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20200611 プレバト!!俳句紹介【100円ショップ】

2020年6月11日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
◎は夏井先生講評の要約です。

挑戦者→山之内すず[初],加藤諒[2],武田真治[初],松原智恵子[4],ゆりやんレトリィバァ[3],梅沢富美男[101] ※数字は挑戦回数

●お題:100円ショップ
百均の兼題

※番号クリックでリンク内移動します。
1才能アリ1位71点山之内すず
風薫る初のマニキュアは百円かぜかおるはつのまにきゅあはひゃくえん
2才能アリ2位70点加藤諒
この店もこの町の景風薫るこのみせもこのまちのけいかぜかおる
3凡人3位52点武田真治
夕立を逃れ百均相傘へゆうだちをのがれひゃっきんあいがさへ
4凡人4位50点松原智恵子
目に楽しここは大人の夜店かなめにたのしここはおとなのよみせかな
5才能ナシ5位30点ゆりやんレトリィバァ
百円商店店主が出づる冷麦とひゃくえんしょうてんてんしゅがいづるひやむぎと
6永世名人19句で掲載ボツ梅沢富美男
シンクの西日カップ焼きそばの「ボコン」しんくのにしびかっぷやきそばのぼこん
→編集後記

★ランキングシートの分布は才能アリ2名凡人2名才能ナシ1名
※リモート収録体制継続中(梅沢永世名人は中央椅子、ランキングシートは7名席をパネル5分割で中継対応)


***

●それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ71点 山之内すず
風薫る 初のマニキュアは百円
パッと見では正直上手くはない。定型なら「初めてのマニキュア百円風薫る」でも良い。季語以外は12音で作れている。たどたどしいが、非常にリアルな体験が書かれたのが良い。季語「風薫る」と「初」の字の初々しさと響き合い、若々しさを感じる。マニキュアと季語が色彩的に引き立ち、最後に兼題の言葉も押さえた。下手に直さない方が句の持ち味が生きる。

浜田 なるほどね~。

風薫る】初夏の季語
青々と茂る木々の間を風が吹き抜けていく様子

※定型の五七五ではなく、5音の季語とその後の12音のフレーズで構成した一句。

【本人談】 
中学生の時、地元の百均で夏休みに人生で初めてマニキュアを買った。嬉しい気持ちで店を出た時の初夏の風が気持ち良かったことを思い出した。

浜田 うわー、もう。「初夏の風」言うてるやん。関西人が「初夏の風」って。
本人 関西人が「初夏の風」言うたらダメなんですか?
浜田 アハハハ。
梅沢永世名人 いや、カワイイ!!これはすずちゃんが書いたなと思いますよ。素直ですもの。

夏井先生 
パッと見たとき、正直上手くはないと思った。
定型なら「初めてのマニキュア百円風薫る」でも良い。
後半は12音のフレーズが作れている。5音の季語と合わせている。
たどたどしいが、非常にリアルな体験が書かれたところも良い。
季語「風薫る」と「」の字の初々しさが響き合い、若々しさを感じる
さらに、マニキュアと季語の緑の気分とが色彩的に引き立ち、最後に兼題の言葉もしっかり押さえた。
ひょっとしたら、手馴れがわざと初々しい下手っぽい調べを作ったか、ズブの素人が作って上手くいったかの二択だと思った。
これは、下手に直さない方が句の持ち味が生きる。

梅沢永世名人 マニキュアの色合いも分かりますもんね。きっとピンク買ったんでしょ?
本人 赤です
一同 (笑)

添削なし


◆2位 才能アリ70点 加藤諒
この店も この町の景 風薫る
作り方が手馴れており、技術的にも高い。「この」のリフレインは具体的な映像を提示していないが、読み手の心に見たことのある店や町を想起させる手法。季語のおかげで読者の体験を掬い出していく。上五・中七のフレーズが色んな季語と相性が良すぎるのが、上手ならでは。前回の瑞々しい感覚が良いと思ったが、小さくまとめようとせず、自分をもっと出して良い。才能も向学心もある。

【本人談】 
(※1)東京より郊外のロケに行った時、昔からある店が並ぶ場所に100円ショップがポツンと1軒だけ入っていた。最近の店の風貌で街並みから浮いていたが、100円ショップも含めてこの町の風景。

※1
浜田 さあ、コレどういう気持ちで?
本人 (大きな声で)そ~ですね~
浜田 どこから声出してんの!
一同 (笑)

梅沢永世名人 この町の景」、この町の景…。
浜田 いやいや、言いたいだけやん。
梅沢永世名人 この中七が実にいいね。あたしゃ気に入ったね。
本人 ありがとうございます。わ~嬉しい。

夏井先生 
作り方が手馴れており、技術的にも高いとも思う。
2つの「この」は具体的な映像を提示していないが、読み手の心にその人が見たことのある店や町を思い出させる手法で、「景」も同じ流れ。
季語「風薫る」のおかげで、「町」「店」「景」が季語をキーワードにして読者の体験の中から掬い出されていく
直さないといけないということではない。
ただ、上五・中七のフレーズが色んな季語と相性が良すぎるため、他の季語でも同じ効果を持ってしまう
風光る」なら春の景、「雲の峰」なら夏の景、「天高し」「秋高し」なら秋の景とそれなりのものになる。上手ならではのもの。
前回の句「桜満ちしんと突っ立つ新校舎」の瑞々しい感覚が良いと思ったが、小さくまとめようとせず、あなたをもっと出して良いと思う。才能も向学心もある。添削はない。

本人 えぇ~! ありがとうございます。

添削なし


◆3位 凡人52点 武田真治
夕立を 逃れ百均 相傘へ
作者の意図も「百均」を入れるこだわりも悪くない。時間の幅が問題点で、長い時間を17音に放り込みギュウギュウ詰めとなった典型。夕立→逃れる→百均で傘を買う→出て傘を差す→相合傘という時間経過が、ゴチャゴチャした印象。「逃れ」「へ」を外せば意図は表現できる。「百均」から始め、季語も「夕立(ゆだち)」と3音で読む語順にし、「傘」を重ねる。

【本人談】 
急に降ってきた雨を逃れるように100円ショップに入ったら、相合傘をして帰れたという光景。100円ショップをワードに入れたかった。「百均」を入れると美しくないかもしれない。(※1)「百均」と入れたのはこだわり。

※1
本人 僕からしたら先ほどの(2位の)加藤諒さんの句は何のお店の句か?というのがありますよね。
加藤 ちょちょちょ…、えっへへ…。
浜田 なるほどね。逆に分かりにくいじゃないかと。

梅沢永世名人 これはね、物語を詰めすぎ。「相傘」も「百均」も入れたかった。「夕立」ねえ。全部入れすぎちゃったのよね。武田君、筋肉つけ過ぎてるから。これ、俳句にも筋肉をつけ過ぎた
一同 (笑)

夏井先生 
おっちゃんの言う通り(詰め込み過ぎの指摘)。
俳句の筋肉はいくらでもつけて良い。俳句も筋トレと一緒で、やればやるほど筋肉が付く。
作者の意図も「百均」の単語を入れるこだわりも決して悪くない
色んな事を入れようとし過ぎた。特に「時間の幅」が問題点。長い時間を17音に放り込もうとしてギュウギュウ詰めとなった典型的パターン。
<夕立→逃れる→百均で傘を買う→出て傘を差す→相合傘>という時間経過が、ゴチャゴチャして分かりにくい印象になっている。
本人 何がいけなかったんですかね?
夏井先生 良い質問です。質問できるのが素晴らしい。何がいらないのかは、おっちゃんならすぐわかります
浜田 そうですね。何がいらないんですか?
梅沢永世名人 急に言われても…。
一同 (笑)
夏井先生 
時間経過を少し削る。「逃れ」「へ」を外せば状況は伝わり、意図は綺麗に表現できる。
本人 でも、字が足りなくなりますよね。
梅沢永世名人 武田君、喋んじゃねぇよ、ホントこの野郎!
一同 (笑)
本人 早く学びたくて。
夏井先生 
4音削っている。望みの通り、「百均」から始め、「の傘は」で買ったと分かる。
季語も「夕立(ゆだち)」と3音で読む語順にし、「の相合傘」とし、「傘」を重ねる。
梅沢永世名人 いいな~!
夏井先生 こうするだけなんです。

本人 凄く赤が入って、別物ですね~。

添削後
百均 傘夕立 相


◆4位 凡人50点 松原智恵子
目に楽し ここは大人の 夜店かな
感情語は俳句で使わないのが定石だが、この句は正直な言い方が良く実感がある。「かな」が取って付けた感じで、「大人の夜店」の比喩もどういう店か分かりにくく、夏の季語「夜店」の比喩により、季語としての力が弱いのが問題点。「ここ」を明確にし、「百均」とストレートに書き、語順を変える。最後の「楽し」で気持ちがストレートに読み手に飛んでくる。

浜田 なんか、可愛らしいなあ。

【本人談】 
100円ショップは色んな物が売られていて、店内に入るとすごく楽しい。季語を入れるため「夜店」なら100円ショップと読者に分かってくれるかって。

本人 ダメ?
一同 (笑)
武田 セクシー。
浜田 いやいやいや。百円ショップって分かるかどうかって言われたら、分からないかもわからないですねぇ~。ちょっと永世名人に聞いてきましょう。
梅沢永世名人 これは惜しい、松原…。ちょっと私に電話してくれれば
浜田 何やねん。何でわざわざ。

夏井先生 
「楽しい」「嬉しい」「悲しい」などの感情語は俳句で使わないのが定石だが、この句は正直な言い方が良く、「目に楽しい」という実感がある
逆に最後の「かな」が取って付けた感じに思えるのが問題1点目。
「大人の夜店」の比喩もどういう店か分かりにくいのが問題2点目。
さらに、夏の季語「夜店」が比喩に使われているため、季語としての力が弱いのも問題3点目。
作者が言おうとしたことをきちんと伝える。「ここ」を明確にする。
浜田 百均」。
夏井先生 百均」とストレートに書く。ここから。
大人の夜店目に楽し」と語順を変える。
最後の「楽し」で気持ちがストレートに読み手にポンと飛んでくる

本人 すごーく良いですね、やっぱり。すみません、はい。

添削後
は 大人の夜店 目に楽し


◆最下位 才能ナシ30点 ゆりやんレトリィバァ
百円商店 店主が出づる 冷麦と
話を聞いてやはりと納得したが、推測しにくい。後半があまりにも変で、冷麦片手に「いらっしゃい」と店員が出てくる光景。書いておかしいと思わないのか。意図を伝えるには、「店主」「冷麦」で勝負すべき。「冷麦」らしいものが視線の奥に入ったなら「昼」を入れて始め、句またがりに。すすっていたものが冷麦か素麺か不確定な要素を「か」で表現。語った「もぐもぐ」を入れる。来たことを「来(く)」と。これぐらいしかできない。

浜田 何?これ?

※冒頭の上五を字余り(8音)にした一句。

【本人談】 
自分の体験をもとに。地元の自宅の店に昼に「こんにちは」とお邪魔すると、奥の台所から家族で素麺とかを食べてたイメージ。店主のおっちゃんがもぐもぐしながら「はーい」と出てくるという思い。

夏井先生 
話を聞いて「やはりそういうことか」と納得した。推測が付かないでもない。
中七以降があまりに変で、冷麦片手・箸片手に「いらっしゃい」と出てくる光景
書いておかしいと思わないのがおかしいと思う。
本人 先生…。
夏井先生 
意図を伝えるには、「百円商店」と、店の種類を述べている場合でない「店主」「冷麦」で勝負すべき
上五は消す。
本人 えぇ~!
夏井先生 「えぇ~!」じゃないです、2回消しましょう
冷麦」も、ちらっと覗いて奥の方で冷麦らしいものが目の端に入ったなら「昼は」を入れて始め、「昼は冷麦」と句またがりに。
すすっていたものが本当に冷麦か、あるいは素麺かと不確定な要素を「か」で表現
「店主」が出てくる。「出づる」では何も分からない
語った「もぐもぐ」を入れる。来たことを「来(く)」と。
これぐらいしかできない!

浜田 ゆりやんが言いたいことを今先生が…。
本人 まさにこっちにしようか、迷ってたんですよ。
浜田 嘘つくな!お前、嘘をつくな。あははっ。

添削後
冷麦 店主


★永世名人 富美男のお手本★

※永世名人・梅沢富美男が50句の傑作を詠んで、俳句史に残る句集完成を目指す「永世名人梅沢富美男 傑作50選」

玉巻アナ 永世名人になられてから、多くの有名人やファンから祝福のメッセージが届いているそうです。
浜田 ホントに~?
梅沢永世名人 私の事務所にも届きますし、このテレビ局にも皆さん…。
浜田 番組あてに。
梅沢永世名人 おっちゃん頑張って」と。小学1年生・3年生とか。
浜田 何でそんな低学年の子が?
梅沢永世名人 それはやっぱり、あのー子どもって素直ですから。素晴らしいおじさんのことが分かるんじゃないですか?
浜田 そうなんですか?
梅沢永世名人 もう、このシュレッダーいらないと思いますよ。
浜田 あはは、分かりました。
梅沢永世名人 これはもう自信があります。

[永世名人のお手本披露]
◆『シンクの西日 カップ焼きそばの「ボコン」 梅沢富美男
字面通りに読むとカップ焼きそばが「ボコン」という名前にも思う。昔のシンクはお湯を流すと「ボコン」とステンレスの方が音を立てると。「シンク」「ボコン」が字面で離れたため誤解を招く。それを本人はいい加減に作った。お湯を捨てる行為さえあれば意図は書ける。「西日」以外の名詞が多いため、季語の比重が沈んでしまう。中七は諦めて、さっさと湯を捨てる。シンクが「ボコン」と鳴ったと伝わるように。全国のお子さんの期待を裏切らないように勉強し直せ。直せば良い句だが、本人の句は句集に載せない方が良い。

浜田 発想飛ばしたな~、凄いな~。

【本人談】 
自分の事務所の近くに100円ショップがあり、カップ麺が置いてあった。それを見て、苦労した時代を思い出した。17歳の頃は一人暮らしで風呂もない部屋。カップ焼きそばを作って、お湯をシンクに捨てる時に「ボコン」と音が鳴る。

本人 ハッ!これなのか!これなのか!
浜田 何を言うてんねん。
本人 自分の体験談を俳句にさせていただきました。
浜田 あ、そういうことね。すずちゃん、どうですか? 今日才能アリ1位獲りましたけど。
山之内 今の話を聞いたら凄い分かったんですけど、「ボコン」という名前の何かなのかというのが、自分の中で思ったんですけど。
→永世名人へ物怖じせず、鋭い指摘をする弱冠18歳
浜田 あ~、そういうことか。ちなみに松原さんどうですか?この句は?
松原 分からない
→思わず台を叩く浜田
浜田 何やねん、あははっ。

■査定結果
永世名人19句で掲載ボツ

理由:不要な言葉がある

山之内 あははっ。
武田 怖い。
本人 ボツ?
(査定評の後)
本人 何が不要だよ!俺の体験…。

夏井先生 
体験は分かった。
字面通りに読むとカップ焼きそばが「ボコン」という名前かと思った。
昔のシンクはお湯を流すと「ボコン」とステンレスの方が音を立てるという意味にも取れ、語ったように昔のアパートのシンク(流し)も想起される。
「シンク」「ボコン」が字面で離れたため誤解を招く。分かるように書かないといけない。
それを本人は割といい加減に作った。
本人 違う!「いい加減」って言うな! 小学生が観てるんだ!
夏井先生 
お湯を捨てる行為さえあれば意図は書ける
西日」が主役の季語。「シンク」「カップ焼きそば」「ボコン」と名詞が多いため、季語の比重が沈んでいく
「カップ焼きそば」を捨てて下さい。
本人 捨てる!?
一同 (笑)
夏井先生 「カップ焼きそば」を捨て(消去)さえすれば、どうにかなる。
湯を捨てるところから。さっさと湯を捨てる。
浜田 そうですね。じゃないと、ソース掛けられへんからね。
夏井先生 
湯捨つれば」から始まる。「西日のシンク」で季語が立つ。
シンクが「ボコン」と鳴ったと伝わるように「鳴る」とダメ押し。シンクが鳴ったと分かる。
「ボコン」の音が何のボコンか分かる。少なくともカップ焼きそばの名前だなんて誰も思わなくなる。
一同 (笑)

本人 なっちゃん、全国のお子さんが楽しみに待って、今泣いてるんだよ!
夏井先生 全国のお子さんの期待を裏切らないように勉強し直しなさい
浜田 そうですよね、先生これだけ直される句は本にはできませんもんね?
夏井先生 これ、私が直したら凄い良い句になってるんで、捨てるのは勿体ないけど、ご自分の句は(句集に)載せない方が良い。全国の子ども達のために。
一同 (笑)
浜田 そういうわけでございます。

添削後
 西日のシンク 「ボコン」


浜田 梅沢さん、申し訳ございません。全国のお子さんのためにも。これ残してたら…恥ずかしい目に遭います
梅沢永世名人 だって、お子さんは!
浜田 梅沢さんのために、すいません。私はボタンを押させていただきます
梅沢永世名人 いや…お子さんは。
浜田 さあそれではいきましょう。せえの~ドン!
→例によって掛け軸前の赤いボタンを押す浜田
→♪エレクトリカルパレード ともに俳句がシュレッダーにかけられる

※ボツの俳句は永世名人の名誉のため無かったことに

浜田 いや、これは素晴らしい。あっはっは。いや、永世名人のためにやってるんですよ。世に残したらダメじゃないですか、この俳句を。
梅沢永世名人 でも、これは…あまりにもひどすぎません?
浜田 あの、(シュレッダーが)ウイーンと鳴ってバァーっと(紙吹雪が)出る時に、梅沢さんの好きな毎分(視聴率)が上がってます
一同 (笑)
浜田 (ほくそえんで)どうですか?
梅沢永世名人 次回頑張りますよ
一同 (笑)

★句集完成まであと31作

編集後記
今回も後半が俳句。あっという間に夏になりましたが、リモートの平場の出演も再開されました。
お題は「100円ショップ」。2回前(5/28)にも「100円玉」と似ているお題でしたが、それとは違う発想の方向性が欲しい所。やはり100円ショップでしか買えないものや、特有の店の雰囲気から何かを表現したくなる兼題でした。

偶然、上位2名は「風薫る」と同じ季語で詠みましたが、山之内さんが中々鋭い感性を持っており、今後も期待できそうな印象を受けました。全体として、店そのものを描写する句が目立ちました。

さて、今回も同じ兼題で当方も句を査定してもらいました。いつも通り、査定人は着流きるお氏です(ツイッターはプロフィールから)。

夏の雲ファーポンポンのごとく出づ

今回は変わり種に挑戦。百円ショップで売られている楽しいものを比喩に用い、季語を描写してウキウキする気分を表現しました。ファーポンポンは女性用アクセサリーですが、毛玉のようにモフモフする感触。夏の雲は青空をバックに大きな入道雲が出ますが、最初に発生する小さい綿状の雲が沢山重なり合う動きのイメージです。上五は助詞(「は」)を敢えて入れず、説明的になるのを避けました。

結果は残念、「散るさくら電子化前のチョーク痕」以来の2度目の凡人査定で、その時と同じことを指摘されました(季語が押し負けている)。
きるお査定(ファーポンポン)きるお査定(ファーポンポン)2

この句は①有季定型、②ファンタジーな発想から詠む、③夏の映像を持つ季語を用いる、④動詞を用いる というルールで詠みましたが、②~④が特に良くない結果に。比喩を用いた一物仕立てのような表現もいけすかない感じで早すぎました。百均は良く行きますので、手芸やアクセサリーコーナーも覗くのですけどね。また、来月リベンジします。今回も着流さん、査定ありがとうございました。

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コメント

No title

『シンクの西日 カップ焼きそばの「ボコン」』
「ボコン」という名前だと思ってしまうのは、助詞の「の」による効果ではないでしょうか。
また、名前と思われなくてもカップ焼きそばのどこかで「ボコン」と鳴ったともとれなくはないです。(カップ焼きそばが鳴ったのなら ”カップ焼きそばが「ボコン」” の方が自然ですが)
『カップ焼きそばで「ボコン」』なら名前とは思われませんが、カップ焼きそばでシンクを叩いた、あるいはカップ焼きそばを落としたと誤読されるので、添削句のように湯を捨てると書かないといけないのだと思います。

嘗ては小学生が夏井先生に「梅沢をやっつけて」とお願いするほどだったのに、今やファンレターが番組に届くようになるとは思いませんでした。


「夏の雲ファーポンポンのごとく出づ」
「夏の雲」から「綿菓子」だったら確かにありきたりですが、「ファーポンポン」に着目なさるのはさすがです。
内容に関しては「夏の雲が出る(出方はファーポンポンのように)」と解釈したので「ファーポンポンのような出方とは?そもそもそれは動かない物では?」となりました。
言葉をほぼそのまま使うなら「ファーポンポンのごとき夏の雲出づ」になるのでしょうか。(連用形の「ごとく」を連体形の「ごとき」に変更)
ただ、雲に対して「出づ」という動詞は不相応な気がします。雲はかなりの速さで動いているとはいえ、動きが遅くあるいは動いていないように見えるので動きを表現するのは難しいと思います。
(「三回目は鬼門」が番組の視聴者にも該当するとは・・・。)

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