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【炎帝戦決勝】20200806 プレバト!!俳句紹介【ポイントカード】

2020年8月6日放送 プレバト!! 俳句炎帝戦決勝戦結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
夏の季節に行われる第4回炎帝戦・決勝戦で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。

◎は夏井先生講評の要約です。
→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細 →編集後記

予選A・Bブロック記事
予選C・Dブロック記事
※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。

挑戦者:東国原英夫[59],藤本敏史(FUJIWARA)[58],中田喜子[40],岩永徹也[20],千原ジュニア[50],村上健志(フルーツポンチ)[48],千賀健永(Kis-My-Ft2)[39],三遊亭円楽[18],立川志らく[36],梅沢富美男[104] ※[数字]は挑戦回数
見届け人:なし

◆決勝参加者(10名)の段位一覧
決勝進出予選免除
永世名人
梅沢
名人10段村上東国原
藤本
名人4段中田
名人3段志らく
名人2段千賀
名人初段ジュニア
1級円楽
2級岩永

◆放送予定まとめ
炎 帝 戦放送日兼 題
予選A・Bブロック7/23封 筒
予選C・Dブロック7/30アイスクリーム売り場
決勝戦8/6ポイントカード


●お題:ポイントカード
ポイントカードの兼題
4位までが次回シード権獲得

※順位クリックでリンク内移動します。

1位藤本敏史(FUJIWARA)名人10段ラジオ体操おおおなもみのある空地らじおたいそうおおおなもみのあるあきち
2位立川志らく名人3段炎天のミミズ診察券のシミえんてんのみみずしんさつけんのしみ
3位三遊亭円楽1級サングラス外して探すカードかなさんぐらすはずしてさがすかーどかな
4位梅沢富美男永世名人行合の空の御朱印めぐりかなゆきあいのそらのごしゅいんめぐりかな
5位村上健志(フルーツポンチ)名人10段★2蛾の骸ポイントカードで掬いけりがのむくろぽいんとかーどですくいけり
6位東国原英夫名人10段★3ポイントでもらひし蛍なほいきるぽいんとでもらいしほたるなおいきる
7位千原ジュニア名人初段消しゴムに彫刻刀の彫る花火けしごむにちょうこくとうのほるはなび
8位中田喜子名人4段早桃の香支援の客の食事券さもものかしえんのきゃくのしょくじけん
9位岩永徹也2級花は葉に彼女は妻にそして母にはなははにかのじょはつまにそしてははに
最下位千賀健永(Kis-My-Ft2)名人2段ラジオ体操歯抜けの判や夏深しらじおたいそうはぬけのはんやなつふかし
順位発表順:5位→6位→7位→3位→2位→9位→最下位→4位→8位→1位

★発表待ちシートに10名が3段に分かれて着席。最も高い段に、梅沢・東・村上。2段目に志らく・千賀・ジュニア・円楽。最前列に藤本・中田・岩永。それぞれL字型のアクリル板で仕切られている。また、ランキングシートは10名席に1名ずつ着席し、それぞれアクリル板で仕切られている。


[トーク集](各クリックを)




◆それでは順位別にみていきます

1位◆『ラジオ体操 おおおなもみの ある空地 藤本敏史(FUJIWARA)
一見、どうってことない句だが、中七が曲者。「おなもみ」は歳時記にあるが、「おおおなもみ」は載ってないことが多い。「おなもみ」は大昔に日本に侵入した史前帰化植物だが、絶滅危惧種。「おおおなもみ」は幅を利かせていて、侵略的外来種のワースト100に入るほど。悪ガキがラジオ体操して、「おおおなもみ」を面白がって引っ付けてバラまいて「おなもみ」を絶滅させようとしていたかもしれないという経緯がこの句に含まれる。「ある空地」は、自身の過去の行為を振り返るかのような突き放した感じがある。結果論で、時代性や空気感が結構良いものになったのが、最終的な結論。

【本人談】
千賀君と一緒で、小学生の頃は夏休みにラジオ体操に行った(※1)。(参加した)判子を押してもらえ、たまると景品か何かがもらえるが、自分の場合のラジオ体操は近所の空地だったが、おおおなもみ(=俗に言う「ひっつき虫」)があった。ラジオ体操が終わった後、それを皆で投げ合いして引っ付けて遊んだ思い出を詠んだ。

※1
浜田 (1位と最下位で)両極端やな~。
→千賀も「ラジオ体操」の句を詠んだ

梅沢永世名人 私はジジイだから、「おなもみ」って言ってた記憶があるんです。これ、「おおおなもみ」っていう風に変わったんですかね~。
本人 あの、2種類あると思います。「おなもみ」と…。
東国原名人 「おなもみ」と「おおおなもみ」。
梅沢永世名人 あ、そうなんですか。ごめんなさいね。じじいで
藤本名人 いや、じじい関係ないです。
一同 (笑)

夏井先生 
一見、どうってことない句に見えるのが正直な所。実は、中七が曲者
「おなもみ」は歳時記に夏の季語として載っているが、「おおおなもみ」は載っている歳時記は少ない。どう違うか。
「おなもみ」は稲や麦と同じように、大昔に大陸から日本に侵入した史前帰化植物(古い帰化植物)だが、高齢の人が知っている「おなもみ」は今や絶滅危惧種
逆に「おおおなもみ」は幅を利かせていて、侵略的外来種のワースト100に入るほど。
悪ガキがラジオ体操して、「おおおなもみ」を面白がって引っ付けてバラまいて「おなもみ」を絶滅させていたかもしれない。そういう経緯がこの植物の中に含まれる。
しかも「ある空地」で、かつて自分は「おおおなもみ」を投げつけて遊んだのを振り返るかのような突き放した感じが出てくる
本人は偶然だったとは思うが、結果論で、植物の時代性や「ある」の空気感が結構良いものになっていたというのが、最終的な結論。直しようがない。

本人 嬉しい~。

添削なし


2位◆『炎天のミミズ 診察券のシミ 立川志らく
句またがりの対句表現の型。「炎天」「ミミズ」はどちらも夏の季語を重ねた。一般に、季語となる生き物は片仮名で表記しないが、意図的だと伝わる。干乾びて死にかけているに違いないミミズ。そこに無関係のものを取り合わせ、通院している患者の診察券のシミを持ってきた。生と死は大袈裟に表現しがちだが、この句の取り合わせはさりげない。「ミミズ」「シミ」の韻も考えた。よく勉強している句。

※8音と9音、全体で17音という大胆な破調の句で勝負し、見事成功した。

【本人談】
生と死の比較。診察券にシミが付いても、患者は一生懸命に生きている。一方、炎天の中でミミズは干乾びているという2つの対比を考えた。

夏井先生 
句またがりの対句表現の型。
「炎天」「ミミズ」はどちらも夏の季語を重ねた。一般に、季語となる生き物は片仮名で表記しないが、意図的だと伝わる。ミミズは、干乾びて死にかけているに違いないとなる。
そこに無関係のものを取り合わせ、「診察券のシミ」と持ってきた。ずっと通院しているであろう患者。
生と死は大袈裟に表現しがちだが、この句は非常にさりげなく取り合わせた
「ミミズ」「シミ」の韻も考えている
よく勉強している句で、作者が分かったら嬉しい。直しは全くいらない。

本人 いや~、もうホントに勉強はしたんです。「グッとラック!」の司会の手を抜いて、こちらに力を入れて…(笑)。

添削なし


3位◆『サングラス 外して探す カードかな 三遊亭円楽
難解な言葉を使わず、あっさりと現場を見事に的確に書いているタイプの句。季語「サングラス」は本来、外が眩しいからかける物だが、「外して」と展開し季語の本質を逆から表現した。何を「探す」かと思うと、最後に「カード」が出てくる。○○カードと名詞止めの手もあるが、「かな」の詠嘆が飄々とした感じで効いており、これはこれで良い。

【本人談】
平凡に思うはず。日常のワンシーンを切り取った実体験。老眼で明るいところでないと何も見えない。レジで(サングラスを外してカードを探すのに時間がかかるため)店員に「ちょっと待って」と言ってしまう日常を素直に詠み、ごく平凡に見える句を作った。

夏井先生 
難解な言葉を使わず、非常にあっさりと現場を見事に的確に書いているタイプの句。
季語「サングラス」は本来、外が眩しいからかける物だが、敢えて「外して」と展開し、季語の本質を逆から表現した
「外して」の後、何を「探す」かと思うと、最後に「カード」があったと出てくる。
“○○カード”と名詞止めの手もあるが、「かな」の詠嘆が飄々とした感じで効いており、これはこれで良い。直さない方が良い。

本人 偉くなったね、オレ。いや~、素晴らしい。

添削なし


4位◆『行合の空の 御朱印めぐりかな 梅沢富美男
「行合の空」をどう評価するかが大きなポイント。後半は言葉がキッチリ入っている。歳時記には載ってないが、敢えてやろうとするチャレンジ精神には敬意を表したい。1位になる可能性がある句ではなく、大体この辺りの順位で終わる。本人がわめこうが、泣いても何でも事実は事実。残念でした。直しは不要だが、直しても直さなくても順位は変わらない。
行合(ゆきあい)の空
夏から秋に移る頃の空

【本人談】
季語がない句。実感のない兼題で悩んだが、(神社などで)御朱印を貰うのも、ポイントカードみたいに感じる。季語をどうしようかと思い、季語を考えたが、「行合の空」は夏と秋が混ざるような頃の空で、季節感がハッキリ出る言葉。「なるほど、これ季語で行けるぞ」と。

本人 名…永世名人は…。
浜田 「名」って言うてもた
一同 (笑)
本人 番組も勿体ないっすよ。私をこんな中途半端な順位に置くなんて。今、(視聴者は)他のチャンネルに替わってますよ(笑)。お前ら(=スタッフ)責任取れよ。なっちゃんも考えないと!中途半端に……。
→スタジオが静まり返る
村上名人 ぶっ…。
ジュニア名人 これ一番中途半端ですよ、どこで終わってんですか。

夏井先生 
本人は力説したが、「行合の空」をどう評価するかが大きなポイント。
なぜなら、後半は言葉がキッチリ入っている。ここの評価に絞られる。
この言葉が、歳時記には載ってないが、敢えてやろうとするチャレンジ精神には敬意を表したい。
ただ、5~6位の句のように1位になる可能性がある句ではなく、大体この辺りの順位で終わるタイプの句。
藤本名人 可能性がないんです。
本人 口の利き方に気を付けろよ! 今、全国の子どもたちがみんな観てるんだ。泣いてるんだぞ!
夏井先生 泣いても何でも事実は事実なんです、残念でした。
浜田 先生、ちなみにこれ直しは…。
夏井先生 これも直す必要はないんです。直せませんもん、これだけ言葉入ってて。
本人 何か直して1位になるものがあんだろ!
夏井先生 いや、直しても4位、直さなくても4位。
一同 (笑)
村上名人 直しても4位か~。

添削なし


5位◆『蛾の骸 ポイントカードで 掬いけり 村上健志(フルーツポンチ)
目の付け所はさすが。中七に助詞「で」を入れて8音にする是非と、詠嘆「けり」が効いているかの是非。わずかな傷の問題で、同時に解消可能。「蛾の骸」の映像からの語順は正しいが、次に掬う動作を入れるのが得策。最後にポイントカードの端のアップで一句が終われば、ダントツで1位の発想だった。

【本人談】
生きているような綺麗な蛾の死骸がある。捨てたいが、蛾の感触が嫌なためティッシュで握って捨てたくない時、あまり使ってない平べったいポイントカードで死骸を掬って乗っけてゴミ箱に捨てる光景。日常にある死をこんなにリアリズムで描けますか!?(笑)

浜田 メッチャ切れてる!
梅沢永世名人 村上先生はね、中学の教科書に載ってるわけですから、自信の句だと思うけど、私は(夏井)先生にグタグタ言いませんけどね。だからこういうチマチマした句になってしまうんだと思いますよ(笑)。
東国原名人 中七を敢えて8(音)にして、「で」という手段の助詞を使ったのがポイント1。ポイント2は、「掬いけり」。これをどう判断するか。

夏井先生 
これは目の付け所はさすが
パッと見たときは「これが1位だ」と思ったが、問題点は東国原名人が全て言った(中八・「で」・「けり」)。これもさすが。
中七を敢えて8音にして助詞「で」を入れる是非と、最後の詠嘆がどこまで効いているかの是非。ほんの小さな傷レベルの話。
「で」を解消することで、上手くやれば「けり」も同時に解消することは可能
「蛾の骸」のアップから始めるのは正しいが、次にさっさと掬う動作を入れるのが得策。「蛾の骸掬う」で動作を入れる。句またがりに。
端(は)」を最後に置き、ポイントカードの端のアップで一句が終わる
これなら今日はダントツで1位だった

本人 先生が直した方が良い俳句になるのは分かりますが、元々そこそこ良いのが直す余地があるから5位というのは、納得できないです。
ジュニア名人 えっ?何を言うてんの?
浜田 何なの~。
ジュニア名人 そういう番組や
藤本名人 何年やってんや。
ジュニア名人 帰れや。
本人 だって褒めて欲しいですもん(笑)
藤本名人 皆や。褒めてくれたやんか。

添削後
蛾の骸 ポイントカードの


6位◆『ポイントで もらひし蛍 なほいきる 東国原英夫
発想はとても良く、大変好きな句。問題は上五「で」だが、貰う動作に繋がるこの「で」を外しにくい。中七「し」が文語で、なおさら説明臭く感じるため、敢えて口語(話し言葉)で表現し、促音「つ」は大きく書く。口語だが歴史的仮名遣いのため奥行きのある空気を醸し出す。ダントツ1位になる可能性を秘めていた。

【本人談】
デパートで蛍がポイント交換でもらえた。ポイントは擬似紙幣なため、生き物と交換するのに抵抗があった。(虫籠に入れて飼うが)そういう蛍は、すぐに死んでしまうのではないかと思ったが意外に長生きした。光らなくなっても、なほ生きていたという小さい生命力に感動したという句。上五「で」がどうかなと自分も気になっていた。

藤本名人 そうですね。この「もらひし」というのが、ちょっとカッコつけ過ぎているということの是非です(笑)。

夏井先生 
この発想はとても良く、大変好きな句ではある。
問題は上五「で」にあると本人は分かっていたが、貰う動作に繋がるこの「で」を外すのはとても難しい。
全体のバランスを見たとき、「で」の説明臭さを上手く薄める一手が最後に残されている
それは偶然、藤本さんが言った「ひし」。
中七「し」が文語のため、なおさら説明臭く感じる。敢えて口語(話し言葉)で表現すれば、説明臭さが薄まる
物凄く簡単なこと。「””し」「な””」が歴史的仮名遣いのため、促音「つ」は大きく書き、「た」と口語に変える。
口語となるが、歴史的仮名遣いのおかげで奥行きのある空気を醸し出す
5位の村上名人と6位の東国原名人は、少し触ればダントツ1位になる可能性を秘めていた

中田名人 凄い…。
村上名人 (不貞腐れて笑いながら)ちょっとの差で1位ですって…。
一同 (笑)

添削後
ポイントで もら蛍 なほいきる


7位◆『消しゴムに 彫刻刀の 彫る花火 千原ジュニア
素材としては面白い。「彫刻刀」とあれば「彫る」は不要だが意図的に置いた。最後の「花火」により、白い消しゴムに花火の色が出てくる展開も良い。「花火」が版画であることによる季語の力が薄まるという問題。言葉がキッチリ入っており、「の」「彫る」を変えることは可能だが、作者の意図通りなので直さない。

【本人談】
「プレバト!!」の番組の企画を「プレバト!!俳句」で詠むという誰もやっていないチャレンジ。兼題写真のスタンプから消しゴムはんこを着想し、全国の花火大会が中止になっているというのを詠んだ。

藤本名人 ナナハン俳句から消しはん俳句にしたってこと?これ。
本人 まあ、どっちかっていうとそういうことですね。
村上名人 今のを聞いて、スゲーいいなって思うんですけど、ただやっぱりこの「花火」が彫られる花火じゃないですか。そうすると季語としては、季語にならないもしくは季語としては弱くなると思うんです。本物の花火ではないから
東国原名人 同じですね。悔しいですけど、あの「花火」が季語としては薄まりますね

夏井先生 
村上名人らの指摘(下五の比喩で季語が薄まる)の通り
素材としては面白い。「消しゴム」という場所に「彫刻刀」で「彫る」という展開。
彫刻刀」とあれば「彫る」は不要だが意図的に置いた。
最後の「花火」により、白い消しゴムの上に花火の色が出てくる展開も良い
「花火」が版画であることによる季語の力の問題。名人2人の解説の通り。
浜田 なるほど。先生、これは直し…。
夏井先生 
言葉がキッチリ入っており、「の」「彫る」を変えることは可能だが、作者のやろうとしていることはやれている。意図通りのため直さない。

本人 あ~、そういうことなんだなっていうのが凄い分かりました。

添削なし


8位◆『早桃の香 支援の客の 食事券 中田喜子
勿体ないのは「客の」。「支援の食事券」なら客以外の者は持ってこない。「の香」は無くても香る。しかも果物を買ったのではなく、食事券と分かるような小細工をする。「デザートは」で食べているのは分かる。最後の「食事券」が最初のデザートに戻って、美味しく頂いた食事の最後が早桃だったとなる。

【本人談】
自粛期間中に飲食店オーナーが考えたのは、ネットで食事券を先に売ってお店を持たせようというアイデアがニュースで報じられた。自粛期間が明けて食事券を持った常連客が食事をしに来た。その時にデザートに桃が載っている光景。

梅沢永世名人 これね、無駄な言葉が1つありましたね。「支援」「食事券」とくると、「客の」ってのはいらないんじゃないですか。
本人 うわ~!(→両手を頬に当てしまった顔に)
梅沢永世名人 ねえ、これ無駄な言葉だったなあ。
浜田 いや、だからその顔!
本人 そうか~。

夏井先生 
まさに「そうか」という感じ。
勿体ないのは「客の」。「支援の食事券」で十二分。客以外の者は持ってこない。
「の香」と書かなくても「早桃」で香りは立ってくる。しかも、果物をまるまる買ったのではなく、食事券で食べていると分かるような小細工をする。
デザートは」なら、店内で食べているのは分かる。最後の「食事券」が最初のデザートに戻ってきて、美味しく頂いた食事の最後が早桃だったわ、となる。

本人 あ~! そうですよね~。
浜田 凄い表情豊かですよね~、さっきから。先生の解説聞いてる間、色んな顔しますよ。
本人 あ~、どうして気付かなかったんだ~。
浜田 スゲェ、まだやってる。
一同 (笑)

添削後
 早桃支援の 食事券


9位◆『花は葉に 彼女は妻に そして母に 岩永徹也
「花は葉に」の季語を使った姿勢が良い。桜が葉桜になる時間経過を持つ季語を使いこなすのは難しい。時間経過に対して、女性の姿を描こうとしたのは良い。情報を詰め込み過ぎて、人生を早送りしすぎた。「妻」「母」の片方に絞り、ワンポイント添えるだけで良い。どんな「妻」か表情を添える。「母」でもやりようはいくらでもある。

【本人談】
夏の季語「花は葉に」は桜の花が散って葉桜へと変わりゆく時の美しさを指す。ポイントカードは、日常の小さな積み重ねで(ポイント数が)変化するイメージ。付き合っている彼女が(時間を追って)「妻」「母」に変わっていく様子に重ねて詠んだ。
花は葉に】初夏の季語
桜が花から葉へと変わってゆくこと


梅沢永世名人 ちょっと詰め込み過ぎね。俺はそう思いますけど、偉そうなこと言えませんけど、こんな(小さな)椅子に座ってるから。
一同 (笑)
藤本名人 関係ないやん。

夏井先生 
花は葉に」の季語を使った姿勢が良い。桜が葉桜になる時間経過を結構持つ季語で使うのは難しい。
時間経過に対して、女性の姿を描こうとしたのは良かった。
梅沢名人の「詰め込み過ぎ」の指摘通りで、人生を早送りしすぎた
「妻」「母」の片方に絞り、ワンポイント添えるだけで良い。
「母」だけで別の句もできる。どんな「妻」かを添えて、つややかで美しい意味の「匂はし」という日本語がある。「妻」の表情を出してみる。
「母」でもやりようはいくらでもある

添削後
花は葉に 彼女ははし妻に』
『花は葉に 彼女は母して



10位◆『ラジオ体操 歯抜けの判や 夏深し 千賀健永(Kis-My-Ft2)
季語以外は本人の意図が表現された。季語が正しいかという着地の問題。俳句では用いる陰暦では、秋は8月8日前後から。夏休みはラジオ体操真っ最中で、夏休みの終わりの頃になり、スタンプが並んでないと「歯抜け」とは言いにくい。季語の選び方が中途半端なだけ。子どもに寄せるなら「夏休み」、陰暦に寄せるなら「秋暑し」、朝が起きるのが嫌なら「朝暑し」という展開もあった。

【本人談】
小学生の頃は(夏休みに)ラジオ体操に行っていた。朝(起きるの)が弱く、夏休みの後半になると休みがちで、欠席した日はスタンプが(カードに)押してもらえない。当時、乳歯で歯がまだない時で歯抜けっぽいと(思ってカードを比喩した)。

志らく名人 「歯抜けの判」までは面白いんだけども、「夏深し」との…なんか、取って付けたような季語のような感じがしますね。
本人 夏の後半にしたかったんで、「夏深し」ってしたんです。

夏井先生 
ラジオ体操歯抜けの判や」までは本人の意図は表現された。
季語の展開で俳句はいくらでも変わる。志らく名人が指摘した、季語が正しいかという着地の問題は正しい指摘。
俳句では陰暦を用いる。秋は8月8日前後(立秋)からになるが、その頃は夏休みでもラジオ体操真っ最中。
「歯抜けの判」は夏休みが終わる頃(つまり俳句では秋)で、それだけ判子が並んでないと「歯抜け」とは言いにくいのではないか。
季語の選び方が非常に中途半端なだけ。
子どもに寄せるなら「夏休み」とストレートに。
陰暦に寄せるなら「秋暑し」で、夏休みの終わりは秋になっていると。
朝が起きるのが嫌なら「朝暑し」なら、朝起きていくのが嫌で、朝っぱらから暑いという展開も。
今回は季語の選び方だけ。

浜田 先生の解説聞きながら、村上さんがずっと半笑いで頷いていましたよ。
藤本名人 何なの?
ジュニア名人 何なの?
村上名人 いやいや、「夏深し」って7月の終わりなのにな…って思ってて。
浜田 ははははっ。
藤本名人 ははは。
浜田 「バカだな~」と思って。
村上名人 そう。「バカだな~」って思って。ごめんなさい、ごめん。
藤本名人 (千賀名人が)めっちゃ、睨んでるやん。
本人 ムチャクチャむかつく!
一同 (笑)
村上名人 ごめん×3
本人 「ごめん」じゃないんだよ!

添削後
ラジオ体操 歯抜けの判や 夏
『ラジオ体操 歯抜けの判や し』
『ラジオ体操 歯抜けの判や 



●シード権のボーダーライン
玉巻アナ ここで、皆さん。夏井先生から追加の査定結果がございます。今回も、夏井先生に次回(秋)のタイトル戦が予選免除となるシード権のボーダーラインを決めていただきました。
ジュニア名人 9位以上、9位以上!
藤本名人 無理や!無理や!9位以上は。
東国原名人 6位だけ!(笑)
藤本名人 絶対ないわ。
→査定結果と同様に浜田が発表!
浜田 4位まで!
優勝した藤本名人、2位・志らく名人、3位・円楽、4位・梅沢永世名人がシード権を獲得
玉巻アナ というわけで、4位までの方は次回秋のタイトル戦は予選免除です。
浜田 皆さんが渋い顔しておりますが、こりゃ仕方ございません。2020夏の炎帝戦・優勝はフジモン!
藤本名人 どうも、ありがとうございます。
浜田 おめでとうございました~。
※次回8/13は特待生昇格試験SP。兼題は「本棚」です。




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コメント

Re: No title

空想男子様

コメント及びご指摘ありがとうございました。
該当ページのカテゴリを変更いたしました。

No title

今更なのですが、この回だけカテゴリのタイトル戦から抜けてしまっていますので、入れていただくようお願い申し上げます。

今回は

ラジオ体操を詠んだのが藤本さん、千賀さんの二人

死生観を詠んだのが東国原さん、志楽さん、村上の三人

コロナ渦中のことを詠んだのが中田さん、ジュニアさんの二人

発想については、テーマが被ることが多く技術力の意味での勝負であったような気がします。

下位三人については季語の器を見極めることが課題となると思います。特に千賀さんは過去の最下位句と同じく季語への根本的な理解が足りないという弱点が浮き彫りになった気がします。

死生観の句を詠んだ三人は発想が被っているだけに、いかに自分の言いたいことを表現できるかの技術力で厳しく査定された気がします。

梅沢永世名人は新しく季語を作るという挑戦は評価されましたが、プレバトで現代の歳時記に乗ってない言葉を季語として託すことはもはや珍しいことではなくなってるので、妥当な順位でしょう。

円楽師匠はやはり日常のありふれた光景を詠むという、観察力が素晴らしいと思いました。

藤本さんは正直微妙かなと思いました、、

いつも楽しみに拝見しております。
私は岩永徹也さんのファンで、プレバトでも彼に注目しているのですが、本人のTwitterによると、“花は葉に”の句は、ご出産された妹さんへのプレゼント句だったとか。
残念な評価となりましたが、込められた思いが感じられる、決して悪くない句だと思いました。

今回の炎帝戦は個人的に村上さんの指摘が一番の注目ですかね。
村上さんの指摘は、発想がよければ多少の傷は減点しないで欲しいと言うことでした。
事実、村上さんの句も東さんの句もほんの少しの粗で減点されシード権すら逃し、あれほどの傷で予選からというのは相当シビアに見えます。(言い方はあれですが、円楽さんや御大は一位にはなれない句でシード権を得、自分たちは一位に挑戦してその句より劣る評価を下されたのが相当きていたように見えました。)
この指摘を受け、夏井先生がどう見たのかというのが一番気になります。(まぁ今更それで評価基準をずらすのもどうかと思いますが)
今回、御大以上に村上さんが吠えており、思い入れの強さがよくも悪くも出過ぎていたようにも思えました。

話は少し変わりますが今回東さんがタイトル戦で久々に575で勝負にきたのが少し驚きました。去年の冬の凍蝿の句以来で、(あれも下6でそれを抜くと完全な575はもっと前ですね)、そもそもタイトル戦の優勝句としても去年の夏以来ですね。
そうえば、夏のタイトル戦は破調の句が一位になったことがなかったですね。最近は破調ばかりだったので少し意外でした。

長々と失礼しましたが、藤本さん優勝おめでとうございます。村上さんと東さんの不調、夏井先生の解説のわかりやすさも優勝に一躍買っているとは思いますが、それでもあれは狙った句と思います。
詳細版の更新も楽しみにしております。

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毎度閲覧いただきありがとうございます。時間があるときにでもどうぞ。
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