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【春光戦予選AB】20210218 プレバト!!俳句紹介【ウニ軍艦】

2021年2月18日放送 プレバト!! 俳句春光戦予選A・Bブロック結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
春の季節に行われる第5回春光戦予選A・Bブロックで名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。

→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細(Aブロック) →俳句詳細(Bブロック) →編集後記

予選C・Dブロック記事
決勝戦記事
※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。



挑戦者:
Aブロック→<名人10段★1>藤本敏史(FUJIWARA)[64],<名人10段★3>村上健志(フルーツポンチ)[52],<名人2段>千賀健永(Kis-My-Ft2)[43],<4級>馬場典子[16]<4級>北山宏光(Kis-My-Ft2)[34]
Bブロック→<名人5段>中田喜子[45],<2級>皆藤愛子[23],<3級>篠田麻里子[14],<4級>筒井真理子[10],<5級>武田鉄矢[4] ※[数字]は挑戦回数

見届け人:梅沢永世名人、横尾名人、千原ジュニア名人

◇春光戦2021のルール(※前々回の金終戦を踏襲した形)
【予選】
・ABCDの4ブロック制で、ブロック5名が参加
・ブロック分けは浜田が事前にくじ引きを行い決定
・兼題はAB・CDの2ブロック単位で共通
・各ブロック上位1名が決勝進出
・各ブロック2位は補欠となり、4名中上位3名が決勝進出(敗者復活)
【決勝】
・金終戦上位3名がシードで参加
決勝はシード3名(永世名人含む)、予選通過7名の合計10名



●お題:雲丹の軍艦巻き(ウニ軍艦)
ウニ軍艦の兼題
※奇を衒ってはいないが、「雲丹(ウニ)」は晩春の季語、「海苔」は初春の季語で、季語としっかり向き合わないといけない。


※各ブロック1位が無条件で決勝進出、2位は補欠

※順位クリックでリンク内移動します。
◆予選Aブロック
1位藤本敏史
(FUJIWARA)
名人10段★1流星群いくつか海に墜ちて海胆りゅうせいぐんいくつかうみにおちてうに
2位村上健志
(フルーツポンチ)
名人10段★3海苔篊の等間隔に暮れかかるのりひびのとうかんかくにくれかかる
3位千賀健永
(Kis-My-Ft2)
名人2段鈍色の漁船ふちどる春北斗にびいろのぎょせんふちどるはるほくと
4位北山宏光
(Kis-My-Ft2)
4級花板に握らるる雲丹淋漓たりはないたににぎらるるうにりんりたり
5位馬場典子4級一貫の海胆縄文と令和を繋ぐいっかんのうにじょうもんとれいわをつなぐ
◆予選Bブロック
1位皆藤愛子2級休業と手書き格子戸に春塵きゅうぎょうとてがきこうしどにしゅんじん
2位中田喜子名人5段艶めきて海胆握る指和ぎのごとつやめきてうににぎるゆびなぎのごと
3位筒井真理子4級海苔一帖等間隔に刻みて春のりいちじょうとうかんかくにきざみてはる
4位武田鉄矢5級ウニ二貫お先にどうぞと古女房うににかんおさきにどうぞとふるにょうぼう
5位篠田麻里子3級春の闇洗う寿司桶荼毘し祖母はるのやみあらうすしおけだびしそぼ
※順位発表順 Aブロック:2位→最下位→4位→3位→1位、Bブロック:3位→2位→4位→最下位→1位

トーク集(各クリック)






●それでは順位別に見ていきます


◆予選Aブロック

1位◆『流星群 いくつか海に 墜ちて海胆 藤本敏史(FUJIWARA)

馬場 おしゃれ。かわいい。素敵。

【本人談】
ウニを見ていると、色や形が変ではないか。もともと地球上にあったものではないのでは?と思った。宇宙からやってきた流れ星、流星群の何個かが海に墜ちたのがウニになっているのでは?と思った。

梅沢永世名人 大したもんだね、この俳句は。
本人 あら、珍しい。
梅沢永世名人 これ季語2つあるんだよな。(「流星」「海胆」)
本人 そうなんすよ。でも、ウニが主役になってるから。
梅沢永世名人 それがウニが主役になってるのよ。こういう俳句を詠めるんだね。それがあんた、わざとらしい「怖い怖い怖い怖い」って、そういうフリが嫌いなんだ!(笑)
本人 それはいいでしょ!
梅沢永世名人 こんな凄い俳句作って!
本人 番組盛り上げるために必要でしょ!
梅沢永世名人 今、視聴率下がってるわ!2人が1位2位だから!
本人 いや、あんたもじゃ!
梅沢永世名人 私一人で持ってんだよ!
浜田 せんせ~!

夏井先生 
よくまあ、こんな難しいことやろうと思ってビックリしている。
季重なりは色んなタイプがあるが、秋の季語「流星」と春の季語「海胆」と季節の違う季語を入れるのは凄く難しい
大体の人は「流星のごと」と比喩に持ってくるが、そうせず「墜ちて」まで物語のようなファンタジーを紡ぎながら「海胆」を主役にする。
「墜ちて」が隕石が墜ちる印象をもつ表記で、最後「海胆」。
これはよく頑張りましたというか、作者が分かってそういうことかと非常に納得した。
直しはいらない。

本人 要りませんよね。
浜田 先生が言うねん。
本人 直しいりませんやん!(笑)

添削なし


2位◆『海苔篊の 等間隔に 暮れかかる 村上健志(フルーツポンチ)

藤本名人 分からんわ~。「海苔篊」?
馬場 高度な。

【本人談】
「海苔篊」は海苔の養殖で、海苔の付着に使われる資材で、等間隔に(並んで陽が)暮れようとしている。単純にそれだけのデッサン。

藤本名人 「デッサン」?(笑)
本人 プレバト!!の中で、僕は時折デッサンの俳句を…。
浜田 腹立つわ~、コイツ。何なん、さっきから。
ジュニア名人 これはでもマジで良いですね。「海苔篊」出えへんな、なかなか。それをただただ素直にホンマに、「デッサン」?(笑)
梅沢永世名人 偉そうに言ってる割には普通じゃない? トーナメントよ。こういう普通の俳句を詠んでるようじゃ、補欠なんて当然ですよ。落ちろ!お前みたいなの!(笑)
本人 なんで素直に褒めれないんですか。
梅沢永世名人 もう少しあんたらしい俳句を期待してたんです、私は。
一同 あ~。

夏井先生 
作者が分かって思うが、村上さんの力なら無難に置いてきた感もある
浜田 言われてますよ、村上。
本人 僕は今までの助詞(「の」や「は」)の使い方で順位下がったりしたんで、無難に置いてきました(笑)。
浜田 吐いたやん。
藤本名人 置きに行ったの? 
浜田 ただ、永世名人にバレてたやな、最初から。
本人 「バレてるな」と思ってました(笑)。
夏井先生 
ただ、兼題写真から海苔篊の養殖に行く発想も良かった
「海苔篊の」から「等間隔に」で、広さが表現できる。「暮れかかる」の複合動詞で時間経過も表現できる。
ここら辺、丁寧に「海苔篊」という季語にデッサンしようとする配慮は良く分かる。
こういう風景を詠んだ句が無いわけではないが、光景を言葉でスケッチ…デッサンできる(笑)。
これはこの人の実力だと思う。直しなんて要らない。

本人 どうにか勝ち上がりたいですね。
浜田 まずは補欠ということになりました。

添削なし


3位◆『鈍色の 漁船ふちどる 春北斗 千賀健永(Kis-My-Ft2)

【本人談】
ウニを獲ってる漁船と海を連想させ、漁船は錆びていて年代が経っているため、鈍色(濃い灰色)の漁船を春北斗が縁取っている。僕たち7人グループなので、北斗七星を使いたかった。

横尾名人 「鈍色の漁船」と「春北斗」の取り合わせが凄いと思いました。予選Aブロックじゃなかったら…ては思いますけどね。
梅沢永世名人 良い俳句だけどね。夏井先生が気になるなら中七、この辺が気になるんじゃないですか?
浜田 え、中七はどの辺が、夏井先生が…。
梅沢永世名人 急に言われても…(笑)。
浜田 いやいやいやいや。
藤本名人 何なんすか?

夏井先生 
美しい光景を書こうとしている態度・詩人の心には深く共感を持った。
「鈍色の漁船」だけで詩になってくる。そこに「春北斗」を持ってくる取り合わせの印象もとても美しい。
惜しいのは1点だけ。「ふちどる」が少し曖昧
漁船ではなく季語「春北斗」を主役に立てるべき。季語の描写に言葉を変えるだけで、1位は狙えた。
「鈍色の漁船」で軽く詠嘆。例えば「青き」と色を入れる。
馬場 色の対比。
夏井先生 その通り。どなたかおっしゃった。
「青き春北斗」。「鈍色」と「青」が色彩として対比され、そうすると「春北斗」が主役に立つ。
今回の評価のポイントは、季語を主役に立てる工夫が出来ているか。機能しているか。
その配慮があとひとかけらあれば、あなたが勝ち残ってた。

本人 いやまあその…配慮はあったんですけどね、気持ちとしては(笑)。
藤本名人 配慮したら良かったのに。
本人 配慮はありました。

添削後
鈍色の 漁船 春北斗


4位◆『花板に 握らるる雲丹 淋漓たり 北山宏光(Kis-My-Ft2)

梅沢永世名人 う~ん。

【本人談】
「花板」はお店一番の板前さんのことで、その方が雲丹を握る。「淋漓(りんり)」は勢いなどがあふれ出る様子。

横尾名人 北山が多分自信があったのは「淋漓」を見つけた時に「もう行けた!」と思って。
梅沢永世名人 あ~だろうね。
横尾名人 多分見つけた瞬間「よっしゃ!勝った!」(笑)。
ジュニア名人 そうですね、「淋漓」見つけた時は嬉しかったんでしょうね(笑)。
本人 スッゲー嬉しかった(笑)。

夏井先生 
今、北山さんだと分かって、「いやよく頑張ったわ、これは」と。
「淋漓」は見つけただけだが(笑)、何が良かったかというと「淋漓たり」と終止形で言い切っている。
そこに「花板」と華やぎのある粋な人物を持ってくるのは良い判断

勿体ないのは助詞「に」と「握らるる」という動詞の使い方。惜しかった。
これは逆。「雲丹」を先に出す。「雲丹淋漓たり」なら雲丹がアップで凛々と出てくる。
「花板の」とし、後に動作を書くのではなく、詳しく書くと花板の方が主役になるため、季語を主役に出さなければならない
ここはあえてボンヤリと美しくする。「あざやかに」と最後に。
読み終わった後に、握っている雲丹、さばいている、盛っているなど色んな動作を読者が想像してくれる。
これやってたら、今日は1位だったかも。

浜田 あら~。
本人 なかなかできない。
浜田 北山~。
本人 「花板」見つけた時も「やった~!」ってなったんですよ(笑)。
ジュニア名人 花板は知ってるやろ。
藤本名人 みんな知ってるよ。
浜田 見つけて「行った!」と思ったんやろな。

添削後
雲丹淋漓たり 花板


5位◆『一貫の海胆 縄文と令和を繋ぐ 馬場典子

【本人談】
ウニは美味しいと知らなければ食べたいと思う見た目ではない。ウニを色々と調べたら、縄文時代の貝塚から見つかり、その頃から食べられていた。令和につまんでいる時に、その思いを時代と時代のワードで繋いだ。

夏井先生 
この発想はとてもダイナミックで魅力があった
多分、色々と調べウニが縄文時代から食べられていた事実を何とかしようと足掻いた点に共感を持った
勿体ないのは、「と」「を」「繋ぐ」が散文的なこと
さらに、たった「一貫」で縄文と令和を繋ぐのが難しすぎた。もっと大きくいきましょう。
本人 ウニをでっかくですか?
夏井先生 違うよ、娘(笑)。
大きくするというのは、「海」を出すこと。「海香る」で始める。
「縄文の海胆」「令和の海胆」と並列に。
時代を繋ぎながらウニが春の季語としてしっかり前に出る。
あなたこの発想は素晴らしいですから。

本人 ホントですか? いつもねえ、なんかそう…褒めていただけるけど、大体最下位なんですよね(笑)。頑張ります、先生。ありがとうございます。
浜田 でも、発想は素晴らしいということで。

添削後
 縄文の海胆 令和の海胆




◆予選Bブロック


1位◆『休業と手書き 格子戸に春塵 皆藤愛子

【本人談】
今、街中でよく見る光景で、私が大好きなお寿司屋さんも今休業していて、その張り紙がずっと貼ってあるという状況を詠んだ。

梅沢永世名人 素晴らしい!
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 今の時代を綺麗に詠みましたね。んっ!よくここまで成長しました。師匠としては嬉しいですよ。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 素晴らしい!
浜田 永世名人、これはもう直しなしで?
梅沢永世名人 当たり前でしょ。直しどころがないくらい完璧な俳句です!
浜田 あ~なるほど、なるほど。

夏井先生 
まさに今の世相を切り取ったのは良いと思う。
「休業」から始まり、「春の塵」を見せるのも作者なりの工夫がとても良く分かる

これをパッと読んだときにリズムが多少ギクシャクしているのが、小さな気になる所。
直そうかなと思い始めると、「休業」の字が「手書き」であるということより、季語「春塵」をクローズアップした方が良いのではないかと思う。
おっちゃんは直さないようですが、私は直します。
浜田 直すよね、全然直して下さい。
夏井先生 
あり」と一回言い切る。「休業とあり」でお店の前に立っていると。
「春塵」を見せる。「春塵格子戸に」。
格子戸にかかっている春の塵、ほこり、そして「休業」の張り紙と映像になり、かえってこの季語が映像としてハッキリ見えるようになる。

本人 そうですね、ちょっと違和感を感じてたので、精進しなきゃなと思います。

添削後
休業と 春塵 格子戸に


2位◆『艶めきて 海胆握る指 和ぎのごと 中田喜子

【本人談】
ウニの握りを頼んだ時、シャリの上にウニを載せた瞬間、その握る姿が海の凪のような穏やかな握り方をする。そこに色気さえ感じたという。

梅沢永世名人 これは良い句ですよ。画像も出てますし、これ(敗者復活は)村上が終わりましたね(笑)。
藤本名人 あれれれれ?
村上名人 いや、ちょっと待って下さいよ。

夏井先生 
これは「ウニ」と真っ向勝負した。
季語との真っ向勝負は意欲があって潔く、その精神を褒めたい。
さらに、握る指が凪のようだというのはなかなか思いつかない。
そこも褒めておきたい。
この句は、このままで良いかを考えた時に、少し障る所がある。
「艶めく」「握る」と動詞が2つあり、バッティングするのが惜しいと思う。
アップの指の表情を言いたいなら、動詞ではない方が良い気がする。そうなると直したくなる。
村上名人 直し入った。
夏井先生 
比喩からいった方がカッコいい。
「和ぎのごと海胆」の後、「つややかに」で形容動詞にし、最後に「握る指」。

握る指がクローズアップされ、凪だけが見えてくる。
こうしてたらこれが1位だった。

藤本名人 村上が小っちゃい声で「よし、直し入った」って言ってました(笑)。
村上名人 いいですって、そういうの言わなくて。
藤本名人 直し入ってないもんな?
村上名人 はい、直し入ってないのが大事みたいですよ2位の戦いは、前回そういうのありました。

添削後
和ぎのごと 海胆 握る指


3位◆『海苔一帖 等間隔に 刻みて春 筒井真理子

村上名人 等間隔俳句。
中田名人 やっぱり等間隔か~。
梅沢永世名人 うん~。

【本人談】
兼題写真の海苔を見て、最後にちらし寿司で最後に等間隔に刻んだ海苔をまくが、春っぽいと思い、あえて海苔と春の季重なりにした。「海苔一帖」と具体的にし、「春」で止めて強調し、一応気を遣ったつもり。

梅沢永世名人 これは季語2つお使いになった…、これは季語2つ使わなくて良かったんじゃないかな、これはちょっと間違ったのかなと。
浜田 全然、具体的に言わない…(笑)。
梅沢永世名人 季語2つ使うのは余分だったかなと…。それを…(笑)。

夏井先生 
いや、本人が季重なりやりたいって言ってるのだから「余分だったな」はバッサリやりすぎ
永世名人なら作者が何を言いたいか察してそこを語るべき。
藤本名人 うわ~、怒られた。
夏井先生 本当にそう思う。この句の問題点はそこではない。
梅沢永世名人 そこじゃないのか(笑)。
夏井先生 そこも少しあるけど…。
梅沢永世名人 そうでしょ。
夏井先生 あなたの方向性が間違ってる(笑)。
この句は少し欲張りすぎた。
季語が「海苔」「春」と2つあり、キーワードも「一帖」「等間隔」と2つある
。どちらかに絞った方が良い。
音を表現したいなら「一帖」は諦め、音をダメ押しで入れるだけで変わる。
「海苔刻」とし、「等間隔」の後に駄目押し。「音や春」。
梅沢永世名人 うわ~いい!
夏井先生 あなたの表現したい意図だと推測する。

本人 なるほど~、はい。勉強します。

添削後
海苔刻 等間隔 


4位◆『ウニ二貫 お先にどうぞと 古女房 武田鉄矢

【本人談】
我々世代にとってはウニは高級品で、のっけから頼む物ではなく締めに。当然、女房と1貫ずつ分けようかと思うが、「こっちの腹はもう読んでおりますので、あなたが先に1貫取りなさいよ」という寿司屋のカウンターで展開される夫婦の機微みたいなものを。

梅沢永世名人 実にね、こんなこと先輩に言うのもなんですけど、色んな知識が頭の中にあるので、物語を詰め込み過ぎなんですよ。ちょっと先輩の言いたかったことを俳句の中に入れ過ぎてるんで、俳句なのか川柳なのかちょっと勘違いするところが出ちゃうんですよ。

夏井先生 おっちゃんがウダウダ長い時間言ってたことを…。
浜田 「ウダウダ」言うな(笑)。
夏井先生 簡単に言うと、映像ではなくストーリーを書こうとしている句と要約できる。
大変微笑ましい光景で、これを書きたいと思う作者の気持ちがとても良い。
字余りはストーリーのため致し方ない。台詞からいく。
『お先にどうぞ』」と鍵括弧をつけ、「古」はやめて「女房」だけで良い。
この台詞と「女房」があれば、ある程度古い女房に違いないと分かる。
今時の若い人は黙って先に食べるはず。ここからリズムを取り戻す。
分け合ふ」とし、「海胆」は漢字で。なぜなら「ニ」と「二」が紛らわしい。
最後に調べを取り戻すだけで、俳句の空気が出る。

本人 いや、やられましたね。色々考えたんですけども、やっぱり先生のおっしゃる通りですね。

添削後
お先にどうぞと 女房 二貫


5位◆『春の闇 洗う寿司桶 荼毘し祖母 篠田麻里子

【本人談】
2年前に亡くなった祖母のお葬式の時に、自分が感じたことを句にしようと思った。親戚一同みんな集まり、お婆ちゃんの大好きなお寿司を食べながらワイワイやっていたが、寿司桶を洗った時に何ともいえない感情が湧いてきて…。

梅沢永世名人 いや、これは怖い俳句です。
浜田 怖い?
梅沢永世名人 ホラーです。
浜田 ホラー?
梅沢永世名人 亡くなった祖母が亡霊で出てきて、寿司桶を洗っている(笑)。それを見て「ハッ!」て感じたって読めちゃう。
本人 え~!?

夏井先生 そんな読み方はしないでしょうよ(笑)。
梅沢永世名人 あの風景よ。
本人 そんなホラーじゃない。
梅沢永世名人 「洗う寿司桶荼毘し祖母」思わない?
浜田 今日は外すね。
夏井先生 思わないですよ。
藤本名人 今日はめっちゃ外しますやん。
夏井先生 
ただ、10人に1人くらい、今のおっちゃんみたいなこと言いだすのはいる。
そこを間違って読まれないように修正すればよい。
寿司桶を洗う手元からいく。ストーリーは字余りになっても仕方ない。
上五「寿司桶洗う」で、洗う生身の人を思う。「祖母」の後が大事。
「荼毘し」とすれば絶対に幽霊ではなくなる。祖母を家族が荼毘したとなる。
「春の闇」でも良いが、「闇」がホラーっぽいため「の春」とすれば、春が生暖かく優しく残る。
やろうとしていることは絶対良い。あと微量の技術を身につけましょう。

本人 いつも褒めて下さるんですけど、あと一歩がなかなかできなくて、勉強します。

添削後
寿司桶洗う 祖母荼毘し の春


★次回2/25のC・Dブロックの兼題は「きのこの山とたけのこの里(明治製菓のチョコレート菓子)」です。


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コメント

No title

・ふちどる
縁取るでは漁船の周りを囲んでいるような印象を持ちますので、違和感を覚えました。
ただ、水平線近くに北斗七星があり漁船を囲んでいるように見える場所は、国外であれば赤道近くで見ることができるであろうと想像できますし、国内でも福岡県遠賀郡岡垣町で見ることができるそうです。(ただし、見頃は9月から11月なので、春だと時間の制約があるかもしれません)
作者本人がその場所で見たと解説があれば少しは納得できたかもしれません。

・うに軍艦を囲む会長会議かな
おそらく違うとは思いつつ『会議前の食事で会長はうに軍艦ばかりをとっていった。自分も食べたかったが会長には文句は言えない。』というように読みました。(会長と食事を一緒に取る人物とはどんな人物だろう。町内会長になら文句は言えそうとも思ったりしました。)

以前

東国原名人の俳句の盗作疑惑について、

夏井先生が仰ってたのは

たった17音しかない俳句だから類想類句は山のようにある。
自分(夏井先生)も良い句ができたと思ったら高浜虚子の句と一語一句全く同じのができた。その時は自分も高浜虚子と同じところまで来たと思った。
俳句の世界ではすべて性善説で考えて「わざとやったわけではなく、たまたま似たようなものができた。」

と番組内で仰っていました。東国原名人の句は漢字一文字しか違わないほど似ていたから

「以後は自分の作品と主張しない」

ということで落ち着きましたが、

藤本名人は発想は似ていても作品は違うので、

少なくともプレバトや夏井先生の監修のもとにおいては、夏井先生の言葉に寄り添うべきではないかと思います

プレバト俳句が大好きで毎回とても楽しみにしていますが、今回の藤本さんの句は、事前に俳句ポスト天選句を知っていた身としては、いずれにしても非常に類想感が強く、純粋に作品としての感動はなかったです。
それによって村上さんが決勝に出られない(かもしれない)というのが、村上さんの俳句ファンとしては一番残念ですかね。

No title

藤本さんの句というより、他の様々なコンテンツ(自分の好きなものでは謎解き問題もそうです)を含めて「果たしてどこの線を越したら『パクリ』になってしまうのか」というのは難しい問題ですね。
類思類句を避けるために俳句ポストを閲覧しているのは他の参加者もしているとは思いますし、参加している全員全句を精密にやってしまえば1つや2つは出てしまうでしょう(特に100句以上披露している御大とか)。
ただ、仮に発想が被ったとしてもやはりその取り合わせがちゃんとできているか?助詞や語順などの細かい点ができているか?などはやはりご本人の底力に委ねられる分もありますので、よほどのことが無い限りあまり追いつめたり糾弾はしないというのが「俳句ファン」でもあり「視聴者」としてのマナーではないでしょうか。

No title

ここまで露骨に俳句ポストの句に似ているのは
確実に発想は借りているだろうと思われます。
明らかに意図的にやってるとしか思えませんね。
藤本氏の俳句は怪しすぎる点が多々見られることから
ご自身によるものじゃないですね。

No title

パクリ疑惑に関してですが、それは本人にしかわからないことでしょう。
ここで議論しても仕方のないことだと思います。

作風が似ている句なんて他にもごまんとありますよね。
なのになぜ今回フジモンの句だけがそう言われるのか理解に苦しみます。

「流星群いくつか海に堕ちて海胆」の先行句とされる「海胆にまだ流星だった頃の色(酒井おかわり)」の夏井先生の選評には「『流星』のうちの幾ばくかが海に墜ち、『海胆』となったのかもしれない」というコメントまでありますから、藤本氏が同サイトを目にしていたのは間違いないかと。

同様に、過去の藤本句「タイカレーのラムは骨付き銀杏散る」に対し、同サイト「パエリアのエビは有頭黄落す(天宮風牙)」、藤本句「ハーモニカソの音出せば出る土筆」に対し、同サイト「つきみそうリコーダーならラの音だ(ひろしげ8さい)」、藤本句「山あいの秋雲工場フル回転」に対し、同サイト「草の果てここは秋雲製造所(とおと)」と、この辺も怪しい。

一度や二度なら偶然として看過できますが、このように何度も続くと、どうしても故意による模倣なのではないかと穿った目で見てしまいます。

No title

私は海胆と流星の取り合わせが一致しているだけで、それ以外の要素は異なると考えます。

ゆう様
浜風の鉄路よひらにふちどられ
鈍色の漁船ふちどる春北斗

この2句は構図が異なるのではないでしょうか。
あじさいが手前にわっと咲いていて、それ越しに浜風の鉄路を眺めている。
あじさいが主役となっているように思います。
春北斗はキスマイ7人の象徴とのことですが、この書き方だと額縁役に追いやられている気がします。

東国原名人のパクリ疑惑の句は本当にまんまだったから言われるのわかるけど
今回のフジモンの句をパクリ疑惑に持っていくのは無理があると思われます

パクリ?盗作?

俳句ポスト365の過去の兼題にある「海胆」の
天選で
「海胆にまだ流星だった頃の色」
という先行句があり、発想が全く似ていることから
フジモンの俳句は類想類句か盗作改作・ゴーストの疑いが出てきました。今回の俳句は素直に喜べません。

No title

フジモンさんの句は本当に良かったと自分も感じます
個人的にはアップルパイの句ぐらい好きです
千賀くんも三位ではありましたが個人的には好きですし、『死のAブロック』は伊達じゃなかった印象です

Re: お気遣いありがとうございます

ゆう様

今回の件、大変申し訳ございませんでした。
早速のご投稿ありがとうございます。
コメント頂けるとメールが参りますので、削除してしまったコメントも含めて貴重なご意見拝読しております。
改めて今後とも宜しくお願い致します。

お気遣いありがとうございます

長文のコメントだったので正確には思い出せませんが、

今回は藤本名人の句が圧勝でしたね。

誰も考えてないけど、句として読んだら非常に説得力がある句でした。

おそらく、今回の兼題で季語と一番向かい合ったのではいでしょうか。

村上名人は置きにいった印象は否めません。特に筒井真理子さんと「海苔」「等間隔」言葉が被ってしまったことを考えると、悪い意味で村上名人らしくないなと思いました。

中田名人と敗者復活を争いますが、前回の敗者復活枠で添削された千原ジュニア名人が添削なしの岩永徹也さんに勝ったことを考えると中田名人の句が優勢ではないかと思えます。

千賀名人の句ですが、今回は夏井先生の添削に納得しかねています。

添削後は「鈍色の漁船」「春北斗」が2カット映像になっており、焦点が合っている分「漁船」が繋がれているように思えます。

原句ではやや遠景の映像になっており、「春北斗」によって、「鈍色の漁船」の存在に気づくような印象を受けます。

千賀名人の初期の
「浜風の鉄路よひらにふちどられ」を思い出された方もいらっしゃるのではと思いますが、「ふちどられ」という言葉が季語の鮮度を落とすとは限らないと思います。

北山さんは材料は素晴らしいですが、そこで満足してしまった印象があります。

馬場典子さんはテーマが壮大すぎて、正直よくわかりませんでした。

Bブロック

皆藤愛子さんはリズムが気になりましたね。「春塵」と四音で着地が難しい季語よりも「春ぼこり」と五音ある季語のほうが定型に持っていけたのではと思います。

中田名人は梅沢永世名人の過去の作風に似てきましたね。

筒井真理子さんは発想が村上名人と被ってしまったことと、村上名人と比べると技術の差ではないかと思います。

武田鉄矢さん、篠田麻里子さんは物語を作る傾向がありますが、「季語を信じる」ということを意識したらと思います。

恥ずかしながら自分も一句詠んでみました

前書き:神奈川県水産技術センター
廃棄キャベツ食らひて海胆は実りゆく

フジモンは今回大当たりでしたね
ファンタジー句は今まで以上に分かりやすく、見事でした

少し気になったのがウニの漢字表記です
ウニには雲丹、海胆、海栗といくつか当て字含めた漢字表記がありますが、どれでもいいんですかね?字によって効果が異なる場合もあるかもしれませんが、どう使い分けるんだろうと気になりました

村上さんはBブロックだったら1位通過だったでしょうね。
発想の飛躍こそありませんが気取らずありのままの光景を描けるのはまさに俳人の視点です。

今回のフジモンの句は歴代でもトップクラスの気がする
東の『紅葉燃ゆ石見銀山処刑場』くらい忘れられない句になりそう

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Author:プロキオン
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