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【炎帝戦予選CD】20200730 プレバト!!俳句紹介【アイス売り場】

2020年7月30日放送 プレバト!! 俳句炎帝戦予選C・Dブロック結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし名人・特待生のみが参加を許される俳句タイトル戦。
夏の季節に行われる第4回炎帝戦予選C・Dブロックで名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。

◎は夏井先生講評の要約です。
→結果一覧 →トーク集 →俳句詳細 →進出者のまとめ →編集後記

予選A・Bブロック記事
決勝戦記事
※過去のタイトル戦結果などはこちらまたはブログカテゴリからどうぞ。

挑戦者:
Cブロック→千賀健永(Kis-My-Ft2)[38],ミッツ・マングローブ[29],森口瑤子[7],春風亭昇吉[3]
Dブロック→立川志らく[35],三遊亭円楽[17],北山宏光(Kis-My-Ft2)[30],篠田麻里子[9] ※[数字]は挑戦回数

見届け人:梅沢永世名人、中田名人

◆全参加者(21名)の段位一覧 ※はタイトル戦初参加
AブロックBブロックCブロックDブロック予選免除
永世名人



梅沢
名人10段村上

東国原 藤本
名人4段横尾中田
名人3段志らく
名人2段

千賀
名人初段ジュニア
1級松岡ミッツ円楽
2級岩永
3級パックン皆藤
4級河合森口北山
5級馬場昇吉篠田

◇炎帝戦2020のルール
【予選】
・ABCDの4ブロック制で、ブロック4名が参加
・ブロック分けは段位を考慮した上、玉巻アナが事前にくじ引きを行い決定
・兼題はAB・CDの2ブロック単位で共通
・各ブロック上位1名が決勝進出
・各ブロック2位のうち、最も良い1名が決勝進出(敗者復活)
【決勝】
・前回上位4名がシードで参加
・シードがなかった梅沢永世名人は前回タイトル戦後に永世名人となったため栄誉を讃えて予選免除
決勝はシード4名、永世名人、予選通過5名の合計10名

炎 帝 戦放送日兼 題
予選A・Bブロック7/23封 筒
👍予選C・Dブロック7/30アイスクリーム売り場
決勝戦8/6ポイントカード


●お題:アイスクリーム売り場
アイスの兼題

※各ブロック1位が無条件で決勝進出

※順位クリックでリンク内移動します。
【Cブロック】
1位千賀健永(Kis-My-Ft2)名人2段かき氷密かに崩す銀河の夜かきごおりひそかにくずすぎんがのよ
2位春風亭昇吉5級スイカバー隣に君のいない海すいかばーとなりにきみのいないうみ
3位ミッツ・マングローブ1級溶け出すバニラ職蟻たちのフェロモンとけだすばにらしょくぎたちのふぇろもん
4位森口瑤子4級毒々しと思ふ日あり氷菓子どくどくしとおもうひありこおりがし
【Dブロック】
1位三遊亭円楽1級氷壁崩落白玉を掘り出すひょうへきほうらくしらたまをほりだす
2位立川志らく名人3段八月十五日アイス溶け続けはちがつじゅうごにちあいすとけつづけ
3位北山宏光(Kis-My-Ft2)4級氷菓美美しアンディウォーホルの色彩ひょうかびびしあんでぃうぉーほるのしきさい
4位篠田麻里子5級アイスの当たり棒そっと仕舞う甥あいすのあたりぼうそっとしまうおい

順位発表順:Cブロック4位→3位→2位→1位、Dブロック2位→3位→4位→1位

※収録は前回同様の形式。予選Aブロック2位の横尾名人とBブロック2位の皆藤はリモートで戦況を見守る。


[トーク集](各クリック)




◆それでは順位別にみていきます

【Cブロック】

1位◆『かき氷 密かに崩す 銀河の夜 千賀健永(Kis-My-Ft2)
夏の「かき氷」と秋の「銀河」の季重なりの問題など、議論すべき点は何点かある。作者の描きたい世界は非常に丁寧に描けた。手元のかき氷から始まり、夏の明るい季語をなぜ密かに崩すのかと読み手は疑問に思うが、星の美しい夜に食べるという語順の展開。移り変わる季節の中のベランダかもしれないと手に取るように伝わる。「銀河」に対して敢えて「夜」と言う必要性があるかという問題だが、「かな」では銀河が強く出てしまい、「夜」で時間の幅や空間を表現したと判断。「星の夜」で季重なりは解消できるが、「銀」のこだわりでかき氷の光や冷たさを表現する意図で敢えて残したと分析した。

梅沢永世名人 あぁ~。

【本人談】
誕生日に自動の(電動)かき氷機を貰ったことがあるが、1度も使ってなかった。ホームステイ(※1)[→ステイホーム・自粛]中にそのことを思い出して使ってみた。夜12時前にせっかくだからベランダで食べると、かき氷をシャリシャリと崩す音が響いた。その雰囲気が凄く良いと思い、これは句に出来ると思った。

※1 ミッツに「ステイホームじゃない?」と言い間違いを訂正される。

梅沢永世名人 これは良い句ですよ。大ホームランだね。
本人 ありがとうございます。
梅沢永世名人 場外に持っていったね、球を。大したもんだ。
浜田 そうなんかな~?
梅沢永世名人 「かき氷」から始まったこの俳句がたまらなく良いわ。
昇吉 いやー、ちょっとあのケチつけるわけじゃないですけど、「銀河」と「夜」っていうのが付いているんじゃないかと思いますから、先生の意見聞きたいです。銀河って夜だから(→「銀河」なら「夜」は当たり前で、「夜」は不要ではないか)。

夏井先生 
(昇吉の指摘は)目の付け所は分かっている質問。
この句は議論すべき点が何点かある。
一つ目は、「かき氷」と秋の「銀河」の季重なりの問題。
二つ目は、「銀河」に対して敢えて「夜」と言う必要性があるかという問題。
全体を読むと、作者の描きたい世界は非常に丁寧に描けていると言わざるを得ない。
手元の「かき氷」から始まり、夏の元気な明るい季語をなぜ密かに崩すのかと読み手は疑問に思う。もっと元気にしゃぶしゃぶ食べれば良いではないかと。
ところが、最後に「銀河の夜」。星の美しい夜に食べるという語順の展開になる。
夏と秋の移り変わっていく季節の中のベランダかもしれないという感じが手に取るように伝わる。
「銀河かな」では銀河が強く出るが、「夜」で時間の幅や夜の空間を意図的に表現したと判断できる。
「星の夜」とすれば季重なりは解消できるが、「銀」のこだわりで、シャリシャリとしたかき氷の光や冷たさを表現する意図で敢えて残したに違いないと分析した。

浜田 ホント?ホント?千賀さん、ホント?
本人 いや、言った通りです(笑)。ホントにそうで、綺麗な銀河のように広がる星空の下でかき氷を密かに崩す情景をしっかり描いた。
浜田 先生の解説通りですか?
本人 通りですね。季重なりもしっかり分かってました。
北山 振ったら当たっちゃったパターンじゃないですか?
浜田 (同意して)なあ(笑)。
本人 違う。これはさすがに本当。言わせて。これは本当。
一同 (笑)
浜田 「銀河」に「夜」をつけたのも敢えてつけた?
本人 あえてって言われるとちょっとアレですけど。嘘なのかもしれない。分からなくなってきた。
北山 たまたまだ。
浜田 先生、これ直しは?
夏井先生 いりません。
浜田 直しなしでございます。
本人 ありがとうございます。

添削なし


2位◆『スイカバー 隣に君の いない海 春風亭昇吉
兼題写真から目ざとくスイカバーのアイスを見つけ、具体的に言ったのは良い。後半は青春のアニメの1ページのような世界観。村上名人のような若い句柄も作れるのに驚く。1つの世界が作れているため添削は不要。

梅沢永世名人 どうした?

【本人談】
岡山県出身で地元の瀬戸内海の綺麗な海を見るのが好き。周りではそれぞれに夏を謳歌しているが、自分は恋人がいなくて寂しい切なさ。まさに夏をかたどったようなスイカバー(のアイス)に託した。渚に1人で座りながらスイカバーの底辺の角をかじっている切なさ。

梅沢永世名人 こういう村上(名人)みたいなね、ちまちました俳句を詠んでたら上には行けないよ。昔から良いことわざがあるの。「出る杭は波に打たれる」。調子こいてるとこういうことになるんだ。えっ?こんなちまちました俳句詠んで、トーナメントで勝てると思ってんのか!? 勉強しなさい!
浜田 2位でめっちゃキレられてる(笑)。横尾君、どう思いますか、昇吉さんの俳句は。
横尾名人 いや~、いいと思いますけど勝ったなという自信はありますね。
本人 えっ?
浜田 あ~そう。

夏井先生 
「スイカバー」。アイスクリーム売り場の兼題写真をよく見ると確かにある。よく目ざとくスイカバーを見つけた
スイカバー」と具体的に言ったのは良いと思う。後半「隣に君のいない海」には青春のアニメの1ページのような世界観がある
村上2号が出てきたかというような句柄で…。
本人 (納得しない顔で)えっ?
夏井先生 
若い句柄も作りになる。
これはこれで、1つの世界が作れているため添削は不要。

本人 じゃあ、1位にして下さいよ。
夏井先生 1位の句見てから言って。

添削なし


3位◆『溶け出すバニラ 職蟻たちの フェロモン ミッツ・マングローブ
やろうとした意図は面白く、発想力には感心する。「溶けだす」は手に持つ状態だと読み手は誤解するため、地に落とした状態を明確に書く。悩ましいのが「職蟻」にこだわるべきか。「働き蟻」の方が分かりやすいが、「たち」は無くてもアイスにたかるアリは複数だと思う。どこから弾が飛ぶか分からないため面白い。一表現者として作者のファンではある。

※「職蟻(しょくぎ)」とは働きアリのこと。

【本人談】
アイスクリーム売り場は、屋台のようなものや移動アイスクリーム屋がある。公園でアイス(クリーム)を食べ始めてボテッと落とす子どもがいて、自分もそのタイプだった。食べかけのアイスが地面に落ちてアリがたかってくる。バニラの甘い匂いとアリの出すフェロモンが一つの流れに繋がる。

梅沢永世名人 ミッツらしいなとは思いますよ。ただ、情報が中途半端。「溶け出すバニラ」は下のバニラですよね、道に落ちてる。
本人 そうですね。
梅沢永世名人 これ読んだら、手の中からベロベロって落ちてるのか、器に入ってるのが溶けちゃったのか。読み手が分からない。だから3位なの!

夏井先生 
おっちゃん素晴らしい。おっしゃる通り(上五の状況が中途半端という梅沢の指摘)。
やろうとした意図は面白く、相変わらず作者の発想力には感心する
溶け出すバニラ」はソフトクリームなどを手に持つ状態だと読み手は誤解する
地に落とした状態を明確に「落ちた」と書く。
もう一つ悩ましいのが「職蟻」にこだわるべきかの問題「働きアリ」の方が読者に分かりやすいかもしれないが、本人がこだわるなら「職蟻」の硬い言葉でも構わない。
むしろ気になるのが「たち」。働きアリは絶対複数で群がり、1匹だとは誰も思わない。「働き蟻(職蟻)のフェロモン」でも意味は伝わる。「落ちたバニラ働き蟻のフェロモン」で合計17音。
この人の発想は、どこから弾が飛ぶか分からないため面白い
私は一表現者として作者のファンではある。

本人 あ~、嬉しい。

添削後
ちたバニラ 蟻の フェロモン


4位◆『毒々しと 思ふ日あり 氷菓子 森口瑤子
六六五のリズムが、この内容に対して適切ではない。毒を感じるのは人物に対して同じだとの意図があるならそれを書くべき。「日あり」を諦めて句の奥行きを出す。「人も」と入れれば良いが、「吾も」を入れればより謙虚な空気を自重と共に醸し出す。

梅沢永世名人 うーん。
志らく名人 怖い。

【本人談】
甘くて冷たくておいしいみんなが大好きなアイスクリームもたまに甘すぎたり色もどぎつかったりする。人も優しくてみんなから好かれるような人にも毒を感じる時がある。その思いを詠んだ。

浜田 怖いな~、もう(笑)。
梅沢永世名人 やっぱり俳句は五七五でまとめてもらわないと。リズムがないんです。俳句にリズムがない、致命的ですよ。
本人 分かりました。
梅沢永世名人 これなっちゃん、怒りますよ。
浜田 いやいや、怒るかどうかは分からないです、せんせーい。

夏井先生 
六六五でリズムがないという梅沢の指摘は当たっている。
六六五がダメなのではなく、内容に対してこのリズムが必要かという考え方が大切。
前半のフレーズ「毒々しと思ふ」は季語「氷菓子」の描写だと思い、その添削を考えたが、「人も」と今本人が言った。人物も同じだとの意図があるなら、それを書いた方が良い。
「日あり」を諦めれば、もっと句の奥行きを出せる。
「毒々しと思ふ」で一旦切る。「氷菓子」の最後に「人も」と置く。
他人に対して「人も」と言うのは、好感度下がるから嫌だと思われたら、季語を「氷菓」とし、「吾(あ)も」を最後に入れれば、謙虚な空気が自重(じちょう)と共に醸し出す
こっちの方が作者の言いたいことに近いかもしれない。

本人 ビックリしました。とってもこれを言いたかったけど、一生懸命やってもどうにも句にならなかったので、スッキリしました。ありがとうございます。

添削後
毒々しと思ふ 氷菓子
『毒々しと 思ふ氷菓 



【Dブロック】

1位◆『氷壁崩落 白玉を 掘り出す 三遊亭円楽
非常に楽しませてもらった。上五はアイガー北壁や南極の氷山を匂わし、「白」が出ると氷山崩落のイメージを脳で思うため、一瞬「白玉」だと思いにくく、考える間合いが非常に面白い。頭が大袈裟なため、後半も敢えて大袈裟にしないと言葉の質量のバランスが取れない。「白」の一字の効果を見事に使って飄々とした味わいを出した。作者が元々持っている素質がやっとこの句で出た。

【本人談】
かき氷の思い出をずっと掛けてたら色々遊べる。(宇治金時の)白玉を食べたいので上の氷がバラバラと崩れる様子を大袈裟に「氷壁崩落」とし、何だろうと思ってたら白玉を食ってた。落語のオチの落差を俳句で表現した。

本人 な、昇吉、こういう風にやるんだ(笑)。
梅沢永世名人 いや、粋ですよ。この「白玉」が出てくる所がな~、ホントに、師匠でないとこういう俳句は作れませんよね。いや~、粋ですよ。
浜田 中田さんも一緒ですか?
中田名人 そうですね。「氷壁崩落」から「白玉」が出てくるってお見事です。

夏井先生 
非常に楽しませてもらった。
氷壁崩落」はアイガー北壁や南極の氷山を匂わし、いきなり「白」が出ると氷山崩落のイメージが読み手の脳に強く残るため、一瞬「白玉」だと思いにくい。
「はく」「ぎょく」かと思うが、「しらたま」かと。この考える間合いが非常に面白い
頭が大袈裟な表現のため、後半を軽くすると言葉の質量のバランスが崩れる。
敢えて大袈裟に「掘り出す」と複合動詞にして、バランスを取った
「白」の一字の効果を見事に使って飄々(ひょうひょう)とした味わいを出した
作者が元々持っている素質がやっとこの句で出た。直しはいらない。

添削なし


2位◆『八月十五日 アイス溶け続け 立川志らく
季重なりの句。終戦記念日の重い季語の後に「アイス」と夏の季語が続く。玉音放送や蝉の声、すすり泣く人たちの声が否応なく出る季語に対し、「アイス」は現代に切り替わっていると読んだ。手のアイスは(時の流れを超えて永遠に)いつまでも溶け続けている。「け」と切らずで流しているのも作者の意図に違いない。重いテーマに果敢にチャレンジした姿勢を褒めたい。終わらない戦争のイメージをアイスの現代的な映像で切りだしていく。力をつけている証拠。

浜田 はあ~。
円楽 なるほど。

【本人談】
(終戦記念日の)8月15日は日本で一番長い日と言われている。ラジオからの玉音放送を聞きながら、ただならぬ大人たちの雰囲気。たまたまアイスキャンディーを持っていた子どもが舐めることも出来ずにアイスは溶け続けている。日本人に忘れてはいけない日のため、この日だけでなく永遠にアイスは溶け続けるという気持ちを後半のフレーズに込めた。

梅沢永世名人 いや、オシャレな俳句ですよ。「八月十五日」もこれ季語ですから。
浜田 あ、そうですか。
梅沢永世名人 アイス」も季語なんです。
浜田 あっなるほど。
梅沢永世名人 上手に2つの季語を使って、それで「アイス溶け続け」ときた。これオシャレな俳句ですね。
浜田 へぇ~、同じ2位ですが、昇吉さん。
昇吉 全然ダメですね。
浜田 全然ダメ?
昇吉 「終戦」と「アイス」の取り合わせが、だって全然モノがないのに、子ども達が食べる物がないのに、なんでアイスがあるの?って思っちゃいます。
→「アイス」を戦時中のものととらえ、戦時中に市販されていないはずのアイスがなぜ終戦の日に存在するのかを鋭く指摘する
本人 少なくとも君の中途半端な歌謡曲みたいな句(スイカバー)よりは良いと思うんだよね。
一同 (笑)

夏井先生 
季重なりの句。
八月十五日」のように、何月何日の季語はいくつかあるが、これが一番重い終戦記念日。
日付の重い季語の後に「アイス」と夏の季語が続く。
読み方として、玉音放送や蝉の声、すすり泣く人たちの声が否応なく出る季語に対し、「アイス」は現代に切り替わっていると読んだ。
手のアイスは(時の流れを超えて永遠に)いつまでも溶け続けていく最後を「け」と切らずで流しているのも作者の意図に違いないと伝わる。チャレンジしている。直しはいらない。

本人 彼(昇吉)が言ったのは一つも入ってこなかったですね。
浜田 ねぇ。
昇吉 ちょっと、先生。「アイス」と「終戦」の取り合わせってちょっとミスマッチ…。
円楽 だから「今まで続いている」という永遠と、うん。
一同 (笑)
→落語家2名の圧力に屈す昇吉
円楽 だからお前は落語もまとまってないんだよ~、お前は~(笑)。
浜田 怖い2人おるなあ、もう。面倒くさい回に来たな、昇吉(笑)。
昇吉 今度から同業者なしで
円楽 東大だけでやれ、東大だけで。

添削なし


3位◆『氷菓美美し アンディウォーホルの色彩 北山宏光(Kis-My-Ft2)
面白い切り口。こんな発想を思いついたのが作者を見て驚く。氷菓のパッケージを見て、美術家の色彩だと気付く時点で俳句の素材を掴んでいる。古語「美美し」と現代美術の意図まで狙ってしまったため、「色彩」と殺し合って損した。最後の「色彩」で人名が活きるため、上五を変える。「ぎっしり」「いろいろ」などで表現できる。「百円」ならチープさも出て逆の面白みも出る。

浜田 あ~、そう~。
アンディ・ウォーホル】(1928-1987)
アメリカではポップアートの巨匠とも呼ばれ、20世紀を代表するマルチ・アーティストの一人。
マリリン・モンローの肖像画を題材にした作品は世界的に有名。

【本人談】
アイスクリーム売り場の兼題写真から、アンデイ・ウォーホルのポップアートを象徴するような派手な色彩を連想した。古語と現代美術を組み合わせることが楽しいと思い、氷菓の(パッケージ)の綺麗な色が、アンディウォーホルの色彩に似ていたのではないかと。僕としてはかなり攻めた句。

梅沢永世名人 これはね、五七五にしなかったことで攻めたんでしょ? まだ5年早い
本人 5年も(笑)。
梅沢永世名人 それから「美美(びび)し」ときたら、「色彩」はいらないでしょ。
本人 それも悩みました。
梅沢永世名人 ね。ここも余分だったかな。
本人 悩んだんですよね。

夏井先生 
面白い切り口だと思う。
こんな発想を思いついたのがあなただったと作者を見て驚いた
本人 でしょ!?
夏井先生 ですよ、ホントに。
浜田 なあ、千賀。黙ってたらこういうことしてるってことですよ。
千賀名人 そうなんですよ。結局、勉強が足りないってことですね。
→状況が読み込めてない千賀名人の反応に、御大が身体を使って笑いだす
夏井先生 足りないわけじゃないですよ、これは。
浜田 お前、聞いてた!? 話を。
千賀名人 話、聞いてました。
夏井先生 
何が面白いか。氷菓(のパッケージ)を見て、美術家の色彩だと気付く時点で俳句が一句になるものが何かを掴んでいる
問題点は、古語「美美し」と現代美術の意図まで狙ってしまったため、「色彩」と殺し合って損した
「美々し」と「色彩」のどちらを残すかの二択。
最後の「色彩」で人名が活きるため、「美々し」を消して、上五を変える。色んなものがここに入る。
兼題写真のような形なら「ぎっしり」、色々な色があるなら「いろいろ」などと表現できる。
「氷菓百円」ならチープさも出て、逆の面白みも出るかもしれない。

浜田 こういうことが出来るようになったんだね、と先生おっしゃってますよ。
本人 俳句の種を掴んだときに、もう俺天才かもと思ったんですよ。
浜田 うん、そうちゃ~う
一同 (笑)
本人 絶対違う目してる!
→思わずはにかむ浜田

添削後
氷菓 アンディウォーホルの色彩』
『氷菓 アンディウォーホルの色彩』
『氷菓 アンディウォーホルの色彩



4位◆『アイスの当たり棒 そっと仕舞う甥 篠田麻里子
可愛い光景を切り取った一句だが、この内容は定型が良い。調べが掴み取れてないケースで、語順を変えるべき。「そっと」「甥」のどちらかを残すが、お話から「甥」を残す。「甥っ子」の人物と小さい年齢を先に出せば、作者との関係性も分かる。最後に当たり棒が映像として残る。

円楽 分かるな~。

【本人談】
親戚で集まった時にアイス(キャンディー)を食べたが、甥が当たり棒だったのをそっと隠した。普通「当たったよ~」と見せるところをそっと隠したところに性格が出ると思い、それがキュンときた。

梅沢永世名人 やっぱり五七五だったら、もっとリズムが出たんじゃないかな~。

夏井先生 
可愛い光景を切り取った一句。
この内容は梅沢の指摘通り五七五に十分できる
「アイスの当たり棒」から始めようとしたため、五七五の調べが掴み取れてないケースで、語順を変えればよい。
「そっと」「甥」のどちらかを残すかの二択だが、お話から「甥」を残したい様子。
本人 「甥」っ子を残します。
夏井先生 
「甥」だと色んな年齢になるが、「甥っ子」なら小さい子だと分かる。「甥っ子が仕舞うアイスの当たり棒」と展開するだけ。
本人 えぇ~、凄ーい。
夏井先生 
「甥っ子」という小さい年齢の人物が先に見えて、作者との関係性も分かる。何をしまうかと思うと、最後に当たり棒が映像として残る。

梅沢永世名人 いいなぁ~。
本人 リズムが全然違いますね。
浜田 そらそうです、そらそうです。

添削後
甥っ 仕舞うアイスの 当たり棒


■最後に、各ブロック補欠2位4名の中から決勝進出者を発表
◇各ブロック2位
A横尾夕虹やデビュー知らせし茶封筒
B皆藤検診結果封切る刃先日の盛り
C昇吉スイカバー隣に君のいない海
D志らく八月十五日アイス溶け続け

横尾名人 決勝に出てどのくらいの実力かは試したいと思っております。
皆藤 はい。あの…1番2位になってほしくないと思っていたお2人(昇吉・志らく)が2位となって、恐れていたことがって感じです今。
志らく名人 うーん、こうやって読んでみて見比べると、まあやはり敵は皆藤さんですね。行きたいな~。
→結果が書かれた査定カードをマジックハンドで浜田に渡す玉巻アナ
浜田 敗者復活から勝ち上がった10人目の決勝進出者は…

↓  ↓  ↓

浜田 (Dブロック)立川志らく

志らく名人 今ちょっとね、うるっときて泣きそうになりました。いや、まさか…。

夏井先生 
(決勝進出理由)重いテーマに果敢に挑んでいる姿勢を褒めたい。
終わらない戦争のイメージを溶け続けていくアイスの現代的な映像で切りだしていく
力をつけている。

横尾名人 いやもう…皆藤さんのを見た時点で僕はお手上げだと思いましたし、志らくさんのを見てこれはこっちだなというのは、何となく分かってたので…。
浜田 あら。
横尾名人 だから、僕はこの中だったら3位だったなってのは…(笑)。
→首をひねる昇吉
※横尾の見解
1位2位3位4位
志らく皆藤横尾昇吉

浜田 何やねん、それ。
横尾名人 「スイカバー」に勝ちました
一同 (笑)


●進出者まとめ(は決勝進出)
ABCD
1位ジュニア村上千賀円楽
2位横尾皆藤昇吉志らく
3位パックン松岡ミッツ北山
4位馬場河合森口篠田
決勝参加者:東国原名人、藤本名人、中田名人、岩永徹也、梅沢永世名人+予選通過5名

※次回8/6はいよいよ決勝、兼題は「ポイントカード」です。




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コメント

一時コロナウイルスの感染を懸念されていたミッツ・マングローブさんの姿を見ることができてホッとしています。

奇をてらう作品が増えてきてはいますが、

予選突破したのはやはり有季定型がほとんどでしたね。


個人的には

ミッツ・マングローブさんの句は
アイス落つ働き蟻のフェロモンよ

円楽師匠の句は
氷壁は崩れ白玉掘り出さん

と定型におさめることができたかなと思います。

梅沢永世名人も定型におさめることをコメントされていますので、

原点にたち戻る意味でも

有季定型の縛りをいれてもいいのではないかなと思います

更新お疲れ様です。
各ブロック、本戦でも上位になりそうな句が一位になり、過去最高にハイレベルになったなぁと見ていました。特に村上名人のいるBブロック、円楽師匠と志らく名人が覚醒していたDブロック(北山さんの句もかなり良かったけど流石に相手が悪すぎましたね)は昨年までだったら二位三位を争えるのではないかという句が揃ったように思えました。
御大も予告でチャレンジをしたと連呼していましたが、全体的に予選から攻めた句も多く上位にあり、番組全体のレベルの向上がはっきり見えた予選でした。
本戦も非常に楽しみで、夏井先生も大分順位付けに苦悩するのではないかと思います。今回の特にAとDグループは、明確にどっちが一位とは言い切れないほどと思いますし。

大変と思いますが、記事更新楽しみにしております。頑張って下さい。

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