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【対弘前高校】20190919 プレバト!!俳句紹介【俳句甲子園】

2019年9月19日放送 プレバト!!
全国高等学校俳句選手権大会(俳句甲子園)の覇者プレバト!!が誇る特待生との真剣勝負。
東国原名人・立川志らく・村上名人の3名と全国日本一となった弘前高校(青森)との対外試合で詠まれた俳句を紹介します。

■前半企画の特待生昇格SPはこちらの記事を参照してください。

●お題:道後温泉
愛媛県・松山市の有名な温泉「道後温泉」が映る写真のお題
「日本書紀」にも記載され、俳人・正岡子規も愛した最古の湯の一つ

赤●プレバト!!芸能人チーム(東国原名人・立川志らく・村上名人)
白○:青森県立弘前高校

審査員(敬称略):高柳克弘、鴇田智哉、岸本尚毅、小澤實、正木ゆう子、西村和子、高野ムツオ、中原道夫、関悦史、阪西敦子、神野紗希(※会場の上手側から紹介順)
総評:夏井いつき先生(※会場では最も上手側に着席)
スタジオの見届け人:志らく、中田名人、村上名人、藤本名人

※番号クリックでリンク内移動します。
1回戦
4-7
 1  村上健志
(フルーツポンチ)
湯上りの夜の道後よ秋めきぬゆあがりのよるのどうごよあきめきぬ
2 ○西野結子さん
(弘前高校・2年)
湯冷めして脳の吸はれてゆくやうなゆざめしてのうのすわれてゆくような
2回戦
8-3○
3  ○若井未緒さん
(弘前高校・2年)
からくりの人形踊り秋の暮からくりのにんぎょうおどりあきのくれ
4 東国原英夫子規に似た蝗がおった食うたったしきににたいなごがおったくうたった
3回戦
1-10
5  立川志らく消灯直前に来た客と月夜の温泉の中しょうとうまえにきたきゃくとつきよのゆのなか
6 ○小枝安奈さん
(弘前高校・3年)
番台の隠れ飲みたるラムネかなばんだいのかくれのみたるらむねかな

※結果は… 2勝1敗○青森県立弘前高校の勝利!!(●プレバト!!の三連覇はならず・・・)
→編集後記

●オープニング
※夏井先生からの試練。名人・特待生の真価が問われる俳句対外試合。俳句甲子園日本一の高校との真剣勝負。
東国原名人 もう、気合いが違います。

※俳句甲子園とは、愛媛県松山市で毎年8月に開催される高校生による俳句の全国大会。地方大会を勝ち抜いた32チームが集まり、日本一を決める大会。
→プレバト!!チームは2017・2018年にも大会後のエキシビションマッチで2回参戦。当時の優勝校である開成高校、徳山高校を下して2連覇を達成している。

***

→舞台下手の袖裏で決勝を見守るプレバト!!チームの3人は10段の2名と初参戦の志らく
東国原名人 レベル高いからねぇ。
志らく 笑いが全くない。
村上名人 いや、ないですよ。
東国原名人 負けると、泣くんだよね。もう、夏が終わった…。

***

※俳句甲子園の名物と言えば、熱く盛り上がる質疑応答の時間。
(通常の試合では、質疑応答の時間が3分間あり、相手チームの俳句に質問ができる。ただし、発言時間は1人30秒以内。)

例えば…
『虫籠を吊るして月を透かせけり』 向陽高校(和歌山)
の句に対し…

藤本名人 いい俳句。

高田高校A(相手チーム) 「吊るして」っていいますと、虫かごが自分の手よりも下に来ていますよね。ですが、「掲げて」ってすると、手より上に虫かごが来るのですが、なぜここは「吊るして」にしたのでしょうか?

向陽高校(詠んだチーム) 「掲げて」いると、なんでしょう。やっぱり、普通に考えて手が疲れてくるからという感じがするし(笑)

藤本名人 かわいい。

※夏井先生のような、切れ味鋭いやり取りで、お互いの俳句をよりよくするディベートを行う。今回、プレバト!!チームが戦う学校は青森県立弘前高等学校。5人中4人が女子生徒のチーム。東大合格者も輩出する県内有数の進学校である。

***

浜田 先生!
夏井先生 はい。
浜田 この弘前高校、レベルの方はどうなんでしょう?
夏井先生 俳句甲子園の歴史を塗り替えたチームだと私は思っています。見事なチームでした。はい。
浜田 ちょっと、楽しみですね。こうなると。
藤本名人 いや、でも勝つでしょ。言ってもね~。3連覇!!
→試合に出た村上名人は俯き加減な様子、志らくは真顔のまま動じない…
浜田 そらそうやわ。

***

※試合に出る3名は学ラン姿で円陣を組み気合を入れ

司会 プレバト!!から3名の方にお越しいただきました。
→会場の大声援の中入場する

(VTR)
東国原名人 負けません。
村上名人 ハッキリ言います。3度もここの舞台に立ったやつがいるのかってことなんですよ、僕の方がどっちかというと俳句甲子園に関しては先輩だと思ってますんで。

※対決は三本勝負、二勝したチームの勝利となる。

★ 1回戦 

村上名人 vs. ○西野結子さん(2年・言葉選びに定評があると紹介)

藤本名人 (村上名人は)めっちゃ緊張してるやん。

湯上りの 夜の道後よ 秋めきぬ 村上健志(フルーツポンチ)
※温泉に入り、秋を感じたシンプルな一句

[質疑応答]

武田鮎奈さん 少し、こう…要素を入れすぎているのかなと思ったのですが、私が気になったのは「夜の道後」っていうことなんですけど、「秋めく」っていうだけで十分涼しさが出るなと思いました。どうでしょうか?
→指摘を聞いてる最中はポカーンと放心状態気味の村上名人にスタジオに笑いが起こる

司会 村上さん。

村上名人 いや、本当にオレ…そうなんですけど・・・。
一同:(笑)
藤本名人 「そうなんです」アカンやろ。
※もっともな指摘にたじろぐ村上名人

村上名人 やっぱり俺はどうしても…夜を感じてほしかった。
○ ・・・・・(会場がシーンとなる)
一同 (笑)
玉巻アナ ポカ~ンてしてる。

○『湯冷めして 脳の吸はれて ゆくやうな 西野結子さん(弘前高校)
※湯上りにほてった体が風で冷やされるさまを、まるで脳が吸われていくようなという独特な言葉遣いで表現した一句

中田名人 うまい。すごい。
藤本名人 「脳の吸はれて」。へぇー。


[質疑応答]

司会 立川さん。
志らく ええ~、「脳の吸はれて」っていうのは素晴らしいとは思うんだけども、「ゆくやうな」と言う必要がないんじゃないですかね。「行く」で決めつけた方が、私は断定で良いと思うんですが、どうですか?
→中七の大胆な発想の句には、下五で曖昧な表現にするよりも断定した方がふさわしいのでは?と主張
東国原名人 「湯冷めして」が冬(の季語)になっているんですが、これどうして(夏の時期なのに)冬にされたのかをお伺いしたい。
○西野さん 「湯冷め」ってなんか…お風呂に入った時には温かいんですが、出てきたら体の熱が奪われていく感じ。
→「湯冷め」は冬の季語だが、道後温泉の句を詠むには適していると反論

※審査は11名の旗の多数決による判定

【判定】
4-7
弘前高校チームの勝ち

浜田 おい、村上!
村上名人 いやだって「脳で吸はれる」とかやる?

※名人10段村上の敗因は?
高野先生
少し気分が良すぎる。これはたぶん、道後温泉の人たちは喜ぶ。ポスターに使える俳句(キャッチコピーのような俳句)だと思います。こういう俳句はあんまり村上さんには似合わないですな。
一同 (笑)
村上名人 いやいや、知らないでしょ。

夏井先生 
○やっぱりこの「脳に吸はれてゆくやうな」という感覚。「湯冷め」という季語をこのような比喩で表現できるというこっちが素晴らしかった。夏の暑い盛りによく「湯冷め」という季語を持ってきた。
致し方ない。相手が悪かった。

○添削なし

浜田 フジモン。これやばいね、この展開。
藤本名人 何してくれてんの?ねえ?
村上名人 強いんですもん。
中田名人 あっはは。
浜田 初めて行ってどうでした?空気感凄かったですか?
志らく 物凄かったですよ。甲子園の野球の大会に参加しちゃったみたいな、そういう雰囲気すらあった。
浜田 ねぇ、ピリピリした感じで。
藤本名人 ボケるとね、そんなんいらんねんみたいな空気が。
志らく 笑いはいらないんですよ。何かギャグを言うと全部スベる感じが。
藤本名人 いらんねん。
一同 (笑)


★ 2回戦 

東国原名人 vs. ○若井未緒さん(2年・リケジョ[理系の女子]と紹介)

○『からくりの 人形踊り 秋の暮 若井未緒さん(弘前高校)
※道後温泉の駅前には、松山を舞台にした夏目漱石の小説『坊っちゃん』のからくり時計があり、それを詠んだ一句

[質疑応答]

司会 立川さん。
志らく 「志らくさん」ね。
一同 (笑)
志らく 「立川さん」って、近所のおじさんみたい。「志らくさん」と言って。「踊り」まで言わなくても、からくり人形が踊ることはわかるので、「からくり人形」だけでいいような気がするのですが、なぜわざわざ「踊り」を付けたんですか?
西野さん 踊らない時と踊る時があるわけじゃないですか。踊っているところを見てるんで、「踊る」って結構大事かなって思うのと・・
→からくり人形が踊るのは当たり前という志らくの指摘に対し、踊っていない時もあるので「踊り」という言葉は必要だと反論

子規に似た 蝗(いなご)がおった 食うたった 東国原英夫
※正岡子規に似たイナゴを見つけて食べたという発想を飛ばした一句

→句の読み上げで会場は笑いが起こる
藤本名人 めっちゃ受けてる。

[質疑応答]

東国原名人 正岡子規の写真、教科書等々に載っている、横顔の写真。あれね、バイきんぐの小峠(英二)くんに凄い似てるんですよ。あの横顔がなんかイナゴに似ている。ホントは僕はね、飛蝗(バッタ)にしたかったんです。「飛蝗がおった食うたった」にしたかったんですけど、バッタって食わねぇよなと。

→口を滑らせた東国原名人の一言について鋭い指摘が出る
武田さん 食べられるからバッタではなくイナゴにしたとおっしゃっていましたよね。季語が食べれるからそれに変えたと、季語が動いてしまうってのがまずあると思うんですが、いかがでしょうか。

【判定】
8-3○
プレバト!!チームの勝ち

一同 素晴らしい。
東国原名人 ありがとうございます。

鴇田先生
イナゴとバッタってもともと似てはいますよね。ディベートだったんで、裏方を暴露するようなことになってしまったんですけど、普段の俳句作る時は黙っていれば大丈夫な話で、最終形だけ見ればイナゴの句として愛情が僕は感じられますね。

夏井先生 
これも対照的な勝負だった。評価の分かれ目はハッキリしていた。
○「秋の暮」がくることで、結構しみじみとしたからくり人形の表情になるのではないかと。やはり「踊り」がどこまで効いてくるかという評価になる。
リズムが面白いし、発想が面白い。飄々とした味わいがある。こういうのが俳句として愛されやすい俳句かなと思う。

○添削なし

浜田 中田さん。もうこれは最後…。
中田名人 もうこれはプレバト!!が勝つでしょう。
浜田 いや、そうですよね。
中田名人 だって、志らくさんホントに自信があって出たんでしょ。
藤本名人 もう、これは”立川さん”に決めていただきたい(笑)。
志らく ”志らくさん”ね。
一同 (笑)


★ 3回戦 

立川志らく vs. ○小枝安奈さん(3年)

消灯直前(まえ)に 来た客と月夜の 温泉(ゆ)の中 立川志らく
※20音の大胆な字余りに挑んだ一句

志らく 高浜虚子の字余りの最高が25音だったんで、それを越えてはいけないと思って、「温泉」で「ゆ」、「直前」を「まえ」と詠みました。
→普通に読むと25音あるが5音節約したという一句

○『番台の 隠れ飲みたる ラムネかな 小枝安奈さん(弘前高校)

[質疑応答]

村上名人 ラムネって隠れて飲むには滅茶苦茶こう…不便っていうか(笑)。音出ちゃうし、開ける時。無茶苦茶カランカラン鳴るしで…。
小枝さん 隠れて飲んだラムネっていうのが、少し隠れることでの背徳感とか、でもラムネを飲んだ爽快感っていうのが、よく伝わってくるんじゃないでしょうか。
→音の出るラムネだからこそ、より後ろめたさが生まれると異を唱えた弘前高校
東国原名人 番台の…に、隠れて飲んでるんですよね、ラムネをね。…どんな状況なんですか?

浜田 はははっ。
→またしてもラムネの違和感を指摘

小枝さん なんか、そういう難しい所も隠れてる自分のスパイスになるっていうか、ビー玉の音によって涼しさを感じる感じ。ラムネだからこそ伝わってくるものが沢山あったと思います。
→やられたという反応の東国原名人

浜田 3連覇。
藤本名人 お願い!

【判定】
1-10
弘前高校チームの勝ち

藤本名人 うわっ。
浜田 ボロ負けやない。
村上名人 師匠。
藤本名人 師匠、何してるんですか。ボロ負けじゃないですか。

→1-10でかつてない惨敗を喫した志らくに唯一旗を挙げた審査員から指摘が

関先生
高浜虚子の字余りの句がありますけども、それが25音を越えないようにしましたと。ここはむしろですね、虚子が25音やったのなら、俺はそれ以上やってやるという風に考えてほしかった。ここでかしこまってはいけない。

玉巻アナ 厳しい。
村上名人 怒られてる。

司会 さあ、それでは選手の方にも感想を伺ってみたいと思います。立川さん、完敗でしたがいかがでしたか。
志らく 「志らくさん」です(笑)。
藤本名人 そこはね。

結果は、プレバト!!チームの1勝、青森県立弘前高校の2勝で、青森県立弘前高校の勝利で大会は幕を閉じた

夏井先生 
今回はチームワークの差(が勝敗を決した)。質問は3人でするけど(プレバト!!は)チームワーク全然ない。
○番台で店番しながらこっそりラムネを飲む。でも(ビー玉の)音が出る。そこにおかしみがある。
質疑応答で、相手に塩を送るような質問を投げて相手に評価点がどんどん入る。戦い方が3人とも下手。

○添削なし

藤本名人 まず、お前が勝たないと。
浜田 そやな。
藤本名人 3回目なんやから、分かってるやん。大体どういうものかっていうのが。脳みそ吸うたろか?(笑)

▼各審査員の投票結果(敬称略) ●:プレバト!! ○:高校生チーム
回戦高柳鴇田岸本小澤正木西村高野中原 関 阪西神野合計
14-7
28-3○
31-10


編集後記
今回で俳句甲子園のエキシビションは3回目。前回は藤本名人もいましたが、今回は志らくさんが初挑戦。東国原名人は2度目、村上名人は皆勤賞。ちなみに審査員11名は、昨年とメンバーも配置も一緒でした。
お題は道後温泉と松山は名物ばかりですね。そのうち松山城も兼題になるかもしれません。
1回戦村上名人の句。「道後」の地名を唯一使うも、内容が普通過ぎる感じが否めません。「風呂上がり」を「湯上り」と1音節約しましたが、審査員の指摘通り「湯上りに○○どうぞ」というポスターはスーパー銭湯でも見かけますし、村上名人お得意の「夜」も高校生の指摘通りでした。
1回戦○高校生の句。東国原名人が以前詠んだ「湯冷め」「麻酔」「墓参り」の句の表記・発想を少しずつ取り入れたような一句でしたが、中七の表現がとにかく秀逸で、比喩にも実感がこもっており、さすが優勝する理由がわかる句でした。これを見せつけられては村上名人もかないません。
2回戦○高校生の句。兼題に忠実だと思いましたが、負けてしまったのが惜しかったですね。「踊り」と入れたことで動きが描写されて良いと感じましたし、季語ともイメージが合いました。これこそ相手が悪かったように思います。
2回戦東国原名人の句。再び子規でトライ。兼題が関係ないようにも思いますが、温泉の湯上りの食事から連想されるということでしょうか。「た」の韻でリズムを作り、半ば強引にも感じる展開ですが、ダジャレのような滑稽な一句に仕上げました。「飛蝗」にすると韻がしつこくなったかも。審査員の方々は刺激に感じる一句だったかもしれません。
3回戦志らくさんの句。解説が一切なく、字余りにする要素が感じられないのが残念。以前円楽さんも「前かごにチワワ吠え」で上五の字余りの句を詠みましたが定型に直されています。「消灯直前に来た客」という表現なので、温泉の従業員目線の句なのでしょうか。「月夜」の季語と取り合わせが近い感じはありますが、「湯の中」に着地することで読みが広がる一句です。
3回戦○高校生の句。夏の季語「ラムネ」を持ってくるのも良いですが、上五で場所も想像できる渋い一句ですね。「番台に」だと最後「ラムネ」に焦点が絞られますが、「番台の」としたことで隠れて飲む番頭さんの動き全体にも焦点に当たるように感じられました。東国原名人も「番台に」と言いかけていたので、質疑応答で助詞を指摘すれば良かったのにと思いました(カットされたかもしれませんが)。
今回は仕方ない敗戦という印象です。夏井先生が指摘していたチームワークの差もそうで、相手に水を差すどころか逆に読みが広がる感じの指摘をしていたプレバト!!に対し、限られた時間の中で問題点や読みの確認を行う高校生の方がディベート力は勝っていました。しかも、俳句の出来も高校生は発想の方向性も素直な感じが良かったですね。プレバト!!は奇を衒おうとして失敗したように思います。プレバト!!はやはり石田さんにカムバックしてもらいたいですし、ディベートを鍛える戦いについて、特待生同士でのチーム対抗戦を企画しても良いかもしれません。

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