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20210902 プレバト!!俳句紹介【実家の柱】

2021年9月2日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→貴島明日香[2],濱家隆一[3],和田アキ子[6],山内健司[4],村上佳菜子[初],横尾渉[51],村上健志[57],東国原英夫[69] ※数字は挑戦回数

●お題:実家の柱
実家の柱の兼題
※実家の柱に子どもの成長の跡が刻まれた1枚。濱家は187cm、和田は174cm、貴島は170cmと高身長ならではの実感がこもった句が出てくるはずと紹介。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点貴島明日香
秋の日に母の枕香薄れゆくあきのひにははのまくらがうすれゆく
2凡人2位67点濱家隆一
(かまいたち)
明日急かし日めくり揺らす秋の初風あすせかしひめくりゆらすあきのはつかぜ
3凡人3位50点和田アキ子
今年酒我が膝さする小さき母ことしざけわがひざさするちさきはは
4才能ナシ4位30点山内健司
(かまいたち)
盆休み久々の足の指の敵ぼんやすみひさびさのあしのゆびのてき
5才能ナシ5位15点村上佳菜子
疲れたなあ追い込む季節冬隣つかれたなあおいこむきせつふゆとなり
6名人7段で現状維持横尾渉
(Kis-My-Ft2)
父からの返球身に入む黄昏ちちからのへんきゅうみにしむたそがれ
7名人10段★2で現状維持-村上健志
(フルーツポンチ)
車庫入れの誘導は父秋日和しゃこいれのゆうどうはちちあきびより
8永世名人30句目に掲載決定東国原英夫
秋暑し柱は饐えた父の臭いあきあつしはしらはすえたちちのにおい
→編集後記





●それでは順位別にみていきます

◆1位 才能アリ70点 貴島明日香
秋の日に 母の枕香 薄れゆく

浜田 ほう。

【本人談】
兼題「実家の柱」から大黒柱の母をまた詠もうと思った。秋に空気が冷たくなると温度が下がっていくと共に、香りが薄くなっていくことに着目した。私は母のベッドが大好きで昔から潜り込んでいたが、秋になるとその匂いが薄れて寂しいなと思っていたことを書いた。

東国原永世名人 これね「薄れゆく」っていう"時間経過"が非常にですね、夏井先生は好きなんです。これ「薄れゆく」って時間経過が成功すると非常に評価が高い。
アッコ へぇ~。
東国原永世名人 そうですよ。それを多分、計算してやってる(笑)。
浜田 いやいや。それはないと思いますよ。
東国原永世名人 そうですかね~。

夏井先生 
「枕香」(※枕にしみ移った香りのこと)は枕に移っている匂いのこと。
読んだ時に、お母さまが亡くなっているか、病院・施設で暮らすようになる母か。ある程度の年齢の方の句かなと思っていた。
そういう落ち着いたしみじみとした空気が一句の中にある。
もちろん、生きているお母さまの香りで作っても全然OK。
「薄れゆく」の時間経過は東さんがおっしゃった通りで、「薄れる」ではなく「ゆく」である程度の時間の幅が表現できる。
勿体ないのは「枕香」とつながるので、表記の上で「うすれ」と平仮名の方が綺麗かもしれない。
そしてもう一つ。上五「に」が散文的になるため、「」としっかり切った方が季語が立つ。
「秋の日」という映像を持たない時候の季語を「あ~しみじみと秋の日だな」と詠嘆し、母の枕の香りがゆっくりと薄れてゆくよ、とこういう風になる。
東さんにあんな風に分析されていたとは思わなかった(笑)。まあ今からちょっと裏かいてやろうと心してからやります(笑)。

浜田 あ~もう喋ったから東さん。
村上名人 やめてください。余計なこと言うの。
東国原永世名人 やっちまったよ~!(笑)

添削後
秋の日 母の枕香 れゆく


◆2位 凡人67点 濱家隆一(かまいたち)
明日急かし 日めくり揺らす 秋の初風

浜田 うんうん。

【本人談】
秋になりかける夏の暖かみの残った風が部屋の中に入り、柱に刺さっている日めくりカレンダーを揺らしている。めくろうとしているため、「早く明日へと本格的な秋へ行きたい」という風のイメージで書いた。

東国原永世名人 惜しいのがやっぱ上五「明日急かし」かな。
浜田 あ、そうなんですね。
東国原永世名人 「明日急かし」がちょっと説明的なのかな~。
浜田 ちなみに山内はどう思いますか?
山内 全くピンとこないです(笑)。
本人 何やねん、おいおいおい。お前。
山内 何でこれが2位なのか(笑)。
浜田 ハハハ。
本人 覚えとけよ、お前。
山内 何を詠ってるのか全然わからない。
村上名人 分かりますって。分かりやすいでしょ。

夏井先生 
「秋の初風」(※秋の到来を思わせる風)が季語になる。秋の訪れを始めて自分が感じると。
そういう風を特別な表現でこのように言う。よくこの季語に目を留めた。勉強する気がないと見つからない季語。そこを1つ褒めたい。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 惜しいのは、さすが永世名人。
「明日急かし」が説明になっている。これを一発で見抜けるから永世名人。
明日を急かしているかのようだというのは、読者のために取ってあげないといけない大事な感想・鑑賞の部分。
その鑑賞を自分が先に言ってしまうと、読者が感じることを先取りにして損する。
俳句は日めくりカレンダーのアップから。「日めくり」で上五。
「揺らし秋の初風」とし、「は」で余韻を持たせる。調べがなだらかになる。
この「は」の後に、日めくりを揺らして秋の訪れを教えてくれるこの「初風」は"あたかも明日を急かしているようだ"と読み手が読んでくれる。
「は」で余韻を作れるかどうか。ここが分かるようになると、あなたがすぐに才能アリに行くと思う。

浜田 マジで?
本人 ありがとうございます。やっぱ確かにそっちにした方が全然深みというか…。
浜田 山内、どう思う?今の。
山内 僕は最初っから先生のが浮かんでました。
本人 嘘つけ(笑)。おいおいおい。
山内 何でそうしてんのかなって(笑)。

添削後
日めくり 揺らし秋の 初風


◆3位 凡人50点 和田アキ子
今年酒 我が膝さする 小さき母
※「今年酒」は今年の秋にとれた米で醸造した酒のこと

【本人談】
実家のリビングに丸い大きな柱がある。16年間に他界した母が生きている時、大阪の実家に帰ると、柱越しにある庭の花を見ながらオカンが寝るまで酒に付き合ってくれる。その時に、オカンが私の膝などをさすって横で「姉ちゃん頑張りや。姉ちゃん元気でね」っていうのが物凄くある。

浜田 はいはい。そうですね。
本人 「そうですね」って知ってんの?アンタ(笑)。
横尾名人 「今年酒」って言葉がまず素敵だなと。これ読んだ時に、読み手が色々と考えさせられる句になってる。
東国原永世名人 問題点がいくつかありましてね(笑)。
本人 えっ?
横尾名人 何ですか、問題って。
東国原永世名人 アッコさんのお母さまが小さいっていうのが、僕は疑義がある(笑)。
村上名人 そこはわかんないですから。
本人 何でやねんな。オカンはちっちゃい。オカンもこんなおっきかったら…(笑)。

夏井先生 
母との思い出を率直に書こうとしている。そこはとても良い。
惜しいのは「我が膝さする」のが、全部読んだ時に、ひょっとして母自身が自分の膝を「あ~痛い痛い」とさすりながらお酒を飲んでいることを作者が書きたかったのかとも思った。
そこがハッキリせず、ここだけが引っかかる。
作者の膝を母がさすっている」と分かるように微調整すると良い。
「我が」から始めたいが、誤解を招かないように「吾(あ)」とすれば"私"の意味になる。「吾の膝」で私の膝と明確になり、読み手はまず作者の膝を想像する。
補強で助詞「」を入れ、「さする」とする。
「小さき母」だが、大体母は年を取ると若い時よりも小さくなるもの。「小さき」は書かなくてよい。
「母の」と完全なアップの映像にする。最後に「今年酒」と。
私の膝をさすってくれる母の手、お酒も注いでくれて一緒に盃を持つ手と。手をクローズアップする。
クローズアップの方法を覚えれば才能アリがコンスタントに手に入るようになる。

本人 分かりました。ありがとうございます。いやいや、もうなんか。思い出しますね。オカンの仕草まで思い出せる。あ、分かりました。ありがとうございます。

添削後
 さする母 今年酒


◆4位 才能ナシ30点 山内健司(かまいたち)
盆休み 久々の足の 指の敵

アッコ 何やねん。これ(笑)。
本人 「何やこれ」やめてください。

【本人談】
久しぶりに実家に帰った時、昔はよく柱で足の指をぶつけて「痛ぇ!」ってなったのを思い出した。「敵のお前に過去やられたけど、もうやられないぞ」って注意している気持ちを表してみた。

本人 その読んでる最中に「何やこれ?」ってやめてもらっていいですか? アッコさん、「何やこれ?」って。
アッコ ハハハ。ごめんごめん。
東国原永世名人 僕は「久々の足の指の敵」ってピンときたのが水虫なんです。
浜田 あ~なるほどね。
東国原永世名人 「足の指の敵」って何かなと思ったの。
浜田 そういうことでもないみたいですね。濱家どう思ってんの?
濱家 写真を見なかったら何が言いたいかさっぱり分からないというか。
浜田 そうですね。
本人 お前のもな。
濱家 うん?
濱家 お前のもな(笑)。全く分からなかったけどな。
濱家 37点差あるから。
アッコ 言うても2位や。なっ。

夏井先生 
これもホントにどうしたもんだかと。私も東さんと同じことを思った。「久々の足の指の敵」で作者は水虫が再発したと。
写真・お題は作品とは別物で、俳句は字面だけの勝負。これではかなりの割合でこの「敵」は水虫と思う人は多い。
本人 今、水虫の方ってそんなにいらっしゃるんですね。
夏井先生 それはあなたの俳句の問題です(笑)。今、私たちは水虫の傾向について語り合っているのではないのです(笑)。
アッコ 先生の方が上やな、やっぱ。
夏井先生 作品をあなたの思った方向に持っていくには、「指」から持っていくしかない。
「久々」は音数の問題で「また」とする。「また指を」で、何か分からないがまた指をどうにかしている。
「久々」がいらなくなるが…「の足の」も全部要らない。
本人 今気づいたんですか。
夏井先生 今気付きました(笑)。使えるのは「指」と「盆」だけだわ(笑)。
濱家 「指」と「盆」だけ。
夏井先生 ぶつける」。ここでぶつけるものが何かと明確に書かないと「水虫」だと思われる。「」。
季語は「盆休み」でも良いが、休みの期間の方に軸足が行くため、ここは「盆の」と季語を変える。「柱」「家」が結ばれる。
ぶつけた指は「足」だと思ってもらえる。これなら相方に勝っていたかもしれない。

本人 え~!どっちか迷ってたんですよ~。

浜田 
ウソつくな!
本人 そっちか~。
濱家 全然違うやん。「盆」と「指」しかあれへん。

添削後
  盆の


◆最下位 才能ナシ15点 村上佳菜子
疲れたなあ 追い込む季節 冬隣

浜田 アハハ。
本人 めっちゃ笑ってる。

【本人談】
冬からフィギュアスケートのシーズンが始まり、秋は一番追い込んでいる季節。そのままの気持ちをそのままぶつけてみた。「冬隣」(※冬が間近に迫った晩秋の気配)が凄く冬に近い秋のイメージがあったため、季語として用いた。

村上名人 そうですね、これ10年ぐらい前のAIに作らせました?(笑)
本人 何でですか?
村上名人 1個1個が繋がっていないというか、今おっしゃったようなスポーツ選手にとって追い込みのシーズンであるってことは、これでは難しい。
本人 え~!そんなにダメですか?
浜田 いやいや、そら分からないですよ。先生に聞いてみます。

夏井先生 
この句は日本語としてそれぞれ意味は分かる。具体的に何1つ書かれてないため、あまり将来性がない才能ナシ(笑)。
こういうタイプが一番添削しろと言われて本当に困る(笑)。
ひとまず、少しでも具体性を盛り込まなければ、この流れでは作者が誰であっても日本国民全員に当てはまる
浜田 「スケート」って書いたら良かったんですよ。
夏井先生 その通り。さっさと書けよ!ですよ(笑)。
「疲れたなあ」は何で疲れたかを書かないから、練習しているならそうだと。一応書きますよ、仕事ですから(笑)。
山内 だいぶやっつけになってるなあ。
夏井先生 練習を終えたと。そして何を追い込んでいるかというと「スケート」と書くんです。
「季節」は「シーズン」ですね(笑)。
本人 もう笑ってるじゃん、先生も。
夏井先生 練習終えスケートシーズンは」。もうすぐなら、「間近」。
アッコ そのまんまや。
夏井先生 やってみたら全部消えてますが(笑)。久しぶりに全部消すという荒技をやってみました。
山内 全部消えた。

本人 もうこっから上がるしかないんで。はい。
浜田 前向きやね、あなた(笑)。

添削後
 


★特待生昇格試験★

浜田 今日は大丈夫ですか?
横尾名人 藤ヶ谷が言ってたんですよ。「あの番組凄いよね。そこに出てるお前凄いな。頑張ってんな」って褒められたんで(笑)。
村上名人 本来の(アイドルの)活動じゃなくて?
浜田 マジで。
横尾名人 スゲェ頑張りたいと思います。
浜田 ハハッ、分かりました。

◆『父からの返球 身に入む黄昏 横尾渉(Kis-My-Ft2)

浜田 うん、なるほど。

【本人談】
「身に入(し)む」(※秋の冷気や物寂しさが身に深くしみるように感じること)という季語をどうしても入れたかった。それは、父がそんなに言葉とかで教えてくれる人ではなかったから。「返球」はキャッチボールだが、人生で父と1回しかしたことがなく、その1球1球にドンドン力が入ってきて、何かそこに教えてくれるのではないかと。言葉ではなく、自分の体に入れていけっていうことで父との思い出を書いた。

村上名人 いや、いいですよね。こんなことやるようになったんだっていうか…(笑)。こういうカンジ、最近?
本人 はい。
村上名人 ただ、今言ってたこと。僕は「身に入む」があるので、その寂しさを…。どっちかっていうと「返球」が、子どもの頃よりも大人になってキャッチボールをしたら、父の力が弱まってるというのを感じてるのかなと思った。僕は「身に入む黄昏」。
浜田 なるほどね。
村上名人 でもまあ、それは別にどっちでも良いのかなと思って。

★評価ポイント
助詞「から」の効果の是非

■査定結果
名人7段で現状維持

理由:(もっと映像を描くべき)

本人 あ~ダメだった。

夏井先生 
私も村上さんが語ったような読み方をした。
「黄昏」という言葉があり、「身に入む」という季語もあるため、そこら辺で父の衰えを返球に感じ取っていると。
そのことを表現したい句かなという風に、読んだ時に受け止めた。
このままでも成立はするが、一番勿体ないのが「から」の2音の助詞を選んだところ。
「父の返球」でも父から返るから返球。「から」を敢えて念押しのように使うことでどれだけ得するかという話になる。
例えば、「返球」というものから行く。「返球の身に入む」で、誰かから受けた返球
たかがキャッチボールでなぜしみじみと受け止めているのか、となる。句またがりでの構成。
「黄昏に父は」で映像を作る。「夕暮れにたたずむ父は…」と余韻を持つ映像になる。
こういうことができるようになると、10段に向けてエンジンが掛かってくるということになる。

添削後
返球身に入む 黄昏に父


★永世名人への道★

玉巻アナ 村上さんですが、去年2月に2つ目の星を獲られてから、1年半進展がない状態です。
村上名人 まあね、これ…見る人は星のことあ~だこ~だ言いますけど、僕はそこではなくて村上的世界の面白がり方っていうのを発表したいだけなんですよ。
浜田 …ええっと、そういうことじゃなくて(笑)。
濱家 そういうことでもないみたいよ、村上。
東国原永世名人 1年半でしょ、まだ。(僕は)10段なってから永世名人なるのに3年かかってるんです(笑)。
一同 え~!
東国原永世名人 はい、10段なってから星5つ獲るのに、3年かかってる。(村上名人は)まだ1年半じゃないですか。あと1年半(笑)。
村上名人 いや~、長いって~。

◆『車庫入れの 誘導は父 秋日和 村上健志(フルーツポンチ)

【本人談】
(車の)免許を取った後は父親に車を借りて練習したりする。その時に、自分の家の駐車場に車庫入れをする時に父が誘導する。あまり話さなくなった父が「運転に関してはオレの方が先輩だぞ」と威厳を取り戻している。それが「秋日和」と相性が良いだろうと。

東国原永世名人 ポンチ君ならではのポンチ節ですね、これね(笑)。良い句なんだけど、好きになれないんですよね(笑)。サラリとした良い句なんですよ。
浜田 山内どう思う?
山内 僕はこれ読んだ時に、(自分の句で指摘された)水虫のこと言ってんのかな?(笑)
本人 違うでしょ。水虫の要素ないでしょ。
山内 もうちょっと具体的に言った方がいいんじゃないかな。水虫のこと?(笑)
本人 違いますね。
山内 分かんないです。

★評価ポイント
季語「秋日和」の是非

■査定結果
名人10段★2で現状維持-

理由:季語が印象に残らない!

本人 違ったか~。
(査定評後)
本人 (悔しそうに)あっそう~。
アッコ おい、「あっそう~」って失礼な!「あっそう~」って何よ。

夏井先生 
やっぱり上五・中七は上手い。これだけのことで状況が全部わかる。
父の車を借りて運転を始めたばかりの息子か娘が一生懸命車庫入れの練習をしていると。
ここは本人が思っている通りの映像を生き生きとありありと書いている。さすが10段。
そうなると「秋日和」という季語の評価になる。決して悪くはなく、可もなく不可もなし。
マイナスはないが、主役になる季語としては少し弱いという印象もある。
10段でなければ、「頑張りました。上五・中七が上手いです」で良いが、10段ですからそこはやっていただくしかない。
浜田 星獲りましょうか、先生。
本人 いやいや、おかしいですって(笑)。そんな風に星やり取りするのヤバイですって。
浜田 でも先生これ直しはないんですか?
夏井先生 もちろん、いらないですよ。

浜田 あら~。
本人 季語はね、確かにな。
浜田 もう後は自分で最後、あそこの季語考えなアカンかったという。
本人 これでもね、じゃあ何がベストって正解がないのが難しいんです。ねえ~。

添削されず


★永世名人 東国原のお手本★

玉巻アナ 東さんですが、句集完成まで残り21句です。これまで2度挑戦して2回とも掲載決定というハイペースでして。
浜田 お、すげえ。
玉巻アナ このままだと梅沢さんよりも先に句集を完成させることになります。
一同 ええ~!
浜田 これは…。
東国原永世名人 今日は御大出てないから。ちょっとでも近づくチャーンス!(笑)

◆『秋暑し 柱は饐えた 父の臭い 東国原英夫

浜田 はぁー。

【本人談】
実家で30~40年経った柱の臭いを嗅いだことがあるだろうか。少し酸っぱい加齢臭のような腐ったような匂いがする。夏の暑さを越えるとその臭いが際立ち、それが親父の労働の後のような臭い。父が30~40年、一家の大黒柱として家族を支えてきたが、柱は家を支えてきた。同じようなこれをシンクロさせ、「饐(す)えた臭い」で表現した。

村上名人 いや、すごいですね。これ本当は「父の臭いのような柱の臭い」だということなんですけど、言い切ってしまっているという。それが思い切ってできるのが凄い。あと「秋暑し」もいいと思いますね。逆村上(ぎゃくむらかみ)です。季語が効いてるんじゃないかと…。
浜田 逆村上?(笑)
濱家 逆村上?
横尾名人 逆村上?
村上名人 逆村上?
濱家 お前が言うたんや!(笑)

■査定結果
永世名人30句目に掲載決定

理由:時候の季語を主役に立てている!

本人 よし!
貴島 すごーい。
横尾名人 さすが。

夏井先生 
「柱は饐えた父の臭い」とどこにも「実家」と書いていないが、実家の柱であると否応なく分かる
「饐えた」という強烈な言い方で柱の臭いを表現したが、それが老いていく父の臭いとイコールであると。ここら辺の実感も非常に生々しい。
村上さんもおっしゃったが、「父の臭いのようだ」と比喩に持っていくとこの句の場合は弱くなる。
父の臭いだと断定して詩を発生させる。そこら辺もよく分かってやっている。
一番褒めないといけないのは、「秋暑し」という季語を主役に押し上げている。
まさに柱が饐えた臭いを放つ父の臭いのようなそんな時期が「秋暑し」の頃だと季語がちゃんと立ってくる。
ここが逆村上なんです!(笑) 
濱家 「逆村上」なんだ。合ってた。
夏井先生 まさにそうだと思う。
今回の名人お三方は三人とも「父」という素材を兼題写真からつかみ出し、しかも3人とも「身に入む」「秋日和」「秋暑し」と映像を持たない季語を取り合わせていた。
その中で時候の季語を主役に立てることが出来ていたのがこの一句。さすが永世名人ということになる。直しはいらない。

浜田 おめでとうございます。これで東さん、あと何句や。
玉巻アナ 残り20句で、梅沢さんが残り13句と。
浜田 いや、もうこれ抜きましょ。
本人 そうね、もう抜きましょ(笑)。

添削なし



□金秋戦予選抽選会 組合せ結果(※ABブロックは抽選順掲載)
AブロックBブロックCブロックシード権
岩永徹也筒井真理子千賀健永梅沢富美男
森口瑤子藤本敏史ミッツ・マングローブ東国原英夫
中田喜子三遊亭円楽松岡充横尾渉
パックン向井慧北山宏光千原ジュニア
春風亭昇吉立川志らく馬場典子村上健志
※兼題は、Aブロック「スポーツの秋」・Bブロック「食欲の秋」・Cブロック「読書の秋」です。
※各ブロック1位は通過、2位補欠から2名の合計5名が予選通過、決勝はシードを含めた10名
※9/9にA・Bブロック、9/16にCブロックを開催

スタジオ出演:藤本敏史、中田喜子、森口瑤子、松岡充
リモート出演:村上健志、立川志らく、岩永徹也、パックン、筒井真理子、馬場典子
見届席(シード権):梅沢富美男、東国原英夫、千原ジュニア









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コメント

俳句ドリル

村上名人の「車庫入れの誘導は父秋日和」。自分の句を作る合間にちょくちょく考えているのが、「秋日和」ではなく、どんな季語を置けばランクアップしたのだろう、ということ。

歳時記をめくり、「盆帰省」が目に行きましたが、これだと社会人一年生で免許を取得した若者が、初めて車で帰省した、という句になり、村上さんの「親の車を借りて練習」という風にはならない。

もう一個は「木守柿」。家に柿の木があり、収穫も終え、一個とは限らないけど、来年以降の実り=今後の若者の成長を願う果実があって、、、としてみたけれど、この季語だと秋が深まりすぎている感じになって、どうもしっくり来ない。

「車庫入れの誘導は父○○○○○」

下五に何を置けば、良いのでしょうか。。。

山内、ヒールをすること自体は別にいいんだけど、実力と引き際は見定めてもらわないと・・・今のままじゃただ空気読めないだけよ
過去にも梅沢さんをダシにした上で的外れな発言をして夏井先生に「プレバト見てないでしょ」って言われちゃってるのに

明日まで映像を見れないのと、録画した映像を見ると、詠み手の自解にどうしても引きずられます。そこで、今回もこちらのブログで字面だけ追っての感想をまず書くこととします。読む勉強にお付き合いください。〈〉は録画したものを見てからの追記です。

一位の句。季語は「秋の日」。
これは「秋のとある一日」とも「秋の日差し」とも読める季語ですね。枕を天日干してるのだろうと読むと「日差し」の方なのだけど、下五「薄れ行く」が時間の経過を感じさせるので、はて、一日なのかお日様か、と迷っております。録画したものを見るのが楽しみです〈映像を見たらお日様ではなかった〉
でも、良い句だと思います。

二位の句。内容は悪くないけど、ちょっとガチャガチャしてますね。
原句上五の「明日急かし」は「急かしているように見える」、という自分の感想ですので、自分の見たものを描写するのなら、私もここを省きますね。
自分の実家では柱に日めくりカレンダーはかけてませんでしたが、かけている家は確かにあって、兼題とマッチした句でした。

三位の句。恐らく新酒を飲みながら母のことを思い出してるのだろうけど、「小さき母」だと成長した子どもとお母さんが一緒に酒を酌み交わしていたとしても読みとして成立する気がします。添削句の方だと母親が故人という感じがより出てくるかなあ。〈映像を見るとお母様がご存命のころの思い出でした〉

四位の句。大変素晴らしい句ですね。久々に足が生えてきて、しかし、水虫に悩まされているということが大変良く描写されている、人外の詠んだ良句だと思います。そして、バケモノにもお盆の概念があると、新たな発見がありました。いやぁ、大変素晴らしいですね、はいはい、さて、次の句へ目を移しましょう、、、と揶揄しながら、一個だけ本当に良い点を。兼題写真が「実家の柱」なのですが、柱そのものや柱にかかっていたりするものを詠じてる、要は、兼題と真向勝負してる点は良いと思います。

五位の句。この句を読むと「三歳でも作れる俳句(「楽しいな」俳句)」の回は需要があると思います。というか、二週連続でスケート選手は撃沈ですか。

横尾名人
原句だと、身に入むのがボールなのか黄昏なのか、どっちでも解釈できてしまいますね。

村上名人
これは、季語がいつの季節のものでも成り立ってしまうのでは?学生の時、夏休み中に運転免許を取る人も多かったけど、そうでない人も沢山います。確かに、季語が立ってない。

永世名人
定型で、兼題写真通り柱を取り入れ、しかし「におい」に目を付けるというのが流石としか言いようがないです。
季語の秋暑しは要は残暑ですね。
しかし、残暑だと夏の暑さの残りで、夏のイメージを引きずる感じ。秋暑しだと、秋の爽やかさや寂しさも感じ取れますね。
これを踏まえて、仮に、上五に「残暑」を取り入れた語句をあてはめると、句全体の意味が違ってきます。
先週今週と永世名人の季語の選択が光っています。

さて、来週からは、もうタイトル戦。楽しみですね(放映当日に視聴できる方を羨みながら)。

No title

ヒール目指してるのか知らないけどひたすら不快だったなあ山内さん
なんというか、暴言は吐いても周りを不快に感じさせない梅沢さんや、フジモンやジュニアさんの普段のトークがどれほど上手いかという事が相対的に分かった回だった気がします

今回は

最下位の村上さん(ややこしいですねw)

意味が全くわからないわけではありませんでしたが、

上五が感想ですし、中七に「追い込む」とあるのでそもそもがいらないかなと。

「冬隣」も季節なので「季節」もいらないかなと。。

名人が指摘されたようにスケートの技をいれればいいのにと思いました。自分が添削するとしたら

冬隣アクセルジャンプの追い込みを

くらいになるかと。ただ、兼題からあまりにも離れすぎているし、9月の初週の放送で「冬隣」はさすがに無理があるかなと思いました。


4位のかまいたち山内さん

最初読まれたときに、田舎の虫の描写かと思いました。

安易な擬人化の失敗例としての見本にはなるかなと思いました。

3位の和田アキ子さん。

先生の解説を聞いて「我」の意味を調べてみましたが、

我を通す
我関せず

など自分自身のことをさすわけではない言葉もありました。勉強になりますね。

とはいえ先生のおっしゃる誤読があるかといえば疑問です。

個人的には「我が」がそもそもいらなかったのではと思ってます。

またお母様か故人であるならば、過去の描写だとわかるようにしてほしかったなと思いました。

字数と調べを整えるのであれば

今年酒ひざをさすってくれた母

かなと

ただ僕は恥ずかしながら「今年酒」という季語を知らなかったですし、プレバトでははじめて使われる季語だと思いますので、勉強された跡はハッキリわかります。次回リベンジしていただきたいですね。


2位の濱家さん

字数と調べの関係を表す意味ではお手本になるかなと思いました。

思い出すのが梅沢名人の

白髪の薄色に染め春立ちぬ

白髪をうすむらさきに春立ちぬ

ですね。ミッツ名人も特待生初期の頃は情報を詰め込みがちで苦戦してました。

引き算する勇気を持てれば才能アリも目の前だと思います。

1位来島明日香さん

この時、電話が来ていて詳しくは見てないので簡単に。

上五の「に」はよく扱われますね。説明的になってしまう感じがあります。

僕の記憶してる限り成功例は

三遊亭圓楽名人の

段雷に靴紐きつく秋の朝

だけですね。


横尾名人。

「身に入む」「黄昏」意味が重複してるように思いました。季語自体が強い寂しさを伴うので季語を信じて
「夕日」くらいに抑えたほうがいいのではと思います。

また村上名人や夏井先生と同じように解釈する人もたくさんいると思いました。ご本人の解説だと逆のようで

父の返球だんだん強く身に入む夕

だとご本人の解説通りになるかなと思います。


二回連続現状維持の村上名人。

季語選びが課題になりましたね。

「秋日和」で思い出すのが、千原ジュニア名人の「ポスト」の句ですね(あの表記ができないのでお許しをw)
あの時も先生の解説で季語で自分の心情を表現する例をいくつか出されていました。

ただ実体験の千原ジュニア名人に対して、基本的に想像の世界を詠む村上名人では厳しいのかなと思います。

一度実体験に基づく句を詠まれたほうがいいのではと思います。


掲載決定の東国原名人。

通常査定ではかなり久しぶりの定型の句でしたね。吟行されているのがよく分かる一句でした。

良い意味で勝負しなくなったなと思います。

最後に拙句を詠ませていただきます。

盆休み見飽きた姪の軟体技

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