20200813 プレバト!!俳句紹介【本棚】
- 2020/08/13
- 20:25
2020年8月13日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
■特待生昇格試験スペシャル(水彩画一斉見直し査定後)
◎は夏井先生講評の要約です。
挑戦者→森口瑤子[8],藤本敏史[59],梅沢富美男[105] ※数字は挑戦回数
●お題:本棚

※番号クリックでリンク内移動します。
→編集後記
※発表待ちシートにはMC側から梅沢永世名人、藤本名人、森口瑤子が距離をとって座り、アクリル板で仕切られている。
★特待生昇格試験★
◆『謎解きの 頁に蜘蛛は 果ててゐる』 森口瑤子
◎とても良かった。頭の表現で推理小説だと伝わる言葉の経済効率が上手い。場所の助詞「に」からクローズアップされる映像になる。助詞「は」の強調によって蜘蛛が「逃げたのか?」などどんな状況かを読み手が興味を持ち始める。下五の淡々とした描写が良い。やはりセンスがある。
【本人談】
よく本棚の整理をする。古いミステリー小説をパラパラと開くと、細い蜘蛛が押し花のようにペッタリとくっついていた。「おっと」と思い、そのまま本を閉じてしまった。
梅沢永世名人 素晴らしい! これはいったでしょう。
本人 ほんとに? ふふっ。
梅沢永世名人 中七がたまらないね~。
本人 私、梅沢さんに初めて褒めていただきました。
梅沢永世名人 いやいやいや、驚きました。
本人 嬉しい。
★評価ポイント
助詞「に」を選んだ是非
梅沢永世名人 これですよ!
藤本名人 出た。「是非」。
■査定結果
3級へ1ランク昇格
理由:(未発表)
夏井先生
これはとても良かった。
頭の表現「謎解きの頁(ぺーじ)」で読むのが推理小説に違いないと分かり、ここら辺の言葉の経済効率が非常に上手いのが一点。
問題の助詞「に」は、場所を示すため、クローズアップされる映像になる。ページに蜘蛛がくる。
助詞「は」の強調によって「(蜘蛛が)逃げたのか?」など、どんな状況にあるか読み手が興味を持ち始める。
下五「果ててゐる」の淡々とした描写が良い。
これはとても良かった。やはり何かセンスがある。
直しはいらない。
添削なし
★永世名人への道★
浜田 あなたどうでしたか。(炎帝戦に)優勝した反響みたいなのありましたか?
→恐らく炎帝戦放送前の収録だけに、結構な無理難題を聞く浜田
藤本名人 あ~、そうですね~。やっぱり~、凄く温かい空気で祝福してくれたんで、ああ~、あと分かったのがね、人間逆境に立たされると良い俳句が詠めるんですね。
一同 (笑)
藤本名人 それはありますよね。
梅沢永世名人 お芝居もそうですから。地獄を見ると良いことがあるんですよ。
藤本名人 地獄でもないですけど…(笑)。やめて下さい、それは言い過ぎですわ。
◆『扇風機 首振りゆっくり トーベヤンソン』 藤本敏史(FUJIWARA)
◎「扇風機」とあれば「首振り」「ゆっくり」は普通は無駄。しかし、「ゆっくり」は色んな所にイメージを及ぼす。中七「首振り」で一回切り、2カットの描写と読むのが良い。扇風機は首を振り、ゆっくりとトーベヤンソンを読み始める。ムーミン谷の物語、時間がゆっくりと動き出す。わざと字余りにしたと思うが、偶然のケースもある。意図を持っていたなら最初に言うべき。私を試すのは10年早い。
【本人談】
小学生の夏休みの時に、読書感想文の宿題が出る。「トーベヤンソン」は『ムーミン』の作者。ムーミンの小説を本棚から見つけ、面白そうだと思い扇風機の風に当たりながらムーミンの本を読んだ。「ゆっくり」は、ムーミン谷の時間もゆっくり流れているのと、扇風機の首振りのゆっくり動く様子と掛けてみた。
梅沢永世名人 これはね、先生に怒られますよ。この字余りが良くない。10年早い(笑)。
本人 字余り…。
梅沢永世名人 だから字余りで…。
浜田 (遮って)せんせーい。
★評価ポイント
「首振りゆっくり」の字余りの是非
梅沢永世名人 ほら。ざまぁみろ!
一同 (笑)
本人 査定してないでしょ、まだ~。
■査定結果
名人10段★1へ1つ前進
理由:意図のある無駄遣い!
本人 嬉しい~!(梅沢名人に)違いますやん、言うてたことと~。
(査定評後)
本人 そうなんですよ。意図のある無駄遣いなんですよ。
夏井先生
「扇風機」とあれば普通「首振り」と書く必要はない。ボタンを押せば「ゆっくり」も出来るだろうとか。
ここら辺は、普通に考えれば無駄でしかない。
しかし、「ゆっくり」は案外色んな所にイメージを及ぼす。
「扇風機首振り/ゆっくりトーベヤンソン」と、中七で軽く一回切って読んだ方がこの句にとって幸せ。
扇風機は首をゆっくりと振っている。そして、ゆっくりとトーベヤンソンを読み始める。ムーミン谷の物語、時間がゆっくりと動き出す。
これは意図を持ってわざとやっている展開ではないか。偶然できてしまうケースもある。
浜田 そのへんちょっと聞きたいんですけど、どうなんですか?
本人 (目を閉じてゆっくりと)意図を持ってやってます(笑)。
夏井先生 本人がホントにきっぱり意図を持っているなら、「『首振り』でしっかり切って読んでください」って言って欲しいと思った。
梅沢永世名人 そうだよ!
本人 (切れの件を言わなかったのは)それは夏井先生だから分かってんやろなと思って、敢えて夏井先生を試す感じで(笑)。さすが夏井先生。
夏井先生 私を試すのは10年早い!
一同 (笑)
梅沢永世名人 10年早い。
添削なし
★永世名人 富美男のお手本★
※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」
浜田 ちょっと先はありますけど…。
梅沢永世名人 こないだ自由が丘の街を歩いてましたらね、おばあさんが向こうから来ましてね、「私はもう歳ですから先がないので、早く本を出してくれ。それを読んで死んでいきたい」。
藤本名人 ホンマですか?
梅沢永世名人 私のファンはね、そういうファンが多いんです。
浜田 ねえ、ほら。早く本にして早く番組から出て行って…。
一同 (笑)
梅沢永世名人 番組…また別なこと考えてくれてもいいじゃありませんか、本が出たら(笑)。
[永世名人のお手本披露]
◆『読み終へて 痣の醒めゆくごと 朝焼』 梅沢富美男
◎とても良かった。上五で時間経過をささやかに表現できた。その途端に痣が出てくる。「静かに本を読んでるのになぜ痣?」と読み手が辿るが、痣が朝焼の比喩だと分かった瞬間のハッとする驚きがある。比喩に留まらず、読み終わった後の心の思いや心情も「痣」と響く感じもする。これは非常に瑞々しい感覚。初めて純粋に期待を抱いた。タイトル戦ならダントツの優勝で、藤本さんの獲得賞金を半分分けるべき。
【本人談】
意外と本なんか読むと、一晩中読んでしまう。ふっと見たときに夜が明けている。「あっ、朝焼けだ」と思った時に痣(あざ)を思い出した。痣がパンと赤くなり、次は紫になり黄色に変化する。これが朝焼けのようだと。
本人 (笑いながら)これは凄いですよ!
浜田 あははっ、何笑てんねん。
藤本名人 うわっ、どうなんやろ。
■査定結果
永世名人21句目に掲載決定
理由:やっと新境地を切り開いたかも!
藤本名人 良いですね。
本人 きた!
(査定評の後)
本人 おばあちゃん見ててよ! あんたが生きてるうちに本出しますよ!
一同 (笑)
夏井先生
これはとても良かった。
「読み終へて」で時間経過がささやかに表現できた。
その途端に「痣」が出てくる。「静かに本を読んでるのになんで痣?」と思ってずっと辿っていく。これが肉体の痣ではなく、朝焼の比喩と分かった瞬間のハッとする驚きがある。
さらに、この痣が比喩だけでなく、読み終わった後の心の思いや心情も「痣」と響くような感じもする。これも非常に瑞々しい感覚。
初めて純粋に期待を抱いた。
本人 これはなっちゃん、タイトル戦だったら優勝ですか?
夏井先生 ダントツの優勝です。藤本さんのあの(獲得)賞金を半分やってほしいくらい。
藤本名人 いや、絶対嫌ですよ。何で半分あげなアカンのですか。
添削なし
→句集完成まであと29句
※次回の兼題は「カレーライス」です。
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
■特待生昇格試験スペシャル(水彩画一斉見直し査定後)
◎は夏井先生講評の要約です。
挑戦者→森口瑤子[8],藤本敏史[59],梅沢富美男[105] ※数字は挑戦回数
●お題:本棚

※番号クリックでリンク内移動します。
1 | 3級へ1ランク昇格 | ●森口瑤子 | 謎解きの頁に蜘蛛は果ててゐる | なぞときのぺーじにくもははてている |
2 | 名人10段★1へ1つ前進 | ★藤本敏史 (FUJIWARA) | 扇風機首振りゆっくりトーベヤンソン | せんぷうきくびふりゆっくりとーべやんそん |
3 | 永世名人21句目に掲載決定![]() | ★梅沢富美男 | 読み終へて痣の醒めゆくごと朝焼 | よみおえてあざのさめゆくごとあさやけ |
※発表待ちシートにはMC側から梅沢永世名人、藤本名人、森口瑤子が距離をとって座り、アクリル板で仕切られている。
★特待生昇格試験★
◆『謎解きの 頁に蜘蛛は 果ててゐる』 森口瑤子
◎とても良かった。頭の表現で推理小説だと伝わる言葉の経済効率が上手い。場所の助詞「に」からクローズアップされる映像になる。助詞「は」の強調によって蜘蛛が「逃げたのか?」などどんな状況かを読み手が興味を持ち始める。下五の淡々とした描写が良い。やはりセンスがある。
【本人談】
よく本棚の整理をする。古いミステリー小説をパラパラと開くと、細い蜘蛛が押し花のようにペッタリとくっついていた。「おっと」と思い、そのまま本を閉じてしまった。
梅沢永世名人 素晴らしい! これはいったでしょう。
本人 ほんとに? ふふっ。
梅沢永世名人 中七がたまらないね~。
本人 私、梅沢さんに初めて褒めていただきました。
梅沢永世名人 いやいやいや、驚きました。
本人 嬉しい。
★評価ポイント
助詞「に」を選んだ是非
梅沢永世名人 これですよ!
藤本名人 出た。「是非」。
■査定結果
3級へ1ランク昇格
理由:(未発表)
夏井先生
これはとても良かった。
頭の表現「謎解きの頁(ぺーじ)」で読むのが推理小説に違いないと分かり、ここら辺の言葉の経済効率が非常に上手いのが一点。
問題の助詞「に」は、場所を示すため、クローズアップされる映像になる。ページに蜘蛛がくる。
助詞「は」の強調によって「(蜘蛛が)逃げたのか?」など、どんな状況にあるか読み手が興味を持ち始める。
下五「果ててゐる」の淡々とした描写が良い。
これはとても良かった。やはり何かセンスがある。
直しはいらない。
添削なし
★永世名人への道★
浜田 あなたどうでしたか。(炎帝戦に)優勝した反響みたいなのありましたか?
→恐らく炎帝戦放送前の収録だけに、結構な無理難題を聞く浜田
藤本名人 あ~、そうですね~。やっぱり~、凄く温かい空気で祝福してくれたんで、ああ~、あと分かったのがね、人間逆境に立たされると良い俳句が詠めるんですね。
一同 (笑)
藤本名人 それはありますよね。
梅沢永世名人 お芝居もそうですから。地獄を見ると良いことがあるんですよ。
藤本名人 地獄でもないですけど…(笑)。やめて下さい、それは言い過ぎですわ。
◆『扇風機 首振りゆっくり トーベヤンソン』 藤本敏史(FUJIWARA)
◎「扇風機」とあれば「首振り」「ゆっくり」は普通は無駄。しかし、「ゆっくり」は色んな所にイメージを及ぼす。中七「首振り」で一回切り、2カットの描写と読むのが良い。扇風機は首を振り、ゆっくりとトーベヤンソンを読み始める。ムーミン谷の物語、時間がゆっくりと動き出す。わざと字余りにしたと思うが、偶然のケースもある。意図を持っていたなら最初に言うべき。私を試すのは10年早い。
【本人談】
小学生の夏休みの時に、読書感想文の宿題が出る。「トーベヤンソン」は『ムーミン』の作者。ムーミンの小説を本棚から見つけ、面白そうだと思い扇風機の風に当たりながらムーミンの本を読んだ。「ゆっくり」は、ムーミン谷の時間もゆっくり流れているのと、扇風機の首振りのゆっくり動く様子と掛けてみた。
梅沢永世名人 これはね、先生に怒られますよ。この字余りが良くない。10年早い(笑)。
本人 字余り…。
梅沢永世名人 だから字余りで…。
浜田 (遮って)せんせーい。
★評価ポイント
「首振りゆっくり」の字余りの是非
梅沢永世名人 ほら。ざまぁみろ!
一同 (笑)
本人 査定してないでしょ、まだ~。
■査定結果
名人10段★1へ1つ前進
理由:意図のある無駄遣い!
本人 嬉しい~!(梅沢名人に)違いますやん、言うてたことと~。
(査定評後)
本人 そうなんですよ。意図のある無駄遣いなんですよ。
夏井先生
「扇風機」とあれば普通「首振り」と書く必要はない。ボタンを押せば「ゆっくり」も出来るだろうとか。
ここら辺は、普通に考えれば無駄でしかない。
しかし、「ゆっくり」は案外色んな所にイメージを及ぼす。
「扇風機首振り/ゆっくりトーベヤンソン」と、中七で軽く一回切って読んだ方がこの句にとって幸せ。
扇風機は首をゆっくりと振っている。そして、ゆっくりとトーベヤンソンを読み始める。ムーミン谷の物語、時間がゆっくりと動き出す。
これは意図を持ってわざとやっている展開ではないか。偶然できてしまうケースもある。
浜田 そのへんちょっと聞きたいんですけど、どうなんですか?
本人 (目を閉じてゆっくりと)意図を持ってやってます(笑)。
夏井先生 本人がホントにきっぱり意図を持っているなら、「『首振り』でしっかり切って読んでください」って言って欲しいと思った。
梅沢永世名人 そうだよ!
本人 (切れの件を言わなかったのは)それは夏井先生だから分かってんやろなと思って、敢えて夏井先生を試す感じで(笑)。さすが夏井先生。
夏井先生 私を試すのは10年早い!
一同 (笑)
梅沢永世名人 10年早い。
添削なし
★永世名人 富美男のお手本★
※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」
浜田 ちょっと先はありますけど…。
梅沢永世名人 こないだ自由が丘の街を歩いてましたらね、おばあさんが向こうから来ましてね、「私はもう歳ですから先がないので、早く本を出してくれ。それを読んで死んでいきたい」。
藤本名人 ホンマですか?
梅沢永世名人 私のファンはね、そういうファンが多いんです。
浜田 ねえ、ほら。早く本にして早く番組から出て行って…。
一同 (笑)
梅沢永世名人 番組…また別なこと考えてくれてもいいじゃありませんか、本が出たら(笑)。
[永世名人のお手本披露]
◆『読み終へて 痣の醒めゆくごと 朝焼』 梅沢富美男
◎とても良かった。上五で時間経過をささやかに表現できた。その途端に痣が出てくる。「静かに本を読んでるのになぜ痣?」と読み手が辿るが、痣が朝焼の比喩だと分かった瞬間のハッとする驚きがある。比喩に留まらず、読み終わった後の心の思いや心情も「痣」と響く感じもする。これは非常に瑞々しい感覚。初めて純粋に期待を抱いた。タイトル戦ならダントツの優勝で、藤本さんの獲得賞金を半分分けるべき。
【本人談】
意外と本なんか読むと、一晩中読んでしまう。ふっと見たときに夜が明けている。「あっ、朝焼けだ」と思った時に痣(あざ)を思い出した。痣がパンと赤くなり、次は紫になり黄色に変化する。これが朝焼けのようだと。
本人 (笑いながら)これは凄いですよ!
浜田 あははっ、何笑てんねん。
藤本名人 うわっ、どうなんやろ。
■査定結果
永世名人21句目に掲載決定

理由:やっと新境地を切り開いたかも!
藤本名人 良いですね。
本人 きた!
(査定評の後)
本人 おばあちゃん見ててよ! あんたが生きてるうちに本出しますよ!
一同 (笑)
夏井先生
これはとても良かった。
「読み終へて」で時間経過がささやかに表現できた。
その途端に「痣」が出てくる。「静かに本を読んでるのになんで痣?」と思ってずっと辿っていく。これが肉体の痣ではなく、朝焼の比喩と分かった瞬間のハッとする驚きがある。
さらに、この痣が比喩だけでなく、読み終わった後の心の思いや心情も「痣」と響くような感じもする。これも非常に瑞々しい感覚。
初めて純粋に期待を抱いた。
本人 これはなっちゃん、タイトル戦だったら優勝ですか?
夏井先生 ダントツの優勝です。藤本さんのあの(獲得)賞金を半分やってほしいくらい。
藤本名人 いや、絶対嫌ですよ。何で半分あげなアカンのですか。
添削なし
→句集完成まであと29句
※次回の兼題は「カレーライス」です。

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