2019年10月10日放送 プレバト!! 俳句金秋戦決勝結果まとめ
年4回の改変期に選ばれし優秀者のみが参加を許される群雄割拠な争いの俳句タイトル戦・決勝戦。
秋の季節に行われる
第3回金秋戦2019・決勝で名人・特待生の面々が詠んだ俳句を紹介します。
金秋戦予選の詳細はこちら。▼過去大会は以下のページから。
第2回 俳桜戦 / 炎帝戦予選・炎帝戦決勝 / 金秋戦予選・金秋戦決勝 / 冬麗戦予選・冬麗戦決勝
第3回 春光戦予選・春光戦決勝 / 炎帝戦予選・炎帝戦決勝
※タイトル戦データは
こちらのまとめ記事も
[挑戦者]
名人→梅沢富美男[82],東国原英夫[53],藤本敏史(FUJIWARA)[51],村上健志(フルーツポンチ)[39],横尾渉(Kis-My-Ft2)[35],中田喜子[33]
予選通過者→松岡充[14],千原ジュニア[43],石田明(NON STYLE)[23]
予選敗退者(見届け人)→三遊亭円楽、立川志らく、千賀健永(Kis-My-Ft2)、鈴木光、皆藤愛子、北山宏光(Kis-My-Ft2)
番外紹介句→なし
※数字は挑戦回数◎今回からのタイトル戦・ルール ・優勝者にはトロフィー の他、副賞として賞金30万円が与えられる ・決勝で上位5位以内に入ると、次回のタイトル戦の決勝シード権(※)が得られる ※今までは無条件で名人に決勝シードが与えられていた |
●お題:歩行者信号
※順位クリックでリンク内移動します。
1位 | 東国原英夫 | 名人10段★1 | 信号の点滅は稲妻への合図 | しんごうのてんめつはいなずまへのあいず |
2位 | 藤本敏史(FUJIWARA) | 名人10段★1 | 信号待つ騎馬警官の背のさやか | しんごうまつきばけいかんのせのさやか |
3位 | 横尾渉(Kis-My-Ft2) | 名人4段 | 天泣のプラチナ通り檸檬の香 | てんきゅうのぷらちなどおりれもんのか |
4位 | 中田喜子 | 名人2段 | 横断の人波秋光を放つ | おうだんのひとなみしゅうこうをはなつ |
5位 | 千原ジュニア | 1級 | 台風やぐぅわんぐぅわんと信号機 | たいふうやぐぅわんぐぅわんとしんごうき |
6位 | 石田明(NON STYLE) | 1級 | 我だけを停める信号秋あかつき | われだけをとめるしんごうあきあかつき |
7位 | 村上健志(フルーツポンチ) | 名人10段★1 | 廃校の名の信号機秋の蝶 | はいこうのなのしんごうきあきのちょう |
8位 | 梅沢富美男 | 名人10段★3 | 徒歩で行く免許返納秋の風 | かちでいくめんきょへんのうあきのかぜ |
最下位 | 松岡充 | 2級 | 交差点律の調べか通りゃんせ | こうさてんりちのしらべかとおりゃんせ |
[順位発表順] 7位→3位→4位→最下位→2位→6位→5位→8位→1位→編集後記●発表待ちシートにて浜田 さあ、というわけでそして、ちょっとね、今回から。
玉巻アナ 今回のタイトル戦から
新ルールが適用されるんですよね。
浜田 あのやっぱ、この番組がだいぶ世間の方に認知されまして、皆さんのご苦労をヒシヒシと感じてました。というわけで、今回のタイトル戦からわたくし、毎日放送(MBS)の三村社長に掛け合いまして
1位の方には賞金を出します。
一同 お~!スゲー!
浜田 30万円差し上げます。
ジュニア いや、出来たら先に聞いときたかった~。
石田 そうですよ。句作る前に言って下さいよ~。
一同 (笑)
藤本名人 何で変わってくんの。
ジュニア 何にもやることないもん。
浜田 そして、もう1つ。
玉巻アナ はい、
もう1つ新しいルールが適用されます。今までは名人は無条件で予選免除のシード権が与えられていたんですが、
今回から決勝の上位者だけが予選免除となります。
→ランキングシートで1~5位が「シード権」、6~9位に「予選参加」と表示される
玉巻アナ というわけで、5位までが予選免除となります。
浜田 たとえ名人でも6位以下に入りますと、次からは予選からということになります。
一同 ええ~?
梅沢名人 そんなことはね。
浜田 これは賞金もありますから。
ジュニア また貴族がオモロいルール作ったわな~。
一同 (笑)
***
浜田 さあ、まずは名人10段梅沢富美男さんでございます。
→梅沢名人は昨年の金秋戦の覇者。ディフェンディングチャンピオンとして挑む
梅沢名人 今回だけは本当に、
責任をもってこの番組を背負って私参りました。気構えが違いますから。私はこのために御着物を(新調…)。
浜田 あら出た。
梅沢名人 わざわざ大島(紬)ですよ。
※大島紬は約1300年の歴史を誇る奄美大島産の高級絹織物
ジュニア おいくらなんですか?
梅沢名人 まあ、150万円はくだらないんじゃないですか。
一同 ええ~!
梅沢名人 あなた達みたいにね、浴衣に毛の生えた…。
浜田 (かぶせて)名人10段は東国原英夫さんでございます。
玉巻アナ 東さんはタイトル戦の最多優勝経験者で4度も優勝していらっしゃいます。
→2017年春・秋、2018年春・2019年冬を制覇している
浜田 あら~。
東国原名人 ポンチ君(村上名人)止めないとね。
浜田 そうなんですよ、ホントにそうなんです。
東国原名人 STOP THE ポンチ!梅沢名人 はい。
一同 (笑)
浜田 お隣も名人10段はフルーツポンチ村上~!
→村上名人は2019年春・夏と連覇し、番組初の3連覇がかかっている
浜田 どうですか?今の御気分。
村上名人 ホント夢中になって作ってたら、(額縁が)2つあるという…感じなんで。
本当に4枚うめたいです!浜田 いやホンマですよね。
梅沢名人 お前が4枚うめたらこの番組終わるわ!!一同 (笑)
村上名人 そんなことある?
東国原名人 同意。
***
玉巻アナ さあ、今回の査定結果このようになっております。
→順位が書かれたボードを浜田に渡す。
浜田 ……
はい~。玉巻アナ さあ、それではまずは何位から見ていきましょうか。
浜田 予選から参加する方(6位以下)からいきましょうか。
一同 ええ~!ヤダ~。
浜田 次回からね、次回からですよ。
▲7位は村上名人と発表→思わずジュニアが立ち上がって村上名人とカメラが被る
→東国原名人・中田名人・松岡もビックリして立ち上がる
村上名人 え?
浜田 大波乱が起きましたよ。
ジュニア うわ~、メッチャおもろい。
東国原名人 マジで?
村上名人 クソ~。
玉巻アナ 7位。
藤本名人 バカだね~。
→鈴木光もビックリして口を手で押さえる
梅沢名人 村上。良い言葉教えてやるからこれからこれを考えとけ。「
出る杭は波に打たれる」。
浜田 (無視して)さあ、あちらの方へ。
石田 これはオモロいな。
ジュニア オモロい。
村上名人 嘘でしょ。
浜田 村上さんは、次のタイトル戦は予選からということになります。
一同 ええ~!
梅沢名人 予選から回れ!
村上名人 嘘でしょ。
梅沢名人 ホントだよ。
***
浜田 さあ、こちら名人10段はフジモンでございます。
玉巻アナ 藤本さんは2017年の夏以来2年以上優勝から遠ざかっています。
浜田 あ、でも優勝してるんや。
藤本名人 してるんですよ。でも2年前ですか。前回のタイトル戦は3位なんで
復調の兆しがあるかなってのはありますね。
浜田 お隣名人4段はキスマイ横尾!
横尾名人 お願いしま~す。
玉巻アナ 横尾さんは名人になって1年4ヶ月が経過していますが、未だタイトル戦では優勝がない無冠の名人です。
横尾名人 まだないですね。
そろそろ獲りたいですね。
浜田 お隣名人2段は中田喜子さんでございます。
中田名人 よろしくお願いします。
浜田 中田さんどうですか、今日は?
中田名人 やはり上位をね。本当に頑張りましたよ。
浜田 そうですか。
▲3位は横尾名人と発表→次回シード権を獲得横尾名人 よっしゃ~!
藤本名人 横尾ちゃん。
梅沢名人 素晴らしい。
横尾名人 1位じゃないけど嬉しい。スゲー嬉しいよ。
→睨むような目つきの7位村上名人
***
浜田 これもうシード権、横尾君の下4位をみましょう。
梅沢名人 まあシード権もらえるからねぇ。
浜田 ね!
梅沢名人 1位・2位は無理よ!
1位・2位は私か東君だから。
浜田 なるほど。
藤本名人 なるほど。
梅沢名人 だから4位に入ればラッキー。有難い。
▲4位は中田名人と発表
→次回シード権を獲得中田名人 キャー!嬉しい!うわ~、ハハハハ!
浜田 メッチャ、喜んでるやん。
中田名人 (移動して7位の村上名人に)4位ですよ、4位。アハハハ!
→村上名人が睨みつける
浜田 4位なのに。
藤本名人 4位ですからね。
中田名人 でもシード権内ですから。
浜田 そりゃそうや。
よっぽど嫌やったんやな、みんな予選が。
***
→ここからは、シード権なし・ありと交互発表を続ける浜田
▲最下位は松岡と発表松岡 あ~、いや。
浜田 予選1位通過でしたけどね。でも本戦来たんやから。
梅沢名人 そうだね。
松岡 なんかこう…さっきまで幸せだったのに、
めちゃめちゃ突き落とされた。
***
浜田 これ(5人)残ってますけど、どう読みますか?
円楽 案外ね、予選組が行って1つ2つ取るんじゃないかと。で、上位2人(梅沢名人・東国原名人)をちょっと下げてほしい。
浜田 なるほどね。
志らく 10段がいきなり7位になったんですから。
浜田 そうなんですよ。
志らく もう一発10段がドーンと下に行ってみんなを笑わせてほしい。
一同 (笑)
藤本名人 それいい。
浜田 光ちゃんどうですか、このメンツ。ま、誰がなってもおかしくないかもわからん。
鈴木 いや~でも、誰がなっても今度予選で戦うってことなんで、ホントに恐ろしいなって。
浜田 なるほどね。
志らく あ、そうだ。
10段が下に来たら困っちゃう、我々は。
浜田 そういうことです。
志らく じゃあ、やっぱり上位で。
一同 (笑)
梅沢名人 浜田さん。
浜田 はい。
梅沢名人 そんなね、
視聴率のことも考えないで喋ってるやつの意見なんて聞かなくてもいい。今これからドンドン上がって…。
浜田 何でやねん。こっちも今仕事してまんねん!この人ら。
梅沢名人 ドンドン上がってんのよ。
→2位発表に「横見ますか?」と王者を自負する梅沢名人
▲2位は藤本名人
→次回シード権を獲得藤本名人 やった!(立ち上がるが一瞬よろける)
東国原名人 大丈夫か?
藤本名人 2位や!1位より凄いかも。
→凄い形相で睨みつける7位の村上名人
***
→シード権獲得できない6位に「一番悔しいかもしれない」という声も上がる
▲6位は石田と発表石田 モー!1番嫌やったここが。シード権に届かへん!
藤本名人 また予選からね。
石田 つらい。
シード遠いな~。
***
浜田 さあ、残っているのはこの3人(梅沢名人・東国原名人・ジュニア)。
ジュニア これで俺が8位は面白くないて。まず俺はシード権頂いて、どっちが8位やねんが面白いって!
横尾名人 確かに、それが見たい!
浜田 心の声が出てる。
ジュニア そっか、そんなミスせえへんやな。
▲5位はジュニアと発表
→次回シード権を獲得ジュニア よっしゃー!
プレバトが面白くなってるよ!浜田 アハハハ。
石田 ええなあ。
浜田 ジュニア、滑り込んだ。
ジュニア よっしゃ。ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しい。
円楽 一角を崩したぞ。
***
浜田 さあ、というわけで皆さん。残っているのはこの2人。どちらかが1位、どちらかが8位になりますから、(8位の人は)冬は予選からということになります。
一同 えぇ~!
藤本名人 梅沢さん、全然喋らなくなりましたね。
浜田 案外、緊張してるんな。
梅沢名人 いやいや。これはもう。いい展開にしてくれました。これは
視聴率バンガン上がってるでしょ。
藤本名人 バンガン?
梅沢名人 めっちゃ最高の視聴率。
浜田 どちらかが予選からということですから。次の冬はね。
東国原名人 過去何回かこの取り合わせがあるんです。
梅沢名人 あります。
東国原名人 1回も僕勝ててないんです。
梅沢名人 そうなんです。
東国原名人 過去、1位と何位っていうので。1回も僕…。
→昨年の夏・秋で1位と最下位が残った場面、どちらも梅沢が優勝し、東国原は敗れている
(追記:昨年の春も1位か2位かという局面で同様に2名が残り、そこでは東国原名人が優勝した)梅沢名人 でも、東さんが次回予選から出るってこれは大きな視聴率ですよ。
東国原名人 それは梅沢さんですよ。御大でしょ、それは。
▲優勝
は東国原名人、8位は梅沢名人
→東国原名人は次回のシード権を獲得東国原名人 おぉ~!
円楽 (梅沢名人の)優勝額がなくなっちゃった。
浜田 あそこはもうなくなりました。
円楽 ツーペアだ。
浜田 村上と東さんになりました。
→驚愕の結果に一同の悲鳴が止まらない
浜田 はよ立てや!
藤本名人 8位?
浜田 気持ちよく予選から行くんでしょ?梅沢さん。"気持ちよく予選から行く"って言うてたじゃないですか。
梅沢名人 ババァどうなってんだ?コノヤロー!番組の事考えてんのか!?浜田 アハハハ!
梅沢名人 何で俺が8位なんだ?どうなってんだ!***
○それでは順位別に見ていきます
1位
◆『信号の点滅は 稲妻への合図』 東国原英夫◎非常に面白い感覚。関連性のない2つを結び詩を発生。2カットでリズムを締めても良い。番組が育った証拠。
※「稲妻」は秋の季語
【本人談】信号の点滅を見ていると、稲妻に直結しているような体験がある。歩行者用の青信号がパッパッと点滅すると稲妻をイメージする。(村上)ポンチ君が、俳句の世界というか、自分の型を固定化した。小さい世界の句に対抗するには、逆をいかないと勝てない。自分の感性をぶつけた。
夏井先生 非常に面白い感覚の作品。
信号の点滅と稲妻は全く関係ない。
関係ないものを関係づけることに詩が発生する。
このままでも良いが、より
緊迫感を出すなら言葉をちぎっても良いと思う。
全部が続いてく調べだが、一か所切ることも可能。
どちらか良いか作者が選ぶべき。
「信号
は」として、中七の「は」を取る。リズムが締まる。
「信号は点滅」で一回カットが切れる。「は」は指を指して"これは"というニュアンス。
「信号は点滅」をしている。「稲妻への合図」である、と。
いずれにしても、
こういう感覚の作品が出てくるようになったということ。
プレバト!!の俳句のレベルがここまで来たことを喜んでいる。
これから後は、技術と独自性、芸術性を一緒に追究しましょう。
浜田 はい、ありがとうございます。東さん、おめでとうございます。
本人 どうも、ありがとうございました。
浜田 というわけで、優勝は東国原英夫さんでございます。賞金でございます。
→トロフィーと副賞の毎日放送賞の金封を受け取る本人
浜田 おめでとうございました。
添削後(あくまで添削例)
『信号は点滅 稲妻への合図』2位◆『信号待つ 騎馬警官の 背のさやか』 藤本敏史(FUJIWARA)◎気持ちよい確かな句。状況と人物が映像化され背中に焦点を絞る展開も良い。最後に季語が一句全体を包む。
※季語は「さやか」で、秋の澄んだ空気がもたらす爽快感を意味する
【本人談】ニューヨークのロケで馬に乗る警察官を見てカッコいいと思った。その騎馬警官の背中に秋の風が吹いていたという俳句。
円楽 騎馬警官って背がピタッと伸びてる。それと
季語の組み合わせが気持ちよいね。うん、気持ちいい。
梅沢名人 今、師匠が言った通りです。素晴らしい。ようやく戻ったね。
本人 1位ですけどね、ほぼ。
浜田 違う、いやいや。2位や。
本人 実質、優勝ですけどね。だからこれ20万円は頂きたいというのはありますよね。30万ではないです、20万は頂きたいです。
夏井先生 とっても
気持ちよく作れている。確かな句。
「信号待つ」で
状況が一発でわかる。
「騎馬警官の」で人物・馬の姿。しかも、
自分より高い視線にある騎馬警官と馬の映像が出る。
「背」で背中に焦点が集まる。背中の様子をごちゃごちゃ言わない。
「
さやか」と季語でまとめる。この
展開が非常に確か。
「さやか」は映像を持たない時候の季語。先に映像をきちんと作り、最後に映像が全体を包む感じ。
きっちり作れた良い句。直しはいらない。
本人 あ~嬉しい。
添削なし3位◆『天泣の プラチナ通り 檸檬の香』 横尾渉(Kis-My-Ft2)◎オシャレな句。色合いの取り合わせが良く下五も想像が膨らむ。「泣」が恰好つけ過ぎキラキラ感を削いだ。
※「天泣(てんきゅう)」とは天気雨のこと。この信号が東京都港区白金台の「プラチナ通り」にあると想像した一句。
【本人談】プラチナ通りを歩いていると急に天気雨に遭うが、すぐに晴れた。雨の光とプラチナ通りのイチョウ並木の黄色の光が綺麗だと思った。疲れて休憩しようかと思ったときに、近くのカフェから檸檬の香りがしたという句。
志らく イチョウから黄色でレモンを持ってくる。ホントにもう、アイドルの鑑(かがみ)みたいな。画が全然この2人違いますね(笑)。
→7位に沈んだ真顔の村上名人と笑顔の横尾名人を比較して皮肉を述べる
ジュニア 廃校や!廃校がおる!
→7位の村上名人の俳句の節をいじるジュニア
夏井先生 良いですね。こんな
オシャレな句を作るのは誰だろうかと思った。
「プラチナ」(銀色)と「檸檬」(黄色)の
色合いの取り合わせも綺麗。
どこからともなく檸檬の香りがしたのか。
レモンティーか、レモンパイか。どういう風に想像しても良い。
「お天気雨」と「プラチナ」の"キラキラ"、「檸檬の香」と綺麗に並べてきた。
勿体ない点が1つだけ。これを変えると順位は変わったかもしれない。
「天泣」はカッコいい言葉だが、
「泣」という字がオシャレな明るいキラキラ感を削ぐ。
浜田 「天気雨」で良いんですよね。
夏井先生 その通りです。誰が言ったのか。
→スタジオから「凄い」と浜田に拍手が送られる。
ジュニア 次回参戦か?次回参戦や!
浜田 やめろ、お前。
藤本名人 天才や!
浜田 やめろ!
藤本名人 俳句の天才や!
浜田 やめ!
夏井先生 こういう所で、
恰好つけすぎると逆に損をする。
「
天気雨の」と上五を変える。中七までで大きな光景、下五で嗅覚。
きっちり
型を押さえると失敗が少ない。よく勉強している。
本人 ありがとうございます。
浜田 あ~直されるとね。
本人 そうですね、背伸びしちゃいましたね。素直に今回は書きたいと思います。
浜田 (7位で不貞腐れる)村上さんは…大丈夫ですか?
村上名人 まだちょっと、立ち直れてないです。汗めっちゃ出てきて。
藤本名人 そんな汗かく?
石田 高熱の子どもの汗みたい。
一同 (笑)
[ここがポイント]言葉のイメージを大切に
※5音の季語+12音のフレーズを取り合わせるのが俳句の基本形の1つ。横尾名人の句は基本形を忠実に実践し成功しています。ただ上五「泣」の一字は、一句の明るくオシャレなイメージを壊すので、シンプルに「天気雨」とするのが良いでしょう。
添削後
『天気雨の プラチナ通り 檸檬の香』4位◆『横断の人波 秋光を放つ』 中田喜子◎類想が認められるが比喩の文脈で詩のエッセンスを振りかけた。即位礼のイメージも後半の強い言葉で伝わる。
【本人談】10月22日に天皇陛下の『即位礼正殿の儀』が行われる。皇居周辺の交差点に発想を飛ばした。
夏井先生 「横断の人波」で
交差点であることや人の動きを描いている。
ただ、
横断の人波に季節の光を当てる・配するという句は他にも見かける。
しかし、人波が秋光を放つかのようだという
比喩の文脈に持っていった。
「秋光を放つ」で
詩のエッセンスを振りかけている。とても良く工夫している。
話を聞いて、
即位の礼をイメージしたから後半の強い言葉が出てきたと納得した。
これだけのことを句またがりの型でぶつける。これはある程度
力がないと出来ない。
そこは強く褒めていい。
これは直したらバランスが崩れるので直さなさい。
添削なし5位◆『台風や ぐぅわんぐぅわんと 信号機』 千原ジュニア◎オノマトペだけを信じた。下五は想定内だが実感できる。中七で真実味と独自性を成立させ音と動きを映像化。
【本人談】これはもうそのまま。台風でぐぅわんぐぅわんと信号機。
※中七の発音は「ぐわんぐわんと」で統一
夏井先生 今年は台風の大変な被害が出た年だった。
その足跡として、
こういう句が残るのも1つの意味がある。
オノマトペ(擬音)だけを信じて一句を作ったタイプの句。
「台風や」と強調して「ぐぅわんぐぅわんと」と出ると、ここからの展開を読み手は勝手に考える。
台風と全く関係ないものが出てくるか、ぐぅわんぐぅわんとしているものが出てくるかと。
「信号機」は
想像できる範囲にあるが、言われてみないとなかなか思わない。
誰でも使うようなオノマトペでは独自性がなく、全然使い物にならない。
だからといって、すごく音を飛ばすと誰にも伝わらない。
リアリティー(真実味)とオリジナリティー(独自性)の両方がないとオノマトペは成立しない。
これは
良い音を持ってきた。このオノマトペは、
音だけでなく動きと映像を読み手に見せている。
こういう勝負の仕方をするのは誰だろう?と思っていたらこの人だった。
直しようがない。直せません。
本人 ありがとうございます。
浜田 さあ、名人村上さんどうでしょう?
村上名人 「ぐぅわんぐぅわん」ねぇ。いいなあ~。
一同 (笑)
本人 めちゃくちゃ嬉しいわ。
→うずくまる村上名人
添削なし6位◆『我だけを 停める信号 秋あかつき』 石田明(NON STYLE)◎素材が非常に良くセンスを褒めたい。下五の字余りが勿体ない。定型にして一句を締めて凛とした感じを出す。
【本人談】朝のごくまれに時が止まったかと思うほど、誰も人が歩かずに車もいない交差点に自分だけが動いている状況がある。僕のためだけに信号が動いている状況で、「贅沢やなぁ」と思い、普段なら信号を守らないかもしれない(※1)が、朝焼けが綺麗で信号に止められているのか、空に止められているのかという不思議な感覚を詠みたかった。
※1
浜田 えっ!?
石田 井上の件もあるから言いにくいんですけど。
***
鈴木 とっても面白い俳句だなと思って、「停める信号」で赤色が連想されて、「秋」も紅葉の赤だったり、「あかつき」を畳みかけてくるという。全部が真っ赤だなという面白い世界観だなと。
夏井先生 素材が非常に良い。こういう経験は私自身もある。
それを掬って一句にしようとするかしないか。
センスの部分でとても褒めたい。
「だけ」でも良いが、書き言葉で「
のみ」とするとカッコよくなる。
最後に
「秋あかつき」の字余りが勿体ない。ここを
ピシッと5音で締めると一句の背筋が通る。
「
秋の暁(あけ)」だと同じ意味になる。最後ピシッと締まる。
「秋の暁」の
響きも非常に凛とした感じになる。
整えてくれれば、シュッと順位は上に行った。
本人 「秋あかつき」は最後まで迷ったんですよ。何にするかっていうので、
空を見とれてしまった感じを出したくて敢えて字余りにしたんです。それが多分上手くいかなかったと。
浜田 名人村上さん、どうですかこの句?
村上名人 いや、でも~。どっちにしろ次予選ありですもんね。
本人 うるせぇ!
一同 (笑)
添削後
『我のみを 停める信号 秋の暁(あけ)』7位◆『廃校の名の 信号機 秋の蝶』 村上健志(フルーツポンチ)◎上五が交差点にある地点名標識と読み取るのに時間がかかる。捨て石の動詞「残る」で読み手に伝わる表現を。
【本人談】自動車用信号に地点名標識のつく場合がある。既に無くなった学校名が書いてある信号機があるが、学校はないが地名として残っている所に寂しさと嬉しさを感じた。「秋の蝶」に寂しさも増すが、蝶の持っている希望があり、どちらでも読めるという句。
鈴木 凄くまとまっていて上手だと思う。「秋の蝶」「廃校の名」が両方強すぎて、どちらに焦点を合わせて良いのかちょっと戸惑う印象がある。
梅沢名人 こんなもの、いちいち私が言うことないでしょ。お前7位だもんな!7位の俳句だから、これ。何言ってんだか分かんねえわ!「秋の蝶」がどこにいたんだ?
本人 交差点とか信号機のある場所でしょ!
梅沢名人 「秋の蝶」がいたのか?
本人 はい。
梅沢名人 アハハハハハハハ。
夏井先生 やろうとしたことが最終的に悪いわけではない。
パッと読んだときに、
意味をとるのに少々時間がかかる。
「廃校の名の信号機」とはどういうことか?少し考えて、信号機の傍にある「△△小学校前」とか、交差点の名前か?と色々考えてジワリと近づく。
意味を受け取るまでの時間がかかり過ぎる。
最終的に
「秋の蝶」が見上げる視線の中に入ってくる。この感じは決して悪くない。
一読して意味がスッと読み手の脳に構築されるか?
小さな技術的な問題。
「信号"機"」まで言おうとしたから、このチョイス(選択)しかなかったんだろうと思ったが、
"機"を諦めると割とスルっと行く。
「廃校の」で上五になるが、「の」を消して「廃校
名」で上五を作る。
普通はいらない動詞だが、「
残る」と敢えて書く。「信号秋の蝶」と続ける。
「残る」のおかげで意味が読み手に入ってくる。
ただ、
「残」「廃」が障ると判断する人もいるが、「残る」は捨て石として働き意味を分かりやすくする。
そういった小さな技術の問題だった。やろうとしたことは悪くない。
本人 (不貞腐れ気味に)もう1回やらせてください。
浜田 え?まあまあ、次回は予選から。
梅沢名人 もう1回やればよい。
本人 マジで。予選からはヤメて下さい。それだけはお願いします。
一同 (笑)
浜田 それは仕方ない、新ルールですから。
梅沢名人 そうそうそう。
本人 あと、春夏(連覇)の分の30万も下さい!
ジュニア 最低やな!お前。
浜田 こっからや!こっからやから。
ジュニア 300円やるわ!300円。
添削後
『廃校名 残る信号 秋の蝶』8位◆『徒歩で行く 免許返納 秋の風』 梅沢富美男◎俳句でも急に増えた発想。取り合わせはハードルの高い挑戦。上五は芸がなく面白みがない。調べで独自性を。
【本人談】「徒歩(かち)で行く」。この言葉を知ってんのは芸能界で私だけ。時代劇で使う言葉。皆さん、よく覚えときなさい。こういう国語を知っているのは私だけ。長男で80歳になる梅沢武生が、「お前は今芸能界一の人気者だ。CMも一杯やっている。俺がもし交通事故でもしたらお前の名前に傷がつく。免許返納してくるよ」と。返納後に車で送り迎えをした時、その兄から「ちょっと歩いてくる。歩いたら清々しかった」という言葉を聞いてこれでいこうと。
本人 え?こんな良い句がなんで村上の下なんだ?オレ。東国原名人 良い句ですよ。最近の社会事情を非常に切なく詠っている。「徒歩(かち)」っていうのが、ちょっと僕には読めないですね。
浜田 そうですね。
東国原名人 「御徒町(おかちまち)」の"かち"。
本人 俳句だから。みんなが読めりゃいいってもんじゃないでしょ!え?
志らく でも、御大の望み通り数字(視聴率)が上がってます。
浜田 そうですね、そうですね。
夏井先生 何だかギャーギャー言ってる。
高齢者による悲惨な事故が昨今あるため、免許返納を呼びかける声も上がっている。
俳句の世界でも「免許返納」の4文字を使った句が急に増えている。
時代を映すのも俳句。使ってはいけないとは全く思わない。
ただ「免許返納」はこれだけで7音ある。どこかに季語が大体5音入る。
勝負をかけるのは残りの5音しかないことになる。そういう言葉を選んでいる。
どうやって独自性を出すか。
結構ハードルの高い所に挑んでいることになる。そこは褒めて良い。
その勝負所が
「徒歩で行く」はあまりにも芸がない。
本人 んん?
夏井先生 「徒歩(かち)」はお芝居の世界だけでなく、俳句でもよく使う。
「徒歩遍路(かちへんろ)」は歩いていくお遍路の旅。
「徒歩裸足(かちはだし)」は裸足のこと。
本人が思っているほど、気取っているわけでもなく、面白いわけでもない。
免許返納の句はこの時代に量産されている。敵わない。太刀打ちできない。
せめて
語順を変える。
「秋風
を」。「を」は経過していく時間や場所を指す助詞。
「徒歩」の「徒」は不要。「で行く」もいらない。
本人 ん?名人の句。バタバタ切るなよ!
夏井先生 黙れ!やってんだから、私が。
「
歩きて」くらいで良い。「免許返納
す」と軽く押さえるだけ。
これで少し調べに独自性が出る。
元々の素材に類想感があるため、
直した所で予選免除には届かないと思う。
観客 え~!
藤本名人 直したとて…。
本人 俺が
次回出なかったらどうなる?俺が予選から出なかったら番組は終わるぞ!夏井先生 番組は終わらないと思います。
一同 (笑)
添削後
『秋風を 歩きて免許 返納す』最下位◆『交差点 律の調べか 通りゃんせ』 松岡充◎短調の調べを示す時候の季語がマニアック。「か」が下五を説明してしまい季語が損。語順を逆にすれば良い。
※季語「律(りち)の調べ」は琴などの調子・秋らしい趣のこと。
【本人談】交差点を人生と見立て、横断歩道でいつも「♪通りゃんせ」の曲は鳴っている。たまたま、人生の交差点を考え、秋に聴いた「通りゃんせ」が身に沁みて人生の曲がり角を曲がるのか、進むのかをふと考えたという。
皆藤 確かにあの曲を思い浮かべると秋っぽいような感じがするので、すごく分かる感じがします。
夏井先生 よく
マニアックな季語を持ってきた。誰だろうと思っていた。
「律の調べ」は秋の時候の季語で、短調の調べのような秋ということになる。
「か」が「通りゃんせ」の説明になっている。
通りゃんせは律の調べかなという文脈になる。
季語としての働きが愕然と損をする。
語順を入れ替え、1文字変えると、時候の季語として少しだけ顔を上げることになる。
「通りゃんせ」から始める。
子どもたちが遊んでいるのかもしれないと読み手は思う。
「律の調べ」へ続く。季語と知っていれば、秋を思い浮かべる。
「
の」と変えて「交差点」に着地する。短調の調べのような秋の交差点。季語になって映像に近づく。
交差点ならあのメロディーだと最終的に分かる。
これだけ変えていれば、順位はシューンと上がっていた。
本人 ホントもう時代は変わりつつありますよね。
浜田 何?
本人 いや、あれだけ変えてればシューンと行くんですよね。
浜田 あぁ、そうね、そうね。
本人 やれる俺!
添削後
『通りゃんせ 律の調べの 交差点』***
浜田 さあ、じゃあこちら、6位から以下の4人には、次回冬は予選からということで、よろしいでしょうか。
梅沢名人 …すみませんね。
芸術性も独自性もなくて。
一同 (笑)
浜田 めっちゃキレるやん!
編集後記今回の決勝のお題は歩行者信号。街中の一点に目を付けるという意味では猛暑日の35℃の電光掲示板と似ている感じでした。そのため、描写力は当然ながら、どこまで発想を飛ばすかが勝負所という印象を受けました。
1位は5度目のタイトル戦制覇となった東国原名人。やや散文的な流れにも思いますが、破調も決まっており高評価でしたね。「稲妻」から夜の時間帯への展開と雨を匂わす感じはゾーン状態の村上名人をも思わす発想で、夏井先生は天候の季語を上手く使うと大変評価が高いように感じました。
2位は前回3位と好調になりつつある藤本名人。グーグルアース俳句が決まり、中七の単語が個性的でした。最後に季語を持ってくる展開も良く、かつての「肩車子の鼻先に触れる梅」と同じような展開に思いました。「さやか」の季語は先生の添削例でも3例見られますが、「秋の風」と言わない工夫も良く梅沢御大の言葉通り調子が戻った印象を受けました。
3位は無冠の名人と呼ばれている横尾名人。プラチナ通りの目の付け所はさすがですし、個人的には添削前の方が良いように感じました。「泣」の字に涙を連想させ、それが光を反射させる印象と"プラチナ"の輝きと重なるように思ったからです。また、下五の「檸檬の香」と嗅覚に持ってきたところも高評価を受ける常套手段になりつつある感じでしょうか。
4位は決勝で最高順位となった中田名人。「秋光を放つ」がやや漠然な感じもありますが、夏ではなく秋の光という事をどのように読み手が受け取るかに深みがある一句でした。即位礼の儀式とは最初全く分かりませんでしたが、人波から光が放たれるというだけで、カメラワークを想像できる点が面白いですね。
5位は5回連続で予選を通過したジュニアさん。台風への発想はベタな印象もありましたが、中七のオノマトペが独特でした。表記では「ぐぅわんぐぅわんと」となっており、発音上では7音となってますが、表記上は9音ですので、ここをどうとらえるのか迷いますね。昨今は台風で被害を受けることも多く、信号機が強風で揺らされることも珍しくなくなってきました。台風被害を経験した立場から詠む俳句も記録として残す意味で大切かもしれませんね。コメントもいただきましたが、発表の文字は確かに達筆な印象で、書くペンを変えたのかとも思いました。
ここまでが次回シード権を獲得。10段2名を含む4名人と1特待生が冬麗戦では予選免除となります。
6位は残念ながら石田さん。センスが毎回良く、自分1人だけが交差点にいるという状況に詩があるように思いました。予選の句もそうですが、石田さんは強調表現や限定表現を用いることが多く、「我だけ」は下手すると言葉の無駄を指摘されますが、ここでは成功していました。最後の季語も良く、赤信号ではなく赤い空が止めるのではないかという部分も面白いと感じました。
7位はまさかの村上名人。描写力はやはりさすがですが、明暗が入ると上手くいく印象で、今回は「廃校」と「秋の蝶」。その意味ではかつて詠んだ「林道の朽ちし廃バス額の花」と同じような展開でしたが、確かに内容を取りにくかったのが残念でした。七五五のリズムも意味を分かりにくくした原因だったかもしれません。しかし、次回は予選からとなるため、2句見れるチャンスです。奮起していただきましょう。
8位はこれまたまさかの梅沢御大。タイトル戦では平凡な句で失敗しても4~6位と中堅安定の順位だったため、過去最低の8位は意外でした。「免許返納」の発想は悪くないと思いましたが、策に溺れたのか「徒歩(とほ)」を"かち"と読ませる必要性は感じませんでした。季語「秋の風」の後ろめたさとも合い、技術的にはあまりマイナスでもなさそうでしたが、類想が多いという指摘は俳句をたくさん見ていないといけないため、王道を行く梅沢名人にとっては高いハードルに思います。次回の予選はどうなるのでしょうか。
最下位は予選トップ通過の松岡さん。「通りゃんせ」で聴覚・メロディーから発想する感じはやはりミュージシャンだけありますね。ある意味最も今回の兼題写真を描写しているように感じました。「か」とした点だけが勿体なかったのですが、「や」とすると三段切れとなるため「の」しか選択がとれないようにも感じました。普段のタイトル戦なら最下位になるような句ではなく、全体的なレベルの上昇を感じました。
さて、今回のタイトル戦では特筆すべき点が2点あるように思いました。
1点目は「ルール変更」です。その1つが"決勝シード権"。今回から名人ではなく、上位5名に次回のタイトル戦でシード権を与えるという物になりました。なぜこうなったのか?色々考えましたが、以下の3点があるように思いました。
①横尾名人の「査定で現状維持なら予選から参加する」という発言の影響
②1級が5名もおり、今後名人の数が増加することとの関係
③予選は通過・敗退と二分されるプレッシャーがあるが、そのプレッシャーを決勝にも導入した
上記の①③は字面通りですが、②について。現在名人は6名ですが、番組のランキングシートは最大でも9名までしか横一列に座れないので、予選通過枠は3名でした。名人の数がこれ以上増えますと、予選通過枠がなくなるため、今回の決定に至ったんだと思います。
また、ルール変更の2点目に賞金30万円の贈呈が追加されました。賛否両論はあるかと思いますが、凄い大金でもなく、賞金が出る大会もありますし、むしろ導入が遅いくらいです。おそらく、過去の優勝分の清算について、最多優勝の東国原名人が発言し、千賀さんものってくるのではないかと予想していましたが、そこはまさかの村上名人でした。ただ、ルール変更とも関係しますが、ネックとなるのが予選・決勝と二部構成に分かれていることです。タイトル戦導入当初は特待生も少なく、「段位関係なしの一発勝負」がコンセプトでしたが、もうすでにそういう印象ではなくなってきています。今回は紹介がありませんでしたが、昨今のミッツさんのように、予選敗退しながらも決勝で披露するはずだった句が仮に優勝に匹敵する場合にはどうなのでしょうか。夏井先生がつけた順位はあるはずで、予選敗退したから決勝で1位になるはずの句に賞金を与えられないならば、少しおかしいようにも思います。こうなると、2位・3位の副賞や番外賞なども検討すべきかもしれません。
特筆すべき点の2点目は先生の順位の付け方が今回はいつもと異なっていたことです。過去の大会は基本的に、添削なしが上位にきて、発想は良くても添削される場合は下位にくるのが通例でした。コメントもいただきましたが、1位の句にも添削例が示されましたし、予選敗退となった北山さんは6位でありながら添削なしとなりました。これは、先生の評価軸が変わったことを意味します。最後におっしゃってましたが、映像描写があるのは当然のことで、独自性と技術点がどうなのか。その両方で採点されていたと思います。個人的には、全体的に予選からレベルが高く、誰が優勝してもおかしくないようにも感じました。このタイトル戦は芸能界俳句王決定戦夏井杯のような印象ですが、選者が違えば違う人が優勝するくらい僅差な戦いになってきています。それだけ番組も成熟しているのではないでしょうか。次回は名人10段の2名も予選から参加しますが、どうなるのか楽しみです。
- 関連記事
-
スポンサーサイト