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20210408 プレバト!!俳句紹介【あくび】

2021年4月8日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。

挑戦者→石野真子[3],勝村政信[5],早見あかり[2],宮田俊哉[19],村上[初],立川志らく[42],梅沢富美男[127] ※数字は挑戦回数

●お題:あくび
あくびの兼題
※季語には「くしゃみ」(冬の季語)、「昼寝」(春の季語)など日常的な動作があるが、あくびを「春の季語」として紹介(←基本的には間違い、編集後記参照)。1日7~8回はあくびをするということ。

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位71点石野真子
アイフォンに桜蕊降るハチ公前あいふぉんにさくらしべふるはちこうまえ
2才能アリ2位70点勝村政信
公魚の欠伸気づかぬ太公望わかさぎのあくびきづかぬたいこうぼう
3凡人3位67点早見あかり
春暁の実家オムツは三枚目しゅんぎょうのじっかおむつはさんまいめ
4凡人4位65点宮田俊哉
(Kis-My-Ft2)
花の宴欠伸で潤む19時半はなのえんあくびでうるむじゅうくじはん
5凡人5位60点村上
(マヂカルラブリー)
眠たさと手のひらに土春の昼ねむたさとてのひらにつちはるのひる
6名人3段で現状維持立川志らく
春眠や「カイロの紫のバラ」よしゅんみんやかいろのむらさきのばらよ
7永世名人29句で掲載ボツ梅沢富美男
やわやわと陽のあくび巻く春キャベツやわやわとひのあくびまくはるきゃべつ
→編集後記





●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ71点 石野真子
アイフォンに 桜蕊降る ハチ公前
【本人談】
渋谷のハチ公前は桜の季節は花がいっぱい咲いているが、待ち合わせの場所で皆スマホをいじって全然桜も見ていない状態。春も過ぎて花びらも落ちて、花蕊もポロポロ落ちてiPhone(の画面)に当たっている様子。

梅沢永世名人 いや、大したもんだね。いい俳句だね。なかなかこういう季語持ってくるなんて大したもんだ。見事な俳句ですよ!
浜田 どんだけ褒めんねん!

夏井先生 
中七「桜蕊降る」が全て季語。
難しいためみんな色々と悩むが、素直に真ん中の7音に置いて映像が作れたのを褒めないといけない。
さらに、iPhoneのアップから始まり、「桜蕊降る」で目線が画面から上の光景に切り替わる
頭上を見ると"桜の木があったのか、もう蕊が降っているのか"と。
「ハチ公前」という固有名詞が出てくると大きな光景となり、この映像の作り方が上手い。
こういうのが1位の句なんです。直しはいらない。

本人 うわ、嬉しいですね。声が震えて(笑)。

添削なし


◆2位 才能アリ70点 勝村政信
公魚の 欠伸気づかぬ 太公望

※「太公望(たいこうぼう)」とは釣り人のことで中国の故事に由来する。

【本人談】
先輩にワカサギ釣りに連れて行ってもらい、周囲の人たちは連れているが自分はせっかちですぐに竿を上げてしまう。さすがのワカサギがあくびする。「コイツじゃなければな」と。

梅沢永世名人 なるほどね。上手いね~。「公魚の欠伸」って持ってきたところが大したもんだね。
本人 ありがとうございます(笑)。
野田 うれしそうだな。
梅沢永世名人 なかなかここまで発想飛ばないから。

夏井先生 
発想が楽しい。公魚が欠伸をしているということと、「太公望」という人物との対比も良かった。
今作者が分かって「お前か!」と思っている。
気づかぬ」ではなく、この4音を別の表現に。
「太公望」の人物から始め、平仮名で「たいくつ」と書くだけ。「公魚の欠伸」と持ってくる。
こうすると映像が面白くなる。太公望=釣り好きの人物がいて、「たいくつ」で欠伸でもしているに違いない。
「た」の韻が踏めて、「わかさ(ぎ)」「あ(くび)」と全部の調べがアの音をつなぎ、調べ自体が変わってくる。
これが分かり出したら、勝村特待生に行けると思います。

本人 頑張ります、ありがとうございます。
浜田 でも先生ね、特待生はどうこうじゃなく破門を解いてやるってことは?
夏井先生 いや~、破門っていうのはそうそう解けるものではない…。
本人 (立ち上がって)まだですか!?(笑)
村上 ほら。時間かかりますよ。
野田 3年かかります。
夏井先生 ただね、夏のタイトル戦でベスト10人にアンタが入ってたら許す。
浜田 あ、これはもう資格ありますからね。
夏井先生 どうせ入れませんよ。
本人 ちょっと待って下さい(笑)。

添削後
太公望 公魚の欠伸


◆3位 凡人67点 早見あかり
春暁の実家 オムツは三枚目

【本人談】
助けが欲しいから実家に行って(子どもの)オムツを何回も替えても泣き続ける。一晩で三枚目のオムツという句。

梅沢永世名人 そっか~。これ「オムツは三枚目」替えたんですね? おっちゃんの時代はね、オムツは布で生地で縫っていましたから、オムツを三枚目縫っているのが三枚目なんだなって読めちゃう。替えているのが伝わらない。

夏井先生 
これは「三」という数詞を使って実体験をきっちり書こうとしているのは良い。
まず考えないといけないのは、「実家」という情報がどこまで必要かというのが一点目。
もう一つはおっちゃんが指摘していた「三枚目」。昔の人は縫っているかもしれないと思うのが二点目。
「実家」よりかはあなたがやっていることを率直に書く。「あくび」。起きてしまったんだなと。
ここから「三」の数詞へ。「枚」ではなく「」。「三回目のオムツ」に着地する。
「枚」ではオムツという物になるが、「回」だとオムツ替えの回数になる。
その分だけ、大変さが変わってくる。

本人 口で自分が説明した部分が全てここに詰まっているという(笑)。
浜田 なるほどね。
本人 ぐぅの音も出ないってこういうことだなと。

添削後
春暁の 三目のオムツ


◆4位 凡人65点 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
花の宴 欠伸で潤む 19時半

【本人談】
花見だと午前中から外でお酒を飲んだりして、19時半くらいには眠くなって一番あくびをする時間帯だと思った。そういう体験を俳句にした。

志らく名人 俳句としては結構良いと思ったんですけど。
梅沢永世名人 普通の俳句なんですよ。
村上 厳しい…。
梅沢永世名人 するするするっと、言葉を並べただけな感じがするんです。「19時半」これはいいけどな。

夏井先生 
この句自体が特別凄く悪いというわけではない。惜しかったと思う。
花の宴」は酒盛りしているに違いない。そうなると「19時半」までの着地が分かりやすすぎる
“酒でしょうね”で終わってしまう。
俳句は分からなければ文句を言われるし、分かり過ぎたら文句を言われる。さじ加減が難しい。
この季語を別の方向に変えるべきなのが一点。
さらに、助詞「で」に問題があるのが二点目。少し膨らませる。
酒だけではなく花見に疲れる「花疲(はなづかれ)」(春の季語:花見の疲れ、花の美しさに酔いしれた疲れ)とする。
これだけで綺麗になる。「あくび」と平仮名にしてみる。
浜田 エエ格好したんでしょうね。
夏井先生 そうでしょうか。
本人 格好つけちゃいました(笑)。
夏井先生 「で」はどう考えても助詞が違う。
おっちゃんぐらいなら分かると思うんだが…。
梅沢永世名人 いえいえ、急に言われても(笑)。
浜田 いやいや…、それは言いなはれ。
梅沢永世名人 人の句は意外とわたくし…。
夏井先生 もういいです!(笑)
野田 怖い。
夏井先生 これは「」。
「で」と「に」の違いについて。
~で」は後ろに動きがある動詞(「あくびで笑う」など)。
~に」は後ろに静かな動きの動詞がくる。この違いは大きい。
十九」と数字も漢字に。こうすると、順位はスッと上がる。

浜田 これ、宮田何回目?もう~。
本人 ホントに凡人なんでしょうね、僕ね~(笑)。

添削後
 潤む 時半


◆最下位 凡人60点 村上(マヂカルラブリー)
眠たさと 手のひらに土 春の昼

【本人談】
川沿いの土手に腰かけながら手をついて、桜の揺れる様子を見ていたら眠くなってしまったなという。

梅沢永世名人 何を語りたいのか、何を感じてもらいたいのか、さっぱりわからない!
志らく名人 場所がどこだか分からないですから。
梅沢永世名人 そうです。

夏井先生 
おっちゃんが言うほど酷くないが、志らくさんが添えてくれた「場所が分からない」は的確。
惜しいと思う。
土手」から行く。場所を明確にするだけで全員が土手を思い浮かべる。
「土手に手をついて」と書いてしまう。「眠たき春の昼」と持ってくる。
土手という場所が出て、手をついている。石っころなどの感触を感じさせ、「眠たき春の昼」と。
ここまでやれれば才能アリと勝負が出来る。

本人 直されると、こっちを作りたかったなって思いますね。
浜田 そうやな、アハハハ。

添削後
土手に手 眠た 春の昼


★特待生昇格試験★


◆『春眠や 「カイロの紫のバラ」よ 立川志らく

【本人談】
「カイロの紫のバラ」(1985年公開、ウディ・アレン監督のファンタジー映画)は、生活にくたびれた主婦が同じ映画を観に行くと「また来ているんだね」とスクリーンの中の登場人物が彼女に声をかけてスクリーンから抜け出てきて、2人で映画館から出ていくというラブストーリー。春眠のまさに春の眠たさと合わさって夢のような気がした。問題は切れ字の「や」と「よ」。季語とタイトルだけだから、この2つを強調することで眠さを美しく強調できるのではないかと思い、思いっきり冒険した。

梅沢永世名人 今お話した「や」と「よ」、これがどうなのか?
本人 どっちですか?
梅沢永世名人 これが成功したら素晴らしい俳句。
浜田 いやいや、どっちなんですか?(笑)
梅沢永世名人 私は…、「や」と「よ」がちょっと余分だったんじゃないかな…。
浜田 そうですか。
梅沢永世名人 いや、私はね!(笑)

★評価ポイント
助詞「や」と「よ」の効果の是非

浜田 うわ~、でもこれ志らくはんも分かってるからね、これは。

■査定結果

名人3段で現状維持

理由:読み手に寄り添ってあげてほしい

夏井先生 
とはいえ、これは勇気のある挑戦。「春眠」という季語を使うのも難しい。
そこにこの映画の題名をボンと持ってきた。

この映画の題名もなかなか大変で「カイロ」が固有名詞、「バラ」も季語めいたものが入っている
二重三重の挑戦をよく挑まれたと思う。
なぜ「や」と「よ」が気になるか。
「や」は季語を強く詠嘆したいからで、「よ」は柔らかく春眠らしい詠嘆で終わりたいからという作者の意図はとてもよく分かる。
ただ、一つ心配なのは「『カイロの紫のバラ』」が何ものか分からない読者も沢山いる
その読者には「知らない・分からない」で終わってしまう。
読んだ人に小さな「調べてみよう」と思わせる仕掛けがあれば、今日は物凄く褒めたかった。
簡単なこと。「春眠とは」とすれば、後ろは「○○です」という文脈になる。
最後は「」として軽く投げかける。
"私は「春眠」というのは「カイロの紫のバラ」だと思いますが、あなた方はどうですか?"と投げかけられると読者は調べる。
そうすると、志らくさんの思ったところに読み手を引っ張り込める。
ただ、こういう挑戦はやめたらダメ。あなたの持ち味ですから。

本人 いや~、「春眠とは」は思いつかないですね。ちょっと感動してしまいました。
浜田 でもいい挑戦だと先生はおっしゃってますんで。
梅沢永世名人 いや~素晴らしい。

添削後
春眠 「カイロの紫のバラ」


★永世名人 富美男のお手本★
※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」


[永世名人のお手本披露]
◆『やわやわと 陽のあくび巻く 春キャベツ 梅沢富美男

【本人談】
皆さんキャベツはご存じだと思いますが、「春キャベツ」って非常にふわっとした感じがある。この間三浦半島で春キャベツを見てきたが、それがポンと頭に浮かんできた。「あくび巻く」でふわっとあくびしているように、ふんわりふんわりキャベツ(の葉)が緩やかに巻いている。それをイメージしてふと空を見ると「あ!春だな、これが春キャベツだな」っていう…。

浜田 (遮るように)はい、分かりました(笑)。

■査定結果
永世名人29句で掲載ボツ

理由:そろそろ季語を信じてほしい

夏井先生 なんで季語を信じるということを知らない男なのだろうと。
野田 結構怒られてる(笑)。
夏井先生 ただ、中七は良い。
太陽のおひさまのあくびを巻いたかのような春キャベツ

せっかくこの凄く良い所を「やわやわと」のオノマトペが5音も使うことで、中七の調べが窮屈になってしまった。
調べが内容と似合わない句。

「春キャベツ」という季語の中には、「やわやわ」という感触は入っている。そういうもの。
本人 だって、今さっき言ったじゃん! (志らく名人の句の)ウディ・アレンも分かんない人いるでしょって!
浜田 うるさいなあ~。
本人 コイツら分かんないから「やわやわ」言ってあげてんの。
夏井先生 黙れ!(笑)
だからこれ(上五)は要らない。季語の情報はみんな実体験で知っている。
5音分を使ってゆったりとした調べを作るだけ。良い句なのに勿体ない。
おひさまの」と平仮名にすれば柔らかい。「あくびを巻いて」として「春キャベツ」。
調べが柔らかくゆったりして、最後に春キャベツがドーンと出てくる。
もうそろそろ分かろうよ、季語を信じようよ!

本人 私には考えられないくらい良いですよ。だってそら、しょうがないじゃん!
浜田 「しょうがないじゃん」って…。
野田 名人なんでしょ?
浜田 こんなキレ方ある?しょうがないじゃんって言われても。
本人 世界の子どもが今、泣いてんだぞ!

添削後
の あくび 春キャベツ


浜田 名誉がありますから。処分します。せーの、ドン!
(シュレッダー演出)
※ボツの俳句は永世名人の名誉のため無かったことに
浜田 これはもう仕方ないですね。
梅沢永世名人 いいかい?今日は特別な日なんだよ。
浜田 どういう日ですか?
梅沢永世名人 (石野)真子ちゃんが一緒に出てんだよ。私と一緒に明治座でお客さん満杯(=満員御礼)にした芝居してるんだよ(笑)。

★次週(4/15)の兼題は「リュック」です。


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コメント

志らくさんの句の添削の「か」って疑問なのか詠嘆なのかどちらなんでしょうね

今回は

全体のレベルが高かったのが意外でした。

石野真子さんの俳句ですが、観察力が優れた一句でした。

1つだけ思うところがあったのですが、

上五「アイフォン」のカタカナ表記が気になりました。

「桜蕊降る」というあまり使われず、また字面もカッコいい季語ですから、

「iPhone」とアルファベットで表記をされていたら、自然と人工物との対比ができて、

結果、季語がより引き立つのでは?と思いました。

2位の勝村政信さんは「太公望」という人物をどう捉えるかで印象が変わりますね。
自分は「封神演義」という中国の物語の漫画化されたものの主人公を思い浮かべるので、「公魚が中国にいるのか?」と疑問に思いました。

3位の速見あかりさんですが、自分は原句のままでいいのではと思います。

夏井先生の添削ですと、作者が現在暮らしている家の情報になりますし、
「春暁」という時間情報の季語に対して「三回目のオムツ」とあれば、夜泣きであまり寝られなかったことがわかりますのて、「あくび」とわざわざ書く必要がないかと思います。

原句の「実家」があると、夫婦と赤ちゃん以外におじいちゃん、おばあちゃん、兄弟の人物が想像できますし、
「実家」という場所への安心感、読者によってはネガティブな感情を抱くことがあるかもしれない、そういう想像の余白もあります。

語順も原句のままですと、五七五の定型におさまりますし、慌ただしい様子がより伝わります。

4位の宮田さんは花見の実感が伝わりますね。「19時半」としたのは、花見の場所取りの句だと誤読されないようにという意図があってのことだと思います。
「半」を諦めて、「午後七時」「午後八時」にすれば定型に収まったのにというのが感想です。

夏井先生の添削で「花疲れ」と季語が変わりましたが、それなら「七時半」と書いても朝とは思われないと思います。

最下位の村上さん(中々ややこしいですねw)

最初に詠まれた時は公園の光景かと思いました。原句のままだと中七の助詞「に」が気になります。上五の「と」がありますが、リズムがギクシャクしてしまいます。
「の」にして「手のひらの土」とすれば上五中七のリズムが整ったのではと思います。


昇段試験は正直微妙でした。

立川志らく名人はお手上げでした。観たことがないので、何ともいえません。

梅沢永世名人は「季語を信じてる」と評されて永世名人になったのに、
「季語を信じてない」とかなり厳しい評価でしたね。

原句と添削で思い出すのは
「ゆるゆると鷹鳩と化す日のリフト」
「白髪をうすむらさきに春たちぬ」(夏井先生の添削)

の2句でした。内容と調べが合っているかいないのかを判断するのは難しいなと改めて思いました。

恥ずかしながら僕も詠ませていただきました。

隠し撮りされしあくびや花疲れ

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