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20211021 プレバト!!俳句紹介【ランキング席】

2021年10月21日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→河合郁人[19],立川志らく[47],東国原英夫[73] ※数字は挑戦回数

●お題:プレバトのランキング席
プレバトのランキング席

※番号クリックでリンク内移動します。
14級へ1ランク昇格河合郁人
(A.B.C-Z)
デビュー曲一位行きつけの新蕎麦でびゅーきょくいちいいきつけのしんそば
2名人4段で現状維持立川志らく
歯車の音が聞こゆる秋の空はぐるまのおとがきこゆるあきのそら
3永世名人32句で掲載ボツ東国原英夫
怖るるな最下位怖るるな夜長おそるるなさいかいおそるるなよなが
→編集後記



★特待生昇格試験★
◆『デビュー曲一位 行きつけの 新蕎麦 河合郁人(A.B.C-Z)

※季語は「新蕎麦」。全部で17音の破調の句。

【本人談】
僕たちA.B.C-ZはCDデビューではなく(2012年ジャニーズ史上初の)DVDデビューをした。3年経って(=2015年)からCDデビューし、そのCDが(売り上げ)1位になった朗報を聞いて…(※1)。嬉しくて蕎麦を食べに行ったという嬉しい表現を詠んだ。

※1
浜田 なってないよ。何言うてんねん(笑)。
本人 その時なったんですよ。デビュー曲が1位に。
浜田 あ、まあまあ、はい。

志らく名人 「デビュー曲」っていうのと「新蕎麦」っていうのが、とっても良い感じはするんですけど、まあでも特待生5級の人が五七五で詠まずにこういう難しい詠み方をして果たして上に上がれるのかなっていう気はしますね。

★評価ポイント
足して17音の破調の是非

■査定結果
4級へ1ランク昇格

理由:実感が一番!

本人 おっしゃ~!やった~!(4級に)戻った~。
夏井先生 
俳句は五七五が一番良い。特待生の皆さんはまず五七五をきちんとやってほしいとそれを強く思っている。
この句の場合は(破調が)上手くいった。
「デビュー曲一位」で状況が一読で分かり、勢いがある。
」「きつけ」とイの韻を踏んでいるため、イのリズムで展開がポンと次のパーツへ行く。
季語「新蕎麦」とくるが、「デビュー曲一位」のため、派手なところに行くのかと思ったら「蕎麦」。
苦労しながらやっとデビューし、そしてデビュー曲かと。落ち着きの部分が、案外味になっていた。良いと思う。
常に自分の実感を詠んでいって欲しい。直しはいらない。

本人 ありがとうございます。
浜田 良かったよ。
本人 良かった~。危ねぇ~。

添削なし


◆『歯車の 音が聞こゆる 秋の空 立川志らく

【本人談】
「歯車の音が聞こゆる」は夏から秋になると偏頭痛が起きやすいと。芥川龍之介の小説「歯車」は偏頭痛の全長の症状を歯車に喩えた表現からそのように言う。やっぱりランキング席を見ていると、常に頭も痛くなってくるし、それも重なってきてそれがポーンと頭に浮かんだんで、こんな風に詠んだ。

★評価ポイント
中七「聞こゆる」の是非

■査定結果
名人4段で現状維持

理由:読者に寄り添って!

夏井先生 
こういうケースで、「歯車」が何を表しているのか少しだけ読者にヒントを与えてほしいと、それを強く思う。
これを最初にパッと見た時、「音が聞こゆる」はむしろ歯車が軋んでいるような音に思う。
「軋む」という動詞を核とし、こっちの主役の季語をきっちり立てた方が良い。

思い切って「歯車」と詠嘆するのはどうか。
「秋空」に主役の方法を持っていける方法を今思いついた。「秋空」とし、中七は遠慮してもらう。
軋むほど」とし、ここで秋空を描写。「青し」。自分の頭の歯車が軋むほど秋空の青さは一体何だと。こういう風に来る。
純度を上げるとこういうこともできるよということ。

本人 ん~。やはり基本が出来ていないと(笑)。
浜田 ハッハッハ。五七五。
本人 もう一回、勉強し直します。

添削後
歯車 秋空 




★永世名人 東国原のお手本★
◆『怖るるな最下位 怖るるな夜長 東国原英夫

【本人談】
夜、俳句を考えている。(タイトル戦などの)最下位が浮かぶんですよ。恐怖心というか、余計に委縮してくる。助詞をどうするか、迷路になる。そんで、また夜が長いんですよ。そんな…もう、分からないと思うよ。あなたたちには!この気持ちは!(笑)

■査定結果
永世名人32句で掲載ボツ

理由:気持ちは分かるが…

本人 あ~!ついに来たか~!
夏井先生 
この「最下位」という言葉が、東さんにとって重要なキーワードだというのは良く分かる。
ただ、一句として見た時に「最下位」という言葉が詩の純度を落としていると思う。
「最下位」が何の分野の最下位なのか。そこを少し明確にすべき。
「最下位」ではなく、「俳句」と書くとまた狭まるため「」とする。
「詩」。詩を怖れることはありません。
長き夜を」と持ってくる。怖れないで詩にぶつかっていきましょう。そして、この長き夜を一緒に格闘していきましょう。
こういう句になる。

本人 これは掲載できないんですかね(笑)。
浜田 いやいや。これしちゃダメでしょ!
本人 めちゃめちゃ良い!(笑)。

添削後
怖るるな 怖るるな 長


浜田 東さん、あの~もうホント、(シュレッダーが)初めてですね。
東国原永世名人 初めてなんですけど。
浜田 アハハッ。これはもう永世名人はこれ世に残せないので、これはもうボツにさせて頂きます。いきましょう、せぇ~のドン! 
(シュレッダー演出)
河合 あ~、あららら…。あ~切ない。
浜田 あ~あ。ね、もう消えてなくなりました。
東国原永世名人 いや~、御大の気持ちが分かった。切ないですね(笑)。

★次回10/28の兼題は「待ち合わせ」。東京・渋谷駅前の忠犬ハチ公が映る写真です。



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コメント

今回は

お三方とも挑戦の意図が伝わりました。


河合郁人さん

やはり実感の勝利といったところでしょうか。

作者がどのような人物なのかというのか、わかりやすいのがこの句のポイントかなと思います。

季語の選択についてですが、

体型管理をはじめ自己管理に厳くないといけないアイドルという特殊な職の人の、苦労も伝わってきました。

「デビュー曲一位」なのですから、所属してる事務所が売り出しされてる状態なのはわかりますし、あまり派手な生活も厳しいのではというのも想像できます。

その中でのささやかな贅沢が「新蕎麦」という季語に託されているのではと思います。


立川志らく名人

読者に寄り添ってほしいというのは過去にも言われていましたね。

自分は芥川龍之介には詳しくないので、最初読まれたときは「??」というのが率直な感想ですがでした。

「歯車」が実在なのか?比喩なのか?というのもはっきりしてほしかったのかなと思います。

直喩にして

秋空や歯車軋むかに頭痛

とストレートに書いてほしかったです。


ついにシュレッダーの東国原名人。

ストレートに伝わってきました。「夜長」という季語を選択されたことによって、なにか文化系のコンテストに挑まれてるというのは想像できるのではと思います。

心情風景でもあるし、読者への呼びかけでもあるのですから、「最下位」という言葉を尊重してもよかったのではと思います。

ただ、名詞止めによって季語よりも「最下位」という言葉が浮き上がるのが厳しいところではないかと思います。

添削の「を」の助詞をいれることで調べがなだらかになり、余韻ができたように思えます。


とはいえ、殻を破れたように思えてきます。リベンジに期待です。


最後に拙句を詠ませていただきます。

お題は林檎プレバトのお手本よ

河合郁人さんをイメージしましたww

来週は久しぶりに藤本さんが通常査定にご出場。個人的にはもうちょい出て欲しい。お忙しいのかな…。ジュニアさんと藤本さんの特待生昇格試験での共演って意外と見たことない?記憶にないですね。

破調が内容に見合ってる、という意味は未だによく分かりませんが…

河合さん
アナウンサーからの言われようが酷かったですね笑。麦茶の句も素敵だと私は思いましたので、何もしていない、というのは言い過ぎでは?笑。句は実感がこもっていて、季語選びが良かったと思います。千賀さんの「どら焼き」の句に似て、ジャニーズなのにどこか庶民的なところがいいですね。

志らくさん
工場で働く人の句かなと思いました。「聞こゆる」が平凡な感じはしました。「歯車の音」があったら聞こゆるはいらないと思いますし、もっと具体的に音を描写しても良かったのかなと思いました。正直降格かなと思いました。

東さん
初のボツ査定。私は掲載決定だと思いましたが…。確かになんの最下位か分からないという問題点があるなと感じました。夜長とあるからスポーツとかではない気がしますね。でも夜にスポーツのことばかり考えているとも詠めるか。難しい!添削句がめちゃめちゃいいですね。梅沢さんのボツの句よりは数段レベルが高いように感じました。

No title

東さんの句、こんな特殊な構成なのに五七五で収めて綺麗に添削するとは・・・御見事という他ないな

今回も映像を見ずのコメントです

河合さん。
破調。新蕎麦がデビュー曲一位の喜び、瑞々しさを受け止める句となったと思います。

志らく名人
よもやの定型。歯車の「音」がするなら「聞こゆ」は無駄。仮に秋の空が歯車の鳴るようだ、と言いたくて捨て石で「聞こゆ」を入れていたとしても、結果的にどこかの工場から歯車の音がする、という句になってしまったかも。

永世名人
プレバトでランク付けされていることから、最下位を怖るるな、という措辞が出てきてしまったのでしょうか。私達も俳句ポスト等で評価に一喜一憂しがちですが、兼題から何を表現しようかという楽しみであり、なかなか句が出てこない、という悩みそのものを怖るる方が、創作者として健全だと自省。勝った負けたでなく。
ただ、「怖るる」を重ねることで外灯のない夜道をさぐりさぐり行く、そんな姿勢は伝わりました。
てか、添削句がすごいわ。

追記あれば、映像を見てからかきたします。

東国原さん、連勝は5でストップ……
確かに「最下位」ではスポーツなのか試験なのか、はたまたオーディションなのかわからない。しかしこの言葉にこめた意味を考えると捨てるのも勿体ないと、両者苦渋の決断が見てとれました。まさに紙一重。

添削後の「を」で収まる俳句らしい綺麗な形も素晴らしいですが、元の破調っぽく気持ちを率直に伝えた形も私は認めたいです……!

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