な「蜥蜴」ではなく、「石竜子」で「石段」と呼応している。
何よりも褒めたいのは「星一つ」。さっきまで、昼間の光景かと思っていたのに夕暮れだとわかる。星一つですから。
さらに、石段の上にいるトカゲから、上空の星を持ってきて空間をガアーッと広げる。
時間の幅と空間を「星一つ」だけで広げて変えていく。ホントに褒めたい。
勿体ないのは1個だけ。せっかくの映像に「帰る」という擬人化が紛れ込むのは損。
一文字漢字を変えて描写だけに収める。簡単なこと。
浜田 走ったらええ。走る。
誰かつぶやいたけれども、はい。
映像としても見えてくる。よく勉強している。嬉しかった。

添削後
石段を る石竜子や 星一つ

◆「木漏れ日を 蹴散らし子らは 夏に入る」 梅沢富美男

【本人談】
松ちゃん(松岡)に10段の句を見せたい。なるほど梅沢富美男だ、と言われる。
木漏れ日を蹴散らし子どもたちがタッタッタッタと上がっていく。
キャーキャー笑いながら石段を上がっていく。あの子たちはもう夏が来たんだなと思う。
俳句はこれが基本。東君やフジモンなんか俳句じゃない。
こういう物語があって初めて俳句。

夏井先生
この句の評価のポイントは語順の是非です。

■査定結果
名人9段で現状維持

理由:季語が生き生きしていない

夏井先生
褒めるところは褒めます。
「夏に入る」という時候の季語は映像をもたないので、「木漏れ日」「子」や「蹴散らす」という動作を入れるのはいい。
ハツラツとした内容の句なのに、ハツラツ感が足りない。語順の問題が一つ。
もう一つ。「夏に入る」がたるんでいる。似たような季語で「夏来(きた)る」という勢いがある季語。
ここから始める。おっちゃん、寝ぼけてないでちゃんと聞いて。
「夏来る」でカットを切る。いきなり「子ら」を登場させ、「木漏れ日」に続け、「蹴散らして」で締める。
最後に「蹴散らし」という動きで終わらせればハツラツ感がグッと出る。
9段なんですからこのくらいやらないと。
本人 綺麗な俳句を詠んだなってもってきた俺の努力は何なんだよ。
黙りなさい。

添削後
夏来る 子ら木漏れ日を 蹴散らして

編集後記
通常挑戦者は最下位まで全体的に差がなく個性的な句が最近は多いですね。皆さん傾向と対策をしているのかな。
岩永君は特待生を狙う大一番でしたが、言葉の無駄が多い感じ。
モリクミさんの句は以前のキスマイ横尾氏の夏帽子の句を彷彿とさせる一句でした。
六平さんは中七に聴覚情報を持ってきていましたが、中七だと分断されて添削を受ける典型例でした。
特待生として初の査定に挑戦した松岡さんは素晴らしい発想でした。生き物と星の着想は以前からありましたが中田さんにちょっと句柄が似ている印象です。
梅沢名人は悩ましいですね。指摘を外すのも最近はわざとらしい感じですし、俳句も意味がすんなり伝わってこない一句でした。これに気付けないうちは昇格も難しそうです。


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