fc2ブログ

記事一覧

20210715 プレバト!!俳句紹介【夏野菜カレー】

2021年7月15日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→村上[2],小島瑠璃子[7],研ナオコ[3],二階堂高嗣[29],馬場典子[17],東国原英夫[66],梅沢富美男[140] ※数字は挑戦回数

●お題:夏野菜カレー
夏野菜カレーの兼題
※色鮮やかな野菜が旬を迎える季節。カレーは日本国民が年間に平均79回食べる国民食。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位70点村上
(マヂカルラブリー)
カレーにトマト浮かぶ夏昼の鮮やかよかれーにとまとうかぶなつひるのあざやかよ
2凡人2位50点小島瑠璃子
お昼よ!で駆ける夏の日カレーの香りおひるよでかけるなつのひかれーのかおり
3凡人3位45点研ナオコ
夕立にかまどに向かう母こいしゆうだちにかまどにむかうははこいし
4才能ナシ4位35点二階堂高嗣
(Kis-My-Ft2)
ウミウシや彩り豊かなサマードレスうみうしやいろどりゆたかなさまーどれす
54級で現状維持馬場典子
成田の溽暑ただいまとカレー蕎麦なりたのじょくしょただいまとかれーそば
6永世名人28句目に掲載決定東国原英夫
玉葱やこの人結局死んじゃうのたまねぎやこのひとけっきょくしんじゃうの
7永世名人36句目に掲載決定梅沢富美男
玉葱を刻む光の微塵までたまねぎをきざむひかりのみじんまで
→編集後記





●それでは順位別にみていきます

◆1位 才能アリ70点 村上(マヂカルラブリー)
カレーにトマト 浮かぶ夏昼の 鮮やかよ

【本人談】
夏野菜カレーをバシッと詠もうと思った。夏の人と植物・野菜も凄く色が鮮やかになって活動的になるのを詠みたいと思って詠んだ。

東国原永世名人 これは~俳句ですね(笑)。
野田 今までは俳句じゃなかった。
東国原永世名人 彼らの漫才はどうか分かりませんけども(笑)。
野田 ついでに(M-1グランプリ2020の漫才じゃない論争を)批判しないで下さい。
本人 何をこそっと。
野田 どさくさに紛れて。
本人 メインの感じで言ってきて。
野田 今そこの話題じゃないんで。

夏井先生 
季重なりだが主役・脇役の季語の使い方をわきまえている。「トマト」「夏昼」が夏の季語。
「夏昼」は時候の季語で映像を持たない季語。
映像を持たない季語を主役にするために、ちゃんとした映像が必要となる。
ストレートに「カレーにトマト」と夏昼の映像として使っている。バランス感覚が悪くないと思う。
本人 ありがとうございます。
夏井先生 小さな微調整を入れるともっと良くなる。
「浮かぶ」は勝手に浮かんでいる感じに。自分で浮かべる言い方の方がより生き生きとする。
「浮かべて」なら自分で浮かべたことになる。
最後は「鮮やか」でバシッと切った方がより鮮やかに「夏昼」という季語を描いてくれる。
ちょっと技術的なことを勉強したら多分上手くなると思う。

本人 先生!
浜田 おい!あっち(二階堂)は29回やってんねぞ(笑)。
二階堂 すげぇ。
本人 やっぱモノが違ったってことですね。
野田 サマードレスとはわけが違う(笑)。
二階堂 すげぇ~!

添削後
カレーにトマト 浮か夏昼の鮮やか


◆2位 凡人50点 小島瑠璃子
お昼よ!で 駆ける夏の日 カレーの香り

【本人談】
料理をしていた母の「お昼よ!」の言葉に兄弟が一斉にバーッと走って食卓に向かうが、「何かな?」と思うと香りで「あっ、カレーだ!」と見る前に分かる。

梅沢永世名人 まあね、俳句は五七五でいかないと。
本人 えっ!
梅沢永世名人 「カレーの香り」ときたら字余りになっちゃう。「カレーの香(か)」で止めとかないと。
本人 なるほど!

夏井先生 
読んだ瞬間にカレーのCMのような感じがするが、書きたいことはキチンと書けている。
おっちゃんの指摘もあったが、下五の無駄な字余りにはすぐ気づいてほしい。
もう一つ。「駆ける」という動詞が一番CMっぽい雰囲気を作っている。
「駆ける」と書かずに、駆け出しているに違いないと想像させる。それが出来たら才能アリにいける。
上五「で」は散文的で不要。あえて「の声」と念押しする。並列で「と」とつなげる。
「駆ける」を外し、「真夏の」とする。そうすれば、「日」がいらなくなる。
「カレーの香」で止める。止めた瞬間にカレーの匂いがわーっと伝わる。
そうすると、それを目掛けて駆けだしているに違いないということは読んだ人は想像してくれる。

小島 ここ(才能アリ)までは遠いですね。あれには全然自分ではならないです。

添削後
お昼よ!の 夏の カレーの香


◆3位 凡人45点 研ナオコ
夕立に かまどに向かう 母こいし

梅沢永世名人 (小さい声で)そうか~。

【本人談】
うちは農家で、母が一人で畑仕事をしていた。野菜とかいっぱい作って、休む暇もなくみんなのご飯を作る。子どもの時はかまどで炊く時代だったが、もう今は会えないという思いを込めた。

馬場:お母さまが働き者だったというのが、凄く伝わってくる句だなと思いました。
梅沢永世名人 「かまどに向かう」ってのが無駄な言葉なんですよ。かまどには「向かう」ものですからね。
本人 何だよ~!(笑)
浜田 「何だよ~」やあらへん。

夏井先生 
書きたいことはとても素直に書けている。
ただ小さな難点がちょこちょことある。才能アリにする方法を説明する。
上五の「に」を消す。「や」としても良いが、中七「に向かう」を消さないといけない。「かまど」なら「向かう」は勿論いらない。
そうなると季語の「夕立」を少し描くべき。「夕立の匂う」とする。
「夕立」は迫ってくる時に、「あっ来るな!」と匂いがする。
「かまどよ」と続けて映像を確保する。夕立の近づく匂いがして「かまど」で時代も分かる。
「母恋し」と漢字で書いた方が良い。
梅沢永世名人 あ~いいな。
本人 そこ先生悩んだんです。
夏井先生 そうですか。悩んだなら書けよと思います(笑)。
野田 先生!
浜田 そらそうですわ。
夏井先生 「夕立の匂うかまどや母恋し」。これなら今日これ才能アリ。

浜田 あら!いやいやいやもったいない。
本人 このままで才能アリにしてください。
浜田 アホー!(笑)
→酷い顔になり「次へとどうぞ」のしぐさ

添削後
夕立 かまど 母


◆最下位 才能ナシ35点 二階堂高嗣(Kis-My-Ft2)
ウミウシや 彩り豊かな サマードレス

村上 うん?
研 ん?
浜田 何を言ってんの?

【本人談】
夏野菜カレーをあまり食したことがなく、思い入れがないため発想を飛ばした。僕はスキューバダイビングをやるが、「ウミウシ」という生き物がめちゃくちゃ綺麗な彩りをしている。それがまるでサマードレスを着ているかのような、美しさだなというのを詠んだ。

一同 ……。
浜田 え~と、…ふふっ。
本人 やめましょう(笑)。聞くのやめましょう。
浜田 いやこれ違うねん。誰に聞こうかなと思ったけど、全員嫌そうな顔してるから。
本人 聞くのやめましょう。
浜田 いや東さんの顔が…(笑)。
梅沢永世名人 ちょっと二階堂君ね、「サマードレス」も季語なのよ。
本人 はい、季語ですね。
梅沢永世名人 それから「ウミウシ」。これもね、季語辞典こうやって調べていくと…季語なのよ。
本人 え?ウミウシ季語なんですか?
梅沢永世名人 そうそう。ずっと最下位にいろ!お前は!(笑)

夏井先生 
これは作者に確かめないといけないと思って話を聞いていた。
やっぱり最下位で正解だった(笑)。
おっちゃんの言う問題から。「サマードレス」は夏の季語。「ウミウシ」を春の季語にしている歳時記も確かにあるが少数派。
お話を聞いていたが、ウミウシの比喩。”ウミウシがひらひらとドレスを踊らせているような生き物”という解説は色んな図鑑に山ほど書いてある(笑)。
この比喩はとても陳腐な比喩(笑)。
本人 いいじゃんね、いっぱい言われてても。
浜田 何がやねんな。
夏井先生 「や」と詠嘆している場合ではない。「ウミウシの」。ウミウシを見るたびに夏だと思うなら、「サマードレス」と言っている場合ではない(笑)。
本人 季語が消された~。
野田 めっちゃ消えてる。
夏井先生 「彩り豊かなる夏よ」と最後に詠嘆する。

浜田 お前さ、見てないやろ。この句出てきた時の(名人らの)3人の顔お前見てないやろ。
本人 はい。
浜田 すげぇ顔してたんやから(笑)。
本人 オン・エアーで見ます(笑)。そしたら。

添削後
ウミウシ 彩り豊かな


★特待生昇格試験★
◆『成田の溽暑 ただいまと カレー蕎麦 馬場典子

【本人談】
今はコロナ禍で行けないが、大好きな海外旅行に毎年行く。帰ってきて「一番日本だな」と感じるのが、何より空港着いた途端の蒸し暑さ。帰国すると、必ずすぐ食べたくなるのがカレー蕎麦。いつも「ただいま」の気分で食べてることに今回のお題で気づいて思いの丈を書いた。

東国原永世名人 これ、僕だったら語順をどうするかなと今ちょっと考えてたんですよ。絶対聞かれると思ったから「じゃあ、どうすればいいんですか?」って。「そんなすぐ言われても…」と言うのがいつもの(御大と浜田の)コンビじゃないですか(笑)。
浜田 そうですね。
東国原永世名人 だから、次のことを考えてこう…。
浜田 あ、なるほどね。だからここ十分時間ありましたから、梅沢さんどうでしょう?
梅沢永世名人 よろしいんじゃないですか!?(笑)
浜田 そんな返しありますか? 「よろしいんじゃないですか!?」って。

★評価ポイント
「成田」「溽暑」「カレー蕎麦」の語順の是非

本人 やっぱごちゃごちゃ、パズルみたいにしたんですけどね。
野田 (東国原永世名人の指摘に)すごいな~。

■査定結果
4級で現状維持

理由:物から行くべきだった!

本人 やっぱそうか~。

夏井先生 
何がもったいないか。「成田」からきて「溽暑(じょくしょ)」という季語。
小島 (申し訳なさそうに)すいません、「溽暑」ってどういう意味ですか?
夏井先生 いい質問です。あなたが聞かなかったらみんな知ったかぶりしてたと思います(笑)。
野田 あぶねー。
夏井先生 「溽暑」はムシムシと蒸し暑いこと表す時候の季語。
具体的な映像はなく、ただ蒸し暑い気配だけがある。
そうなると、「カレー蕎麦」からいった方がこの場合は絶対に得だと思う。
「カレー蕎麦にただいま」と作者が今言っている。やっと食べられるカレー蕎麦。ここからの語順。
「溽暑なる成田」とこうくる。
本人 カッコいい。
夏井先生 カレー蕎麦がいきなり出てくる。なぜこれに「ただいま」と言っているのか。
種明かしで「あ~、成田でしたか」と。
これやってたら、ひょっとしたら2ランクいけた。

浜田 馬場ちゃん。
本人 いや~もうね。完全に順番が勘違いでした。

添削後
カレー蕎麦ただいま 溽暑成田


★永世名人 東国原のお手本★

浜田 東さんどうですか、(永世名人として)一発目。
東国原永世名人 もうね、御大見てて分かりますよ。御大の実力でね、なかなか次に進めない。
浜田 ただね、皆さんの俳句を偉そうにさっきから色々言うてますんで。
東国原永世名人 あのね、俳句は10段からです!(笑)
浜田 これ(平場)ぐらいやったらまだ全然?
東国原永世名人 草野球みたいな感じですね。
野田 凄い言うな~。

◆『玉葱や この人結局 死んじゃうの 東国原英夫

小島 ぇ?
二階堂 えぇっ?

【本人談】
妻が玉葱でカレーを作ろうとしている。僕はテレビを観ていて、サスペンスドラマで犯人の役者さんが出てきたら、さりげなく「この人結局死んじゃうの?」と妻に聞かれ、ハッとした。普通の会話に死が出てきて、「いつか結局自分らも死んじゃうんだ」と。玉葱が魂のように見えてきた、その瞬間を俳句にできないかと思った。

浜田 梅沢さんどうですか?
梅沢永世名人 (自分には/解釈は)無理です。
浜田 えっ?
梅沢永世名人 玉葱を見てパッとテレビを観たんですね。そしたら、サスペンスを観て死んだんでしょ。「あ、人間って簡単に死んじゃうんだ」というのを玉葱の魂というのを…これはね、無理です!(笑)。
村上 どっちなんですか。いいと思っているのか、それも分からない。
小島 全然参考にならないと思うんですけど、草野球会(=平場)は全員「んん?」ってなってました。
浜田 まあな、そりゃそうやと思うわ。

■査定結果
永世名人28句目に掲載決定

理由:日常からドラマをつかみ出す力技

本人 よし!
二階堂 すげぇ~!もう分かんないです、なんで?

夏井先生 
平場の皆さんの驚きは分かるが、解説する(笑)。
野田 「平場」って言わないで。
夏井先生 
「夏野菜カレー」の兼題写真から、玉葱だけに焦点を絞ってきた。この絞り方の発想はさすが。
季語「玉葱」を「や」で詠嘆し、後半でワンフレーズを取り合わせる手法。
ただ、「玉葱」という季語に誰かのセリフをガチンコで取り合わせる勇気はなかなか持てない。
読んだ瞬間に、脳の中に「あれ?この人結局死んじゃうの?」と問いかけられた側の人間が、日常の中に不安・不穏があることにドキッとすると。
そして、その後の詰めが面白い。
(玉葱を切る)妻の手には、凶器ともなりえる包丁が握られているはず。
しかもその包丁で玉葱をみじん切りしているはず。そうすると妻は悲しくもない涙を流し始めるはず。
二階堂 ホントに?
夏井先生 そういうところまでこの季語が発言している。主張している。
小島 ほぇ~!
一同 凄いな。
夏井先生 それが読み取れると、俳句はますます面白くなる。
研 へぇ~。
浜田 これ先生直しは?
夏井先生 いらない。

浜田 当然いらない。平場の皆さん、分かりましたか?(笑)
村上 平場って言わないで。平場だと思ってなかったですから。

添削なし




★永世名人 富美男のお手本★



◆『玉葱を 刻む光の 微塵まで 梅沢富美男

【本人談】
ご覧なさい。平場の人間だって分かりますよ。玉葱を細かく(みじん切りに)刻んでいる。あの白い玉葱が、綺麗に粒が光っている。ピカ~っと。こんな白くきれいな宝石みたいなんだと感じたという。

東国原永世名人 これは「光の微塵」という言葉がホント詩的ですよね。梅沢さんの能力を超えた言葉だと思います(笑)。凄いのが出てきたなと。
本人 僕はお子様に向けてますから(笑)。
二階堂 なんか、ずるい。

■査定結果
永世名人36句目に掲載決定

理由:観察眼と描写力!

夏井先生 
面白いことになっていた。これはホントに。
同じ写真を見て玉葱を詠んだと。だたアプローチは本当に違う。
これは玉葱という季語だけで17音を構成する一物仕立てという作り。
一物仕立てはとにかく観察し、何かを発見し、それをちゃんと描写する。実力がないと出来ないタイプ。
詳しく見ると「光の微塵まで」の表現が詩になっている。
みじん切りをやっていくと、小さくなっていくと透明感を増していく。
そこに光が照り込んできて、まるで光をみじん切りにしているかのような気持ちになる。
オリジナリティとリアリティを持っている。これは褒めないといけない。
今回、お2人のアプローチの仕方、特徴がありありと見える。とても満足のいく勝負、回だったと思う。
私一つ言いたいが、二階堂さんはおっちゃんの弟子になるべき。
浜田 ははは、基礎からね。
夏井先生 基礎をちゃんとやるべき。
浜田 教えてもらえば。
夏井先生 うん。

添削なし


梅沢永世名人 東さんのは無理だよ。
二階堂 でもどちらかというと東さんのがカッコいい(笑)。
浜田 それを言うなっつうや。分かりやすい方がいいじゃないの。
二階堂 勿論そうなんですけど…。
梅沢永世名人 俺はな、ドラマ2枚目でデビューしてんだよ!
→頭を抱える先生
村上 だから何なんだ。
浜田 そういうことを…。
→梅沢へ振りかざす浜田
浜田 お二人ともおめでとうございます!
一同 凄い、素晴らしい。

★次週(7/22)は夏の3時間スペシャル。俳句は炎帝戦を開催。兼題は「Tシャツ」です。


関連記事
スポンサーサイト



コメント

村上さんの句のかな表記ですが

なつひるの、でお願いします

ありがとうございました。

プロキオンさん。
この度は突然のご連絡、失礼致しました。

ご無沙汰にも拘わらず温かい対応をありがとうございます。

今後もよろしくお願いします‼

Re: 梅沢富美男先生の掲載決定数のご質問です。

真央さま

コメントありがとうございます。
ご指摘の箇所、確認の上訂正致しました。

今後とも宜しくお願いしますm(_ _)m

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

追記失礼します

二階堂さんの過去の句ですが

涙する親父の背はシダレザクラ

でしたね、失礼しました。

梅沢名人に弟子入りするようにすすめられてましたが、

季語の知識が豊富なこと
たまに間違った言葉の使い方をすること
見栄をはりたがるところ

など共通点はかなりありますね。

なんだかんだで二階堂さんは夏井先生に愛されてるなと実感しましたww

今回は

兼題が去年の「カレー」と似かよっていましたね。

推測ですが、
野菜の季語を詠んでもらいたいという、夏井先生の意図を感じます。

最下位の二階堂さん、
夏野菜カレーに思い入れがないからということでの発想の飛ばし方は悪くはなかったと思います。

ただご本人の解説だと、「サマードレス」という季語は比喩になり季語としての鮮度を落としてしまいます。

夏井先生の添削アワードでも記憶に新しい

涙する親父の背中はシダレザクラ

とほぼ同じパターンですね。

夏井先生も解説次第では得点や順位をあげてもいいような雰囲気を漂わせていましたが、

「ウミウシ」を季語として認識して、一物仕立ての意図を持っていたらでしょうか?とはいえ、類想類句があるかどうかを調べるのは基本だとは思います。

3位の研ナオコさん、
現代の家庭で釜戸はまずないので、追憶の光景なのはわかりますが、
世代によってはリアリティが感じられないのが気になります。

ご本人の解説をきくかぎりだと、夕立が記憶の引きだす印象なので

「夕立」と「釜戸」を2カットにしたほうが追憶の雰囲気がでると思います。

「向かう」ではなく「駆ける」「走る」「急ぐ」であれば季語との関係もでてきますのて、自分が添削するとしたら

夕立や釜戸へ急ぐ母恋し

でしょうか?

2位の小島瑠璃子さん、
映像化させる技術の成長は感じましたが、凡人の発想を中々抜け出せなせないですね。

根本的な原因として、自分の発想がオリジナリティがあるものなのかどうかを比較や研究をしていないように思えます。
本人はオリジナリティを持ってるつもりですから、自覚を持たないと厳しいのではと思います。

かなり昔の盛りつけ査定「サーモンのマリネ」でも土井先生から、同じ指摘がされていましたから。

馬場典子さんの句でも「溽暑」を質問されていて一見向上心があるように思えますが、

その場かぎりで、そのあとにご自身で消化されてないのでは?

決してマニアックな季語というわけではないし、プレバト初期からいるのであれば、知っていてほしかったというのはあります。

1位の村上さん、季重なりを成功させた要因は下五「鮮やか」ですね。

前半だけだと、カレーのベースなのか?具材なのか?迷いますが
「鮮やか」と着地することで、夏昼を彩る色の一つであるという意味になり脇役としての季語になっています。

技術的なことを学べばと夏井先生が仰っていましたが、
季語を1つ、五七五を守るなど基本をしっかりしてほしいなと感じます。

特待生昇格試験

馬場典子さんはかなり苦心されていたみたいですね。

個人的に気になったのは前半の「の」の助詞の使い方ですね。
これによって成田空港の描写がメインになって、季語が添え物になってしまったことですね。

あと成田=海外旅行というのは固定概念だなとも思います。
PEACHやジエットスターなどの格安国内便も羽田は使わず成田なので、「ただいま」がいまいち読み手の実感としてわかないです。僕だけかもしれませんが、、、、

帰国したことを表すのであれば、いっそのこと
日本は溽暑「ただいま」のカレー蕎麦

とすればよかったように思えます。

永世名人のお二人は玉葱の持つ死生観がハッキリわかれましたね。

玉葱は世界の中でも最古の歴史を持ち
魔除けの道具
人間以外の動物には毒であること

などかなり死生観を持つものであり、またカレーに置いてもスパイスと同じくらいの重要なものです。

俳句は季語が主役ですから、季語そのものの知識や歴史を調べることは必須だと思います

そういう意味では東国原名人は季語を信じた勝利といったところでしょうか。

ドラマやゲームで「死」というものを安易に耳にする怖さというのは非常に共感できるものがあります。

本来重たいものであるはずの「死」が軽く扱われるということを玉葱という小さく軽いもので実体をともなう感覚を感じました。

梅沢名人は真逆でしたね。

下五「微塵まで」が見事でした。

中七の「光」で一瞬夏の太陽をイメージしますが、ずれた焦点を下五で玉葱の描写に修正させます。

一物仕立てとして扱われましたが、キャンプでカレーを作る場面の句と詠んでも違和感がないと思います。

かなり話がずれてしまいますが、

特撮ファンとして感じたことがあります。

特撮の大事な要素として、子どもたちに伝えるメッセージ性があります。子ども向けだからといって軽いわけではありません、むしろ生きるために大事なことを子どもにどう伝えるかが使命の1つです。


ここ最近は一物仕立てが多い梅沢名人ですが、

ご本人が意図されてるかどうかは別にして、

日々の生活の中での観察や発見をするというメッセージを感じました。

最後に拙句を詠ませていただきます。

玉葱をタマに与えし祖母の痴呆

査定に関わらず「明日はカレーにしよう」と思える句が今回の良句かもしれない。

4位、句はともかく、御大が(いろいろ歳時記を調べると)「ウミウシも季語なのよ」と言ってのけるのも、夏井先生が「少数派」というのも、どれだけ知識量あるんだ、どれだけ調べてるんだと、脱帽。

3位、凡人査定でしたが、1950年代くらいまでの記憶がある方なら、かまどやへっつい、くど、あるいは土間、井戸、しゃがんで使うような流し等が思い起こされて、凡句なりに共感できたかも。原句が「夕立に」と始まっている点、「もしかして、かまど小屋だったのかしら?」とも思いましたが。

2位。CM的な感じを受けたのは、「駆ける」という動詞だけでなく、「夏の日」も戦犯かと。夏の昼間に何人かがカレーに駆けよるとなると、バーモ◯ントカレーのCMが想起されます。ヒデキカン◯ゲキのフレーズと共に。

1位。夏井先生の「技術的なことを学べば」発言がまた出ました。発想や着眼で才能アリ、の句。
何週か見ていくと、季重なりでも許容される場合とそうでないものがあると番組が教えてくれていたりしますね。千賀さんの「宵祭」と「慈雨」(同一季節で、具体的で可視な物事)、しょこたんの「扇風機」と「仔猫」(季節が違っても、具体物と具体物同士。ただ、どっちの季節を詠んだのか、ちゃんと詠み手に伝えるには技術も必要)、今回の「トマト」と「夏昼」(同一季節でも、具体物と具体的な映像がない時候)。これだけでも3パターンですね。

馬場さん。明らかな語順ミスで、原句「ただいまとカレー蕎麦」だと、「ただいま、という誰かの声とカレー蕎麦が並んでる。誰かの挨拶の声を聞きながら、カレー蕎麦を見ているような」と小学生が言ってました。

東国原永世名人。
型は季語+十二音の基本型だけど、取り合わせが独特。玉葱と死を、どう紐付けるのか、解説を聞いて、すごい句なのかと思いましたが、いや、これ、平場の人が詠んだとして、ここまで夏井先生は玉葱について掘り起こして考えてくれたのだろうか、とも思いました。俳句を作るときに、季語を辞書で引いたりもしますが、そんな労力もいる句かと。

御大の句は玉葱の一物仕立てなのだけど、光の微塵というくらいなのだから、さぞみずみずしい新玉ねぎを昼間に切っていることが眼に浮かびます。さらに、兼題写真も持ち出すなら、昼間から玉葱を切って、もし食べるのが夜なら、じっくり飴色玉葱を作り、一緒に新じゃがいもも入れて煮込んだとしたら、さぞやなめらかな旨いカレーになっているだろうなぁ、と。

今回も平場4名、特待生以上3名の句が紹介される形で、個人的にはこれくらいの配分が良い塩梅です。

また、季語を見つけてそこから先に伸び悩む二階堂ポジションも番組にはいることだろうし、小島瑠璃子の「褥暑ってなんですか」という質問も良かった(難しい季語や有季定型以外の句が出たときに、このポジションの人が視聴者の代弁をすると、いかにも教養娯楽番組となる)。永世名人二人が締めたのも良かったです。

来週は炎帝戦。これまでと違う形式に期待してます。

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

プロキオン

Author:プロキオン
俳号「白プロキオン」。全てのブログ記事を編集しています。
毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
全俳句を掲載してほしいなどのリクエストはコメントしていただけると助かります。

ツイッターでは番組の放送予告などをツイートしています。以下リンクからどうぞ。
プロキオン
***
番組公式ツイッター
***
着流きるお氏(プレバト兼題で俳句を独自査定する若手俳人・ブログ編者とは無関係です)
***
夏井いつき氏(プレバト!!出演の俳人)

人気記事ランキング

↓訪問者数です