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【林修初挑戦】20200924 プレバト!!俳句紹介【名人査定】

2020年9月24日放送 プレバト!! 3時間スペシャル・一発名人査定
●現代文のカリスマ講師・林修(はやしおさむ)先生が俳句査定に挑戦!
俳句最強の挑戦者・名人認定査定で出演者が詠んだ俳句を紹介します。
◎は夏井先生講評の要約です。
東大王チームとの秋の他流試合はこちら。

挑戦者→林修[初] ※数字は挑戦回数
見届け人→梅沢永世名人、千原ジュニア名人、鈴木光、キスマイ北山
[名人認定ルール]
3句とも才能アリ獲得が最低条件
最終的に先生が階級を言い渡す

●お題:黒板・白米・鎌倉と月(3つの兼題で各俳句を詠む)

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ林修
望月や無駄一つなき我が板書もちづきやむだひとつなきわがばんしょ
2才能アリ林修
おつかいの坂や新米二十キロおつかいのさかやしんまいにじゅっきろ
3才能アリ林修
月煌々実朝のやぐらをぐらしつきこうこうさねとものやぐらをぐらし


※MC2人は中央、左手に見届け人がMCに近い方から梅沢永世名人、ジュニア名人、鈴木光、キスマイ北山が着席。林修氏はさらに左手から単独で登場し、ランキングシートに用意された椅子に着席する。



❖第1問(黒板)
黒板の兼題
※言わずと知れた林先生の商売道具。


◆1 才能アリ 林修
望月や 無駄一つなき 我が板書
5音の季語+「や」+12音のフレーズという基本の形。セオリー通りで手堅くできたのは勉強の成果。「無駄一つなき」は初めて見た。ストレートに自信を持って書くのは凄く、さすがは林先生。ただ、少々説明しすぎ。自慢の方が強く出てしまい、肝心の季語の比重が低くなるのが俳句としては損。「一つ」を削ると言葉の質量が変わる。季語の描写で「明し」を捨て石の効果で入れれば、自慢を半分に出来る。このレベルが出来れば上等。

【本人談】
普段から黒板は商売道具の一つ。我ながらこんな上手く書けるものかという思いを欠けることのない満月を見ながら詠んだ。

浜田 光ちゃん、えらい口を押えて笑うてるけど、どうなの?
鈴木 林先生にしか詠めない俳句だと思うんですけど、「我が」に先生としての自信・自負といったものを感じ取りましたね。。
浜田 なるほどね~。ちょっとイラっとさせるってこと?
鈴木 そんなことはないですよ(笑)。
ジュニア名人 人ってでんねんな。中七見て下さい。全部自慢ですよ。自慢で7文字過去なかったじゃないですか(笑)。

■査定結果
才能アリ!

夏井先生 
基本の形にしっかりと入れていこうと。手堅くとっていくぞ感が溢れている。
季語+「や」の強調の上五に、12音のフレーズを取り合わせる。
セオリー通り手堅くやっているのは、さすが勉強の成果。
皆さんがこだわっていた中七「無駄一つなき」は私も初めて見た。
ここまでストレートに自信を持って書くのは凄い。私も中学校で教えていたが、こんなこと言えたこと一度もない(笑)。さすがは林先生、凄いですよ!
俳句的に言うと中七少々自慢しすぎで、説明しすぎている
どこか言葉を落とさないと、中七の自慢の方が強く出てしまい、肝心の満月季語「望月」の比重が低くなるのが俳句として損。「一つ」か「我が」の二択だが、「我が」は落としたくないはず。
本人 いやいや…。
夏井先生 
「一つ」を削ると言葉の質量が変わる。3音を季語の描写に使う。
明るい満月だと分かっているのでダメ押しで捨て石の効果の言葉を入れる
何で今日の満月は明るいかと。「明し」と入れて、自慢を半分に。
ただ、このレベルが出来ていれば上等だと思う。

本人 ありがとうございます。
浜田 一発で才能アリですから~。
本人 本当に反省してます。自慢する気もなく素直に詠んだら全面自慢って言われる
一同 (笑)
梅沢永世名人 腹が立つでしょ。この野郎、本当に偉そうにしやがってって思いますもん。

添削後
望月 無駄なき 我が板書




❖第2問(白米)
白米の兼題
※発想力が試されるお題。

夏井先生 
これはね、特待生とか名人にはお馴染みかもしれませんが、情報が少ないお題ということになりますね。
北山 お米の横に何があるか、発想を飛ばしやすいというのは、俺でもできるんで(笑)。林さんはもう絶対できてると思いますよ。

◆2 才能アリ 林修
おつかいの 坂や新米 二十キロ
中七に「や」を入れる句またがり。「おつかい」で子のイメージを否応なく出すのを狙った。ごちゃごちゃ説明したくなるが、「坂や」と強調。帰りの坂を何か持って歩いているに違いないと伝わり、前半の展開が非常にシンプル。後半は季語と数詞だけで映像を表現した。子の印象が既にあるため、子が20kgの新米を本当に持てるか?と思う瞬間に、米を積んだ自転車を押しながら坂を上がるかもしれないと思った。句またがりを用いたのは素晴らしい。

【本人談】
人生で3回(体重が)100kgを超えたことがある。今もドンドン太っているが、(かつて)家中の米を勝手に食べてしまうのを母親が怒り、「食べた分は買ってこい」と言われた。新米になると食べ方が激しく「20kg買ってこい」と。ところが、自転車に20kgも積むと本当にハンドルを取られて危ない。

梅沢永世名人 来ましたよ。私の心配してたことがズバリ! 何で「自転車」入れなかったんですか、先生? 20kgの小さい子が背負って坂道歩いたと読めちゃう。
本人 なるほど。
梅沢永世名人 そんな20kg担げる子がいるなら今ここに連れて来いと。
浜田 永世名人が力説してる横でジュニアが「このおっさん、何を言うてんねん」と(笑)。
ジュニア名人 「自転車」じゃなくてもいいんじゃないですか。「おつかいの」と平仮名にしているところが、年齢設定を絞ってきてはるなとか。
梅沢永世名人 名人になるんだよ。これ全部良かったら。あんたら落とされるんだよ。
ジュニア名人 俺は落とされへん。
梅沢永世名人 芸能界の鉄則でしょ、伸びる芽は摘んどけって!
浜田 根性悪すぎるわ!
鈴木 「おつかい」って言葉が逆に私は上手だと思ってて、後ろにいるお母さんとか色々な情報が想像できるんですね。そこに「二十キロ」というある程度具体的な情報との取り合わせが良いんじゃないかなと。

■査定結果
才能アリ!

夏井先生 
語った中では、光ちゃんの解説が一番的確。
「おつかい」で子どものイメージは否応なく出るのを狙ってきている。
普通なら「おつかいに行く」などごちゃごちゃ説明したくなるところを「坂や」で強調する。
これだけで、帰りの坂を何か持って歩いているに違いないと読める。
句またがりによる前半の展開が非常にシンプルだが、しっかりと伝わっている。
さらに、後半は「新米」の季語と数詞だけで映像を表現ている。
子どもの印象が既にあるため、子が20kgの新米を本当に持てるのか? と思った瞬間に、ひょっとしたら自転車に積んで押して上がっているのかもしれないと思った。直しはいらない。
しかも句またがり。「プレバト!!」の連中は、最初句またがりも最初意味が分からなかった。575にしてくれと文句を私に散々言った。

ジュニア名人 (句またがりは)今もあんま分かってないです。
本人 驚いたのは、光ちゃんは解説能力も図抜けてますね。
鈴木 全然、そんなことはないです。
本人 感情に絡んでいい加減なことを言う右の方(御大)と全然違いますね(笑)。

添削なし


浜田 これ皆さん、もうあと1つですよ。
ジュニア名人 凄いな~、やっぱり。

❖第3問(鎌倉と月)
鎌倉と月の兼題
※雪月花といわれる三大季語の月。有名地の鎌倉。どうしても発想が似通うお題。


◆3 才能アリ 林修
月煌々 実朝のやぐら をぐらし
「月と鎌倉」の題材その物がベタで、難しい兼題。「実朝」と人物を出すのは上手い。定型のリズムを少し崩して、自分の感慨を出そうとする意図がある。対比がきちんと表現され、「煌々」の明るさ、「をぐらし」の暗さの対比が明確。「月」「実朝」が大きなものとして一句に共存され、バランスのとり方も大変上手い。名人でない理由は季語への配慮。実朝への想いが強すぎる語順で、明から暗へ移り、寂寥感の感情がたまる余韻を生み出す。自分の心に比重があり、「をぐらし」が一番心にかなって出来上がったと感じた。俳句は季語を立てるべきで、「月煌々」を最後に置くのが良い。一旦暗い光景の後、見上げて「ああ月が出ているぞ。この月は実朝も見ていたに違いない」とすれば、季語に比重がかかってくる。

※「やぐら」は鎌倉市周辺の山や崖に点在する横穴式のお墓。「をぐらし(小暗し)」は薄暗いこと。

ジュニア名人 やってきたな~。

【本人談】
「鎌倉」というと、源実朝を連想する方が多いと思う(※)。家系図が実朝で途絶える源氏だが、三代将軍実朝の墓が寿福寺・鎌倉五山の第三位のお寺にある。横には北条政子の墓もあるが、これが本当にひそやかで源氏の栄華がこんな形でしか残ってないという想いを何とか詠めないかなと思った。

※1 
本人 アレ?
→誰も共感できず、微動だにしない
浜田 ジュニアさん。
→顔だけ上下に振る生返事
浜田 こういうとこやな、北山?
北山 俺、あっち見てました(笑)。

梅沢永世名人 憎たらしいですね。五七五ではないんですよ。こういう風に詠んでくる。初めて登場したんです。だから東大は嫌いなんです(笑)。
鈴木 破調を使いながらもバランス感が崩れないのは「やぐら」「をぐら」で韻を踏んでるから、断絶した感じがしないんだろうなと思いながら見てました。
本人 そこまで読まれちゃうんですか? すごいですね!
浜田 北山も言うたれ!
北山 光ちゃんの後には無理でしょ、何も(笑)。
ジュニア名人 諦めんな。

■査定結果
才能アリ!(3句連続)

浜田 素晴らしい、おめでとうございます。
ジュニア名人 マジで?ホンマに凄いんや。

夏井先生 
なかなか難しい。「月と鎌倉」の題材その物がベタ。俳句でベタほど難しいものはない
「富士山と桜」とかは特待生・名人も嫌なはず。
その辺、「実朝」と人物を出してくるあたりは上手い
普通なら五七五とくるリズムを少しずらして六八四とし、自分の感慨を出そうとする意図だと思う。
対比がきちんとできてる。「煌々」の明るさ、「をぐらし」の暗さの対比
「月」「実朝」が一つの大きなものとして一句の中に共存している。ここら辺のバランスのとり方もとても上手い。

梅沢永世名人 いやいやもう、ジュニア(2段)の上、いってますよ。
本人 (手を振って否定し)そんなことない。
北山 あの、北山(4級)越えは確実にしてますんで(笑)。おめでとうございます。
梅沢永世名人 こりゃ間違いないんじゃないですか? 名人の8段くらいはいくんじゃないの?
本人 いやいや…。
梅沢永世名人 まあ永世名人まではね、まだ7年早いですよ(笑)。
玉巻アナ 最後に、夏井先生が査定した林先生の実力は名人・特待生のどこに位置するのか、発表したいと思います。

■最終査定
特待生1級に認定!

※あと一歩名人に届かず!

理由:勉強は物凄くしており知識も深く、一番驚いたのが3句とも違う型をぶつけてくる(※)。勿体ないのが、句に対する本人の想いが強く出てしまった。
特待生2級より上同じ型しか使わない2級のパックンを超えている
名人初段より下季語を立てる工夫が欲しい!


浜田 うわっ!
本人 たまたまです。
夏井先生 パックンなんかずっと1つの型しか使ってない(笑)。だから1級になれないわけです。
浜田 なるほどね。

<3句目の添削>
勿体ないと少し思う。
実朝に相当な思い入れがあるのが分かるが、この語順は実朝への想いが強すぎる
明るい所から暗い所に行き、寂寥(せきりょう)感の感情がたまる余韻を生み出す。
自分の心の方に比重があり、「をぐらし」が一番心にかなって出来上がったと思った。
俳句は季語を主役にすべきで、普通は「月煌々」をもう少し立ててほしい。語順を変えて、「月煌々」を最後に。
中七で一旦暗い光景の後、見上げて「ああ月が出ているぞ。この月は実朝も見ていたに違いない」と季語に比重がかかってくる。

添削後
実朝の やぐらをぐらし 月煌々


林 あれだけの短い言葉を並べただけなのに、全部読まれてしまうのは凄い世界だなと。ただ、色んな世界でポンといきなり上に行って色んな所に敵を作っているので、いきなり名人にならなくて良かったという想いも。
一同 (笑)
浜田 腹立つぞ~、おい。



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