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20201217 プレバト!!俳句紹介【プレゼント】

2020年12月17日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
◎は夏井先生講評の要約です。

挑戦者→本仮屋リイナ[初],加藤シゲアキ[2],升毅[4],菅原初代[初],山内健司[3],小倉優子[6],東国原英夫[60],梅沢富美男[117] ※数字は挑戦回数

●お題:プレゼント
プレゼントの兼題

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位71点本仮屋リイナ
風の子を見守る我ら着膨れ隊かぜのこをみまもるわれらきぶくれたい
2才能アリ2位70点加藤シゲアキ
(NEWS)
セロファンのかりかりと鳴る冬の朝せろふぁんのかりかりとなるふゆのあさ
3凡人3位67点升毅
天心へ未完の脚本よ寒オリオンてんしんへみかんのほんよかんおりおん
4凡人4位65点菅原初代
皸割れる強情我慢の父譲りあかぎれわれるごうじょうがまんのちちゆずり
5凡人5位52点山内健司
(かまいたち)
冬銀河届きし箱に夢を見るふゆぎんがとどきしはこにゆめをみる
6凡人6位50点小倉優子
クリスマス鬼滅の柄のプレゼントくりすますきめつのがらのぷれぜんと
7名人10段★4へ
1つ前進
東国原英夫
ほしかもんはなかジャングルジム冷たしほしかもんはなかじゃんぐるじむつめたし
8永世名人25句目に
掲載決定
梅沢富美男
妻よりと楽屋見舞いの加湿器来つまよりとがくやみまいのかしつきく
→編集後記





●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ71点 本仮屋リイナ
風の子を 見守る我ら 着膨れ隊
前半はややありがちな発想だが、後半で取り戻し、「着膨れ隊」が面白い。「我ら」の位置も良く、作者が着膨れ隊の一人である存在が出る。地域を見守る人を「見守り隊」と言うが、「見守る」「隊」もささやかに連想を結ぶ。「着膨れ」の句として非常に生き生きとした臨場感・現場照明のある句だと思った。お上手。

※元気な子供たちが天からのプレゼントという発想。

【本人談】
3歳と1歳の息子に『かみさまからのおくりもの』を毎晩読み聞かせし、その中の一節に「元気こそが神様の贈り物」だというフレーズがあり、そこから発想を飛ばした。寒い中薄着で遊んでいる子どもたちをプレゼントに見立てて詠んだ。

梅沢永世名人 素晴らしい句。「着膨れ隊」これオシャレね。ここへ持ってきたところが、う~ん。とっても良い句だわ。
本人 ありがとうございます。

夏井先生 
前半はややありがちな発想ではある。
後半で取り戻し、特に「着膨れ隊」というフレーズが面白かった
さらに「我ら」がこの位置にあるのも褒めたい
作者自身が着膨れ隊の一人としてここにいるという存在が出る。
今どきの言葉で地域を見守る人を「見守り隊」と言うが、「見守る」「隊」もささやかに連想を結ぶ
その意味で「着膨れ」の句として非常に生き生きとした臨場感・現場証明のある句だと思った。
お上手。直しはいらない。

本人 え~凄い、嬉しい。ありがとうございます。

添削なし


◆2位 才能アリ70点 加藤シゲアキ(NEWS)
セロファンの かりかりと鳴る 冬の朝
大きな花束か何かを包んだ「セロファン」が、冬の冷たい朝のささやかな風に鳴っている音だと最初は思う。「かりかり」という感知の部分に詩人の耳があると思ったが、実際的な「かりかり」だったと。「セロファンテープ」と置いてもよい。この句は、ほんの小さなささやかな短い時間・場面を少し掬い取る。俳句はそれで十分。

【本人談】
冬の朝なので、プレゼントからサンタのイメージで書いた。朝届いたプレゼントの包装を大切なものだと丁寧に剥がしたい気持ちがある。セロファンテープの端っこをかりかりと丁寧に剥がすところからワクワクする。

浜田 山内、これはもう負けを認めるよね?
山内 いや、僕は非常に浅い俳句だなと(笑)。
本人 全然悔しくない。
山内 なんでこれが70(点)なんやろ。

夏井先生 
パッと読むと大きな花束か何かを包んだ、まさに「セロファン」が冬の冷たい朝のささやかな風に鳴っている音だと思った。
「かりかり」という感知・聞き留める部分に詩人の耳があると思ったが、実際的な「かりかり」だったと。
そしたら「セロファンテープ」と置いてもよかった。
この句は、ほんの小さなささやかな短い時間・場面を少し掬い取る。俳句はそれで十分。
それが分からない人がこの作品の良さに気付かない人々です(笑)。

梅沢永世名人 山内。

添削後
セロファン かりかりと鳴る 冬の朝


◆3位 凡人67点 升毅
天心へ 未完の脚本よ 寒オリオン
「天心」「寒オリオン」両方とも空を見上げる光景で、その間に別のフレーズが入ったのが惜しい。「脚本」を「ほん」と読ませる言い方も理解できるが、音数が足りないための無理矢理感が出た。「天心へ」を諦めて「きゃくほん」と読むよう添削する。「脚本は未完」でカットを切り、「寒オリオン」の後、天心の気分を出すために「高し」と描写。最後に視点が上に行き、祈りの視点となる。素材は良いが、勿体ないことをした。

※「天心」は天の真ん中という意味。

【本人談】
映画「半落ち」などを手掛けた佐々部清監督が2020年3月、次回作の準備中に下関で急逝した。自分もその作品に出る予定だったが途中で終わってしまい、「何とか形にしますよ」という監督への想いを夜空に向けてプレゼントした。

梅沢永世名人 「天心」「オリオン」と空の光景が2つ重なっているんですよね。これがちょっと余分だったかもしれないな。

夏井先生 
やっぱり(おっちゃんは)さすが。
「天心」「寒オリオン」両方とも空を見上げる光景で、その間に別のフレーズが入ったのが惜しいのが1点。
「脚本」を「ほん」と読ませるのは業界用語として普通の言い方なのは理解できるが、音数が足りない無理矢理感が出るかもしれない。
1つ言葉を諦めて「きゃくほん」と読んで全然OKに。
「天心へ」を外して、「脚本未完」。書き上がらなかったと。真っ直ぐ季語へ。
「寒オリオン」の後、天心の気分を出すために「高し」と描写する。
最後に「高し」で視点が上に行き、祈りの視点に。
良い素材だが、ちょっとしたことで非常に勿体ないことをした

本人 ほぼ前回と同じようなこと言われてます。
浜田 そうなんですか?なぜ学習しないんですか!?
本人 そうですよね(笑)

添削後
脚本未完 寒オリオン


◆4位 凡人65点 菅原初代
皸割れる 強情我慢の 父譲り
兼題からなぜこの発想に行ったのかは不思議だったが、話を聞いてよく分かった。自分に性格をプレゼントをする父に連想が動いてきたと。「皸割れる」と音数が溢れたのが勿体ない。「皸」は荒れて腫れるもので、説明せずに「や」の強調で十分。中七も字余りで、「の」を取って良い。ここまで初めてやれる人ならすぐコツを飲み込む方ではないかと思った。

※我慢強い性格が父からのプレゼントという発想。

【本人談】
父のことをふと思い出し、少し前からあかぎれが避けて血が出ていた。ふと父とあかぎれを結び付けた。親からもらった必ずしも良いことだけではないが、自分も歳を取るとしみじみと(我慢強さ)が良くも悪くも贈り物だったんだなあと。

浜田 泣くの?(笑)

夏井先生 
兼題写真からなぜこの発想に行ったのかは不思議だったが、話を聞いてよく分かった。
子どもから父に連想が動いてきたと。
「皸割れる」と音数が溢れているのが勿体ない。「皸」は荒れて腫れるもの。
【皸(あかぎれ)】
手足の皮膚が乾燥して裂ける状態のこと

「割れる」と説明せず、「や」の強調で十分。ピッタリ5音に。
中七も字余りで、「の」を取って良い。
ここまで初めてやれる人なら、すぐコツを飲み込む方ではないかと作品を見て思った。

本人 夏井先生に最後希望を頂いたので、また是非番組に呼んでいただいて上を目指したいと思います。
浜田 泣くの?(笑)
山内 泣かないです。ああいう喋り方なんです。

添削後
 強情我慢 父譲り


◆5位 凡人52点 山内健司(かまいたち)
冬銀河 届きし箱に 夢を見る
見ない夢があるなら持ってこいと気付けないのが凡人。「届く」から始める。綺麗な「冬銀河」は後半に。「に」も消し、「届きたる箱よ」と詠嘆。届いた箱が目の前にポンと置かれ、なんと可愛い箱よとなる。「冬銀河の夢よ」と韻を踏む。この向こうに子どもの夢とか親の夢とかを想像してくれる読者もいるかもしれない。

【本人談】
子どもが2歳半になった。(子の就寝中)届いて枕元に置いてある(プレゼントの)箱に、子どもも夢を見てほしいが、こちらもどんなリアクションをしてほしいか夢を見る。完璧やと思っていた(笑)。

梅沢永世名人 (笑いながら)これは凡人中の凡人の俳句です。
本人 何なんすか!
梅沢永世名人 えっ、山内。夢は見るでしょ。だから「見る」なんていらねぇんだよ。お前は、俺の悪口言ってるから、こういうくだらない俳句を詠むんだよ(笑)。お前はね、俺をバカにしてるから!
浜田 もう分かったって。バカにするから怒ってるみたい。
東国原名人 彼ね、この前のインタビューでね、漫才のネタとかコントのネタを100回くらい添削するらしいんですよ。
浜田 おぅ!
東国原名人 これ全然添削してない(笑)。
山内 ちょっと待ってください。
東国原名人 添削すれば全然わかるはずよ。

夏井先生 
パッと見て気付かないといけない。見ない夢があるなら持ってこい。
梅沢永世名人 見ろ!山内。
夏井先生 
「見る」は不要。中七から始める。
「冬銀河」と綺麗なのは後に。
届きたる」と今届いた。「箱」で、「に」の用法も損で「よ」と詠嘆。届いた箱が目の前にポンと置かれる。
何と可愛い箱よ。「冬銀河の夢よ」と韻を踏む。
この向こうに、子どもの夢とか親の夢とかを想像してくれる読者も出てくるかもしれない

本人 僕は五七五の概念が凄いあるんですよ。今直していただいたのが、離れすぎてないですか?五七五から。
夏井先生 句またがりっていう技なの。プレバト!!観てないでしょ!あんた(笑)
本人 一回持ち帰らせて下さい(笑)

添削後
届き 冬銀河


◆最下位 凡人50点 小倉優子
クリスマス 鬼滅の柄の プレゼント
気付いて下さいよという痛恨の凡ミス。「クリスマス」なら「プレゼント」は不要。具体的にプレゼントの中身を書く方が良い。「ペンケース」「熟カバン」「バスタオル」などなんでも良い。ここに5音となるプレゼントの中身を書いたら、最下位ではなかった。

【本人談】
「鬼滅の刃」が流行っている。クリスマスプレゼントを開ける前から鬼滅の柄(緑と黒の市松模様)の包装紙でテンションが上がるという句。

東国原名人 (笑いながら)平凡!(笑) 発想が鬼滅の刃のプレゼント。もう。

夏井先生 
気付いて下さいよという痛恨の凡ミス。(「クリスマス」なら)「プレゼント」は不要。
浜田 最低でも何か物書けばええよね~。
夏井先生 
その通り。ここにプレゼントの中身を書くべき。
「ペンケース」「塾カバン」「バスタオル」などなんでも良い。
ここに5音となるプレゼントの中身を書いたら、お隣の方(山内)よりははるか上をポーンと飛び越せた。

山内 「プレゼント」が要らないのは僕でも分かりました。
浜田 ホンマか、お前。
本人 ホントですか?
山内 「クリスマス」がプレゼントを含んでいる。
本人 (悔しそうに)ええ~。

添削後
クリスマス 鬼滅の柄の ンケース
『クリスマス 鬼滅の柄の 
『クリスマス 鬼滅の柄の タオル



★永世名人への道★

浜田 東さん、こないだのタイトル戦(金秋戦)来られなかったでしょ。(額縁を)見て下さい、こうなった(→千原ジュニアが優勝)。
東国原名人 こうなったのよね~。スケジュールに合わなくて、欠席せざるをえなかったんですよ。
浜田 そうなんですよね。
東国原名人 9月の末と10月の頭は空けてるのよ、例年。例年スペシャルは9月の末か10月の頭(の収録)だから。それが今回10月の第3週になったのよ。細かい話でごめんなさいね(笑)。
浜田 だからそれを知らないから、全員が「東さん、また逃げた」。
東国原名人 逃げるわけない!(笑)

◆『ほしかもんはなか ジャングルジム冷たし 東国原英夫
兼題から「欲しい物がない」方向へと発想する力が、この作家の力。「ジャングルジム」が良く、他の遊具と比べて高い所にずっといられる点があり、寂しさ・孤独と結構相性が良い。季語「冷たし」が最後にきて、冬の風や金属の持つ冷たさを生々しく伝える。

【本人談】
九州出身で小さい時「プレゼントは何が欲しい?」と12月に親に言われた。親は裕福ではなく、負担を掛けたくないと思い、欲しい物はあったが「欲しかもんはなか(=ない)」と強がりでやせ我慢した。公園でジャングルジムに登った時に鉄の棒が冷たい。その冷たさが心に沁みた。

梅沢永世名人 分かりますよ。私なんか特に分かります。物凄く子どもの時貧乏でしたから。これは星来ましたよ!
浜田 そうですか、山内はどう思う?
山内 僕、裕福に育ったんで全くピンと来ない(笑)
浜田 おい!
山内 欲しい物買ってもらってたんで。
本人 腹立つわ~。

★評価ポイント
ジャングルジムを選んだ是非

■査定結果
名人10段★4へ1つ前進

理由:寂しさと相性がいい!

梅沢永世名人 遂に来ましたね。
浜田 いややっと来たよ。リーチ掛かってきた。

夏井先生 
兼題写真から「欲しい物がない」方向に発想を持ってくることができるのが、この作家の力と改めて思う。
「ジャングルジム」が良い。遊具は「鉄棒」「すべり台」「ブランコ」と他にもある。
それらの遊具と「ジャングルジム」が他と違う最も大きな点は、高い所にずっといられる所
寂しさ・孤独と結構相性が良い
季語「冷たし」が最後に来る。冬の風や金属の持つ冷たさを皮膚で生々しく伝える。

添削なし


★永世名人 富美男のお手本★
※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」

浜田 (完成まで)もう26句。
梅沢永世名人 いやいや、でもね。ハンデがありまして。劇場公演集中している時に、この俳句を作れと来たんですよ。俳句なんて考えられますか?劇場中に。お前ら(=スタッフ)考えろよ、少し!(笑)

[永世名人のお手本披露]
◆『妻よりと 楽屋見舞いの 加湿器来 梅沢富美男
今の時代を役者と言う立場から切り取った。一番のポイントは最後の「来」を良しとするか否か。加湿器が「届く」「送られる」と書けば意味の上ではスルっと理解できるが、最後「来」で止めようという、決心がいったはず。加湿器を擬人化したかのような「来」の踏ん切りが出来る。やっぱり永世名人。

【本人談】
(名古屋の)御園座で公演をした時の話。今回はコロナ(禍)の問題で誰も楽屋に一切来れない。妻が加湿器を(楽屋宛に)送ってくれたので「来」と入れた。これは深い。今の気持ちをグッと前に出した。

本人 これをなっちゃんが分からなか…。
浜田 (指を立てて)シーッ!!(笑)
本人 すみません、はい。

■査定結果
永世名人25句目に掲載決定

理由:「と」と「来」が上手い!

夏井先生 
今の時代を役者と言う立場から切り取った一句。
一番のポイントは最後の「」で、良しとするか否とするかで評価は変わる。
加湿器が「届く」「送られる」と書けば、意味の上ではスルっと入ってくる。
最後「来」で止めようという、ここは決心がいったのではないか。
まるで加湿器を擬人化したかのような「来」の踏ん切りが出来る。
やっぱり永世名人ですね。

本人 なあ、山内。どうだ!?
山内 一生ついていきます。
浜田 なんやそれ。永世名人あと何句作れば本になるんですか。
玉巻アナ 残りあと25句となりました。
浜田 25句がOKになれば、本が出来てこの番組からいなくなります!(笑)
本人 ちょっと…。

添削なし




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コメント

Re: No title

∇×v様

拙句へのコメントありがとうございます。

> 詠者であるプロキオンさんは『存在』や『特殊』のつもりで「店内の耳鳴りめいて」としたのだと思いますが、読者はこれを『全称』や『一般』として受け取るので、そこで齟齬が生じるのだと思います。

そこまで深く考えて詠んではおりませんでした。比喩表現の方が一般的に伝わりやすいと思い、そちらを優先しました。


> また、語順も「店内 → 耳鳴りめく」だと視覚情報が先に提示されるため後の「耳鳴りめく」が店内の様子を表現したものと誤解されるのではないでしょうか。「耳鳴りめく → 店内」という語順であれば印象が異なったかもしれません。

語順は少し悩みましたが、誤読されないための重要性を今一度思い知った次第でございます。


> 『ピー音の高き店あり年の暮』であれば「店あり」で読者も『存在』であると読むと思うので、これなら表現したいことに近づくかもしれません。ただ、ピー音といえば高い音という印象があるので敢えて「高い」という必要があるかということから『高き』を『痛き』(高音が痛いという表現はベタな感じではありますが)とするのも考えられます。
> 『年の暮ピー音高き( or 痛き)百貨店』なら、デパート(百貨店)という情報が入りそうです。「ピー音 → 百貨店」となっているので一般的な百貨店ではなく少し特殊な百貨店であると読者に思ってもらえるのではないでしょうか。

添削例までご指導いただきありがとうございます(^^♪
「店あり」の表現は「存在」を強調する点で重要なのですね。「痛し」は耳鳴りのようなニュアンスの描写には持ってこいだと思いました(実際には痛みを感じるほどではありませんでした)。
また、季語「年の暮」を最初と最後のどちらに持ってくるかという語順の点も非常に考えさせられました。
今後ともよろしくお願いします。

No title

・良いと思った点を書き忘れていました。
個人的には年の暮と店という題材なら光景を詠むと思うので、音(聴覚情報)を詠むというのは意外でした。

・誤読が生じる原因の考察
詠者であるプロキオンさんは『存在』や『特殊』のつもりで「店内の耳鳴りめいて」としたのだと思いますが、読者はこれを『全称』や『一般』として受け取るので、そこで齟齬が生じるのだと思います。
また、語順も「店内 → 耳鳴りめく」だと視覚情報が先に提示されるため後の「耳鳴りめく」が店内の様子を表現したものと誤解されるのではないでしょうか。「耳鳴りめく → 店内」という語順であれば印象が異なったかもしれません。

・僭越ながら「ピー音」という単語を使用して提案句を考えてみました。(考えた句の出来が不明なので添削句とは言わず提案句と言うことにします)
『ピー音の高き店あり年の暮』であれば「店あり」で読者も『存在』であると読むと思うので、これなら表現したいことに近づくかもしれません。ただ、ピー音といえば高い音という印象があるので敢えて「高い」という必要があるかということから『高き』を『痛き』(高音が痛いという表現はベタな感じではありますが)とするのも考えられます。
『年の暮ピー音高き( or 痛き)百貨店』なら、デパート(百貨店)という情報が入りそうです。「ピー音 → 百貨店」となっているので一般的な百貨店ではなく少し特殊な百貨店であると読者に思ってもらえるのではないでしょうか。

Re: 拍手した序でにコメントを

∇×v様

コメントありがとうございます。

> 原句は「冬銀河」で切れて、「届きし箱に」と続くので季語が比喩というのは当てはまらないと思います。
間違いへのご指摘ありがとうございます。取り合わせの型とすると、季語+12音で読み取った方が良いのですね(中七に切れがあると最初考えました)。比喩でないとすると季語とフレーズの距離が近い印象がございます。


> 何故か「オル」が抜けています。
ご指摘の箇所は訂正いたしました。


> 「店内の耳鳴りめいて年の暮」
> 「耳鳴り」で年の暮に意識が飛ぶほどの高いキーの音がずっと鳴っている店(デパート)があることを分かって貰おうとするのは困難でしょう。
拙句へのコメント誠にありがとうございます。中七は「ピー音高し」など色々考えましたが、読者への伝わりやすさを優先してしまいました。自分の意図通りに詠む難しさを痛感した次第です。

拍手した序でにコメントを

”「冬銀河届きし」が比喩のため、全く季語が立っていません。”
原句は「冬銀河」で切れて、「届きし箱に」と続くので季語が比喩というのは当てはまらないと思います。(「届きし」の「し」は記憶想起の助動詞「き」の連体形)

”『クリスマス 鬼滅の柄の バスタ』”
何故か「オル」が抜けています。

「店内の耳鳴りめいて年の暮」
この句の表現では特定の店のこととは思えないので、どこにでもある店内の事だと思います。よって「年の暮の店内は人でごった返すなどして騒がしく、まるで耳鳴りの時の音のようだ」ということを表現したのではないかと取ります。
「耳鳴り」で年の暮に意識が飛ぶほどの高いキーの音がずっと鳴っている店(デパート)があることを分かって貰おうとするのは困難でしょう。

No title

梅沢さんの「オレが乗り移っても消化するのはお前の頭だろ」がド正論過ぎてそれ以降の山内の発言が全部頭に入らなかったわ

No title

加藤シゲアキは村上タイプなんでしょうね。
何気ない日常の一瞬を俳句の種として作り上げるみたいな。
才能アリ2位おめでとう‼

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