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20210527 プレバト!!俳句紹介【コーラ】

2021年5月27日放送 プレバト!! 特待生名人昇格試験スペシャル
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→武田鉄矢[5],筒井真理子[11],北山宏光[35],篠田麻里子[15],岩永徹也[23],ミッツ・マングローブ[33],梅沢富美男[134] ※数字は挑戦回数

●お題:コーラ
コーラの兼題
※「清涼飲料水」や「ソーダ水」は夏の季語。

※番号クリックでリンク内移動します。
15級で現状維持武田鉄矢
モンローは真夏の夜の夢コーク・ハイもんろーはまなつのよのゆめこーくはい
23級へ1ランク昇格筒井真理子
老鶯や墓前の莨と缶コーラろうおうやぼぜんのたばことかんこーら
33級へ1ランク昇格北山宏光
(Kis-My-Ft2)
葉桜や融氷の音のグラスよりはざくらやゆうひょうのねのぐらすより
42級へ1ランク昇格篠田麻里子
夏至夜風余ったコーラで煮る角煮げしよかぜあまったこーらでにるかくに
51級へ1ランク昇格岩永徹也
驀進の棋士は少年青嵐ばくしんのきしはしょうねんあおあらし
6名人2段へ1ランク昇格ミッツ・マングローブ
短夜やロングアイランドアイスティみじかよやろんぐあいらんどあいすてぃ
7永世名人32句目に
掲載決定
梅沢富美男
ナイターの売り子一段飛ばし来るないたーのうりこいちだんとばしくる
→編集後記

★特待生昇格試験★



◆『モンローは 真夏の夜の夢 コーク・ハイ 武田鉄矢

浜田 あ~、コーク・ハイ。すげぇな。

【本人談】
青春(当時23歳)の頃、コーラはまだ瓶で飲んでいた。コーラの瓶の(くびれた)シルエットはマリリン・モンローのスリーサイズではないかという伝説がある。ウイスキーとコーラを割って飲む「コーク・ハイ」を飲んだ後に、モンローが夢の中に出てきた。それは短い短い真夏の夜の夢ではないかという。「真夏の夜の夢」は8文字の字余りだが、ここが深い所。シェイクスピアの戯曲のタイトル(「夏の夜の夢」)に引っかけ、松任谷ユーミン(由実)の曲名…。

浜田 長いな!もう(笑)。
本人 「真夏の夜の夢」と。あ、今!ユーミンが流れてきましたね。
浜田 もうええわ!(笑)ちなみに永世名人これどうでしょう?
梅沢永世名人 詰め込み過ぎなんですよ。「夢」が要らないじゃないかな~。
浜田 なるほどね~。

浜田 (梅沢名人に)ビックリしてる(笑)。

★評価ポイント
「夢」の一字の是非

■査定結果
5級で現状維持

理由:欲張りすぎ!

夏井先生 
発想は良いと思う。
問題点はおっちゃんが言っていること1つ。中八にしてまで「夢」を入れる必要があるかの1点。
「真夏の夜の夢」で本人が語ったように、シェイクスピア・ユーミンと色んな発想がワーッと出てきてしまい、混乱してしまう。そこが非常に勿体ない。
おっちゃんが言ったように「夢」を消せば結構いい感じになる。
「真夏の夜(よる)の」とする。
上五は「モンロー」として強調する。「や」は感嘆符のように詠嘆を表す助詞。
「お~、何というモンローだ」の後、真夏の夜のコーク・ハイをくぴっと飲む。

本人 いやぁ、参りました(笑)、ほんと。
浜田 鉄矢さん、毎回言いますよ。「いやぁ参りました」って。あはははっ。

添削後
モンロー 真夏の夜(よる)の コーク・ハイ


◆『老鶯や 墓前の莨と 缶コーラ 筒井真理子

【本人談】
劇団に大学で入り、1つ年上の先輩がバイクで亡くなってしまった。その先輩の実家が岐阜にあり、缶コーラとタバコを墓前にお供えした時、鳥の声が聞こえた。「老鶯」という鳥を歳時記で見つけたが、夏まで鳴いているウグイスのこと。これがピッタリだと思い、書いた。

★評価ポイント
季語「老鶯」を取り合わせた是非

■査定結果
3級へ1ランク昇格

理由:聴覚の季語が効果的!

本人 ありがとうございます。良かった。

夏井先生 
墓前にタバコや缶ビールを供えるという素材を使った句は沢山ある。
老いた鶯と書く「老鶯」は、夏になって上手に鳴けるようになったウグイスのこと。
声の季語なのに、夏の山の背景のイメージ、青葉が一緒に立ち上がる
判断が悩ましいのは真ん中。中八になっている。これも1音多い。
本人 (仰天したように口を開く)。
夏井先生 今、気付いたのかい!
本人 いや、そんなことないです(笑)。
夏井先生 これを解消する手立ては簡単。
例えば、「老鶯の墓前莨と缶コーラ」としても良い。
ただ、上五の「や」を作者が捨てたくなかったと判断した。このウグイスは本当に印象に残ると。
色々考えた末に、中八を許容なさったに違いないと判断はしました!(笑)。
直しはいらない。

本人 ありがとうございます。
浜田 「考えた末に」でいいんですね?
本人 考えた末に!はい!(笑)

添削なし




◆『葉桜や 融氷の音の グラスより 北山宏光(Kis-My-Ft2)

【本人談】
グラスの氷が融ける音を表現したいと思った。「カラン」とか(擬音語を)使うのではなく、こういう言葉できっと「カラン」って聞こえてるんだろうなという。

梅沢永世名人 いい句だね~!
本人 ほほっ。
梅沢永世名人 ただ、「グラスより」。「より」がいるかどうか。これが違う言葉だったらもっと良い句になるんじゃない?
浜田 それは今言えない?
梅沢永世名人 え、急に言われても(笑)。

★評価ポイント
「葉桜」と「融氷」を取り合わせた効果の是非

梅沢永世名人 (呟くように)それは分かんない(笑)。全然分かんない。
浜田 それは分からんの?

■査定結果
3級へ1ランク昇格

理由:詩になりにくい言葉によく挑んだ!

本人 やった~!
梅沢永世名人 いや、良い句だもの。
本人 遂に抜け出した。いや、めっちゃ嬉しい!
(査定評後)
本人 嬉しい。すっげー嬉しい。
浜田 うるさいなあ、お前(笑)。

夏井先生 
季語の選び方で凄く成長した。「葉桜」を選んだのがとても良かった。
葉桜の緑・光がキラキラと見えた後、「や」で詠嘆。「なんと美しい葉桜だろう」と。
融氷」という硬い言葉が出てきて「グラス」が出てくるが、この2つの言葉は透明感を出した。
葉桜の光が2つの言葉の透明感とキラキラ響き合っている
「融氷」という詩になりにくい硬い言葉に挑んでいるのも大きく褒めたい。
本人は「音」を書きたかったが、これを使わないで音を聞かせることができるようになればおっちゃんクラス(名人)にいける
少しアドバイス。季語の後「グラス」とし、「融氷のかすか」で止める。
「かすか」の中に音を読み手は聞き取ったり、融けたグラスの…。
梅沢永世名人 コクッとね。
夏井先生 (外の)水滴ね。
梅沢永世名人 分かります。
夏井先生 そういうのも「かすか」の中に受け止めてくれる。
ここまでやれば2ランクアップいけた。

浜田 あら!
本人 え~っへへ~。あの~「かすか」出ないんで大丈夫です(笑)。
篠田 「かすか」難しい。
浜田 鉄矢さんずっとこうやで(頷くマネ)。
浜田 あの、鉄矢カメラいるかも分からん(笑)。結構面白い顔してるから(笑)。

添削後
葉桜や グラス融氷の




◆『夏至夜風 余ったコーラで 煮る角煮 篠田麻里子

【本人談】
昼間に買ったコーラが暑くない時に余ったりもする。それを夜の料理に使い、コーラで作るとトロトロの角煮が出来る。凄く美味しくて、「夜風」に煮る角煮の香りが載ってきて、みんながハッピーになるような俳句ではないかと思った。

梅沢永世名人 素晴らしい!
浜田 今日それしか言うてない(笑)。
梅沢永世名人 いやほんとに素晴らしいです。こりゃいいんじゃないっすか(笑)。
浜田 分かりました。

★評価ポイント
季語「夏至」の傍題「夏至夜風」を選んだ是非

→浜田に人差し指をヒョイと向けるポーズをとる梅沢永世名人
浜田 いや、(ポーズをして)こうじゃないよ(笑)。

■査定結果
2級へ1ランク昇格

理由:生活感の勝利!

本人 やった~!

夏井先生 
「コーラ」の写真から角煮が出ると思ってなかったため、感心しながら読んだ。
もう1つは歳時記をよく勉強している
夏至夜風」の傍題は薄い歳時記にはほとんど載ってない、割と大判の歳時記にしか載ってないため、相当勉強された。
「夏至」は昼が一番が長い日で、6月21日前後。やっと夜になって涼しくなってくるという「夜風」の効果がとてもあった。
上五で切れ、「余ったコーラ」にポンと行く。飲み残したコーラ。
最後の着地がしっかりしている。「角煮」が出た瞬間に、明日の食材として仕込んでいるのか、コトコト煮ているのか。匂いも来る。
言葉で匂いを嗅がせるって大した主婦。見事見事、ホントに。
直しは要らない。

添削なし




◆『驀進の 棋士は少年 青嵐 岩永徹也

【本人談】
昨年の王位戦の様子を詠んだ。藤井聡太さんの一局で将棋界を駆けあがっていく彼の姿を「青嵐」と明るくて力強い季語と詠んでみた。藤井さんは「桂馬」の使い方が独特で定評があり、午年生まれでもある。「馬」の感じを使いたくて、「驀」という字を入れてみた。

浜田 大したもん。こういう俳句を詠んでればドンドン上に行きますよ。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 五七五でまとめた。これは梅沢富美男がモデルですから(笑)。
浜田 いや、違う…。
梅沢永世名人 これ詠んだ時に藤井君だねってすぐわかる。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 これから五七五、是非進んでください。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 えっ、ねっ…(笑)。
浜田 (スタッフへ)な、ほっといたらこんな終わり方するやろ!「…ねっ」って。

★評価ポイント
「驀進」「棋士」「少年」「青嵐」4つの単語を並べた是非

■査定結果
1級へ1ランク昇格

理由:たくさんの情報をスッキリ入れている!

本人 やりました~。嬉しいです。
浜田 (席の移動で)もう、鉄矢がドンドン下がっていく。
武田 ドンドン下がるよな~。

夏井先生 
基本の形にきっちり入れてきた。1つ手堅く来た。
沢山の情報を入れているように思うが、法則通り。

季語「青嵐」ともう1つの要素。それは「少年」。
「驀進(ばくしん)」は突き進むという1つのイメージ。「棋士」は少年が何者かを表す。
この前の言葉が全部「少年」に集約される
こういう作りのため、言葉がいっぱい入っているようで季語ともう1つのものという基本の作り方を守っている
そして最後に1つ。良い韻が生まれている。「ばくん」「き」「ょうねん」「あおあら
4つの単語それぞれに「し」が含まれ、この音が一句の中に響いている。これもこの句の調べの特徴。
直しは要らない。

本人 ありがとうございます。
浜田 やっと上がってきた感じがします。
本人 将棋だけに名人まで王手です。
浜田 ん?(笑)。
ミッツ名人 そんな顔しないの?(笑)

添削なし


◆『短夜や ロングアイランドアイスティ ミッツ・マングローブ

【本人談】
「ロングアイランドアイスティ」はカクテルの名前。めちゃくちゃ酔うが飲みやすいから、クイクイ飲んでしまう。ホント、ベロベロになるんですよ。(玉巻アナを指差し)こういう女が(笑)。さんざん見てきた。私も大好きだが、夏場にロングアイランドアイスティをグッと飲んで、「夜は長いぞ」と思いつつ、すぐ朝が来てしまうという夏の夜の切なさ。もう空が白んできちゃったみたいな。

岩永 こういった攻めた句を作られるのが積極的で好きです。
梅沢永世名人 これはね、ミッツしか詠めないかもしんない。もしかしたら、成功と失敗が微妙な所にあるんだよ。(岩永に)ミッツを基本にしちゃダメですよ。梅沢さんを基本にしなさい(笑)。
岩永 平凡な句を詠んでも仕方ないと思ってるんで、夏井先生の評価が気になるんですよね。
梅沢永世名人 名人になれませんよ(笑)。
浜田 まあ良くても悪くても評価を知りたいということね。
岩永 そうですね。

★評価ポイント
長いカタカナ語を取り合わせた是非

■査定結果
名人2段へ1ランク昇格

理由:ズルい!

本人 ちょっとこれは聞きたいなあ。
夏井先生 
簡単に言えば、季語とカクテルの名前しかないのでズルいっちゃズルい(笑)。
ほぼ他人のふんどしだが、取り合わせるところに表現行為がある
短夜の「い」に対して、「ロング」という言葉を入れてイメージの対比。
最後「アイスティ」とあるため、知らない人は本当のアイスティだと思う。
とんでもない強い酒。冗談ではない。
本人 そうなんですよ。冗談じゃないです。
浜田 先生、知ってるんですか?この酒…。
夏井先生 お酒については多少は(笑)。
本人 絶対そう、夏井先生はご存じだろうなと思って。
浜田 なるほどね。
夏井先生 
書いてはいないが、この句の背後には人・音楽・出会い・恋・別れと色んなものが浮かんできては消えてと
それをちゃんと企めるのが名人の力。これは直せないよ~。

添削なし


★永世名人 富美男のお手本★



[永世名人のお手本披露]
◆『ナイターの 売り子一段飛ばし来る 梅沢富美男

【本人談】
これはもう皆さん、野球観戦行きますよ。「(ビール)いかがですか?」と可愛い女の子がいっぱい来ますからね。「おーい!」っと手を挙げただけでも(階段を)一段飛ばし、二段飛ばしくらいの勢いでダダダーと上がってくる。そりゃ「一段は飛ばして来るだろう」とひねくれた奴もいると思うが、そんなのは無視ですから!

浜田 …ふん。
本人 これが…俳句です!
→静寂の中、右手を縦に突き出し、「どうぞ」のポーズを決めてご満悦の御大
一同 (笑)
浜田 なんやねん、なんやねん。

■査定結果
永世名人32句目に掲載決定

理由:色々悩んだ結果と信じたい!

本人 よ!そう来なくっちゃ。
(査定評後)
本人 そうです、そうよ。なっちゃん。

夏井先生 
夏の季語「ナイター」からスタートするのはとても良い。
夜の野球場・観客・歓声・強いライトが季語だけで立ち上がってくる。
悩ましいのは下五。「で」を入れるか否か
「一段飛ばし来る」が正しい表現だが、「飛ばし」「来る」と小さな断絶がある。
これを良しとするか否とするか意見が分かれる所。
これはおっちゃんが考えた末に「で」の一音で勢いを削いでしまうため、乱暴・強引と言われてもこの勢いを尊重した方がいいと考えて、「一段飛ばし来る」と口語(話し言葉)にしたと思った。
文語(書き言葉)にするなら、「一段飛ばしで来(く)」としても同じことは言える。
しかし、文語にすると臨場感が削がれると。普通の口語で書いた方がいいと、おっちゃんはそこまで熟慮したに違いないと信じている。

浜田 どうなんですか?
本人 その通りです!(笑)。私が言ったじゃありませんか。今、なっちゃんが思ってくれたことを私が思って書いたんです。
浜田 じゃあ、間違いないんですね。
本人 間違いありませんよ!失礼じゃありませんか!
浜田 いやいや、それならそれならいいんですよ。先生も…。
本人 (ランキングシートの特待生らに)お前らも笑うな!
夏井先生 その顔がどうも信じにくい(笑)。
本人 顔で判断するな!×2(笑)

添削なし


★6/3はサッカー中継(キリンチャレンジカップ)のため休止。次回6/10のお題は「雨宿り」です。



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コメント

今回は昇格続きの神回でしたね。
気になるお方をば

唯一現状維持に止まった武田先生も情報を入れ込み過ぎたのが欠点で、視点は非常に良いと感じました。
ただ、氏の句は歌謡曲やドラマの世界に入り浸っているような、言い方は悪いですが「臭い」ものを感じてしまいます。次こそ4級を!

北山さんの句には少しは思うところがあり、「グラスより」という下五がどうも腑に落ちませんでした。
「葉桜」が「グラスより」となると、もしかしたら「葉桜がグラスにあるの?(葉桜を添えたカクテル?)」とにも読めてしまいそうだからです。
それでも固い「融氷の音」にイキイキした夏の季語である「葉桜」を取り合わせる勇気はやはり北山さん。

岩永さんは「し」の音韻を含めた非常に清々しい句でした。藤井名人には一層の期待が高まります。
ところで「驀進」という言葉が入っていると、某競馬の美少女ゲームを思い浮かべてしまうのは私だけでしょうか。「驀」の中に「馬」が入ってるという彼のコメントもその意識があると……

富美男のお手本も光ってました。口語表現が効いており、ありのままを優しく素直に(美しく)詠む御大の句の良さが存分に出ておりました。
恋人を思った句だの擬人化を交えてみただのより、こうして何気ない光景に目を向け、肩の力を適度に抜いた句がもっと欲しいものです。
「その顔がどうも信用ならない」というなっちゃんのコメントも、互いを信用していればこそなのでしょうな(笑)。

連投失礼します

ミッツ・マングローブ名人はご本人の色が出ていましたね。

ロックアイランドアイスティを知っているかどうかが重要になりますが、

自分の知らない言葉は必ず調べる夏井先生(ご本人はお酒はかなり知っているようですがww)ですから、少なくともプレバトの査定においてはアリではないかと思いますし、

インターネット技術が発達し、検索すれば言葉を調べられる現代ならではの俳句の楽しみ方とも思えます。

また言葉を詰め込みすぎず、季語と映像で伝えられるので、発想と技術のバランスが取れてきてますね。

字余りについては、韻が多く踏まれているのでそれほど気になりませんでした。


梅沢名人は好調ですね。

自分の日本語感覚がずれているだけかもしれませんが、下五の言葉の使い方は気になりませんでしたし、若い人たちも気にならないかなと思います。

「ナイター」は現代の季語ですので、それに対して文語を使うことの方が違和感を感じますし、やはり勢いがあった方がいいかなと思います。

過去には東国原名人の「離婚届」の句でで言葉の使い方としては窮屈だけど、句の持つ緊張感を強調するためにあえてやった。

という前列もありますので、許容されていいと思います。

余談ですが、残念ながらコロナ禍の現在においてはありえない情景の句です。

いつかこの句の映像がまた現実になればと願うばかりです。

最後に拙句を詠ませていただきます。

ダイエット・コーラ登山は遊歩道

今回は

中八が多い印象でした。その一音が必要かどうかの判断ができた人が昇格されたのだと思います。

武田鉄矢さんの失敗の原因は中七にシェイクスピアとユーミンのイメージが被る言葉にしたことでしょうか。

夏井先生の添削は読む人全体に伝わりやすいかたちになりましたが、古い映画マニアの人の句としてもよみとれます。

武田さんの想いとしてはモンローに憧れた過去の自分を詠んだものだと思いますので、本人の想いを尊重するのであれば「夢」はあった方がいいかなと思いました。

シェイクスピアで一般的に知られているのは「真夏の夜の夢」ですが、古い訳だと「夏の夜の夢」というタイトルもあります。

モンローは夏の夜の夢コーク・ハイ

これだと調べも整いますし、ユーミンのイメージは消えます。


筒井真理子さんの中八は季語を主役に立てるための英断でしたね。

恥ずかしながら「老鶯」という季語を知らなかったので、筒井さんの解説を聞いただけでは夏井先生の添削例として出された内容が思い浮かび現状維持だろうと思いました。

ただ夏井先生の解説で「老鶯」の季語が持つ意味を知り、そうなると一気に内容が伝わりました。

墓参りという言葉だけだと、厳かなイメージになりますが、その道中は小旅行気分の方も多いのではないでしょうか?

ご本人の想いとは違うのかもしれませんが、
「老鶯や」と詠嘆することで、お墓につくまでのちょっとしたハイキングのイメージがわきます。そして中下と下五で墓の前での厳かな心情になる。その対比が見事だなと思いました。


北山さんは良い意味でカッコつけなくなりましたね。色の対比と音の表現はご本人の意図通りだと思います。

ただひとつ気になったのは下五「グラスより」が散文的で「グラスより葉桜が見えている」と説明っぽいかなと。その意味では梅沢名人の指摘は正しかったと思います。

それにしても夏井先生の添削は見事でしたね。あと北山さんが「かすかは出ない」と仰っていたのも、現在の自分の実力を客観的に分析できているのだなと思いました。今後に期待ですね。


篠田麻里子さんは中八や「煮る角煮」と近いイメージを使って、セオリーを崩しているようでしたが、必要な言葉でした。

またまた恥ずかしながら「夏至夜風」という季語を知らなかったので、最初は篠田さんの造語だと思ってましたが、

夏井先生の解説で、篠田さんが仰っていた「ハッピーな俳句」になっていたなと思いました。


岩永徹也さんは今までと印象が違ってたように思いました。
基本の型なのは今までと同じでしたが、過去の岩永さんであれば上五中七では「驀進の少年棋士や」と詠嘆していたのでは?という印象でした。ご本人の解説を聞いていると最初はそうだったのかもしれません。

それだと季語「青嵐」が添え物になってしまい、季語が脇役になります。
中七の助詞「は」で淡々と書くことで、上五中七の印象を意図的に弱め、「青嵐」が主役になる配慮がされてるなと感じます。

思い出すのが去年の秋の予選で、2位になりながらも敗者復活枠で千原ジュニア名人に負けてしまったことですね。
あの時は千原名人の句の助詞が添削されましたが、ご本人は「や」で詠嘆したかったことを語られ、自分の想いと季語を主役に立てることの両立の難しさを感じました。

推測ですが、そこから学ばれて、自分の想いをあえて弱めるということを習得されたのではと思います。
また韻を踏まれることに関しては2年前の「春の号外」で松岡充さんの句から学ばれたのではと思います。
自分以外の句でもしっかり夏井先生の解説に耳をしっかり傾け、自分に落としこむやはり頭の良い方なんだと改めて感じます。

長くなったので一度切ります

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