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20210128 プレバト!!俳句紹介【鏡】

2021年1月28日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
◎は夏井先生講評の要約です。

挑戦者→浅野ゆう子[初],福田麻貴[3],宮田俊哉[17],NANAMI[初],田辺智加[初],千原ジュニア[56],梅沢富美男[121] ※数字は挑戦回数

●お題:鏡
鏡の兼題
※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位71点浅野ゆう子
初日冴ゆ着物の衿の紅椿しょにちさゆきもののえりのべにつばき
2凡人2位60点福田麻貴
(3時のヒロイン)
寒暁やバックミラーの父のクマかんあかつきやばっくみらーのちちのくま
3凡人3位55点宮田俊哉
(Kis-My-Ft2)
鏡越し煌めき冬めくアイメイクかがみごしきらめきふゆめくあいめいく
4凡人4位50点NANAMI
冬の宵曇る鏡に映る月ふゆのよいくもるかがみにうつるつき
5才能ナシ5位20点田辺智加
(ぼる塾)
晩冬に咲いた愛の実鏡中ばんとうにさいたあいのみかがみなか
6名人3段へ1ランク昇格千原ジュニア
自画像に手鏡も描く春隣じがぞうにてかがみもかくはるとなり
7永世名人27句目に
掲載決定
梅沢富美男
あえかなる鏡の色をして冬日あえかなるかがみのいろをしてふゆび
→編集後記





●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ71点 浅野ゆう子
初日冴ゆ 着物の衿の 紅椿
素材がとても良く、名人クラスの句になる句材。「初日」が「しょにち」「はつひ」のどちらの読みか迷い、季重なりの可能性が出る。「しょにち」なら後半の語順にしたい。「椿」「冴ゆ」の関係は自解の通りで、衿の模様の「椿」は季語として弱い。上を狙うアドバイスをしたい。「初日」から始めず、「鏡冴ゆ」を先に出せば、季語が既にあるため「初日」=「しょにち」と分かる。作者は鏡の前に立っているのではないか。「初日の衿の」で中七ができて完成。さらに「半衿は椿」とすれば粋なカッコ良い句になり、「初日の鏡冴ゆ」に着地する。半衿の白い部分に椿の刺繍があり、初日の鏡が冴え冴えとしている。これなら10段クラスの句になる。

【本人談】
最近は御着物を着る仕事が増えてきて、季語「冴ゆ」「冴ゆる」(凛とした寒さが際立つ感じを表す)がとても素敵で、上五で舞台の初日をイメージした。襟元に椿の(柄の)ある御着物を着せていただき、見た時に艶やかだと思った。その凛とした気分で初日に立たせていただく気持ち。冬の季語「椿」もあり、季語が2つになるんですが…。

梅沢永世名人 その通りですね。
浜田 はっ?(笑)
梅沢永世名人 夏井先生が言う通りです。「椿」は季語です。ただ御着物の柄なんです。
本人 はい。
梅沢永世名人 ですからそんなに季語として、表に出るような季語じゃなくなってくる。それをお使いになった。素晴らしい!(笑)。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 (他の平場へ)しっかり勉強しろ!お前、ホント。

夏井先生 
素材がとても良い。少し手を入れると名人クラスの句になりそうな句材。
一読した時に迷うのは「初日」の読み。
しょにち」ではなく「はつひ」(元旦に見る日の出)だと新年の季語になり、上五で季重なりの可能性が出てしまう。
「しょにち」と語っているため、季重なり問題は解消したい。
「椿」「冴ゆ」の関係はご本人が解説した通り。衿の模様だから「椿」が弱い。
このままでも構わないが、上を目指す点で手を入れたい。
勿体ないのは「初日」から始まる語順「冴ゆ」を先に出せば、季語があるため「初日」=「しょにち」に違いないと分かる。
別の物を冴ゆと言ってしまう。敢えて「冴ゆ」から。恐らく作者は鏡の前に立っているのではないか。
「着物」を諦め、「初日の衿の」で中七としてみる。
さらにもう一押し。「着物」ではなく、「衿」としたら粋ではないか。凄くカッコ良い句になる。
「半衿」かな。ごめん、凄い嬉しくなってやってる(笑)。
「椿」に繋げる。この場合「紅」が強くなる。「初日の冴ゆ」に着地する。
半衿の白い部分に椿の刺繍があり、初日の鏡が冴え冴えとしている。
こう持ってくると、梅沢10段くらいの句になる。

梅沢永世名人 分かります!襟に椿の模様があって色っぽい…。
浜田 (遮って)ゆう子さんどうですか?(笑)
本人 さらに何か深く感じました。ありがとうございました。
浜田 何か言いました?(笑)
梅沢永世名人 いえいえ…、言ってない。

添削後
冴ゆ 初日の衿の 紅椿』
椿 初日の冴ゆ



◆2位 凡人60点 福田麻貴(3時のヒロイン) ※才能アリ2位70点から本人談後に10点減点
寒暁や バックミラーの 父のクマ
説明を聞いて唖然とした。下五の「クマ」は「隈」ではなく、「熊」だと読んだ。「の」だから、バックミラーに父がくれた熊のぬいぐるみを飾る様子が映る意味合いに思ったが、10点は減点したい。目の下のクマだと分かるように書かなければならない。「寒暁」から始まる語順では、後部座席ではなく運転席に自分がいると読み手は思う。「クマ」から描写し、「深き父」で人物を確定。「寒暁のバックミラー」で繋げて、作者の言いたいことに言葉を寄せる。

※季語「寒暁(かんぎょう)」は冬の寒さがそのまま残っている冬の朝の様子。

【本人談】
大学時代に早朝バイトをしていた。父がよく車で送ってくれたが、バックミラー越しに映る父の目(の下)にクマ(隈)があり、忙しい中無理して送ってくれてるのだという。

ゆめっち・かなで メチャクチャ良い!(笑)
本人 ありがとうございます。
ジュニア名人 俺は今の説明聞いて「そうなんや」と思ったんですけど、これだけ読んだらお父さん熊が後ろから追いかけているのかと(笑)。
梅沢永世名人 よく気が付きましたね、そうそう。
本人 怖すぎる、そうなんですよね。

夏井先生 
いやちょっと待ってくれよこれ(困)。これ(=「クマ」)何?「クマ」?「熊」?
本人 目の下のクマのことです。
夏井先生 そうは読めませんよ、あなたコレ。
「の」だから、バックミラーの所にお父さんがくれた小さな熊のぬいぐるみが括りつけて飾ってあり、免許取った自分に父が「気を付けろよ」と(マスコットを渡す)いう意味だと思って、この点数(70点)をつけた。
本人 ヤバイ、ヤバイ…。
夏井先生 私はこれはもう、10点くらい減点しないと気が済みません(怒)。
⇒凡人60点に変更
本人 ちょっと待って下さいよ。「プレバト!!」ってこんな演出ありましたっけ?
浜田 お前の解説で先生が判断したんですから。
夏井先生 「クマ」が目の下のクマだと分かるように書かないとどうしようもない。
「寒暁」の後に「バックミラー」がある語順では、運転席に自分がいてバックミラー(に映る)と思ってしまう。
この語順では駄目。
ゆめっち 怒ってる…。
夏井先生 いや、怒ってるどころじゃない。凄い、腹立ってる(笑)。
「クマ」を最初にして描写する。「深き」で「父」とくれば人物のため、生き物の「熊」の読みはなくなる。
「寒暁のバックミラー」くらい。これでひとまず、作者の言いたいことに言葉が寄ってくる。
いや~、出来る子だと思ったんだけどな(笑)

本人 先生、やめて下さい。
ゆめっち 宮田さんより高い…。
浜田 まあ、宮田よりは全然ね。
宮田 でも俺よりボロクソ言われてませんでした(笑)
本人 そうなんです。

添削後
クマ 父寒暁の バックミラー


◆3位 凡人55点 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
鏡越し 煌めき冬めく アイメイク
工夫はしている。後半の3つの単語で「め」の韻を踏んでいる。韻を踏もうとしたら中八になり、小さく取りこぼすのがこの男。鏡越しに異性と目が合うドキドキした瞬間の意図を素直に書くべき。「煌めき」と綺麗ぶっている場合ではない。中八にするよりは上五で余らせる方が、リズムが崩れず得をする。「に」を入れ、「合う目」と続けて意味の切れ目を作る。「め」の韻を踏む意図を残しながら、女の子の目が映像で出てくる。

梅沢永世名人 なるほどね。

【本人談】
兼題写真(丸いコンパクトミラー)が女性用の鏡かと思い、冬っぽい目のアイメイクが可愛いだろうなという想像。鏡越しで女性と目が合う。

浜田 これを見た瞬間に永世名人が「なるほどね」とおっしゃって…。
梅沢永世名人 これね、「煌めき冬めく」が中八になっている。
本人 そこ悩んだんですよ。真ん中は7(音)が良いと教わったんですけど…。
梅沢永世名人 そうそう。
本人 どうもリズムが良くならないなと。
梅沢永世名人 そりゃ凡人だわね(笑)。
本人 え~!どうしたら良いんだろう。

夏井先生 
工夫はしている。「煌き」「冬く」「アイイク」と「め」の韻を踏んでいる
韻を踏もうとしたら中八になった。こうやって、小さく取りこぼすのがあなたという男。
鏡越しに目が合うというドキドキした瞬間が書きたかったのは良く、そっちを書くべき。
「煌めき」と綺麗ぶっている場合ではない(笑)。「目が合った」と入れるだけで、ドキドキ・キュンの気持ちが入る。
中八にするよりは上五で余らせる方が、リズムが崩れず得をする。
」を入れ、「合う目」と続けて意味の切れ目を作る。
「め」の韻を踏む意図を残しながら、女の子の目が映像で出てくる。これなら今日は行けた。

梅沢永世名人 素晴らしい。
本人 そっか~。マジでリベンジしたいわ、これ悔しい。

添削後
鏡越し 冬めく アイメイク


◆4位 凡人50点 NANAMI
冬の宵 曇る鏡に 映る月
映らない鏡があったら持ってこいというのはその通り。「月」は大体「宵」なので、念押しをする必要性があるかの問題の方が大きい。「曇る」は自分の息で鏡が曇る意図のようで、それを書くべき。「我が息に」で私の息での意味となり、「曇る鏡や」で切り、「冬の月」に着地する。

梅沢永世名人 ここに来たか。

【本人談】
(*1)冬の外で待ち合わせをしている時、寒いため自分の息で鏡が曇ってしまう。そこにたまたま月が映った。「冬の月」は切なくなるので、そういう時の句を詠んだ。

*1
本人 はい、結構あの冬の…。
浜田 キレてんの?(笑)
あんり 確かにちょっと…。
本人 キレてないです。
浜田 あ~そう。)
***
梅沢永世名人 コレは誰かが書くと思った。映らない鏡があったら持ってこい(笑)。そう言われますよ、先生にも。これが凡人なんです。

夏井先生 
ホントに映らない鏡があったら持ってこい。おっしゃる通り。
指摘しないといけないのは「宵」。
「月」なら「宵」なので、念押しをする必要があるのか。むしろこっちの問題の方が大きい。
本人の話を聞いて、「曇る」が自分の息で曇ると分かった。それを書いた方が良い。
我が息に」で私の息での意味。「曇る鏡」で切り、「冬の月」に着地する。

本人 凄い、浅はかな俳句を詠んでたんだなっていうのを先生が…。
浜田 でも、才能ナシでじゃないよ。
梅沢永世名人 50点ですからね。今度おじさんの所へ電話寄こしなさい(笑)。
本人 分かりました。
浜田 何でやねん、「わかりました」ちゃうねん。

添削後
に 曇る鏡 冬の月


◆最下位 才能ナシ20点 田辺智加(ぼる塾)
晩冬に 咲いた愛の実 鏡中
ムードのあることを書いて、自分に酔っているタイプの句。「愛の実」の抽象的な表現や、「鏡中」を「かがみなか」と読ませる辺りが良くない。切々とした乙女心をなぜ書かないのか。「鏡中に」から。咲いてる場合ではなく、「愛の実」「晩」も落とす。「冬の終わりの」と語ったことを書き、恋の終わりを独りぼっちで育んでいるなら「恋ひとつ」としてみる。

【本人談】
冬の終わりの頃に恋をした。「このままでは自信がない、私なんて」という気持ちで鏡を見て「は~」とため息をついた。その気持ちを鏡の中に閉じ込めようという句。

本人 いかがでしょうか。
ジュニア名人 (笑いながら)非常に面白いですね~これ。俳句の横に「ぼる塾 田辺」と書いたらもっと面白いですね(笑)。いいですねこれ、田辺さん。
本人 (髪をかき上げて)まあね~(笑)。ありがとう、嬉しい。

夏井先生 
これはムードだけの句。ムードのあることを書いて、自分で自分に酔っているタイプの句
愛の実」という抽象的な表現に酔ってる感が漂っている。
鏡中」を「きょうちゅう」と読むのかと思っていたら、「かがみなか」と読ませると(笑)。随分強引な感じ。
お話を聞くと、切々とした乙女心だと。それをなぜ書かないのか
「鏡中」から始める。兼題にあるから外せない。あと、使えるのは「冬」のみ。
本人 えっ?
夏井先生 「えっ?」じゃない。
咲いてる場合ではない(笑)。「愛の実」もさっさと落としておきましょう(笑)。
「晩」も要らないが、そのことをゆっくり言えばよい。「冬の終わりの」と語ったことを書く。
恋の終わりを独りぼっちで育んでいるなら「恋ひとつ」でどうか。

本人 あら~、素敵。
夏井先生 「あら~」と言う程でもない。これが私の精一杯。
本人 やだ~。恥ずかしくて顔真っ赤になっちゃって、やだもう映さないで欲しい私、あんな自信満々で(笑)。
浜田 何なんよ、もう…。

添削後
鏡中に 冬のの 


★特待生昇格試験★

浜田 どうですか?自信のほどは?
ジュニア名人 今、皆さんの句を見てる途中に「あ、やっぱあれアカンかも」ていう。「鏡に映る」か、とか。あえてそうしてるんだけど、そのあえてが伝わるかなと。
浜田 なるほど。
◆『自画像に 手鏡も描く 春隣 千原ジュニア
「も」は散文的になりがちで要注意の助詞。「自画像」「手鏡」とあるため、手鏡に自分を映す場面だが、あえて手鏡も一緒に描いた点に作者の言いたい点が強くあり、「も」を使う意図が受け取れる。「に」「も」「描く」辺りで散文的に思う読み手もいるはずで、「自画像」を強く押し出すなら「手鏡も描く自画像春隣」という語順が考えられる。「描く」「自画像」のどちらを強く残すかの表現の問題で、1回作者にお返しをしたい。

【本人談】
中1の3学期の時、「手鏡を持ってきなさい、これで自画像を描きます」と言われた。みんな自画像を描くなか、自分は持つ手と手鏡も一緒に描いた。怒られるかと思いきや、「こんな生徒今までで初めてや!」と美術の先生に褒められた。それが学生時代に褒められた唯一の思い出。自画像は描くものだが、手鏡を「持たす」とかではなく、手鏡を「描いた」ということを句にしたかった。

梅沢永世名人 今の説明を聞いたら私も納得しましたね。ですから、これはいいんじゃないっすか(笑)。
浜田 何その投げやりな。なんちゅう言い方や。
梅沢永世名人 いやいや、そのジュニアは上手になったのでね、グジュグyジュ言うのもなんでしょうから…(笑)。

★評価ポイント
中七の助詞「も」の是非

■査定結果
名人3段へ1ランク昇格

理由:助詞とマジメに向き合っている

浜田 「マジメに」ってところが良いですね(笑)

夏井先生 
この「も」の助詞はうっかり使うと散文的になりがちで要注意の助詞。
この句は「自画像」「手鏡」とあるため、手鏡に自分を映している場面だと思うが、あえて手鏡も一緒に描いた点に作者の言いたい点が強くある。
「も」を外すと意図から逸れてしまう。「も」を入れる是非は、自分の表現したいこととしっかり会話をし、やっぱり要ると決めてここにきたと分かる。
読んだ時に「に」「も」「描く」と助詞2つ、動詞1つがあるため散文的に思う人もいるかもしれない。
手鏡も描く自画像春隣」という語順も考えられるが、「自画像」が強く出る。
これは「描く」とどちらを強く残すかの表現の問題
。ここは1回作者にお返しをしたい。
私はマジメに勉強する人が好きです(笑)。

本人 マジメじゃないんですよ、僕は。食後のお薬を食前に飲むんですよ、俺は~(笑)

添削なし


★永世名人 富美男のお手本★
※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」



[永世名人のお手本披露]
◆『あえかなる 鏡の色をして 冬日 梅沢富美男
語順を良く考えた。今までなら「あえかなる鏡の色の冬日かな」と「かな」を入れたはずで、こっちの方が上手っぽく見える。敢えて「をして」を選んだ点に成長の跡が見える。「鏡」までで映像が一つ手に入るが、中七で「冬日」の比喩に変化していく展開が上手い。さらに、「かな」ではただの詠嘆で終わるが、「をして」で自分の目に映ったものを淡々と即物的に描写する言葉になる。安易に「かな」と詠嘆しないと決めた点は褒めたい。

※「あえかなる」は触れれば落ちるような弱々しい様を表現する言葉。

【本人談】
今年は私はチャレンジをする。これは破調で詠んだ。鏡にいる…しているような寒々とした「あえかなる」なんです。それが「冬日」なんです。

ジュニア名人 この「あえかなる」っていうのが、良い言葉持ってきはったな~。
本人 これ名人ですから。凡人はね、詠めないと思います。
浜田 いえ、(ジュニアも)名人です。
本人 あ、ごめんごめん(笑)。

■査定結果
永世名人27句目に掲載決定

理由:上手なフリをしていない!

夏井先生 
今までのおっちゃんなら「あえかなる鏡の色の冬日かな」という方向に持って行ってた。
本人 それも考えました。
夏井先生 
「かな」を入れたこっちの方が上手っぽく見える。敢えて「をして」を選んでいるのが成長の跡が見える
上五の後の「鏡」で映像が一つ手に入る。
しかし、「鏡の色をして」の展開に変わっていくので、手に入れたはずの映像も「冬日」の比喩に変化していく。ここら辺の展開が上手い。
さらに、「かな」で詠嘆してしまうとただの詠嘆で終わるが、「をして」で自分の目に映ったものを淡々と即物的に描写している言葉になる
今までのおっちゃんなら安易に「かな」「かな」詠嘆していた。それをしないと決めたと。
これは褒めましょう。直しはいらない。

本人 夏井先生は私の心まで読んじゃうから。くふふふっ(笑)

添削なし



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コメント

今回は

梅沢永世名人
千原ジュニア名人

それぞれが過去の課題をクリアされているのが感じました。

永世名人は
上五「あえかなる」という美しい、また繊細な言葉にはしみじみと詠嘆する意味を感じるので、さらに「かな」という詠嘆をつけると逆にくどくなると思いました。

さらに「あえかなる」にも音として「かな」という言葉があるので、音読したときに違和感を感じます。

結果的には「冬日」という季語を名詞止めにしたことで、「あえかなる」という繊細な言葉とのバランスがとれていたように思えます。

特待生だったころの
万緑を穿つ朱なる列車かな
のように雰囲気で詠嘆を使わなくなったことは、番組初期からの積み重ねがしっかりありましたね。

三遊亭圓楽師匠も過去に
前カゴでチワワ吠え背なで子の泣く暑さかな

反対に村上名人の代表句
テーブルに君の丸みのマスクかな

とありましたが、季語に対して詠嘆がいるかどうかの判断は「季語を信じる」ということが課題ですね。

千原ジュニア名人は
過去に助詞を何度か指摘されていましたが、今回の句は本当に見事でした。
夏井先生も仰っていましたが、「手鏡も」ということで手鏡に映っている自分の自画像だということがわかります。

通常であれば、自画像を書くときはキチンとした鏡を使うという認識ですので、手鏡を使う自画像ということは美術の授業やカルチャースクールのレッスンであるということは想像できます。

季語が「春隣」である必要があるかどうかは最初疑問におもいましたが、単純にご本人の実体験が「春隣」の時期だったと解釈していいかと思います。

僕自身は美術に対しては疎いのですが、美術をしている人なら「自画像はこの時期にしていた」「春隣の季節にはこんなことをしていた」というそれぞれの経験と照らし合わせながら楽しめる句ではないかなと思えます。
 
千賀健永名人や岩永徹也さんなど美術部門で特待生をされている方であればより一層楽しめそうな気がします。


話が変わりますが、夏井先生のYouTubeの「悪態句」の動画で句を紹介していただいたhorikawayuukiです。
最近夏井先生の動画をキチンと観ることが少なくなって、最初は気づかなかったのですが
こちらのブログの記事を読んで知ることができました。この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございます。

例の句は動画を見て、ほぼ即興で作りあげたのですが、
改めて見直すと下五を
「格別に」
字余りで「殊に甘く」
と直す余地があったなと思いました。

しかし夏井先生の「それまでは寂しかったんだね」というお言葉が図星でしたw
夏井先生のすごさを改めて思い知らされましたw

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