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【金秋戦予選AB】20201029 プレバト!!俳句紹介【ピアノ】

2020年10月29日放送 プレバト!! 俳句金秋戦予選A・Bブロック結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
秋の季節に行われる第4回金秋戦予選A・Bブロックで名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
◎は夏井先生講評の要約です。

→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細(Aブロック) →俳句詳細(Bブロック) →編集後記

予選C・Dブロック記事
決勝戦記事
※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。

挑戦者:
Aブロック→<名人2段>千原ジュニア[53],<3級>森口瑤子[9],<4級>北山宏光(Kis-My-Ft2)[32],<5級>向井慧(パンサー)[12]
Bブロック→<名人6段>横尾渉(Kis-My-Ft2)[44],<2級>岩永徹也[21],<3級>皆藤愛子[21],<5級>篠田麻里子[11] ※数字は挑戦回数

見届け人:梅沢永世名人、藤本名人

◇金秋戦2020のルール(※前回の炎帝戦を踏襲した形)
【予選】
・ABCDの4ブロック制で、ブロック4名が参加
・ブロック分けは段位を考慮した上、玉巻アナが事前にくじ引きを行い決定
・兼題はAB・CDの2ブロック単位で共通
・各ブロック上位1名が決勝進出
・各ブロック2位は補欠となり、4名中最も良い1名が決勝進出(敗者復活)
【決勝】
・前回上位4名がシードで参加
決勝はシード4名(永世名人含む)、予選通過5名の合計9名




●お題:ピアノ
ピアノの兼題

※各ブロック1位が無条件で決勝進出、2位は補欠
※順位クリックでリンク内移動します。
◆予選Aブロック
1位森口瑤子3級ちゑさんの被爆ピアノや秋はきぬちえさんのひばくぴあのやあきはきぬ
2位千原ジュニア名人2段鍵盤図弾く兄の背や秋の暮けんばんずひくあにのせやあきのくれ
3位北山宏光(Kis-My-Ft2)4級五指跳ねる英雄ポロネーズ弾く秋ごしはねるえいゆうぽろねーずひくあき
4位向井慧(パンサー)5級秋日和猫眠るため在るピアノあきびよりねこねむるためあるぴあの
◆予選Bブロック
1位横尾渉(Kis-My-Ft2)名人6段休暇明アルトのビブラート太しきゅうかあけあるとのびぶらーとふとし
2位岩永徹也2級色のなき風やボカロのラブソングいろのなきかぜやぼかろのらぶそんぐ
3位篠田麻里子5級秋の夜「黒鍵のエチュード」に挑むあきのよるこっけんのえちゅーどにいどむ
4位皆藤愛子2級秋渇きピアノに映る二重顎あきがわきぴあのにうつるにじゅうあご
順位発表順 Aブロック:2位→3位→最下位→1位 Bブロック:3位→2位→最下位→1位


■トーク集(クリックで展開)






◆それでは順位別に見ていきます


◆予選Aブロック

1位◆『ちゑさんの 被爆ピアノや 秋はきぬ 森口瑤子
心に染み入るような一句。「ちゑさん」はこういう名前の方がいるという読みで良く、「ゑ」の表記で時代の手触りが出た。「被爆ピアノ」だけで語るものが物凄く沢山ある。ちゑさんの物だと語るため、かつてちゑさんが愛用したピアノが原爆で…という複雑な事情が読み取れる。「や」の強調を上の言葉が受け止めるだけのものになっている。必要以上のことは言わずに、残り全ての作者の想いを季語に託した。暦の上では8月初頭に秋が来る。原爆の広島・長崎を想起する。見事に素晴らしい作品。

【本人談】
今年「おかあさんの被爆ピアノ」という映画に出演し、戦争の原爆から奇跡的に焼け残ったピアノ(被爆ピアノ)の存在を知った。原爆に心を馳せた時に、主のいなくなった被爆ピアノにも秋が来て、冬が来てというのを75年間繰り返してきた。

梅沢永世名人 素晴らしい。「秋はきぬ」。これが素晴らしい! 1位、間違いありませんよ。
浜田 争ったジュニアはどう思いますか。
ジュニア名人 8ステージ位上の俳句ですね。(笑)
藤本名人 ダントツ。

夏井先生 
これは心に染み入るような一句
ちゑさん」はこういう名前の方がいるという読みで十分、「ゑ」の表記で時代の手触りを見せてくれた
被爆ピアノ」の言葉だけで語るものが物凄く沢山ある
ちゑさんの物だと語るため、かつてちゑさんが愛用したピアノが原爆で…という複雑な事情が読み取れる
「や」の強調を上の言葉「被爆ピアノ」が受け止めるだけのものになっている。
必要以上のことは言わずに、残り全ての作者の想いを季語に託した
暦の上では8月初頭に秋が来る。原爆の広島・長崎を想起する
キッチリと見事に素晴らしい作品

添削なし


2位◆『鍵盤図 弾く兄の背や 秋の暮 千原ジュニア
場面は良く、上五「鍵盤図」がリアルにして健気な感じ。季語「秋の暮」の健気さ、切なさ、寂しさが出て、後半のキーワードと季語が繋がったのはとても良い。気になるのは「や」。詠嘆したかった作者の想いは理解できるが、第三者が読むならば季語にもう少し比重をかけてほしい。これは「に」が正解。添削後なら、切なさが「秋の暮」の映像に乗っかる。

梅沢永世名人 あ~勿体ない。

【本人談】
小さい時に夕方家に帰ってきた時の光景。(兄の)せいじが「ピアノ買って」と(親に)言えない。ピアノが無くても弾きたかったため、音楽の教科書の裏表紙の鍵盤を(彼は)一人で弾いていた。それを小さい時に見て、滅茶苦茶切なくなり、鮮明にその光景を覚えている。その思い出を詠んだ。

梅沢永世名人 お兄ちゃんの印象が強すぎた。中七「や」が駄目。季語「秋の暮」が弱まった。これを「に」にすべき。お兄ちゃんばかりに映像が映ってしまい、季語がぐさーっと。
本人 またせいじに邪魔されたか~。

夏井先生
おっちゃんの解説にビックリ。良い場面を書いている。
この句のキーワードである上五「鍵盤図」がリアルにして健気な感じ

季語「秋の暮」の健気さ、切なさ、寂しさが出て、季語とキーワードが繋がっている。ここら辺はとても良い。
気になるのは「」。
本人 詠嘆したかったんや~。
夏井先生 分かる。作者の想いをストレートに書くなら「や」だと本人は思う。
第三者が俳句として読むならば、季語にもう少し比重をかけてほしい
これを「」にしていれば(良かった)。
梅沢永世名人 はっはっは。
浜田 そうなんですか?
夏井先生 そうなんです。おっちゃんは見事。
「に」にすれば、切なさが「秋の暮」の映像に乗っかってくる

浜田 ジュニアも分かってましたよ。「や」でガっといきたいって思ったんでしょ。
本人 もっと引かなアカンねんな…。(笑)
梅沢永世名人 こないだ仕事を兄弟と一緒にやらせてもらったんです。お兄ちゃんのことが大好きで、お兄ちゃんも弟のことが大好きなのよ。それが見え隠れしてんの。だから、お兄ちゃんのことを思いこみ過ぎた。
藤本名人 俳句にせいじ出したらアカンよ(笑)。
本人 なんでやねん!
藤本名人 俳句から一番遠いところにいる顔やんか。
本人 だから顔出さずに背中だけにしたやんか(笑)

添削後
鍵盤図 弾く兄の背 秋の暮


3位◆『五指跳ねる 英雄ポロネーズ 弾く秋 北山宏光(Kis-My-Ft2)
「英雄ポロネーズ」と長い言葉の塊を果敢に詠み込んだのは褒めたい。「五指跳ねる」の描写も良く、曲の勇ましさが出ている。勿体ないのは「弾く」で、曲名があれば言わずもがな。語順で損しており、リズムが悪い。季語を中七に入れて「秋や」とし、「五本の指が跳ねる秋」とは何かと読み手に思わせ、芸術の秋のイメージを出す。曲名を続ければリズムが整う。添削後なら1位を争った。

【本人談】
ショパン「英雄ポロネーズ」を幼少期に練習した。「五指跳ねる」で練習が楽しく感じていたのを表したかった。自分がコンクール(当時9歳)に出た思い出と重ねて。

横尾名人 東大王との戦いの時と同じ作り方をしている。「五指跳ねる」で状況は分かるのに「弾く」を持ってきた。前回はそれで上手くいった。
浜田 そやそや。君、指摘したもんね。
横尾名人 「FMさがみ」なら「聴く」はいらないですよと。
浜田 先生は「ここはアリですよ」と言って、上手いこと言った。
横尾名人 それを今回も使ってきたんですよ(笑)。

夏井先生 
横尾さんも中々見抜くようになった。
英雄ポロネーズ」と9音の長い言葉の塊を果敢に詠み込んだ姿勢は褒めたい
五指跳ねる」の描写も良く、あの曲の勇ましい感じが出ている
勿体ないのは横尾名人の指摘通り。今度は(「弾く」は)いらない
前半の後に曲名が出たら「弾いている」のは言わずもがな
語順で損してしまい、リズムが上手く入ってない(のは語順のせい)。
添削は簡単なこと。季語を中七に入れて「秋や」と季語を強調し、「五本の指が跳ねる秋」とは何かと読み手に思わせ、芸術の秋のイメージを出す。
曲名を続ければリズムが整う。これやってたら1位を争っていた。

浜田 あれは分かって書いてたのね。「跳ねる」あんのに「弾く」って書いたのは分かってた?
本人 「弾く」を入れるかは本当に悩んだが、前回良い味をしめちゃって…(笑)。
浜田 やっぱ言うた通りや。
本人 横尾さん、言った通りです。(笑)

添削後
五指跳ねる秋 英雄ポロネーズ


4位◆『秋日和 猫眠るため 在るピアノ 向井慧(パンサー)
説明っぽさのイメージを引っ張り出す単語が1つある。勿体ない諸悪の根源は「在る」でこれは不要。「ため"の"ピアノ」ならピアノの存在を強める必要性がない。「よ」で軽く持ってくる。季語「秋日和」は秋晴れで風もない穏やかな天気。この句は「日和」よりも、黒いピアノに当たる日差しが見えた方が良い。「秋の日よ」で「よ」の韻を踏めば、作者の言いたいことに近づいてくる。

【本人談】
ピアノのある場所を想像した時に、実家に姉が弾くために買ったピアノがあったことを思い出した。姉が弾かなくなり、ずっとカバーをかけられていたままのピアノに、飼っている猫が飛び乗ってずっと居座ることがあったため、誰も弾かずに猫が休む、眠るためのピアノだったらと。

梅沢永世名人 最下位になったのはわかりますよね。まだトーナメントに出るような俳句は10年早い。
本人 10年ですか~。
梅沢永世名人 普通の回なら良いのよ! 私を相手にしなきゃならない回なんですよ!
浜田 腹立つわ~。
藤本名人 これ、タケモトピアノのCM?(笑)
本人 違います。
藤本名人 言葉がブツブツと切れてる感じがする。「猫眠るため"に"在る」だと思う。
梅沢永世名人 説明っぽいわね。

夏井先生 
名人2人が言う「説明っぽい」のイメージ・読みを引っ張り出してしまう単語が1つある。
勿体ない諸悪の根源は「在る」。これは書かなくてよい。
「猫眠るため""ピアノ」ならピアノの存在を強める必要性がない。「よ」で軽く持ってくる。
最後に季語を持ってくる。季語「秋日和」は秋晴れで風もないおだやかな天気のことで、気持ちの良いお日柄。
この句の場合は「日和」よりも、黒いピアノに当たる日差しが見えた方が良い
「秋の日よ」で「よ」の韻を踏めば、言いたい映像に近づいてくる。

本人 とりあえず10年をいかに短縮できるかを勉強します(笑) 10年はかけられないので。
浜田 そらそうやな。

添削後
猫眠る ためピアノ 秋



◆予選Bブロック

1位◆『休暇明 アルトのビブラート太し 横尾渉(Kis-My-Ft2)
コンパクトに上手く言葉を選んできた。「アルトのビブラート」と一点に絞ることで、「休暇をどんな風に過ごしたのか?」とそちらに想いがいく。「アルト」「ビブラート」の言葉の選択は良かった。「休暇明」「アルト」で合唱部のような部活かと思った。夏休みに一生懸命練習した成果として、太い豊かな声が出たようになったと読んだが、声変わりの可能性もあると感じた。最後の「太し」で「アルト」の声の質・大きさなどの豊かさが見えてくる。この3音の大事な勝負・着地を見事に決められるようになったのを褒めたい。「上手になってきた」と本当にうれしく思う。

※「休暇明(きゅうかあけ)」は夏休みが明けて二学期が始まることを指す秋の季語。

【本人談】
合唱コンクールに発想し、夏休み前はソプラノで歌っていたのに、夏休み明けで声変わりしてアルトになってしまって練習しているという句。

梅沢永世名人 素晴らしいじゃないですか。さすがは「(プレバト)ジュニア」。怖いですよ。あなたと今度決勝で戦うのが怖い!(笑)
浜田 何を言うてんの?
北山 あの~率直な感想としては、音楽できないよね?みたいな(笑)。

夏井先生 
とてもコンパクトに上手く言葉を選んできたと思う。
俳句はたった17音しかないため、ごちゃごちゃと詰め込んでも伝わらない
むしろ「アルトのビブラート」と一点に絞ることで、「休暇をどんな風に過ごしたのか?」とそちらに想いがいく。
その意味で「アルト」「ビブラート」と言葉を持ってきたのは良かった
「休暇明」「アルト」で合唱部のような部活かと思った。夏休みに一生懸命練習した成果として、太い豊かな声が出たようになっているのかと読んだ。
本人の話のように声変わりの可能性もあると感じた。
最後の3音をどう使うかは悩んだはず。「太し」で「アルト」の声の質・大きさなどの豊かさが見えてくる
この3音の大事な勝負・着地を見事に決められるようになった。
そこを褒めたい。「上手になってきた」と本当にうれしく思う


浜田 おめでとうございます。

添削なし


2位◆『色のなき風や ボカロのラブソング 岩永徹也
「ボカロ」は「ボーカロイド」の省略らしく、この良し悪しの意見は分かれるが、周囲の若者は普通に使うようで、略語は許容できると判断した。「色なき風」は平安時代の和歌にも使われる古い季語だが、「の」を入れず、「色なき風」としっかり言うべき。「色なき風やボーカロイドのラブソング」でもあまり違和感はないが、添削なしも許容できる。新旧のものを合体させる意気込み・挑戦を認めたい。

【本人談】
秋の風は色のなき風と言われているらしくて、華やかさや艶っぽさがないらしい。その様子を自分が作曲している時に使うボーカロイド(の機械で)ラブソングを作るが、機械が歌ってくれる(*1)。スマホで鍵盤に歌詞を送信する。ボーカロイド(=ボカロ)に歌詞を送信すると、鍵盤を弾いた時に機械の声で再生される(*2)。ボカロで作曲をし、歌詞を歌ってくれるが機械の声のため、色っぽさや切なさは人が歌うよりも感じられず、「色のなき風」と取り合わせてみた(*3)。

*1
浜田 え?機械が歌ってくれるってどういうことなんですか?

*2
浜田 へぇ~。
藤本名人 見たことないですか。アニメのキャラとか。
篠田 AIみたいな。
向井 初音(はつね)ミクとか。
藤本名人 初音ミクって聞いたことないですか?
浜田 あ゛~もうええわ!分からへん(笑)。
ジュニア名人 諦めないで。

*3
梅沢永世名人 「色なき風や」がどうも気になっている「色なき風や」とどうしてできなかったのか。世界の梅沢としては、「色なき風や」で良かったんじゃないか。それなら1位になれたのではないかと思う俳句。
藤本名人 いいですよね、これ。「色のなき風」という殺風景な感じと、「ボカロ」って映像的にカラフルなイメージがある。その対比が面白いなと思った。色のなき風とボカロが。
梅沢永世名人 あ、そう。世界の梅沢ですよ(笑)。
向井 いや、自己紹介。
藤本名人 「ですよ」で威圧されても…。僕は良いと思ったんですよね。
梅沢永世名人 あ、そう。

夏井先生 
「ボカロ」は分からないため調べたが、「ボーカロイド」が省略されていると。
省略の良し悪しの意見は分かれるが、周囲の若者は普通に使うようで、略語は許容できると判断した。
色なき風」は平安時代の和歌にも使われる古い季語。
季語の世界で秋のイメージカラーは白で「色なき風」となった。
おっちゃんと同じで、「色のなき風」ではなく「色なき風」としっかり言ってほしいと凄く思う
色なき風やボーカロイドのラブソング」でもあまり違和感はなかったはず。私的にはこの方が良いとだけ伝えておく。
新旧のものを合体させる意気込み・挑戦を認めたい

浜田 2位ですからね。次行ける可能性十分ございます。

添削なし


3位◆『秋の夜 「黒鍵のエチュード」に挑む 篠田麻里子
「秋の夜」「黒鍵のエチュード」の2つを取り合わせで、しっとりとした響き合いを生んで良かった。ただ「黒鍵のエチュード」で9音あり、リズムが悪い。「黒鍵の」の5音から始めた方が得で、「夜」は「よ」と読ませる。この難しい曲を秋の夜・秋の夜長に一生懸命練習していることが時間と空間を表す「を」で言える。これが分かるようになれば勝負ができる。

【本人談】
ピアノをやっていたが、「黒鍵のエチュード」は右手が凄く動く難しい曲で、自分も幼少期(9歳)にこれを弾きたいと思い、一生懸命練習した記憶がある。この時期にどこかで頑張っている子がいるのではないかという思い出を。

藤本名人 「黒鍵のエチュード」持ってきたのは素晴らしいただ「に」が散文的ではないかと思う。この前も(鈴木)光ちゃんも言ってたが、「に」が散文的と言って夏井先生に褒められてた。だから「に」が散文的かなぁ。
浜田 そのまま言うてるだけやないか。

夏井先生 
「秋の夜(よる)」と「黒鍵のエチュード」の2つを取り合わせたことが、しっとりとした響き合いを生んでここは良かった
ただ「黒鍵のエチュード」で9音もあり、その構成が難しかったと思うのは分かる。
こういう時は、「黒鍵の」の5音から始めた方が得。「エチュード」は中七に。
「夜」は「よる」ではなく「よ」と読ませる。「秋の夜に」の「に」は「」とする。フジモンさんの言う通り。
「秋の夜を挑む」とする。「を」は時間と空間をという意味になる
この難しい曲を秋の夜・秋の夜長に一生懸命練習していることが「を」で言える。
これが分かるようになれば勝負ができる。

本人 凄く勉強になります。

添削後
「黒鍵の エチュード」秋の 夜挑む


4位◆『秋渇き ピアノに映る 二重顎 皆藤愛子
季語「秋渇き」がマニアックで、食欲減退で夏痩せするが、秋に食欲が戻り、バクバク食べてしまうこと。この季語に挑戦した意欲は認めたいが、語順が違う。さらに、食欲が戻ったから二重顎になったという因果関係があるのも勿体ない。「二重顎」のアップから始めるべきで、季語は「秋」のみに託した方がずっと面白い。諸悪の根源「渇き」は消す。食欲の秋と芸術の秋を一緒にするため、「嗚呼」と声をあげる。二重顎に対して「あ~あ」という想いと、ピアノ弾きながら発声練習に入っている「嗚呼」と。二重顎という素材が滑稽だけで終わらない。

【本人談】
食欲の秋かつ芸術の秋で、食欲が止まらず、ピアノの前に座ったら自分の二重顎が綺麗に映ってたという句。<

藤本名人 これ最下位ですか。
浜田 はい、一応。
藤本名人 いい意味で皆藤さんらしくない。面白い句だと思いますけど「二重顎」とか持ってくるとこがね~。
梅沢永世名人 あんた独身になってから美人に弱くなったんじゃない。
藤本名人 やかましいな(笑)。いいでしょ、独身やねんから。
梅沢永世名人 「二重顎」、これがいらなかった。そう、食欲の秋ですから、二重顎になるのは当たり前ですよ。私がそうですから。
藤本名人 当たり前ではないでしょ(笑)。みんながみんな、秋に二重顎にならないでしょ(笑)。
梅沢永世名人 フジモン、口の利き方に気を付けなさい。世界の梅沢…。
藤本名人 もうええわ!
浜田 もうええわ!

夏井先生 
この句から「二重顎」を落としたら、作者の言いたいことが丸っきりなくなる。
梅沢永世名人 ごめんなさいね。
夏井先生 おっちゃん、これは無理。
季語「秋渇き」がマニアック。
夏は食欲がなくなって夏痩せするが、秋に食欲が戻り、バクバク食べてしまうのが「秋渇き」と面白い季語。
この季語に挑戦した意欲は認めたいが、語順が違う。「二重顎」のアップから始めるべき。
さらに、「渇き」があるため、食欲が戻ったから二重顎になったという因果関係があるのも勿体ない。
季語は「秋」のみに託した方がずっと面白い。「二重顎映せる」とし、原因理由の諸悪の根源「渇き」は消す。
食欲の秋と芸術の秋を一緒にするため、声をあげて下さい。「嗚呼(ああ)」。
本人 へえ~!
北山 (ぽっかり口を開いたまま)…。
向井 それはなかなか…。難しい。
二重顎に対して「あ~あ」という想いと、ピアノ弾きながら発声練習に入っている「嗚呼」と。
浜田 なるほど、凄いな。
夏井先生 これぐらいやると、二重顎という素材が滑稽だけで終わらない。
梅沢永世名人 洒落てるねぇ。
夏井先生 ここまでやれば勝負できた。

浜田 これはなかなか…。
ジュニア名人 これは無理ですよ。
浜田 「ピアノ嗚呼」ですよ。
本人 いや~凄いですね。タイトル戦だとやっぱりここまでレベル上げないと駄目ですね。

添削後
二重顎 映る秋 ピアノ


★次回は金秋戦予選・CDブロック。兼題は「ポンプのノズル」(アルコール消毒?)です。



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コメント

横尾さんの俳句について

小学生や中学生の混成合唱ではソプラノ、アルト、男声に分かれています。声変わり前の男子はソプラノを歌い、声変わり後はアルトを歌いますが声が確定するとテノール等に分かれていきます。

今回、予選のバナーの所で梅沢さんだけが予選シードではなく永世名人と何回か紹介されてましたが、やはり永世名人は次回以降も本戦の結果に関わらず無条件で予選免除の本戦から参加なんでしょうかね。

個人的にはそこまで反対でもないんですが、永世名人が優勝を狙う攻めた句を作ってコケても、そのツケ(この言葉は正しくはないかもしれませんが)で予選を参加することなく本戦に次回も参加できると言うのは、やはりどこか腑に落ちない気はします。
番組の方向性として梅沢さんをどこまでレギュラーとして出し、厚遇するか、視聴者の多くの人が納得できる形で収めてもらいたい気はします。(もちろん今回御大がコケて、次回予選からになる可能性も充分ある気はしますが)

今回は

森口さんの俳句には鳥肌が立ちました。「ちゑさん」という女性がどのような方なのかという想像させる描写が見事でした。
また中七の「被爆」という字面が強烈なので季語「秋はきぬ」のひらがな表記によってバランスが取れていたように思います。

個人的に興味深いのは岩永さんの俳句でした。
これは世代によって評価が真っぷたつに別れるタイプですね。
自分としては「ボーカロイド」という正規の言葉ではなく、「ボカロ」という略語によってより若者らしい表現となり、古い季語の「色のなき風や」との対比ができてるなと思いました。
ただ夏井先生や梅沢永世名人の言葉も理解できます。
岩永さんはマニアックな季語を使うことが多いですが、季語選びに技術がついてきていると思いました。ただ切れ字「や」が必ずある印象もあるので、別の詠嘆も見たいですね。

千原ジュニアさんの句は先日の林修さんと同じ点が指摘されましたね。自分の想いと季語の比重をどうとるか。
俳句に限りませんが、作品に込めた想いと第3者の視点の違い。これは表現に関わる人間が抱える葛藤ですね。

個人的には2位の中では岩永さんの句が良いと思いますが、夏井先生がどう判断されるか

北山さんと篠田さんは発想が被りましたね。具体的な曲名を出すというのはピアニストの俳人のあるあるなのかもしれません。

北山さんは一度使って好評価を受けた表現をそのまま使い回す傾向がありますね。作品によってその表現が適切かどうかを見極めてほしいです。
あと「嗚呼」に食いつきすぎでしたねw

来週は安定の村上名人と中田名人に対して、作品の質の触れ幅が大きい千賀さんとミッツさんがどのような結果になるかが楽しみです。

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