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20190926 プレバト!!俳句紹介【運動会】

2019年9月26日放送 プレバト!!
出演者が詠んだ俳句を紹介します。
◎は講評の50字要約です。

挑戦者→宮田俊哉[15],増田惠子[3],髙田万由子[5],中澤佑二[初],錣山矩幸(寺尾)[初],村上健志[38],ミッツ・マングローブ[25] ※数字は挑戦回数

●お題:運動会
親子リレーでお父さんが転ぶ様子が映る写真

※番号クリックでリンク内移動します。
 1 才能アリ1位70点宮田俊哉
(Kis-My-Ft2)
運動会父とお揃いバンソウコウうんどうかいちちとおそろいばんそうこう
2 凡人2位60点増田惠子
号砲の音消す鼓動燃ゆる秋ごうほうのおとけすこどうもゆるあき
3 凡人3位55点髙田万由子
秋晴れや抜け抜け抜かせ勝て我が子あきばれやぬけぬけぬかせかてわがこ
4 凡人4位50点中澤佑二
朝五時に場所取り並ぶ運動会あさごじにばしょとりならぶうんどうかい
5 才能ナシ5位10点錣山矩幸(寺尾)
ドローンからもみじと思えば運動会どろーんからもみじとおもえばうんどうかい
6 2級へ1ランク昇格ミッツ・マングローブ
秋声に褪する石灰最終種目しゅうせいにあするせっかいさいしゅうしゅもく
7 名人10段★1へ
1つ後退
村上健志
(フルーツポンチ)
リレーバトン空のケースにいぼむしりりれーばとんからのけーすにいぼむしり
→編集後記

◆発表待ちシートで
→分布は才能アリ1名、凡人3名、才能ナシが1名と発表
浜田 先生、今回の皆さんの出来はいかがでしたでしょうか。
夏井先生 最下位が酷すぎる。もう誰だろうって思って、顔1人1人じーっと見てました。
浜田 誰や?この最下位!(笑)。
村上名人 凄くひどいって言ってたからなぁ。
浜田 1人だけ!
***
浜田 けいちゃん、どうでしたか、このお題?
増田 難しかったです。
玉巻アナ 増田惠子さんですが、過去2回の成績は1位・2位ととても優秀でして、周囲の皆さんからとても褒められたそうです。
浜田 成績良かったんじゃないですか。
増田 そうなんですけど。ちょっと、プレッシャーです。
浜田 なるほど。
***
浜田 親方は…俳句ですけど。
親方 俳句はもう小学校くらい。その時は国語の先生に凄く褒められました。
→錣山(しころやま)親方は抜群の女性人気を誇った元関脇寺尾
玉巻アナ 力士の方々の過去の成績なんですが、御嶽海関が才能アリ1位を獲られています。
御嶽海が才能アリ1位71点、安美錦が凡人2位65点、嘉風が凡人4位50点、豊ノ島が才能ナシ8位30点
親方 豊ノ島を越えられるように頑張ります。
浜田 そういうことですね。
親方 1人越えておけば、親方としてのメンツは保たれる
一同 (笑)
***
浜田 言うても、元アスリート。
中澤 簡単でしたね。
→中澤は元サッカー日本代表、今年1月に現役を引退した
浜田 あ、そう。
中澤 運動会といえば、体を動かしますから。
浜田 お前、(顔が)おはぎくらい黒いな。
一同 (笑)
▲凡人2位は増田
増田 ええ~!60点?
浜田 60は高いですよ。
増田 ちょっと、残念でした。
***
→東大出身の高田万由子は「特待生候補」として紹介
玉巻アナ 髙田さんは過去4回中3回才能アリを獲られまして、特待生への期待も懸かっています。
髙田 特待生になりたいですね~。
浜田 なってもおかしくないですよ。成績的には。
髙田 今日はちょっと変化球できちゃったんで、わからないんですよ。故意にやったことが裏目に出るかどうか。
***
浜田 さあ、宮田は?
玉巻アナ 俳句のコーナーに15回以上出ていて、特待生になれていないのは宮田さんと二階堂さんだけです。
浜田 お前、ええ加減にせ~よ。
宮田 最近、二階堂と2人で飲みに行って、「全然俳句分かんねぇな」って言いながら…。
一同 (笑)
▲凡人4位は中澤
中澤 おお~、ありがとうございます。
→浜田は不満気な顔で微動だにしない
***
▲凡人3位は髙田
浜田 ここで来た。あなたが1位じゃなかったらどうなるの、これ?
髙田 私は…違う。才能アリか才能ナシのどっちかかなって思ってたのに(笑)。
浜田 これはなかなかの残り方。
親方 相当キツイっすね。
宮田 キツイっすね、相当キツイっすね。
一同 (笑)
***
浜田 さあ、残っているのはこのお2人。親方、ちなみに今の3人さんの見ててどうですか?
親方 自分は、中澤さんと同じやつをイメージしたんですよ。
浜田 あ~、なるほど、なるほど。
親方 それで、あれだけボロカス言われたじゃないですか。
宮田 でも親方、僕もちょっと似てるかもしれないです。
一同 (笑)
親方 ええ~?
宮田 そのテイスト、似てるかもしれないっすよ。
浜田 ああ、そう。
▲才能アリ1位は宮田、才能ナシ10点の最下位は錣山親方
宮田 おお~!やった~!
浜田 親方…10点って。
村上名人 めちゃくちゃ怒られるやつ。
浜田 親方のはちょっと分からないですよ、あの点数。
親方 明日からどうやって指導していこうかと…(笑)。
浜田 いやいやいや。
親方 苦しい立場に追いやられました。
***

◎それでは順位別に見ていきます

◆1位 才能アリ70点 宮田俊哉(Kis-My-Ft2)
運動会 父とお揃い バンソウコウ
◎物に焦点を絞ったのが成功。季語が主張し始めて読みが広がる。下五を漢字にせずに可愛らしさも出た。

【本人談】
兼題写真を見て、お父さんが怪我している。この後どうするのか?と考えたときに、絆創膏を母が貼ってくれたりして。息子と同じところ(膝)に絆創膏を貼っていれば可愛いと思った。

夏井先生 1位があなただったなんてビックリ
本人 ありがとうございます!
夏井先生 
「バンソウコウ」という物に焦点を絞ったのが成功の一番大きな理由
絆創膏を父と一緒に貼っている状況を言うだけで、「運動会」という季語が主張し始める
父が転んだ時の様子や、一緒に貼って”お揃いだね”って親子で照れている感じなど。
運動会の場面(前者)と、運動会後の場面(後者)を一緒に想像させる。物に焦点を当てた一番大きな効果
あえて「絆創膏」と漢字で書いていない。漢字で書くと重い気分になるため、片仮名で書くことで可愛らしさも出た
直しはいらない!

本人 やった~!嬉しい!ありがとうございます。

添削なし

◆2位 凡人60点 増田惠子
号砲の 音消す鼓動 燃ゆる秋
◎出だしと中七の臨場感は作者の意図通り。下五が闘志の意味なら陳腐。最後に緊迫感がくる語順に展開する。

【本人談】
リレーのスターターが鳴らすピストルの音を待つ場面で、今から走る自分の鼓動の音の方が凄く大きい気がするが、心は燃えているような。「燃ゆる秋」っ浮かんだ時に掴んだ!と思った。

村上名人 「燃ゆる秋」なの?って思ってます。
ミッツ 「号砲」と「音」は重ならない?
村上名人 ああ「号砲の音」も重なるのか?

夏井先生 
2人とも偉い。「音」をミッツさんが呟いた。ここも大事。
まず「号砲」。合図のための鉄砲の音。何か競技が始まると分かる。
音消す鼓動」で緊張感だと分かる。ここまでは作者の意図が言葉になっている
勿体ないのは「燃ゆる秋」とんでもないのを掴んでしまった
「燃ゆる秋」は紅葉を思い浮かべる人が出てくる
この句は紅葉が燃えるわけではないため、”闘志を燃やす”と思うとやや陳腐な感じになる。ここが勿体ない。
「燃ゆる」さえ掴まなかったら何とかなる。
全部を読むと運動会を想像してくれる季語から始める。運動会の空で「秋晴(あきばれ)」とする。
「秋晴」とし「号砲」と助詞を変え、「音」を消して「消す」につなげる。
最後は「我が」と念押し。着地の「鼓動」で、最後に緊張感・緊迫感が来て一句が締まる
これで問題なく才能アリだった。

本人 言われてみればそうですね。何も掴んでなかったです。

[ここがポイント]
ふさわしい季語を探す
※「燃ゆる秋」だと運動会ではなく、紅葉をイメージしてしまいます。自分の描きたい光景にふさわしい季語は何なのか、歳時記をめくれば正解が必ずあります。

添削後
の 号砲消す 鼓動

◆3位 凡人55点 髙田万由子
秋晴れや 抜け抜け抜かせ 勝て我が子
◎季語からの展開は良く明瞭だが力を入れすぎた。中七の躍動感のあるフレーズは活かして競技を明確にする。

【本人談】
100人が100人、運動会で子どもが走っている所で親が「抜け!抜け!」と言っている臨場感や躍動感を出したかった。「抜け抜け抜かせ」がポイント。

夏井先生 
「秋晴れや」からの展開は悪くない
分かりやすく書いてある。ただ、力入り過ぎ
本人 だって、力入るもん。はははっ。
夏井先生 
入るけど、入るにもほどがある
17音しかないので、ここまで書かなくとも世の中の親は共感してくれる
本人 なんかこう、リズムを作りたいというか、走っている感じの躍動感を出したかった
夏井先生 分かった。中七を活かす。
運動会でも色んな種目がある。リレーなんですね?
本人 これ、リレーなんです。
夏井先生 
それを入れた方が、絶対に臨場感が出る。
リレーなら、バトン持って走ることで映像がハッキリする。
「秋晴れ」の「れ」は俳句では不要。「秋晴のリレー」で種目が出る。
「抜け抜け抜かせ」を使いたいなら使う。となると「勝て」は当然要らない
「我が」を1音で「吾(あ)」とし、「吾子」とする。
「吾子~」と最後に叫んで終わる。
こうすれば、しつこさが少し減るため、順位は上になる。

添削後
秋晴 抜け抜け抜かせ

◆4位 凡人50点 中澤佑二
朝五時に 場所取り並ぶ 運動会
◎運動会の時期に日本中の親が作る凡句。本当に迷惑。情報が詰まっているため人物情報しか添削できない。

浜田 はい、ありがとうございました~
→本人談を語らせてもらえない(語ったはずだが全カットに)
浜田 いやいや、もう…聞いたら分かった。
一同 (笑)

村上名人 もう~、良かったです。中澤さんで。他の人だったらあまり強く言いたくない(笑)。それほどやっぱ酷いんで。
本人 えっ?
村上名人 いやだから、これを俳句にする意味がどこにあるんだ!「朝五時に場所取り並ぶ運動会」なんでしょ?これに何の詩があるんだよ!
→厳しい口調の村上名人だが、浜田や本人は終始笑う
村上名人 運動会のあるあるを五七五に収めました、それだけ。こういうことヤメてくれよ!
一同 (笑)

夏井先生 本当だよ、ヤメてくれよ!
本人 そんなん、言わんといて下さいよ。
夏井先生 
「運動会」「場所取り」「朝五時」。この発想が今回のキング・オブ・ザ凡人
運動会の季節になると、日本中の親がこういう句を作る
どうするかだが、この3つの要素は捨てられない。
褒めてるんじゃないですよ!
本人 違うんですか?
夏井先生 
情報として、これらを削ると本人の言いたいことが全部なくなる
捨てられるのは、説明の「並ぶ」と上五の「に」くらい。
4音で何かやらないといけない。本当イヤなの、迷惑。こういうの。
本人 えっ!
夏井先生 
「朝五時」とし、「場所取り」。今、”お父さんが取る”と言ったのでそれを使う。
→本人談では語っていたらしい情報を使う先生
は父」とつなげると、助詞「は」によって、父”は“場所取りに行きますが、母”は”お弁当を作ってんじゃないかと。イメージが少し膨らむ。
やれるのはこれぐらい。これ以上は無理

一同 (笑)
本人 反省として、次回また
浜田 お!
村上名人 出ようとしている。
浜田 出る気やん。
本人 あははっ。ダメですか?

[ここがポイント]
類想にご注意を
※他の人と似た発想の句を避けるには、思いついた発想を他の人と被っていないか、疑うことも大事。いくつも発想を膨らませ、吟味することを常に心がけましょう。

添削後
朝五時 場所取り 運動会

◆最下位 才能ナシ10点 錣山矩幸(寺尾)
ドローンから もみじと思えば 運動会
◎貴方だったんですか。上五は説明的。諸悪の根源は中七で読者を奈落の底に。空撮からの競技の様子を明確に。

浜田 ふふっ。
村上名人 ん?
本人 何で笑われるんだろう。

【本人談】
ドローンは高い所から映る。運動会だと、レジャーシート・パラソル・子どもたちの帽子。そういうものが動いていると、紅葉が風に揺られているような。

ミッツ 「ドローン」は使わずに表現するのが俳句でしょ。
村上名人 そうですね~。
ミッツ ドローン的な視点を。

夏井先生 
いや~、これは……あなただったんですか。
「ドローンから」を入れようとしたことが問題だというミッツさんの指摘は凄く当たっている
上から見ているという映像を書けば良い「ドローンから」と説明する必要は全くない
諸悪の根源は中七。「もみじと思えば」なので山に赤い何かがあり、紅葉だと思ったのかと思うと、「運動会」ときて読み手は奈落の底に突き落とされる(笑)
一体、読者は何を思えばよいのか。今、書きたいことは全てわかった。
運動会の帽子とかが紅葉みたいに色とりどりだと。こんな感じで良いですか?表現したいこと。
本人 (元気なく)…はい
夏井先生 声が小さいよ!
本人 はい、はい!
夏井先生 
「運動会」とし、「帽子」と書けば良い。「パラソル」も使う。
帽子もパラソルも」。「パラソル」が出てくるので「カラフル」と着地してみる。
そうすると、上から帽子やパラソルの色を眺めて色とりどり、カラフルだなと。
ドローンの視点は読み手に伝わる。
ただ、ドローンの視点を求めたことは決して悪くない。
朝五時になんか待ってる奴なんかより、将来性はある
→4位の中澤の句をいじる先生
一同 (笑)
中澤 オレ?

添削後
運動会 もパラソルも 

★特待生昇格試験★

玉巻アナ ミッツさんは、実は夏井先生が「影のタイトルホルダー」と呼んでいまして、いつもタイトル戦を予選落ちされているんですが、決勝用に書いた幻の作品が凄く優秀だと褒めていらっしゃいます。
→今年の春光戦は「沈黙の春尽く角砂糖ひとつ」、炎帝戦は「50のターンひた蹴る裸の浮くを待つ」。どちらも番外編で紹介された
浜田 これはね~、もう前回も前々回もそうでした。もうええ加減名人の方へねという…。
ミッツ 上がりたいですね、行きたいですね。

◆『秋声に 褪する石灰 最終種目 ミッツ・マングローブ

【本人談】
運動会で一番印象的なのが(地面に引かれた)石灰のライン。最後のリレーくらいになると、色んな人の足で色が褪せるという運動会の終盤を詠んだ。

村上名人 これだから僕は、「最終種目」最後の…実際の種目を言ったほうがいいのかもなと思っちゃうんですけど。
浜田 なるほど。
一同 ああ~。

夏井先生 
この句の評価のポイントは下五「最終種目」です。

→指摘が当たったと思って村上名人は少しにやける

■査定結果
2級へ1ランク昇格

理由:言葉の経済効率が良い
◎意表を突く語順が巧い。石灰岩の地形かと思うが下五で反転。しみじみな季語で定年退職する先生目線とも。

夏井先生 
運動会としては非常に味わいが大人。意表を突かれた
季語「秋声(しゅうせい)」は水の音・風の音・鳥の声すべてに秋のしみじみとした物寂しい気持ちを感じ取ると。
秋声(しゅうせい)】秋の季語
風音、草木のそよぎ、人の声など
秋の爽やかさと寂しさを感じさせる物音

その秋声に「褪せ」ている「石灰」。この「石灰」の字が出た瞬間、石灰石・石灰岩のある秋の風景を詠んでいるのかと一瞬思った。
最後に「最終種目」と出た瞬間に、「石灰」のラインだと一発でひっくり返るように分かる
本人 あ~良かった。
夏井先生 
そうすると「秋声に褪する」という、逆にここからの読みが読み手の中に流れ込んでくる。この「最終種目」の1単語だけで
「具体的な種目を書くべき」という意見もあったが、下五で「リレーですよ」というのでは賑やかになってしまう(季語のイメージと合わない)。
→指摘を否定された村上名人が不貞腐れる
夏井先生 
最後の種目、運動会もいよいよ終わる。今年で定年退職する校長先生とか、しみじみとした感じを受け止めた。
最後の一言は凄い展開。さすがミッツさんだな。しみじみと褒めたいと思う。
直しはいらない。

本人 ありがとうございます。

添削なし

★永世名人への道★
※春・夏とタイトル戦2連覇で調子の良い村上名人。星3つの梅沢名人まで星1つ差で迫っている。

浜田 これ(前進)行ったら梅沢さんに並びますよ。
村上名人 今日正直、出したくて仕方なかったんですよ。早い段階から。みんなに見てほしくて
浜田 マジで?
村上名人 今日、もう俺の俳句だけで1時間SPいけるんじゃ…。
浜田 なんでやねん!
一同 (笑)
浜田 もつか!
村上名人 語りつくそうぜ、この1句を。
浜田 もつか!お前で。

◆『リレーバトン 空のケースに いぼむしり 村上健志(フルーツポンチ)

※「いぼむしり」とは蟷螂(かまきり)の古い呼び名で秋の季語。

本人 あの…。ホント運動会のこと考えてたら…リレーバトンは思いつくじゃないですか。ケースに入ってたよなってのを思いついて。そ~れで、嬉しくなっちゃって(笑)。
→浜田が台を叩く
ミッツ ちゃんとやって。
浜田 ちゃんと解説せぇよ!

【本人談】
リレーバトンのケースが空(から)だということはバトンが使われているということ。運動会の練習かもしれないし、本番かもしれない。(練習とは)言ってないが、リレーの熱気がありありと浮かんでくる。普通なら「秋の日差し」とか言いたくなるが、敢えての「カマキリ」。
→両手を「く」の字に曲げてカマキリのモノマネをして笑いをとる

夏井先生 
この句の評価のポイントはここ「空の」です。

本人 ちょっと!何それ?

■査定結果
名人10段★1へ1つ後退

理由:「空の」はいらない
◎「空の」は蛇足。競技の状況とバトンケースにカマキリのいる状況を正確に書く。遠近感で季語を効果的に。

→後退査定に観客から「え~!」という声が上がり急に真顔になる本人

夏井先生 発想はさすが
本人 そうですよね~。厳しいでしょ。
夏井先生 厳しいなんてもんじゃない、普通です。これは。
→不貞腐れ気味にうなだれる本人
夏井先生 
「空の」は言う必要がない
なぜなら、リレーの練習をしている所を先に描いて、バトンケースにいぼむしりがいるといえば、「空の」という必要性がない。
浜田 確かに。
夏井先生 絶対いらない。むしろ今、大事な言葉自分で言ったでしょ?
浜田 言いました。
夏井先生 リレーの「練習」してるんでしょ。「練習」と書く。
浜田 言いました。(練習を)やってるって事はもう(ケースは)空になってるって事。
夏井先生 その通り。
リレー練習」で一回切る。光景も切れる。「バトンケースにいぼむしり」で良い。
そうすると、観客にだって分かるだろ?この効果が
観客 (笑)
夏井先生 
どう違うか。まず、リレーの練習の映像が出る。
その映像がずーっと手前の方にくる。空っぽのバトンケースが放り出してある。
その中に微かな影が見えて「あれ?」と思うと、カマキリが顔を出す

「いぼむしり」への焦点がアップになって一句が終わると、遠近感のおかげで季語が効果的に見えてくる
せっかく面白い光景を見つけているのに、「空の」といらんこと言うことで星を自分がドブに捨てたというケース。

本人 厳しい。厳しいわ!
浜田 これもう次回…。
本人 こんな感じ?これが10段?後退?
一同 (笑)

添削後
リレー バトンケースに いぼむしり

編集後記
今回は「運動会」。このシーズンは5年連続でお題に選ばれています。2年前は「綱引き」と具体的な種目が兼題でした。今回は、兼題写真の転んだ男性から発想した2名が高評価でしたが、スポーツ選手2名は滅多打ちにされる結果になってしまいました。
1位は15回目にして3度目の才能アリとなった宮田さん。「バンソウコウ」の表記はやや陳腐にも思いましたが、先生は高評価でしたし、発想の方向性は良かったですね。2年前にも「力む手と火薬の匂いの運動会」と詠み凡人に沈みましたが、宮田さんは、兼題写真を見てどのように俳句を作ったのか自分の言葉できっちり述べるので、上達が早いと思います。実に1134日ぶりとなる才能アリで、二階堂さんから一歩抜け出しました。
2位は増田さん。初登場時に「カフェ独りニーチェの頁めくる秋」で1位を獲得しましたが、今回は「燃ゆる」の比喩が凡人的表現でした。先生は「秋晴」の季語に変えましたが、普通に「運動会」でも良いのではと感じました。昨年は潮田玲子さんが「爽やかに早まる鼓動待つバトン」と同じような心境を詠んでいました。
3位は特待生候補と紹介された東大卒の髙田さん。中七のリフレインではやる気持ちがよく伝わる一句でしたが、下五で落ち着かない感じが強く出てしまいました。先生お得意の「吾子」による添削となりましたが、競技名を明確にするか「運動会」という季語に頼るかのどっちかという方向性が難しいと思いました。全俳句一覧記事作成はもう少々お待ちください。
4位はバラエティー番組にも出演する元サッカー日本代表の中澤さん。キングオブザ凡人ながら、村上名人にキツく言われ、夏井先生からも「迷惑」呼ばわりされるバラエティー的な公開処刑に遭いました。個人的には「朝五時」という時間帯の早さが面白いとは思いましたが、あれだけ言われても次回出るならリベンジに期待したいところ。ちなみに、同じ発想で前田吟さんが「秋の朝爺の張り切る陣地取り」と詠んでいます。
最下位は豊ノ島関の30点を超えられなかった錣山親方。句が出た瞬間、玉入れの玉なのか大変小さい点のようなものが紅葉に見えてしまったのかと思い、あ~と頷いてしまいました。句意は伝わるようにも思うので、「運動会、老い、甥追い「おーい!!」あ、人違い」のジュニアさんと同じ10点は厳しい評価に感じました。結果に気落ちせず、弟子の指導で角界を盛り上げていただきたいところです。
特待生昇格試験は明暗がくっきりと分かれました。
タイトル戦では決勝は素晴らしい句が紹介されるも「新た御代の見出し立たん桜真風」で降格していたミッツさん。人物の動作や人間関係の裏の場面に焦点を当てるのが巧く、「褪せる」という動詞がこの方らしいですね。「秋声」の季語の使い方も運動会の賑やかな面ではなく、秋が終わってしまうかのような寂しい部分を表現したところが良かったです。村上名人の指摘は見事に外れ、季語の勉強不足という印象でした。
その村上名人は初めての後退を味わうことに。「空の」が不要と指摘されましたが、読んだ瞬間「バトン」と「ケース」の関係が分かりませんでした。当方の記憶では、リレーのバトンは巾着の袋に入っていた記憶で、実感がわかなかったためです。また、本人は「カマキリ」とは言うものの、なぜ「いぼむしり」と古い言い方にしたのかも語ってほしかったですね。それ以上に浜田さんが、句の弱点を見抜いていたのがさすがなところ。披露したい気持ちは理解できますが、今回は詩情が少し読み取りにくかったのが残念でした。最近好調でしたが、一回屈辱を味わったことで、より客観的に句を見れるのではないでしょうか。

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Re: タイトルなし

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