「プレバト!!」で披露された芸人 石田明(NON STYLE) ノンスタイル石田の全俳句一覧です。
特待生1級 石田明(いしだあきら) 合計23句
成績(2019年10月10日時点)<通常挑戦者時代>
才能アリ1回、
凡人2回
<特待生時代>
1ランク昇格5回、
現状維持3回、
1ランク降格1回
第1回俳桜戦最下位、
第1回炎帝戦2位、
第1回金秋戦3位、
第1回冬麗戦6位第2回金秋戦予選1位・
決勝7位、
第2回冬麗戦予選8位(最下位)
第3回炎帝戦予選5位、第3回金秋戦予選3位・決勝6位俳句甲子園'17対外試合で7-4で
判定勝ち
査定とは別に2017年月間MVH受賞(11月)●昇格率 55.6%(5/9)→50音別一覧ページへ →ページ下へジャンプ→
人物紹介◎全俳句目録 (番号クリックでリンク内移動します)
1 | 凡人 | 空梅雨や線路の砂利ノ白さかな |
2 | 凡人 | 静けさや月見あげたる影ふたつ |
3 | 才能アリ | 湯の猿の群れの頭に積もる雪 |
4 | 現状維持 | 身ごもりし娘にゆずる雛飾り |
5 | 1ランク昇格 | 新緑の背骨と化せり昇降機 |
6 | 現状維持 | 夏帽子バス曲がるまで手を振れり |
7 | 1ランク昇格 | 秋の空ただいま秘密基地跡地 |
8 | 1ランク降格 | 富士もまた見惚れるが如初茜 |
9 | 1ランク昇格 | 学ランの丈長きまま卒業す |
10 | 俳桜①8位 | 次々と酒豪を倒す桜かな |
11 | 炎帝①2位 | 喧騒の溽暑走り抜け潮騒 |
12 | 俳句甲子園①○ | 秋天を抜け百年をゆく飛球 |
13 | 金秋①3位 | 空をひっかく葉先から枯るる |
14 | 1ランク昇格 | 秋天はがれ落ちる人にベンチに |
15 | 冬麗①6位 | 冬青空吉のおみくじの余白 |
16 | 現状維持 | 雪晴れや夢をおろして父になる |
17 | 金秋②予選1位 | 紅葉ふるコントラバスを弾くはやさ |
18 | 金秋②決勝7位 | 秋の雨投函口に残る指 |
19 | 冬麗②予選8位 | 電車吐きたる人人人人人年の果 |
20 | 1ランク昇格 | 春疾風号外の紐ほどきたる |
21 | 炎帝③予選5位 | 粒になるまでみとどける菊花火 |
22 | 金秋③予選3位 | 明日もまた生きるチルド室に葡萄 |
23 | 金秋③決勝6位 | 我だけを停める信号秋あかつき |
▼人物紹介「プレバト!!」では比較的初期から出演し、当時NHKの俳句番組の司会をコンビで務めていたこともあってか、努力が認められて通算7人目の特待生になるが、夏井先生からは発想が平凡であると評されて、厳しく叱られることが多かった。
句の特徴は確かな技術からくる安定感。最近は破調や自由律など定型を崩した奇抜な手法に自ら挑戦している。言葉を詰め込まないで、取り合わせの描写が成功すると評価は高い。
他の特待生に比べると見劣りする印象があったが、俳句甲子園の対外試合企画でツッコミ芸人魂がディベートで炸裂すると評価が一変。まさに石田の活躍がプレバト!!芸人チームの勝利に貢献したといってよい。
また、久々のタイトル戦となる第2回金秋戦では、特待生だけの予選で1位通過を果たす活躍となるが、冬麗戦はチャレンジも虚しく最下位、続く炎帝戦で一物仕立てに挑戦するも予選突破できず、順位の振れ幅が大きい。第3回金秋戦でも予選を通過し、秋にやや強いイメージが付いた。
夏井先生は「頭の良い人。客観的に自分のことを見れた時はバーンと上の方へ行く」と期待を寄せている。
最近は出演が少なく、昇格ペースは1年に一度程度とローペースであるが、久々の一斉昇格試験で見事に1級へと昇格。名人がようやく見えてきた。今後さらなる活躍に期待したいところ。
●[1]お題:鎌倉・あじさいと電車
『空梅雨や線路の砂利ノ白さかな』凡人3位68点
添削後
『空梅雨や線路の砂利ノしらじらと』●[2]お題:京都 中秋の名月
『静けさや月見あげたる影ふたつ』凡人5位53点
添削後
『静けさや月の八坂に影ふたつ』『静けさや月の湖面に影ふたつ』『静けさや月のロビーに影ふたつ』●[3]お題:猿と温泉
『湯の猿の群れの頭に積もる雪』才能アリ1位70点
添削後
『湯の猿の群れや頭に積もる雪』[ここから特待生として査定]●[4]お題:ひな祭り
『身ごもりし娘にゆずる雛飾り』5級で
現状維持添削後
『身ごもれる娘にゆずる雛(ひいな)かな』『身ごもれる娘にゆずる内裏雛』『身ごもれる娘にゆずる古雛』●[5]お題:新緑と高尾山
『新緑の背骨と化せり昇降機』4級へ
1ランク昇格添削後
『新緑の背骨と化せりリフトの銀』●[6]お題:夏の海とバス
『夏帽子バス曲がるまで手を振れり』4級で
現状維持添削なし
発想が平凡で置きに来ていると先生の逆鱗に触れてしまった一句。
●[7]お題:秋の空(特待生のみの昇級昇段試験)
『秋の空ただいま秘密基地跡地』3級へ
1ランク昇格添削なし
●[8]お題:新春の富士山(特待生のみの昇級昇段試験)
『富士もまた見惚れるが如初茜』4級へ
1ランク降格添削後
『富士も見惚れるかまほらの初茜』●[9]お題:卒業式
『学ランの丈長きまま卒業す』3級へ
1ランク昇格添削なし
●[10]お題:満開の桜
『次々と酒豪を倒す桜かな』第1回俳桜戦8位(最下位)
添削後
『酒豪らを酔わせ捩じ伏せたる桜』●[11]お題:海
『喧騒の溽暑走り抜け潮騒』第1回炎帝戦2位添削なし
●[12]お題:子規と野球(俳句甲子園'17延長戦)
『秋天を抜け百年をゆく飛球』審査員11人中7票で開成高校に
判定勝ち添削なし
「飛球」は子規の作った言葉であり、兼題に対し忠実に作った子規に対する挨拶句として絶賛された。
●[13]お題:紅葉
『空をひっかく葉先から枯るる』第1回金秋戦3位添削後
『空をひっかく葉先から枯れる』合計15音の自由律俳句に挑戦した一句。
●[14]お題:ベンチの銀杏
『秋天はがれ落ちる人にベンチに』2級へ
1ランク昇格添削なし
2017年11月月間MVH受賞句●[15]お題:雪と青空
『冬青空吉のおみくじの余白』第1回冬麗戦6位添削後
『冬青空吉のみくじにある余白』●[16]お題:雪晴れの空港
『雪晴れや夢をおろして父になる』2級で
現状維持添削後
『夢にピリオドいま雪晴れの父となる』●[17]お題:
紅葉の絶景『紅葉ふるコントラバスを弾くはやさ』第2回金秋戦予選1位添削なし
●[18]お題:
郵便ポスト『秋の雨投函口に残る指』第2回金秋戦決勝7位添削後
『秋雨や投函口にたじろぐ指』●[19]お題:
年末の満員電車『電車吐きたる人(と)人人人人年の果』第2回冬麗戦予選8位(最下位)添削後
『年の果電車は人を吐く吐く吐く』
季語は「年の果(はて)」。満員電車のネガティブな側面に発想を飛ばし、駅に着いた電車がドアを開けた瞬間に人を沢山吐く様子を「人(と)」を並べる字面で勝負した一句。本人は普段と異なるコミカルな電車を見て年末だと気付く様子を詠んだと語り、東国原名人も「チャレンジは面白い」と評すが、先生は季語を最後に置く語順の判断ミスと、「人」の読み方で誤解を生むと指摘。「吐く」と動詞を重ねることで印象が深くなると添削した。タイトル戦は2度目の最下位に。
●[20]お題:
春の号外『春疾風号外の紐ほどきたる』1級へ1ランク昇格添削なし
季語は「春疾風(はるはやて)」。号外を束ねる紐をほどく瞬間をクローズアップし、配る人の使命感に加えて周囲の人の圧力を感じながら、シュッと素早く紐を取る動きを春疾風と重ねたと語った句。藤本名人は「勢いがあって凄く良い」と称賛し、夏井先生も同調する。「ほどきたる」は完了の意味があり、今ほどいた瞬間という場面になる。「たる」が連体形で後に何らかの名詞が続く形になるが、わざと「たり」と終止形にしないことで、あたかたも春疾風が勢いよく動き出すかのような印象を読み手に想像させる工夫があり、面白い効果を醸し出していると高評価。季語を主役に立てていると褒められ、遂に名人まであと1歩の位置に来た。
●[21]お題:
打ち上げ花火『粒になるまでみとどける菊花火』第3回炎帝戦予選5位添削後
『菊花火のほむらが粒となるまでを』
季語は「花火」で、「菊花火」は菊玉の大粒の花火。打ち上げ花火が最後に開いたとき、空に吸い込まれるように粒になり、この粒が消えていく瞬間が一番好きだと語った。石田の句を期待していた東国原名人は「"みとどける"が説明的。最近芝居ばかりだと相方が証言していた」と俳句への姿勢を暗に批判する。先生は「よく頑張っている」と褒め、季語だけをひたすら描写する『一物仕立て』への難しい挑戦を褒め、特待生大会に提出する石田を評価した。しかし、勿体ない中七は読み手に想像させるべきで、語順を変えて炎を意味する"ほむら"でより映像化し、「を」を補うことで表現。技術レベルが高ければ優勝を争っていたと添えるが、「お前の言い回しは臭い」と後から問題点を指摘する梅沢名人に、「どんな芝居やってんだ!」とツッコまれた。
●[22]お題:
冷蔵庫『明日もまた生きるチルド室に葡萄』第3回金秋戦予選3位(決勝進出)添削なし
季語は「葡萄(ぶどう)」。貧乏な少年時代の思い出へと発想した一句は、貰い物の葡萄の余りを冷蔵庫で保存するが、チルド室に入れたくなるお宝感を表現。"葡萄があれば明日も生きられる"という大袈裟な子の前向きの心情を前半に込めたと語った。梅沢名人は「じじいが喜ぶ」俳句だと褒め、先生は「破調を思い切ってぶつけた」句と評す。前半は、凄く大きな志や悲しみを言うかと思うと、後半の表現で展開が変わり、作者は「勿体ない」と思いつつ半分だけ葡萄を入れたに違いないという"庶民の健気さ"が読み取れると解説。季語は「葡萄」以外の候補もあるが、「知恵の樹」とも呼ばれるイメージを思えば、案外似合っていると評す。自分の心情を正直に表現し、定型を崩す破調を恐れずに用いた大胆な展開を「よく攻めてきた。褒めましょう」と称賛した。浜田や梅沢名人から、4位となる皆藤と順位が逆でも良いと言われる憂き目に遭うが、まさに1年ぶりとなる決勝進出をもぎ取った。
●[23]お題:
歩行者信号『我だけを停める信号秋あかつき』第3回金秋戦決勝6位(次回決勝シード権なし)添削後
『我のみを停める信号秋の暁(あけ)』
季語は「秋暁(あきあかつき)」。朝は時が止まったかのように、自分一人しか交差点にいない状況があり、自分のためだけに信号が動く状況を贅沢だと思い、綺麗な朝焼けに停められているのかもしれないという不思議な感覚を詠んだと語った。「信号を守らない場合もあるかもしれないが」と口を滑らせた一言に浜田が噛みつき、相方・井上が起こしたのっぴきならない事情を釈明する。鈴木光は「とても面白い句。『信号』『秋』『あかつき』と赤の色で畳みかけている。面白い世界観だ」とコメント。先生は「素材が非常に良い」と自身も実感があると語り、何気ない場面を掬って一句にしたセンスを強く褒める。上五は書き言葉の方が格好が良いと解説し、「秋あかつき」の字余りが勿体ないと指摘。5音で締めると一句の背筋が通ると同じ意味の「秋の暁(あけ)」に変えた。季語の響きも非常に凛とした感じになり、こう整えていれば、シュッと順位は上がったと添えた。決勝シード獲得ならずを惜しむ結果に本人は「最後まで迷った。空を見とれた感じを出したくて敢えて字余りにした」と意図を明かした。
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