「プレバト!!」で披露された芸人 福田麻貴(3時のヒロイン)の全俳句一覧です。
通常挑戦者 福田麻貴(ふくだまき) 合計5句
成績(2022年1月6日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ3回、
凡人2回
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人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 才能アリ | 傷秋の箸とめぬよう団欒す |
2 | 凡人 | 稲妻や揺るる手札に鬼一つ |
3 | 凡人 | 寒暁やバックミラーの父のクマ |
4 | 才能アリ | 朧夜や四つ目のガム母まだか |
5 | 才能アリ | 冬天よ母を泣かせて来る街か |
▼人物紹介「プレバト!!」では初回に才能アリを獲得した3人組の芸人の一角(かなで・ゆめっちと出演することが多い)。初出演は2020年と後発だが、出身校である大阪府立住吉高校はアンミカの後輩にあたり、国語の成績はずっと5という才女。
句の特徴は、自身の感情を込めた確実な映像描写力。特に才能アリを獲得した3句は、共感性のあるネガティブな心情表現が秀逸で、負の感情を兼題の物に託している。一方、本人の意図と先生の解釈で誤謬を生み、説明後に才能アリから凡人への転落も経験。動詞表現に凝って失敗した例も見られる。上五に季語を置き、12音のフレーズを置く基本の型が多い。
芸人らしく良く喋る反応を見せるが、良い成績の際は自画自賛する傾向がある。
初挑戦で才能アリを獲得後、大阪に住む祖母からLINEでも「泣いた」と連絡がきたことを告白している。
その後2回連続で凡人査定に沈むも、4度目の挑戦で2度目の才能アリを獲得。先生から「アンタやっていけるかもしれない」と特待生候補を示唆される。
また、5度目の出演では近年類を見ない75点という高得点で3度目の才能アリを獲得。時期が少し早ければ冬麗戦への出演権も得られるほどの佳句と評された。
※なお、「3時のヒロイン」は2022年現在、キー局の裏番組にレギュラー出演しているため、番組出演が難しい現状がある(提供情報)。●[1]お題:
お箸『傷秋の箸とめぬよう団欒す』才能アリ1位70点
添削後
『団欒す傷秋の箸とめぬよう』
季語は「傷秋(しょうしゅう)」。家族で夕食を食べてる時に物思いにふけると、箸の手が止まりそうになる。家族に悟られて心配されないように、無理やり箸の手を進める内容の句だと語った。梅沢名人は食事の際に心を打ち明けなかった娘のことを思い出し、珍しく作者と意気投合する。先生は「とても良い句」と絶賛。心の憂いを俗な「箸」により、その真理を表現しようとした意図も偉いと語り、技術的に出来ている点を強く褒める。語順を変えればさらに良くなると忠告すると、とっさに浜田が「団欒からや」と正解を述べる。団欒の場面「団欒す」からベタな句になるかと思うと、傷ついた秋の箸を止めぬようにと展開すれば心の余白が広がり、75点をつけても良いと先生は興奮気味に語った。「新しい才能を見つけたかもしれない。あんた真剣にやった方が良い。(フルポン)村上さんにすぐ追いつける」と太鼓判を押した。
●[2]お題:
トランプ『稲妻や揺るる手札に鬼一つ』凡人4位60点
添削後
『稲妻の卓や手札に鬼一つ』
季語は「稲妻」。「こんな気取った句で凡人は恥ずい」と感触を述べる本人。稲妻が光ったら稲が実ると言われ、その祈りの気持ちも込めてトランプで「ババを引け」(鬼引き)と思っているババの絵札に稲光が当たっていることを表現したと語った。中田名人は「残念ですね。『揺るる』がいけなかった」と指摘し、先生も首を縦に振る。先生は「手札に鬼一つ」の言い方はとても上手く、「手札」でトランプなどの持ち札がクローズアップされ、「鬼一つ」でジョーカーがいるに違いないと伝わる点について、「才能の片鱗がある」と称賛する。しかし、「揺るる」は不要であり、「稲妻」と後半だけで、揺れる心や祈る思いのようなものは入ると指摘。季語の描写に音数を使うべきと「の卓」でテーブルを出すべきと指南する。テーブルに稲妻が光った後、映像が切り替わって手札に行く展開で、緊張感も出てくると解説した。
●[3]お題:
鏡『寒暁やバックミラーの父のクマ』凡人2位60点 ※
才能アリ2位70点から減点添削後
『クマ深き父寒暁のバックミラー』
「寒暁(かんぎょう)」は冬の寒い日の夜明け頃。学生時代の早朝バイトに行くため父が車で送迎したが、バックミラー越しに映る運転手の父の目の下にクマ(隈)があり、忙しい中無理してくれた感慨を詠んだと語ったが、「クマ」が父熊に追いかけられている描写ではないか?とジュニア名人に突っ込まれ、困った先生も本人に問いただす。先生は中七に助詞「の」とあるため、バックミラーの所に父がくれた小さな熊のぬいぐるみが括りつけて飾ってあり、免許を取った自分に父が「気を付けろよ」と忠告した意味と解釈し、70点をつけたと語る。「これはもう、10点くらい減点しないと気が済みません」と怒りが頂点に達した先生は凡人降格を宣告する。「クマ」が目の下のクマだと分かるように書くべきだと指南し、「寒暁」の後に「バックミラー」がくる語順では、父ではなく自分が運転席にいると誤解されると指摘。語順を変えるべきだと腹立った先生は、「クマ深き父」と人物を出して生き物の「熊」の読みをなくし、「寒暁のバックミラー」として言葉を作者の意図に寄せた。「いや~、出来る子だと思ったんだけどな」と期待値が高かっただけに散々に言い放つ先生だった。
●[4]お題:
ボトルガム『朧夜や四つ目のガム母まだか』才能アリ1位70点
添削後
『四つ目のガム朧夜を母まだか』
「朧夜(おぼろよ)」は月が朧に見える春の季語。幼少期、母がスナックで勤務していたため帰りが遅く、夜中まで頑張って起きていた。ガムの味がしなくなると新しく噛むが、何個噛んでも母が帰ってこない心境を詠んだと語った。先生は「時間経過の表現は難しいがよく頑張った」と褒め称えると、甲高い声をあげて喜ぶ本人。先生は、「四つ目」の数詞と「ガム」という物で時間と映像が一緒に表現できた点を解説。最後の「母まだか」の心情に対し、「朧夜」の茫洋とした切なく美しい気持ちと響き合う効果があると称賛。特待生を目指すアドバイスに語順を挙げる。手元の「四つ目のガム」から始めれば映像が明確になるとし、窓の外の「朧夜を母まだか」を後半へ持ってきた。4つ目のガムを噛んでいる私がいるが、窓の外に広がる朧夜の奥の方に、母の微かな姿や気配が出てくる効果を生み、「これがわかるようになると、アンタは特待生でやれるかもしれない」と本人へ忠告。梅沢名人も良い句だと語る中、本人は「俳句で時間経過を表すことができるってのは天才ですよね」と自画自賛してしまった。
●[5]お題:
カーテンを開けた瞬間『冬天よ母を泣かせて来る街か』才能アリ1位75点
添削なし
季語は「冬天」。芸人になるため、大阪に母をおいて上京したという本人。生活が厳しく、深夜にネタ見せして朝までネットカフェで仮眠して朝起きる生活だったが、「お母さんを置いてまで目指す夢なんかなぁ」とふと寂しくなったという心情を表現したと語った。梅沢名人は「只者ではない」とべた褒めし、「よ」と「か」の助詞の選択を指摘。「鳥肌が立った」という森口名人は「場面が全部浮かび泣きそうになった」とコメントする。先生も「久しぶりに本物の句が来た」と称賛。「冬天よ」ではなく「冬天や」と詠嘆する選択もあるが、詠嘆して呼びかけるニュアンスの「よ」が良いと述べる。「母を泣かせて」で母を悲しませる状況の後、「来る街か」の展開で、"泣かせてまで来る街であるのだろうか"という意味をストレートに表現。最後の「か」は自嘲でも深いため息でもあり、「街」の一字で都会である点も伝わり、決して温かくない都会で何一つうまくいかない心情が、読み手の心に一気になだれ込んでくるような感覚になる作品で、直しは当然不要と絶賛した。さらに、2021年内の放送であれば、間違いなく冬麗戦の出場権を持つレベルだったと終始べた褒めする。顔と髪型が似た者対決で負けてしまい、2位となった大久保佳代子は、「情景を書いてるんだけど、その奥に心情を忍び込ませてるっていうのもう1000%理解しました」と吸収力の凄さをアピールした。
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