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20211028 プレバト!!俳句紹介【待ち合わせ】

2021年10月28日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→小倉優子[7],神谷明采[初],薬丸裕英[初],宮田俊哉[22],千原ジュニア[66],藤本敏史[71],梅沢富美男[147] ※数字は挑戦回数

●お題:待ち合わせ
待ち合わせの兼題

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位72点小倉優子
紅白帽脱いで焼きたて林檎パイこうはくぼうぬいでやきたてりんごぱい
2才能アリ2位70点神谷明采
来ぬ君を金木犀の香に赦すこぬきみをきんもくせいのかにゆるす
3凡人3位55点薬丸裕英
待ち合わせカフェが満席初冬かなまちあわせかふぇがまんせきしょとうかな
4凡人4位50点宮田俊哉
(Kis-My-Ft2)
ハチ公を挟み会えずの冬隣はちこうをはさみあえずのふゆとなり
5名人7段で現状維持千原ジュニア
夕月夜名の無き猫と君を待つゆうづきよなのなきねこときみをまつ
6名人10段★1へ1つ前進藤本敏史
(FUJIWARA)
背にホルンケース秋寂ぶのハチ公前せにほるんけーすあきさぶのはちこうまえ
7永世名人37句で掲載ボツ梅沢富美男
伝言板くせ字も愛し秋うららでんごんばんくせじもいとしあきうらら
→編集後記





●それでは順位別にみていきます

◆1位 才能アリ72点 小倉優子
紅白帽 脱いで焼きたて 林檎パイ

※運動会を終えた子どもを待っている瞬間に発想を飛ばした一句。

【本人談】
去年の運動会はコロナ(禍の影響で)午前中のみの実施だった。かけっこで頑張って2位を獲ったので、「おめでとう」の林檎パイを出すっていう。

梅沢永世名人 「紅白帽」と持ってきただけで運動会だと読み手はすぐ分かりますから。ここがセンスが良い。

夏井先生 
「脱いで」からいきなり「焼きたて」が出てくるのが上手い。
焼きたて、何?といったら「林檎パイ」が出た瞬間に、香ばしい香りや食べる喜びが当然出てくる。
「よく頑張りましたね」というご褒美の林檎パイに違いないと。ごちゃごちゃ語らないで伝えている。
最後に大事な問題がもう1つ。
林檎がパイに加工されている。これを林檎の季語として扱ってよいかという問題は当然残る。
ただ、「栗」という季語に対して「マロングラッセ」も傍題になっている。
「林檎」の傍題に「林檎パイ」が出てくる時代もやがてくるのではないかと思う。
全体を読めば「スポーツの秋」「食欲の秋」と上手にまとめている。
(作者が)あなただと分かって、炎帝戦ののび太の夏蝶の句(→「ガレージにチョークののび太夏の蝶」)もとても良かった。
何か掴んだんじゃないですか?

本人 ほんとですか?
夏井先生 よく頑張ってます。直しはいらない。
浜田 ありません。おめでとうございます。
本人 ありがとうございます。

添削なし


◆2位 才能アリ70点 神谷明采
来ぬ君を 金木犀の 香に赦す

梅沢永世名人 うん、いいねえ。

【本人談】
この日はデートの日で、凄く楽しみで一生懸命準備してメイクして時間前に着いたのに相手は遅刻してくる。ちょっとイライラしている。この金木犀の香りが風にフワッと乗って来た時に、遅れた相手を許せるよという俳句。

梅沢永世名人 素晴らしいですね。漢字の「赦(ゆる)す」、あれはね"罪を赦す"という時に使う漢字なの。この漢字を持ってきた神谷ちゃん。素晴らしい!(笑)
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 あなた、私の弟子になりなさい。
浜田 なんでやねん。
本人 そうですか、是非…。
梅沢永世名人 これからあなたに一生懸命俳句を…。
浜田 もうええよ!(笑)

夏井先生 
恋人が来ないという場面設定は多少類想感がある
この後の、金木犀の濃厚な香りに切ない恋の思いを被せていくという季語の選び方もそつがない。
「香に」の「に」は、金木犀の素晴らしい香りなので、その香りに免じて赦すというニュアンスと、金木犀の香りのもと赦しているという二つ上手に掛かってる。
この人は俳句やってる人に違いないと思ったら、あなただったのね!という感じ。
直しはいらない。

ジュニア名人 凄いわ。
梅沢永世名人 素晴らしい。

添削なし


◆3位 凡人55点 薬丸裕英
待ち合わせ カフェが満席 初冬かな

【本人談】
ホントに、スタッフとあるカフェで待ち合わせした時に、行ったら満席だった。その時はもう外が寒くなってきていたので、「あ、みんな寒くなったから外でなくカフェの中で待ち合わせしたんだな」と。

ジュニア名人 これは薬丸さん、マジで初めてだから仕方ない。三段切れになってしまっているのが…。
本人 三段切れ?
ジュニア名人 待ち合わせ「の」とかにされたらまたちょっと…なのかなとか。
本人 なるほど。

夏井先生 
偉い、ジュニアさん。そんなこと言えるようになったんですね。
藤本名人 いや、先生。これは褒めすぎ。これは分かるでしょう。誰でも。
夏井先生 でも今ささやかな感動を覚えた。この句は伝えたいことは本当に分かる。小さな問題点が3つほどある。
本人 3つもですか?
夏井先生 
1つは調べがプツプツと切れてしまっている。これが今、指摘された所(三段切れ)。じゃあ、どうしたらいいか。それを今サラッと言ってくれた。これは切らないために上五字余りになっても「待ち合わせのカフェ」と「の」をくっつければ問題点が1つ解消される。もう1つ、これはとても惜しいのが、中七「が」。
梅沢永世名人 「が」がね。
夏井先生 「が」はちょっと障ってしまう。今、おっちゃんが分かったような口聞いた(笑)。これ何になるか分かるんですか?
梅沢永世名人 カフェ「は」の方が良い
夏井先生 
偉いです(笑)。これです。助詞「は」とすれば、"カフェはいっぱいあるが、待ち合わせのこのカフェはまさに"という強調にもなる。
さらに、最後の「かな」の詠嘆が効いていない。むしろここはサラッと名詞止め、季語だけでやった方が収まる。
初冬を別の言い方で「冬はじめ」という。
藤本名人 うん。
夏井先生 こうすると調べが綺麗になる。こうすると今日は文句なく才能アリ。

浜田 あら~、どうですか?ヤックン直されて。
本人 とても勉強になりました。また次回よろしくお願いします。
浜田 なるほど。やる気出てきたな。
梅沢永世名人 素晴らしい。

添削後
待ち合わせ カフェ満席 冬


◆最下位 凡人50点 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
ハチ公を 挟み会えずの 冬隣

【本人談】
ハチ公(像)を挟んで(待ち合わせの2人が気づかずに)会えない。隣にいるのに会えないけど、冬はもう隣にきているみたいな。

夏井先生 
何に問題があるかというと「会えず」。ここで「会えませんでした」と説明すると俳句はとてもつまらなくなる。
色んなやり方があるが、「ハチ公を挟み冬隣の」とし、ここに言葉を少し入れる。
例えば、苦笑いなら「苦笑」。ハチ公像を挟んで苦笑いしながらも会えてるという感じに。
とうとう会えなかったら「不覚」としても良い。せっかくあそこまで行って待ってたのに不覚にも会えなかったと。
この展開ができるようになれば、それこそ特待生。

本人 ほんとですか?
夏井先生 はい。
藤本名人 凄いな、なっちゃん(笑)。

添削後
ハチ公を挟み 冬隣の
『ハチ公を挟み 冬隣の




★特待生昇格試験★



◆『夕月夜 名の無き猫と 君を待つ 千原ジュニア

【本人談】
待ち合わせをしている。好意のある方を待ってる所に野良猫がいた。友達であり、恋人ではないがそういう風になったらいいなと思いながら野良猫と一緒に待っているみたいな感じを詠んだ。

梅沢永世名人 村上みたいなヤツとお付き合いなんかするから、こういう句が生まれちゃうんです(笑)。語順が悪いんです、語順が。
浜田 語順が悪い?
梅沢永世名人 猫となんちゃら夕月夜」とくると語順が良くなる。で、そのなんちゃらがなんだ?って急に言われても(笑)。
浜田 ハハハハ。
梅沢永世名人 急に言われても…ということになるんですけど。

★評価ポイント
「夕月夜」から始まる展開の是非

梅沢永世名人 アハハハ。フジモン。

■査定結果

名人7段で現状維持

理由:7段らしい工夫が欲しい!

藤本名人 あ~やっぱりや。
本人 そうなんや。
梅沢永世名人 ほら。

夏井先生 
なぜ「夕月夜」から始まると損か。
最後待つ」という動作で終わるため、「待つ」という動作に軸足がグッとかかって、「夕月夜」の映像が置き去りになるところが出てくる。
語順は「名も無き」から。「名前なき猫と君待つ」でいける。「名前」の後は「なき」と平仮名の方が良い。
そうすると「夕月夜」が最後に残る。これでも良いが、さらにもう1個やれる。
「君」と書かなくても君を思わすことができる。「君」の部分にちょっと村上が入るでしょ?
本人 はい(笑)。やっぱりや。入ってんねん、俺の中に小っちゃい村上が(笑)。分かるんですよ。
夏井先生 ひょっとして、君を待っているのかもしれないと膨らませるために二音足す。
さっき本人が言った「まだ」を頭に入れる。「猫と」の「と」によって助詞のはたらき、「と」の働きを最大限に活用できて、村上を追放できる(笑)。

梅沢永世名人 これいいですね。
浜田 いや、ジュニアさんどうですか?こっちの方が…。
本人 うわ~、村上と喋りすぎた~(笑)。

添削後
名前なき 猫と君待つ 夕月夜』
名前なき 猫と待つ 夕月夜




★永世名人への道★



◆『背にホルンケース 秋寂ぶの ハチ公前 藤本敏史(FUJIWARA)

【本人談】
楽団の人だと思う。ハチ公前にホルンのケースを背負っている方がいて、同じ楽団の仲間をハチ公前で待ち合わせしているという。

★評価ポイント
表現意図に対する言葉や韻律のバランスの是非

ジュニア名人 うわ~、難しい。
本人 えっ?何それ?なんて言いました?何言うてるか、ちょっと分かりませんでした。今。しかも凄い力強く言ってましたね。

■査定結果

名人10段★1へ1つ前進

理由:「背に」の位置が良い判断!

本人 良かった~。あ~久しぶり。
(査定評後)
本人 あ、やっぱりな。

夏井先生 
まず分かりやすい例から挙げると「背にホルンケース」と「ホルンケース背に」とではもうここで空気が変わる。
ホルンケース背に」なら背にして歩き出すとか、背にしてどうする?ってこの後に何か動きが出てくるような空気を作る。
しかし、「背にホルンケース」だとぽつねんと佇んでいる様子が出てくる。なぜ「背にホルンケース」にしたのか。
ここの季語「秋寂ぶ(※去り行く秋を惜しむ思いのこと)」が出てくる。秋のもの悲しい風情のことをいう。
そうなると、「背にホルンケース」にした方が、季語の意図が表現できる。
しかも、最後に名詞止めでポンと止めるあたり。作者がやろうとしたことに対し、言葉もリズムもちゃんと選べている。
そういうことになる。

浜田 フジモン、それはそうなんですか?
本人 そうです(笑)。勿論ですよ。浜田さん愚問ですよ。
夏井先生 直しはいらない。
浜田 素晴らしい。星1個獲りました。
梅沢永世名人 素晴らしい。

添削なし



★永世名人 富美男のお手本★



◆『伝言板 くせ字も愛し 秋うらら 梅沢富美男

【本人談】
私たちの若い時なんて、携帯電話もない。彼女をずっと待っていたがなかなか来ない。当時駅には伝言板というのがあった。「どこそこの駅の喫茶店で待ってるよ」とそれに書いていった。それを思い出してこの句を詠ませて頂いた。

藤本名人 なるほどね~。

■査定結果
永世名人37句で掲載ボツ

理由:少々雑!

藤本名人 あれ?あれ?
(査定評後)
本人 何が?

夏井先生 
言いたいことは全部分かり、お気持ちもよく伝わる。
本人 物語も入ってるんだよ!(笑)
夏井先生 はい、分かってるって。
伝言板って書けばノスタルジックなあの時代が出てくる。お気持ちも十分わかる。
ただ「くせ字も」の「も」が散文的で雑だなと思う。
もっと雑だと思うのは、季語が最後にポーンと投げたような着地になっているのもどうも気に食わないという感じ。
「秋うらら」は漢字で音読みすれば「秋麗(しゅうれい)」。
「や」で季語を詠嘆し、そこから展開した方がずっと良い。「くせ字愛しき伝言板」。
「秋麗」という秋の美しい光をまず見せて、くせ字がアップになって、くせ字が愛しいとはどういうことかと言うと、伝言板とくる。これを書いた人自身が愛しいとなる。
こうすると、おっちゃんのやりたいことに近づく。

浜田 なるほど。これどうですか? 
本人 素晴らしいよ。素晴らしいけど、久しぶりに(番組に)出たのよ? えっ? それをアンタ、グッチャグチャに書き…(笑)。失礼…失礼じゃないか。
浜田 いやいや、本にしないといけないわけですから。
本人 なっちゃんが俺の俳句を直した本を出せば良いだろ!(笑)。
→急にブレザーを脱ぐ本人 
藤本名人 いやいや…。
浜田 なんで脱ぐねん? なんで脱ぐねんて(笑)。

添削後
 くせ字愛し 伝言板


浜田 これはだからもう世に出せないですから。
梅沢永世名人 やってないじゃん!
浜田 いやいやこれはもう仕方ないです。いきましょう。せーのっ、ドン!
藤本名人 あっ。
(シュレッダー演出) 
浜田 これはもう世に出せません。永世名人の句は抹殺でございます。
藤本名人 うわ~。
浜田 さあ永世名人、次回頑張って頂きましょう。
ジュニア名人 え~顔しはるね~。

★次回11/4の兼題は「富士と紅葉」。SDGs週間のため、持続可能な17音の俳句に芸能人が挑戦します。



【追記】10/31にEテレで放送されました サイエンスZEROの「575でカガク!」(兼題:重力波)で、拙句「狐火が飛べば重力波の臭み」が【特選】に選ばれました。ありがとうございます。

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No title

・誰を待っているか
『恋人(君)』との待ち合わせが3名と一番多かったですね。
『恋人』と『待ち合わせ』という組み合わせは恐らく凡人パーツセットだと思うのですが、三者三様の工夫で凡人以下にならないようにしていたと思います。ただ、たまたま居合わせた小動物と恋人を待つというのは類想類句がありそうです。


・【特選】に選ばれました。
この部分を <span style="font-size:10000%;">【特選】に選ばれました。</span> として強調してもいいくらい素晴らしいことです。(注意:実際にやると見づらくなるので止めましょう)

・狐火が飛べば重力波の臭み
『狐火』が視覚、『重力波』が触覚(?)、『臭み』が嗅覚という3つの『感覚』で表現されているとても素晴らしい句だと思います。
臭いに着地するのも意外性があり、更に『重力波』はどんな臭いがするのかやそもそも臭いがあるのか等、読者に想像させるのも良いです。
『重力波の臭み』という表現がありながらも『狐火』の印象が弱くなっていないのも絶妙です。

プロキオン様

解説いただきありがとうございました。

以前夏井先生は「兼題写真は発想を飛ばすためのジャンピングボード」と仰っていましたが、
今回の小倉さんの句は兼題写真から離れ過ぎていて、発想という点でついていけませんでした。

Re: タイトルなし

双葉様

コメントありがとうございます。

あくまで私見ですが、兼題「待ち合わせ」から
(1)運動会の終わりと子の再開を待つ
(2)待ちに待った林檎パイ
の2つが掛かっているのではないでしょうか。コロナ禍の午前中のみの実施と作者ご本人が語っていたため、入場出来ない親御さんがご家庭で林檎パイを作りながら帰りを待つという意味にとりました。御本人は運動会を観覧されたようですが、その場合「林檎パイ」自体は別の方が作られたとするのが自然かもしれません。

1位の小倉優子さんの句ですが、句の良し悪しはともかくとして、
兼題写真からどういう発想でこの句に行き着いたのかが全くわかりませんでした。
どなたか説明できる方はいらっしゃいませんか?

2位
植物の香りに注目した句です。金木犀という季語が良かったです。しっかりと季語を主役にしたのがこの句とフジモンさんの句だと思います。金木犀の香「で」赦す、とやりがちですが、「で」だと散文的で説明的、やはり「に」という助詞の選択が秀逸でした。君、とあるから恋人同士の待ち合わせというのが想像できます。赦す、というのが少し説明的な気もします。そこぐらいしか2位になった理由がないと個人的には思います。

1位
林檎パイが季語かどうかは賛否別れるでしょうが、俳句を読んだ時に秋だなというのはよく分かります。兼題が「林檎」や「運動会」なら秋の気分を感じない方にとっては評価できない、ということもあるかもしれませんが、兼題自体に季節感がないので無季の句として読んでもいいのかなと思いました。フジモンさんもアップルパイの俳句を詠んでいましたが、その時は小鳥を季語にしてた記憶があります。

ジュニアさん
YouTubeのポンさんとのコラボ動画良かったです(チョロっと視聴しようとしましたが結局全部視聴していまいました…)。待ち合わせの風景ではやや類想感がありましたかね。個人的には添削句の方がポンチ節が強めな感じがしないでもないです。散文的な言葉を詩にするのがポンさんの凄さでもあるので…。「まだ白い明日が並ぶ初日記」みたいな感じ。

フジモンさん
今回は自由律でしょうか。19音ですから。今回のプレバト俳句の中で一番季語を主役にできていたのではないかと思いました。炎帝戦の時に「夏暁のロンパース」と直されてから「(季語)の〜」という形が増えた気がします。「朝寒のがなり声」「秋寂ぶのハチ公前」など。ホルンのやわらかい音が秋の寂しさをより押し出しているのかなとも感じました。

梅沢さん
根本的なことを言うと3段切れですね。「愛し」は終止形ですので。「も」によって伝言板を書いた人自体を愛しいと思っていることがわかります。その人のことが愛しいけれど、その人が書く字までもが愛しいと感じる、そのような作者の心を感じました。「も」の判断は難しいです。王道にこだわる御大だからこそ、ボツが多くなってしまうのも仕方ないと思います。それでも御大には王道にこだわってほしいと思います。

今回は句自体は良かったですが、ポンさんに対する扱いが全体的に酷かったと思います。それは、ポンさん自信に対しても、ほしてポンさんのような作風で俳句を作っている方々に対して失礼であり、また、人の作風を否定することが俳句の世界であってはならないと感じております。過去にも梅沢さんはポンさんの作風にイチャモンをつけています。永世名人ならそういう所にも配慮してもらいたいものです。

今回も字面だけ読んでの投稿です。読む練習にお付き合いください。

4位の句。
うちの近所の駅がリニューアルした当時、待ち合わせをして、新しい方の入り口(北口)で待ち合わせをしていたはずなのに、長年の習慣は恐ろしいもので、古くからの南口で相手が待っていたことがあり、なにやってんだよー、となったことがあります。それを彷彿とさせられました。あるあるネタ、つまりは類想。
原句は「会えずの」が説明的ですね。添削句「苦笑」なら会えた結末、「不覚」なら会えなかった結末が待っていそう。

3位の句
三段切れなのが痛い。また、「初冬であることよ」という詠嘆がどれだけ効いてるのか?
添削句で切れの解消をされ、中七の助詞が「このカフェこそが待ち合わせ場所」と示す「は」と直されて改善されました。

2位の句。
金木犀の香りが良いので待ち合わせに来ない君を赦す。一種の悪態俳句ですが、季節を感じることで人間の感情をちゃんと昇華する、良い句です。

1位の句。
小学生の子が遠足か校外学習か、あるいはほかの、紅白帽を被って参加する何かの行事に参加して帰宅、頑張ったねと、お母さんが林檎パイを作って待っていたのだろう、と読みました。きっと林檎パイ食べながら、お母さんに今日のことを報告するんだろうな、と。句の後の光景を考えるとホッコリする句だと思います。
(映像を見て)
字面だけのコメントを書いたとき、「紅白帽を被るシチュエーションが運動会なら一気に共感できない句になるな」と思っていましたが、悪い方に当たってしまいました。
他の方はどうか知りませんが、自解を聞き、私としては一気にリアリティの無い句になりました。
・我が子が小学生になってからの運動会は五月の行事で、林檎パイは季語として機能しなくなる。
・我が子が保育園に通っていた頃、運動会は秋にあったが、午前中だけの開催は当たり前だった。運動会後はお迎えも兼ねて親、もしくは両親、場合によってはジジババも混ざって皆で帰るのが当たり前だった。つまり、帰って帽子脱いで焼きたて林檎パイ、とはすぐにはならない。
・詠み手の子どもの頃の記憶なら、容認はできるかも知れないが。
・もしかすると運動会が親すら見れない状況で行われていたら、それこそコロナ禍の中のエピソードと前書きが欲しい。

うそ寒い感触になりました。
なお、砂糖いれずに作る手作りの冷やした林檎パイも美味しいものです、ここだけは強調しておきます。

ジュニア名人
陰暦八月から上弦までの月。夕方。月の光は弱く、儚い。
初めに季語を持って来た場合、夕月夜の景を思い浮かべてから、名前のない猫と一緒に誰かを待つ。後ろにすると、名前のない猫と一緒に誰かを待つ、儚い月を見上げる、という効果に。
十二音+季語という基本型で句を作ったあと、さらに推敲して、季語をおく場所を変えられるように推敲しないといけないケースだったのでしょう。

藤本名人
ホルンケース、背負うタイプもありますね。大概、なにかを背負うと温かくなるもの。それが背負っていても寒いのだろう。
ホルンケースを背負って待ち合わせというのは、練習にでもいくのかという感じを受けます。カラオケボックスで木管楽器の練習、なんてシチュエーションかも知れない。この句も待ち合わせ後の展開に含みを感じることができた句。
(映像を見て)
「背に」を先に持って来るか、後に待ってくるかの効果の違いに刮目。たとえば、私の目の前には明日が29日だけに、「ニク=肉」の日のチラシがあるが「肉のチラシ」「チラシの肉」で、意味は違ってくる。

御大
久々の出演で没だったようで。ただ、やってることは感情語(愛し)を挟みつつ、五七五に収めるという型で、俳句ドリルでも出会う型です。
(映像を見て)
言われてみれば三段切れ。この時点で、内容が伴わなければ没ですね。
季語を秋麗と直されてしまいましたが、口語にして、秋うららな恋人と言った場合と、秋麗な恋人、というと、ちょっと秋麗は堅すぎる気がします。だから、秋うらら、を活かした添削が欲しかったな。自分なら、待ち合わせから、伝言板と「君」を思い浮かべたとしたら、さらに「君」の方に発想を走らせます。秋うららくせ字の君をなお愛す、くらいで。

類想、詠嘆の効きはどうか、三段切れ、悪態俳句のあり方、句のあとの展開を想像させられるか、語順・カメラワークのあり方、感情語を込めた型、と字面を読むと参考になる回でした。

今回は

1位の小倉優子さん

ちょっと季語の使い方が強引な気がしました。

たとえとして適切かどうかわからないですか、

ワイン→ぶどう酒

のような感じが否めません。梅沢名人が仰ったように「紅白帽」で運動会とわかるのであれば、そちらを季語にしたほうが確実かなと思います。あとお母さんの目線だとわかる描写がほしかったかなと思います。

運動会ご褒美に焼くアップルパイ

2位、神谷さん

プレバトにおいて東大=鈴木光さんの印象が残ってるせいなのか、かなり勉強されてるのがわかります。

下五「香に」というのが金木犀の香りをより強調させてくれています。

個人的には「金木犀」を「木犀」にして「赦しけり」という詠嘆をいれるとより心情と季語の香りを強調できたのでは?と思います。

3位、薬丸裕英さん

類想感があるので、添削しても才能ありにいけたのかどうかが疑問です。


最下位、宮田さん

携帯電話がない時代の句として読めば、リアリティーがあるのかもしれませんね。ただ現代の句として読むとありえない光景なのでは?というのを感じます。

携帯電話の情報があればリアリティーがあったように思えます。

充電切れハチ公前の冬隣


現状維持、小さい村上名人ww

個人的に好きだったのは猫の描写ですね。いつも待ち合わせしている場所にいついて、顔馴染みな感じがあり、

猫に話しかけてるような想像力ができます。

季語をたてる語順ということで、現状維持でしたが、次回に期待です。


藤本名人

ハチ公前という場所において、特殊ではあるけどリアリティーが感じる句でした。

前半の語順によって第3者が観察している句だとわかりました。

昔の句で

新幹線待つ惜春のチェロケース

を思い出しましたが、今回はリアリティーがあるのが大きな差だなと感じました。


シュレッダーを見るとなぜかあんしんしてしまいますww

梅沢名人

ここ最近は東国原名人の掲載決定を見続けていたせいか、ボツだなとすぐにわかりました。

まず三段切れが気になりました。上五に「の」と助詞を入れるか、先生の添削のようにすればいいので、凡ミスとしかいいようがありません。

あとちょうど去年の今頃でしょうか?
ボツ句の夏井先生の添削された

手の染みも愛し紅葉の真珠婚

における「も愛し」を使い回したのもわかりました。


追い抜かれるのも時間の問題かもしれませんね。


最後に拙句を詠ませていただきます。

ルイーダの酒場夜長の孤独かな

先日亡くなられたドラコンクエストの音楽でも有名な、すぎやまこういちさんへの追悼句として詠ませていただきした。

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